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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

①当連結会計年度の状況

当連結会計年度(平成23年4月1日から平成24年3月31日まで)におけるわが国の経済は、東日本大震災による落ち込みから緩やかに持ち直した一方で、海外経済の減速や円高などの影響が押し下げ要因となって推移しました。国内住宅設備業界におきましても、不透明な景気動向とともに、各種住宅取得促進策の影響による浮き沈みや建設技能者の需給状況の悪化など、見通しが立ちにくい状況が続きました。

このような事業環境の中、当社グループは、引き続き創立100周年を迎える平成29年(2017年)に向けた長期経営計画「TOTO  Vプラン2017(以下Vプラン2017という)」に基づき、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」の各事業領域での活動を推進しました。

その結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高に関しては4,526億8千6百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。

一方、利益面では、連結営業利益が187億7千9百万円(前連結会計年度比34.0%増)、連結経常利益が195億3千6百万円(前連結会計年度比41.0%増)となりました。

また、減損損失、事業再編費用及び震災損失等を特別損失として計上した結果、連結当期純利益が92億7千万円(前連結会計年度比81.2%増)となりました。

 

②セグメント別の状況

a.国内住設事業

当連結会計年度の業績は、売上高が3,859億3千3百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益が172億6千7百万円(前連結会計年度比56.3%増)となりました。

 

国内住設事業では、東日本大震災により、年度初頭に一部の生産拠点や物流拠点及び販売拠点の被災、原材料・部材等の滞りなどの影響がありましたが、その後、各拠点とサプライチェーンの復旧に伴って、生産・販売とも早期に回復することができました。

 

販売面においては、平成22年8月に発売した商品に加えて、新たに発売したウォシュレット(※)一体形便器や、システムバスルーム、洗面化粧台などの新商品の販売が好調に推移しました。
(※)「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。

 

また、平成24年2月に、ウォシュレット一体形便器の「ネオレスト ハイブリッドシリーズ」と「ウォシュレット アプリコット」の新商品を発売しました。除菌効果のある水を便器ボウル面に吹きかけることで便器を除菌する新機能や、使用時だけ素早く便座を暖める「瞬間暖房便座」を搭載したことが好評で、発売開始以降、販売は好調に推移しています。

 

一方、生産面においては、平成24年2月に、TOTOサニテクノ株式会社(衛生陶器製造会社)において、生産効率の向上を図った新工場の稼働を滋賀県で開始しました。この工場は、高効率機器や環境建材ハイドロテクトコートを採用するなど、環境に配慮した工場です。

 

平成23年12月、節水に大きく貢献する4.8L洗浄節水便器の国内における累計出荷台数が100万台を突破しました。TOTOでは昭和51年に節水便器を発売して以降、洗浄水量の削減を進め、どの便器を選んでも節水に貢献できるように品揃えを増やしています。

 

平成24年2月、TOTO、DAIKEN、YKK AP(以下TDYという)3社は、株式会社ノーリツとともに、東北エリアで2カ所目となる4社共同の「いわきコラボレーションショールーム」を、「石巻コラボレーションショールーム」に続きオープンしました。東北地方では、リフォームや新築の増加に伴い、ショールームへ来館するお客様が増えており、省エネ、耐震、節水などの機能性が高い商品を採用いただいています。

 

平成24年3月、TDY3社は、「TDYアライアンス」が10周年を迎えたことに合わせて共同で記者会見を行い、平成29年(2017年)度末までに全国主要都市にコラボレーションショールームを4カ所新設し、合わせて8カ所のショールームを情報発信の拠点としていくことなどを発表しました。コラボレーションショールームにおいては、「TDYグリーンリモデル(※)空間展示」を中心とした3社の連携により、さらなるお客様満足の向上を目指すとともに、リモデルクラブ店との連携によって、工事に関するご相談への対応の充実や、快適性と環境配慮を両立させた「グリーンリモデル」の実現を推進していきます。

(※)「リモデル」とは、増改築やリフォームを一歩進め、お客様の期待以上の新しい生活スタイルの提案と実現をお約束することです。

 

Vプラン2017の全社横断革新活動である「サプライチェーン革新」及び「ものづくり革新」活動を進め、原材料調達から生産・物流面における高速サプライチェーンの構築を図るとともに、製品のプラットフォーム化(標準化・共通化)等のコストリダクションを継続して推進しました。

 

b.海外住設事業

当連結会計年度の業績は、売上高が816億3百万円(前連結会計年度比11.7%増)、営業利益が70億2千8百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。

 

海外住設事業では、欧州における債務危機問題や米国市場における経済の減速による影響により、先進国を中心に世界経済は不透明感がある中で推移しましたが、経済の先行き・物価動向に注視しつつ、Vプラン2017に基づいた着実な成長戦略を推進しています。

 

<米州>

当連結会計年度の業績は、売上高が149億3千万円(前連結会計年度比6.1%減)、営業損失が6億4千7百万円(前連結会計年度は営業利益が2億8千5百万円)となりました。

 

米国では、市場におけるブランド力・商品優位性と、強固な販売チャネルを活かし、中高級市場でのトップメーカーの地位を目指した事業活動を推進していますが、当連結会計年度においては住宅着工戸数の落ち込みなど景気停滞による影響を受けました。

 

米国では、TOTOの技術力、存在感を再度市場へアピールするため、他社対抗を重視した差別化商品投入や、販売ルートやお客様との接点において競争力向上を狙った商品投入を継続しています。

