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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における国内経済は、中国をはじめとするアジアを中心とした新興国向けの輸出の増加や欧米地域の景気の持ち直し等により緩やかな回復傾向を辿っているものの、デフレの影響、厳しい雇用情勢、原油価格の高騰および為替レートの変動等、景気を下押しするリスクが内在しており、不安定な状況が続いております。

建設業界におきましては、住宅関連を中心に民間設備投資の持ち直し感があるものの、国内の公共投資については景気対策として平成22年度補正予算が成立しましたが、補正予算を含めても公共投資関係費は前連結会計年度を下回る状況となりました。また、3月に発生した東日本大震災は、巨大地震と想定を超える津波により、未曾有の大災害を引き起こしました。これによる国内経済への影響は計り知れないところがあり、個人消費の落ち込み、電力不足の長期化による経済活動の低下、被災地の工場操業停止の影響が全国に波及することによる鉱工業生産の下振れ等のマイナス影響が考えられ、国内経済は先の見通しのつかない状態となっております。

このような経済状況のもとで、当社グループはPC(プレストレスト・コンクリート)技術を基軸とした総合建設業として、橋梁に代表される公共工事を中心とした「土木建設事業」と民間工事を中心とする「建築建設事業」を2本柱とし、高強度・高品質、耐久性・耐震性に優れたPC技術を建築や一般土木へ応用することを強力に押し進め、他社との差別化を図り「我が国トップのPCゼネコン」を目指してまいりました。構造物の新設工事はもちろん維持補修分野、リニューアル工事においても積極的に取り組み、土木においては既にその耐震性が実証されている橋脚補強PCコンファインド工法、建築においてはPCaPC(プレキャスト・プレストレスト・コンクリート)外付けフレーム耐震工法を受注・施工してまいりました。また、構造物の長寿命化を図るため、橋梁床版取替や電気防食等の維持補修技術の強化、さらに材料・設計・施工を含めた構造物の高耐久性化のための研究・開発に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は866億36百万円(前年同期比27.0%減)、営業利益14億27百万円(同56.5%減)、経常利益9億47百万円(同69.8%減)、当期純利益5億35百万円(同64.0%減)となり、3期連続の黒字を計上いたしました。

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

土木建設事業は、公共投資が昨年同様に低調に推移しております。受注高及び前期繰越工事が減少しており、売上高は533億16百万円(前年同期比29.5%減)、セグメント利益は53億97百万円(同3.6%増)となりました。 

建築建設事業は、民間設備投資の先行きは不透明であり、厳しい市場環境が続いております。受注高は増加しておりますが、前期繰越工事が減少しており、売上高は338億64百万円(同22.2%減)、セグメント利益は22億88百万円(同35.5%減)となりました。

製造事業は、売上高は47億65百万円(同43.5%減)、セグメント利益は1億88百万円(同63.6%減)、その他兼業事業は、売上高は27億79百万円(同6.9%増)、セグメント利益は2億59百万円(同6.8%増)となりました。

なお、セグメントの業績は、報告セグメントの売上高、セグメント利益を記載しております。

また、当社は、国土交通省関東地方整備局(認定時期:平成13年4月〜平成16年3月)、同省近畿地方整備局(認定時期:平成12年4月〜平成15年12月)および福島県(認定時期:平成13年4月〜平成15年12月)がプレストレスト・コンクリート工事として発注する橋梁の新設工事の入札に関して、当連結会計年度中に公正取引委員会より独占禁止法の規定に基づく排除措置命令を受け、これに伴い国土交通省より建設業法の規定に基づく営業停止処分を受けました。

本件処分を厳粛に受け止め、当社グループは法令遵守、特に独占禁止法違反行為を排除するために、社員へのコンプライアンス教育等実施しておりますが、今後同様の事態を繰り返さないよう、当社グループのコンプライアンス体制の一層の強化に引き続き取り組んでまいる所存です。

(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等は含まれておりません。

(2)キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

営業活動の結果、使用した資金は5億42百万円(前連結会計年度33億21百万円の獲得)となりました。これは主に仕入債務及び未成工事受入金の減少額の合計が売上債権及びたな卸資産の減少額の合計額を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)  

投資活動の結果、使用した資金は4億7百万円(前年同期比27.7%減)となりました。これは主に関係会社による事業用土地の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)   

