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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期のわが国経済は、円安などによる堅調な輸出や設備投資の増勢、雇用賃金の増加もあって、景気は産業界の一部には跛行的な部分があるものの、全般的には拡大のうちに推移したようであります。 

医薬品業界におきましては、昨年4月より診療報酬の大幅な引き下げとともに、薬価基準が業界平均6.7%引き下げられたのをはじめ、高齢者医療費の個人負担増など医療費抑制策が強化され、また、一般用医薬品市場は、健康食品やサプリメントなどの攻勢を受け、業界再編がさらに進むという苦しい展開になりました。

当社におきましては、当期の平成19年2月が会社創立90周年にあたることから、売上高の伸張をはかるため、製品の優秀性と他社品との差別化を強調し、例年にも増した努力を傾注いたしましたが、そのうえ、昨年末より感染性胃腸炎の大流行が加わりました結果、売上高は77億5千7百万円と前期より6.3%の増加となりました。

その内訳は、新ビオフェルミンSが前期に比べ4.4%増の43億7千万円となったほか、ビオフェルミン止瀉薬(ししゃやく)、ビオフェルミン下痢止め、ビオフェルミン健胃消化薬錠や昨年2月に一般用医薬品として新発売した、おなかのハリに対する効果を高めたビタミンC配合のビオフェルミンVCなどの大衆向製品が、売上高全体の61.7%、売上高が依然として55%と高い伸び率となったビオフェルミン錠剤やビオフェルミン、ビオフェルミンRなどの医療用医薬品が36.3%で、その両方を合わせますと売上高の98.0%となっております。このほか、健康食品製造用の乳酸菌製品や動物用ビオフェルミンが売上高に含まれております。

一方、経常利益につきましては、販売促進関係の費用の増加や当期が商法に替えて、会社法の適用を受けることになり、役員賞与金を経費として計上することとしたため、前期に比べ6千万円(3.8%)増の16億5千5百万円となりました。

また、当期純利益につきましては、前期のような特別利益がなかったため、前期に比べ1千5百万円(1.6%)減の9億6千2百万円となりました。

会社創立90周年という節目にあたる当期に、それなりの業績をあげ得ましたことは、ひとえに株主の皆さま方のご後援の賜ものと存じ、厚く御礼申し上げます。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益が前期に比べ若干減少したものの16億5千5百万円(前期は16億6千7百万円)と好調であったのに対し、有形固定資産の取得による支出および売上債権の増加を源泉とした収入の減少等があり、5億2千1百万円減少し、当期末は50億3千4百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期における営業活動による資金の増加は、11億5千8百万円(前期は14億8千3百万円の増加)となりました。

これは、営業収益の向上に取り組み、税引前当期純利益が16億5千5百万円と好調であったものの、売上債権の増加、法人税等の支払額の増加等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期における投資活動による資金の減少は、12億9千2百万円(前期は3億1千8百万円の減少)となりました。

これは、主に試験研究・管理棟の建設に関連した有形固定資産の取得によって12億9千3百万円の支出(前期は2億3千万円の支出)があったことを反映したものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期における財務活動による資金の減少は3億8千7百万円(前期は6億2千9百万円の減少)となりました。

これは、株主総会決議による配当金並びに中間配当金の支払(3億8千5百万円)があり、取締役会決議による自己株式の取得がなかった(前期は2億6千4百万円の支出)ことによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 

種別
当事業年度
(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)
前年同期比(%)
生産金額(千円)
新ビオフェルミンS
4,332,583
5.5
ビオフェルミン止瀉薬
165,172
19.0
ビオフェルミン下痢止め
143,690
△1.8
ビオフェルミン健胃消化薬錠
67,576
△13.3
ビオフェルミンVC
107,110
3.2
ビオフェルミンR
1,116,063
7.2
ビオフェルミン
1,292,895
△4.4
ビオフェルミン錠剤
487,620
52.1
ビオスミン
27,433
△13.1
健康食品
147,932
26.5
動物用ビオフェルミン
20,563
11.0
その他
11,279
△58.3
合計
7,919,921
5.8