 

米州における新規市場であるブラジルでは、キッチンバス小売店への展示促進と著名物件獲得のための建築家・デザイナーとの折衝を継続して推進しています。平成24年3月には、サンパウロで開催されたラテンアメリカ最大級の建材・水まわり設備の展示会「EXPO REVESTIR」に出展し、著名物件獲得のための活動促進を図りました。

 

<中国>

当連結会計年度の業績は、売上高が434億1千1百万円(前連結会計年度比20.2%増)、営業利益が72億9千万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。

 

中国では、インフレ抑制のための金融引き締め策等により、徐々に景気の減速傾向が現れておりますが、当社グループにおいては、内陸部における市場の拡大や、大都市から周辺都市への成長市場の移行など、市場環境の変化を注視して対応しつつ、高級ブランドとしての強みを積極的に活用した事業活動を推進しています。また、中国国内の需要増に対応するため、工場の増設など積極的な生産・供給体制の強化を図っています。

 

TOTOブランドの魅力を徹底して訴求するため、各地の代理店ショールームを刷新し、旗艦店としてブランドの発信基地とする活動を進めました。

大型物件については、沿岸部の大都市から内陸部へと市場が拡大しており、増加するホテル物件等の受注獲得に重点を置いて、各地の有力なディベロッパーとの協業を推進しています。

 

平成23年3月に福建省漳州市に衛生陶器、水栓金具等の生産拠点「東陶(福建)有限公司」を設立し、平成25年8月の稼働を計画していることを、平成23年4月に発表しました。この生産拠点は中国南部や内陸部へ製品を供給する拠点になります。

 

平成23年5月に上海で開催された、アジア最大規模の水まわり設備の国際見本市 「Kitchen & Bath  China 2011」に出展しました。デザイン性の高いシリーズ商品やウォシュレット、水栓金具やシャワーブースなど、多数の新商品を揃え展示するとともに、節水型便器、新事業としてグローバル展開を進めている環境建材ハイドロテクトなどを紹介し、環境配慮技術を訴求しました。

 

<アジア・オセアニア>

当連結会計年度の業績は、売上高が212億6千万円(前連結会計年度比11.6%増)、営業利益が11億6千7百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。

アジア・オセアニア地域では、世界の供給基地としてタイ、インドネシアでの生産・販売体制を充実させるとともに、インド、中東、ベトナムなどの成長著しい新興国市場での販売力を強化しています。

 

タイでは、平成23年10月に発生した洪水により、日本向けの水栓金具部品を供給している関連会社の「THE SIAM SANITARY FITTINGS CO.,LTD.」において、工場が浸水して操業を停止していましたが、平成24年2月に操業を再開しました。また、平成22年に設立し稼働準備を進めておりました衛生陶器製造子会社「TOTO  Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.」が、平成24年2月に本格的に生産を開始しました。

 

インドでは、平成23年7月にデリー、ムンバイに次ぐインドの大都市であるバンガロール及びハイデラバードに代理店ショールームをオープンし、高級ブランドとしての認知促進を図りました。また、平成24年3月にグジャラート州で衛生陶器の生産工場を着工しました。本工場は、平成25年末に竣工、平成26年7月に本格稼働を予定しており、更なる拡大が見込まれるインド国内の需要を取り込むとともに、インドでの事業基盤確立の拠点としていきます。

 

<欧州>

当連結会計年度の業績は、売上高が20億1百万円(前連結会計年度比1.7%増)、営業損失が7億8千2百万円(前連結会計年度は営業損失18億3千2百万円)となりました。

 

欧州では、ドイツ、フランス、イギリスを中心に事業展開しています。展示会での出展等を起点にショールームでの空間展示を推進し、ネオレストをはじめとした環境にもやさしい独自の洗浄・節水技術を搭載したデザイン性の高い商品を中心に、欧州におけるブランド力強化と事業展開の加速を図っています。

 

欧州経済は引き続き低調ですが、平成23年3月にドイツ・フランクフルトで開催された展示会「ISH(International Sanitary and Heatingの略称)」 への出展の反響は大きく、ドイツの販売店においては独自の洗浄技術を搭載したトルネード便器、新しいバスルーム文化の象徴としてのネオレスト、ウォシュレットなどのショールームでの展示が大きく増えました。

 

c.新領域事業

当連結会計年度の業績は、売上高が155億1千8百万円(前連結会計年度比8.2%減)、営業損失が29億5千3百万円(前連結会計年度は営業損失21億7千3百万円)となりました。

 

環境浄化技術「ハイドロテクト」を訴求する「環境建材事業」、TOTOのオンリーワン技術を活かした「セラミック事業」等を「新領域事業」として、Vプラン2017計画達成に向けた事業活動を推進しています。

 

<環境建材事業>

当連結会計年度の業績は、売上高が101億2千9百万円(前連結会計年度比10.2%増)、営業損失が15億5千9百万円(前連結会計年度は営業損失15億2千4百万円)となりました。

 

「ハイドロテクト」は、光触媒を利用し光や水の力で地球も暮らしもきれいにする環境浄化技術であり、技術ブランドです。既に多くのお客様にご活用いただいており、建物の外壁から室内の壁や床までさまざまな製品に利用されています。また、事業戦略も国内中心から海外へと拡大させ、業種を横断したパートナーシップ「ハイドロテクトの輪」をグローバルに広げ、「ハイドロテクト」の普及とともに環境貢献を進めています。