財務活動の結果、使用した資金は2億85百万円(前年同期比92.7%減)となりました。これは主に長期借入金の返済及び短期借入金の純増加によるものであります。

以上により、当連結会計年度における現金及び現金同等物は12億50百万円減少し、期末残高は73億24百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成22年4月1日
 至 平成23年3月31日)

前年同期比(%)

土木建設事業(百万円)

40,303

△9.0

建築建設事業(百万円)

39,429

20.7

製造事業(百万円)

970

△57.9

その他兼業事業(百万円)

2,526

14.3

合計(百万円)

83,230

2.1

(2)売上実績

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成22年4月1日
 至 平成23年3月31日)

前年同期比(%)

土木建設事業(百万円)

50,103

△29.8

建築建設事業(百万円)

33,721

△22.5

製造事業(百万円)

970

△57.9

その他兼業事業(百万円)

1,841

23.2

合計(百万円)

86,636

△27.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当社グループ(当社及び連結子会社)では、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度

売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

当連結会計年度

国土交通省    8,799百万円   10.2% 

なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。

①受注高、売上高、繰越高及び施工高

 期別

種類別

前 期繰越高

(百万円)

当 期受注高

(百万円)

(百万円)

当 期売上高

(百万円)

次期繰越高

当 期施工高

(百万円)

手持高

(百万円)

うち施工高

(百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度
(自平成21年4月1日
至平成22年3月31日)

土木工事

69,018

35,835

104,853

58,442

46,411

13.8

6,390

48,694

建築工事

42,634

32,388

75,023

43,130

31,892

9.6

3,046

40,187

工事計

111,652

68,224

179,876

101,573

78,303

12.1

9,436

88,882

製品

2,853

1,702

4,556

4,088

467

7.8

36

3,148

不動産事業

756

756

41

715

41

兼業計

2,853

2,458

5,312

4,130

1,182

3.1

36

3,189

 合計

114,506

70,682

185,189

105,703

79,486

11.9

9,473

92,071

当事業年度
(自平成22年4月1日
至平成23年3月31日)

土木工事

46,411

32,986

79,397

42,710

36,687

10.8

3,950

40,271

建築工事

31,892

39,149

71,042

33,420

37,621

5.2

1,971

32,345

工事計

78,303

72,136

150,440

76,131

74,308

8.0

5,922

72,617

製品

467

937

1,405

1,063

341

3.5

12

1,038

不動産事業

715

1,442

2,157

757

1,400

757

兼業計

1,182

2,380

3,563

1,821

1,741

0.7

12

1,796

 合計

79,486

74,517

154,003

77,952

76,050

7.8

5,934

74,414

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注高にその増減を含んでおります。

2.次期繰越高の施工高は手持高のうち工事及び製品の支出金より推定したものであります。

3.当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致します。
なお、不動産事業の当期施工高は当期売上高と一致しております。

②受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

 (自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

土木工事

34.2

65.8

100.0

建築工事

32.4

67.6

100.0

当事業年度

 (自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

土木工事

17.8

82.2

100.0

建築工事

27.2

72.8

100.0

③完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

 (自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

土木工事

31,950

26,491

58,442

建築工事

3,608

39,521

43,130

35,559

66,013

101,573

当事業年度

 (自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

土木工事

26,567

16,143

42,710

建築工事

2,094

31,326

33,420

28,662

47,469

76,131

(注)1.完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度請負金10億円以上の主なもの

国土交通省

さがみ縦貫相模川渡河部上部工事

中日本高速道路㈱

第二東名高速道路猿田川橋(PC上部工)上り線工事

西日本高速道路㈱

第二京阪道路交野高架橋(PC上部工)工事

東急不動産㈱ 

(仮称)東五反田一丁目計画新設工事

日本医療サービス㈱

(仮称)山王メディカルプラザ新築工事

当事業年度請負金10億円以上の主なもの

国土交通省

平成20−22年度 大坂谷川橋上部工事

中日本高速道路㈱

第二東名高速道路 上伊佐布第一高架橋(PC上部工)下り線工事

西日本高速道路㈱

舞鶴若狭自動車道 和久里高架橋(PC上部工)工事 

大成建設㈱

東京国際空港D滑走路建設外工事のうち桟橋2工区工事

メトロキャッシュアンド

キャリージャパン㈱ 

(仮称)メトロ辰巳プロジェクト

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

当事業年度

国土交通省    7,992百万円   10.5% 

④手持工事高

 

