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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

①全般の概況

当連結会計年度における世界経済は、米国経済の回復が進む一方、新興国では成長の鈍化が続いており、全体として緩やかな成長基調となっております。

わが国においては、外需企業を中心に企業収益が改善したものの、個人消費は消費税率引き上げによる落ち込み以降の持ち直しが小幅なものとなっており、全体として景気回復にもたつきがみられました。

臨床検査業界におきましては、引き続く価格低下圧力及び同業他社との競争激化を反映して、厳しい事業環境が継続しております。

このような環境のなか、当社グループといたしましてはさらなる成長を遂げるための経営諸施策に積極的に取り組んでまいりました。

これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は204,667百万円(前期比0.6%増)となりました。国内受託臨床検査事業において検査価格の下落等により減収となったものの、円安が進行したこと及び平成25年10月に米国で病理検査サービスを提供するLakewood Pathology Associates, Inc.(d/b/a PLUS Diagnostics)を子会社化したことにより、結果として増収となりました。利益面では、増収による利益増のほか、臨床検査薬事業におけるプロダクトミックスの変動の影響などから、営業利益は27,012百万円(前期比1.1%増)、経常利益26,566百万円(前期比2.0%減)、当期純利益16,002百万円(前期比4.4%増)となりました。

なお、当社は、Baylor College of Medicine(President & CEO:Paul Klotman、本部:米国テキサス州、以下、「BCM」)が、その遺伝学検査等に関する臨床検査事業を行う部門であるMedical Genetics Laboratoriesにかかる事業を譲渡することにより設立する遺伝学的検査会社Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLCにつき、平成27年2月2日に当社の米国中間持株会社であるMiraca USA, Inc.を通じ、BCMより60%の持分の取得を完了しました。当該合弁会社は、当社の持分法適用の関連会社となります。

 

②セグメントの状況

イ.臨床検査薬事業

国内における消費税率の引き上げにより製品流通在庫が調整局面となったものの、海外売上の伸長と円安効果によりほぼ前年並みの売上高となりました。利益面では、プロダクトミックスの変動の影響が主要因で増益となりました。これらの結果、売上高は43,455百万円(前期比0.0%減)、営業利益は10,423百万円(前期比14.5%増)となりました。

 

ロ.受託臨床検査事業

検査受託価格の下落等により国内事業が減収となった一方、米国で平成25年10月にLakewood Pathology Associates, Inc.(d/b/a PLUS Diagnostics)を子会社化したことなどから、結果として増収となりました。利益面では、米国子会社の増益が国内事業の検査価格下落を主要因とする減益を補えず、結果として減益となりました。これらの結果、売上高は132,853百万円(前期比0.7%増)、営業利益は13,488百万円(前期比6.7%減)となりました。

 

ハ.ヘルスケア関連事業

滅菌事業につきましては、継続して受託病院の新規獲得に努めた結果、売上高は16,976百万円(前期比7.5%増)となりました。

治験事業につきましては、引き続き新規案件の獲得に注力しましたが、一部試験の開始遅延の影響などから、売上高は5,225百万円(前期比5.0%減)となりました。

これらの結果、ヘルスケア関連事業の売上高は28,358百万円(前期比1.2%増)、営業利益は2,930百万円(前期比10.8%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,382百万円減少し、27,288百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、29,261百万円(前期比1.9%増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益24,331百万円、非資金支出項目である減価償却費11,203百万円、のれん償却額4,039百万円及び減損損失2,596百万円があった一方、法人税等の支払額12,015百万円があったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、27,874百万円(前期比62.5%増)となりました。この主な要因は、投資有価証券の取得による支出15,967百万円、有形固定資産の取得による支出7,122百万円及び無形固定資産の取得による支出6,829百万円があった一方、有形固定資産の売却による収入2,370百万円があったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、9,980百万円(前期比2.9%増)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入10,150百万円があった一方、自己株式取得目的の金銭の信託の設定による支出10,018百万円、配当金の支払額5,220百万円及び長期借入金の返済による支出4,250百万円があったためであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

前年同期比(%)

臨床検査薬事業(百万円)

52,300

101.5

受託臨床検査事業(百万円)

131,985

101.1

ヘルスケア関連事業(百万円)

26,974

101.2

合計(百万円)

211,260

101.2

 (注)1.金額は、販売価格換算によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

前年同期比(%)

臨床検査薬事業(百万円)

43,455

100.0

受託臨床検査事業(百万円)

132,853

100.7

ヘルスケア関連事業(百万円)