 

国内市場においては、大手住宅メーカーの新築住宅における「ハイドロテクトタイル・コート」の標準採用が拡大しています。また、リモデル市場においては、全国のリモデルクラブ店で「ハイドロテクトコート」の取り扱いが進んでいます。アジアにおいては、各種物件に対して「ハイドロテクトコート」「ハイドロセラ」の営業活動を推進しており、採用が広がっています。

 

「ハイドロテクト」のライセンス契約締結会社数は、日本国内、北米、欧州を中心に、100社を超えており、平成23年5月には、世界有数のアルミニウム素材大手である米国・Alcoa Inc. (以下アルコア社という)と、「ハイドロテクト」のライセンス契約を締結したことを発表しました。その成果のひとつとして、平成23年5月に米国・ニューオーリンズで開催された建築見本市「AIA 2011 National Convention and Design Exposition」で、アルコア社からハイドロテクトを応用したアルミパネル建材が発表されています。

 

平成24年3月に、東京で開催された「建築・建材展2012」に、「ハイドロテクトの輪」のパートナー企業とともに出展しました。ハイドロテクト技術を用いた各社の商品を展示することによって、これまで以上に具体的なイメージの訴求を行うとともに、光触媒商品の理解と広がりをアピールしました。

 

<セラミック事業>

当連結会計年度の業績は、売上高が53億8千9百万円(前連結会計年度比30.2%減)、営業損失が13億9千3百万円(前連結会計年度は営業損失6億4千8百万円)となりました。

 

オンリーワン技術を活かした構造部材、静電チャックなどの高精度セラミックス部品に特化し、全社横断の革新活動「ものづくり革新」活動を行うことにより、最適な生産体制の整備を進めています。また、東日本大震災により被災した光伝送用部品などを製造する福島県のTOTOファインセラミックス株式会社の生産ラインは、中津第二工場及びグループ会社であるTOTOウォシュレットテクノ株式会社の茨城工場内に移転して引き続き生産を行っています。

 

販路の拡大とグローバル展開加速のため、国内、海外の展示会に積極的に出展しています。当連結会計年度は、日本、シンガポール、サンフランシスコ、ロサンゼルスの展示会に出展し、新素材・新商品の認知促進、市場動向やその技術的課題についての情報収集を行いました。

 

なお、当連結会計年度においては、各種の生産革新活動などによって、製造部門の体質強化を進めましたが、半導体市場が全世界的に調整局面に入っている影響を受け、前連結会計年度と比較して売上は減少しました。 

 

<燃料電池>

燃料電池の心臓部である発電モジュールにおいて、当社のオンリーワン技術であるセラミック製発電セル(SOFC)及び発電モジュールの製造・開発を推進し、早期事業化を目指しています。

 

発電効率の向上を目指し、引き続き燃料電池システムメーカー、ガス会社、研究機関などとの継続的な共同実証試験を進めています。また、実用化に向けて更なる耐久性の向上に重点を置いて開発に取り組んでいます。

 

震災後の電力不足を背景とした国内市場の環境変化に対応するとともに、海外市場も意識し、グローバル展開を視野に入れた事業活動を推進しています。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末の464億9千8百万円に比べ、132億7千4百万円減少し、332億2千3百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、196億7千8百万円(対前連結会計年度△84億3千9百万円)となりました。

これは、税金等調整前当期純利益156億4千1百万円、減価償却費183億4千8百万円等による資金の増加と、売上債権の増加額83億2千5百万円、たな卸資産の増加額40億3千6百万円等による資金の減少によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、224億4千6百万円(対前連結会計年度+3億1千1百万円)となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出199億6千1百万円、無形固定資産の取得による支出37億7千4百万円等による資金の減少によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、121億6千4百万円(対前連結会計年度△49億4百万円)となりました。

これは、コマーシャル・ペーパーの償還による支出320億円、短期借入金の純減少額85億4千4百万円等による資金の減少と、コマーシャル・ペーパーの発行による収入300億円等による資金の増加によります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内住設事業

323,691

0.0

    米州

9,144

14.0

    中国

49,089

30.0

    アジア・オセアニア

21,245

7.5

    欧州

1,454

△22.3

海外住設事業計

80,933

20.1

    環境建材事業

7,256

1.4

    セラミック事業

5,782

△23.8

新領域事業計

13,039

△11.6

報告セグメント計

417,664

2.9

その他

合計

417,664

2.9

  (注)1.金額は、売価換算値で表示しています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)受注状況

  当社グループは概ね見込生産方式を採っておりますので、受注の状況については記載を省略しました。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内住設事業

385,933

4.1

    米州

14,930

△6.1

    中国

43,411

20.2

    アジア・オセアニア

21,260

11.6

    欧州

2,001

1.7

海外住設事業計

81,603

11.7

    環境建材事業

10,129

10.2

    セラミック事業

5,389

△30.2

新領域事業計

15,518

△8.2

報告セグメント計

483,056

4.8

その他

771

△11.9

内部売上消去等

△31,142

合計

452,686

4.4

  (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

  前連結会計年度、当連結会計年度ともに販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しました。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3【対処すべき課題】

(1)当社グループは、平成21年7月に、創立100周年を迎える平成29年(2017年)に「真のグローバル企業」となることを目指す長期経営計画「TOTO Vプラン2017」を策定し、グループを挙げて取り組んでおります。

 

