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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界各地で多発する紛争、円安傾向や原油価格の急落などの外的要因のほか、消費税率の引き上げに際し、駆け込み需要とそれに伴う反動などの内的要因の影響を受けました。しかしながら景気は、政府の経済政策、日本銀行による金融緩和政策や、企業の活発な投資活動により、総じて回復基調をたどり、株価の上昇などもあって、個人消費も底堅く推移しました。
 当歯科業界におきましては、歯科医療費は引き続き増加傾向にあり、国内歯科業界全体の事業環境は緩やかな回復が見られます。しかしながら、事業環境の変化の波に乗るためには、多様化するニーズをつかみ、商品化につなげていくための努力を継続することが必須であると考えております。そのためには、投資による売上拡大と適正な利益を上げることが必要であり、これらを円滑に、かつ迅速に実施していく体制の整備は欠かせないものとなっています。
 このような状況下にあって、当社グループは、着実に収益を上げることができる企業体質を構築するため、さまざまな施策を推進してまいりました。具体的には、新製品やCAD/CAM関連製品を市場に投入し、これらの製品が収益に大きく貢献しました。
 また、当社がこれから大きく成長するためには、国内外における製造拠点の整備が喫緊の課題であるとの判断から、子会社である株式会社昭研の工場を新築・移転し、社名を「株式会社松風プロダクツ京都」に改めたほか、株式会社滋賀松風においても義歯関連製品等を新たに製造するため工場を新設しました。さらに、ドイツの人工歯メーカーであるMerz Dental GmbH社の全株式を取得し、子会社化することを決定し、株式売買契約書を締結しました。
 これらの結果、当連結会計年度の売上高は、19,688百万円と前期に比べ1,429百万円(7.8%)の増収となりました。
 営業利益は、積極的な投資を行ったことにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、増収の効果もあり、1,159百万円と前期に比べ172百万円(17.5%)の増益となりました。
 経常利益は、為替差益など営業外収益が減少したため、増益幅が縮小したものの、1,114百万円と前期に比べ135百万円(13.9%)の増益となりました。特別損失に売却予定である固定資産の減損損失などを計上した結果、当期純利益は、581百万円と前期に比べ75百万円(14.8%)の増益となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①  デンタル関連事業

国内におきましては、前期に投入した光重合型歯冠用硬質レジン「ソリデックス ハーデュラ」や歯科用高分子系仮封材料「PRG プロテクトシール」、デジタル口腔撮影装置「アイスペシャルC-Ⅱ」が引き続き好調に推移したほか、CAD/CAM関連の新製品が売上げに寄与したことにより、前期比増収となりました。
 海外におきましては、北米・中南米や中国を中心に各地域で堅調に推移し、さらに円安による為替の影響もあり、前期比増収となりました。
 これらの結果、デンタル関連事業の売上高は、17,850百万円と前期比1,471百万円(9.0%)の増収となり、営業利益は1,153百万円と前期比227百万円(24.6%)の増益となりました。

 

 

②  ネイル関連事業

ネイル関連事業は、市場規模こそ緩やかな拡大を見せているものの、価格・品質を巡る競争は厳しいものになっております。当期は、初めて一般消費者向けに新規ジェルネイルシステム「by Nail Labo」を発売いたしました。また、ジェルネイルシステム「Presto Bambina」が売上げに寄与したものの、主力製品である「Nail de Dance」が減収になりました。
 海外では、当社商品を取り扱う合弁会社を台湾に設立いたしました。
 これらの結果、ネイル関連事業の売上高は、1,750百万円と前期比42百万円(2.4%)の減収となり、営業損失は24百万円の赤字(前期比49百万円の減益)となりました。

 

③  その他の事業

当社グループの株式会社松風プロダクツ京都において、歯科用研磨材の生産技術を応用し、工業用研磨材を製造販売しております。その他の事業の売上高は87百万円と前期比0.7百万円(0.8%)の増収となり、営業利益は22百万円と前期比6百万円(22.3%)の減益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ、481百万円増加し、4,208百万円となりました。                                                            

