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セクション一覧

第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、アジア向け輸出や鉱工業生産及び設備投資が増加するなど、景気の底入れ感が高まりました。また、今年に入りまして、半導体の需要増など電子部品・デバイス産業の生産も上向きに推移しております。さらに、これまで厳しい環境であった雇用情勢も明るさを取り戻し、長期間にわたり雇用を抑制した反動として、パートのみならず正社員においても不足感が感じられます。これらを背景に個人消費もやや強めの動きを示し、徐々にではありますが、景気回復の兆しを示唆しております。

 しかしながら、当社が関係しております粘着・接着・香料・ラミネート業界におきましては、原油価格の高騰により軒並み石油系原料が値上がりし、依然として厳しい状況が続いております。

 このような経済情勢のなかで、当社といたしましては、全社をあげて合理化、省力化を推し進め、精力的に国内外での新市場、新規ユーザーの開拓並びに既存取引先との関係強化に努めてまいりました。さらに、製造メーカー最大のテーマであります生産性の向上、コストの低減並びに品質保証体制の維持・強化により企業競争力の強化をはかってまいりました。

 以上の結果、売上高は9,929百万円(前期比105.7%)となり、経常利益は1,099百万円(前期比101.1%)、当期純利益は685百万円(前期比104.5%)となりました。

 なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

・テルペン化学製品事業

 紙オムツ用水添テルペン樹脂及び防湿紙用テルペンフェノール樹脂は低調に推移しましたが、飲料缶シーリング剤向けテルペン樹脂並びにポリオレフィンフィルム改質向け水添テルペン樹脂は好調に推移しました。また、合成香料向け原料は価格競争の激化により伸び悩みましたが、電材溶剤関係及びIT関連のポリマー原料は新規用途の開拓により順調に伸展し、また、ワックスも積極的に海外販売を行い、売上を伸ばしました。その結果、当事業全体の売上高は、5,938百万円(前期比107.9%)、営業利益は1,518百万円(前期比107.3%)となりました。

 

・接着剤事業

 押し出しコーティング用ホットメルトの輸出並びに自動車ライトシーリング用途が好調に推移しましたが、ポリオレフィンフィルム改質向けマスターバッチ及び国内向けサニタリー関係の需要が低調となりました。その結果、当事業全体の売上高は、2,371百万円(前期比98.8%)、営業利益は375百万円(前期比76.4%)となりました。

 

・ラミネート事業

 主力製品であります「ヒロタックⅡ」は、国内の製本向け光沢加工紙用は低調に推移しましたが、海外の新規ユーザーを獲得したことなどから大幅に売上を伸ばしました。その結果、当事業全体の売上高は、1,619百万円(前期比109.1%)、営業利益は191百万円(前期比111.9%)となりました。

 

 当社グループにおける国内売上高は8,080百万円(前期比98.7%)となりました。海外売上高は1,848百万円(前期比154.2%)となり連結売上高に占める割合は18.6%(前期は12.8%)となっております。

 

(注)記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、たな卸資産の増加はありましたが、税金等調整前当期純利益が1,182百万円(前連結会計年度比104.9%)と増加、固定資産の取得による支出の減少、並びに前連結会計年度には、転換社債の償還3,806百万円とそれらに伴う定期預金の純減、借入金の純増等がありましたが当年度は発生しなかったことなどから、当連結会計年度末には2,183百万円となりました。その結果、資金残高は前連結会計年度末に比べ111百万円の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は前連結会計年度に比べ357百万円増加の1,252百万円(前連結会計年度比40.0%増)となりました。これは主に役員退職慰労引当金の取崩しにより297百万円、たな卸資産の増加により230百万円のそれぞれ減少がありましたが、税金等調整前当期純利益の増加により55百万円、減価償却費の増加により109百万円、前渡金の減少により178百万円、保険積立金の収入により257百万円のそれぞれ増加がありましたことなどから、当活動により得られた資金は増加いたしました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ477百万円増加の383百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得が減少したことから510百万円の増加がありましたが、定期預金の解約による収入779百万円、有価証券の売却による収入31百万円、投資有価証券等の売却による収入173百万円のそれぞれ減少がありましたことなどから、資金は減少いたしました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ2,318百万円減少の768百万円となりました。これは主に前連結会計年度には転換社債の償還3,806百万円とそれに伴う借入金の純増がありましたが、当年度は発生しなかったことなどによります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

前年同期比(%)

テルペン化学製品事業(千円)

3,615,126

109.4

接着剤事業(千円)

1,928,935

104.7

ラミネート事業(千円)

909,961

116.4

合計(千円)