その戦略フレームは、企業活動のベースとなるコーポレート・ガバナンスの強化、「国内住設」、「海外住設」、「新領域」の3つの事業軸と、全社最適視点で横串を通す5つの全社横断革新活動の推進です。これらの事業活動を、TOTO環境ビジョン2017「TOTO  GREEN  CHALLENGE」を推進エンジンとして、グループを挙げて取り組んでいます。

 

なお、「TOTO Vプラン2017」に基づき、平成22年度、平成23年度と全社最適の視点で各事業に取り組んだ結果、基盤の整備が進んだことから、新たに平成24年度から平成26年度にかけての中期経営計画を策定することにいたしました。この計画では、改革の継続と加速を図り、「TOTOVプラン2017」を成長軌道に乗せることを狙いとして、成長市場での事業確立や積極的な投資を行うとともに、「TOTO GREEN CHALLENGE」の実現に向けて、事業活動そのものでの環境貢献に取り組んでまいります。

 

平成26年(2014年)度の中期経営計画目標は、連結売上高5,200億円、連結営業利益300億円、ROA7%です。

平成29年(2017年)の経営計画目標は、連結売上高6,000億円、連結営業利益480億円、ROA10%です。

 

<全社横断革新活動について>

全社最適の商品戦略を進める「マーケティング革新」

全社最適視点での商品企画を行うとともに、超高齢社会・低炭素社会といった市場環境の変化に対する研究テーマの選択と集中を推進し、当社のオンリーワン技術をもって、お客様にとって魅力ある商品開発を進めています。

また、日本で開発したコアテクノロジーを共通基盤技術とし、地域特性に応じた商品を開発・生産し、他社を凌駕するTOTOらしいグローバルな商品戦略を推進しています。

 

強いコスト競争力を生み出す「サプライチェーン革新」

「原材料の調達から生産・物流を経てお客様に商品をお届けするまでの流れ」を一本ととらえる、「高速サプライチェーン」の構築を行い、コスト競争力を高め、強固な経営体質の実現を目指しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・「サプライチェーン革新」の一環として、高速物流体制構築活動「物流革新活動」の取り組みを推進しました。物流拠点での作業体制を抜本的に改革し、生産拠点からお客様までお届けするリードタイムを半減しました。また、輸配送体制の抜本改革も推進し、生産工場から物流センターへの輸送の効率化や配送条件の見直しを行うことで、配送の効率化も実現しました。

 

既成概念を超えたものづくりを進める「ものづくり革新」

「次世代生産設備の開発」「材料革新」「プラットフォーム化(標準化・共通化)の推進」「生産拠点の再編」など、全社最適の生産技術開発体制により、既成概念を超えた新たな発想によるものづくりを進めています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・衛生陶器を生産するTOTOサニテクノ株式会社では新工場「滋賀工場・新西棟」を平成24年2月から稼働を開始しました。新工場では従来のレンガ窯より燃焼効率が高い最新式セラミックファイバー窯や産業用ロボットによる自動化ラインを導入し、従来の生産ラインに比べ大幅な生産性向上を実現しました。また、新たな生産管理システムを導入したことにより、製造工程での不良の早期発見や原因把握を的確に行い、不良率の低減を行っています。今後は、導入した新生産方式を検証し、国内外の工場に展開していきます。

・温水洗浄便座「ウォシュレット」を生産するTOTOウォシュレットテクノ株式会社(土岐工場、茨城工場)では新生産ラインを開発し、平成24年1月から稼働を開始しました。製造、開発、購買が一体となって製品設計するプラットフォーム設計を進め、主要な洗浄機能を1品番の共通基盤に集約しました。基盤共通化により新ラインでは1ラインで複数の品種を並行生産でき、生産リードタイムを従来比で約30%短縮することができました。今後は新生産ラインを海外にも展開していきます。

業務のムダをなくし、積極的な人財(※)登用を進める「マネジメントリソース革新」

「マネジメントリソース革新」を通じた「コスト構造改革」により、売上に左右されない「強固な企業体質」の実現に向けて間接業務の効率を高め、戦略業務への人財投入を図り、成長戦略を達成できる強い企業体質へと変化させていきます。

「人財戦略」では、企業の総合力を向上させるために「多様で強い人財の育成」と「チャレンジする企業風土」の実現を目指しています。

(※)当社グループで働くすべての人々は「次世代を築く貴重な財産である」という考えから、「人材」ではなく「人財」と表記しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・「コスト構造改革」では主に業務見直しやグループ企業の業務集約(シェアード化)を積極的に推進し、間接部門における業務の削減と戦略業務への人財の重点投入を図りました。

・「人財戦略」では、障がい者の計画的採用、60歳定年者再雇用の拡大、女性の管理職への積極的登用などによるダイバーシティ推進と、研修体系の強化・拡充による、強い人財の育成を進めました。

 

事業環境変化に対する迅速な経営判断のための「経営情報イノベーション」

事業環境の変化に対し、迅速な判断を可能にする経営体質を実現するために、全社最適ビジネスプロセスの構築や全事業領域でのITリソースの再配分、人財育成の強化などを行い、さまざまな事業環境の変化に対応できる経営情報基盤を再構築しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・「クラウドコンピューティング」を取り入れて、低コストで効率的なサーバー運用を推進するなど、グループ全体最適視点での情報システム資産の効率運用や適正化に取り組みました。また、各事業部門の生産管理システムを全社で標準化するための情報基盤の移行に着手しました。

 

