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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1) 業績
 当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業業績に支えられ、穏やかな景気回復が続くものと見込まれておりましたが、後半に入り、米国のサブプライムローン問題に端を発した金融不安や原油・原材料価格の高騰などにより不安定な状況で推移しました。
 世界経済は、米国において減速傾向が認められるものの、中国をはじめとした新興国においては依然、経済成長を維持しました。
 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の主要業界の一つであります自動車業界におきましては、国内生産台数はほぼ横這いでありましたが、海外生産台数は順調に増加しました。また、エレクトロニクス産業は、薄型テレビ、携帯電話、家庭用ゲーム機等が牽引して好調に推移しました。
 このような状況のもと、売上高は102億44百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は6億87百万円(同32.9%減)、経常利益は6億27百万円(同37.8%減)、当期純利益は2億91百万円(同68.0%減)となりました。
 当社は、台湾及び韓国における子会社設立に伴い、当該地域の取引を子会社に移管しました。当該売上高は、子会社の決算日の違いにより、平成20年1月から3月までの3ヶ月の売上高3億62百万円が連結手続き上、翌連結会計年度の売上高となりましたが、前年を上回る売上高を達成することができました。しかし、営業利益及び経常利益につきましては海外子会社の設立による人員増加、ドライ処理事業のための人員増加等により販売費及び一般管理費が増加したため減益となりました。
 特別損益につきましては、主に研究所移転関係費用戻入益等により特別利益13百万円、投資有価証券評価損等により特別損失67百万円を計上しております。
① 事業の種類別セグメント
a.薬品関連資材事業
 自動車産業におきましては、中国市場における樹脂用のめっき薬品の販売が好調に推移したことにより、基幹分野向けめっき用薬品の売上が増加しました。また、プリント配線板の業界では、携帯電話、パソコン、薄型テレビ、デジカメ、家庭用ゲーム機等の販売が好調で、MPUパッケージ基板及びマザーボード向けビルドアッププリント配線板用めっき薬品が伸長しました。
 この結果、売上高は80億83百万円(同4.7%増)、営業利益は15億49百万円(同8.2%減)となりました。
b.装置事業
 国内におきましては、自動車部品向けやプリント配線板用めっき装置の拡販に注力し、装置と薬品の一括受注という当社の強みも発揮し、新規顧客の獲得ができました。海外におけるめっき装置の拡販にも注力いたしましたが、売上げには至りませんでした。
 この結果、売上高は21億68百万円(同9.8%増)、営業損失は1億円(前年同期は営業損失62百万円)となりました。
② 所在地別セグメント
a.日本
国内においては、薬品、装置ともに売上は好調であり、売上高は90億29百万円(同16.9%増)、営業利益は13億70百万円(同2.0%増)となりました。
b.アジア
アジアは、前述の台湾及び韓国における現地法人設立の影響により、売上高20億2百万円(同12.3%減)、営業利益は1億66百万円(同41.2%減)となりました。
 c.その他
   前連結会計年度に設立したメキシコ子会社の売上高は2億15百万円、営業損失は26百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の結果得られた資金は3億82百万円、財務活動の結果得られた資金は10億78百万円でありましたが、投資活動の結果支出した資金が12億51百万円であったこと等により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2億6百万円増加し、18億55百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、3億82百万円(前年同期比30.4%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が5億73百万円、減価償却費が3億23百万円、前受金の増加が2億3百万円であったものの、売上債権の増加が2億33百万円、法人税等の支払額4億40百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は、12億51百万円(前年同期比28.8%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億74百万円、投資有価証券の取得による支出6億29百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果得られた資金は、10億78百万円(前年同期は2億79百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入17億40百万円、長期借入金の返済5億45百万円があったこと等によるものであります。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
前年同期比(%)
薬品関連資材事業
(千円)
7,084,976
101.7
装置事業
(千円)
2,171,839
111.0
合計
(千円)
9,256,816
103.7
 (注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 商品仕入実績
