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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日本銀行による金融緩和政策を背景に、企業業績や雇用情勢の改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、円安に伴う原材料価格の高騰、消費税増税や天候不順による個人消費の停滞など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社が関係しております粘着・接着・香料・電子材料・ラミネート業界におきましては、輸出企業を中心に持ち直しがみられるものの、国内需要の低迷や円安に伴う主原料高、企業間における価格競争の激化等、厳しい状況が続いております。

このような経済情勢のなかで、当社といたしましては、国内外の新規市場並びに新規顧客の開拓、既存取引先との関係強化を積極的に推進し販売の拡大に努力する一方、全社にわたり生産効率のアップ、業務の効率化をはかり、収益の確保に取り組んでまいりました。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高12,084百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益945百万円(同126.2%増)、経常利益1,102百万円(同112.9%増)、当期純利益611百万円(同99.1%増)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

①テルペン化学製品

粘着・接着用樹脂においては、自動車用品用途のテルペンフェノール樹脂及び変性テルペン樹脂が、輸出を中心に好調に推移したことにより増収となりました。化成品においては、ペースト溶剤用途が需要低迷の影響を受け低調であったものの、塗料用途及び電子機器用途の化学品が好調に推移したことにより増収となりました。その結果、当事業全体の売上高は9,050百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益1,535百万円(同66.1%増)となりました。

②ホットメルト接着剤

ホットメルト接着剤においては、食品用途の押出しコーティング用ホットメルト接着剤及び生活用品用途の粘着剤が好調であったものの、自動車部品用途の接着剤が低調に推移したことにより減収となりました。その結果、当事業全体の売上高は2,567百万円(同0.3%減)、営業利益120百万円(同1.7%増)となりました。

③ラミネート品

ラミネート品においては、製本向け光沢加工紙用ラミネートフィルムが、国内需要の低迷と価格競争の影響を受け、低調に推移したことにより減収となりました。その結果、当事業全体の売上高は466百万円(同1.0%減)、営業利益10百万円(同7.1%減)となりました。

 

 当事業年度における国内売上高は8,832百万円となりました。海外売上高は3,252百万円となり売上高に占める割合は26.9%となっております。

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは2,435百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは748百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは882百万円の支出となり、前事業年度末に比べ869百万円増加し3,121百万円となりました。

 

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は2,435百万円(前年同期は3,079百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の増加等ありましたが、仕入債務の増減額及び法人税等の支払額による減少等がありました。また、前年同期において法人税等の還付額による収入がありました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は748百万円(前年同期は503百万円の支出)となりました。これは主に、設備投資に伴う有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は882百万円(前年同期は1,550百万円の支出)となりました。これは主に、前年同期において長期借入れによる収入がありましたが、営業活動によるキャッシュ・フローから得られた資金をもとに、短期借入金及び長期借入金を返済したことによるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成26年4月1日

  至 平成27年3月31日)

前年同期比(%)

テルペン化学製品(千円)

9,154,156

112.4

ホットメルト接着剤(千円)

2,416,784

87.2

ラミネート品(千円)

479,019

104.1

合計(千円)

12,049,959

105.9

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 該当事項はありません。

(3)受注状況

 当社は主として見込生産を行っているため、該当事項はありません。

(4)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成26年4月1日

  至 平成27年3月31日)

前年同期比(%)

テルペン化学製品(千円)

9,050,905

109.3

ホットメルト接着剤(千円)

2,567,291

99.7

ラミネート品(千円)

466,437

99.0

合計(千円)

12,084,634

106.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)現状の認識について

 当社は、テルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品の製造・販売を主な事業内容として活動しております。

 今後の見通しにつきましては、世界経済は米国の堅調な成長が期待できるものの、中国をはじめとした新興国において成長率の鈍化が懸念されます。また、日本経済においては円安の定着、原油安の影響により製造業を中心に緩やかな回復基調にあるものの、一方で原材料価格の高騰や個人消費の低迷などの下振れ要因があり、依然として予断を許さない状況が続いております。

(2)当面の対処すべき課題の内容

 このような状況において当社は、国内外での新市場の開拓、既存取引先との関係強化を積極的に推し進めるとともに、高付加価値製品の研究・開発に努める所存でございます。また、人材育成が重要課題の一つであるとの認識に基づき、社員の知識・技術の向上や意識改革をはかり、人材育成に努めてまいります。さらに、生産効率、業務効率の向上をはかるなど、今まで以上に企業体質の強化、収益の拡大に全社をあげて鋭意努力していく所存でございます。

