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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1) 業績
 当連結会計年度におけるわが国経済は、原油価格をはじめとする原材料価格の上昇による影響があったものの、米国及び中国経済の伸びに牽引され、企業収益の改善や設備投資の増加が進み、個人消費も回復基調が続く等、着実に景気が回復いたしました。当社の主要業界の一つであるエレクトロニクス業界におきましては、電子部品の在庫調整が一巡し、携帯電話やパソコン、デジタルカメラ等が牽引して、回復基調を鮮明にしております。また、自動車業界におきましては、国内生産台数の堅調な推移、中国市場における成長の持続により、めっき部品の需要が増加いたしました。
 このような経済状況のもと、当社グループ(当社及び連結子会社1社)におきましては、以前より注力してきましたビルドアップ配線板用めっき薬品、自動車部品向け樹脂めっき用薬品、めっき装置の市場開拓等の営業活動が、市場の需要増大に相まってその効果を上げることができました。また、営業拠点につきましては、韓国の駐在事務所をソウル支店に昇格し、韓国における営業展開を積極的に推し進めてまいりました。
 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高85億46百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益10億80百万円(前年同期比19.2%増)、経常利益10億32百万円(前年同期比19.5%増)、当期純利益5億92百万円(前年同期比19.1%増)となりました。
① 事業の種類別セグメント
a.薬品関連資材事業
 自動車産業において、国内生産台数が堅調に推移したこと、中国市場が好調であったこと等により、基幹分野向けの樹脂めっき用薬品等の需要が拡大いたしました。また、世界的にデジタル家電や携帯電話の市場が拡大し、台湾でもプリント配線板及び電子部品向けめっき薬品の需要が増加いたしました。
 この結果、売上高68億86百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益15億41百万円(前年同期比30.8%増)となりました。
b.装置事業
 自動車部品メーカー向け樹脂めっき用の全自動めっき装置の拡販に注力し、前期並みの結果となりました。
 この結果、売上高16億76百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益1億2百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
② 所在地別セグメント
a.日本
国内は、新規顧客獲得等により売上高76億7百万円となり、営業利益14億55百万円となりました。
b.アジア
アジアは、好調な経済状況に支えられた上、新規顧客獲得等により売上高11億22百万円となり、営業利益2億16百万円となりました。
   なお、前連結会計年度においては、全セグメントの売上高の合計及び全セグメントの資産の金額の合計額に占める「本邦」の割合がいずれも90%を超えているため、所在地別セグメント情報の記載を省略しておりましたので、前年同期比の記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フロー
 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入に加え、財務活動においても、短期借入金の減少額及び長期借入金の返済による支出を、株式の発行による収入が上回ったため、前連結会計年度に比べ8億40百万円増加し、23億44万円(前年同期比55.9%増)となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は9億4百万円(前年同期比1.7%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益10億30百万円、仕入債務の増加6億39百万円などの増加要因と、売上債権の増加4億64百万円、たな卸資産の増加5億15百万円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は2億27百万円(前年同期比668.1%増)となりました。これは主に研究開発用の分析機器類を中心に設備投資を行い、有形固定資産の取得による支出1億35百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果得られた資金は、1億51百万円(前連結会計年度は35百万円の使用)となりました。これは短期借入金の減少額3億46百万円、長期借入金の返済による支出6億65百万円(うち繰上返済3億円)があったものの、株式の発行による収入11億63百万円を得たためであります。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成17年4月1日
