有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、原油高による懸念はありましたものの、鉱工業生産及び設備投資は増加傾向を強め、米国・中国を中心とした海外景気も予想以上に好転したことから、輸出量が増加いたしました。また、好調な企業収益に支えられ、個人所得は好転、雇用情勢も需給タイト感を強め、これらを背景として個人消費はさらに上向きに推移いたしました。これらを鑑みますと、さまざまな局面で回復基調を辿り、日本経済は拡大に転じたことが鮮明となった年でありました。

 しかしながら、当社が関係しております粘着・接着・香料・ラミネート業界におきましては、昨年に引き続き原油価格の高騰により軒並み石油系原料が値上がりし、依然として厳しい状況が続いております。

 このような経済情勢のなかで、当社は、平成17年4月に当社製品の販売を営む子会社ヒロダイン株式会社を吸収合併し、同時に営業本部を立ち上げ、精力的に国内外での新市場、新規ユーザーの開拓並びに既存取引先との関係強化に努めてまいりました。また、生産本部におきましては、生産性の向上、コストの低減並びに品質保証体制の維持・強化をはかるとともに、事業規模の拡大、工場の複数化によるリスク分散のため平成18年3月には福山工場用地(約12,000坪)を買い増しするなど、全社をあげて内外の競争の激化に対処しうる企業体質の強化に努めてまいりました。

 以上の結果、売上高は10,716百万円(前年同期比118.8%)となり、経常利益は1,145百万円(前年同期比112.6%)、当期純利益は671百万円(前年同期比104.6%)となりました。

 各門別の業績は次のとおりであります。

 なお、平成17年3月期までは連結ベースでのセグメント情報を作成しておりましたが、当期より連結子会社がなくなったためセグメント情報は作成しておりません。したがって営業利益の前年同期比の記載は省略しております。また、当期より事業部門別の売上高営業損益を記載しております。

 

・粘着・接着用樹脂部門

 防湿紙用テルペンフェノール樹脂は低調に推移いたしましたが、ホットメルト接着剤用変性テルペン樹脂、紙オムツ用水添テルペン樹脂および絶縁テープ用テルペン樹脂はそれぞれ好調に推移いたしました。また、当事業年度から製品の分類変更によるマスターバッチ等の計上による増収と相俟って、大幅な増収になりました。その結果、当部門全体の売上高は、4,164百万円(前年同期比128.9%)、営業利益は708百万円となりました。

 

・化成品部門

 合成香料向け原料は活発な市場に支えられ、電材溶剤関係およびIT関連のポリマー原料は新規用途の開拓も寄与し順調に伸展いたしました。しかし、半導体封止用エポキシ硬化剤およびワックスは市場低迷等により低調に推移いたしました。その結果、当部門全体の売上高は、2,402百万円(前年同期比99.4%)、営業利益は385百万円となりました。

 

・ホットメルト接着剤部門

 当部門の主力製品であります押し出しコーティング用ホットメルトは輸出を中心として好調に推移いたしました。しかし、前述の分類変更による減収がありました。その結果、当部門全体の売上高は、2,072百万円(前年同期比95.7%)、営業利益は221百万円となりました。

 

・ラミネート品部門

 主力製品であります「ヒロタックⅡ」は、国内外を問わず製本向け光沢加工用が好調に推移いたしました。その結果、当部門全体の売上高は、1,472百万円(前年同期比125.3%)、営業利益は207百万円となりました。

 

・その他部門

 ヒロダイン株式会社を吸収合併したことにより、同社が扱っておりました「水処理装置」等の売上高が加わり、当部門の売上高は、605百万円(前年同期比1,630.5%)、営業利益は56百万円となりました。

 当事業年度における国内売上高は8,576百万円となりました。海外売上高は2,140百万円となり売上高に占める割合は20.0%となっております。

 

(注)1 記載金額には消費税等は含まれておりません。

2 前年同期比は、前個別財務諸表上の金額に基づいて算出しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動により625百万円及び財務活動により209百万円それぞれ資金が減少となりましたが、営業活動により資金が1,364百万円の増加となりました。また、子会社との合併により資金の受入が211百万円ありましたので、前事業年度末に比べ809百万円の増加となり、当事業年度末には2,781百万円となりました。

 なお、平成17年3月期までは連結財務諸表を作成しておりましたが、連結子会社を吸収合併したため当期より連結財務諸表を作成しておりません。したがって、個別財務諸表におけるキャッシュ・フロー計算書は、当期より作成しているため、前年同期比の記載は省略しております。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、税引前当期純利益1,133百万円及び減価償却費552百万円の計上がありましたが、法人税等の支払額が427百万円あり、1,364百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得による支出が854百万円ありましたが、定期預金の払い戻しによる収入が199百万円あり、625百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、長期借入金の返済による支出が59百万円及び配当金の支払額が149百万円あり、209百万円の支出となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門別

金額(千円)

前年同期比(%)

粘着・接着用樹脂部門

4,617,170

121.8

化成品部門

2,454,229

102.3

ホットメルト接着剤部門

2,688,419

102.7

ラミネート品部門

1,468,505

123.9

合計

11,228,325

112.4

 (注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当事業年度における商品仕入実績は494,488千円ありましたが、仕入品目が多岐にわたり、事業部門別に分類することが困難であるため記載を省略しております。