28,358

101.2

合計(百万円)

204,667

100.6

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。

3【対処すべき課題】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「製品とサービスにおける新しい価値の創造を通じて、健康で豊かな社会作りと世界の医療に貢献します。」という経営理念のもと、次のような経営方針をもって事業活動を行っております。

<経営方針>

・顧客ニーズに応えることを最優先とし、高品質な商品、情報、サービスを提供します。

・環境保全に万全を尽くし、地域社会と良好な関係維持に努めます。

・社員一人ひとりの個性を伸ばし、公平な機会と公正な評価による働きがいのある明るい職場づくりを目指します。

・誠実で健全な経営を行い、ステークホルダーの信頼に応えます。

 

(2)中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

当社は、国内外での競争力を一層高めるとともに、海外における事業の成長を加速すべく、平成26年5月、目指すべき10年後の姿を設定いたしました

 

当社グループが目指す10年後の姿

・連結売上高:5,000億円程度

・海外売上高比率:約50%

 

上記10年後の姿は、各事業のオーガニックな成長とM&Aによって実現することを前提としております。

当社は、平成26年5月、かかる10年後の姿への成長を可能とするための基盤構築のフェーズと位置付けるべく、オーガニックな成長を前提として、①競争による事業拡大、②新しい製品・サービスの創出及び③グローバル市場への本格参入を基本的な成長戦略の柱とする第4次中期経営計画を策定いたしました

その概要は以下のとおりです。

 

①臨床検査薬事業

ルミパルス製品の地理的拡大

 既に参入済みの欧州及びアジア市場において、ビタミンD等の差別化項目によりルミパルス製品の市場開拓を加速するとともに、最大市場である米国への早期参入を目指します。これにより海外ルミパルス事業の早期の収益化を目指します。

グローバル事業体制の構築

 マネジメント、オペレーション(購買、生産、物流)及び研究開発の各分野において、グローバル体制で推進する仕組みを構築し、持続的な成長の基盤を整備してまいります。

ルミパルス製品の国内シェア拡大

 国内においては、ルミパルス試薬ラインナップのさらなる拡充を進めるとともに、シェア拡大のための販売活動を強化してまいります。

・新規事業開発

 免疫外領域への参入を見据え、新規領域に関する事業開発を強化するとともに、既存製品については市場のニーズを適切に見極め、選択と集中を進めてまいります。

 

②受託臨床検査事業

国内開業医市場の獲得

 販売体制の強化及びラボ機能の戦略的再編(地域分散化)により、顧客ニーズに合った検査サービスを提供し、これにより開業医市場でのシェア拡大を図ってまいります。

次世代システムの導入による競争力強化

 次世代システム(平成27年度本格稼動予定)の導入により、集荷・検体受付業務を効率化するとともに、検査の標準化、報告スピードの改善及びトレーサビリティの強化を実現し、顧客である医療機関の利便性を高めてまいります。

新たな検査サービスの開発

 コンパニオン診断関連検査、ゲノム解析など先端的な検査サービスを他社に先駆けて導入することに努めます。また、新しい検査サービスによる事業開発の機会を積極的に探索いたします。

 

 

・海外事業の成長

 米国 Miraca Life Sciences社においては、規模拡大による競争力の強化とコスト構造の改善を並行して進め、これにより米国における病理専門ラボとしてトップの地位の確立を目指します。また、新興国においては、国内及び米国で培ったノウハウをもとにアジア市場に本格参入し、受託臨床検査事業の地理的拡大を進めてまいります。

 

③ヘルスケア関連事業

 滅菌事業においては、地理的拡大に努めるとともに、周辺サービスラインナップの拡充によりさらなる売上成長を目指します。また、治験事業においては、国内販売活動を強化しシェア拡大を図るとともに、国際共同治験の獲得及び新規市場の発掘に注力いたします。

 

④M&A戦略

 前中期に引き続き、M&Aを中長期的な成長のための重要施策として位置付けてまいります。健全な財務体質を維持しつつ、各事業の成長と収益力の強化により生み出されるキャッシュフローを、競争力強化と成長のためのM&Aに活用してまいります。

 

⑤積極的な株主還元

 将来の経営環境の変化とM&A・研究開発など将来の成長機会への投資に備え、必要な内部留保を充実させながら、配当を中心に株主のみなさまに積極的な利益還元を図っていくことを目標としております。「継続かつ安定的な増配を行う」との基本方針に基づき、30%を超える連結配当性向を今後も継続してまいります。