 

①  営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、710百万円のプラス(前期比113百万円の減少)となりました。これは主に税引等調整前当期純利益965百万円によるものであります。

 

②  投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,139百万円のマイナス(前期比2,698百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,950百万円や、株式取得に伴う預け金の預入による支出1,966百万円によるものであります。

 

③  財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは2,810百万円のプラス(前期比4,115百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金による収入3,000百万円によるものであります。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

9,807

△4.8

ネイル関連事業

459

27.7

その他の事業

93

2.3

合計

10,361

△3.7

 

(注) 1  金額は販売価格によっております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

当社グループは、販売計画に基づいて、生産計画を立て生産を行っておりますが、一部の製品に関しては受注生産を行っております。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

354

33.5

43

14.7

ネイル関連事業

その他の事業

合計

354

33.5

43

14.7

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

17,850

9.0

ネイル関連事業

1,750

△2.4

その他の事業

87

0.8

合計

19,688

7.8

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

主たる相手先の販売実績割合が、10%未満のため記載しておりません。

3  セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

為替の円安傾向や消費税率の引き上げといった、国民の負担を重くする要因は、原油価格の大幅な下落などである程度相殺され、企業業績や消費者の購買力の回復傾向は次第に鮮明になりつつあります。しかしながら、当社が安定して相応の利益を上げられる状況には至っていないと認識しております。そのような状況のもと、当社は中期経営計画の3年目であった第143期において掲げた売上目標を達成し、新たな中期経営計画のもとで、創立100周年である平成34年には連結売上高500億円、連結営業利益75億円の目標達成を期して、さらなる成長に向かって、さまざまな施策を推進してまいります。

具体的には、第143期において、当社の子会社である株式会社滋賀松風、株式会社松風プロダクツ京都の2社で工場を新築したほか、歯科用インプラントシステム及び関連機器の販売会社である松風バイオフィックス株式会社を平成27年4月1日付で設立することを決定しました。ドイツにおいてMerz Dental GmbH社の全株式を取得し、同社を松風グループに迎え入れることにするなど、国内外における事業展開を活発に展開するための足場を築きました。

今後は、これらの投資に見合った利益を確実に上げることに重点を置き、グループのシナジー(相乗効果)を高めることが最優先課題であると考えております。

ネイル関連事業においては、台湾で合弁会社を設立するなど、着々と販売基盤の整備を進めており、今後も成長著しいアジアの市場において営業力の強化を図ってまいります。

その他の事業においても、きめ細かい営業活動を通じて、安定的に利益を得られる体制の構築を進めてまいります。

なお、当社は、平成25年5月13日開催の当社取締役会において、会社法施行規則に定める「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を一部変更するとともに、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。)への対応方針の内容を一部変更したうえで継続することを決定し、本対応方針継続の承認議案を平成25年6月26日開催の第141回定時株主総会に提出、承認されました。

 

Ⅰ 基本方針の内容
 
 当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
 しかし、歯科器材の国際的メーカーである当社の経営においては、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、そして世界の歯科医療に貢献し、このことを通じて人々の「健康」と「美」に貢献するという当社に与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値を構成する要素等への理解が不可欠であり、これらを継続的に維持、向上させていくためには、先に掲げた当社グループの企業価値の源泉等を機軸とした中長期的な視野を持った取組みが必要不可欠であると考えております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりこうした中長期的視点に立った施策が実行されない場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。
 当社は、当社株式の適正な価値を株主及び投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めておりますものの、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切にご判断いただくためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社グループに与える影響や、買付者が考える当社グループの経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料となると考えます。

 

 

 Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

 