(平成23年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

土木工事

20,334

16,352

36,687

建築工事

1,849

35,772

37,621

22,183

52,125

74,308

(注) 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なもの

国土交通省

成瀬ダム国道付替1号橋上部工工事 

平成23年11月完成予定

中日本高速道路㈱

第二東名高速道路生平橋他2橋(PC上部工)工事 

平成24年5月完成予定

㈱三菱東京UFJ銀行 

(仮称)千歳船橋ハウス2号棟計画

平成23年10月完成予定

㈱ゴールドクレスト 

(仮称)クレストフォルム北赤羽Ⅱ 

平成24年7月完成予定

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、富山軌道スラブ製作運搬 

平成26年2月完成予定

3【対処すべき課題】

今後の建設業を取り巻く環境は、平成23年度の公共事業費が昨年度に比べ5%減額されたことや、今回の大震災により、甚大な被害を受けた企業はもとより、民間企業においては、設備投資計画を含む事業活動そのものの見直しや購買意欲減退による事業計画の先送りといった厳しい状況が予測され、非常に不透明な環境が続くものと思われます。

当社グループは、企業体質のさらなる強化と盤石な経営基盤を構築し、黒字化の流れを鋭意継続していくことは勿論のこと、継続して成長し続けるため、これまで取り組んできた強化策を承継し、更に次の施策に取り組んでまいります。

1.事業の選択と集中

当社の得意とするPC事業を更に強化し、他社との差別化を推進して受注拡大に向け積極的に取り組んでまいります。

2.営業戦略の更なる強化

建築部門においては重点注力3分野としてPC建築・リニューアル・官庁工事の強化を図るとともに、土木部門では技術提案力の強化・コストダウンの徹底・プレキャスト製品の高性能、高品質化を推進して、工事の受注拡大に取り組んでまいります。また、インドネシア、ベトナムにある海外工場(プレキャスト製品の製造)を拠点として、海外土木の受注を推し進めてまいります。

3.原価管理の徹底

工事進行基準の浸透に伴う「原価管理」の更なる徹底を図り、売上利益の確保を目指してまいります。

4.事業体制の検討

当社の取り組んでいるPC土木事業、一般土木事業、PC建築事業及び一般建築事業に加え、土木部門では開発メンテナンス分野(非橋梁案件の受注拡大)や民間土木分野を推進していくほか、建築部門では開発事業に取り組んでまいります。

5.人財の強化

事業の推進を図るため、若年層の減少と中間層の肥大化の是正に向けた採用計画の実施およびトップマネジメント研修の新設をはじめとする各種研修制度の活用ならびに積極的な人事ローテーションにより、複数業務に対応できる人財を育ててまいります。

6.安全管理の徹底

無事故・無災害を目指し、日々の職場の中で「指さし確認」「声掛け確認」等を実践して「危険の芽」を摘み取り、「安全優先の企業風土」の更なる浸透を図ってまいります。

7.CSR活動の推進

当社グループでは、CSRの基本活動方針として「コンプライアンスの徹底」「リスクマネジメントの強化」「ステークホルダーコミュニケーションの推進」「地域社会への貢献」等の方針を掲げており、「人と自然が調和する豊かな環境づくりに貢献する」の基本理念の実現に向けてPDCA(計画・実行・評価・改善)を実践することで、CSRへの取り組みを積極的に推進してまいります。

なお、当社グループは、地震発生直後に「災害対策本部」を設置し、被災した自治体等への物資の提供および既設橋梁調査や建築物件の調査・応急処置等への人的支援を速やかに実施しました。今後の被災インフラの整備・復旧へ向けて、国・県その他官庁等との連携を図りながら、迅速かつ積極的な対応を図るべく「震災インフラ対策プロジェクトチーム」を設置し、我が国の復興に向けて全グループ会社を挙げて取り組んでまいる所存です。 

4【事業等のリスク】

当社グル−プの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項としては、以下のようなものがあります。当社グル−プは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)公共事業の減少

土木工事における公共事業への依存度が高い当社グル−プにおいて予想以上に公共事業の削減が行われた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)発注単価のダウン

公共事業の発注単価の低下が予想以上に進行する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)カントリーリスク

東南アジア各国で事業を展開しているため、これらの国で政変、大幅な法規制の変更等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)取引先の信用リスク