至 平成18年3月31日)
前年同期比(%)
薬品関連資材事業
(千円)
6,019,641
120.4
装置事業
(千円)
1,651,142
98.3
合計
(千円)
7,670,783
114.9
 (注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 商品仕入実績
 当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成17年4月1日
至 平成18年3月31日)
前年同期比(%)
薬品関連資材事業
(千円)
907,847
119.0
 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.装置事業においては、商品仕入は行っておりませんので、当該事項はありません。
(3) 受注状況
 当連結会計年度の受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
装置事業
1,716,916
106.2
915,898
106.7
 (注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.薬品関連資材事業は、受注から売上計上までの期間が短期であり、受注残高が少額であるため、記載を省略しております。
(4) 販売実績
 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成17年4月1日
至 平成18年3月31日)
前年同期比(%)
薬品関連資材事業
(千円)
6,886,742
118.9
装置事業
(千円)
1,659,678
98.8
合計
(千円)
8,546,421
114.4
 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
 当社グループを取り巻く環境につきましては、経済のグローバル化・技術開発スピードの高速化の中で、同業他社との技術開発競争や価格競争の激化が予想されます。薬品関連資材事業を例に挙げますと、基幹分野向け表面処理薬品の顧客である自動車部品メーカーは、中国の自動車産業を見据え、グローバルな視点から生産拠点と生産体制の再構築を進めております。また、電子分野向け表面処理薬品の顧客であるプリント配線板・電子部品・半導体市場は、成長性が高く、新しい技術の出現等により、経営環境が急激に変化する市場でもあります。
 このような状況を踏まえ、当社グループでは
1)グローバルネットワークの拡充
2)次世代技術への迅速な対応と市場でのトップブランドの維持
3)中国市場をはじめとするBRICs諸国におけるビジネスの拡充
 を経営基本戦略とし、会社の対処すべき課題として以下のとおり取り組んでまいります。
(1) グローバルネットワーク戦略
 当社は設立以来、台湾・韓国やタイをはじめとするアジア地域において代理店網による販売活動を行ってまいりました。しかしながら、自動車関連や電子関連製品の生産拠点が海外に移り、現地企業が日本企業と競合するに至った今日、「自らの力で積極的な営業の推進」を基本戦略として、成長市場、成長分野に焦点を当てた開拓を行わなければなりません。
 このような状況のもと、平成11年12月に当社は台湾に台北支店を開設しグローバルネットワークの第一歩を踏み出し、台湾のエレクトロニクス市場の発展に伴い新規顧客も獲得し、売上増加も顕著になっております。また、平成15年7月、昨今の中国経済の発展と、自動車業界を中心とする日系企業の中国進出に伴い、中国に連結子会社である「荏原ユージライト(上海)貿易有限公司」を設立いたしました。設立以来、連結子会社は中国における成長産業である自動車業界をメインターゲットとして活発な営業活動を推進してまいりました。このような背景から、連結子会社における当社製品の売上構成は、装飾・防錆を目的とする基幹分野向け表面処理薬品が大半を占めておりますが、今後は基幹分野向け薬品のみならず、プリント配線板用途を足掛かりとして電子分野向け薬品に関する営業展開を図り、中国におけるシェアを拡大する所存であります。さらに、平成17年8月、韓国の駐在事務所を支店に昇格し、自動車業界や成長著しい電子分野への営業を強化し、業績発展に繋げてまいります。
 また、海外における設備需要に対応するため、生産コストが安価な中国における装置製造を推進し、顧客の要望に応えます。今後は韓国市場や東南アジア地域における積極的営業を推進し、日本と同様、薬品と装置技術を有する「表面処理総合メーカー」として発展し、世界でのシェアアップを目指します。
(2) 顧客満足度の向上