(3)対処方針

 上記、課題に対処するため、次の方針で事業活動を推進しております。

① 重点化

 天然物由来のテルペン資源を効率的に活用させるため、高付加価値製品の開発、新規市場の開拓を推進してまいります。

② グローバル化

 欧米及び東南アジア市場等海外輸出を強力に押し進めるとともに、当社製品の特異性が活かせる分野において販売の強化及び拡大をはかります。

③ 内部統制システムの充実

 コンプライアンス及びリスク管理の強化をはじめとした内部統制システムの充実をはかります。

④ 環境・品質管理の徹底化

 化学物質の管理及びその他の環境問題に対して適切に対処してまいります。また、高品質製品を安定供給し、顧客より信頼される企業として、より一層の努力をいたします。

(4)具体的な取組状況等

 前項に基づき、具体的には次のように事業活動に取り組んでおります。

① 重点化

 当社は、将来の枯渇が心配される石油資源とは異なり、植物が太陽の恵みをもとに繰り返し作り出すことができる再生可能なテルペンという天然原料を出発とした製品を供給しております。これらは他の石油系製品と比べて環境に優しく、当社の経営戦略上、最重要アイテムであることは言うまでもありません。

当社の製品は、粘着・接着剤、ゴム・プラスチックの改質材、香料原料、洗浄剤、電子材料、医農薬原料などあらゆる分野の製品に応用され、社会の基盤や暮らしを支えております。さらに、今後テルペンは、環境・エネルギー関連分野、情報技術関連分野及びライフサイエンス分野への応用が期待されております。

 当社はこれまでに培ってきた基盤技術を発展させ、これら新しい分野への応用に積極的に取り組み、テルペンの可能性を未来へとつなげてまいります。

② グローバル化

 当社の主力製品でありますテルペン化学製品、ホットメルト接着剤及びラミネート品を欧米及び東南アジア市場に対して拡販をはかります。

③ 内部統制システムの充実

 当社の継続的な発展と、企業価値の増大をはかるため、管理部門、営業部門及び生産部門が一体となって内部統制システムを構築しているほか、内部監査体制の拡充による社内牽制機能を強化しております。

④ 環境・品質管理の徹底化

 環境・品質管理への重点的取り組みとしまして、ISO(国際標準化機構)認証取得があげられます。ISO9001につきましては、当社の新居浜工場、高木工場、福山工場、鵜飼工場及び総領工場が認証取得しております。
 さらに、新居浜工場、福山工場及び鵜飼工場は、環境対応強化の取り組みとしてISO14001を認証取得しており、そのシステムの定着をはかっております。

4【事業等のリスク】

 

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1)会社が採っている特異な経営方針

 当社の主要原材料であるテルペン類は、その全量を輸入に頼っております。仕入価格は国際市況によって影響を受けることがあり、また、その輸入に際して為替相場の変動の影響を受けます。このため、テルペン原料の備蓄量の安定的な確保をはかっております。

(2)為替相場の変動について

 当事業年度における海外売上高の割合は26.9%となっており、当該取引においては、そのほとんどを外貨建てで行っております。したがって、為替相場の変動によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)研究開発について

 当社は、新製品の開発にあたって、市場や開発製品を慎重に選択したうえで、効率的な研究開発活動に努めておりますが、必ずしも投入した資源に見合うだけの新製品を継続的に開発できる保証はありません。したがって、将来の当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)投資有価証券の評価損について

 当社は、時価のある株式を保有しているため、株式市場の変動に伴い、評価損が発生する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)退職給付債務について

 当社の従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合には、退職給付債務及び費用が増加し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)固定資産の減損会計適用による影響について

 当社は、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この基準の適用に伴い、今後の土地等の時価や事業環境の大幅な変動によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)自然災害等について

 地震や台風等の自然災害が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)製造物責任による影響について

 製品の品質維持には万全の体制で取り組んでおりますが、当社が製造・販売する製品の予期せぬ欠陥に起因して、顧客及び第三者に対して損害を与えた場合、発生する損失すべてを製造物責任賠償保険によって補填できない可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)訴訟などの影響について

 現在係争中の訴訟事件はありませんが、将来において当社の事業活動に関して、重要な訴訟等が提起された場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

6【研究開発活動】

当事業年度における研究開発活動といたしましては、天然物由来のテルペンを活かせる高付加価値分野を創造し、ニッチ分野のトップを目指すという基本戦略のもと、新規材料の開発及び既存製品の新規市場への展開のための技術支援に積極的に注力いたしました。

