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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の景気対策の効果や猛暑の影響、輸出拡大などにより、当初は緩やかな回復傾向を見せておりましたが、政府の景気対策の段階的な終了、更なる円高の進行や厳しさの続く雇用情勢などもあり、秋ごろには回復傾向にも陰りが見られました。その後、平成23年初めからの中東情勢の不安定化による原油価格の上昇などもあり、景気の先行き不透明感がさらに強まる状況となりました。そのような状況の中、平成23年3月11日には東日本大震災が発生し、地震及び津波により東北地方・関東地方において甚大な被害が生じました。東京電力福島第一原子力発電所における放射性物質の漏出、震災に起因する電力不足等、震災の影響は長期的かつ広範囲に及び、わが国経済の先行きを巡る不確実性が一層高まる状況となりました。
 当歯科業界におきましては、歯科診療報酬のプラス改定や、歯の健康への関心の高まりなど、業界全体の成長への期待をもたらす要素もありましたが、競争激化により価格下落要求が強まったほか、景況感の悪化の影響を受けて自費診療が手控えられる傾向もあり、厳しい状況が依然として続いています。
 このような状況下にあって、当社グループは、3年間の中期経営計画の2年目を迎え、「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念のもと、品質競争力、マーケティング力、価格競争力の強化を重点課題として位置づけ、これらの達成に向けて積極的な事業活動に取り組みました。
 当連結会計年度の売上高は、主力のデンタル関連事業及びネイル関連事業について、海外が回復傾向にあるものの、国内で売上高が伸び悩み、15,711百万円と前期に比べ328百万円(2.0%)の減収となりました。なお、為替変動による海外売上高全体への影響額は241百万円の減少であります。
 営業利益は、経費削減に努めましたが、減収の影響から、942百万円と前期に比べ113百万円(10.8%)の減益となりました。
 経常利益は、円高による為替差損の増加等、営業外損益の悪化により、758百万円と前期に比べ192百万円(20.3%)の減益となりました。
 当期純利益は、特別損益に固定資産売却益等を計上した結果、455百万円と前期に比べ65百万円(12.6%)の減益となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

①  デンタル関連事業

国内におきましては、双眼ルーペ「MiCDルーペ」、ポーセレンファーネス「エステマット スリム」、インプラント・プロビジョナルクラウン用仮着セメント「IPテンプセメント」、電動式骨手術器械「ピエゾン マスター サージェリー」などの新製品を市場投入したほか、前期に発売したフッ素徐放性フロアブルコンポジットレジン「ビューティフィル フロー プラス」、硬質レジン歯「ベラシアSA」などの拡販に努め、積極的な販売活動を推進しました。また、九州地区の営業拠点である福岡営業所を自社所有物件化したほか、全国の営業拠点において講習会等を積極的に開催するなど、販売拠点の機能強化、顧客サービスの充実を図りました。
 海外におきましては、引き続き新興市場での拡販に向けた市場開拓を進めるとともに、国際学会及び展示会でのMiCDシンポジウムや討論会開催並びに臨床研修会の開催等学術活動の強化に努めるなど、積極的な販売活動に取り組みました。
 しかしながら、国内売上高は、新製品が売上高に貢献したものの、既存製品の売上が伸び悩み、また、海外においても円高の更なる進行を受け、厳しい事業展開を余儀なくされました。
 これらの結果、デンタル関連事業の売上高は、14,114百万円と前期比154百万円(1.1%)の減収となり、営業利益は981百万円と前期比62百万円(5.9%)の減益となりました。

 

 

②  ネイル関連事業

ネイル関連事業は、株式会社ネイルラボ及び同社米国販売子会社でネット販売システムの拡充を行い、顧客への販売チャネルの多様化を通じた需要の掘り起こしに注力しつつ、自社グループ製品を中心に品揃えを拡大するなど、積極的な販売活動に取り組みましたが、長引く個人消費の低迷により、ネイル産業全体の市場の伸びが鈍る中、更なる価格競争の激化の影響等もあり、引き続き厳しい環境で推移いたしました。
  これらの結果、ネイル関連事業の売上高は、1,521百万円と前期比193百万円(11.3%)の減収となり、利益面は減収やのれん償却費の負担もあり、営業損失59百万円と前期比62百万円の減益となりました。