当社は、基本方針の実現に資する特別な取組みとして、創立100周年を迎える10年後の“あるべき姿“を見据え、その実現に向けて、欧米を中心とした先進国市場や、経済成長に伴う生活水準の向上が期待される新興国市場の需要を取り込むべく、経営資源を海外へシフトし、海外事業の拡大を軸に進めてまいります。具体的には、「中期経営計画」を策定し、①地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発、②生産拠点の再配置、海外生産の拡大、③販売網・販売拠点の整備及び構築、④海外展開を積極的に進めるための人材育成、確保といった施策を通じて、企業価値ひいては株主共同の利益の向上につなげることを目指しております。
 また、激しい企業環境の変化に迅速に対応し、責任の明確化を図り、機動性を確保することを目的として、平成23年6月の株主総会において取締役の員数を13名から7名に変更しております。また、業務執行に関する意思決定のスピードを速めるため、執行役員制度を新設するなど、コーポレート・ガバナンスの強化充実に向けて取組んでおります。
 

 Ⅲ 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
 
 当社は、平成25年5月13日開催の取締役会において、Ⅰで述べた会社支配に関する基本方針に照らし、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本対応方針」といいます。)を継続することを決議いたしました。
 本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ③取締役会又は株主総会が新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否について決議を行った後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を新株予約権の発行等を利用することにより抑止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。
 当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社代表取締役宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。さらに、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する必要情報リストに基づき株主の皆様の判断及び当社取締役会の意見形成のために必要な情報の提供を求めます。
 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の必要情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)(最大30日間の延長がありえます。)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家等の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を取りまとめて公表します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。
 当社取締役会は、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を防止するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者の中から選任された委員からなる企業価値検討委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置を発動すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置を発動すべきか否か、対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきか否か等の本対応方針に係る重要な判断に際しては、企業価値検討委員会に諮問することとします。企業価値検討委員会は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置発動を勧告した場合、②大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置発動を勧告した場合、及び③大規模買付者による大規模買付行為ないしその提案内容の評価、検討の結果、対抗措置の不発動を勧告した場合を除き、新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告を行います。

 

当社取締役会は、株主総会決議に従って、又は取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り企業価値検討委員会の前述の勧告を最大限尊重し、新株予約権の発行等の対抗措置の発動又は不発動に関する会社法上の機関としての決議を遅滞なく行います。対抗措置として新株予約権の発行を実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会又は株主総会が対抗措置の発動を決定した後も、対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の変更又は停止を行うことがあります。当社取締役会は、前述の決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。
 本対応方針の有効期限は、平成25年6月26日開催の定時株主総会においてその継続が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとし、以後も同様とします。なお、本対応方針の有効期間中であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、関係法令の整備や、金融商品取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、本対応方針の変更を行うことがあります。
 なお、本対応方針の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレス http://www.shofu.co.jp/ir/)に掲載する平成25年5月13日付プレスリリースをご覧下さい。
 

 Ⅳ 具体的取組みに対する当社取締役の判断及びその理由
 
 Ⅱに記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、Ⅱに記載した通り、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。
 また、Ⅲに記載した本対応方針も、Ⅲに記載した通り、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために導入されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として企業価値検討委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、企業価値検討委員会が株主総会に諮る必要がないと判断する限定的な場合を除き、原則として株主総会決議によって対抗措置の発動の可否が決せられること、本対応方針の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの有価証券報告書に記載した業績については、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には当社グループが事業の展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載していますが、これに限られるものではありません。

また当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性が必ずしも高くないとみられる事項も含めて、投資家の判断上、重要と考えられる事項については積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成27年6月25日)現在において予測しているものです。

 

(1) 製造販売業等の許可等に関するリスク

当社グループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類、薬用歯みがき類及び体外診断用医薬品は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって医薬品医療機器等法の規制を受けており、法によって医薬品や医薬部外品、医療機器等に分類されます。
 これら商品を市販(製造販売)するには、製造販売業許可を都道府県知事から受ける必要があります。この許可要件としては、申請者に欠格要件が無いことや資格を有する管理者を相当数確保配置すること、適切な製造管理、品質管理の下に製造から出荷するための品質保証組織と市販後も安全で適正な使用を確保(推進)するための安全管理組織を設置し、総括製造販売責任者等の下で法に準拠した手順で管理活動を実施することが求められます。またこれに付帯して医薬品や医薬部外品、医療機器等を製造するにあたっては、製造業の登録、又医療機関に販売するためには、販売業許可も必要になります。
 当社グループではこれらの許可等の継続は事業にとって最重要課題のひとつとして認識をし、対応しておりますが、何らかの理由によりこれらの許可等を取り消される事態に至った場合、当社グループの事業の継続にとって悪影響を及ぼす可能性があります。
 上記許可等の有効期間は、製造販売業許可は5年、販売業許可は6年、製造業登録は5年であり、法令で定める許可要件を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、現時点において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。

