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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)  業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、一部大手企業を中心としてリストラの完了や不良債権等の処理、更なる設備投資により史上最高益を挙げている状況ですが、その他の中小企業においては、長期の踊り場状況が続き、今後の成長に一段の改革、革新が迫られています。併せて地震等による自然災害が相次ぎリスク管理の重要性も叫ばれています。

医薬品業界においては、製造販売業の導入や市販後の安全対策の強化のための「GQP(品質管理の基準)」及び「GVP(製造販売後安全管理の基準)」が製造販売業許可要件となるなど改正薬事法の今年4月施行に向けて、製造品質面の管理強化や品質保証体制の確立、責任者の配置を含めた組織体制の見直しなどその的確な対応に追われる一年となりました。

配置薬業界においては、富山県配置用医薬品の生産額が6年連続の減少となり、また富山県在住の配置従事者は2千人を割るという業界低迷の状況が続いています。配置薬メーカーは、生産効率の向上はもとより、改正薬事法施行による品目毎の全製造工程受託の実現に向けて大手医薬品メーカーからの受け入れ態勢の整備に注力しています。販売業においては、配置従事者の質の向上に主眼を置き、業界団体の主導の下、新規配置販売従事者研修制度の創設、公的資格「医薬品販売士」(仮称)の導入を国に要請するなど業態の位置付けの確保に一丸となって取り組んでいます。

こうした厳しい経営環境の中で、グループ全体の経営資源をいかに最大限に活用することが出来るかをテーマとするとともに求められる商品、流通ニーズに柔軟に対応すべく分社化や営業の移行を行い、更なる「広貫堂グループのブランド力の向上」を目指して参りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、116億6,873万円(前連結会計年度比112%)となりました。

利益面につきましては、経常利益は4億2,808万円(前連結会計年度比352.4%)、当期純利益は2億5,223万円(前連結会計年度比177.5%)となりました。

 

 

(2)  キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前純利益額が、428,050千円となったことなどにより前連結会計年度に比べ679,210千円増加し、当連結会計年度には、1,751,309千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金収支は、1,019,062千円、前連結会計年度に比べ513,411千円の増加となりました。これは、税金等調整前当期利益428,050千円および減価償却費791,418千円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の収支は、当連結会計年度は、△784,220千円となりました。

これは有形固定資産の取得による支出632,451千円及び無形固定資産の取得による支出147,583千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金収支は、当連結会計年度は、444,369千円、前連結会計年度に比べ△830,772千円の減少でした。これは、長期借入による収入が前連結会計年度に比べ900,000千円減少したことによるものです。


 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産、販売品目はほとんどの製品が、見込み生産の医薬品であり、同種の製品であっても、その容量等は必ずしも一様ではなく、事業のセグメントごと生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産については、製剤の種類別業績、販売の状況については部門別業績で示しています。

(1)  生産実績

当連結会計年度における生産実績の今期製剤別ごとに示すと、次のとおりであります。

製剤別

前連結会計年度生産額

(千円)

当連結会計年度生産額

(千円)

前年同期比

(%)

胃腸剤

785,165

664,769

△15.33

解熱剤

1,373,979

854,227

△37.83

五疳薬

672,550

653,611

△2.82

外用剤

170,457

107,758

△36.78

保健強壮剤

2,390,306

3,018,821

26.29

その他

1,548,016

2,921,101

88.70

合計

6,940,473

8,220,287

18.44

(注)1.金額は販売価格により計算したものであります。

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

(2)  受注状況

当連結会計年度における医専・薬専部門における受注状況は次のとおりであります。

なお、その他事業部門については見込み生産を行っています。

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医専・薬専部門

3,518,079

121.15

396,100

122.74

(注)1.金額は販売価格により計算したものであります。

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

(3)  販売実績

当連結会計年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

部門別

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業

5,517,763

4,167,601

△24.47

医専・薬専事業

2,929,118

5,103,997

74.25

医薬品配置事業

1,709,843

2,091,267

22.31

その他の事業

264,639

305,869

15.58

合計

10,421,363

11,668,734

11.97

(注)1.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績並びに総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

武田薬品工業㈱(医薬)

909,531

8.72

1,420,385

12.17

日本配置薬㈱(帳主)

965,788

9.26

882,498

7.56

オールジャパンドラッグ㈱(日薬)

668,307

6.41

681,693

5.84

布亀㈱(帳主)

407,265

3.90

387,496

3.32

住友製薬㈱(医薬)

331,697

3.18

330,057

2.83

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。


 

3【対処すべき課題】

わが国の経済は、世界経済の不安定要因は拭い切れず、国内需要も一段落し、株価も上げ止まり感があり回復基調は鈍化していると思われます。業界においては、改正薬事法の対応と企業間の受注競争の激化により一層の企業再編が進むものと思われます。