 当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
前年同期比(%)
薬品関連資材事業
(千円)
1,071,551
110.1
 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.装置事業においては、商品仕入は行っておりませんので、当該事項はありません。
(3) 受注状況
 当連結会計年度の受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
装置事業
1,777,849
72.0
1,039,373
73.0
 (注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.薬品関連資材事業は、受注から売上計上までの期間が短期であり、受注残高が少額であるため、記載を省略  しております。
(4) 販売実績
 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
前年同期比(%)
薬品関連資材事業
(千円)
8,083,096
104.7
装置事業
(千円)
2,161,764
110.3
合計
(千円)
10,244,860
105.9
 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
       2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとお  りであります。なお、前連結会計年度につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以  上の販売先がないため、記載を省略しております。
相手先
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日 
至 平成20年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
日本特殊陶業株式会社
1,172,488
11.4
3【対処すべき課題】
 当社グループを取り巻く環境につきましては、経済のグローバル化・技術開発スピードの高速化の中で、同業他社との技術開発競争や価格競争の激化が予想されます。薬品関連資材事業を例に挙げますと、基幹分野向け表面処理薬品の顧客である自動車部品メーカーは、中国を始めとした新興各国の自動車産業を見据え、グローバルな視点から生産拠点と生産体制の再構築を進めております。また、電子分野向け表面処理薬品の顧客であるプリント配線板・電子部品・半導体市場は、成長性が高く、新しい技術の出現等により、経営環境が急激に変化する市場でもあります。
 このような状況を踏まえ、当社グループでは
1)グローバルネットワークの拡充
2)次世代技術への迅速な対応と市場でのトップブランドの維持
3)中国市場をはじめとする新興各国におけるビジネスの拡充
を経営基本戦略とし、会社の対処すべき課題として以下のとおり取り組んでまいります。
(1) グローバルネットワーク戦略
 当社は設立以来、台湾、韓国やタイをはじめとするアジア地域において代理店網による販売活動を行ってまいりました。しかしながら、自動車関連や電子関連製品の生産拠点が海外に移り、現地企業が日本企業と競合するに至った今日、「自らの力で積極的な営業の推進」を基本戦略として、成長市場、成長分野に焦点を当てた開拓を行わなければなりません。
 このような認識のもと、平成15年、中国経済の発展を背景に自動車業界を中心とする日系企業の中国進出に伴い、中国に連結子会社である「荏原ユージライト(上海)貿易有限公司」を設立いたしました。設立以来、連結子会社は自動車業界をメインターゲットとして活発な営業活動を推進してまいりました。現在は連結子会社における当社製品の売上構成は、装飾・防錆を目的とする基幹分野向け表面処理薬品が大半を占めておりますが、今後は基幹分野向け薬品のみならず、プリント配線板用途を足掛かりとして電子分野向け薬品に関する営業展開を図り、中国におけるシェア拡大を目指しております。
 平成19年には台湾、韓国に連結子会社を設立し、当該地域の取引を移管することにより、営業体制の強化を図っております。
 他のアジア諸国につきましても、東南アジアの戦略拠点として平成18年11月に現地子会社をタイ王国に設立し、当社製品の製造・販売・サービスの活動を開始いたしました。また、翌平成19年3月にはベトナムに連結子会社を、平成20年1月にはインドに合弁会社をそれぞれ設立し、当社製品の製造・販売の準備をしております。
 一方、米国産業を支えるメキシコ地域において、平成19年2月に合弁会社を設立し、当該地域における当社製品の販売を行うとともに、近い将来大きく発展すると期待されているブラジルへの対応の布石としております。
 装置事業では、海外における設備需要に対応するため、生産コストが安価な中国での装置製造を推進し、顧客の要望に応えます。今後は韓国市場や東南アジア地域における積極的営業を推進し、日本と同様、薬品と装置技術を有する「表面処理総合メーカー」として発展し、世界でのシェアアップを目指します。
(2) 顧客満足度の向上
 当社グループの主要な顧客業界としては、薬品関連資材事業、装置事業共に、自動車・建材・水栓金具業界からエレクトロニクス業界に至るまで、多岐にわたっております。また、上述のように国内企業から海外メーカーまで幅広い顧客層を有しております。当社グループは同業他社との差別化を行うため、あらゆる客層のニーズを汲み取り、新製品の開発と迅速な市場投入を図り、顧客に対する提案力を強化する、すなわち「総合的な顧客満足度を向上する」必要があります。