 

(2) 品質及び安全性に関するリスク

当社グループは医薬品医療機器等法やその他規制要求事項を順守し、適切に品質マネジメントシステムが運用されておりますが、当社グループが製造販売する医薬品や医薬部外品、医療機器等の使用によって、保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがある場合には、これを防止するために、商品の自主回収、廃棄、販売の停止、情報の提供等必要な安全確保措置を講じなければなりません。
 その結果によっては当社グループが販売する商品の品質及び安全性に対する信用を損ない経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製造物責任に関するリスク

歯科材料の研究、開発、製造販売により、当社グループは潜在的な製造物責任請求の対象となります。これまでに、製造物責任の重要な請求若しくは訴追を受けたことはありませんが、将来的には直面する可能性がないとはいえません。これらのリスクに対応するため、当社グループは国内外における製造物責任保険に加入していますが、当社グループが負う可能性のある責任を補償するには十分でない場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法規制又は訴訟に関するリスク

当社グループの事業は、薬事規制、環境規制等の様々な法規制に関連しています。当社グループでは法令順守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産に関するリスク

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受ける可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新製品開発に関するリスク

当社グループは、人工歯をはじめとした歯科材料全般の製品化研究を行うとともに、歯科用機械器具等、歯科医療全域にわたる研究開発を行っています。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、その後の工業化研究を経て上市するには、医薬品や医薬部外品、医療機器等として、医薬品医療機器等法に基づく規制の許認可等が必要となります。
 これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した試験で良い結果が得られ、承認又は認証申請した場合であっても、申請書の審査過程及びQMS適合性調査(製造管理及び品質管理に係る業務を行う体制の審査)等の様々な理由により承認又は認証が遅れたり、取得出来なかったり、又は自主的に申請の取り下げなどの場合があります。
 これらの場合に、当社グループの収益性を低下させ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 医療保険制度の動向に関するリスク

当社グループの取扱い製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 市場のグローバル化及び他業種の市場参入に関するリスク

日本の歯科市場はアメリカ、欧州に並ぶ大市場であり、中国を中心とするアジア市場の成長性を考えた場合、欧米の材料・機器メーカーにとって、日本を含むアジア市場は、世界でも最も有望な市場としてとらえることができます。世界的には、すでに欧米企業主導の市場再編の動きが活発化してきており、これらは欧米メーカーの世界戦略、とりわけ対日本・対アジア戦略の一環として認識する必要があります。これまで日本市場は、世界的に見ても特殊な健康保険制度や複雑な流通機構の影響もあり、外資の影響は比較的少なかったといえますが、市場のグローバル化に伴い、国際的な競争にさらされることになります。また、他業種からの参入についても販売競争の激化を引き起こし、これらの要因が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 市場性のある株式の減損に関するリスク

当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株式相場が大幅に下落した場合、有価証券評価損の計上により当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(10) 子会社株式の減損に関するリスク

当社グループが保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、時価のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理を余儀なくされ、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(11) 外国為替変動に関するリスク

外国為替変動は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループが為替リスクを負っている外貨建て取引における影響のほか、邦貨建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。

また、決算報告書は円を基準通貨として作成するため、在外子会社業績の邦貨換算に当たり、為替レートの変動により財務諸表項目に影響を与え、結果として当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えることとなります。

 