 当社グループの主要な顧客業界としては、薬品関連資材事業、装置事業共に、自動車・建材・水洗金具業界からエレクトロニクス業界に至るまで、多岐にわたっております。また、上述のように国内企業から海外メーカーまで幅広い顧客層を有しております。当社グループは同業他社との差別化を行うため、あらゆる客層のニーズを汲み取り、新製品の開発と迅速な市場投入を図り、顧客に対する提案力を強化する、即ち「総合的な顧客満足度を向上する」必要があります。
 これに対応するため、技術開発力及び営業体制の強化に取り組んでおります。具体的には、優秀な新卒者及び即戦力となる開発スタッフを積極的に採用し、継続的に研究開発体制を拡充しております。また、技術的に豊富な経験と知識を持つ人材を中央研究所から営業本部へ配置転換することで、若手営業員の教育・育成を行い、顧客に対する提案型営業を推進しております。
(3) 研究開発の課題
 表面処理薬品の主要市場の一つであるプリント配線板業界は、技術革新のテンポが非常に速く、市場の動向を先取りするために、常に顧客の次世代技術の動向に注視し、市場の要求に応えた製品が提供できるよう開発に取り組んでまいります。また、もう一方の主要市場である自動車部品や水洗金具等の業界におきましても、各業界のトップメーカーとの協力関係を構築し、顧客のニーズをいち早く把握して、スピードと効率の良い開発に取り組んでまいります。
(4) 中国における営業及び技術サービス体制
 近年、中国において、自動車部品等樹脂上のめっき市場やプリント配線板市場における需要が増大し、同市場の顧客からの当社薬品関連資材の引き合いが増加しております。それに伴い、新規顧客への技術対応及びアフターサービス体制等、現地からの技術支援の要望が高くなっております。
 今後もますます顧客が増加しサービス地域も拡大することが確実であり、現地主義を徹底するためにも営業体制及び現地の社員教育の強化等が必要となっております。
(5) 生産体制の充実
 当社は平成12年4月に、表面処理薬品の生産拠点を神奈川県藤沢市から新潟県上越市に移転いたしました。新潟工場では最新鋭の生産設備を導入することにより生産効率を改善し、原価低減を図っております。
 海外におきましても製造コスト低減の必要性から、中国の無錫と広州の現地企業と業務提携し、生産委託による現地生産を行っております。コスト競争力を高めるためにも、今後も品質管理体制を維持しながら現地生産を拡大してまいります。
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項の中で、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成18年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 需要先業界の動向
 当社製品である表面処理用薬品関連資材及び装置は、主に自動車業界とエレクトロニクス業界(特にプリント配線板業界)で使用されており、その市場動向に大きく影響を受けます。
 自動車業界において当社の薬品関連資材は、自動車前面部のラジエータグリル(樹脂製化粧部品)やドアハンドル(樹脂製)へのめっき工程等で使用されます。従って、自動車生産量の推移が重要な影響を及ぼします。また、当社の装置は、自動車業界の設備投資の動向により業績に大きな影響を受けます。
 プリント配線板業界において、当社の薬品関連資材は回路形成用の銅めっき工程等で使用され、プリント配線板の需要先は主に電子機器業界であります。なかでも携帯電話、ゲーム機、パソコン、デジタル家電市場の生産量の推移が、業績に大きな影響を及ぼします。また、プリント配線板業界における当社の装置は、自動車業界と同様、設備投資の動向により業績に大きな影響を受けます。
(2) 材料価格の変動
 原油価格の上昇や中国の経済成長等が要因となって、総じて諸材料や諸原料は値上がり傾向にあります。
 当社の主力製品の主原料が高騰、もしくは長期間高価格で推移し、なおかつ高騰分を販売価格に転嫁できない可能性があります。その場合、当社製品の収益性に影響を及ぼします。
(3) 為替レートの変動
 当社グループの海外取引は円建て決済を基本としております。しかしながら、海外支店及び中国子会社におきましては現地通貨により決済しております。外貨建て決済を行う場合、必要に応じて為替予約等を行う方針でありますが、これにより為替リスクを完全に回避できる保証はなく、為替変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社グループの外貨建て売上高の構成比率は、米ドル(14.3%)、台湾ドル(53.1%)、人民元(32.5%)、韓国ウォン(0.1%)(平成18年3月期実績)であります。
 また、全売上高に占める外貨建て売上高の比率(連結ベース)は次のとおりであります。
平成17年3月期  外貨建て売上高 5億35百万円  全売上高比率  7.2%