顧客、取引先の不測の倒産等により、工事代金の回収が困難になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)資材価格の変動

請負金額に反映することが困難になるほど原材料価格が高騰した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)大規模災害の発生

事業に関し大規模な事故災害が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、大震災等の発生により、経営機能や事業拠点が莫大な損傷を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替の変動

海外事業に関し、各国の為替レートが予想以上に変動した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)金利の変動

現在の金利が予想以上に高騰した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)資産価額の変動

予想を超える経済的な変動により当社の資産価額の下落が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)瑕疵担保責任及び製造物責任

品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任及び製造物責任による巨額の損害賠償が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)訴訟等

国内外の事業等に関連しての訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

とりわけ、独占禁止法違反から派生する指名停止等により、受注機会が減少する可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

技術提携契約について

当社の重要な技術提携契約の内容は下記のとおりであります。

 

契約先名

内容

契約期間

(イ)

極東鋼弦コンクリート振興株式会社

フランス、STUP社のフレシネー工法の非独占的再実施に関する技術援助の取得

(a)同工法に使用するジャッキは契約先より有償貸与

(b)同工法に使用する定着具は契約先より有償供与

昭和42年7月23日から昭和52年7月22日まで

(以後2年毎更新)

(ロ)

日本BBR協会

スイス、BBR社のBBR工法に関する非独占的再実施権の取得、同工法に使用したPC鋼材に基準を置き、所定の再実施料を支払う

昭和56年10月25日から

(以後5年毎更新)

(ハ)

株式会社エスイー

フランス、SEEE社のSEEE工法に関する非独占的再実施権の取得

同工法に使用する定着具PC鋼材は契約先より有償供与

昭和44年5月31日から昭和63年6月30日まで

(以後2年毎更新)

(ニ)

住友電気工業株式会社

ドイツ、ディッカーホフビドマン社のディビダーク工法に関する非独占的再実施権の取得

(a)同工法に使用するPC鋼材は契約先より有償供与

(b)同工法に使用したPC鋼材に基準を置き所定の再実施料及び技術指導料を支払う

昭和45年2月1日から昭和51年6月30日まで

(以後1年毎更新)

(ホ)

株式会社シー・シー・

エル・ジャパン

イギリス、シー・シー・エル・システム社のCCL工法に関する非独占的再実施権の取得

(a)同工法に使用するジャッキは契約先より有償貸与

(b)同工法に使用するPC鋼材定着装置は契約先より有償供与

昭和48年4月1日から昭和49年3月31日まで

(以後1年毎更新)

(ヘ)

清水建設株式会社

ドイツ、ポレンスキー・ツエルナー社が開発し、清水建設に権利を譲渡したP&Z工法(P&Z式移動支保工)に関する非独占的実施権の取得

同工法を使用して施工した上部工相当額に基準を置き、所定の実施料を支払う

平成元年6月14日から平成6年6月13日まで

(以後1年毎更新)

(ト)

ブイ・エス・エル・ジャパン株式会社

スイス、ロージンガー社のVSLポストテンション工法に関する非独占的再実施権の取得

(a)同工法に使用したPC鋼材に基準を置き所定の再実施料を支払う

(b) 同工法はVSLアンカー工法を包含しない

昭和62年7月1日から平成6年6月30日まで

(以後5年毎更新)

(チ)

極東鋼弦コンクリート振興株式会社

フロンテ・ジャッキング工法に関する非独占的再実施権の取得

(a)同工法を使用して施工した内空利用を目的とする構造物に対しては内空面積、また内空利用を目的としない特殊構造物に対しては全断面積に基準を置き所定の再実施料を支払う

(b) 内径2.7m未満の円形構造物は除外される

平成8年9月1日から平成13年8月31日まで

(以後2年毎更新)

(リ)

更生会社オリエンタル白石株式会社

高周波熱錬株式会社

予め緊張力を与えた中空PC鋼棒を使用して、コンクリート部材にプレストレスを導入するNAPP工法の非独占的実施権の取得

同工法に使用する資機材は契約先の指定者から購入及び有償貸与

平成9年5月8日から平成11年5月7日まで

(以後1年毎更新)

 

契約先名

内容

契約期間

(ヌ)

株式会社安部日鋼工業
株式会社石井鐵工所

内部の空気圧を外部の空気圧より高めにして、その気圧差で支えた膜を利用してコンクリートを施工し、固化させて構造物を建築するエアードーム工法の実施権の取得

平成11年8月10日から平成13年3月31日まで

(以後1年毎更新)