(12) 工場の閉鎖又は操業停止に関するリスク

火災、地震又はその他の人災若しくは自然災害により当社グループの工場、設備等が閉鎖又は操業停止を余儀なくされた場合、経営成績に対して深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンピュータ情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、ネットワークへのセキュリティ対策を施しておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(14) 国際的な事業活動に関するリスク

当社グループは、海外各国において様々な事業活動を展開しておりますが、海外各国における、薬事行政や医療保険制度はもとより、海外各国の政治、経済、文化、法律、商慣習など当社グループ会社を取り巻く様々な環境は、将来に渡って不確実であり、またこれら環境の違いや、そこから派生する様々な問題は、当社グループの財政状態及び経営成績に、悪影響を与える可能性があります。

 

(15) 財務制限条項

金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、本契約には財務制限条項が付されております。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

1.独占販売契約

契約会社名

相手先

国名

契約内容

契約期間

株式会社松風
(当社)

ジョンソン・エンド・
ジョンソン  メディカル㈱

日本

同社歯科用商品の販売総代理店契約

平成11年12月21日から1年、以後1年毎の自動更新

 

 

2.株式取得に関する契約

平成27年2月4日開催の取締役会決議に基づき、平成27年2月5日付けでMerz Dental GmbHの発行済株式100%を取得する株式売買契約を締結し、平成27年4月1日付けで全株式を取得しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

6 【研究開発活動】

研究開発活動につきましては、研削材をはじめ歯科用材料全般、歯科周辺機器及びネイル関連製品についての研究開発を行っております。また、Advanced Healthcare Ltd.においては主として、歯科用セメント製品の研究開発を行っております。
  当連結会計年度は研究開発費として1,410百万円を投入いたしました。
  セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(デンタル関連事業)

CAD/CAM分野(器械)では、従来機種よりスキャニング時間を大幅に短縮した歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット「松風S-WAVEスキャナー D900」を4月に発売いたしました。CAD/CAM分野(材料)では、CAD/CAM加工によって製作され、審美性の高いジルコニア製修復物となる歯科切削加工用セラミックス「松風ディスクZR-SS」を4月に発売いたしました。

接着修復分野では、弊社独自のS-PRG技術を用い、優れた硬化深さにより一括充填・一括裏層が可能となった歯科充填用コンポジットレジン「ビューティフィル バルク」及び「ビューティフィル バルク フロー」を7月に発売いたしました。また、修復物と歯質の接着材として用いたグラスアイオノマー系レジンセメント「HY-BOND RESIGLASS CAPSULE(ハイ-ボンド レジグラス カプセル)」、及びS-PRG技術を用いインプラント等の補綴物の仮着に使用する歯科用多目的グラスポリアルケノエートセメント「IP TEMP CEMENT CAPSULE(IPテンプ セメント カプセル)」を2月に米国にて発売いたしました。なお、両製品は自社製セメントカプセルを用い、初めて製品化したものです。

補てつ(綴)修復分野では、欧州市場に適合した操作性と優れた諸特性を兼ね備えた歯冠修復に用いる歯科用硬質レジン「CERAMAGE UP(セラマージュ アップ)」を3月に発売いたしました。

研削材分野では、コンポジットレジンの研削・研磨に用いる歯科用研磨器材「松風スーパースナップ リボーン」を7月に発売いたしました。

矯正分野では、1ボトル1液タイプのセルフエッチングプライマーを用い、歯列矯正用ブラケットなどを歯又は歯科修復物に接着させる高分子系ブラケット接着材「ビューティオーソボンドⅡ」を10月に発売いたしました。また、リンガルボタンとして使用できる歯列矯正用アタッチメント「レベリング クリアアタッチメント」を12月に発売いたしました。

器械器具分野では、超音波を利用して歯垢若しくは歯石の除去、歯の切削、歯の根管の拡大などに用いる歯科用多目的超音波治療器「ピエゾン150」、「ピエゾン250」を2月に発売いたしました。また、青色光を口腔粘膜に照射し口腔内の状態観察を行う歯科用口腔内カメラ「イルミスキャン」を2月に発売いたしました。