平成18年3月期  外貨建て売上高 12億23百万円  全売上高比率 14.3%
(4) 株式会社荏原製作所との関係
 株式会社荏原製作所は当社株式の55.0%を保有する当社の親会社でありましたが、平成15年9月にMBOにより同社の保有株式割合は31.8%となり、現在では12.1%を保有する当社の主要株主であります。
 当社と同社との取引関係は、当社が同社に対し電子分野向け表面処理薬品を卸販売しております。平成18年3月期の株式会社荏原製作所に対する売上高は1億97百万円(当社グループの連結売上高に占める割合は2.3%)でありました。
(5) 社名・ロゴマークの使用について
 当社の社名につきましては、MBOによる独立時から平成25年10月1日までの10年間、「荏原」の名称に関する使用許諾を株式会社荏原製作所より得ております。また、「Udylite」の名称に関しても10年間の使用許諾をエンソン・インコーポレーテッドより得ておりましたが、さらに平成35年10月1日までの使用延長許諾契約を平成18年4月21日に締結いたしました。ロゴマークにつきましては、株式会社荏原製作所の出資比率が20%未満になった時点より3年を経過する平成20年12月21日までの継続使用許諾を得ております。
 当社は、社名及びロゴマークの変更につきまして、充分に検討し慎重に準備を行ったうえで実施することを考えております。なお、これらの変更に際しましては、株式会社荏原製作所及びエンソン・インコーポレーテッドに対して使用許諾契約時に支払った、それぞれ90百万円、合計1億80百万円の許諾料(当社では長期前払費用として資産計上し、契約期間で均等償却しております(平成18年3月期末残高1億35百万円)。)を一括して償却する可能性があり、社名及びロゴマークの変更を周知させるために必要な費用と共に、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) 中国での事業
 当社グループは、成長を成功させる要因として中国での事業拡大を第一に掲げており、平成15年7月に上海に子会社を設立し、平成16年9月には広州に子会社の支店(分公司)を開設いたしました。今後も販売網の拡充、現地生産拠点の充実に注力する所存であります。
 さて、中国はここまで驚異的な経済成長率をもって発展を続けておりますが、成長の歪みと言われる沿岸部と内陸部の所得格差の問題、エネルギー不足への対策、米国からの再度の人民元切り上げ要求、知的所有権に関する問題、表面化した反日感情への対処等の大きな課題を抱えております。
 今後、中国において、これらの課題に起因するような混乱等が発生した場合や、現地における各種法令、会計制度、税制等が変更された場合には、当社グループの中国事業や業績に波及する可能性があります。
(7) 薬品関連資材事業の売上依存度が高いことについて
 当社グループの薬品関連資材事業の売上高が全体の売上高に占める割合は、平成18年3月期において80.6%と高く、当面このような高い割合が継続することが予想されます。同事業の対象市場としましては、自動車部品、建材、水洗金具、電子部品等があり、複数市場への売上分散を図ってまいりました。しかしながら、これらの各市場が同時に低調となったような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 技術ノウハウの流出及び漏洩について
 当社の技術情報には、表面処理薬品の開発経緯、薬品の成分・組成、装置の開発経緯、仕入商品情報、当社と顧客間の技術データ等があります。これらの技術情報は、外部への持ち出し、複写等を禁じ、外部漏洩に備えております。しかしながら、万一、これらの情報が外部へ漏洩した場合には、類似品の製造及び顧客に対するサービス提供が可能になると考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、退職者が出た場合、退職後の守秘義務契約にも関わらず、一部の技術・情報等が流出し、当社の業績に影響を及ぼす可能性は否定できません。
(9) 人材の確保・育成について
 当社が製品を提供する業界(特にエレクトロニクス業界)は、技術水準や顧客ニーズが急激に変化する業界であり、それらに見合った新技術の開発とその製品化、既存製品の改良は、当社にとって必要不可欠なものであります。知名度の向上、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策にも関わらず、優秀な技術者や研究開発要員の確保・育成ができない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、今後も海外展開の拡大やIR活動の充実等、諸業務の拡大が予想されますので、優秀な人材の確保に一層努めてまいりますが、当社が求める人材を十分に確保・育成できない場合には、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制について
