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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

①当連結会計年度の状況

  当連結会計年度(平成26年4月1日から平成27年3月31日まで)におけるわが国の経済は、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動などの影響が見られたものの、緩やかな回復基調が続きました。

  また、国内の住宅市場は、駆け込み需要の反動によって新設住宅着工やリフォーム需要の減少などの影響がありました。

  このような事業環境の中、当社グループは、引き続き創立100周年を迎える平成29年(2017年)に向けた長期経営計画「TOTO Vプラン2017」(以下「Vプラン2017」という)及び、平成26年度からスタートした4ヵ年の中期経営計画に基づき、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」の各事業領域での活動を推進しました。

  その結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高に関しては5,445億9百万円(前期比1.6%減)となりました。

  一方、利益面では、連結営業利益が374億2千6百万円(前期比20.7%減)、連結経常利益が396億6千2百万円(前期比21.3%減)となりました。

また、事業再編費用及び環境対策費等を特別損失として計上した結果、連結当期純利益が248億1千3百万円(前期比43.8%減)となりました。

 

②セグメント別の状況

a.国内住設事業

当連結会計年度の業績は、リモデル分野、新築分野とも駆け込み需要の反動による影響が想定以上に長引いたことなどによって、売上高が4,117億9千7百万円(前期比7.6%減)、営業利益が190億2千8百万円(前期比47.4%減)となりました。

 

  TOTO、DAIKEN、YKK AP(以下「TDY」という)では、引き続き「グリーンリモデル診断(住宅に関わる環境評価基準を参考にした客観的な住まいの診断)」を活用し、トイレ・バス・キッチン・洗面の各空間におけるリモデル提案を行うことによって、環境に貢献するリフォーム「グリーンリモデル」を推進しています。

  当連結会計年度においては、平成26年6月に「TDY福岡コラボレーションショールーム」、平成26年9月には「TY横浜コラボレーションショールーム」をオープンしました。

  また、平成28年春には、全国で8ヶ所目となるコラボレーションショールームを名古屋にオープンする予定であり、全国主要都市への展開を進めています。

 

・平成26年10月、国内最大規模の福祉機器の展示会「第41回 国際福祉機器展」に出展しました。この展示会に

は、今回初めてTDYアライアンスの3社が合同で出展し、最新の福祉関連商品や安心して暮らし続けられる空間を提案しました。

また、平成26年12月、国内最大規模の環境展示会「エコプロダクツ2014」に出展しました。この展示会では、「TOTOグローバル環境ビジョン」をテーマに水まわりからの環境貢献の取り組みや、節水・省エネ商品と環境技術、ものづくり現場での環境活動への取り組みを紹介しました。

・平成27年2月、ウォシュレット一体形便器の新商品、新「ネオレストハイブリッドシリーズ AH/RH」を発売しました。この商品は、当社独自の「きれい除菌水」によって便器やノズルの見えない汚れを分解・除菌する「便器きれい」「ノズルきれい」に加え、新機能「においきれい」を搭載しています。

「きれい除菌水」は水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分(次亜塩素酸)を含む水です。薬品や洗剤を使わずに作られ、時間が経つと水に戻るため、環境にやさしいのが特長です。

「においきれい」は、この水によって、トイレ空間の気になるニオイの主成分を脱臭する新機能です。

・平成27年3月より、国土交通省「省エネ住宅ポイント制度」の申請受付が開始されました。当社では、工事業者、販売店のサポートを行い、お客様の制度活用を推進することで、環境に配慮した水まわりのエコ住宅設備やそれらを設置したエコ改修の更なる認知と浸透を目指しています。

・平成27年3月、国内における衛生陶器生産体制の再編計画の一環として、TOTOサニテクノ中津工場に新たな衛生陶器生産工場棟を建設することを発表しました。老朽化している生産設備の代替として、最新性能の生産設備を導入することで、生産性向上を図ると共にグリーンファクトリー化を推進します。本工場棟は平成27年4月末より着工し、平成29年5月の本格稼働を目指します。

・Vプラン2017の全社横断革新活動である「サプライチェーン革新」及び「ものづくり革新」活動を進め、原

材料調達から生産・物流面における高速サプライチェーンの構築を図ると共に、幅広い商品においてプラットフォーム化(標準化・共通化)等のコストリダクションを継続的に推進しています。

 

b.海外住設事業

  当連結会計年度の業績は、売上高が1,617億9千5百万円(前期比20.1%増)、営業利益が220億6千4百万円(前期比42.8%増)となりました。

  なお、営業利益の増益は、売上高の増加、生産性の向上及び、為替変動の影響などによるものです。

  世界経済は、一部で弱さが見られるものの、全般には緩やかな回復が続きました。

  このような環境の中、海外住設事業においては、各国・各エリアでの経済動向や社会動向を注視しつつ、着実な成長戦略を推進しています。

 

<米州>

当連結会計年度の業績は、売上高が302億9千4百万円(前期比23.6%増)、営業利益が16億3千3百万円(前期比30.9%増)となりました。

 

  米国では、市況の回復は依然として緩やかですが、当社グループにおいては、中高級市場におけるトップメーカーとしての商品優位性や価値伝達によって、ブランドの価値を高め、競合他社との差別化を図っています。

  また、米州事業においては、メキシコでの生産も安定し、好調に推移しています。

 

・平成26年4月、ウォシュレットの新商品を発売しました。シンプルな機能に加え、スイッチ部をリモコン仕様と

するなどデザイン性を向上させ、これから使い始める方にも手にとっていただきやすい商品として、ウォシュレットの認知向上と共に、拡販を図っています。

・住宅向け水栓において、新商品の投入や販売代理店の店頭における展示の拡充を進めています。これにより、水まわり空間におけるTOTOブランドの存在感を高めると共に、一層の拡販を図っています。

・平成27年1月、アメリカ・ラスベガスで開催された水まわり設備の国際見本市「KBIS(Kitchen & Bath Industry

Show)」に出展しました。この展示会では、「PEOPLE FIRST INNOVATION」をキーワードにTOTOの技術力、

商品力を訴求しました。

洗浄水量が3.8L(1ガロン)の節水便器や、見えない汚れまできれいに分解する世界初の最先端技術「アクティライト」を搭載したウォシュレット一体形便器などの展示により水まわり総合メーカーとして認知向上を図っています。

 