 

③  その他の事業

当社グループの株式会社昭研におきまして、歯科用研磨材の生産技術を応用し、工業用研磨材を製造販売しております。産業材等の需要回復により、当連結会計年度の売上高は80百万円と前期比19百万円(32.0%)の増収となり、営業利益は19百万円と前期比8百万円(82.9%)の増益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ278百万円(5.3%)減少し、5,016百万円となりました。
 

①  営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,162百万円のプラス(前年同期比5百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益766百万円、減価償却費613百万円による増加と法人税等の支払額267百万円によるものであります。 

 

②  投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,050百万円のマイナス(前年同期比380百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の預入による支出1,534百万円及び定期預金の払戻による収入1,052百万円と福岡営業所等の有形固定資産の取得による支出469百万円によるものであります。

 

③  財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、325百万円のマイナス(前年同期比1,354百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額289百万円によるものであります。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
デンタル関連事業
9,074
△22.4
ネイル関連事業
205
△22.0
その他の事業
78
32.0
合計
9,358
△22.1

(注) 1  金額は販売価格によっております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

当社グループは、販売計画に基づいて、生産計画を立て生産を行っておりますが、一部の製品に関しては受注生産を行っております。

 

セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
デンタル関連事業
191
16.9
25
30.0
ネイル関連事業
△100.0
その他の事業
合計
191
16.3
25
30.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
デンタル関連事業
14,114
△1.1
ネイル関連事業
1,520
△11.2
その他の事業
76
31.6
合計
15,711
△2.0

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

主たる相手先の販売実績割合が、10%未満のため記載しておりません。

3  セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

当歯科業界は、医療費抑制政策が進展する一方で、医療機器の安全性・信頼性向上のための規制は強化され、製品開発競争や、メーカー、流通をも含めた淘汰、再編等、業界全体の構造改革が進み、企業の存続を賭けた競争が加速化し、より厳しい経営環境になるものと考えられます。
 このような状況のもと、当社グループは創立90周年に向けて、当社第138期(平成21年4月開始)を初年度とする3年間の中期経営計画を改めて策定し、「国際的な新製品開発型企業(スペシャリティ・ファーム)を目指す」という目標を共有し、「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念を実現するために、徹底した顧客指向のもと、引き続き品質競争力、マーケティング力、価格競争力の強化を重点課題に掲げ、市場の拡大が期待できる分野に注力することにより、さらなる企業価値の向上・経営基盤の強化に取り組んでまいります。
 国内におきましては、増加する高齢者ニーズに応える商品や、歯周病の予防、審美、口腔衛生分野の商品開発体制の強化、世界市場に照準を合わせた先進的高機能製品の開発等に取り組み、市場創出とシェアアップを図ってまいります。
 海外におきましては、為替相場の変動による影響はあるものの、松風製品への支持は着実に広がっているものと認識しており、従来から展開しているアジア・欧米諸国における活動を強化する一方、南米、東欧、インド等の新興諸国においても市場開拓に向けた動きを本格化させ、世界規模での松風製品の拡売を目指します。
 生産面では、医療機器に対する安全対策面での規制強化等の変化に対応すべく、高いレベルの品質を担保する品質保証・安全管理体制を強化いたします。さらに、生産・物流の効率化と顧客サービスの向上に向けた体制を整備してまいります。
 また、ネイル事業分野におきましては、株式会社ネイルラボのブランド力と当社グループの研究開発力・生産技術力を結集して、美と健康を求める顧客の期待に応える商品を供給することにより、拡大を続けるネイル関連製品市場における確固たる地位の確保を目指します。

なお、当社は、平成22年5月14日開催の当社取締役会において、会社法施行規則に定める「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を一部変更するとともに、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。)への対応方針の内容を一部変更したうえで継続することを決定し、本対応方針継続の承認議案を平成22年6月25日開催の第138回定時株主総会に提出、承認されました。

 