当社グループは、あらゆる流通において広貫堂ブランドの商品とサービスを提供し、お客様満足はもちろんのことお客様の健康増進を支援してまいります。そのためには、改正薬事法に基づいた安全対策の強化を図り、広貫堂ブランド力の更なる向上を図ると共に人を育てる文化、イノベーションを行い続ける文化の醸成に努めてまいります。

製造面においては、本社工場の改造工事や新規設備導入により錠剤20億錠の生産体制を確立すると共に、改正薬事法に適合した受託製品の一貫製造化のための設備と制度を導入してまいります。また、滑川工場においては、ドリンク剤2億本の生産体制を確立し、より多くの方々に安定して製品を提供してまいります。

品質面においては、生産本部内に品質管理統括部を新設し、GMPに関する管理監督と共に本社・滑川工場で生産される全ての製品に対しての品質の確保と信頼の構築を図ってまいります。

販売面においては、グループ会社である日本薬剤株式会社(OTC向け流通)、廣貫堂メディフーズ株式会社(一般消費者およびコンビニ、スーパー向け流通)、広貫堂薬品販売株式会社(配置小売流通)への販売の強化を図ることに加え、営業推進部(配置卸流通)を一般グループと法人グループに区分し、各々流通ニーズに合った適切な営業活動をしてまいります。また、医薬事業部薬専グループをH&BC(ヘルス&ビューティケア)事業部と改称し、医薬品のみならず化粧品や健康食品等への進出も図ってまいります。また、医専グループは改正薬事法の主旨に則り委受託生産部門を生産本部の委受託推進グループに移管し更なる品質の向上と委託先との連携の強化に努めてまいります。

開発面においては、開発技術本部を改組して研究室を新設し、消費者および販売会社、グループ会社が求める新製品を研究開発してまいります。研究室内に医薬品開発グループ、食品開発グループ、製剤開発グループの3部門を設け、健康をキーワードとした商品を開発してまいります。商品提案は、営業本部内に営業企画室を設け、全ての流通での要望や開発依頼に対応すると共に、総合企画グループ、生産企画グループとの強固な連携により、企画、開発、生産、販売のバリューチェーンを構築してまいります。

管理面においては、安全対策強化のため、信頼性保証室を新設し、お客様のお問い合わせに対応してまいります。信頼性保証室には、品質保証グループ、薬事グループ、安全管理グループを設け製造からお客様のご愛用後のフォローに至るまで誠実に対応してまいります。

広貫堂グループの経営を円滑にそして有効に機能させるために、本社よりグループ会社担当役員を選任し、グループでの課題を共有化すると共に、その解決を図るために「グループ社長会」を新設し、本社との連携や対策の実施を行ってまいります。

以上のようにグループ会社の自立を支援し経営基盤の強化によって、より多くの方々に広貫堂ブランドをご愛用いただき信頼を確固たるものにしてまいります。また、本社およびグループ企業は、企業の資産の4本柱である人材育成、研究開発重視の広貫堂ブランドの醸成、営業利益率の向上、IT化の推進に努めてまいります。

 


4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績および財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 

(1)当社グループがとっている販売制度のリスク

当社グループの主力事業である家庭配置薬の配置業者向け販売では永年の取引慣行で交換薬制度(最長5ヶ年の配置期限が到来した商品の返品制度)があります。

したがって、景気後退による個人消費低迷の時代のなか従前以上の交換返品高の増加が考えられる。この変動は当社グループの経営成績および財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制のリスク

当社グループの事業は、薬事関連規制等に服しております。医薬品の開発、製造、輸入流通等の各段階においてさまざまな承認・許可制度等が設けられています。

 

(3)種々の訴訟リスク

当社グループの事業活動の過程で、製造物責任、環境などの事柄に関し訴訟を提起される可能性があります。

 

(4)個人情報のリスク

当企業集団は、様々な販売チャネルで事業展開していることから、多数の個人情報を保有しております。しかしながら、万一個人情報が外部に漏洩するような事態が発生した場合、顧客の信用失墜による売上の減少や顧客に対する損害賠償による損失が発生する可能性があります。

 

これら他にも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクではありません。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度における該当事項はありません。

 


6【研究開発活動】

今年度の研究開発活動は、新滑川工場の稼働率向上を目的として、液剤製品の開発に注力しました。また、固形剤では、製造方法の改良により、コストダウンを目的として、新製剤の開発に努力しました。

内用液剤では、多くの医薬品が、自動的に新範囲医薬部外品に移行させる措置が取られ、その結果、医薬品販売業者のみが扱うことのできる医薬品の品目数が減少しました。そこで、医薬品の品目数を増加させ、滑川工場の稼働率向上に寄与せんと、多数の医薬品を試作・検討を行い、8品目について製造承認申請を行いました。