<中国>

当連結会計年度の業績は、売上高が847億2千1百万円(前期比16.8%増)、営業利益が168億1百万円(前期比38.0%増)となりました。

 

  中国では、経済の緩やかな回復の動きがあるものの、政府の不動産抑制政策の市況への影響が続いています。このような環境の中、当社グループにおいては、内陸部における市場の拡大や、大都市から周辺都市への成長市場の移行など、市場環境の変化を注視して対応しつつ、高級ブランドとしての強みを活用し、現地のお客様に支持される事業活動を推進しています。

また、中国国内の長期的な市場成長による需要増に対応するため、効率的な生産・最適な供給体制の構築を進めており、平成26年7月には、衛生陶器を生産する「東陶(福建)有限公司」が稼働を開始しました。

 

・平成26年5月、上海で開催されたアジア最大規模の水まわり設備の国際見本市「Kitchen & Bath China 2014」

に出展しました。この展示会では、高品位かつ高機能な付加価値商品を幅広く展示すると共に、高級感ある演出によって、更なるブランド価値向上に取り組みました。

・市場が拡大している大都市の周辺都市への大規模ショールームの出店や、主要都市の既存ショールームのリニューアルを進めています。当連結会計年度においては、福建省泉州市や山東省烟台市などで旗艦ショールームの出店を行いました。

 

<アジア・オセアニア>

当連結会計年度の業績は、売上高が425億9千8百万円(前期比25.7%増)、営業利益が45億3千6百万円(前期比66.1%増)となりました。

 

  アジア・オセアニア地域では、世界の供給基地としてタイ、インドネシア、ベトナムでの生産体制を充実させると共に、新興国市場での販売力を強化しています。インドネシア、台湾、ベトナムでは、高級ブランドとしての地位を築きつつあります。

・インドにおいては、平成23年に現地法人を設立し、販売網を構築しています。また、需要拡大に対応するため、

グジャラート州に建設していた衛生陶器の工場が、平成26年7月に稼働を開始しました。販売網の整備を進める

と共に、ムンバイ国際空港に節水便器や水栓金具が設置されるなど、高級現場での採用が進んでいます。

・ベトナムでは、市場の成長に合わせて、高級物件の攻略と共に、個別散在物件の取り込み強化のため、販売網の拡大やアフターサービス体制の整備に取り組んでいます。平成26年6月、ベトナムのホーチミンで開催されたベトナム最大の建築資材の展示会「VIETBUILD」に出展しました。

・タイでは、新たな販売及び生産体制のもと、高級ブランドのイメージ浸透を図っています。

・台湾では、トルネード洗浄便器やウォシュレット一体形便器「ネオレスト」のCM放映など積極的な販売プロモーションを行い、更なる高級ブランドイメージの定着を図っています。

 

<欧州>

当連結会計年度の業績は、売上高が41億8千1百万円(前期比10.6%増)、営業損失が9億6百万円(前連結会計年度は営業損失6億9千9百万円)となりました。

 

欧州では、ドイツ、フランス、イギリスを中心に、販売チャネルの構築を進めており、代理店のショールームでは、当社の商品の展示が進んでいます。また、「ネオレスト」などの節水性能とデザイン性の高い商品を市場投入することによって他社との差別化を図り、欧州のみならず、グローバルでTOTOブランドの存在感をアピールしています。

 

・販売代理店におけるショールーム展示の質の向上や、新規チャネルの開拓・拡大などに注力しており、ホテルなどの高級現場における商品の採用が進んでいます。

・平成26年5月、トルネード洗浄機能を備えた便器の新商品を発売しました。この便器は、欧州で好まれる壁掛け式で、デザイン面と共に、機能面でも競合他社と差別化できる商品です。また、高級ゾーンを対象とした新しいウォシュレット一体形便器を平成26年7月に発売しました。従来モデル以上に機能とデザイン性を兼ね備えた商品として、販売が好調に推移しています。

・平成27年3月、ドイツ・フランクフルトで開催された世界最大規模の住宅設備機器の国際専門見本市「ISH2015(International Sanitary and Heating 2015)」に出展しました。この展示会では、「TECHNOLOGY TO MOVE YOU」 〜あなたに感動を与える技術〜 をコンセプトに、当社が長年積み重ねてきた、水まわりから人々の生活をより快適に、豊かにする技術がもたらすベネフィットをわかりやすく訴求しました。

 

c.新領域事業

当連結会計年度の業績は、売上高が205億8千6百万円(前期比4.7%増)、営業損失が3億1千7百万円(前連結会計年度は営業損失15億6千3百万円)となりました。

 

当社のオンリーワン技術を活かした「セラミック事業」、環境浄化技術「ハイドロテクト」による建材や塗料などを展開する「環境建材事業」を「新領域事業」として、事業活動を推進しています。

 

<セラミック事業>

  当連結会計年度の業績は、売上高が104億9千9百万円(前期比15.8%増)、営業利益が4億5千2百万円(前連結会計年度は営業損失6億4千5百万円)となりました。

 

  オンリーワン技術を活かした構造部材、静電チャックなどの高精度精密セラミックス部品や光通信部品に特化し、全社横断の革新活動「ものづくり革新」活動を推進することにより、最適な生産体制の整備を進めています。

  当連結会計年度の業績は、半導体市場の回復や光通信市場が活況であることなどを背景に、各商品の売上が大幅に伸長しました。また、製造部門で進めてきた体質強化の効果と共に、新商品の売上が伸長したことによって、営業損益が黒字化しました。

 

・販路の拡大とグローバル展開加速のため、国内、海外の展示会に積極的に出展しています。当連結会計年度では、光通信業界におけるアジア最大の技術商談会「FIBER OPTICS EXPO2014(平成26年4月開催)」や、世界最大の半導体製造装置・材料の総合展示会「SEMICON JAPAN 2014(平成26年12月開催)」に出展しました。ここでは、光ファイバー通信における技術課題を解決する高速通信用の新製品や、精密セラミックス構造部品、静電チャック、AD法低発塵セラミック部材などを紹介し、独自のセラミック部材や光通信業界、半導体業界の先端ニーズを先取りしたセラミック部材が注目を集めました。