Ⅰ  基本方針の内容

当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。

しかし、歯科器材の国際的メーカーである当社の経営においては、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、そして世界の歯科医療に貢献し、このことを通じて人々の「健康」と「美」に貢献するという当社に与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値を構成する要素等への理解が不可欠であり、これらを継続的に維持、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉等を機軸とした中長期的な視野を持った取組みが必要不可欠であると考えております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりこうした中長期的視点に立った施策が実行されない場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。

 

当社は、当社株式の適正な価値を株主及び投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めておりますものの、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切にご判断いただくためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社グループに与える影響や、買付者が考える当社グループの経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料となると考えます。

 

Ⅱ  当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、基本方針の実現に資する特別な取組みとして、平成21年度から平成23年度までを対象期間とした「中期経営計画」を策定しており、グループ売上高180億円の達成を目標としております。具体的には、①グローバルマーケティング機能の強化と新製品・新技術による需要の創造とシェアアップ、②海外事業の拡大、③コストダウン活動といった施策を通じて、企業価値ひいては株主共同の利益の向上につなげることを目指しております。

また、激しい企業環境の変化に迅速に対応し、責任の明確化を図り、職務遂行度をより厳しく問うことを目的として、取締役の任期を1年としております。また、監査役会につきましては、平成18年6月より、それまでの3名体制(常勤監査役1名、社外監査役2名)から、常勤監査役2名体制にし、執行に対する監督機能の強化を進めるなどの、コーポレート・ガバナンスの強化充実に向けて取組んでおります。

 

Ⅲ  会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成22年5月14日開催の取締役会において、Ⅰで述べた会社支配に関する基本方針に照らし、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本対応方針」といいます。)を継続することを決議いたしました。

本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ③取締役会又は株主総会が新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否について決議を行った後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を新株予約権の発行等を利用することにより抑止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。

当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社代表取締役宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。さらに、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する必要情報リストに基づき株主の皆様の判断及び当社取締役会の意見形成のために必要な情報の提供を求めます。

次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の必要情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)(最大30日間の延長がありえます。)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家等の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を取りまとめて公表します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。

 

当社取締役会は、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を防止するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者の中から選任された委員からなる企業価値検討委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置を発動すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置を発動すべきか否か、対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきか否か等の本対応方針に係る重要な判断に際しては、企業価値検討委員会に諮問することとします。企業価値検討委員会は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置発動を勧告した場合、②大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置発動を勧告した場合、及び③大規模買付者による大規模買付行為ないしその提案内容の評価、検討の結果、対抗措置の不発動を勧告した場合を除き、新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告を行います。

当社取締役会は、株主総会決議に従って、又は取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り企業価値検討委員会の前述の勧告を最大限尊重し、新株予約権の発行等の対抗措置の発動又は不発動に関する会社法上の機関としての決議を遅滞なく行います。対抗措置として新株予約権の発行を実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会又は株主総会が対抗措置の発動を決定した後も、対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の変更又は停止を行うことがあります。当社取締役会は、前述の決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。

本対応方針の有効期限は、平成22年6月25日開催の定時株主総会においてその継続が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで継続するものとし、以後も同様とします。なお、本対応方針の有効期間中であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、関係法令の整備や、金融商品取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、本対応方針の変更を行うことがあります。

なお、本対応方針の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレス http://www.shofu.co.jp/ir/)に掲載する平成22年5月14日付プレスリリースをご覧下さい。

 

Ⅳ  具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

Ⅱに記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、Ⅱに記載した通り、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。

また、Ⅲに記載した本対応方針も、Ⅲに記載した通り、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために導入されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として企業価値検討委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、企業価値検討委員会が株主総会に諮る必要がないと判断する限定的な場合を除き、原則として株主総会決議によって対抗措置の発動の可否が決せられること、本対応方針の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの有価証券報告書に記載した業績については、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には当社グループが事業の展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載していますが、これに限られるものではありません。

また当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性が必ずしも高くないとみられる事項も含めて、投資家の判断上、重要と考えられる事項については積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成23年6月28日)現在において予測しているものです。

 

