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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

   ①当連結会計年度の状況 

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、アジアを中心とした新興国の経済成長に支えられ、企業の生産活動や設備投資が持ち直すなど、企業業績は緩やかに回復してきました。また、個人消費についても政府による「環境政策」効果などもあり、緩慢ながらも改善の動きが続きました。

 国内住宅設備業界におきましても、住宅ローンの金利優遇・減税の拡充や贈与税の非課税枠拡大、環境配慮型住宅の普及促進を目的とした補助金制度や住宅エコポイント制度など、住宅の取得やリモデル(※)に関する政府の各種施策が追い風となり、新設住宅着工戸数が持家や分譲住宅を中心に前年に比較して増加し、住宅市場は回復基調にあることがうかがえました。

 しかしながら、国内では長引く円高やデフレ、失業率が依然高水準にあり、また、海外では先進国である欧米経済の回復が遅れているなど、景気の先行きに対する不透明感が払拭されるまでには至りませんでした。

 このような事業環境の中、当社グループは平成21年7月に発表した創立100周年を迎える平成29年(2017年)に「真のグローバル企業」となることを目指す長期ビジョン「TOTO Vプラン2017(以下Vプラン2017という)」に基づき、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」の各事業領域での販売活動の強化と全社横断の事業構造改革を本格的にスタートしました。また、環境先進企業として従来からの環境活動をさらに強力に推進していくために、平成22年4月に発表したTOTO環境ビジョン2017「TOTO GREEN CHALLENGE」についての具体的な活動を開始しました。国内では、全国のショールームに加え、工場やアフターサービスの現場などさまざまなお客様との接点を活用し、全社一丸となってリモデル需要の喚起・創造に取り組むとともに、海外ではグローバル5極体制(日本、米州、中国、アジア・オセアニア、欧州)構築に向け基盤整備を進め、グローバル高級ブランドの確立を目指して積極的に事業活動を展開しました。

 なお、平成23年3月に発生した東日本大震災によって、当社グループにおきましても一部の工場や販売拠点、物流拠点で被害を受け、また、被災に遭った仕入先企業からの原材料や部品の供給が停滞したことにより、商品の生産および出荷が滞り業績面で少なからず影響を受けました。

 このような活動の結果、当連結会計年度の業績は、売上高に関しては前連結会計年度比2.8%増の4,335億5千7百万円となりました。

 一方、利益面ではVプラン2017による全社コストリダクション活動や事業再編活動などの効果により、営業利益は前連結会計年度比112.7%増の140億1千4百万円、経常利益は前連結会計年度比88.8%増の138億5千5百万円となりました。

 また、事業再編費用、震災損失、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額および有価証券評価損などを特別損失として計上した結果、当期純利益は前連結会計年度比482.1%増の51億1千5百万円となりました。

(※「リモデル」とは、増改築やリフォームを一歩進め、お客様の期待以上の新しい生活スタイルの提案と実現をお約束すること。)


②セグメント別の状況

a.国内住設事業

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.4%増の3,708億5千1百万円となりました。

 

 国内住設事業では、当社の“強み”であるリモデル戦略をさらに加速させた結果、リモデル分野の売上高は前期比+5.0%と伸長しました。

 水まわりのトップメーカーとして環境への取り組みを最重点課題にあげ、卓越した研究・技術開発により提案する環境№1商品(当社独自の環境配慮型商品)の普及促進によって、節水などによる水まわりからのCO2削減効果を訴求しました。

 また、全国のショールームや地域に密着した増改築工事店のネットワークである「TOTOリモデルクラブ店」などと協働し、リモデル市場を中心に確固たる地位の確立を目指して、多様化するお客様のライフスタイルに合わせた提案活動によって需要の拡大に取り組みました。

 

・平成22年8月に発売した新商品の販売が好調に推移したことで、国内住設事業の業績回復に寄与しました。

・レストルーム商品では、ウォシュレット(※)一体形便器「ネオレストハイブリッドシリーズ」や「GG、GG−800」、そして「新レストパル」「新ピュアレストEX、QR」などの「GREEN MAX 4.8」と名付けて訴求を行っている4.8L洗浄節水便器が、環境配慮・快適性能に優れた商品として引き続き高い評価をいただきました。

 (※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です)

・また、当社「ウォシュレット」が昭和55年(1980年)6月の発売からちょうど30周年を迎え、累計出荷台数3,000万台を突破しました(シートタイプ・ウォシュレット一体形便器 国内・海外合計)。ウォシュレットは

おしりを洗う習慣がなかった日本人の生活スタイルを変え、今では温水洗浄便座市場全体で家庭での普及率は71.6%になりました(平成22年3月内閣府調べ)。

・浴室商品では、戸建システムバスルーム「スプリノ」で好評のバスルームとしての心地よさにこだわる「ほっカラリ床」を新たに「サザナ」にも搭載したことで新築需要を中心に、また、浴室空間としての完成度が高い「スプリノ」とマンションリモデルバスルーム「スプリノWAシリーズ」はリモデル需要を中心に広くご採用をいただきました。

・キッチン商品では、「水の流れ」と「作業の流れ」をユニバーサルデザインの視点で研究した結果、無駄のない使いやすさを実現した新シリーズ「クラッソ」の販売が堅調に推移しました。特に、「クラッソ」のコンセプトである「スイスイ設計」を実現した「水ほうき水栓」や「すべり台シンク」「らくプル親子収納」「ゼロフィルターフード」など当社独自の商品特長と機能に大きなご支持をいただきました。