・独立行政法人産業技術総合研究所の明渡純首席研究員と、TOTOファインセラミックス株式会社は、「常温衝撃固化現象を用いたエアロゾルディポジション技術の実用化」で、平成26年度の「第39回 井上春成賞」を受賞しました。この技術を用いたセラミックス部品である「半導体製造装置用プラズマ耐食電極板」は、その高い性能が評価され、半導体製造装置向け需要の本格的立ち上がりに伴い、売上が好調に推移しています。

<環境建材事業>

当連結会計年度の業績は、売上高が100億8千6百万円(前期比4.8%減)、営業損失が7億6千9百万円(前連結会計年度は営業損失9億1千7百万円)となりました。

 

「ハイドロテクト」は、光触媒を利用し光や水の力で地球も暮らしもきれいにする環境浄化技術であり、技術ブランドです。既に多くのお客様にご活用いただいており、建物の外壁から室内の壁や床まで様々な製品に利用されています。また、事業戦略も国内中心から海外へと拡大させ、業種を横断したパートナーシップ「ハイドロテクトの輪」をグローバルに広げ、「ハイドロテクト」の普及と共に環境貢献を進めています。

当連結会計年度の売上は、「ハイドロセラ・フロアJ全面セラミック」等の新商品の販売が好調だったことなどで、一部の住宅外壁用商品による駆け込み需要の反動の影響を抑え、前年並みとなりました。また、従来から取り組んできた革新活動により生産性が向上し、前連結会計年度に引き続き損失幅を縮小しました。

 

・平成26年5月、光触媒によるセルフクリーニング(防汚)効果を持つ外壁用塗料「ハイドロテクトカラーコートECO−HG」を発売しました。この商品は、戸建住宅、マンション、各種ビル、工場など幅広い用途を対象としており、一般塗料と同等の施工性を実現すると共に、競争力のある価格設定としたことによって、一層の普及を図っています。

・平成26年6月に「ハイドロセラ・フロアキッズ」を発売しました。これは、光触媒技術「ハイドロテクト」の効果により、臭いの発生や汚れを防ぐ床材で、幼児用小便器と組み合わせる商品です。幼稚園・ショッピングセンターなどのキッズトイレを対象に、提案活動を進めています。この商品は、特定非営利活動法人(内閣府認証NPO)キッズデザイン協議会が主催する顕彰制度、「第8回キッズデザイン賞(子ども視点の安全安心デザイン 子ども部門)」を受賞しました。

・光触媒による高い抗ウイルス性・抗菌性を施した内装用防汚陶板「ハイドロセラ」シリーズを、グローバルに拡販しています。国内では、壁材の「ハイドロセラ・ウォール」の用途が、トイレ空間だけでなく、浴室や喫煙室などに広がっています。また海外では、特にアジア地域において、著名なオフィスビルやショッピングモール、マンションなどでの採用が大きく伸長しています。

 

d.その他

<燃料電池>

燃料電池の心臓部である発電モジュールにおいて、オンリーワン技術であるセラミック製発電セル(SOFC)及び発電モジュールの製造・開発を推進し、早期事業化を目指しています。

 

  ※燃料電池事業は、従来「新領域事業」セグメントとして状況報告をしていましたが、家庭用燃料電池の普及期

に向けた研究開発が続いているため、「その他」とします。

 

 

  当連結会計年度より、各セグメントの獲得利益をより実態に近づけるため、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を一部変更しています。なお、前年同期比較については、変更後の数値で比較を行っています。

 

③その他

<本社厚生用地の売却を発表>

平成26年10月、本社厚生用地(北九州市小倉北区)を売却することを発表しました。

  これは、長期経営計画「Vプラン2017」の革新活動のひとつである「マネジメントリソース革新」における“資産の効率的利用による財務体質の改善・スリム化”の一環であり、同用地にあるTOTO歴史資料館及び北九州ショールームは、現在本社敷地内に建設中のTOTOミュージアムに移転します。

 

<社外からの評価について>

当社は、事業活動とCSR活動の戦略的な統合を進める企業として、社会的責任投資の銘柄に組み入れられるなど、外部機関から評価をいただいています。

 

・「Dow Jones Sustainability Indices」に選定

世界的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability Indices World」に4年連続で選定されま

した。これは、米国S&Pダウ・ジョーンズ社とスイスの社会的責任投資に関する調査専門会社のロベコSAM社が

提携して開発した指標で、「経済」「環境」「社会」の3つの側面から企業を分析し、企業の持続可能性に優

れた企業を選定するものです。

・CDPの「気候変動パフォーマンス先進企業」と「気候変動情報開示先進企業」に選定

地球温暖化防止への取り組みがCDP(※)から高く評価され、平成26年度の「気候変動パフォーマンス先進企業(Climate Performance Leadership Index、以下、CPLI)」、及び「気候変動情報開示先進企業(Climate Disclosure Leadership Index、以下、CDLI)」に選定されました。「CPLI」の選定は今回が初めて、「CDLI」は3年連続の選定となります。

CDPは機関投資家と連携し、全世界で約5,000社、日本では大手企業500社に対して、気候変動への戦略や温室効果ガスの排出量に関する情報開示の質問書を送付しており、その回答内容を基に気候変動レポートを作成しています。

(※)旧名称はカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト。企業や都市の重要な環境情報を測定・開示・管理・共有するためのグローバルシステムを提供している国際NPO。

・「なでしこ銘柄」に選定

柔軟に働ける環境の整備、仕事と生活の調和を実現するための支援等が評価され、経済産業省と㈱東京証券取引所の共同事業である平成26年度「なでしこ銘柄」に選定されました。これは、女性が働き続けるための環境整備を含め、女性人財の活用を積極的に進めている企業を選定するものです。

・「健康経営銘柄」に選定

健康管理、メンタルへルス休業者低減、健康増進(健康づくり)の活動が評価され、「健康経営銘柄」に選定されました。これは経済産業省と㈱東京証券取引所が今年度初めての取り組みとして、共同で従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定したものです。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末の838億7千4百万円に比べ、6億9千万円減少し、831億8千3百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、347億1千3百万円(対前連結会計年度△133億1百万円)となりました。

これは、税金等調整前当期純利益394億8千9百万円、減価償却費172億2千7百万円等による資金の増加と、法人税等の支払額114億1千9百万円、たな卸資産の増加額100億5千3百万円等による資金の減少によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、300億4千万円(対前連結会計年度△260億6百万円)となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出255億3千4百万円、無形固定資産の取得による支出48億7千2百万円等による資金の減少によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、113億9千3百万円(対前連結会計年度+119億3千5百万円)となりました。