 これに対応するため、技術開発力及び営業体制の強化に取り組んでおります。具体的には、優秀な新卒者及び即戦力となる開発スタッフを積極的に採用し、継続的に研究開発体制を拡充しております。また、技術的に豊富な経験と知識を持つ人材を総合研究所から営業本部へ配置転換することで、若手営業員の教育・育成に取り組み、顧客に対する提案型営業を推進しております。
(3) 研究開発の課題
 表面処理薬品の主要市場の一つであるプリント配線板業界は、技術革新のテンポが非常に速く、市場の動向を先取りするために、常に顧客の次世代技術の動向に注視し、市場の要求に応えた製品が提供できるよう開発に取り組んでまいります。また、もう一方の主要市場である自動車部品や水栓金具等の業界におきましても、各業界のトップメーカーとの協力関係を構築し、顧客のニーズをいち早く把握して、スピードと効率の良い開発に取り組んでまいります。
(4) 中国における営業及び技術サービス体制
 近年、中国において、自動車部品等樹脂上のめっき市場やプリント配線板市場における需要が増大し、同市場の顧客からの当社薬品関連資材の引き合いが増加しております。それに伴い、新規顧客への技術対応及びアフターサービス体制等、現地からの技術支援の要望が高くなっております。
 今後もますます顧客が増加しサービス地域も拡大することが確実であり、現地主義を徹底するためにも営業体制及び現地の社員教育の強化等が必要となっております。
(5)中国以外の海外地域における営業体制の拡充
 中国自動車産業の驚異的な成長に続き、今後はインド、ブラジル等についても大きな成長が期待されておりますが、当面の部品供給基地として東南アジア、特にタイ及びベトナムの発展が顕著になっております。現地子会社の設立の後、中国と同様に営業体制及び現地の社員教育の強化等が重要な課題となります。
(6)乾式(ドライ)処理技術
 当社は、創業以来湿式(ウェット)技術を中心とした製品の開発及び販売を行ってまいりました。しかし、近年では顧客の要求が多様化し、湿式技術だけでは対応できず、異分野の技術との融合により顧客ニーズを満足させる必要がでてまいりました。そこで当社は、プラズマ技術を応用したプリント配線板の洗浄装置を導入し、販売に着手しました。また、スパッタリング技術を応用した着色(カラーリング)装置につきましては装置の単なる販売は技術ノウハウの流失が懸念され、事業の継続性に疑問があるため、加工業等へのビジネスモデルの変更を検討しております。今後は、装置販売の事業体制の確立と、十分な乾式技術の習得が重要な課題となります。
(7) 生産体制の充実
 当社は平成12年4月に、表面処理薬品の生産拠点を神奈川県藤沢市から新潟県上越市に移転いたしました。新潟工場では最新鋭の生産設備を導入することにより生産効率を改善し、原価低減を図っております。
 海外におきましても製造コスト低減の必要性から、中国において無錫と広州の現地企業と業務提携し、生産委託による現地生産を行っております。また、タイにおいては子会社による現地生産を開始しました。ベトナム、インド、メキシコにおいても現地生産の準備をしております。コスト競争力を高めるためにも、今後も品質管理体制を維持しながら現地生産を拡大してまいります。
(8) 株式会社の支配に関する基本方針について
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は上場会社である以上、市場における当社株式の自由な取引が認められているものであり、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、株式の大規模買付提案に応じるか否かの最終判断は株主の決定に基づいて行われるべきと考えております。
 しかしながら株式の大規模買付提案の中には、その目的等からみて当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大規模買付提案の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
 そのため、当社取締役会は、大規模買付提案を行う者が現れた場合は、当該大規模買付提案を行う者に買付の条件並びに買付後の経営方針及び事業計画等に関する必要かつ十分な情報を提供させて、当社の取締役会の意見又は代替案を含めて、大規模買付提案の内容を検討するための必要な情報や十分な時間を確保することが、最終判断者である株主から経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み
当社は、より多くの投資家に末永く継続して投資いただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させる取り組みとして、下記a.の経営理念を掲げ、下記b.中期経営計画を実践しております。また、これらと並行して、下記c.のとおり、コーポレート・ガバナンスの強化、充実に取り組んでおります。 
a.経営理念
 当社は、昭和43年の設立以来、表面処理総合メーカーのリーディングカンパニーを目指し、常に時代の要求に即した研究開発を行い、「薬品と装置」の総合技術によって、めっき工程全般を考慮した顧客の立場に立った提案を続けることで、独自の地位を築いてまいりました。平成15年9月には、株式会社荏原製作所と米国エンソン社との技術提携契約及び合弁契約をMBO方式により清算し経営的独立を実現いたしました。これによって世界市場へ自由に参入することが可能となり、以来積極的な海外展開を推し進めてきております。また、社会的責任を果たすためにも、積極的に情報開示を行い、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等ステークホルダーとの対話を重視してきております。