・洗面商品では、「奥ひろ収納 奥ひろし」を標準搭載することで従来品の約1.3倍の収納量を実現した新シリーズ「サクア」が、多彩な収納機能にあわせたフラットな底面で大きくて使いやすい「ワイドボウル」、そして、環境にも配慮した「エコシングル水栓」や「エコミラー」などにも高い評価をいただき、お客様から大きなご支持をいただきました。

・TOTO、DAIKEN、YKK AP(以下TDYという)は、3社共同の「グリーンリモデルフェア '10‐'11」を、平成22年10月名古屋会場、11月大阪会場、平成23年2月福岡会場にて開催しました。リモデルクラブ店からの呼びかけなどを中心とした活動によって、3会場合計で約48,000名ものお客様・お得意様にご来場いただきました。
 グリーンリモデルフェアでは、「健康配慮」「長もち住宅」「CO2削減」の3つの視点で「暮らし」も「地球」も快適になるコンセプト「グリーンリモデル」のしくみを広く提案しました。また、お客様に家全体の環境性能を測定する「グリーンリモデル診断」の体験コーナーを設置し、TDYとグリーンリモデルマイスター店(※)が一緒になってお客様へ訴求しました。なお、平成23年4月に予定していた東京会場は東日本大震災の影響により開催を中止しました。(※グリーンリモデルマイスター店:グリーンリモデルのコンセプトに共感いただき、TDYの定めた一定の必要条件を満たした上で、「グリーンリモデル総合診断」を提案できる店)

・平成23年1月より、住宅エコポイント制度のエコポイントの発行対象として、当社「GREEN MAX 4.8[節水型トイレ]」と「魔法びん浴槽[高断熱浴槽]」が追加となりました。これを機に当社ではお客様へのサポートとして、お問い合わせ窓口「TOTO住宅エコポイント相談室」やホームページでの「住宅エコポイントサイト」を開設し、制度の詳細、対象商品、各種キャンペーン、近隣のショールームのご案内などを開始しました。また、お客様向けに「キャッシュバックキャンペーン」などを実施し、住宅エコポイント活用による需要創造を推進しました。

 

b.海外住設事業

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比4.4%増の730億2千5百万円となりました。

 

 海外住設事業では、節水便器やウォシュレットなどTOTOらしさを活かした商品の機能性・快適性・環境配慮を徹底訴求することで、これまで以上に海外のお客様にも新しい生活スタイルを提案しました。


<米州>

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比10.5%減の159億2百万円となりました。

 

 米国では、中高級市場でのトップメーカーの地位を目指して、事業活動を強化しました。バスルーム空間全体を提案するスイート商品での高付加価値商品の品揃えを充実させ、空間提案による販売活動を強化しました。

 また、今後、経済成長が期待できるブラジルをはじめとした中南米市場の新規マーケットの開拓を推進しました。

 

・平成22年4月シカゴで開催された世界最大級の水まわり設備の展示会「Kitchen/Bath Industrial Show」では、トイレや洗面器、水栓金具などの豊富な商品ラインナップだけでなく、シリーズ毎にコーディネートしたスイート空間やTOTOならではの技術紹介コーナーを展示し訴求したことで、ご来場者の皆さまより非常に高い評価をいただきました。

・海外新規市場への本格参入として、ブラジル・サンパウロに現地法人販売会社「TOTO Do Brasil Distribuicao e Comercio,Ltda.(以下TOTOブラジルという)」を平成23年1月に設立し、ブラジル市場における水まわり商品の販売チャネル・物流網の構築など、事業基盤の整備を開始しました。

・そして、その足掛かりとして、平成23年3月サンパウロで開催されたブラジル最大の水まわり展示会「Kitchen & Bath Expo 2011」に初出展し、当社のオンリーワン技術とデザイン性の高さを活かした商品力で新しい水まわり空間を提案しました。

<中国>

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比9.3%増の361億1千1百万円となりました。

 

 中国では、高級ブランドとしての地位とこれまでの事業基盤をさらに揺るぎないものにするために、現地メーカーも含め他社を圧倒する販売、サービス体制の強化をさらに推進しました。また、中国国内の需要増に対応するため、工場の増設など積極的な生産・供給体制の強化を図りました。

 

・販売面では、中国国内5ヶ所の直営ショールームや代理店ショールームなどを中心に、需要が旺盛な沿海部・内陸部での販売活動を強化しました。広州の直営ショールームは、平成23年1月に場所を移転し、リニューアルオープンしました。また、杭州、鄭州、重慶、深圳の4都市には直営ショールームと同等規模のスペースを誇る代理店との協業による大型ショールームを新規オープンしました。今後も主要都市へのショールーム展開を推進し、中国全土におけるTOTOブランドの認知向上に努めてまいります。

・生産面では、中国国内の衛生陶器の供給不足に対応するため、平成23年5月稼働を目指した東陶華東第二工場(上海)の増設工事を開始、さらに福建省漳州に製造販売会社「東陶(福建)有限公司」を平成23年3月に設立しました。北京、上海に次ぐ5つ目の衛生陶器の生産工場が平成25年8月に稼動の予定です。また、水栓金具に関しては東陶(大連)有限公司の工場拡張工事が完了し、平成23年2月より生産を開始しました。

 

<アジア・オセアニア>

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比10.0%増の190億4千2百万円となりました。

 

 アジア・オセアニア地域では、世界の供給基地としてタイ、インドネシアでの生産・販売体制を充実させるとともに、インド、中東、ベトナムなどの成長著しい新興国市場での販売力を強化しました。

 