これは、コマーシャル・ペーパーの償還による支出360億円、配当金の支払額87億3千7百万円、長期借入金の返済による支出28億2百万円等による資金の減少と、コマーシャル・ペーパーの発行による収入360億円等による資金の増加によります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内住設事業

339,179

△7.8

米州

17,682

29.5

中国

98,588

25.5

アジア・オセアニア

40,151

17.5

欧州

1,902

16.1

海外住設事業計

158,324

23.6

セラミック事業

11,454

33.9

環境建材事業

8,634

△3.9

新領域事業計

20,088

14.6

報告セグメント計

517,593

0.8

その他

合計

517,593

0.8

(注)1.金額は、売価換算値で表示しています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)受注状況

当社グループは概ね見込生産方式を採っていますので、受注の状況については記載を省略しました。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内住設事業

411,797

△7.6

米州

30,294

23.6

中国

84,721

16.8

アジア・オセアニア

42,598

25.7

欧州

4,181

10.6

海外住設事業計

161,795

20.1

セラミック事業

10,499

15.8

環境建材事業

10,086

△4.8

新領域事業計

20,586

4.7

報告セグメント計

594,179

△1.0

その他

303

△21.2

内部売上消去等

△49,974

合計

544,509

△1.6

(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

前連結会計年度、当連結会計年度共に販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しました。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3【対処すべき課題】

(1)長期経営企画「Vプラン2017」について

       当社グループは、平成21年7月に、創立100周年を迎える平成29年(2017年)までに「真のグローバル企業」となることを目指す長期経営計画「Vプラン2017」を策定しました。

 

その戦略フレームは、企業活動のベースとなるコーポレート・ガバナンスの強化、「国内住設」「海外住設」「新領域」の3つの事業軸と、全社最適視点で横串を通す4つの全社横断革新活動「マーケティング革新」「サプライチェーン革新」「ものづくり革新」「マネジメントリソース革新」の推進です。これらの事業活動を「TOTOグローバル環境ビジョン」を推進エンジンとして、グループを挙げて取り組んでいます。

なお、「サプライチェーン革新」及び「ものづくり革新」は、更なるお客様視点へと進化させ、平成27年度より「デマンドチェーン革新」として推進します。

「Vプラン2017」に基づき、平成22年度、平成23年度と全社最適の視点で基盤の整備に取り組み、平成24年度からは3ヵ年の中期経営計画を策定し推進してまいりましたが、その目標を一年前倒しで達成できたことから、平成26年4月に平成26年度から平成29年度にかけての中期経営計画を新たに策定いたしました。これに伴い、「Vプラン2017」の最終年度における数値目標を見直しました。

 

平成29年度(2017年)の経営計画目標は、連結売上高6,500億円、連結営業利益610億円、ROA10%以上(営業利益ベース)、ROE10%以上(純利益ベース)です。

 

<全社横断革新活動について>

全社最適視点での商品戦略を担う「マーケティング革新」

「お客様を笑顔にする美しいデザイン・機能の実現」に向けて、グローバルレベルで魅力ある商品を創り出す活動を積極的に推進していきます。

また、日本発のコアテクノロジーをグローバルでも共通基盤技術として活かしながら、エリアごとの市場や特性に応じた商品企画・開発も強化しています。

 

強いコスト競争力を生み出す「サプライチェーン革新」

「サプライチェーン革新」活動では「生産体制革新」「物流革新」「購買革新」の3つの革新活動を展開しています。「原材料の調達から生産・物流を経てお客様に商品をお届けするまでの流れ」を一本と捉える「高速サプライチェーン」の構築を行い、コスト競争力を高め、強固な経営体質の実現を目指しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・「生産体制革新」では「生産、販売、物流、購買、情報の一体行動」「総合リードタイムの徹底短縮」「市況変化に即応する体制作り」の3つの基本方針のもと、納期乖離、棚卸資産、サプライチェーンコストの極小化など、お客様満足の向上と、市況変化へ俊敏に対応できる仕組みづくりを推進しました。

・「物流革新」では、西日本エリア、東日本エリアそれぞれで大規模な物流拠点の集約・統合を実施しました。調達物流においては全社最適視点での効率化を行うと共に、商品の包装についてはモジュール見直しによる効率化も継続して推進しています。

・「購買革新」では、プラットフォーム設計による新商品のコスト削減、原材料や間接材の集中購買によるコストリダクションを推進しました。また、TOTO、DAIKEN、YKK APの3社による「TDYアライアンス」においては、3社が協働して生産部材のコストリダクションを推進しています。

 

既成概念を超えたものづくりを進める「ものづくり革新」

「次世代生産設備の開発」「材料革新」「プラットフォーム化(標準化・共通化)の推進」「生産拠点の再編」など、全社最適の生産技術開発体制により、既成概念を超えた新たな発想によるものづくりを進めています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・「プラットフォーム化の推進」によって、開発期間の短縮や、部品の共通化による生産性向上などを図っています。ウォシュレットやシステムバスルームにおいてはこの取り組みを継続しつつ、それ以外の商品群へも展開を進めています。

・当社グループの製造会社が一体となって行っている製造革新活動では、引き続き、労働時間における付加価値作業比率を向上させるための現場力診断などを行い、生産性の向上に取り組んでいます。

 

多様な人財(※)の活躍によってイノベーションを牽引する「マネジメントリソース革新」

経営資源の中で、模倣が不可能かつ差別化要素となり得る「人財」を最も重要なマネジメントリソースと位置付け、「自ら学び続ける、多様な人財の確保」と「チャレンジする企業風土の実現」を目指し、ダイバーシティの推進や人財育成の強化を進めています。また、財務面では成長のための積極的な投資と併行して、資産の評価・整理を進め、「資産の効率的活用による財務体質の改善・スリム化」を図っています。

(※)当社グループで働くすべての人々は「次世代を築く貴重な財産である」という考えから、「人材」ではなく「人財」と表記しています。

 

(当期までの主な進捗状況)

・女性の積極的な採用、女性社員を対象とした研修、並びに定着支援制度の充実を図ると共に、すべてのグループ会社において障がい者雇用の計画を策定するなど、ダイバーシティを推進するための各種施策を実施しました。