 このようなことから当社は健全な経営により企業価値を向上させ、その価値をステークホルダーに還元するとともに、人類の発展、社会の進歩に貢献することを基本姿勢としております。物事に対しては常に「情熱」をもってあたり、人に対しては「誠心誠意」を尽くす、すなわち「熱と誠」の精神で日々努力し、これまで長年にわたり築き上げてきた幅広いノウハウ、豊かな経験及び信頼、それに基づくステークホルダーとの良好かつ円滑な関係の維持並びに有能な人材や高い技術力に支えられた最先端のめっき薬品と装置をもって「先端のものづくり」に貢献してまいります。 このことこそが当社の企業価値の源泉であると考えます。
b.中期経営計画
 当社では、経営環境が変化する中、常に市場ニーズを先取りし、技術開発や市場開拓によって持続的な成長を維持するため中期経営計画を策定しております。中期経営計画策定の骨子は、次のとおりです。
ⅰ 世界の動向から見て、自動車業界とエレクトロニクス業界を成長分野と位置づけ、新規開発商品の市場投入及び顧客への営業の世界展開により市場シェアの拡大を図る。
ⅱ 海外における市場シェア向上のため、海外子会社の拡充により販売ネットワークの充実と海外営業の強化を図る。
ⅲ 市場ニーズを把握し次世代技術の動向を見極めるため、マーケティング部門を強化し、技術開発の効率化と迅速化及び一層の営業サービスの強化を図る。
ⅳ 従来の湿式(ウェット)表面処理技術に加え、乾式(ドライ)表面処理との融合により、一層高密度化、高付加価値化する市場ニーズに対応する。
 これらの推進によって、経営資源の効率化や利益の最大化に取り組み、企業価値の持続的向上を図ってまいります。
c.コーポレート・ガバナンスの強化充実に向けた取り組み
 当社では、法令の遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、変動する社会情勢及び経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と経営の健全性の向上を図ることによって、企業価値を高めることを経営上の重要な課題としております。その実現のために、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等、様々なステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、企業規模の拡大に伴い、企業統治に必要な諸機能を一層強化、改善、整備しながら、コーポレート・ガバナンスの強化充実と同時に、コンプライアンス経営を徹底し、リスク管理の観点から、リスクを未然に防止する社内体制システムを構築し、併せて適時に適切な情報開示を行い、経営の透明性を高めてまいりました。
 当社の経営機関制度としましては、経営に関する重要事項を決定するとともに、業務執行状況について監督を行う機関として取締役会、監査機関として監査役会があります。監査役会は社外監査役3名を含む4名の監査役で構成されており、業務執行についての適法性、妥当性の監査を行っております。さらに意思決定機関を強化するものとして経営会議を設置しております。また、執行役員制度を導入しており、業務執行の迅速化と柔軟な業務執行体制を構築しております。
 なお、企業の社会的責任の重要性を認識し、その責任を果たすためにも、コンプライアンスに関する規範及び倫理規範として「企業倫理と企業行動基準」を定め、周知徹底を図るとともに、コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。また、内部通報制度についても体制を構築し運用しております。
 当社は、引き続き上記諸施策の推進により、コーポレート・ガバナンスの強化充実を図りさらなる当社の企業価値、株主共同の利益の確保・向上に繋げてまいります。
 以上当社では、多数の投資家に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることに役員・従業員一丸となって取り組んでおり、これらの取り組みは、会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成20年4月25日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)の導入を決議し、平成20年6月27日開催の当社第48回定時株主総会において、株主の承認をいただいております。
 その概要は以下のとおりです。
a.本プランの対象となる当社株券等の買付
 本プランにおける当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。
b.大規模買付ルールの概要
 大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
c.大規模買付行為がなされた場合の対応
 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
 ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと取締役会が判断した場合には、対抗措置をとることがあります。
 また対抗措置をとる場合、その判断について株主総会を開催し、株主の意思を確認させていただく場合がございます。
d.対抗措置の合理性及び公正性を担保するための制度及び手続
 対抗措置を講じるか否かについては、取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するため、独立委員会を設置することといたしました。
 対抗措置をとる場合、その判断の合理性及び公正性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、勧告を行うものとします。
e.本プランの有効期間等