・TOTOではインドをVプラン2017最重点新興国と位置づけ、本格的に参入するためにムンバイに現地法人「TOTO India Industries Private Limited」を平成23年1月に設立しました。インド市場における高級著名物件の追求と販売チャネル・物流網の構築など、事業基盤の整備を開始しました。

・そして、平成22年11月、日本の水まわり総合メーカーとして初めてインド最大の住宅設備機器の展示会「aceTECH 2010」(ace;architecture construction engineeringの略称)に出展しました。当社は「Clean Technology」をテーマに、環境にやさしい独自の洗浄技術・節水技術を搭載した商品を提案するとともに、高級ブランドとして「TOTO」ブランドの認知拡大を図りました。


<欧州>

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比7.7%増の19億6千8百万円となりました。

 

 欧州では、ドイツ、フランス、イギリスを中心に事業展開しており、ロンドンショールームの開設やイベント出展を起点に、ネオレストをはじめとした環境にもやさしい独自の洗浄・節水技術を搭載したデザイン性の高い商品を中心に、欧州におけるブランド力強化と事業展開の加速を図りました。

 

・平成23年3月にドイツ・フランクフルトで開催された「ISH(International Sanitary and Heatingの略称)」に平成21年に引き続き2度目の出展を行いました。今回は、「CLEAN&GREEN」というメッセ−ジを掲げ、高機能便器・ウォシュレット・水栓金具などの環境配慮技術を駆使した商品を中心に水まわり空間全体での訴求を図りました。また、新事業としてグロ−バル展開を進めている光触媒による環境浄化技術「ハイドロテクト」も紹介し、高い技術力と品質を持つ高級ブランドイメ−ジの定着を狙いました。

 

c.新領域事業 

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比10.2%増の169億7百万円となりました。

 

 光触媒を利用し、光や水で地球も暮らしもきれいにする環境浄化技術「ハイドロテクト」を訴求する「環境建材事業」、TOTOのオンリーワン技術を活かした「セラミック事業」、環境面でも今後大きく成長が期待される「燃料電池事業」の3つの事業を「新領域事業」としており、Vプラン2017計画達成に向けた事業活動を推進しました。

 

<環境建材事業>

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比6.4%減の91億9千万円となりました。

 

 平成21年度より、「ハイドロテクト」に関してはこれまでの防汚性能に加え、新たに空気浄化性能を積極的に訴求しています。既に多くのお客様にご活用いただいており、建物の外壁から室内の壁や床までさまざまな製品が

利用されています。また、事業戦略も国内中心から海外へと拡大させ、業種を横断したパートナーシップ「ハイドロテクトの輪」をグローバルに広げ、「ハイドロテクト」の普及とともに環境貢献を進めています。

 

・ライセンスビジネスの一環として、成功事例の展開、共同施策検討などを目的に「ハイドロテクトの輪」の構築を推進しました。これは、国内外のタイルやガラス、アルミ、セメントなど外装に関わるビジネスパートナー様と展開しているもので、日本と欧州でそれぞれ構築されています。平成22年12月には第1回目の欧州「ハイドロテクトの輪」会議をドイツ・デュッセルドルフで開催しました。着実にTOTOの環境浄化技術「ハイドロテクト」がグローバルに広がっています。

 

<セラミック事業>

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比39.5%増の77億1千6百万円となりました。


 加速度を増し続けるテクノロジーの発展に対応する、より高度な性能を持つ素材要求に応えるため、当社のオンリーワン技術を活かした精密セラミックス部品や光通信部品などに特化し、選択と集中を強く意識した活動を展開しました。また、これまで以上にグローバル展開を加速させるとともに、Vプラン2017における全社横断の革新活動「ものづくり革新」と連携し、最高の品質と適正なコストを両立できる生産体制の整備を進めました。
 そのような中、平成23年3月に発生した東日本大震災により、光伝送用部品などを製造する福島県のTOTOファインセラミックス株式会社 楢葉工場、富岡工場の工場建屋、生産設備がともに一部損傷しました。また、両工場とも東京電力株式会社福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内の警戒区域に含まれているため、操業再開の目途が立っておりません。したがって、顧客への影響を最小限に止めるため、グループ会社であるTOTOウォシュレットテクノ株式会社の茨城工場内に生産ラインを移転したり、外部調達への切り替えなどによって早期生産回復と事業継続に取り組みました。

 

・平成23年4月に当社セラミック製品の製造に関する事業などを会社分割し、TOTOファインセラミックス株式会社に承継することを決定していましたが、この度の東日本大震災による被災状況などを勘案し、一時中止することにしました。

 

<燃料電池>

 燃料電池の心臓部である発電モジュールにおいて、当社のオンリーワン技術であるセラミック製発電セル(SOFC)および発電モジュールの製造・開発を推進し、早期事業化を目指しています。

 

・発電効率向上を実現し、燃料電池システムメーカー、ガス会社、研究機関などとの継続的な共同実証試験により耐久性の向上を図りました。また、量産化に向けて一部設備投資を実施しました。

 

(2)東日本大震災の影響

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災において被災された皆様、関係者の皆様に於かれましては、引き続き厳しい状況が続いており、心よりお見舞い申し上げます。

 当社グループにおいては、災害対策本部(本部長:張本社長執行役員)を即日設置し、以下の対応方針に沿って対応を検討・推進しています。

①安全第一(当社グループ従業員・家族の安否確認、安全確保を最優先)
②お客様・社員をはじめとするステークホルダーへのご迷惑や不安の最小化、

 早期復旧へ向け、TOTOグループ一丸となって取り組む
③被害状況および対応状況は、速やかに整理し正しく社内外へ開示する

 