・人財育成においては、グローバルな人財マネジメントに関する調査・研究を進め、海外拠点の経営幹部を対象にした研修や海外インターンシップなどを制度化しました。

・国内では、グループ会社の資格制度の統一と研修活動の共通化によって、人財交流と教育の質的向上を図り、併せて人事業務のシェアードサービスによる効率化を進めました。

 

<TOTOグローバル環境ビジョンについて>

地球環境の保全については、平成26年4月に、これまで取り組んできた活動を更にグローバルに展開するため、その推進フレームを改編し、新たな枠組み「TOTOグローバル環境ビジョン」を設けました。この枠組みでは、事業活動に連動して「水」を加えた「水を大切に」「温暖化を防ぐ」「資源を大切に」「地球を汚さない」「生物多様性を守る」「地域社会のために」の6つのテーマについて、グローバル共通の環境目標を設定し、各地域で取り組みを進めています。

 

(当期までの主な進捗状況)

「水を大切に(商品使用時の水消費量削減)」

グローバルでの節水商品の普及促進による商品使用時の水削減貢献量として、「商品使用時水消費量 13億㎥削減(平成2年度比性能向上分)」を目標にしています。平成26年度は10.7億㎥の削減目標に対し、11.0億㎥削減となりました。

これは、国内及び海外の住宅及びパブリック建築物における「節水便器」「エアインシャワー」「エコシングル水栓」などの節水商品の普及促進によるものです。

 

「温暖化を防ぐ(商品使用時・事業所からのCO排出量削減)」

グローバルでの商品使用時のCO排出量削減については、お湯やガスをより節約できる「エコシングル水栓」「エアインシャワー」といった節湯(せつゆ)商品、また省エネ性能の高い「ウォシュレット」「魔法びん浴槽」などの普及促進により、平成26年度は497万tの削減目標に対し、475万t削減となりました。また、グローバルでの事業所からのCO排出量削減については、国内外各事業所において生産性向上、高効率機器の導入、既存設備の省エネ改良などの活動を横断的に推進した結果、平成26年度CO総排出量は、目標33.7万tに対し32.4万t、施策によるCO削減量は目標0.66万tに対し0.71万tとなりました。

 

「地域社会のために(グリーンボランティアの参加人数)」

地球環境に貢献するボランティア活動「グリーンボランティア」が各拠点で定着したことなどにより、平成26年度のグローバルでのグリーンボランティア参加人数は42,500人となりました。

市民の水に関わる環境への取り組みを支援する「TOTO水環境基金」においては、ステークホルダーの皆様の環境貢献への関わりが増すほど助成金が増えていく仕組みを導入しており、お客様の節水商品のご購入量、社員や家族によるボランティア活動量がいずれも増えたことにより、第10回助成団体への助成金を増額しました。海外においては、同基金などを通じて、衛生環境の改善や安全な飲料水を供給できる環境の整備などの社会的課題の解決に取り組んでいます。

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、会社の支配に関する基本方針について取締役会において次のとおり決議いたしております。

①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、並びに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えております。

当社は、大正6年の創業以来、一貫して「社会の発展への寄与」を理念とする経営を行ってまいりました。水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化創造にあたっては、たゆまぬ研究開発と市場開拓を行い、必要な設備や人財育成に長期的投資を行うことによって、日本市場の中で、「環境配慮」を実現する節電・節水技術の開発、「清潔・快適」「ユニバーサルデザイン」を実現する素材開発、「安心・信頼」を実現するビフォア・アフターサービス体制等、総合的な事業活動による価値の創造と提供を図ってまいりました。現在では、日本市場で築いた事業モデルを活かし、米国・アジアをはじめとする世界の水まわり市場の積極開拓により、一層の価値向上を図る一方、日本の水まわり市場において確固たる地位を築いたことによる供給責任にも応えています。創業以来90余年にわたり、広く社会の発展に寄与し続けたことが、現在の当社の企業価値ひいては株主共同の利益につながっています。

当社は、公開会社として、当社株券等を保有する株主の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応え続けるためにも、これまでに築いた当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうことなく、長期にわたって持続的に向上させていくことが必要と考えております。

そこで、特定の者又はグループによって当社株券等の大量買付行為が行われた場合には、これまで当社の企業価値を支えていただいた株主の皆様のために、当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの判断材料の提供と検討期間を確保すると共に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないと判断される場合には一定の対抗措置を講じることができるように大量買付行為に関する対応方針を定めておくことが必要と考えています。

②基本方針の実現に資する取組み

(ⅰ)社是・企業理念及び中長期経営計画

当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質  奉仕と信用  協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、水まわりを中心とした、豊かで快適な生活文化を創造し、お客様の期待以上の満足を追求し続けることで、社会の発展に貢献します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しております。当社の企業価値の源泉は、①高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、②ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、③お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、④お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、⑤取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、⑥前記①〜⑤の維持・発展を担う従業員等にあります。

当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、創立100周年を迎える平成29年(2017年)における当社の目指す姿と、その実現に向けた戦略フレームを示した長期経営計画「Vプラン2017」を策定し、グループを挙げて取り組みを推進しております。

「Vプラン2017」では、当社が目指す姿として、『「世界中のお客様」に新しい「まいにち」を提供し、これからも必要とされ続ける存在として「真のグローバル企業」になる』ことを掲げています。

事業の成長及び収益力の向上面では、お客様の期待以上の満足を得ることのできる魅力ある商品とサービスを提供し続けること、並びに継続的なコストリダクションと生産性向上により、安定的かつ永続的な成長を目指します。また、資産の効率的な運用の面では、資産の流動化や負債の圧縮などにより財務体質のスリム化を図り、企業価値の最大化を目指します

(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、経営の客観性・透明性を高め経営責任を明確にすることによって、ステークホルダーの皆様の満足を実現し企業価値を永続的に拡大することが企業経営の要であると考えています。そのために、以下のとおりコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。

(a)取締役及び取締役会

取締役全員で構成する取締役会は、全社・全グループ最適視点の意思決定を行うことはもちろんのこと、ステークホルダー最適視点の意思決定、及び取締役相互の職務執行監督を行っています。

また、自らの業務執行を実践していくために、取締役会議長及び社外取締役以外の取締役は執行役員を兼任しています。(取締役兼執行役員)