 本プランの有効期間は、平成23年6月開催予定の当社第51回定時株主総会の終結の時までの3年間とし、以降、本プランの継続(一部修正したうえでの継続を含む)については3年ごとに定時株主総会の承認を得ることとします。
 ただし、有効期間中であっても、株主総会又は取締役会の決議により本プランは廃止されるものとします。
④ 上記取り組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
a.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。
b.株主共同の利益を損なうものではないこと
 本プランは、当社株式に対する買付等がなされた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、又は株主のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
 本プランの継続は、株主の承認を条件としており、株主の意思によっては本プランの廃止も可能であることから、本プランが株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられます。
c.株主意思を反映するものであること
 本プランは、平成20年6月27日開催の当社第48回定時株主総会において、本プランの継続に関する株主の意思を確認させていただくため、議案としてお諮りしていることから、その継続について株主の意向が反映されております。
 また、継続後は本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の意向が反映されます。
d.独立性の高い社外者の判断の重視
 本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されております。
e.デッドハンド型買収防衛策及びスローハンド型買収防衛策ではないこと
 本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
 また、当社は取締役の任期を1年と定めているため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
 なお、当社では取締役解任決議要件につきましても、特別決議を要件とするような決議要件の加重をしておりません。
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項の中で、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成20年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 需要先業界の動向(自動車業界、エレクトロニクス業界)
 当社製品である表面処理用薬品関連資材及び装置は、主に自動車業界とエレクトロニクス業界(特にプリント配線板業界)で使用されており、その市場動向に大きく影響を受けます。
 自動車業界において当社の薬品関連資材は、自動車前面部のラジエータグリル(樹脂製化粧部品)やドアハンドル(樹脂製)へのめっき工程等で使用されます。従って、自動車生産量の推移が重要な影響を及ぼします。また、当社の装置は、自動車業界の設備投資の動向により業績に大きな影響を受けます。
 プリント配線板業界において、当社の薬品関連資材は回路形成用の銅めっき工程等で使用され、プリント配線板の需要先は主に電子機器業界であります。なかでも携帯電話、ゲーム機、パソコン、デジタル家電市場の生産量の推移が、業績に大きな影響を及ぼします。また、プリント配線板業界における当社の装置は、自動車業界と同様、設備投資の動向により業績に大きな影響を受けます。
(2) 材料価格の変動
 当社の表面処理用薬品関連資材事業の主要製品に使用される原材料は、薬品類や貴金属など、種類としては多岐にわたりますが、原材料価格の変動は収益に影響を及ぼします。
(3) 為替レートの変動
 当社グループは国内のみならず、海外においても幅広く事業を展開しております。
 当社グループは外貨建決済を行う場合、必要に応じて為替予約等により短期的な影響を最小限にする努力をしておりますが、予想を超える大幅な為替変動があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、連結子会社の設立により、各地域において現地通貨にて作成される財務諸表は、連結財務諸表の作成のため円換算されており、換算時の為替レートの変動により影響を受けることになります。
(4) 株式会社荏原製作所との関係(取引関係、社名・ロゴの使用等)
 株式会社荏原製作所は、当社が平成15年9月にMBOにより独立する前は、55%の株式を保有する親会社でありましたが、現在は株式を保有しておりません。
 当社との取引関係は、当社が株式会社荏原製作所に対して半導体業界向けのシリコンウェハ用の銅めっき薬品を卸販売しております。この製品は株式会社荏原製作所が製造販売している半導体業界向けめっき装置に使用されるめっき薬品であります。
 また、社名の使用につきましては、MBOによる独立時に10年間の使用許諾を、ロゴマークにつきましても、株式保有比率が20%未満になった時点より3年間の継続使用許諾を得ております。しかしながら、現在、株式会社荏原製作所は当社株式を保有しておらず、平成20年12月までにロゴマークを変更する必要があります。
 ロゴマークの変更につきましては、平成20年10月1日より実施する予定で準備を進めておりますが、社名の変更につきましては、十分に検討し慎重に準備を行ったうえで実施することを考えております。
(5) 中国での事業
 当社グループは、成長を成功させる要因として、中国子会社による中国での事業拡大を第一に掲げており、今後も販売網の拡充、現地生産拠点の充実に注力する所存であります。