 当社グループの被害・影響については以下のとおりです(有価証券報告書提出日現在)。

①人的被害の状況
 当社グループ従業員に直接の人的被害はありません。

 

②拠点被害および復旧の状況
 震災による直接の拠点被害および復旧の状況は以下のとおりです。

 区 分

名 称

 状 況

生産拠点

 

TOTOファインセラミックス株式会社本社・楢葉工場、富岡工場(福島県)

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の警戒区域内のため稼働を停止しています。正確な状況は把握できていませんが、建屋、設備に損傷が発生している模様です。

TOTOウォシュレットテクノ株式会社茨城工場(茨城県)

断水のため生産を停止しましたが、3月28日から生産を再開しています。

販売拠点

 

当社東北地区および茨城県内の営業拠点・ショールーム(仙台市・福島市・郡山市・水戸市・つくば市)

3月11日の地震ならびにその後の余震により天井や照明の落下、壁ガラス破損等により震災後休業しましたが、順次営業再開しています。

TOTO東北販売株式会社(仙台市)

震災後休業しましたが、3月22日から営業を再開しています。

物流拠点

当社千葉物流センター(千葉県)

設備および商品の一部が破損し、3月16日まで出荷を停止していましたが、3月17日から一部出荷を再開しています。

 

③製品の生産・供給への影響と今後の見通し
 震災に伴う製品の生産・供給への影響と今後の見通しについては以下のとおりです。
・衛生陶器、温水洗浄便座、システムキッチン、洗面化粧台等の一部の製品について、部品等の調達が停滞したことから受注を停止していましたが、現在は全ての製品で新規受注を再開しております。
・光通信用部品、大型精密セラミック製品等については、生産ラインの移転や委託生産などへの切り替えを推進し、生産・出荷を再開しています。
・電力使用制限への対応については、政府からの要請や日本経団連のガイド等を踏まえ、稼働時間帯のシフトや自家発電設備の導入等の対策を検討し実施いたします。
・経済産業省からの仮設住宅向け供給要請を受けて対応しています。

 

④被災地支援の状況
 TOTOグループより義援金1億円を中央共同募金会等経由で寄贈しました。また、TOTOファインセラミックス株式会社より工場のある福島県富岡町・楢葉町に、TOTOウォシュレットテクノ株式会社より工場のある桜川市に各々地域支援として1百万円を寄贈しました。 

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金および現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末の505億6千3百万円に比べ、40億6千5百万円減少し、464億9千8百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、281億1千7百万円(対前連結会計年度△55億9百万円)となりました。

これは、減価償却費197億4千6百万円、仕入債務の増加額99億6千2百万円等による資金の増加によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、227億5千8百万円(対前連結会計年度△79億2千9百万円)となりました。
 これは、有形固定資産の取得による支出159億3千8百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出37億6千9百万円、無形固定資産の取得による支出29億2千2百万円等による資金の減少によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、72億6千万円(対前連結会計年度+49億6千2百万円)となりました。
 これは、長期借入金の返済による支出50億1千5百万円、配当金の支払額34億6千3百万円等による資金の減少によります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内住設事業 

323,810

  米州 

8,020

  中国 

37,747

  アジア・オセアニア 

19,755

  欧州 

1,872

海外住設事業計 

67,396

  環境建材事業 

7,156

  セラミック事業 

7,591

新領域事業計 

14,747

報告セグメント計 

405,954

その他 

合計

405,954

 (注)1.金額は、売価換算値で表示しています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

3.改正後の「セグメント情報」の適用初年度であり、上記セグメントの区分による前連結会計年度の金額のデータを入手することが困難であるため、前期比は記載していません。 

 

(2)受注状況

 当社グループは概ね見込生産方式を採っておりますので、受注の状況については記載を省略しました。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内住設事業 

370,851

2.4

  米州 

15,902

△10.5

  中国 

36,111

9.3

  アジア・オセアニア 

19,042

10.0

  欧州 

1,968

7.7

海外住設事業計 

73,025

4.4

  環境建材事業 

9,190

△6.4

  セラミック事業

7,716

39.5

新領域事業計 

16,907

10.2 

報告セグメント計 

460,784 

3.0

その他  

875 

△17.8

内部売上消去等

△28,102 

合計

433,557 

2.8

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

 前連結会計年度、当連結会計年度ともに販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しました。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3【対処すべき課題】

 

(1)当社グループは、平成21年7月に、創立100周年を迎える平成29年(2017年)に「真のグローバル企業」となることを目指す長期ビジョン「TOTO Vプラン2017」を策定し、グループをあげて取り組みをスタートしました。
 そのために、企業活動のベースとなるコーポレート・ガバナンスを強化し、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」をこれまで以上に加速させ、各事業領域にまたがる全社最適視点の5つの全社横断革新活動「マーケティング革新」「サプライチェーン革新」「ものづくり革新」「マネジメントリソース革新」「経営情報イノベーション」を継続、強化していきます。

 

 平成29年(2017年)の経営計画目標は、連結売上高6,000億円、連結営業利益480億円、ROA10%です。
 「真のグローバル企業」になることとこれらの目標を実現するために、「TOTO Vプラン2017」と「TOTO GREEN CHALLENGE」をあわせて強力に推進していきます。

 

(Vプラン2017全社横断革新活動について)

 Vプラン2017では、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」の3つの事業領域にまたがる以下5つの全社横断の革新活動をあわせて強力に推進しています。

 