<TOTO  GREEN  CHALLENGEについて>

平成22年4月より取り組んでいるTOTO環境ビジョン2017「TOTO GREEN CHALLENGE」では、創立100周年にあたる平成29年(2017年)に向けて、「商品・サービス」「ものづくり」「社会貢献」の3つの貢献軸と、それを支える基盤としての「ひとづくり」において、企業活動と環境との関わりを検証し、数値目標を設定し推進しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

「商品・サービス」

平成23年度、さまざまな「TOTOグリーン商品」の普及を図ることにより、「TOTOグリーン商品」の使用時CO2削減率は40%削減(平成2年度比)を実現することができました。「GREEN  MAX」として投入した4.8L洗浄節水便器は、国内累計の出荷台数において100万台を突破し、平成24年2月には、さらに少ない洗浄水量3.8Lを実現した節水便器(※)を発売しました。同じく、平成24年2月に発売した「新ウォシュレット アプリコット」は、高い省エネ達成率221%(平成24年度省エネ基準)を実現しています。また、キッチン用『エコシングル水栓』 (対象品番:TKHG31PE)が、その環境性能を評価され、エコプロダクツ大賞推進協議会主催の「第8回エコプロダクツ大賞」において、最高賞のひとつである「環境大臣賞」(エコプロダクツ部門)を受賞しました。一方、パブリック向け商品では、発売10周年を迎えた自己発電水栓「アクアオートエコ」が、累計出荷台数34万台を突破しました。今後も、パブリック物件でのリモデルに適したグリーン商品の開発を進め、更なる普及による環境貢献を目指していきます。

(※)一部の床排水方式のみとなります。

 

「ものづくり」

平成23年度CO2総排出量目標40%削減(平成2年度比)に向け、高効率空調機や高効率照明への更新など省エネ施策を進めてきました。その中でも、特に新たな施策として、TOTOサニテクノ株式会社の滋賀工場内に従来のレンガ窯よりCO2排出量が70%も少ない高効率燃焼の最新式セラミックファイバー窯を導入し、稼働を開始しました。一方で震災の影響による電力会社の電力供給不足への対応のため、自家発電機を稼働したことにより計画外のCO2排出が発生し、CO2総排出量は約39%削減に留まりました。海外の生産拠点では、生産設備の改善などにより、平成22年度と比較して、平成23年度CO2排出原単位は約4%向上しています。

 

「社会貢献」

平成23年度から、地球環境に貢献するボランティア活動を「グリーンボランティア」と称し、活動の展開・強化を図りました。その結果、社員にステークホルダーを加えた平成23年度参加人数目標23,000人を達成することができました。

 

「ひとづくり」

環境貢献について自ら考え行動する「ひとづくり」を目指して、TOTOグループ社員全員を対象とした環境eラーニング、階層別環境教育、職種別環境教育など、環境知識習得の場を体系化しました。学んだことを日々の業務やグリーンボランティアなどで実践することで、一人ひとりのポテンシャルが向上し、組織力が高まり、企業として大きな環境貢献ができるものと考えています。

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、会社法および会社法施行規則に基づき、会社の支配に関する基本方針について取締役会において次のとおり決議いたしております。

①当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、ならびに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えております。

当社は、大正6年に創業以来、水まわりを中心とした市民生活文化の向上への寄与を企業使命と捉え、トイレ・洗面・浴室・キッチン空間事業、および精密・大型セラミック事業等を展開してまいりました。

当社の企業価値の源泉は、(ⅰ)高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、(ⅱ)創業以来、ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、(ⅲ)お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、(ⅳ)お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、(ⅴ)取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、(ⅵ)前記(ⅰ)〜(ⅴ)の維持・発展を担う従業員等にあります。

今後もたゆまぬ研究開発と住宅設備機器という長期的な製品特性を通じたお客様との生涯にわたるきずなを通じて、国内外市場において水まわり生活文化の向上を牽引していくことにより、長期にわたる持続的な企業価値の向上を実現することが可能と考えております。

当社は、公開企業として当社株式の自由な売買を認めることは当然のことであり、特定の者またはグループによる大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かの最終的な判断は、当社株式を保有する株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、当該大量買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、必要かつ相当な手段を採ることによって当社の長期的な株主価値を確保することが必要であると考えております。

②基本方針の実現に資する取組み

(ⅰ)社是・企業理念および中長期経営計画

当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質  奉仕と信用  協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化を創造し、お客様の期待以上の満足を追求し続けることで社会の発展に貢献します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しております。

このような社是・企業理念のもと、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、創立100周年を迎える平成29年(2017年)における当社の目指す姿と、その実現に向けた戦略フレームを示した「TOTO  Vプラン2017」を策定し、グループを挙げて取り組みを開始しております。「TOTO  Vプラン2017」では、創立100周年時に目指す姿として、『「世界中のお客様」に新しい「まいにち」を提供し、これからも必要とされ続ける存在として「真のグローバル企業」になる』ことを掲げています。

戦略フレームにつきましては、<国内住設事業>、<海外住設事業>、<新領域事業>の3つの事業領域と、それらにまたがる「マーケティング革新」「サプライチェーン革新」「ものづくり革新」「マネジメントリソース革新」「経営情報イノベーション」の5つの全社横断の革新活動をあわせて強力に推進することで経営目標達成に取り組むとともに、環境配慮の取り組みを強化していきます。