 中国はここまで驚異的な経済成長率をもって発展を続けておりますが、成長の歪みと言われる沿岸部と内陸部の所得格差の問題、エネルギー不足への対策、知的所有権に関する問題等の課題を抱えております。また、オリンピック後の経済成長の停滞も懸念されております。
 中国政府がこうした課題に効果的に対処できない場合、当社グループの中国での事業や業績に波及する可能性があります。
(6) 薬品関連資材事業の売上依存度が高いことについて
 当社グループの薬品関連資材事業の売上高が全体の売上高に占める割合は、平成20年3月期において約80%と高く、当面このような高い割合が継続することが予想されます。同事業の対象市場としましては、自動車部品、建材、水栓金具、電子部品等があり、複数市場への売上分散を図ってまいりました。そのため、当該市場により当社グループの業績が大きな影響を受けるリスクは低いものと予想されますが、皆無であるとは言い切れません。
(7) 技術ノウハウの流出及び漏洩について
 当社の技術情報には、表面処理薬品の開発経緯、薬品の成分・組成、装置の開発経緯、仕入商品情報、当社と顧客間の技術データ等があります。これらの技術情報は、外部への持ち出し、複写等を禁じ、外部漏洩に備えております。しかしながら、万一、これらの情報が外部へ漏洩した場合には、類似品の製造及び顧客に対するサービス提供が可能になると考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、退職者が出た場合、退職後の守秘義務契約にも関わらず、一部の技術・情報等が流出し、当社の業績に影響を及ぼす可能性は否定できません。
(8) 人材の確保・育成について
 当社が製品を提供する業界(特にエレクトロニクス業界)は、技術水準や顧客ニーズが急激に変化する業界であり、それらに見合った新技術の開発とその製品化、既存製品の改良は、当社にとって必要不可欠なものであります。知名度の向上、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策にも関わらず、優秀な技術者や研究開発要員の確保・育成ができない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、今後も海外展開の拡大やIR活動の充実等、諸業務の拡大が予想されますので、優秀な人材の確保に一層努めてまいりますが、当社が求める人材を十分に確保・育成できない場合には、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 法的規制について
 当社は、表面処理薬品の原材料として「毒物及び劇物取締法」及び「麻薬及び向精神薬取締法」の対象となる薬品を使用しているため、その販売、製造、輸入等に関して同法の規制を受けております。当社は前記法令の対象となる薬品に関する販売業登録、輸出入業登録等の法的措置を講じると共に、社内管理体制を確立し、法令遵守に努めております。しかしながら、今後の法改正により規制が強化され、当社の表面処理薬品の原材料となる薬品の一部について、使用禁止や使用制限等の措置が講じられた場合には、代替製品を開発するまでの間、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 廃棄物等の管理について
 当社の新潟工場及び総合研究所では、製造又は実験過程において、環境への影響を考慮した適切な処理を必要とする廃液及び大気中への排出物が生じます。当社は、廃液についてはその内容等により、排水処理施設での処理又は外部委託処理を行っております。また、排気管理については、製造工程及び実験室における局所排気を通じ、排気ガス処理装置で処理しております。
 これらの取り組みの結果、現在まで行政からの指導を受けた事はありませんが、将来において当社の廃棄物の管理に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
(1) ライセンス契約
相手先
契約期間
契約の内容
エンソン・インコーポレーテッド(米国)
(注)1
自 平成15年10月2日
至 平成31年9月30日
製品に関するロイヤルティ相互契約
ロイヤルティ料率:製品の純販売価格の5%又は8%
株式会社荏原製作所
自 平成15年10月2日
至 平成25年10月1日
「荏原」の商標の使用に関する事項
株式会社荏原製作所
(注)2
自 平成15年10月2日
至 平成25年10月1日
「荏原」のロゴの使用に関する事項
エンソン・インコーポレーテッド(米国)
自 平成15年10月2日
至 平成35年10月1日
「Udylite」の商標の使用に関する事項
(注)1.平成13年3月にてエンソン・インコーポレーテッドとの技術援助契約が終結いたしましたが、平成15年10月2日、相互の一部製品に限定したロイヤルティ相互契約を締結いたしました。
2.契約期間に関わらず、株式会社荏原製作所の当社の株式保有比率が20%未満となった場合、ロゴの使用はその日から3年間に限られます。平成17年12月22日に当該株式保有比率が20%未満となりましたので、使用期限は平成20年12月21日となりました。
(2) 事業用借地権設定契約
相手先
契約年月日
契約内容
 契約期間
 賃料(年額)
川崎市
平成18年2月8日
当社総合研究所の借地権の設定
20年間
自 平成18年3月1日
至 平成38年2月28日
 18,338千円
(注)本契約は、当社中央研究所の移転に伴うものであります。なお、この移転に伴う設備投資の概要につきましては、「第3 設備の状況」のとおりであります。
(3) 業務・資本提携契約
相手先
契約年月日
契約内容
株式の取得価額
JESAGI HANKOOK CO.,LTD.