 なお、金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当社は主として見込生産によっているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

 当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門別

金額(千円)

前年同期比(%)

粘着・接着用樹脂部門

4,164,316

128.9

化成品部門

2,402,739

99.4

ホットメルト接着剤部門

2,072,501

95.7

ラミネート品部門

1,472,247

125.3

その他部門

605,096

1,630.5

合計

10,716,902

118.8

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 当事業年度の主要な輸出先及び輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。

なお、( )内は総販売実績に対する輸出販売高の割合であります。

 

輸出先

当事業年度

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

 

金額(千円)

割合(%)

 

東南アジア

1,492,309

69.7

 

欧州

413,884

19.4

 

北米

150,531

7.0

 

その他

83,957

3.9

 

合計

2,140,681

(20.0%)

100.0

3【対処すべき課題】

(1)当社の現状の認識について

 当社は、粘着・接着用樹脂、化成品、ホットメルト接着剤、ラミネート品及び商品の製造・販売を主な事業内容として活動しております。

 日本経済の今後の見通しにつきましては、鉱工業生産、設備投資、個人消費、輸出のいずれも回復傾向となっていることから、日本経済は長らく続いた停滞期を脱却し、回復軌道に乗り戦後最長の「いざなぎ景気」を超える長期拡大となる可能性が高いものと思われます。しかし、原油価格の高騰による影響や海外景気の先行きなど不透明要素も少なくなく、これらを払拭するまでには至っておりません。また、当社におきましても石油系原料の値上げによる影響は避けられず、さらに、翌事業年度より福山工場の建設・稼動も検討しており、かかる投資・償却負担は増大していくものと考えております。

 

(2)当面の対処すべき課題の内容

 当社は、国内外での新市場の開拓、積極的な販売活動を推進するとともに高付加価値製品の研究開発に努め、さらなる生産効率アップによるコスト低減をはかり、品質保証体制の強化を行う所存であります。さらに、内部統制システム並びに環境に対する体制の構築など、当社の社会的責任は重大なものであると認識し、これらの責任を果たすと同時に、企業体質の強化・収益の拡大に全社をあげて鋭意努力していく所存でございます。

 

(3)対処方法

 上記、課題に対処するため、次の方針で事業活動を推進しております。

イ.重点化

 資源の効率的活用のため、環境・リサイクル関連市場に重点をおき推進してまいります。

ロ.グローバル化

 欧米及び東南アジア市場を狙って、当社製品の特異性が生かせる分野において販売の強化及び拡大をはかります。

ハ.環境・品質管理の徹底化

 化学物質の管理及びその他の環境問題に対して適切に対応してまいります。また、顧客に高品質製品を安定供給するため、より一層の努力をいたします。

 

(4)具体的な取組状況等

 前項に基づき、具体的には次のように事業活動に取り組んでおります。

イ.重点化

 当社はテルペンという天然原料を出発とした製品を世の中に供給しております。これらは他の石油系製品と比べて環境に優しく、リサイクルも容易で、これからの当社の経営戦略上、最重要アイテムであることは言うまでもありません。環境事業としては塩化ビニル代替製品としてのラップフィルム、リサイクル事業としては発泡スチロール、防湿用包装紙等のリサイクルに注力し、地球環境への意識の高揚に伴って、これらの事業を重点的に発展させて行こうと考えております。

ロ.グローバル化

 当社の主力製品であります粘着・接着用樹脂、ホットメルト接着剤及びラミネート品を欧米及び東南アジア市場に対して拡販をはかります。

ハ.環境・品質管理の徹底化

 環境・品質への重点的取り組みとして、ISO(国際標準化機構)認証取得があげられますが、まず、ISO9002につきましては平成12年までに当社の新居浜工場、高木工場及び鵜飼工場が取得いたしました。また、国際規格ISO9001につきましては、それぞれの工場がISO9002からISO9001へ移行済みであります。また、新居浜工場は、環境対応強化の取り組みとしてISO14001を認証取得しております。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1)会社がとっている特異な経営方針

 当社の主要原材料であるテルペン類は、その全量を輸入に頼っております。仕入価格は国際市況によって影響を受けることがあり、また、その輸入に際して為替変動の影響を受けます。このため、テルペン原料の備蓄量の拡大を図っております。

 

(2)財政状態及び経営成績の異常な変動

 当事業年度末における総資産は、18,936百万円(前事業年度末は17,331百万円)となり1,604百万円増加いたしました。その主な要因は、流動資産の増加(10,109百万円から11,252百万円へ1,143百万円の増)及び有形固定資産の増加(6,201百万円から6,596百万円へ394百万円の増)等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の異常な変動

 現金及び現金同等物は、当事業年度末において2,781百万円(前事業年度末は1,971百万円)となり、809百万円増加いたしました。その主な要因は、投資活動により625百万円及び財務活動により209百万円それぞれ支出となりましたが、営業活動による収入が1,364百万円ありました。また、合併による資金の受入が211百万円あったためであります。

 

 





出典: ヤスハラケミカル株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書