また、新範囲医薬部外品に移行しCVSに展開を開始したサンリキソDX3000について、リニューアル品の検討を行い、処方内容、味覚等について現在品質評価中であります。

更に、本社製造許可品目について、2005年3月までに滑川工場での製造許可をほぼ取得いたしました。

以上の結果、液剤の新規開発品目は、新範囲医薬部外品を含め、製造承認申請した品目は、14アイテム18品目に上ります。

固形剤では、すでに許可を取得し、販売中の承認基準外の塩化リゾチーム・ゴオウ・アスコルビン酸配合かぜ薬について、剤形違い品の開発検討を行いました。

胃腸薬では、開発を進めておりましたリパーゼAP12を配合し、処方強化・製造コストダウンを基本にした総合胃腸薬の開発を終了させました。

また、固形剤の受託の増大に伴い、生産本部と協力して製造方法の改良の検討を行い、一部の品目でコストダウンを実現させました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は244百万円であります。

 

7【財政状態及び経営成績の分析】

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成17年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成している。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。

①収益の認識基準

当社グループの売上高は販売基準に基づき、通常、製品が出荷された時点またはサービスが提供された時点で売上計上しています。特定の顧客仕様で製造した製品については顧客が当社グループの製品を検収した時点で売上計上しています。売上計上基準の適用は顧客との売買契約書の内容および取扱い製品の種類に応じて決定しています。

 

②貸倒引当金の計上基準

当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しています。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。


③たな卸資産の評価基準

当社グループの販売するたな卸資産は見込生産で行っており、評価基準として移動平均法による原価法(連結子会社は、先入先出法による原価法)を採用しています。たな卸資産は市場の需給の影響を受け価格が低下する可能性があります。

 

④有価証券の減損処理

当社グループは金融機関や販売または仕入に係る取引会社の株式を保有しています。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っています。減損処理に係る合理的な基準は第5[経理の状況]の有価証券関係の注記に記載しています。将来、株式市場が悪化した場合には多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。

 

⑤繰延税金資産の回収可能性の評価

当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積もりに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度において連結売上高は11,668百万円、経常利益は428百万円、税金等調整前当期純利益は428百万円となっており、前連結会計年度と比較し、それぞれ12.0%、252.4%、62.8%増加しております。

以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。

 

      売上高の分析

当連結会計年度の連結売上高は11,668百万円であるが、これを事業の部門別ごとに分析すると、医専・薬専事業部門と医薬品配置事業部門は前連結会計年度よりもそれぞれ74.2%、15.5%増加し、5,103百万円、2,091百万円の売上高となっています。これは当連結会計年度において受託製造品目の増加と新製品コエンザイムの本格的な需要の増加に起因しております。

一方、当社グループの主力事業である医薬品卸売事業部門は取引配置販売業者の高齢化と後継者不足、また景気後退による個人消費の低迷により24.4%減少し、4,167百万円の売上高まで減少しております。

 

      販売費及び一般管理費の分析

当連結会計年度における販売費及び一般管理費については、3,497百万円。前連結会計年度と比較し、人件費23百万円(98.7%)減少、営業経費79百万円(105.5%)増加、減価償却費16百万円(91.5%)減少しております。

 

      特別損益の分析

当連結会計年度における特別利益として日本製薬業厚生年金基金の解散による特別掛金の清算戻り益33百万円であります。

特別損失として、固定資産除却損28百万円、投資有価証券評価損5百万円を計上しております。


 

(3)資本の財源および資金の流動性について分析

      キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は1,751百万円であり、、前連結会計年度に比べ679百万円増加いたしました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況のとおりであります。

仕入債務の残高は前連結会計年度と比較して183百万円の増加、たな卸資産の残高は前連結会計年度と比較して95百万円増加しております。

 

      資金需要について

当社グループは、事業活動のために必要と考える資金の確保、流動性の維持及び健全な財政状態を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。

今後の資金使途につきましては、有利子負債の圧縮や内部留保により財務体質の強化を図る一方、生産設備の設備、拡充や研究開発等に取り組むことで将来キャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。

 

(4)新会計基準の適用等について

      減損会計基準の適用等について

平成16年3月期より「固定資産の減損に係る会計基準」および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」が公表されていますが、当連結会計年度では適用しておりません。

 

      企業結合会計基準の適用

平成15年10月31日に企業会計審議会から「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」が公表されております。同会計基準の実施時期は平成18年4月1日以後開始する事業年度からなので、当連結会計年度では適用しておりません。

 





出典: 株式会社 廣貫堂、2005-03-31 期 有価証券報告書