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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、停滞基調で始まったものの、企業業績の回復と円安を背景として輸出や個人消費が堅調な回復を示し、世界経済の拡大による企業の設備投資意欲が高まり、景気回復の足取りは予想を超えるものとなりましたが、原油など資源価格の高騰に歯止めがかからないまま、内外経済に及ぼす影響に不安材料を抱えた展開で推移いたしました。

半導体関連業界におきましては、第1四半期は、前年度下半期の在庫調整の影響を引きずり設備投資が大きく減退し、デバイスメーカー各社は過剰在庫対策として生産量を調整するなど、稼働率が予想以上に低下しました。第2四半期から第3四半期にかけてデジタル家電製品等の在庫調整が一段落し、特に液晶や大画面薄型テレビの需要が上昇傾向に転じ、半導体市況が好転するとともに、第4四半期にかけて順調な回復過程を辿りました。

このような状況のなかで、当社は、「お客様に満足していただく製品を提供していこう」をモットーに、多様化するユーザーの要求に対応するため、営業部門と製造部門との連携をこれまで以上に強化し、従来の受注生産に加え、一部製品において迅速な在庫対応を図れるよう計画生産への転換を推進し、効率的な設備稼働と製造コストの削減を図り、受注の確保に注力いたしました。

また、コスト競争力を保持し優位性を確保するため、当社独自の技術開発による圧着技術の水平展開に加え、大型火加工製品、フラットパネルディスプレイ(FPD)関連製品等の高付加価値開発型製品に重点を置き、新規ニーズの掘り起こしに努めました。

特に大型石英チューブ等、石英製品の大型化に対応した設備の投入、スキルアップを図り、人材を重点的に配置するなど選択と集中を明確にした戦略を展開いたしました。

また、半導体の大口径化と微細化に伴い工場のクリーン化は、高温拡散炉、次世代装置及び45ナノ対応装置等最新の半導体製造装置には不可欠であるため、大型製品に対応したクリーンルームの増床を行いました。

製品別の売上では、石英火加工製品が前年同期比7.8%増加しましたが、石英機械加工製品が同5.6%減少したため、石英製品全体としては、同1.7%の減少となりました。

シリコン製品は、シリコン電極が前年同期比29.7%増と伸長し、シリコンその他製品につきましても同15.9%増加し、シリコン製品全体といたしましては、同24.5%増となりました。

部門別の売上では、理化学機器関連製品が前年同期比12.0%増加し、半導体関連製品(電化製品その他含む)は同3.9%の増加となりました。

製造部門におきましては、原価低減に対する取り組みとして、材料歩留率の向上、作業工数の短縮、最終検査不適合率の半減並びに圧着、溶融接合及び微細加工技術等の確立を掲げ、一定の成果をみましたが世界的な原料高騰の影響を受け、原材料費率が漸増いたしました。

中国杭州工場につきましては、第一工場の品質改善プロジェクトが軌道に乗り、5月には経常利益ベースでの黒字化を達成いたしましたが、期中央にかけて米国からの受注が伸び悩んだため、第4四半期にかけて受注が急回復したものの、12月決算の杭州工場におきましては、通期において損失を解消できるまでには至りませんでした。

また、平成17年6月に竣工式を行いました第二工場につきましては、戦力化に向け技術研鑽に努め、第一工場と並んで一定の品質基準をクリアできる水準に達しました。

これらの結果、連結決算の状況は、売上高3,842百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業損失44百万円(前連結会計年度は営業損失94百万円)、経常利益16百万円(前連結会計年度は経常損失89百万円)、当期純利益は3百万円(前連結会計年度は当期純損失140百万円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ877百万円減少し268百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な増減要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、374百万円(前連結会計年度に対して711百万円の減少)となりました。

これは売上債権の増加(367百万円)、たな卸資産の増加(422百万円)、法人税等の支払(10百万円)などがあったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は534百万円(前連結会計年度に対して375百万円の増加)となりました。

これは当社及びに子会社における機械設備等の取得による支出(336百万円)などがあったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は135百万円(前連結会計年度に対して1,264百万円の減少)となりました。

これは短期・長期借入金の増加(540百万円)などがありましたが、配当金の支払(116百万円)、長期借入金の返済(558百万円)などがあったことによります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 

品目

生産高(千円)

前年同期比(%)

半導体製造装置用製品

3,783,526

109.3

理化学機器用製品

110,075

112.0

電化製品その他

23,445

131.8

合計

3,917,048

109.4

(注)

1.品目間の取引については、相殺消去しております。

 
 

2.金額は販売価格によっております。

 
 

3.金額は消費税等を含んでおりません。

 

 

(2) 受注実績

 