(1) 製造販売業等の許可に関するリスク

当社グループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類、薬用歯みがき類及び体外診断用医薬品は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって薬事法の規制を受けており、法によって医薬品や医薬部外品、医療機器等に分類されます。
 これら商品を市販(製造販売)するには、製造販売業許可を都道府県知事から受ける必要があります。この許可要件としては、申請者に欠格要件が無いことや資格を有する管理者を相当数確保配置すること、適切な製造管理、品質管理の下に製造から出荷するための品質保証組織と市販後も安全で適正な使用を確保(推進)するための安全管理組織を設置し、総括製造販売責任者の下で法に準拠した手順で管理活動を実施することが求められます。またこれに付帯して医薬品や医薬部外品、医療機器等を製造するにあたっては、製造業の許可、又医療機関に販売するためには、販売業許可も必要になります。
 当社グループではこれらの許可の継続は事業にとって最重要課題のひとつとして認識をし、対応しておりますが、何らかの理由によりこれらの許可を取り消される事態に至った場合、当社グループの事業の継続にとって悪影響を及ぼす可能性があります。
 上記許可の有効期間は、製造販売業許可は5年、販売業許可は6年、製造業許可は5年であり、法令で定める許可要件を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、現時点において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。
 

(2) 品質及び安全性に関するリスク

当社グループは薬事法やその他規制要求事項を順守し、適切に品質マネジメントシステムが運用されておりますが、当社グループが製造販売する医薬品や医薬部外品、医療機器等の使用によって、保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがある場合には、これを防止するために、商品の自主回収、廃棄、販売の停止、情報の提供等必要な危害防止措置を講じなければなりません。
 その結果によっては当社グループが販売する商品の品質及び安全性に対する信用を損ない経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製造物責任に関するリスク

歯科材料の研究、開発、製造販売により、当社グループは潜在的な製造物責任請求の対象となります。これまでに、製造物責任の重要な請求若しくは訴追を受けたことはありませんが、将来的には直面する可能性がないとはいえません。これらのリスクに対応するため、当社グループは国内外における製造物責任保険に加入していますが、当社グループが負う可能性のある責任を補償するには十分でない場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法規制又は訴訟に関するリスク

当社グループの事業は、薬事規制、知的財産、環境規制等の様々な法規制に関連しています。当社グループでは法令順守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 新製品開発に関するリスク

当社グループは、人工歯をはじめとした歯科材料全般の製品化研究を行うとともに、歯科用機械器具等、歯科医療全域にわたる研究開発を行っています。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、その後の工業化研究を経て上市するには、医薬品や医薬部外品、医療機器等として、薬事法に基づく製造の許認可が必要となります。
 これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した試験で良い結果が得られ、承認又は認証申請した場合であっても、申請書の審査過程及びQMS適合性調査(製造管理及び品質管理体制並びに製造設備の適格性についての審査)等の様々な理由により承認又は認証が遅れたり、取得出来なかったり、又は自主的に申請の取り下げなどの場合があります。
 これらの場合に、当社グループの収益性を低下させ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 医療保険制度の動向に関するリスク

当社グループの取扱い製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 市場のグローバル化及び他業種の市場参入に関するリスク

日本の歯科市場はアメリカ、欧州に並ぶ大市場であり、中国を中心とするアジア市場の成長性を考えた場合、欧米の材料・機器メーカーにとって、日本を含むアジア市場は、世界でも最も有望な市場としてとらえることができます。世界的には、すでに欧米企業主導の市場再編の動きが活発化してきており、これらは欧米メーカーの世界戦略、とりわけ対日本・対アジア戦略の一環として認識する必要があります。これまで日本市場は、世界的に見ても特殊な健康保険制度や複雑な流通機構の影響もあり、外資の影響は比較的少なかったといえますが、市場のグローバル化に伴い、国際的な競争にさらされることになります。また、他業種からの参入についても販売競争の激化を引き起こし、これらの要因が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 市場性のある株式の減損に関するリスク

当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株式相場が大幅に下落した場合、有価証券評価損の計上により当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(9) 外国為替変動に関するリスク

外国為替変動は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループが為替リスクを負っている外貨建て取引における影響のほか、邦貨建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。

また、決算報告書は円を基準通貨として作成するため、在外子会社業績の邦貨換算に当たり、為替レートの変動により財務諸表項目に影響を与え、結果として当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えることとなります。

 