平成18年9月1日
相手方株式の取得及びプリント配線板洗浄装置の販売権取得
 100,000千円
 
6【研究開発活動】
 当社は、薬品関連資材事業及び装置事業の研究開発及び技術部署を中心として、「独創的かつスピーディーな研究開発をスローガンに、世界の顧客に信頼されるオリジナル製品を提供する」ことを理念とした研究開発活動を推進しております。新製品及び新技術の開発はもちろんのこと、従来技術の改良等も随時行うことで、顧客満足度の向上を図っております。自動車・建材からエレクトロニクス・半導体に至る幅広い業界の最先端技術に対応すべく、顧客との共同研究も視野に入れております。
 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は4億70百万円であり、連結子会社においては、研究開発活動は行っておりません。
(1)薬品関連資材事業
 薬品関連資材事業における研究開発活動は、
  ・環境にやさしい製品の開発
  ・エレクトロニクス業界での高密度、微細配線技術
  ・自動車関連業界での高外観、高耐食性技術
を課題として、「自動車部品や水栓金具等に使用される各種エンジニアリングプラスチック材料に表面処理を行う技術」や「鉛を使用しない各種めっき液の開発」、「6価クロムを使用しないめっき技術」、「ウィスカー(スズめっき皮膜から発生するヒゲ状の突起)の出ない鉛フリーはんだめっき液」、高密度ビルドアップ配線板用途の「ビアフィリング用硫酸銅めっき」、「微細配線用エッチング液」等において、顧客の多様な要求に応えるべく、たゆまぬ開発努力を続けてまいりました。そして、より高度化する技術の要求に対応するため、改良も継続しております。
 平成20年3月期に完成した製品は以下のとおりであります。
①樹脂めっき前処理用クロム酸フリーエッチング液
②高耐食性マイクロポーラスクロムめっきプロセス(性能アップ薬品)
③ビアフィリング用銅めっきプロセス(性能アップ薬品)
(2)装置事業
 装置事業における研究開発は、従来のプリント配線板向けめっき装置に加え、高精度品質の銅めっき装置の製品化、自動車部品用めっき装置等、顧客の多様な要求に応えるべく、たゆまぬ努力を続けております。また、新たな薬品の分析・管理プロセスに対応できる自動分析管理装置を開発し、顧客の生産管理、工程管理に必要な機器を提供しております。
 一方、近年エレクトロニクス業界では、プリント配線板への実装の高密度化や回路の微細化が急速に進んでおり、従来の技術のみでは対応が困難になると考えられます。当社では、このような課題に対し新たに乾式(ドライ)技術を融合させることにより、市場の要求に応え得る新しい技術を創生することに取り組んでおります。
 いずれも、顧客の要望に応える形での研究開発及び改良で、最新のニーズを盛り込み、同業他社に勝る装置の供給に取り組んでおります。
 平成20年3月期に完成した製品は以下のとおりであります。
自動分析管理装置(不溶性陽極対応硫酸銅めっき薬品用)
7【財政状態及び経営成績の分析】
 当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成20年6月30日)現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載したとおりであります。
 当社グループは、退職給付引当金、賞与引当金、貸倒引当金、税効果会計、投資その他の資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と思われる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
 当社グループは、台湾及び韓国における子会社設立に伴い、当該地域の取引を子会社に移管しました。当該売上高は、子会社との決算日の違いにより、平成20年1月から3月までの3ヶ月間の売上高、3億62百万円が連結手続き上、翌連結会計年度の売上高となりました。このような状況においても、当連結会計年度における売上高は102億44百万円(前年同期比5.9%増)と前年を上回ることができました。薬品関連資材事業におきましては、中国市場における自動車向け樹脂部品用の薬品の販売が好調に推移したことや、携帯電話、薄型テレビ、家庭用ゲーム機の販売が好調で、MPUパッケージ基板及びマザーボード向けのビルドアップ配線板用めっき薬品が伸張し、売上高は80億83百万円(同4.7%増)となりました。また、装置事業におきましても自動車部品メーカー向けやプリント配線板メーカー向けの装置の拡販に注力し、売上高は21億61百万円(同10.3%増)となりました。なお、連結売上高に占める海外売上高は22億91百万円(同10.6%減)となりました。今後、中国を中心としたアジア地域での事業展開を当社グループの成長の柱として育成してまいります。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
 当連結会計年度における売上原価は、4億47百万円増加し56億28百万円(前年同期比8.6%増)となりました。これは、主に前連結会計年度に引き続き販売活動の好調さが持続したため製造量が増加し、材料費、外注加工費等の変動費が増加したことによるものですが、原材料費の価格上昇の要因もあります。
 販売費及び一般管理費は、4億56百万円増加し39億29百万円(同13.2%増)となりました。これは、主に海外子会社の設立等に伴う人員増による給与手当の増加(同13.2%増)及び減価償却費の増加(同67.6%増)等によるものであります。
 以上の結果、営業利益は6億87百万円(同32.9%減)となり、前連結会計年度に比べて3億36百万円減少しました。
③ 営業外収益、営業外費用
 営業外損益は、受取利息、受取配当金等の26百万円の営業外収益を計上したものの、支払利息、為替差損等の85百万円の営業外費用を計上した結果、経常利益は6億27百万円(前年同期比37.8%減)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
 当社グループの主力製品である表面処理薬品は、主に自動車業界とエレクトロニクス業界で使用されております。自動車業界は年毎の変動が比較的小さく、経営成績に急激な影響を与える可能性は少ないと考えておりますが、エレクトロニクス業界におきましては、電子機器事業、とりわけ携帯電話・パソコン市場等の好不調の影響を大きく受けます。また、エレクトロニクス業界の技術革新のスピードが非常に速く、製品寿命が短いため、新製品の開発能力が重要なポイントとなります。