全社最適の商品戦略を進める「マーケティング革新」

 全社最適視点での商品企画を行い、お客様が魅力を感じる当社のオンリーワン技術をもって開発を進めています。また、日本で開発したコアテクノロジーをグローバルスタンダード技術とし、地域特性に応じた商品を開発・生産し、他社を凌駕するTOTOらしいグローバルな商品戦略を推進しています。

 

強いコスト競争力を生み出す「サプライチェーン革新」

 「原材料の調達から生産・物流を経てお客様に商品をお届けするまでの流れ」を一本ととらえる、「高速サプライチェーン」の構築を行い、コスト競争力を高め、強固な経営体質の実現を目指しています。

 

・「サプライチェーン革新」の一環として、全社的コストリダクション活動「購買革新活動」の取り組みを推進しました。例えば樹脂原材料の集中購買では、従来1つの国で複数社より購入していたものを、1国1社購買とすることでスケールメリットによるコストリダクションを推進しました。と同時に、グローバル間でのリスクヘッジ体制を構築することで供給体制の整備に取り組みました。また、TDYアライアンスを活用し、TDY各社で使用するカタログや取り扱い説明書などの印刷用紙を、3社合計でのスケールメリットによるコストリダクションを推進するなど、新たな取り組みを推進しました。

 

新たな発想によるものづくりを進める「ものづくり革新」

 「次世代生産設備の開発」「材料革命」「プラットフォーム化(標準化・共通化)の推進」など、全社最適の生産技術開発へ体制を移行し、新たな発想によるものづくりを進めています。

 

・衛生陶器を生産するTOTOサニテクノ株式会社 滋賀工場では、平成24年4月稼働を目標に生産工場の建て替えを進めています。この建て替えにより、従来の同一品番大量生産設備から小ロット生産を見据えたフレキシブルな生産設備へと更新し、生産リードタイムの短縮を図ります。

・水栓金具でも生産体制の改革に取り組んでおり、平成22年度は砂型鋳造工程や鍍金工程において、生産拠点や生産設備の集約を行ったりするなど最適生産体制の構築を進めました。また、海外生産拠点である中国の東陶(大連)有限公司の水栓金具生産工場の拡張工事を行い、平成23年2月より生産を開始しました。

・タイル製品の製造・販売を手掛けるTOTOマテリア株式会社では、御嵩工場、土岐工場を統合し、土岐工場へ一元化することにしました。ハイドロテクトや大型陶板などの技術開発拠点およびマザー工場として、平成24年4月の統合完了を目指し、事業の効率化とさらなる品質の向上、コスト競争力の強化を図ります。

業務のムダをなくし、積極的な人財登用を進める「マネジメントリソース革新」

 「マネジメントリソース革新」を通じた「コスト構造改革」により、売上に左右されない「強固な企業体質」の実現に向けて間接業務の効率を高め、戦略業務への人財(※)の投入を図り、成長戦略を達成できる強い企業体質へと変化させていきます。

 「人財戦略」では、企業の総合力を向上させるために「多様で強い人財の育成」と「チャレンジする企業風土」の実現を目指しています。

(※当社グループで働くすべての人々は「次世代を築く貴重な財産である」という考えから、「人材」ではなく「人財」と表記しています。)

 

事業環境変化に対する迅速な経営判断のための「経営情報イノベーション」

 事業環境の変化に対し、迅速な判断を可能にする経営体質を実現するために、全社最適ビジネスプロセスの構築や全事業領域でのITリソースの再配分、人財育成の強化などを行い、さまざまな事業環境の変化に対応できる経営情報基盤を再構築しています。

 

・情報システム資産の運用・保守費などを削減し、その削減したコストを次の戦略投資の原資としています。
具体的には、「クラウドコンピューティング」を取り入れて、低コストで効率的なサーバー運用を推進するなど、グループ全体最適視点での情報システム資産の効率運用や適正化に取り組みました。

 

 

(「TOTO GREEN CHALLENGE」の取り組みについて)
 グローバルな水まわりのトップメーカーとして、従来からの環境活動をさらに加速させたTOTO環境ビジョン2017「TOTO GREEN CHALLENGE」を平成22年4月からスタートし、次の3つの軸で目標の実現に向けグループ一丸となって取り組みました。

 

「商品・サービス」

・「GREEN MAX 4.8」「エアインシャワー」「エコシングル水栓」などの平成22年度発売新商品では、商品使用時のCO2発生量が平成2年度(1990年度)当時の商品と比較し、30%のCO2削減効果を図ることが出来ました。

・環境浄化技術「ハイドロテクト」のグローバルな普及に向け、ライセンスパートナーの中から、日欧各業界を代表するパートナー様を集めた「ハイドロテクトの輪の会」によって協業認知を進めました。今後、米国でも同様の活動を進めていきます。

・また、平成22年10月にはグリーン購入に対する優れた取り組みとして「第12回グリーン購入大賞経済産業大臣賞」を受賞しました。

 

「ものづくり」

・増産要因で平成21年度に比べてCO2総排出量は約6%増加しましたが、生産設備の改善などの継続的な省エネ活動や「ものづくり革新活動」、さらに全国ショールームでは改装時にCO2削減効果の高い「高効率照明器具」の導入などを進めた結果、平成21年度と比較し生産高あたりのCO2排出量では国内では約3%の改善、また海外では約13%の改善を図ることができました。

 