(10) 工場の閉鎖又は操業停止に関するリスク

火災、地震又はその他の人災若しくは自然災害により当社グループの工場、設備等が閉鎖又は操業停止を余儀なくされた場合、経営成績に対して深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 (11) コンピュータ情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、ネットワークへのセキュリティ対策を施しておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

 (12) 国際的な事業活動に関するリスク

当社グループは、海外各国において様々な事業活動を展開しておりますが、海外各国における、薬事行政や医療保険制度はもとより、海外各国の政治、経済、文化、法律、商慣習など当社グループ会社を取り巻く様々な環境は、将来に渡って不確実であり、またこれら環境の違いや、そこから派生する様々な問題は、当社グループの財政状態及び経営成績に、悪影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

独占販売契約

 

契約会社名
相手先
国名
契約内容
契約期間
株式会社松風
(当社)
ジョンソン・エンド・
ジョンソン  メディカル㈱
日本
同社歯科用商品の販売総代理店契約
平成11年12月21日から1年、以後1年毎の自動更新

 

 

6 【研究開発活動】

研究開発活動につきましては、人工歯をはじめ歯科用材料全般、歯科周辺機器及びネイル関連製品についての研究開発を行っております。また、Advanced Healthcare Ltd.においては主として、歯科用セメント製品の研究開発を行っております。
 当連結会計年度は研究開発費として1,040百万円を投入いたしました。
 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
 

(デンタル関連事業)

研削材では、天然歯への侵襲を最小限に抑えつつ審美的結果を導き出すMiCDコンセプトに基づいた微小なう蝕に対応するMiCD修復用「ダイヤモンドポイントFG・MiCDダイヤセット」を4月に発売いたしました。また、CAD/CAMで製作する補綴物の支台歯形成に最適な「ダイヤモンドポイントFG・CAD/CAM プレパレーションキット」を10月に発売いたしました。特徴は、切端や咬頭頂の厚みと丸みを短時間で付与できることであり、新形態「SF151」を含めた11形態から構成されます。
 人工歯では、前連結会計年度に発売した、新素材MF-Hコンポジット「Micro Filled hybrid composite」を利用した機能性と審美性が調和した準解剖学的形態の人工歯「ベラシア SA アンテリア」、「ベラシア SA ポステリア」の包装容器として、ワックスを用いない新たな人工歯プレート(座板)「ベラシア SA キュービックパック12組入り」を5月に追加発売しました。排列前の人工歯に付いたワックスを除去する手間が省けることに加え、廃棄面からもリサイクルが可能で、環境に配慮した容器となっています。  
  補てつ(綴)修復分野では、レジン系材料用の色調調整材「ライトアート」を7月に発売いたしました。歯冠用硬質レジン(「ソリデックス」、「セラマージュ」)、硬質レジン歯(「エンデュラ」、「ベラシアSA」)、アクリル系レジン(「フィットレジン」、「アーバン」)等、様々なレジン系材料の色調調整が可能となりました。
 保存修復分野では、ビューティフィルシリーズに採用しているPRG技術を継承した前臼歯対応のフロアブルタイプコンポジットレジン「ビューティフィル フロー プラス・F00」超低流動タイプに2色の増色を行い、10月に発売いたしました。
  セメント分野では、PRG技術を応用したインプラント・プロビジョナルクラウン用仮着セメント「IPテンプセメント」を11月に発売しました。本製品は、セメントの除去が容易、薄い被膜厚さ(10μm)、少ない色調変化、フッ素リリース&リチャージ機能等多くの特徴を有する製品になっております。
 機械器具類その他では、当社製品「ヴィンテージ MP」などの焼成に用いる、設置面積の小さいスリムなデザインの歯科技工用ポーセレン焼成炉「エステマット スリム」を5月に販売いたしました。また、歯科診療、技工作業時の視野を拡大する双眼ルーペ「MiCDルーペ」及び歯科用照明器「MiCDルーペ ライト」を4月に発売いたしました。「MiCDルーペ」は、より詳細・精密に術野を観察し、症状の見落としや処置・修復物の欠陥の見落とし防止を可能にし、更に「MiCDルーペ ライト」を併用することにより作業視野を明るく照らし、より高い作業精度を実現いたします。また、マウスガードや矯正装置などの様々なオーラルアプライアンス(口腔内装置)の製作を容易にするシステムとして、マウスガード用シート「キャプチャーシート プロ」、咬合スプリント用シート「キャプチャーシート ハード」、サーモフォーミング石こう「ヒドロギプスFS」及びサーモフォーム用分離材「アットバニッシュTF」を9月に同時発売いたしました。2月には、超音波振動を用いて、軟組織を傷つけず、硬組織のみを選択的に切削できる電動式骨手術器械「ピエゾン マスター サージェリー」を販売いたしました。