 

(ネイル関連事業)

ジェルネイル分野では、操作性と審美性に優れた可視光線LED硬化ジェルネイルシステム「L・E・D GEL Presto」のラインナップ品として、表面のツヤ消し仕上げに使用する「マットトップジェル(ジャータイプ、ブラッシュオンタイプ)」を11月、トレンドや季節を先取りした「カラージェル新色(合計116色)」を5月、6月、7月、9月、11月、12月、「グリッター新色(合計6種類)」を7月、12月に発売いたしました。

また、爪に優しいノンサンディングジェルシステム「Presto Bambina」のラインナップ品として、パーツ固定やアートなど多彩な用途に応用できる「ミキシングクリアジェル」を4月、たっぷり塗っても流れにくい性状と表面光沢の持続性に優れた「ぷっくりタイプトップジェル」を5月、「カラージェル新色(合計33色)」を4月、5月、7月に発売いたしました。

更に、これまでのプロネイリスト専用材料の開発で培った技術を応用して、一般消費者が自宅で簡単にネイルのおしゃれを楽しめる新規ジェルネイルシステム「by Nail Labo(ベースジェル、トップジェル、カラージェル(56色)、リムーバー、クレンザー、LEDライト)」を8月に発売いたしました。

アクリルネイル分野では、アクリルネイルシステム「Nail de Dance」のラインナップ品として、エンボスや3Dアートなどのデザインができる「カラーパウダー新色(合計11色)」を5月、11月、「グリッター新色(6種類)」を11月に発売いたしました。

 

(その他の事業)

特にありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5  [経理の状況]  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、19,688百万円と前期に比べ1,429百万円(7.8%)の増収となりました。
 営業利益は、積極的な投資を行ったことにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、増収の効果もあり、1,159百万円と前期に比べ172百万円(17.5%)の増益となりました。
 経常利益は、為替差益など営業外収益が減少したため、増益幅が縮小したものの、1,114百万円と前期に比べ135百万円(13.9%)の増益となりました。
 特別損失に売却予定である固定資産の減損損失などを計上した結果、当期純利益は、581百万円と前期に比べ75百万円(14.8%)の増益となりました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比2,327百万円増加し、15,625百万円となりました。平成27年4月1日付の株式取得に伴う相手先への預け金の発生が主な要因です。 

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比3,075百万円増加し、13,816百万円となりました。時価上昇により投資有価証券が増加したことが主な要因です。 

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比2,709百万円増加し、5,510百万円となりました。短期借入金が増加したことが主な要因です。 

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比660百万円増加し、2,150百万円となりました。繰延税金負債が増加したことが主な要因です。 

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2,033百万円増加し、21,781百万円となりました。利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことが主な要因です。 

 

以上の結果、自己資本比率は73.7%と前連結会計年度末比8.2ポイント低下しました。
 なお、キャッシュ・フローの状況については、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」に記載しております。

 

(3) 経営者の問題認識と今後の方針について

国内歯科業界においては、歯科疾患の予防等による口腔の健康の推進などを目的とした「歯科口腔保健の推進に関する法律」が施行され、歯の健康を保持することの重要性等がより広く認識されるようになったほか、歯科診療報酬のプラス改定が行われるなど、業界にとって明るい材料もありました。しかしながら、これらの要因は、直ちに歯科界全体を牽引するまでには至らず、薬価及び材料価格基準が引き下げとなったことや景気の見通しが不透明なこと等と相まって、引き続き厳しい環境下での経営を強いられる状況にあります。
 このような状況のもと、当社グループは、第141期を初年度とする新中期経営計画を策定いたしました。当計画は、創立90周年を迎えた当社が、来るべき創立100周年を見据え、海外事業の拡大を今後の成長の原動力と位置づけ、継続的な成長に向けた明確な道筋を作ることを目指すものであります。

 

なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成27年6月25日)現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。 

 





出典: 株式会社松風、2015-03-31 期 有価証券報告書