「社会貢献・ひとづくり」

・継続的な取り組みである「TOTO水環境基金」「どんぐりの森づくり」は、社員と地域の方々とがより密着して交流が行えるような活動として展開を図りました。また、ショールームなどで身近な地球環境問題を取り上げた「親子エコ教室」を開催したり、楽しみながら環境が学べる「グリーンライフゲーム」や「TOTO環境BOOK」などの環境啓発ツールの整備を進めました。

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

 当社は、会社法および会社法施行規則に基づき、会社の支配に関する基本方針について取締役会において次のとおり決議いたしております。

①当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、ならびに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えております。

 当社は、大正6年に創業以来、水まわりを中心とした市民生活文化の向上への寄与を企業使命と捉え、トイレ・洗面・浴室・キッチン空間事業、および精密・大型セラミック事業等を展開してまいりました。

 当社の企業価値の源泉は、(ⅰ)高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、(ⅱ)創業以来、ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、(ⅲ)お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、(ⅳ)お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、(ⅴ)取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、(ⅵ)前記(ⅰ)〜(ⅴ)の維持・発展を担う従業員等にあります。

 今後もたゆまぬ研究開発と住宅設備機器という長期的な製品特性を通じたお客様との生涯にわたるきずなを通じて、国内外市場において水まわり生活文化の向上を牽引していくことにより、長期にわたる持続的な企業価値の向上を実現することが可能と考えております。

 当社は、公開企業として当社株式の自由な売買を認めることは当然のことであり、特定の者またはグループによる大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かの最終的な判断は、当社株式を保有する株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、当該大量買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、必要かつ相当な手段を採ることによって当社の長期的な株主価値を確保することが必要であると考えております。

②基本方針の実現に資する取組み

(ⅰ)社是・企業理念および中長期経営計画

 当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質 奉仕と信用 協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化を創造し、お客様の期待以上の満足を追求し続けることで社会の発展に貢献します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しております。

 このような社是・企業理念のもと、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、創立100周年を迎える平成29年(2017年)における当社の目指す姿と、その実現に向けた戦略フレームを示した「TOTO Vプラン2017」を策定し、グループを挙げて取り組みを開始しております。
 「TOTO Vプラン2017」では、創立100周年時に目指す姿として、『 「世界中のお客様」に新しい「まいにち」を提供し、これからも必要とされ続ける存在として「真のグローバル企業」になる』ことを掲げています。

 戦略フレームにつきましては、<国内住設事業>、<海外住設事業>、<新領域事業>の3つの事業領域と、それらにまたがる「マーケティング革新」「サプライチェーン革新」「ものづくり革新」「マネジメントリソース革新」「経営情報イノベーション」の5つの全社横断の革新活動をあわせて強力に推進することで経営目標達成に取り組むとともに、環境配慮の取り組みを強化していきます。

(ⅱ)コーポレートガバナンスの強化

 経営の公平性・客観性・透明性を高めることを目的に当社経営陣から独立した社外取締役を2名招聘しており、当社の経営全般についての客観的な助言・提言を通じた経営のモニタリングを実践いただいております。

 なお、取締役の責任を明確にするため、取締役の任期を1年としています。また、取締役の職務執行の適法性・妥当性を監査する監査役会は、社外監査役2名を含む4名で構成され、取締役会をはじめとする主要会議への出席・代表取締役との定期的な意見交換等監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備しております。このほか、取締役の報酬の基本方針・体系を取締役会に答申する報酬諮問委員会においては、過半数を社外の有識者とすることにより、取締役の報酬の客観性ならびに透明性を確保しています。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための 取組み

 大量買付行為に際して、株主の皆様が当社株式の売却、すなわち大量買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行っていただくためには、大量買付者から提供される情報のみならず、当該行為が当社に与える影響や、大量買付者が当社の経営に参画した場合の経営方針、事業計画の内容等の必要かつ十分な情報、および当該大量買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが不可欠であると考えております。

 そこで、当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するため、「当社株式の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下“本プラン”といいます)を導入しております。
 本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたっては、事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、当社取締役会による一定の評価・検討期間が経過した後に大量買付行為を開始する等、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、かかる手続に従った場合であっても後記④記載の特別委員会によって当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として、新株予約権の無償割当ての方法により、当社取締役会が定める一定の日における株主に対して新株予約権を無償で割り当てる方法を選択することを定めています。

 なお、本プランに従って割り当てられる新株予約権には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引き換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。 

④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

 当社取締役会は、以下の理由から上記③の取り組みが当社の上記①の基本方針および企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

(ⅰ)株主意思を重視するものであること

・本プランは、平成22年6月29日開催の第144期定時株主総会において承認されたこと。

・本プランの有効期間が、上記定時株主総会の終結の時から平成25年3月期に関する定時株主総会の終結の時までに限定されていること。

・本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止され、株主の皆様のご意向が反映されること。

・本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の決定を株主の皆様が取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものであり、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなること。

(ⅱ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

 当社は、当社取締役会の判断の合理性および公正性を担保するために、取締役会から独立した機関として、特別委員会を設置します。特別委員会は、当社社外取締役、社外監査役または社外有識者により構成されます。

 当社取締役会は特別委員会の勧告を最大限尊重した上で決定を行うこととされており、当社取締役会が恣意的に本プランに基づく対抗措置の発動を行うことを防ぐとともに、特別委員会の判断の概要については適宜株主の皆様等に情報開示を行うこととされており、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の実現に資するべく本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

(ⅲ)合理的な客観的要件の設定

 本プランは、予め定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止する仕組みを確保しております。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成23年6月30日)現在において、当社グループが判断したものです。

(1)経営環境に関するリスク

 ①経済状況の変動 

 当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 ②為替相場の変動

 国際取引や外貨建てで取引している海外での生産、販売等の営業活動取引、また、連結財務諸表作成のため海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場の変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