(ル)

バンシ・コンストラクション・グラン・プロジェクツ

フランス、カンプノンベルナールSGE社が開発した上下床版を波形鋼板ウェブにより接続し、波形鋼板ウェブとコンクリートの接合部にフランジ溶接を用いて橋梁を構築する工法に関する実施権の取得

平成14年11月25日から平成17年11月24日まで

(以後3年毎更新)

(ヲ)

サブコール・コンサルティング株式会社

フィンランド、サブコール・コンサルティング社が開発したコンクリートの表面から常時微弱な電流を鋼材に流入させておくことにより、鋼材の腐食を防止する電気防食工法に関する技術援助の取得及び日本における材料の販売優先権の取得

平成11年12月8日から平成13年12月31日まで

(以後自動継続)

(ワ)

サブコール・アルト株式会社

フィンランド、サブコール・アルト社が、電気防食技術を応用して開発した、海洋生物の付着を防止し、鋼材腐食をも同時に防止するGAFシステムの独占販売権を取得

平成14年5月16日から平成19年5月15日まで

 (以後自動継続)

(カ)

太平洋セメント株式会社

超高強度コンクリート素材ダクタルのフルプレミックス材料を使用することができる日本国内における非独占的な再実施権

平成15年3月6日から特許消滅まで

(ヨ)

ブイ・エス・エル・ジャパン株式会社

建設工事において、プレストレス工法を用いて超高強度コンクリート素材ダクタルの製品を製造し、それを使用することができる日本国内における非独占的な再実施権

平成17年4月1日から平成22年3月31日まで

 (以後1年毎更新)

(タ)

ブイ・エス・エル・ジャパン株式会社

超高強度コンクリート素材ダクタルを用いて、プレストレス・プレキャスト製品を製造・販売することができる日本国内における非独占的な再実施権

平成17年4月1日から平成22年3月31日まで

 (以後1年毎更新)

(レ)

太平洋セメント株式会社

水硬性複合材料Gハードを使用して製品を製造・販売することができる非独占的な再実施権

平成15年4月14日から特許消滅まで

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社において、社会のニーズを的確に把握するように技術開発部門を全社的に配備し、プレストレストコンクリート技術および在来技術の改良、新規分野への適用を目指して、効率的に成果をあげる施策を講じながら研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、海外からの技術導入、情報の収集をはじめ、産・官・学との共同研究を積極的に推進しております。

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3億91百万円であります。

1.土木建設事業 

(1)PCコンファインド工法の実績が増加

当社独自開発のPCコンファインド工法が採用実績を重ねつつあります。本工法はRC橋脚の耐震補強工法であり、施工の難易度の高い河川内橋脚に対して優位性のある工法と評価されています。本工法は平成22年度のNETISの「活用促進技術」に指定されました。「活用促進技術」に指定されると、当該技術は国土交通省により計画的に活用促進が図られます。そのため、技術提案時、工事請負時には他の工法よりも高く評価されることから、今後のPCコンファインド工法の普及に大きく役立つものと考えられます。

「NETIS(新技術情報提供システム−New Technology Information System)とは」

国土交通省が、新技術の活用のために整備している新技術に関わる情報の共有及び提供を目的とした技術情報システムです。

「活用促進技術とは」

NETISに登録された技術の中から、国土交通省各地方整備局等の新技術活用評価会議が優れた技術の活用促進を図るために指定する新技術です。

(2)超高強度コンクリートの実用化に関する研究

従来のセメント系高強度材料の弱点であった、収縮性状、高コストを克服するため、粗骨材を含んだ超高強度コンクリートの開発を行っています。超高強度コンクリートの収縮性状を改善することにより製造・施工効率の改善が見込まれ、品質を向上させることができます。これに用いる粗骨材には産業廃棄物を想定しているため、本技術の開発は環境負荷の低減も期待できます。また、同時に経済性においても有利となり、幅広い分野での活用が期待できます。

(3)コルティー工法の実績が増加

本技術は当社独自の技術である、波形鋼板ウェブを用いたT桁橋であるコルティー工法の実績が増加してきました。本工法はプレテンション単純桁橋のみならず、連結桁、ポストテンションセグメント桁などにおける実績を重ね、その都度、本工法の改良を進め、さらなる適用範囲の拡大を図っています。