 従って、当社グループは販売対象業界を分けることでリスクを分散し、現在では自動車業界とエレクトロニクス業界への売上高はほぼ二分されております。また、エレクトロニクス業界の技術革新のスピードに対応するため、研究開発部門の充実を図るべく、優秀な人員の計画的な補充、測定機器や分析機器の充実、大学への研究委託、大手メーカーとの共同研究等、様々な対応を実施しております。
(4) 経営戦略の現状と見通し
 当社グループは、これらの状況を踏まえて、薬品関連資材事業と装置事業を保有するという、当社グループの強みを最も発揮できる自動車産業に対し、国内市場、中国をはじめとしたBRICs市場やアジア市場において営業活動を強化してまいります。また、エレクトロニクス業界に対しては、顧客ニーズを把握し、研究開発活動を通じ新製品を市場に提供することで、シェアの拡大、収益力の向上を図ります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フロー
 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が5億73百万円、減価償却費が3億23百万円、前受金の増加が2億3百万円、長期借入による収入が17億40万円あったものの、売上債権の増加が2億33百万円、法人税等の支払が4億40百万円、有形固定資産の取得による支出が4億74百万円、有価投資証券の取得による支出が6億29百万円、長期借入金の返済が5億45百万円、配当金の支払が1億75百万円あったこと等により、前連結会計年度末に比べ2億6百万円増加(前年同期は6億95百万円の減少)し、当連結会計年度末には18億55百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
 営業活動の結果得られた資金は、3億82百万円(前年同期比30.4%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が5億73百万円、減価償却費が3億23百万円、前受金の増加が2億3百万円であったものの、売上債権の増加が2億33百万円、法人税等の支払額4億40百万円あったこと等によるものであります。
 投資活動で使用した資金は、12億51百万円(前年同期比28.8%増)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出4億74百万円、投資有価証券の取得による支出6億29百万円があったこと等によるものであります。
 財務活動の結果調達した資金は、10億78百万円(前連結会計年度は2億79百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入17億40百万円、長期借入金の返済5億45百万円等によるものであります。
② 資金需要
 当社グループでは、今後アジアを中心としたグローバルな市場に向けた国際競争力を有する新製品開発、及びドライ事業等の新事業にかかる研究開発投資並びに設備投資を中心に資金を充当してまいります。
③ 資金の源泉
 主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、必要とする資金を調達しております。なお、当社におきましては、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として借越限度額20億円の当座借越契約を締結しております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、最近の原材料価格の高騰や環境に対する規制の強化、また、技術革新の速さ等当社グループを取り巻く事業環境は、さらに厳しさを増すことが予想されます。
 経営陣としましては、こうした事業環境に対し、生産効率の向上による製品の原価低減、常に環境問題を意識した研究開発、そしてマーケティング部門の強化によるロードマップの先取りと迅速な製品開発を行うことにより、持続的な成長を目指しております。
(7) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
 当連結会計年度末の総資産は、108億51百万円となり、前連結会計年度末に比べて13億33百万円増加(前年同期比14.0%増)しました。
 流動資産は65億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億28百万円の増加(同10.6%増)となりました。これは主に、現金及び預金が4億15百万円増加したこと、売上債権が2億33百万円増加したこと等によるものであります。
 固定資産は43億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億4百万円の増加(同19.5%増)となりました。  有形固定資産は、リース資産の増加等により2億85百万円増加し、31億40百万円(同10.0%増)となりました。投資その他の資産は、取引先の株式取得により投資有価証券が3億84百万円増加したこと等により、11億44百万円(同57.5%増)となりました。
② 負債
 当連結会計年度末の負債は、55億32百万円となり、前連結会計年度末に比べて12億89百万円の増加(前年同期比30.4%増)となりました。
 流動負債は36億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億41百万円増加(前年同期比7.1%増)しました。これは、主に未払法人税等が1億58百万円減少した一方、借入金が3億95百万円増加し、装置物件の受注にかかる前受金が2億4百万円増加したこと等によります。
 固定負債は、18億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億48百万円の増加(同126.3%増)となりました。これは、主に長期借入金が8億47百万円増加したこと等によります。
③ 純資産
 当連結会計年度末の純資産は、53億19百万円となり、前連結会計年度末に比べて43百万円増加(前年同期比0.8%増)しました。これは主に、当期純利益が2億91百万円であった一方、剰余金の配当1億76百万円を行ったこと等によるものであります。
 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.9%に対して当連結会計年度末は48.7%に低下しております。




出典: 株式会社JCU、2008-03-31 期 有価証券報告書