(注) 1 生産実績金額の算定基準は当社の販売価格によっております。

2 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 ビオフェルミン下痢止め及びビオフェルミン錠剤は、株式会社陽進堂に生産を委託しており
ます。

 

(2) 受注実績

当社は製品ごとの販売計画を基準として、生産計画を立案し、これによって生産を行っており、
受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

 

種別
当事業年度
平成18年4月1日〜平成19年3月31日
前年同期比(%)
販売金額(千円)
新ビオフェルミンS
4,370,701
4.4
ビオフェルミン止瀉薬
140,059
1.6
ビオフェルミン下痢止め
132,281
2.7
ビオフェルミン健胃消化薬錠
60,535
△ 4.6
ビオフェルミンVC
68,091
△ 25.7
ビオフェルミンR
1,037,946
12.5
ビオフェルミン
1,291,636
△ 0.2
ビオフェルミン錠剤
455,901
55.3
ビオスミン
27,740
△ 4.1
健康食品
137,121
17.3
動物用ビオフェルミン
17,550
8.5
その他
17,588
3.9
合計
7,757,154
6.3

(注) 1 主な販売先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

相手先
第120期
第121期
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
武田薬品工業㈱
7,165,033
98.18
7,602,483
98.01

2 上記販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の日本経済は、なお緩やかな安定成長の軌道を維持すると推測されますが、外需の動きや円高へのシフトなどの動向によっては、その見方を変える必要があると思われます。  

医薬品業界におきましては、高齢化の進展に伴う社会保障財源の悪化がさらに深刻化することは明らかであり、これに伴う医療費抑制策がますます強化されるなど、厳しい環境が続くものと思われます。また外資系を含む企業間の販売競争や新薬開発競争は一段と熾烈化するなか、各企業とも勝ち抜くためのさまざまな施策を講じてくるものと予想され、その動向によっては業界に思わぬ影響を与えることも考えられます。

当社を取り巻く経営環境への懸念といたしましては、医療費抑制策や一般用医薬品の販売制度全般の見直しと市場の凋落傾向が憂慮されるほか、原材料価格の高騰などの動きも気掛かりなところであります。

当社といたしましては、当社製品は安全性が充分認知されたすぐれた必要不可欠な医薬品であることを引き続き訴求し、国の内外ともどもに販路の伸張をはかる一方、コスト面のいっそうの節減に努めてまいる所存であります。

また、現在建設が進行中の試験研究・管理棟は、今年の秋には竣工の運びであり、これにより既存建物は製品製造専用棟として使用が可能となるため、いっそうの効率化・合理化を実現し生産体制の拡充を確立いたします。一方、新棟におきましては研究体制の一段の充実・強化をはかり、当社事業の根幹とする乳酸菌そのものが持つセルフメディケーション(自己治療)やセルフプリベンション(自己予防)の可能性を徹底的に追求し、さらには当社のすぐれた『ヒト由来の乳酸菌』の多方面への有用性を解明するなかで、「腸は健康の源」を基本理念とした新製品の開発を促進する所存であります。

当社はこれからもビオフェルミンブランドを継続的に高め、人々の健康増進に寄与すべく取り組んでまいりますとともに、消費者の安全に対する意識が高揚するなかで、生命関連企業としての責任を深く自覚し、品質保証体制の一段の強化をはかり、全てにおいて高い倫理観をもって厳しい時代に即応した経営を推進して業績の向上に努めてまいります。

株主の皆さまには今後とも格別のご支援、ご鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

1 当社の事業内容について

(1) 製品の特徴について

当社の主な取扱い製品は、医薬品(医療用・一般用)と医薬部外品であり、その大部分が乳酸菌が主成分の整腸薬であります。また整腸剤のほかにも一般用医薬品では乳酸菌を配合した下痢止薬、便秘薬、胃腸薬など消化器官系に特化した製品構成となっております。