 当社は、表面処理薬品の原材料として「毒物及び劇物取締法」及び「麻薬及び向精神薬取締法」の対象となる薬品を使用しているため、その販売、製造、輸入等に関して同法の規制を受けております。当社は前記法令の対象となる薬品に関する販売業登録、輸出入業登録等の法的措置を講じると共に、社内管理体制を確立し、法令遵守に努めております。しかしながら、今後の法改正により規制が強化され、当社の表面処理薬品の原材料となる薬品の一部について、使用禁止や使用制限等の措置が講じられた場合には、代替製品を開発するまでの間、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 廃棄物等の管理について
 当社の新潟工場及び中央研究所では、製造又は実験過程において、環境への影響を考慮した適切な処理を必要とする廃液及び大気中への排出物が生じます。当社は、廃液についてはその内容等により、排水処理施設での処理又は外部委託処理を行っております。また、排気管理については、製造工程及び実験室における局所排気を通じ、排気ガス処理装置で処理しております。
 これらの取り組みの結果、現在まで行政からの指導を受けた事はありませんが、将来において当社の廃棄物の管理に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 自然災害、事故等のリスクについて
 当社の生産工場は、薬品関連資材事業の製品とそれに使用する中間原料を製造する新潟工場(新潟県上越市)1ヶ所のみであります。従って、災害等の影響により新潟工場における生産活動に支障が起きた場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社の中央研究所(神奈川県藤沢市)は昭和45年の建設後35年が経過しており、当時の建築基準法に定められた耐震基準しか満たしておりません。従って、地震等の影響により中央研究所における研究開発活動に支障が起きた場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社は平成18年1月27日開催の取締役会において、現中央研究所の移転・新設を決定し、平成18年12月末の竣工予定で計画を進めております。
5【経営上の重要な契約等】
(1) ライセンス契約
相手先
契約期間
契約の内容
エンソン・インコーポレーテッド(米国)
(注)1
自 平成15年10月2日
至 平成31年9月30日
製品に関するロイヤルティ相互契約
ロイヤルティ料率:製品の純販売価格の5%又は8%
株式会社荏原製作所
自 平成15年10月2日
至 平成25年10月1日
「荏原」の商標の使用に関する事項
株式会社荏原製作所
(注)2
自 平成15年10月2日
至 平成25年10月1日
「荏原」のロゴの使用に関する事項
エンソン・インコーポレーテッド(米国)
(注)3
自 平成15年10月2日
至 平成35年10月1日
「Udylite」の商標の使用に関する事項
(注)1.平成13年3月にてエンソン・インコーポレーテッドとの技術援助契約が終結いたしましたが、平成15年10月2日、相互の一部製品に限定したロイヤルティ相互契約を締結いたしました。
2.契約期間に関わらず、株式会社荏原製作所の当社の株式保有比率が20%未満となった場合、ロゴの使用はその日から3年間に限られます。平成17年12月22日に当該株式保有比率が20%未満となりましたので、使用期限は平成20年12月21日となりました。
3.平成18年4月21日、「Udylite」の商標に係る使用延長許諾契約を締結いたしました。その結果、契約期間が10年間延長し、契約満了日が平成25年10月1日から平成35年10月1日となりました。
(2) 不動産売買契約
相手先
契約年月日
契約内容
引渡日
譲渡価格
株式会社長谷工コーポレーション
(注)2
平成18年2月8日
当社中央研究所の土地、建物、構築物の売却
平成18年12月31日
1,052,203千円
(注)1.本契約は、当社中央研究所の移転に伴うものであります。
 2.株式会社長谷工コーポレーションは、平成18年5月15日付で相鉄不動産株式会社に本契約の地位を譲渡しており、当社も承諾しております。
(3) 事業用借地権設定契約
相手先
契約年月日
契約内容
 契約期間
 賃料(年額)
川崎市
平成18年2月8日
当社新中央研究所の建設用地
20年間
自 平成18年3月1日
至 平成38年2月28日
 18,338千円
(注)本契約は、当社中央研究所の移転に伴うものであります。なお、この移転に伴う設備投資の概要につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」のとおりであります。
6【研究開発活動】