  ③株価の下落

  当社グループは、投資有価証券として株式を保有していますが、当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回ることとなった場合、当該株式の評価損の計上が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 ④金利の変動

 金利の変動は営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 ⑤市場環境の変動

 当社グループが主たる事業活動を行う住宅関連分野での需要の大幅な変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります

 

(2)事業活動に関するリスク

①競合他社との競争

 当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売・サービスを行っており、さまざまな企業と競合しています。当社グループは、今後とも競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、将来にわたって優位に展開できなくなる可能性があります。

 

②急激な製品価格の下落

 当社グループは、高付加価値商品の開発やコストリダクション活動などに積極的に取り組んでいますが、国内外の市場において激しい競争に晒されており、企業努力を上回る価格下落圧力が生じた場合は、当社グループの利益の確保に深刻な影響を受ける可能性があります。

 

③海外事業活動における障害

 当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしています。しかしながら、海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、商習慣に関する障害、さらには投資・海外送金・輸出入・外国為替などの規制の変更や税制の変更等様々な政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

④技術革新の重要性

 当社グループの継続的成長および競争力向上には、新技術や新製品開発のための技術革新が重要となりますが、将来の市場ニーズの変化に適切に対応できなかった場合などにおいては、当社グループの将来の成長や収益性に影響を受ける可能性があります。

 

⑤企業買収および他社との業務提携等 

 当社グループは、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等による事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られない可能性があります。また、他社が事業戦略を変更した場合には、当社グループは資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になる可能性もあります。

 

⑥原材料等の調達

 当社グループの製造事業にとって、高品質の原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに入手することは不可欠であり、そのために信頼のおける購入先を選定し調達活動を推進しています。しかし、購入先からの供給が中断した場合や業界内での需要が急増した場合、もしくは需給環境の変化等によりその調達価格が高騰する可能性もあります。このような場合には、購入先の変更や追加、あるいは他の原材料や部品の切り替え等がタイムリーに行うことができず、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑦代理店等の財政状況

 当社グループの販売取引先は、当社グループとの契約に基づき、代金後払いで製品・サービスを購入している場合があります。

万一、当社グループが多額の売掛債権を有する販売取引先の財政状態が悪化し、契約条件どおりの支払いを受けられない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(3)中長期経営計画等に関するリスク

①中長期経営計画等の目標達成

 当社グループは、創立100周年を迎える平成29年(2017年)に、真のグローバル企業となることを目指す「TOTO Vプラン2017」を推進しています。しかし、当社グループの計画達成に向けた取り組みにもかかわらず、事業環境のさらなる悪化などの要因により、全ての目標達成または期待される成果の実現に至らない可能性もあります。

 

②事業構造改革

 当社グループは、継続的な成長と収益力のさらなる向上を目指すため、事業の選択と集中を進め、経営の効率化を図ってまいります。しかしながら、これらの事業再編や事業構造改革推進の過程において、費用の増加等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(4)法的規制及び訴訟等

①製品の欠陥

 当社グループは、厳格な独自品質基準に基づき、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社グループのブランドイメージの低下、顧客の流出などを招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権による保護

 当社グループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権による保護に努めていますが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合などには、その技術が利用できない、または不利な条件で利用せざるを得ない場合もあります。加えて、当社グループが知的財産権に関し、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。

 

③会計基準及び税制等の変更

 新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

④環境に関する規制

 当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループはこれら法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

⑤気候変動に関する規制

 気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まっています。当社グループにおいて、これら規制の強化に伴い、新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更、設備の変更等の対応費用が増加することで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報の流出

 当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手したり、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じたり、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦その他の法的規制等

 当社グループは、日本及び諸外国・地域の様々な規制に従って事業活動を行っています。これらの法規制や許認可制度等が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが、不適切な対応や重大な違反をした場合には、当社グループの事業やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

 東日本大震災における影響につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)東日本大震災の影響」に記述していますが、当社グループの事業拠点は、日本をはじめ世界各地に展開しています。この度の大地震や大津波に限らず、台風、洪水などの自然災害やサイバー攻撃、戦争、テロ行為等の事象に伴う惨事、電力等のインフラ停止などの混乱状態に陥る可能性があります。また、重大な労働災害または強毒化した新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの設備の損害だけでなく貴重な人的資源に重大な影響を与え当社グループの事業活動の一部または全体に大きな支障をきたす可能性があります。

 この為に、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生し、当社グループの事業、財政状態および経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

(6)風評に関するリスク

 当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)その他のリスク

①年金債務

 当社及び一部のグループ会社では外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職年金給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、数理計算上の差異(損失)が増加し、将来にわたる退職給付費用が増加する可能性があります。

 

②固定資産の減損

 当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③繰延税金資産

 繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

5【経営上の重要な契約等】

   (1)技術供与契約

契約会社名

契約相手先名称

国名

契約内容

対価の受取

契約期間

TOTO㈱

(当社)

P.T.SURYA TOTO 
INDONESIA

インドネシア

衛生陶器・水栓金具の製造技術の提供

一定料率のロイヤルティ

平成13年5月1日から平成23年10月31日まで

厦門和利多衛浴科
技有限公司

中国

便座・便蓋・排水弁等の製造技術等の提供

一定料率のロイヤルティ

平成19年1月1日から平成28年12月31日まで

 