(4)プレテンションウェブ工法の実績が増加

これまで開発を続けてきた、箱桁ウェブをプレテンションプレキャスト部材とするプレテンションウェブ工法の実績が増加してきました。本工法は箱桁橋の施工上の課題であったウェブをプレテンションプレキャスト部材とすることにより、品質向上、工期短縮が図れるものです。また、プレキャスト部材であるため、現場施工が少なく環境に優しい工法といえます。実績を重ねる毎にプレキャスト部材の接合方法などの改良を行い、品質、施工性の向上に努めて参りました。本工法は中〜大規模橋梁への適用が可能であるため今後の発展が期待できる工法です。

(5)H型PC杭の実績が増加

H型PC杭も当社独自の技術であり、試験的な採用から本格的な採用へと適用の規模も大規模になりつつあります。また、規模のみではなく擁壁、地中連壁、地下構造物側壁、アンダーパス側壁など用途も多岐にわたるものとなってきています。優れたH型PC杭の部材性能をいかんなく発揮させるためには、用途に合わせた関連技術の開発が必須であり、このことについても積極的に取り組んでおります。

(6)袋詰め脱水処理工法(SPADシステム)の改良

袋詰め脱水処理工法における量産施工設備(SPADシステム)は、開発段階から普及段階へと移行していますが、本格的受注に備えて、さらなる施工効率の向上に関する技術開発を継続しております。本技術は河川・湖沼底質の再利用技術であり、地球環境保護に大きく役立つ技術であります。

土木建設事業に係る研究開発費は3億31百万円であります。

2.建築建設事業 

(1)VERJON工法(異種強度コンクリートを打ち分けた鉄筋コンクリート梁工法)

鉄筋コンクリート構造の梁では、梁断面に必要とされるコンクリート強度と、梁両側のスラブに必要とされるコンクリート強度が異なる場合があります。施工において梁とスラブのコンクリートを打ち分ける場合、梁側面のスラブとの接合面に縦方向の打ち継ぎ箇所が生じるため、打ち分け面型枠の設置やコンクリート打設順序などの煩雑さが生じます。本研究開発では、これらの問題を解決するため、梁の上部と下部に強度の異なるコンクリートを打設することにより、打ち継ぎ等の施工の煩雑さを軽減させ、同時に高強度のコンクリート打設量を少なくしてコストダウンを図る工法を開発しました。梁の上部と下部でコンクリート強度が異なるので、梁の構造性能を実験により把握・検討し、実用化のための設計方法を確立しました。なお、本研究はゼネコン10社で組織された異種強度梁研究会による共同研究であり、平成22年10月に日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しました。

(2)PSMIX構法の開発

当社では、大型物流倉庫や量販店の受注拡大にむけて構・工法メニューの充実を図るため、PC造、RC造、S造に続く第四の構造として柱をRC造、梁をS造とするハイブリッド構法(PSMIX構法)の開発を行い、(財)日本建築総合試験所より建築技術性能証明を平成22年1月に取得しました。今後も引き続き本工法の適用範囲の拡大を目的として技術開発を継続し、建築技術性能証明の改定を行う予定です。

建築建設事業に係る研究開発費は59百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.財政状態の分析

文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)財政状態と流動性の分析

当連結会計年度末の総資産は、668億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ84億47百万円の減少となりました。

流動資産は494億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ85億33百万円減少しております。主な要因といたしまして未成工事支出金が33億9百万円、受取手形・完成工事未収入金等が26億38百万円、現金預金が12億50百万円、その他のたな卸資産が9億26百万円、未収入金が8億84百万円それぞれ減少したことによるものであります。

固定資産は174億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ86百万円増加しております。主な要因といたしましては投資その他の資産が3億17百万円減少しましたが、有形固定資産が4億4百万円増加したことによるものであります。

負債合計は492億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ91億16百万円減少しております。

流動負債は主に、短期借入金が12億1百万円増加しましたが、支払手形・工事未払金等が55億26百万円、未成工事受入金が27億32百万円、1年以内返済予定の長期借入金が15億円それぞれ減少したことによるものであります。