6,454,022

108.8

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

前年同期比(%)

テルペン化学製品事業(千円)

217,729

118.9

接着剤事業(千円)

11,982

137.6

ラミネート事業(千円)

294,520

88.6

合計(千円)

524,233

100.0

 (注)1.金額は仕入価額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当社グループは主として見込生産によっているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

前年同期比(%)

テルペン化学製品事業(千円)

5,938,662

107.9

接着剤事業(千円)

2,371,137

98.8

ラミネート事業(千円)

1,619,287

109.1

合計(千円)

9,929,087

105.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの現状の認識について

 当社グループは、粘着・接着用樹脂、化成品、ホットメルト接着剤、ラミネート品及び商品の製造・販売を主な事業内容として活動しております。

 日本経済の今後の見通しにつきましては、これまで堅調な回復を続けてきた海外経済の先行きに懸念はあるものの、国内景気は設備投資の増加等により回復の動きを持続するものと考えられます。ただし、ここにきて昨年から続いておりました原油価格の高騰に拍車がかかり、それに伴うガソリン等の著しい値上げがみられます。これにより一般消費者にも多大な影響を与えており、景気回復に暗雲を投げかけております。当社におきましても石油系原料の値上げは避けられないものと考えており、引き続き厳しい状況になるものと思われます。

 

(2)当面の対処すべき課題の内容

 当社は、かかる現状認識のもと、国内外市場での販売活動を積極的に推進し、新しい市場の開拓に向け高付加価値製品の研究開発を一層はかる所存であります。また、更なる品質保証体制の強化と生産効率アップによるコスト低減をはかり、企業体質の強化、拡大に向けて努力する所存でございます。

 

(3)対処方法

 上記、課題に対処するため、次の方針で事業活動を推進しております。

イ.重点化

 資源の効率的活用のため、環境・リサイクル関連市場に重点をおき推進してまいります。

ロ.グローバル化

 欧米及び東南アジア市場を狙って、当社製品の特異性が生かせる分野において販売の強化及び拡大をはかります。

ハ.環境・品質管理の徹底化

 化学物質の管理及びその他の環境問題に対して適切に対応していきます。また、顧客に高品質製品を安定供給するため、より一層の努力をいたします。

 

(4)具体的な取組状況等

 前項に基づき、具体的には次のように事業活動に取り組んでおります。

イ.重点化

 当社はテルペンという天然原料を出発とした製品を世の中に供給しております。これらは他の石油系製品と比べて環境に優しく、リサイクルも容易で、これからの当社の経営戦略上、最重要アイテムであることは言うまでもありません。環境事業としては塩化ビニル代替製品としてのラップフィルム、リサイクル事業としては発泡スチロール、防湿用包装紙等のリサイクルに注力し、地球環境への意識の高揚に伴って、これらの事業を重点的に発展させて行こうと考えております。

ロ.グローバル化

 当社の主力製品であります粘着・接着用樹脂、ホットメルト接着剤及びラミネート品を欧米及び東南アジア市場に対して拡販をはかります。

ハ.環境・品質管理の徹底化

 環境・品質への重点的取り組みとして、ISO(国際標準化機構)認証取得があげられますが、まず、ISO9002につきましては平成12年までに当社の新居浜工場、高木工場及び鵜飼工場が取得いたしました。また、国際規格ISO9001につきましては、それぞれの工場がISO9002からISO9001へ移行済みであります。また、新居浜工場は、環境対応強化の取り組みとしてISO14001を認証取得しております。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1)会社がとっている特異な経営方針

 当社グループの主要原材料であるテルペン類は、当連結会計年度の総仕入高の32.3%(1,534百万円)と高く、その全額を輸入に頼っております。仕入価格は国際市況によって影響を受けることがあり、また、その輸入に際して為替変動の影響を受けます。このため、テルペン原料の備蓄量の拡大を図っております。

 

(2)財政状態及び経営成績の異常な変動

 当連結会計年度末における総資産は、17,917百万円(前連結会計年度末は18,192百万円)となり274百万円減少いたしました。その主な要因は、保険積立金の減少(320百万円から70百万円へ249百万円の減)などによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の異常な変動

 キャッシュ・フローは、当連結会計年度末において2,183百万円(前連結会計年度末は2,072百万円)となり、111百万円増加いたしました。その主な要因は、前連結会計年度には、転換社債の償還3,806百万円とそれらに伴う定期預金の純減及び借入金の純増がありましたが、当年度は発生しなかったことなどによるものであります。

 

 





出典: ヤスハラケミカル株式会社、2005-03-31 期 有価証券報告書