なお、当社製品は(医薬品、医薬部外品ともに)戦略として生菌製剤(乳酸菌)に特化した製品構成としておりますので、乳酸菌に対する評価の変化により、業績に影響が出る可能性があります。

また、当社の売上高の61%程度が一般大衆向製品(医薬品・医薬部外品)であるため、市場における価格競争の激化により販売価格が著しく下落した場合には、売上高に少なからず影響を与える可能性もあります。

(2) 武田薬品工業株式会社への販売依存度が高いことについて

当社は、創業時より販売を武田薬品工業株式会社に委託する契約を締結しており、同社に対する販売依存度は高くなっております。

当社としては、今後も武田薬品工業株式会社との取引関係を継続していく方針でありますが、同社との契約・取引内容等に変化が生じた場合において、業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、平成18年3月期及び平成19年3月期の同社への販売依存度は下記のとおりであります。

 

相手先
平成18年3月期
平成19年3月期
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
武田薬品工業㈱
7,165,033
98.18
7,602,483
98.01

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

2 法的規制について

当社は、薬事法及び関連法規等により医薬品・医薬部外品の製造・販売につき規制を受けており、各種許認可、免許の取得を必要とします。

その主な内容は以下のとおりであります。

 

許認可等の名称
所轄官庁等
許可・免許に関する内容
有効期限
第二種医薬品製造販売業許可(みなし)
都道府県知事
薬事法第12条
各事業所5年ごと更新
医薬部外品製造販売業許可
(みなし)
都道府県知事
薬事法第12条
各事業所5年ごと更新
動物用医薬品製造販売業許可(みなし)
都道府県知事
薬事法第12条
各事業所5年ごと更新
医薬品製造業許可
都道府県知事
薬事法第13条
各事業所5年ごと更新
医薬部外品製造業許可
都道府県知事
薬事法第13条
各事業所5年ごと更新
動物用医薬品製造業許可
都道府県知事
薬事法第13条
(第83条の2)
各事業所5年ごと更新
卸売一般販売業
(サンプル卸)許可
都道府県知事
薬事法第24条
各店舗(注)6年ごと更新

 (注) 卸売一般販売業の店舗とは、医薬品の保管設備(倉庫)及び事務室を総称したものであります。

 

3 医療制度改革による影響について

国民医療費は年々増加しており、特に高齢化が進行するわが国では老人医療費の伸びが大きくなってきています。厚生労働省は、増え続ける医療費に歯止めをかけるため、診療報酬の大幅な引き下げや薬価基準の引き下げ、高齢者医療費の個人負担増等の医療費抑制策を強化しています。

今後も実施される医療費抑制策の一環としての定期的な薬価引き下げはもとより、後発医薬品の使用促進や新たな高齢者医療制度の創設等、今後の動向が業界全体に大きな影響を与える可能性があります。

さらに医療用医薬品の生菌製剤については、処方せんの交付を受けた者のみに対して販売または授与できる処方せん医薬品に指定されていないことから、今後の動向が当社製品及び業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

4 医薬品販売規制緩和による影響について

政府が進める規制緩和政策の一つとして消費者の利便性を配慮し、一般用医薬品のうち安全性の高い品目が選定され、コンビニエンスストア等一般小売店での販売が平成16年7月30日から実施されております。当社の主力製品である新ビオフェルミンSはこの対象となっておりますが、これまで品質確保や情報提供の必要性の観点から、従来の薬局薬店のみでの販売を継続しております。一方で同種品を有する他メーカーの一部は販路拡大による市場拡大を見込み、一般小売店での販売を展開しており、また、他の医薬品成分を配合した医薬品としての整腸薬を発売する等、これらの動向や今後の対応が当社製品および業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。

さらに、医薬品のリスク等の程度に応じた医薬品販売制度を含む薬事法改正が、随時、施行されています。この販売制度見直し政策の動向が当社製品および業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