社外取締役には当社グループが目指す経営を実践している先進企業の経営経験者を招聘しています。社外取締役は経験豊富な経営者としての高い知見に基づき、経営全般について様々な助言と提言を行っています。また、取締役の責任を明確にするため、取締役の任期を1年としています。

(b)監査役及び監査役会

監査役全員で構成する監査役会は、取締役の職務の執行に関して、適法性及び妥当性の観点から監査を行っており、取締役会をはじめとする主要会議に出席し、必要に応じて意見の表明を行うと共に、監査方針に則り各拠点に赴き監査を行っています。また、取締役との定期的な意見交換など、監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備しています。

社外監査役には、企業財務・企業法務等の専門性や企業経営に係る高度な見識・経験を保持している方を招聘し、取締役会の意思決定や取締役の業務執行について客観的かつ公正な立場から監査を行っています。

(c)報酬諮問委員会・指名諮問委員会

イ)報酬諮問委員会

報酬諮問委員会は、取締役の基本報酬・年次賞与・株式報酬型ストック・オプションの決定プロセスと配分バランスが、定款、株主総会決議事項及び取締役報酬基本方針に沿ったものであることの確認並びにその活動を通じて取締役報酬の妥当性・客観性確保に資することを目的として設置しています。

委員は過半数を社外委員とすることとし、取締役会にて委員及び委員長を選任しています。委員会は、独立役員4名を含む社外委員5名と、社内委員として代表権をもたない取締役1名で構成し、委員長は社外委員から選任しています。

ロ)指名諮問委員会

指名諮問委員会は、取締役及び監査役人事に関する審議・確認等を通じて、当社の経営の客観性及び透明性の確保に資することを目的とし、株主総会に提出する社外取締役・社外監査役を含む取締役又は監査役候補者の選任及び解任に関する議案を取締役会に答申するために設置しています。

委員は半数以上を社外委員とすることとし、取締役会にて委員及び委員長を選任しています。委員会は、独立役員4名を社外委員、及び代表取締役を社内委員として構成し、委員長は代表取締役社長執行役員としています。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

大量買付行為に際して、株主の皆様が当社株式の売却、すなわち大量買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行っていただくためには、大量買付者から提供される情報のみならず、当該行為が当社に与える影響や、大量買付者が当社の経営に参画した場合の経営方針、事業計画の内容等の必要かつ十分な情報、及び当該大量買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが不可欠であると考えております。

そこで、当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するため、「当社株式の大量買付行為に関する対応方針」(買収防衛策、以下、「本プラン」という)を導入しております。

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請すると共に、係る手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、係る手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、係る大量買付行為に対する対抗措置として、新株予約権の無償割当て(会社法第277条以下に規定されています。)の方法により、当社取締役会が定める一定の日における株主に対して新株予約権を無償で割り当てるというものです。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」という)には、(ⅰ)大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引き換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。

④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

当社取締役会は、以下の理由から上記③の取り組みが当社の上記①の基本方針及び企業価値ひいては株主共同の利益の確保に資するものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

(ⅰ)買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していると考えられること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性の原則」)を完全に充足しており、また株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省の企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。

(ⅱ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としていること

本プランは、当社株券等に対する大量買付行為がなされた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、また当社取締役会が株主の皆様のために代替案を提示し、大量買付者と交渉を行うこと等を可能とするために必要な情報や時間を確保することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し向上させることを目的とするものです。

(ⅲ)株主意思を重視するものであること

(a)本プランの更新にあたっては、定時株主総会において株主の皆様の承認をお諮りします。また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることとなります。

(b)本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動又は不発動の決定を株主の皆様が取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従い対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、株主の皆様の意思を尊重する趣旨から必要かつ相当であると判断した場合には、株主意思確認総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することとしています。

(ⅳ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、当社取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するために、取締役会から独立した機関として、特別委員会を設置します。なお、特別委員会は、当社社外取締役、社外監査役又は社外有識者により構成されます。

加えて、当社取締役会が特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで決定を行うことにより、当社取締役会が恣意的に本プランに基づく対抗措置の発動を行うことを防ぐと共に、特別委員会の判断の概要については適時かつ適切に株主の皆様等に情報開示することとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるべく本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

(ⅴ)合理的な客観的要件の設定

本プランは、予め定められた合理的かつ客観的な要件が充足されなければ発動されないように設定されており、取締役会による恣意的な発動を防止できる仕組みを確保しています。

(ⅵ)外部専門家等の意見の取得

本プランにおいては、大量買付者が出現した場合、取締役会及び特別委員会が、当社の費用で、外部専門家等の助言を得ることができることとされています。これにより、取締役会及び特別委員会による判断の公正性及び客観性がより強く担保される仕組みが確保されています。

(ⅶ)デッド・ハンド型やスロー・ハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができることとしており、デッド・ハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、取締役任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、本プランは、スロー・ハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができずその発動を阻止するのに時間が掛かる買収防衛策)でもありません。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

(1)経営環境に関するリスク

①経済状況の変動

当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売を行っている国又は地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退及びこれに伴う需要の減少は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②為替相場の変動

国際取引や外貨建てで取引している海外での生産、販売等の営業活動取引、また、連結財務諸表作成のため海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場の変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③株価の下落

当社グループは、投資有価証券として株式を保有していますが、当該株式の時価が帳簿価格を著しく下回ることとなった場合、当該株式の評価損の計上が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④金利の変動

金利の変動は営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤市場環境の変動

当社グループが主たる事業活動を行う住宅関連分野での需要の大幅な変動は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業活動に関するリスク

①競合他社との競争

当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売・サービスを行っており、様々な企業と競合しています。当社グループは、今後とも競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいりますが、将来にわたって優位に展開できなくなる可能性があります。

 

②急激な製品価格の下落

当社グループは、高付加価値商品の開発やコストリダクション活動などに積極的に取り組んでいますが、国内外の市場において激しい競争に晒されており、企業努力を上回る価格下落圧力が生じた場合は、当社グループの利益の確保に深刻な影響を受ける可能性があります。

 

③海外事業活動における障害

当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしています。しかしながら、海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、商習慣に関する障害、更には投資・海外送金・輸出入・外国為替などの規制の変更や税制の変更等様々な政治的、経済的もしくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