 当社グループは、薬品関連資材及び装置事業の研究開発及び技術部署を中心として、「独創的かつスピーディーな研究開発をスローガンに、世界の顧客に信頼されるオリジナル製品を提供する」ことを理念とした研究開発活動を推進しております。新製品及び新技術の開発はもちろんのこと、従来技術の改良等も随時行うことで、顧客満足度の向上を図っております。自動車・建材からエレクトロニクス・半導体に至る幅広い業界の最先端技術に対応すべく、顧客との共同研究も視野に入れております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2億47百万円であります。
(1)薬品関連資材事業
 薬品関連資材事業における研究開発活動は、
  ・環境にやさしい製品の開発
  ・高密度微細配線技術
  ・高外観及び高耐食性技術
を課題として、「自動車部品や水洗金具等に使用される各種エンジニアリングプラスチック材料に表面処理を行う技術」や「鉛を含有しない各種めっき液の開発」、「六価クロムを使用しないめっき技術」、「ウィスカー(スズめっき皮膜から発生するヒゲ状の突起)の出ない鉛フリーはんだめっき液」、高密度ビルドアップ配線板用途の「ビアフィリング用硫酸銅めっき」、「微細配線用エッチング液」等において、顧客の多様な要求に応えるべく、たゆまぬ開発努力を続けてまいりました。そして、より高度化する技術の要求に対応するため、改良も継続しております。
 なお、当事業部門における当連結会計年度の研究開発費は2億47百万円であります。
 平成18年3月期に完成した製品は以下のとおりであります。
期別
研究開発課題
平成18年3月期
① 微細配線プリント基板用エッチング液
② 鉛フリー無電解ニッケルめっき薬品
③ 六価クロムフリーの黒クロメート薬品
④ 二層CCL対応硫酸銅めっき薬品
(2)装置事業
 装置事業における研究開発は、従来のプリント配線板向けめっき装置に加え、高精度硫酸銅めっき装置の製品化、自動車部品用めっき装置等、顧客の多様な要求に応えるべく、たゆまぬ努力を続けております。また、新たな薬品の分析・管理プロセスに対応できる自動分析管理装置を開発し、顧客の生産管理、工程管理に必要な機器を提供しております。
 いずれも、顧客の要望に応える形での研究開発及び改良で、最新のニーズを盛り込み、同業他社に勝る装置の供給に取り組んでおります。
 平成18年3月期に完成した製品は以下のとおりであります。
期別
研究開発課題
平成18年3月期
自動分析管理装置(厚付け無電解銅めっき薬品用)
7【財政状態及び経営成績の分析】
 当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成18年6月30日)現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載したとおりであります。
 当社グループは、退職給付引当金、賞与引当金、貸倒引当金、税効果会計、投資その他の資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と思われる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
 当連結会計年度における売上高は85億46百万円(前年同期比14.4%増)となりました。薬品関連資材事業におきましては、国内外の自動車部品メーカーへの販売が堅調に推移したことや、国内外のエレクトロニクス産業が好調に成長したことにより、68億86百万円(前年同期比18.9%増)となりました。また、装置事業におきましても自動車部品メーカー向けが堅調であり、16億76百万円(前年同期比0.2%減)となりました。なお、連結売上高に占める海外売上高は21億85百万円(前年同期比63.8%増)となりました。今後、中国での事業展開を当社グループの成長の柱として育成してまいります。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
 当連結会計年度における売上原価は、3億94百万円増加し45億16百万円(前年同期比9.6%増)となりました。これは、主に前連結会計年度の販売活動の好調さ持続したため製造量が増加し、材料費、外注加工費等の変動費が増加したためであります。
 販売費及び一般管理費は、5億5百万円増加し29億49百万円(前年同期比20.7%増)となりました。これは、主に人員増に伴う給与手当の増加(前年同期比12.5%増)及び業績の伸びに伴う賞与の増加(前年同期比14.8%増)等によるものであります。
 以上の結果、営業利益は10億80百万円(前年同期比19.2%増)となり、前連結会計年度に比べて1億74百万円増加しました。
③ 営業外収益、営業外費用
 営業外損益は、為替差益を57百万円計上したものの、株式上場関連費用72百万円、新株発行費償却14百万円等の営業外費用が新たに発生し、経常利益は10億32百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