テルペン化学製品につきましては、電子・光学材料分野、環境関連分野、ライフサイエンス分野を成長分野と捉え、中期研究計画に沿った研究開発活動を行っております。

また、ホットメルト接着剤、ラミネート品につきましては、既存製品の改良及び高性能・高機能化製品の開発を進めております。

これらの研究開発活動に要した費用は、202百万円となっており、その概要は以下のとおりであります。

 

(1)テルペン化学製品

・粘着・接着剤用の新規材料として、耐熱性、耐候性に優れる水添テルペン樹脂の開発に注力し、次世代粘着・接着剤用途などをはじめとした電子・光学材料分野への展開を進めております。

・既存製品の高付加価値分野への展開支援として、光学材料分野をはじめとしたテルペンの性能を活かせるニッチ分野への展開のための検討をしております。

・テルペンを原料とした新規テルペン化合物の可能性について電子・光学・環境分野において市場探索の結果に基づき開発検討を進めております。

・ライフサイエンス分野の研究テーマとして、テルペン高沸部から生理活性のある有効成分の分離・精製を行い、新規市場の探索を行っております。

・新規テルペン原料の探索を行い、環境・ライフサイエンス分野への展開をはかるべく、性能評価及び市場探索を開始いたしました。

 なお、当事業に要した費用は194百万円であります。

 

(2)ホットメルト接着剤

・当社の高粘度加工技術を活かした高粘度・高物性ホットメルトに高機能を付加し、自動車用、医薬包装用等の用途開発及び市場展開をはかっております。

・加熱安定性の良好なオレフィン系の包装用ホットメルト接着剤として、新たに高速生産ライン用、環境に配慮した低温塗布用、荷崩れを防止するパレタイズ用、飲料のストロー付け用の展開をはかっております。

・EVA系を主体としたラミネート用ホットメルト7000シリーズに、新たにEMMA系のホットメルト接着剤を開発し、販売活動を行っております。種々の樹脂シート・フィルムに良好な接着性を有しております。また、高温での押出しにも対応できるため、用途が広がっております。

・食品用PET容器蓋材向けに接着性を向上し、凝集剥離タイプや低温ヒートシール性の良好なホットメルトシーラントを開発、ユーザーでの使用も始まっております。今後もPET容器の市場は広がることが予想され、更なる展開が期待できます。

 なお、当事業に要した費用は7百万円であります。

 

(3)ラミネート品

・コーターから全面に押出すラミネートのほか、ストライプラミネーションを行うことにより、通気性を必要とする素材の面接着が可能となり、その機能を活かした自動車関連用途、医療用包材への取り組みを進めております。

・市場ニーズに合わせた品質向上に注力し、顧客満足度の向上に取り組んでまいりました。

 なお、当事業に要した費用は0.6百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載しているとおりであります。

 当社は、退職給付引当金、税効果会計、貸倒引当金等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額及び収益、費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)当事業年度の経営成績の分析

① 売上高

 売上高は前事業年度に比べ755百万円増加し12,084百万円(前年同期比6.7%増)となりました。これは、ホットメルト接着剤が前事業年度に比べ7百万円減少し2,567百万円(同0.3%減)、ラミネート品が前事業年度に比べ4百万円減少し466百万円(同1.0%減)となりましたが、テルペン化学製品が前事業年度に比べ767百万円増加し9,050百万円(同9.3%増)、となったことが主な要因であります。

② 営業利益

 営業利益は前事業年度に比べ527百万円増加し945百万円(同126.2%増)となりました。これは、売上高が増加したことと、コスト削減による利益率の向上等が主な要因であります。

③ 経常利益

 経常利益は前事業年度に比べ584百万円増加し1,102百万円(同112.9%増)となりました。これは、営業利益と同様の要因であります。

④ 当期純利益

 当期純利益は前事業年度に比べ304百万円増加し611百万円(同99.1%増)となりました。これは、営業利益、経常利益と同様の要因であります。

(3)当事業年度の財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

 当事業年度末の資産につきましては、前事業年度末に比べ109百万円減少し21,682百万円となりました。これは主に、有価証券の取得による増加等ありましたが、原材料及び貯蔵品が減少したことによるものであります。

 負債につきましては、前事業年度末に比べ726百万円減少し4,216百万円となりました。これは主に、短期借入金及び長期借入金の返済によるものであります。

 純資産につきましては、前事業年度末に比べ617百万円増加し17,465百万円となりました。これは主に、当期純利益により利益剰余金が増加したことによるものであります。

(4)当事業年度のキャッシュ・フローの分析

 当事業年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。





出典: ヤスハラケミカル株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書