固定負債は主に、退職給付引当金の増加により1億6百万円増加しております。

純資産の部は、当期純利益5億35百万円の計上により176億74百万円となりました。

(2)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは5億42百万円の資金使用(前連結会計年度33億21百万円の獲得)となりました。これは主に仕入債務及び未成工事受入金の減少額の合計が売上債権及びたな卸資産の減少額の合計額を上回ったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは4億7百万円の資金使用(前年同期比27.7%減)となりました。これは主に関係会社による事業用土地の取得によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは2億85百万円の資金使用(前年同期比92.7%減)となりました。これは主に長期借入金の返済及び短期借入金の純増加によるものであります。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度より12億50百万円減少して、73億24百万円となりました。

(3)キャッシュ・フロー指標のトレンド 

 

平成19年3月

平成20年3月

平成21年3月

平成22年3月

平成23年3月

  自己資本比率(%)

18.0

13.3

14.7

22.5

26.4

  時価ベースの自己資本比率(%)

16.0

8.0

8.9

17.0

21.4

  債務償還年数(年)

5.8

3.6

  インタレスト・カバレッジ・ レシオ

7.2

11.0

(注)自己資本比率:自己資本/総資産 

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によって算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※平成19年3月期、平成20年3月期及び平成23年3月期は営業キャッシュフローがマイナスのため、債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。

2.経営成績の分析

(1)概要

当連結会計年度における国内経済は、中国をはじめとするアジアを中心とした新興国向けの輸出の増加や欧米地域の景気の持ち直し等により緩やかな回復傾向を辿っているものの、デフレの影響、厳しい雇用情勢、原油価格の高騰および為替レートの変動等、景気を下押しするリスクが内在しており、不安定な状況が続いております。

また、3月に発生した東日本大震災は、巨大地震と想定を超える津波により、未曾有の大災害を引き起こしました。これによる国内経済への影響は計り知れないところがあり、個人消費の落ち込み、電力不足の長期化による経済活動の低下、被災地の工場操業停止の影響が全国に波及することによる鉱工業生産の下振れ等のマイナス影響が考えられ、国内経済は先の見通しのつかない状態となっております。

(2)売上高

売上高は、前連結会計年度に比べ320億47百万円(27.0%減)減少し、866億36百万円となりました。土木建設事業の売上高は、公共投資が昨年同様に低調に推移し、受注高及び前期繰越工事が減少しており前連結会計年度と比べ212億96百万円減少し、501億3百万円となりました。

建築建設事業では民間設備投資の行き先は不透明であり、厳しい市場環境が続いており、受注高は増加しておりますが、前期繰越工事が減少しており前連結会計年度と比較して97億62百万円減少し、337億21百万円となりました。

製造事業は、前連結会計年度と比べ13億35百万円減少し、9億70百万円となりました。

その他兼業事業につきましては、前連結会計年度に比べ3億46百万円増加し、18億41百万円となりました。

(3)売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度に比べ299億41百万円(27.6%減)減少し、786億47百万円となりました。売上原価の減少は、売上高の減少に伴うものであります。また、売上総利益率は、省力化・合理化による原価低減の実行などにより土木建設事業の工事利益率が改善し前連結会計年度の8.5%から0.7ポイント上昇し9.2%となっております。

販売費及び一般管理費は徹底した経費節減の実行などにより、前連結会計年度に比べ2億48百万円(3.6%減)減少して65億61百万円となりましたが、売上高に対する比率は7.6%となり前連結会計年度の5.7%から1.9ポイントの上昇となっております。

(4)営業利益

営業利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上高の減少に伴い、売上総利益が減少したことにより、前連結会計年度に比べ18億58百万円悪化し、14億27百万円となりました。

(5)営業外損益

営業外収益では、前連結会計年度に比べスクラップ売却益が8百万円等増加しましたが、受取利息が37百万円、持分法による投資利益が15百万円、為替差益が86百万円の減少により1億28百万円減少の91百万円となりました。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ支払利息が1億29百万円等減少しましたが、為替差損3億28百万円等の増加により、前連結会計年度比2億5百万円増加の5億72百万円となりました。

(6)特別損益

特別利益は、主に固定資産売却益2億2百万円、貸倒引当金戻入益42百万円等の計上により2億47百万円となりました。

特別損失は、主に課徴金等1億12百万円、事業所移転費用1億44百万円等の計上により6億21百万円となりました。

(7)当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億52百万円(64.0%減)減少し、5億35百万円となりました。





出典: 株式会社ピーエス三菱、2011-03-31 期 有価証券報告書