④技術革新の重要性

当社グループの継続的成長及び競争力向上には、新技術や新製品開発のための技術革新が重要となりますが、将来の市場ニーズの変化に適切に対応できなかった場合などにおいては、当社グループの将来の成長や収益性に影響を受ける可能性があります。

 

⑤企業買収及び他社との業務提携等

当社グループは、経営の効率化と競争力強化のため、企業買収及び資本参加を含む投資、他社との業務提携等による事業の拡大を行うことがあります。新しい製品やサービスを提供するにはこのような経営戦略が不可欠となりますが、活動が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られない可能性があります。また、他社が事業戦略を変更した場合には、当社グループは資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になる可能性もあります。

 

⑥原材料等の調達

当社グループの製造事業にとって、高品質の原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに入手することは不可欠であり、そのために信頼のおける購入先を選定し調達活動を推進しています。しかし、購入先からの供給が中断した場合や業界内での需要が急増した場合、もしくは需給環境の変化等によりその調達価格が高騰する可能性もあります。このような場合には、購入先の変更や追加、あるいは他の原材料や部品の切り替え等がタイムリーに行うことができず、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑦情報システムに関するリスク

当社グループは、ほとんどすべての業務において情報通信システムのサポートを受けています。また、情報通信システムも年々、複雑化・高度化しています。当社グループは、信頼性向上のため様々な対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備していますが、テロ、自然災害、ハッキング等の外的要因や人為的ミス、コンピュータウィルス等により情報通信システムの不具合、故障が生じる可能性があります。業務が一時的に中断し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑧代理店等の財政状況

当社グループの販売取引先は、当社グループとの契約に基づき、代金後払いで製品・サービスを購入している場合があります。

万一、当社グループが多額の売掛債権を有する販売取引先の財政状態が悪化し、契約条件どおりの支払いを受けられない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

⑨有能な人財確保

当社グループは、人材は最も重要な財産の1つと捉え、グループ内では『人財』と表現しています。

当社グループの将来の永続的な成功は、人財がその能力を高め、会社に継続的に貢献し続けることと考え、経営理念に共感する人財を計画的に確保し、自律人財の育成に注力しています。従って、有能な人財の継続的な確保・育成ができない場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(3)中長期経営計画等に関するリスク

①中長期経営計画等の目標達成

当社グループは、創立100周年を迎える平成29年(2017年)までに「真のグローバル企業」となることを目指す「Vプラン2017」を推進しています。しかし、当社グループの計画達成に向けた取り組みにもかかわらず、事業環境の更なる悪化などの要因により、すべての目標達成又は期待される成果の実現に至らない可能性もあります。

 

②事業構造改革

当社グループは、継続的な成長と収益力の更なる向上を目指すため、事業の選択と集中を進め、経営の効率化を図ってまいります。しかしながら、これらの事業再編や事業構造改革推進の過程において、費用の増加等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。

 

(4)法的規制及び訴訟等

①製品の欠陥

当社グループは、厳格な独自品質基準に基づき、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社グループは製造物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社グループのブランドイメージの低下、顧客の流出などを招き、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権による保護に努めていますが、出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。また、知的財産権により保護されている第三者の技術を利用したい場合などには、その技術が利用できない、又は不利な条件で利用せざるを得ない場合もあります。加えて、当社グループが知的財産権に関し、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。

 

③会計基準及び税制等の変更

新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

④環境に関する規制

当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループはこれら法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤気候変動に関する規制

気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まっています。当社グループにおいて、これら規制の強化に伴い、新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更、設備の変更等の対応費用が増加することで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報の流出

当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手したり、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じたり、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦その他の法的規制等

当社グループは、日本及び諸外国・地域の様々な規制に従って事業活動を行っています。これらの法規制や許認可制度等が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが、不適切な対応や重大な違反をした場合には、当社グループの事業やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

当社グループの事業拠点は、日本をはじめ世界各地に展開しています。大地震や大津波、台風、洪水などの自然災害やサイバー攻撃、戦争、テロ行為等の事象に伴う惨事、電力等のインフラ停止などの混乱状態に陥る可能性があります。また、重大な労働災害又は強毒化した新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの設備の損害だけでなく貴重な人的資源に重大な影響を与え当社グループの事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。

この為に、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

(6)風評に関するリスク

当社グループは、法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)その他のリスク

①年金債務

当社及び一部のグループ会社では外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、数理計算上の差異(損失)が増加し、将来にわたる退職給付費用が増加する可能性があります。

 

②固定資産の減損

当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③繰延税金資産

繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

技術供与契約

契約会社名

契約相手先名称

国名

契約内容

対価の受取

契約期間

TOTO㈱

(当社)

厦門和利多衛浴科
技有限公司

中国

便座・便蓋・排水弁等の製造技術等の提供

一定料率のロイヤルティ

平成19年1月1日から平成28年12月31日まで

 

6【研究開発活動】

「Vプラン2017」で目標に掲げた「真のグローバル企業」の実現のため、グローバル5極体制のもと、日本で開発したオンリーワン技術をベースに、地域特性に応じた商品の研究開発を進めています。

また、多様なニーズに対応して、多品種を効率的に生産していくための研究開発を行っています。併せて、組み立てやすい部品の設計やコスト削減、生産リードタイムの短縮を図るために部材のプラットフォーム化を推進しています。

高齢化した社会では、より使いやすく快適で安全な商品や空間が求められており、当社グループでは、年齢や性別、身体的状況、国籍、言語、知識、経験などの違いに関係なくすべての人が快適、安全に使える商品のデザインを行う「ユニバーサルデザイン(UD)」を推進しています。現在では、UD研究所にて、商品開発者がモニターの方々との対話や観察・検証を繰り返し、より使いやすく快適で安全な商品開発を行っています。

燃料電池の発電モジュールとして開発しているセラミック製発電セル(SОFC)は、エネルギー消費量を抑制してCOの削減に大きく貢献する技術です。これまで当社が培ってきたセラミック技術を応用した研究開発を行っており、高い発電性能と耐久性をもつ発電モジュールの開発に特化し、早期の事業化を目指しています。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は184億6千6百万円です。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の活動内容、及び研究開発費は次のとおりです。