 

 

(ネイル関連事業)

ネイル材料の開発を継続的に行い、粉液タイプのアクリル系常温重合レジンアクリルシステム「ネイルデダンス」のラインナップ品として、5月及び11月に各2製品をネイルラボ社より発売いたしました。また、操作性と審美性の優れた光重合ジェルタイプのネイル材料「L・E・D GEL Presto」システムのラインナップ品として、5月にプレストグリッター6色、スカルプティングジェル2色、ジェルデザインパウダー、及びカラージェル12色を増色し、5月にネイルラボ社より発売いたしました。11月には、同ラインナップ品として、プレストグリッター14色を発売いたしました。 
 

(その他の事業)

特にありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5  [経理の状況]  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、主力のデンタル関連事業及びネイル関連事業について、海外が回復傾向にあるものの、国内で売上高が伸び悩み、15,711百万円と前期に比べ328百万円(2.0%)の減収となりました。
 営業利益は、経費削減に努めましたが、減収の影響から、942百万円と前期に比べ113百万円(10.8%)の減益となりました。
 経常利益は、円高による為替差損の増加等、営業外損益の悪化により、758百万円と前期に比べ192百万円(20.3%)の減益となりました。
 当期純利益は、特別損益に固定資産売却益等を計上した結果、455百万円と前期に比べ65百万円(12.6%)の減益となりました。 

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比475百万円増加し、13,464百万円となりました。現金及び預金が前連結会計年度末比195百万円増加したことが主な要因です。 

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比349百万円減少し、9,184百万円となりました。無形固定資産の償却や有価証券を流動資産へ振替えたことが減少の主な要因です。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比169百万円増加し、3,220百万円となりました。未払法人税等や未払金などその他流動負債が増加したことが主な要因です。 

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比33百万円増加し、1,194百万円となりました。役員退職慰労引当金が前連結会計年度末比54百万円増加したことが主な要因です。

 

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比76百万円減少し、18,233百万円となりました。為替換算調整勘定が前連結会計年度末比184百万円減少したことが主な要因です。 

 

以上の結果、自己資本比率は80.5%と前連結会計年度末比0.8ポイント低下しました。
 なお、キャッシュ・フローの状況については、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」に記載しております。

 

今後の国内歯科業界は、医療費抑制政策が進展する一方で、医療機器の安全性・信頼性向上のための規制は強化され、製品開発競争や、メーカー、流通をも含めた淘汰、再編等、業界全体の構造改革が進み、企業の存続を賭けた競争が加速化し、より厳しい経営環境になるものと考えられます。
 しかし一方では、口腔衛生に対する意識の高まり等を背景に、審美(矯正、漂白を含む)、予防等、新たな歯科医療分野の需要が増大しつつあり、さらには口腔内における再生医療分野もその視野に入ってくるものと考えております。また、歯科医療は「食べる」「話す」という人としての基本的な営みを可能にし、また疾病の発生リスクを抑え、全身の健康を維持するという観点からも、「生活の医療」として求められる役割は大きいものがあります。
 こういった状況のもと、当社グループは創立90周年に向けて、当社第138期(平成21年4月開始)を初年度とする3年間の中期経営計画を改めて策定し、「国際的な新製品開発型企業(スペシャリティ・ファーム)を目指す」という目標を共有し、「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念を実現するために、徹底した顧客指向のもと、引き続き品質競争力、マーケティング力、価格競争力の強化を重点課題に掲げ、市場の拡大が期待できる分野に注力することにより、さらなる企業価値の向上・経営基盤の強化に取り組んでまいります。  

 

なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成23年6月28日)現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。 

 





出典: 株式会社松風、2011-03-31 期 有価証券報告書