 当連結会計年度末の資産合計は、90億57百万円と前連結会計年度末に比べて19億93百万円増加(前年同期比28.2%増)しました。これは主に、現金及び預金の増加8億40百万円(前年同期比55.9%増)、受取手形及び売掛金の増加4億94百万円(前年同期比22.2%増)、たな卸資産の増加5億25百万円(前年同期比83.1%増)によるものであります。
② 負債
 当連結会計年度末の負債合計は、46億38百万円と前連結会計年末に比べて2億5百万円増加(前年同期比4.6%増)しました。これは、短期借入金が3億41百万円、一年内返済予定長期借入金が65百万円、長期借入金が6億円減少したものの、支払手形及び買掛金の増加5億97百万円(前年同期比43.1%増)、前受金の増加4億38百万円(前連結会計年度は区分掲記なし)等、増加要因が大きかったためであります。
③ 資本
 当連結会計年度末の資本合計は、44億19百万円と前連結会計年度末に比べて17億87百万円増加(前年同期比67.9%増)しました。これは主に、当期純利益5億92百万円、株式の発行に伴う資本金の増加5億16百万円(前年同期比142.4%増)及び資本準備金の増加6億61百万円(前年同期比389.7%増)によるものであります。
 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の37.2%に対して当連結会計年度末は48.8%に上昇しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フロー
 当連結会計年度の営業活動により獲得した資金は、9億4百万円(前年同期比1.7%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益10億30百万円によるものであり、継続取引を基本とする薬品関連資材事業の安定したキャッシュ・フローの獲得力と、装置事業の大型受注物件において前受金の獲得を推進したことが背景にあります。
 投資活動で使用した資金は、2億27百万円(前年同期比668.1%増)となりました。これは、主に研究開発用の分析・試験機器類等の有形固定資産の取得による支出1億35百万円によるものです。
 財務活動で獲得した資金は、1億51百万円(前連結会計年度は35百万円の使用)となりました。これは、短期借入金の減少額3億46百万円及び長期借入金の返済による支出6億65百万円があったものの、株式の発行による収入11億63百万円獲得したためであります。
② 資金需要
 当社グループでは、今後アジアを中心としたグローバルな市場へ製品を販売していくため、国際競争力と顧客満足度の向上を図るべく、主に研究開発投資並びに設備投資を中心に資金を充当してまいります。
③ 資金の源泉
 主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金及び新株式の発行により、必要とする資金を調達しております。なお、当社においては、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として借越限度額20億円の当座借越契約を締結しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
 当社グループの主力製品である表面処理薬品は、主に自動車業界とエレクトロニクス業界で使用されております。自動車業界は年毎の変動が比較的小さく、当社の経営成績に急激な影響を与える可能性は少ないと考えておりますが、エレクトロニクス業界におきましては、電子機器事業、とりわけ携帯電話・パソコン市場の好不調の影響を大きく受けます。
 また、エレクトロニクス業界の技術革新のスピードが非常に速く、製品寿命が短いため、新製品の開発能力が重要なポイントとなります。
 従って、当社グループは販売対象業界を分けることでリスクを分散し、現在では自動車業界とエレクトロニクス業界への売上高はほぼ二分されております。また、エレクトロニクス業界の技術革新のスピードに対応するため、研究開発部門の充実を図るべく、優秀な人員の計画的な補充、測定機器や分析機器の充実、大学への研究委託、大手メーカーとの共同研究等、様々な対応を実施しております。
(6) 戦略的現状と見通し
 当社グループは、これらの状況を踏まえて、薬品関連資材事業と装置事業を保有するという、当社グループの強みを最も発揮できる自動車産業に対し、国内市場、中国をはじめとするBRICs市場、アジア市場において営業活動を強化してまいります。また、エレクトロニクス業界に対しては、顧客ニーズを把握し、研究開発活動を通じ新製品を市場に提供することで、シェアの拡大、収益力の向上を図ります。




出典: 株式会社JCU、2006-03-31 期 有価証券報告書