なお、各セグメントに配賦できない研究開発費が24億1千2百万円あります。

 

a.国内住設事業

日本市場においては、毎日の暮らしの中でお客様が快適に過ごしながらも、知らず知らずのうちに地球環境を守ることのできる商品の研究開発を進めています。

当連結会計年度においては、便器のきれいが長持ちする「きれい除菌水(次亜塩素酸水)」を使った新機能「においきれい」を搭載したウォシュレット一体形便器や、パブリック向けの商品「ウォシュレットPS」を発売しました。「ウォシュレットPS」に採用した「エコリモコン」は、リモコンを設置する際の配線工事やリモコン内部の乾電池が不要で、ボタンを押すたびに発電し、その電力でリモコンが作動する商品です。

また、タンク式とフラッシュバルブ式の長所を兼ね備えた電源不要の新しい洗浄システム「フラッシュタンク式」のパブリックコンパクト便器を発売しました。この商品は、一般的なフラッシュバルブ式に比べて、省施工化が図れるだけでなく、給水設備(配管とポンプ)のサイズダウンが可能で、建物の省資材化を図ることができます。

当社のUD研究所が参画して、TDYアライアンスの3社が共同で動作検証を実施した商品が、DAIKENから発売されました。これは、車いすから便器への乗り移りや介助が可能な空間を確保できるトイレ用ドア「ひきドア」で、当社が平成26年12月に発売した「前方ボード(スイングタイプ)」と併設することにより、限られたトイレ空間でも介助者の負荷軽減が期待できる商品です。

平成27年2月、ボリュームゾーンのウォシュレットに採用している吐水技術が、一般社団法人日本流体力学会の『2014年度学会賞「技術賞」』を受賞しました。受賞名は「バルーン状大気泡を用いた間欠吐水技術の開発と省エネ温水洗浄便座の普及」で、水と空気の性質を巧みに利用し、単純構造で複雑系を制御している点が画期的であることなどが評価されたものです。

当セグメントに係る研究開発費は135億4千7百万円です。

 

b.海外住設事業

海外市場においては、世界的な課題である節水やCOの削減、大気浄化などの環境配慮を軸に、日本で開発したコアテクノロジーをもとに、高機能・高品質を維持しながら、各国の規制や基準を満たした商品開発を行い、それぞれの地域に合ったデザイン設計を進めています。なお、各生産拠点では、最新技術を導入すると共に、日本で培った技術を伝承し、技術者の育成も進めています。

海外住設事業に係る研究開発費は、合計で8億7百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれ米州が5億6千9百万円、中国が1億6千5百万円、アジア・オセアニアが3千8百万円、及び欧州が3千3百万円です。


c.新領域事業

オンリーワン技術を活かした新領域事業の創出に向けて、様々な研究開発を行っています。

環境浄化技術「ハイドロテクト」は、当社グループによって、世界で初めて実用化に成功した技術で、内外装タイル建材・塗料・コーティング材等の光触媒層に光が当たると「分解力」と「親水性」が発生し、大気汚染物質(NOx)を除去する空気浄化効果や建物の外観をきれいに保つセルフクリーニング効果、抗ウィルス性・抗菌性等を有しています。また、「ハイドロテクト」を大型セラミックス陶板に施した「ハイドロセラ」シリーズは、高い耐久性によって、各種ビルなどのパブリック物件において信頼を獲得しています。「ハイドロテクト」は、自社製品への応用にとどまらず、パートナー企業と共に多様な建材を通じて更なる普及を目指しており、国内外で広く環境保全に貢献しています。

セラミック事業においては、半導体の製造装置の分野で、エアスライド、静電チャック、ボンディングキャピラリーなどといった高品質・高精度セラミック製品の研究開発を進めています。また、エアロゾルディポジション(AD)法を用いた緻密で密着力の高い「AD膜」の商材を増やし、幅広く採用いただいています。

新領域事業に係る研究開発費は、合計で16億9千9百万円であり、各セグメントに係る研究開発費は、それぞれセラミック事業が13億3千7百万円、環境建材事業が3億6千2百万円です。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や合理的な方法等で処理していますが、引当金や資産の収益性の低下等による評価減等については、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しています。なお、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内の住宅市場は、駆け込み需要の反動によって新設住宅着工やリフォーム需要の減少などの影響があり、売上高は前連結会計年度比1.6%減の5,445億9百万円となりました。

利益面では、営業利益は前連結会計年度比20.7%減の374億2千6百万円、経常利益は前連結会計年度比21.3%減の396億6千2百万円となりました。

事業再編費用及び環境対策費等を特別損失として計上した結果、当期純利益は前連結会計年度比43.8%減の248億1千3百万円となりました。

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

①流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,666億3千7百万円(前連結会計年度末は2,588億円)となり、78億3千7百万円増加しました。

前連結会計年度末からの主な増減要因については、商品及び製品が101億7千4百万円の増加、現金及び預金が68億4千8百万円の増加、原材料及び貯蔵品が14億3百万円の増加、その他流動資産に計上している未収入金が10億4千5百万円の増加、受取手形及び売掛金が77億3千1百万円の減少、有価証券が60億1千万円の減少となっています。

②固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は、2,503億5千7百万円(前連結会計年度末は2,175億8千6百万円)となり、327億7千万円増加しました。

前連結会計年度末からの主な増減要因については、投資有価証券が131億2千5百万円の増加、建物及び構築物が127億7千7百万円の増加、機械装置及び運搬具が115億8千7百万円の増加、建設仮勘定が75億5千8百万円の減少となっています。

③負債

当連結会計年度末における負債の残高は、2,364億1千2百万円(前連結会計年度末は2,197億9千万円)となり、166億2千2百万円増加しました。

前連結会計年度末からの主な増減要因については、退職給付に係る負債が171億4千3百万円の増加、未払金が19億2千8百万円の増加、短期借入金が18億2千3百万円の増加、その他流動負債に計上している預り金が11億3千6百万円の増加、長期借入金が37億7百万円の減少、未払法人税等が22億7千5百万円の減少となっています。

④純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は、2,805億8千2百万円(前連結会計年度末は2,565億9千6百万円)となり、239億8千6百万円増加しました。

前連結会計年度末からの主な増減要因については、当期純利益248億1千3百万円による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定が116億8百万円の増加、その他有価証券評価差額金が88億3百万円の増加、退職給付に係る調整累計額が57億6千4百万円の増加、会計方針の変更による累積的影響額202億9百万円による利益剰余金の減少、剰余金の配当87億3千7百万円による利益剰余金の減少となっています。

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。

 





出典: TOTO株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書