また「TOTO  Vプラン2017」に基づき、全社最適の視点で各事業に取り組んだ結果、基盤の整備が進んだことから、新たに平成24年度から平成26年度にかけての中期経営計画を策定いたしました。この計画では、改革の継続と加速を図り、「TOTO  Vプラン2017」を成長軌道に乗せることを狙いとして、成長市場での事業確立や積極的な投資を行うと共に、TOTO環境ビジョン2017「TOTO  GREEN  CHALLENGE」の実現に向けて、事業活動そのものでの環境貢献に取り組んでまいります。

(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化

経営の公平性・客観性・透明性を高めることを目的に当社経営陣から独立した社外取締役を2名招聘しており、当社の経営全般についての客観的な助言・提言を通じた経営のモニタリングを実践いただいております。

なお、取締役の責任を明確にするため、取締役の任期を1年としています。また、取締役の職務執行の適法性・妥当性を監査する監査役会は、社外監査役2名を含む4名で構成され、取締役会をはじめとする主要会議への出席・代表取締役との定期的な意見交換等監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備しております。このほか、取締役の報酬の基本方針・体系を取締役会に答申する報酬諮問委員会においては、過半数を社外の有識者とすることにより、取締役の報酬の客観性ならびに透明性を確保しています。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

大量買付行為に際して、株主の皆様が当社株式の売却、すなわち大量買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行っていただくためには、大量買付者から提供される情報のみならず、当該行為が当社に与える影響や、大量買付者が当社の経営に参画した場合の経営方針、事業計画の内容等の必要かつ十分な情報、および当該大量買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが不可欠であると考えております。

そこで、当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するため、「当社株式の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下“本プラン”といいます)を導入しております。

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたっては、事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、当社取締役会による一定の評価・検討期間が経過した後に大量買付行為を開始する等、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、かかる手続に従った場合であっても後記④記載の特別委員会によって当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として、新株予約権の無償割当ての方法により、当社取締役会が定める一定の日における株主に対して新株予約権を無償で割り当てる方法を選択することを定めています。

なお、本プランに従って割り当てられる新株予約権には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引き換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。

④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

当社取締役会は、以下の理由から上記③の取り組みが当社の上記①の基本方針および企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

(ⅰ)株主意思を重視するものであること

・本プランは、平成22年6月29日開催の第144期定時株主総会において承認されたこと。

・本プランの有効期間が、上記定時株主総会の終結の時から平成25年3月期に関する定時株主総会の終結の時までに限定されていること。

・本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止され、株主の皆様のご意向が反映されること。

・本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の決定を株主の皆様が取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものであり、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなること。

(ⅱ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、当社取締役会の判断の合理性および公正性を担保するために、取締役会から独立した機関として、特別委員会を設置します。特別委員会は、当社社外取締役、社外監査役または社外有識者により構成されます。

当社取締役会は特別委員会の勧告を最大限尊重した上で決定を行うこととされており、当社取締役会が恣意的に本プランに基づく対抗措置の発動を行うことを防ぐとともに、特別委員会の判断の概要については適宜株主の皆様等に情報開示を行うこととされており、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の実現に資するべく本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

(ⅲ)合理的な客観的要件の設定

本プランは、予め定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止する仕組みを確保しております。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1)経営環境に関するリスク

①経済状況の変動

当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受け

るため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの事業、財政状態及び経営成

績に影響を与える可能性があります。

②為替相場の変動

国際取引や外貨建てで取引している海外での生産、販売等の営業活動取引、また、連結財務諸表作成のため海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場の変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

③株価の下落

当社グループは、投資有価証券として株式を保有していますが、当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回るこ

ととなった場合、当該株式の評価損の計上が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を

与える可能性があります。

④金利の変動

金利の変動は営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑤市場環境の変動

当社グループが主たる事業活動を行う住宅関連分野での需要の大幅な変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります

 

(2)事業活動に関するリスク

①競合他社との競争

当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売・サービスを行っており、さまざまな企業と競合しています。当社グループは、今後とも競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、将来にわたって優位に展開できなくなる可能性があります。

 

②急激な製品価格の下落

当社グループは、高付加価値商品の開発やコストリダクション活動などに積極的に取り組んでいますが、国内外の市場において激しい競争に晒されており、企業努力を上回る価格下落圧力が生じた場合は、当社グループの利益の確保に深刻な影響を受ける可能性があります。

 

③海外事業活動における障害

当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしています。しかしながら、海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、商習慣に関する障害、さらには投資・海外送金・輸出入・外国為替などの規制の変更や税制の変更等様々な政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

④技術革新の重要性

当社グループの継続的成長および競争力向上には、新技術や新製品開発のための技術革新が重要となりますが、将来の市場ニーズの変化に適切に対応できなかった場合などにおいては、当社グループの将来の成長や収益性に影響を受ける可能性があります。

 

⑤企業買収および他社との業務提携等

当社グループは、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等による事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られない可能性があります。また、他社が事業戦略を変更した場合には、当社グループは資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になる可能性もあります。

 

⑥原材料等の調達

当社グループの製造事業にとって、高品質の原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに入手することは不可欠であり、そのために信頼のおける購入先を選定し調達活動を推進しています。しかし、購入先からの供給が中断した場合や業界内での需要が急増した場合、もしくは需給環境の変化等によりその調達価格が高騰する可能性もあります。このような場合には、購入先の変更や追加、あるいは他の原材料や部品の切り替え等がタイムリーに行うことができず、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑦情報システムに関するリスク