  (2)会社分割契約 

 当社は、平成22年10月29日開催の取締役会において、当社の中津第二工場におけるセラミック製品等の製造に関する事業等を平成23年4月1日付で会社分割し、TOTOファインセラミックス株式会社に承継する吸収分割を行うことを決議し、平成22年11月2日に会社分割契約を締結しました。

 その後の平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、承継会社であるTOTOファインセラミックス株式会社本社および楢葉工場・富岡工場(以上、福島県)の建屋・生産設備が一部損傷しているのに加え、上記拠点は東京電力福島第一・第二原子力発電所の警戒区域に含まれているため、現時点では操業再開の目途がついていません。

 これらの状況を勘案し、TOTOファインセラミックス株式会社と協議の結果、平成23年3月25日開催の取締役会において会社分割による事業等の分社化を一時中止とすることを決議し、上記会社分割契約を解約しました。

 

 

6【研究開発活動】

 研究開発部門では、生活価値を創造する核となる技術や、環境ビジョン「TОTО GREEN 

CHALLENGE」のもと地球環境負荷削減に貢献する技術を生み出すことを使命として考え、社会から必要とされる企業であり続けるために、当社にしかできない「オンリーワン技術」の研究開発を行っています。
 一方、長期ビジョン「Vプラン2017」での全社横断革新活動である「ものづくり革新」に関わる研究開発を行っており、「次世代生産設備の開発」「材料革命」「プラットフォーム化(標準化・共通化)の推進」など、全社最適の生産技術開発へ体制を移行し、新たな発想によるものづくりを進めています。

 また、新エネルギー利用技術として注目されているセラミック製発電セル(SОFC)においては、これまで当社が培ってきたセラミック技術を応用した研究開発を継続しており、高い発電性能と耐久性をもつ発電モジュールの開発に特化し、早期の事業化を目指して実証試験を重ねています。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は156億6百万円です。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の活動内容、及び研究開発費は次の通りです。
 なお、各セグメントに配賦できない研究開発費が19億7千1百万円あります。

 

a.国内住設事業

 4.8L洗浄(大洗浄時)という大幅な節水を実現したトイレシリーズの拡充をはじめとし、快適に使用しながらも節水、環境貢献につながる水まわり4部位(トイレ、システムキッチン、システムバスルーム、洗面化粧台)の新商品を開発・発売しました。今後も引き続き、グローバルな展開を視野に入れた「オンリーワン技術」の研究・開発を行っていきます。

 当セグメントに係る研究開発費は117億8千4百万円です。

 

b.海外住設事業

 節水便器やウォシュレットなど環境配慮技術を駆使した新商品を開発・発売しました。

 各セグメントに係る研究開発費は、中国が2億7千7百万円、アジア・オセアニアが3千8百万円、及び欧州が1億4千2百万円です。 


c.新領域事業

 独自の光触媒技術「ハイドロテクト」を応用した「空気浄化」「セルフクリーニング」「抗菌・防汚・防臭」等の機能を持つ内外装用環境建材をグローバルに展開するために、光触媒機能のさらなる向上や、素材応用範囲を広げるための研究開発活動を継続して実施しています。

 各セグメントに係る研究開発費は、セラミック事業が11億4百万円、環境建材事業が2億8千6百万円です。 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理しておりますが、引当金や資産の収益性の低下等による評価減等については、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しております。なお、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、住宅の取得やリモデルに関する政府の各種施策が追い風となり、新設住宅着工戸数が持家や分譲住宅を中心に前年に比較して増加したことにより、売上高は前連結会計年度比2.8%増の4,335億5千7百万円となりました。
 利益面では、Vプラン2017による全社コストリダクション活動や事業再編活動などの効果により、営業利益は前連結会計年度比112.7%増の140億1千4百万円、経常利益は前連結会計年度比88.8%増の138億5千5百万円となりました。
 事業再編費用、震災損失、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額および有価証券評価損などを特別損失として計上した結果、当期純利益は前連結会計年度比482.1%増の51億1千5百万円となりました。

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

 ①流動資産

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,842億3百万円(前連結会計年度末は1,801億4千9百万円)となり、40億5千4百万円増加いたしました。
 前連結会計年度からの主な増減要因については、
受取手形及び売掛金が38億3千1百万円の増加、商品及び製品が34億8千4百万円の増加、繰延税金資産が12億7千2百万円の増加、有価証券が50億円の減少となっています。

 ②固定資産

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,950億1千1百万円(前連結会計年度末は1,981億1千6百万円)となり、31億5百万円減少いたしました。
 前連結会計年度からの主な増減要因については、機械装置及び運搬具が44億4千3百万円の減少、
建物及び構築物が41億5百万円の減少、建設仮勘定が56億5千3百万円の増加となっています。

 ③負債

 当連結会計年度末における負債の残高は、1,990億5千万円(前連結会計年度末は1,897億1千7百万円)となり、93億3千3百万円増加いたしました。
 前連結会計年度からの主な増減要因については、長期借入金が218億4千4百万円の増加、支払手形及び買掛金が96億3千万円の増加、短期借入金が196億6千6百万円の減少、
コマーシャル・ペーパーが30億円の減少となっています。

 ④純資産

 当連結会計年度末における純資産の残高は、1,801億6千4百万円(前連結会計年度末は1,885億4千9百万円)となり、83億8千4百万円減少いたしました。
 前連結会計年度からの主な増減要因については、当期純利益51億1千5百万円による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定46億2千3百万円の減少、
配当金支払34億6千3百万円による利益剰余金の減少、自己株式27億5千4百万円の増加、その他有価証券評価差額金23億5千9百万円の減少となっています。

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。 

 

 





出典: TOTO株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書