5 薬事法による医薬品の再評価について

生菌製剤は、過去1回再評価(注)の対象品目に指定され、有用性に関する審査を受け、現在に至っています。今後も再評価を受けることが考えられるため、生菌製剤に関する品質・有効性及び安全性に関する情報の整理を行うなど対策を検討しております。

生菌製剤に関する品質・有効性及び安全性に関する基準が変更されることも考えられ、その場合には当社製品及び業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

(注) 再評価

 既に承認された医薬品について、現時点における学問的水準から品質・有効性及び安全性を見直す制度で、国(厚生労働省)が審査を行います。

 

6 主要株主について

株式会社T・ZONEホールディングス(ジャスダック上場、コード8073)の子会社である株式会社T・ZONEキャピタルが、平成19年3月31日現在、当社発行済株式総数の34.9%を保有していることが株主名簿により確認されております。

このため、株式会社T・ZONEキャピタル及び株式会社T・ZONEホールディングスの経営方針等により、当社の経営、業績・財政状態及び株価等は影響を受ける可能性があります。

株式会社T・ZONEホールディングスの最近の連結業績等は下表のとおりであります。詳細については、同社有価証券報告書等をご覧下さい。

 

売上高
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期純利益
(百万円)
期末純資産
(百万円)
期末総資産
(百万円)
平成17年3月期
25,418
2,537
2,827
22,253
56,789
平成18年3月期
35,070
5,158
6,779
30,347
90,516
平成19年3月期
41,398
6,965
5,758
46,910
131,411

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は創業時より、販売は武田薬品工業株式会社を通じて行う旨の契約を締結して、現在に至っております。

 

6 【研究開発活動】

当社は研究部門を設置し、乳酸菌の専門メーカーとして医薬品分野を中心に研究活動を行っております。

人々の健康のためによりよい医薬品を供給することを目的に、有用乳酸菌のさまざまな疾患に対する予防・治療効果の研究および製品への応用、乳酸菌製剤等の消化器官用医薬品を主体とした研究開発並びに乳酸菌の有効性を追及する基礎研究を行うとともに、製品の品質・生産性を向上するための技術開発にも取り組んでおります。

当年度におきましても乳酸菌の有する効果について、多方面への研究を進めており、当事業年度における研究開発費の総額は160,370千円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、104億7千3百万円(前期比3億3千4百万円増)となりました。その主な要因は、有形固定資産取得に伴う現金および預金の減少(64億5千6百万円から59億3千4百万円へ5億2千1百万円の減)があったものの、売掛金の増加や1年以内に償還される国債(5億円)を固定資産から振替えたこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、102億1千2百万円(前期比7億6百万円増)となりました。その主な要因は、1年以内に償還される国債(5億円)を流動資産に振替えたことによる減少や有形固定資産の減価償却による減少等があったものの、試験研究・管理棟建設に伴う建設仮勘定や当社保有株式の時価が増加等があったことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計の残高は、44億6千8百万円(前期比3億7千2百万円増)となりました。その主な要因は、販売促進関係の経費の増加による未払金が増加したこと(12億8千7百万円から15億8千2百万円へ2億9千5百万円増)、その他有価証券の評価差額に係る繰延税金負債の増加等により繰延税金負債が増加したこと(16億2千3百万円から17億3千1百万円へ1億8百万円増)によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、162億1千8百万円(前期比6億6千8百万円増)となりました。その主な要因は、平成18年6月開催の定時株主総会における利益処分により剰余金の配当1億9千8百万円、役員賞与5千5百万円を支払ったことと取締役会決議による剰余金の配当(中間配当)1億8千7百万円を支払ったことによる減少があったものの、当期純利益が9億6千2百万円であったこと、その他有価証券の評価差額金が増加したこと(16億7千2百万円から18億2千万円へ1億4千7百万円増)等によるものであります。

 

 

(2) 経営成績

「1 業績等の概要 (1) 業績 (2) キャッシュ・フローの状況」を参照願います。

 





出典: ビオフェルミン製薬株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書