当社グループは、ほとんど全ての業務において情報通信システムのサポートを受けています。また、情報通信システムも年々、複雑化・高度化しています。当社グループは、信頼性向上のため様々な対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備していますが、テロ、自然災害、ハッキング等の外的要因や人為的ミス、コンピュータウィルス等により情報通信システムの不具合、故障が生じる可能性があります。業務が一時的に中断し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑧代理店等の財政状況

当社グループの販売取引先は、当社グループとの契約に基づき、代金後払いで製品・サービスを購入している場合があります。

万一、当社グループが多額の売掛債権を有する販売取引先の財政状態が悪化し、契約条件どおりの支払いを受けられない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(3)中長期経営計画等に関するリスク

①中長期経営計画等の目標達成

当社グループは、創立100周年を迎える平成29年(2017年)に、真のグローバル企業となることを目指す「TOTO  Vプラン2017」を推進しています。しかし、当社グループの計画達成に向けた取り組みにもかかわらず、事業環境のさらなる悪化などの要因により、全ての目標達成または期待される成果の実現に至らない可能性もあります。

 

②事業構造改革

当社グループは、継続的な成長と収益力のさらなる向上を目指すため、事業の選択と集中を進め、経営の効率化を図ってまいります。しかしながら、これらの事業再編や事業構造改革推進の過程において、費用の増加等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(4)法的規制及び訴訟等

①製品の欠陥

当社グループは、厳格な独自品質基準に基づき、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社グループのブランドイメージの低下、顧客の流出などを招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権による保護に努めていますが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合などには、その技術が利用できない、または不利な条件で利用せざるを得ない場合もあります。加えて、当社グループが知的財産権に関し、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。

 

③会計基準及び税制等の変更

新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

④環境に関する規制

当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループはこれら法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

⑤気候変動に関する規制

気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まっています。当社グループにおいて、これら規制の強化に伴い、新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更、設備の変更等の対応費用が増加することで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報の流出

当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手したり、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じたり、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦その他の法的規制等

当社グループは、日本及び諸外国・地域の様々な規制に従って事業活動を行っています。これらの法規制や許認可制度等が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが、不適切な対応や重大な違反をした場合には、当社グループの事業やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

当社グループの事業拠点は、日本をはじめ世界各地に展開しています。地震、津波、台風、洪水などの自然災害やサイバー攻撃、戦争、テロ行為等の事象に伴う惨事、電力等のインフラ停止などの混乱状態に陥る可能性があります。また、重大な労働災害または強毒化した新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの設備の損害だけでなく貴重な人的資源に重大な影響を与え当社グループの事業活動の一部または全体に大きな支障をきたす可能性があります。

この為に、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

(6)風評に関するリスク

当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)その他のリスク

①年金債務

当社及び一部のグループ会社では外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、数理計算上の差異(損失)が増加し、将来にわたる退職給付費用が増加する可能性があります。

 

②固定資産の減損

当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③繰延税金資産

繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

   (1)技術供与契約

契約会社名

契約相手先名称

国名

契約内容

対価の受取

契約期間

TOTO㈱

(当社)

厦門和利多衛浴科
技有限公司

中国

便座・便蓋・排水弁等の製造技術等の提供

一定料率のロイヤルティ

平成19年1月1日から平成28年12月31日まで

 

   (2)会社分割契約

  当社は、平成23年10月31日開催の取締役会において、平成24年4月1日を期日として、当社の中津第二工場におけるセラミック製品等の製造に関する事業等を会社分割し、TOTOファインセラミックス株式会社に承継することを決議し、同年11月1日に会社分割契約を締結しました。

会社分割の概要は以下の通りです。

  ①会社分割の目的

当社中津第二工場のセラミック製品製造事業等をTOTOファインセラミックス株式会社に編入することで、人的・技術的な交流を深め、TOTOファインセラミックス株式会社の技術レベルを上げて、更なる品質向上とコスト競争力の強化を図ることを目的として、会社分割を行います。

  ②会社分割の方法

当社を分割会社とし、TOTOファインセラミックス株式会社を承継会社とする吸収分割。

  ③会社分割の期日(効力発生日)

平成24年4月1日

  ④分割に際して発行する株式及び割当

本会社分割は、完全親子会社間において行われるため、株式の割当て、その他対価の交付はありません。

  ⑤分割する資産・負債の状況(平成24年3月31日現在)

資産

金額(百万円)

流動資産

726

固定資産

2,604

合計

3,331

  ⑥吸収分割承継会社の概要(平成24年3月31日現在)

商      号    TOTOファインセラミックス株式会社

事業の内容    光伝送用部品等の製造、販売

本社所在地    福島県双葉郡楢葉町

資  本  金    100百万円

 

6【研究開発活動】

  「TOTO  Vプラン2017」で目標に掲げた「真のグローバル企業」の実現のため、グローバル5極体制のもと、日本で開発したオンリーワン技術をベースに、地域特性に応じた商品の研究開発を進めています。

  また、多様なニーズに対応して、多品種を効率的に生産していくための研究開発を行っています。併せて、組み立てやすい部品の設計やコスト削減、生産リードタイムの短縮を図るために部材のプラットフォーム化を推進しています。

  高齢化した社会では、より使いやすく快適で安全な商品や空間が求められており、当社グループでは、年齢や性別、身体的状況、国籍、言語、知識、経験などの違いに関係なくすべての人が快適、安全に使える商品のデザインを行う「ユニバーサルデザイン(UD)」を推進しています。現在では、社内の研究部門であるUD研究所が中心となり、商品開発者がモニターの方々との対話や観察・検証を繰り返し、より使いやすく快適で安全な商品開発を行っています。