 

(3)環境・品質に関する施策

当社グループは、環境保全・改善に万全をつくし、自然及び地域社会との共生に努めるとともに、お客様に選ばれ愛される企業グループであり続けるために、国際規格ISO14001認証のもと、各種の環境活動に取組んでおります。

一方、商品品質では、富士レビオ株式会社において、国際規格ISO9001、ISO13485、CEマーキングの認証のもと、品質マネジメントシステムの維持向上を目指しております。

また、株式会社エスアールエルにおいて、米国臨床病理協会(CAP)、公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)の臨床検査室認定制度(ISO15189)の認定のもと、お客様にご安心いただけるサービスを提供できるよう、品質の向上を追求し続けております。

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針

Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

当社取締役会は、当社株式の買付提案等を受け入れるかどうかは、最終的には、当社株主のみなさまの判断に委ねられるべきものであり、当社株主のみなさまが適切な判断を行うためには、当社株式の買付け等が行われようとする場合に、当社取締役会を通じ、当社株主のみなさまに十分な情報が提供される必要があると考えます。

そして、対価の妥当性等の諸条件、買付けが当社グループの経営に与える影響、買付者による当社グループの経営方針や事業計画の内容等について当社株主のみなさまに十分に把握していただく必要があると考えます。

しかし、当社株式の買付け等の提案の中には、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値・株主共同の利益に照らして不十分又は不適切であるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れをもたらすものも想定されます。

このような企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある不適切な大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。

当社は、平成19年5月23日に開催された当社取締役会において、以上の内容を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針とすることを決定いたしました。

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み

当社では、中期経営計画の着実な実行、積極的な株主還元、及びコーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じて、企業価値・株主共同の利益の向上に取組んでいます。以下に掲げるこれらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現に資するものと考えています。なお、以下に掲げる取組みは、その内容から、株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものでないことは、明らかであると考えています。

 

1.中期経営計画の実行を通じた企業価値・株主共同の利益の向上の取組み

臨床検査業界は、国内市場の成長鈍化とグローバル化の進展から、一段と厳しい競争の時期を迎えております。このような環境の中、当社は、将来のさらなる成長の基盤を構築すべく、①競争による事業拡大、②新しい製品・サービスの創出及び③グローバル市場への本格参入を基本的な成長戦略の柱として第4次中期経営計画を平成26年5月に策定いたしました

中期経営計画の概要は「(2)中長期的な経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりです。

 

2.積極的な株主還元を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み

当社では、将来の経営環境の変化とM&A・研究開発などの将来の成長機会への投資に備え、必要な内部留保を充実させながら、配当を中心に株主のみなさまに積極的な利益還元を図っていくことを目標としています。

 

3.コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み

当社では平成17年6月より委員会設置会社(現・指名委員会等設置会社)に移行し、監督と執行を明確に分離し、業務執行を迅速に展開できる執行体制を確立しております。コーポレート・ガバナンス体制の観点からは、取締役10名のうち7名を独立性の高い社外取締役とし、法令に従って監査委員会、報酬委員会、指名委員会を設置してさらなる経営の透明性確保、公正性の向上を目指した取組みを継続しています。インセンティブ・報酬の観点からは、企業価値・株主共同の利益を向上させることを最重要課題と位置付け、執行役に対する業績連動型報酬制度を導入するとともに、業績との連関が高くない退職慰労金制度を廃止し、また株主のみなさまと執行役その他従業員の利益を共有化する目的からストックオプション制度を導入しております。これら執行役・取締役に対する報酬は有価証券報告書、事業報告にて開示しております。その他、株主総会の活性化及び議決権行使の円滑化に向けた施策として、株主のみなさまが適切な議決権行使をしていただく時間を確保する目的から招集通知を株主総会の3週間以上前に発送するとともに、株主総会集中日を回避するなど、さまざまな施策を実施しています。また、これら適切なガバナンス体制の維持・強化の重要性から、内部統制システムの基本方針を定め、監査委員会による監査体制の強化、子会社・関連会社を含めた管理規程の整備を進め企業集団における業務の適正を確保するための体制を構築するなど、さらなる整備強化を進めております。

 

Ⅲ.上記の取組みが上記Ⅰの基本方針に沿うものであり、株主共同利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由

上記の取組みは、当社の財産を最大限に活用し、収益の維持・向上に必要な内部留保の確保と株主のみなさまへの利益還元の適正な配分を図り、また、適切なコーポレート・ガバナンス体制の維持・強化を図るものであり、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資するものであります。したがいまして、上記の取組みは、基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 研究開発に関するリスク