  セラミック製発電セル(SОFC)は、エネルギー消費量を抑制してCO2の削減に大きく貢献する次世代のエネルギーとして注目されている技術です。これまで当社が培ってきたセラミック技術を応用した研究開発を行っており、高い発電性能と耐久性をもつ発電モジュールの開発に特化し、早期の事業化を目指して実証試験を重ねています。

  当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は166億4千3百万円です。

 

  当連結会計年度におけるセグメント別の活動内容、及び研究開発費は次の通りです。
  なお、各セグメントに配賦できない研究開発費が24億6千4百万円あります。

 

a.国内住設事業

  日本市場においては、毎日の暮らしの中でお客様が知らず知らずのうちに地球環境を守ることのできる商品の研究開発を進めています。レストルーム商品では、節水便器群「GREENMAX 4.8」、浴室・キッチン・洗面商品では、お湯がさめにくい「魔法びん浴槽」や、快適な浴び心地と節水を両立させた「エアインシャワー」、エネルギーの無駄な消費を抑える「エコシングル水栓」などの商品を開発・販売し、使いやすさや快適さの向上とともに、環境負荷の低減を実現しています。

  当セグメントに係る研究開発費は120億1千5百万円です。

 

b.海外住設事業

  海外市場においては、世界的な課題である節水やCO2の削減、大気浄化などの環境配慮を軸に、日本で開発した技術をコアテクノロジーとして、高機能・高品質を維持しながら、各国の規制や基準を満たした商品開発を行い、それぞれの地域に合ったデザイン設計を進めています。なお、各生産拠点では、最新技術を導入するとともに、日本で培った技術を伝承し、技術者の育成も進めています。

  海外住設事業に係る研究開発費は、合計で5億5千万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれ米州が3億2千万円、アジア・オセアニアが1億8百万円、中国が7千4百万円、及び欧州が4千6百万円です。


c.新領域事業

  オンリーワン技術を活かした新領域事業の創出に向けて、さまざまな研究開発を行っています。

  環境浄化技術「ハイドロテクト」は、当社グループによって、世界で初めて実用化に成功した技術で、内外装タイル建材・塗料・コーティング材等の光触媒層に光が当たると「分解力」と「親水性」が発生し、大気汚染物質(NOx)を除去する空気浄化効果や建物の外観をきれいに保つセルフクリーニング効果等を有しています。この技術は、自社製品への応用にとどまらず、パートナー企業とともに多様な建材を通じてさらなる普及を目指しており、国内外で広く環境保全に貢献しています。

  セラミック事業においては、半導体の製造装置の分野で、エアベアリング、静電チャック、ボンディング・キャピラリーなどといった高品質・高精度セラミック製品の研究開発を進めています。また、インターネットの普及が進む情報化社会を支える光通信用各種部品の研究開発を進め、世界中で豊富な採用実績をいただいています。

  新領域事業に係る研究開発費は、合計で16億1千2百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれセラミック事業が12億9千2百万円、環境建材事業が3億1千9百万円です。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理しておりますが、引当金や資産の収益性の低下等による評価減等については、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しております。なお、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、住宅の取得やリモデルに関する政府の各種施策が追い風となり、新設住宅着工戸数が分譲住宅を中心に前年に比較して増加したことにより売上高は前連結会計年度比4.4%増の4,526億8千6百万円となりました。

利益面では、Vプラン2017による全社コストリダクション活動や事業再編活動などの効果により、営業利益は前連結会計年度比34.0%増の187億7千9百万円、経常利益は前連結会計年度比41.0%増の195億3千6百万円となりました。

減損損失、事業再編費用及び震災損失等を特別損失として計上した結果、当期純利益は前連結会計年度比81.2%増の92億7千万円となりました。

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

 ①流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,815億5千4百万円(前連結会計年度末は1,842億3百万円)となり、26億4千9百万円減少いたしました。

前連結会計年度からの主な増減要因については、有価証券が100億円の減少、現金及び預金が42億5千万円の減少、受取手形及び売掛金が109億5千1百万円の増加となっています。

 ②固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,955億1千8百万円(前連結会計年度末は1,950億1千1百万円)となり、5億7百万円増加いたしました。

前連結会計年度からの主な増減要因については、機械装置及び運搬具が40億9千4百万円の増加、建物及び構築物が14億3千3百万円の増加、繰延税金資産が22億1千1百万円の減少、土地が17億1千3百万円の減少となっています。

 ③負債

当連結会計年度末における負債の残高は、1,914億9千1百万円(前連結会計年度末は1,990億5千万円)となり、75億5千9百万円減少いたしました。

前連結会計年度からの主な増減要因については、短期借入金が64億3千7百万円の減少、退職給付引当金が23億7千4百万円の減少、未払費用が25億5千9百万円の増加となっています。

 ④純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は、1,855億8千万円(前連結会計年度末は1,801億6千4百万円)となり、54億1千5百万円増加いたしました。

前連結会計年度からの主な増減要因については、当期純利益92億7千万円による利益剰余金の増加、少数株主持分6億7千9百万円の増加、自己株式5億6千1百万円の増加、配当金支払34億1千7百万円による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定16億2千1百万円の減少となっています。

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。

 





出典: TOTO株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書