 当社グループは効率的かつ迅速な新製品及び新技術の研究開発に注力しておりますが、研究開発の途上において有効性・安全性等の薬事承認に必要とされる基準に満たない事由によって研究開発を断念せざるを得ない場合があり、それまでにかかったコストを回収できない可能性や、研究開発方針の見直しを余儀なくされる可能性があります。

(2) 知的財産権に関するリスク

 当社グループの製品は、物質・製法など複数の特許によって、一定期間保護されています。当社グループでは、特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、他者からの侵害に対しても常に注意を払っておりますが、保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの製品が他社の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があります。

(3) 市場環境の変化による影響

 医療制度の大きな改革が継続的に進められるなか、当社グループの事業環境は、市場における他社との競合なども加わり、一段と厳しさを増しております。これらの市場環境の変化が市場価格に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(4) 法的規制等に関するリスク

 当社グループには、国内では薬事法並びに関連する法律等の、また、海外ではFDA等による法的規制があります。将来において、法律の改正や規制強化等が行われる場合には、当社グループの事業活動への制限や事業運営に係るコスト増加につながる可能性があります。

(5) 海外事業展開及び為替変動に関するリスク

当社グループは、日本国内のほか、北米・欧州その他の地域における事業活動を積極的に展開しております。これにより、当社の連結売上高における海外売上高の比重及び連結総資産における在外資産の比重が高まっており、為替の変動により影響を受ける要因が増大しております。

当社は、為替変動リスクに対し、為替予約などリスクを軽減する手段を一部講じておりますが、かかる手段は為替変動リスクの全体を回避するものではなく、当社の業績、資産・負債及び純資産は、為替の動向により悪影響を受ける可能性があります。

また、かかる海外地域において景気の後退、政情の変化、法規制等の変更、税制の変更、テロ・紛争等の発生、感染性疾病の流行や災害の発生があった場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 企業買収等(M&A)に関するリスク

当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを国内外において検討・実施しており、これにより企業価値の向上を目指しております。

M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っておりますが、買収後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、買収事業が所期の目標どおりに推移せず、場合によっては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 精度管理に関するリスク

 当社グループにおける精度管理は、検査結果の正確性を維持するために最も重要な事項であります。当社グループの主要な受託臨床検査事業会社は、定期的に日本医師会他、各種公的機関等のサーベイに参加し、精度管理の徹底に努めております。また、一般財団法人医療関連サービス振興会主催のサービスマーク及びISO15189の認定を取得するなど社内体制の構築にも注力しております。

 しかしながら、不測の事態により適正な検査ができない場合は検査精度が低下し、信頼性が損なわれることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報の取扱に関するリスク

 当社グループは大量の患者個人情報やその検査データを保有しておりますが、そのセキュリティの確保と平成17年4月に施行された個人情報保護法の遵守体制構築は経営の重要課題の一つであります。その一環として、㈱エスアールエルでは、プライバシーマーク認証を平成17年2月に取得いたしました。また、情報システムのセキュリティ対策としてISMS及びBS7799の認証を取得しております。

 しかしながら、犯罪行為等により個人情報の流出が発生した場合、信用が失墜することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 減損会計適用に関するリスク

当社グループは、のれんをはじめとする有形・無形の固定資産を所有しております。

これらの資産については、その価値が下落した場合や期待通りの将来キャッシュ・フローが見込めない状況となった場合、減損処理が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 災害、事故等に起因する事業活動の停止、制約等による影響

 当社グループの各事業所或いは顧客である医療機関等が大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われ、操業に支障が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。また、労働災害、設備事故等が発生した場合には、事業活動の制約、停止等により業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社グループが締結している重要な契約は、次のとおりであります。

主要な技術導入契約

相手先

契約内容

契約期間

対価の支払

ライフテクノロジーズ社(米国)

化学発光技術の導入

1988年3月11日

〜特許期間満了日

契約一時金

一定料率のロイヤルティ

ウィスター研究所(米国)

癌関連モノクローナル抗体技術の導入

1998年11月17日

〜終期の定め無し

一定料率のロイヤルティ

(注)契約当事者は、全て富士レビオ㈱であります。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、グループ各社の相互情報交換や共同研究開発等を通じて連携の強化を図っているほか、グループ外の民間企業や研究機関等との間でも共同研究開発を積極的に行うなど、新技術の開発や既存技術の改良に取組んでおります。

臨床検査薬事業におきましては、ルミパルス製品の海外への積極的な開発・薬事対応を進め、欧州ではB型肝炎ウイルス関連6項目のルミパルス試薬群とルミパルスE2-Ⅲ、台湾ではルミパルスPIVKA-Ⅱ、ルミパルスTP-Nの上市をいたしました。国内市場においては、新たに試薬としては、ルミパルス プロゲステロン-N、ルミパルス whole PTH、ルミパルス フリーPSA、AU-シンクロン HbA1cを上市いたしました。また、中小病院向けの小型自動分析機器として、ルミパルスG600Ⅱを国内・欧州で上市を行いました。当事業にかかる研究開発費は4,914百万円です。

受託臨床検査事業におきましては、AICSやがん治療におけるコンパニオン診断など新たなサービス提供を進め、さらに、次世代シークエンサーによるゲノム解析、循環がん細胞遺伝子解析、エピゲノム解析など次世代検査プラットフォームの技術開発を中長期的な計画のもとにすすめております。当事業にかかる研究開発費は469百万円です。

以上により、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は5,384百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1)当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

売上高は204,667百万円となり、前連結会計年度に比べ、1,296百万円の増加となりました。

これは、国内受託臨床検査事業において検査価格の下落等により減収となったものの、円安が進行したこと及び平成25年10月に米国で病理検査サービスを提供するLakewood Pathology Associates, Inc.(d/b/a PLUS Diagnostics)を子会社化したことによるものです。

 

②売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は124,272百万円、売上原価率は60.7%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ3,592百万円、1.4ポイント増加いたしました。

販売費及び一般管理費については53,382百万円、売上高に対する販売費及び一般管理費率は26.1%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ2,581百万円、1.5ポイント減少いたしました。

研究開発費は5,384百万円、売上高に対する研究開発費率は2.6%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ28百万円、0.1ポイント減少いたしました。今後も連結ベースの収益状況を踏まえ、効率的な研究開発活動を行ってまいります。

③営業利益

営業利益は27,012百万円、売上高に対する営業利益率は13.2%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ285百万円、0.1ポイント増加いたしました。

④営業外収益、営業外費用

営業外収益は、1,349百万円となり、これは、主に為替差益及び保険配当金によるものであり、前連結会計年度に比べ、296百万円増加いたしました。

営業外費用は、1,796百万円となり、これは、主にアドバイザリー費用及び支払利息によるものであり、前連結会計年度に比べ、1,135百万円増加いたしました。

⑤特別利益、特別損失

特別利益は、1,642百万円となり、これは、主に固定資産売却益によるものであり、前連結会計年度に比べ、1,572百万円増加いたしました。

 特別損失は、3,877百万円となり、これは、主に減損損失及び事業構造改善費用によるものであり、前連結会計年度に比べ、2,819百万円増加いたしました。

⑥当期純利益

当期純利益は、税効果会計適用後の法人税等の負担割合が34.2%となったことから、16,002百万円となり、前連結会計年度に比べ、679百万円増加いたしました。

 (2)財政状態及び流動性の分析

①資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ20,044百万円増加し、262,203百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券の増加14,820百万円、のれんの増加3,681百万円、無形固定資産その他の増加2,380百万円、顧客関連無形資産の増加2,311百万円、建設仮勘定の増加2,089百万円、現金及び預金の増加1,616百万円、受取手形及び売掛金の増加1,609百万円及び流動資産その他の増加1,067百万円があった一方、有価証券の減少10,000百万円があったためであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ5,540百万円増加し、90,351百万円となりました。その主な要因は、長期借入金の増加4,150百万円、流動負債その他の増加2,182百万円及び1年以内返済長期借入金の増加1,750百万円があった一方、退職給付に係る負債の減少2,322百万円があったためであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ14,503百万円増加し、171,851百万円となりました。その主な要因は、当期純利益16,002百万円及び為替換算調整勘定の増加12,408百万円があった一方、自己株式の取得10,016百万円及び配当金の支払5,226百万円があったためであります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.6%増加し65.5%となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

③資金需要

M&A・研究開発・設備投資・運転資金・社債の償還及び借入金の返済並びにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払い等に資金を充当しております。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。

④有利子負債

当連結会計年度末における有利子負債は34,395百万円であります。主なものは、長期借入金12,150百万円、社債10,000百万円、1年内返済予定の長期借入金6,000百万円及び長期リース債務4,135百万円であります。





出典: みらかホールディングス株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書