品目

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

半導体製造装置用製品

3,897,159

120.2

726,984

149.6

理化学機器用製品

109,887

114.7

6,360

97.1

電化製品その他

79,331

157.4

10,956

144.5

合計

4,086,377

120.6

744,300

148.8

(注)

1.品目間の取引については、相殺消去しております。

 
 

2.金額は消費税等を含んでおりません。

 

 

(3) 販売実績

 

品目

販売高(千円)

前年同期比(%)

半導体製造装置用製品

3,656,129

103.3

理化学機器用製品

110,075

112.0

電化製品その他

75,956

146.0

合計

3,842,161

104.1

(注)

1.品目間の取引については、相殺消去しております。

 
 

2.金額は消費税等を含んでおりません。

 
 

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

 

相手先

前連結会計年度(千円)

割合(%)

当連結会計年度(千円)

割合(%)

Applied Materials, Inc.

665,330

18.0

600,778

15.6

 

3 【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、日本経済は企業業績の改善を背景に個人消費、設備投資、輸出の拡大傾向が概ね順調に推移するものとみられ、景気は底堅く推移し、踊り場を脱却する局面も期待されますが、原油価格の更なる高騰、米国の経常赤字拡大によるドル安・円高懸念もあり、引き続き外的リスク要因を抱えた展開が続くものと思われます。

半導体関連業界におきましては、前下期からの回復局面を持続し、薄型テレビを中心にデジタル家電の需要が順調に拡大するものとみられ、さらに、第3世代携帯電話や車載用ナビゲーションシステム、携帯音楽プレーヤー及びデジタルカメラ等が、サッカー・ワールドカップや地上デジタル放送の普及を追い風に順調に推移することが予想され、半導体消費の拡大が期待されております。

半導体製造装置につきましても、デバイスメーカーによる設備投資の増加に伴い、徐々に回復傾向に向かいつつありますので、本格的な成長路線に向けて堅調な増加が期待されております。

このような環境のなかで、当社は原価低減に向けた差別化を図るため、引き続き省力化・機械化を推進し、工程設計の再構築と工数低減を図り、最先端の技術開発に挑戦し、更なる製造コストの低減を目指してまいります。

半導体集積回路の微細化・高集積化への対応といたしましては、顧客要求をクリアする品質を確保するため、製造プロセスにおける汚染防止とクリーン化対策を推進し、300mm装置の本格稼働とともに、需要が拡大している大型火加工製品に対しましては、表示装置の大型化により急成長している、フラットパネルディスプレイ(FPD)関連製品に対する加工技術の確立を目指してまいります。

低価格品・リピート品への対応としましては、戦略的なターゲット製品を営業部門と製造部門が共同作業で選定し、引き続き拡販キャンペーンのプロジェクトを展開してまいります。

石英材料におきましては、材料歩留率の向上と平行して、端材の有効活用のための溶融接合技術を確立し、リサイクルによる再利用及び商品化に向けた取り組みを推進します。

シリコン材料におきましては、太陽電池需要の拡大による材料不足や価格上昇が懸念されるため、品質及びコスト面で評価の高い材料メーカーと連携を強化し、安定調達とコスト競争力の維持・確保に努めてまいります。

他社が追随できない技術やノウハウの開発、コスト競争力を持続することも、優位性を確立する上で欠かせない要件であり、ユーザーとの共同開発型の提案営業を積極的に推進し、オンリーワンのキー・テクノロジーを開発してまいります。

米国市場への対応といたしましては、迅速な意思決定を図るため、新たに海外部を設置し貿易課の業務を本社内に移管し、米国拠点を中心とした営業力を強化するとともに、海外戦略の見直しを図ってまいります。

また、台湾、韓国市場の販売体制の見直しを進め、同時に中国国内市場の開拓を視野に入れた販売戦略を構築してまいります。

中国杭州工場におきましては、第一工場及び第二工場の加工品質が国内工場にほぼ匹敵する技術水準をクリアできましたので、安定的な供給体制とフル稼働体制の構築に向けてプロジェクトを推進してまいります。

 

量産品におきましては、技術的な課題を克服しておりますが、今後、多品種少量生産が可能な工場として育成し、製品アイテムを拡大していくとともに、大型石英製品や高付加価値製品については国内工場に特化し、汎用品・低価格品については杭州工場に重点を置き、両工場の位置付けと戦略を明確にし、メイド・イン・チャイナの競争力、コスト優位性を確立してまいります。

競争の激化による製品価格の低下傾向は、今後も続くものと予想されますが、当社は、引き続き生産の合理化、製造コストの低減、総コストの圧縮に努めるとともに、経営資源の重点的、効率的な投入により、品質の向上と安定した受注の確保を目指し、着実な業績の向上に全力を傾注する所存であります。

近年、地球温暖化や廃棄物の処理・処分問題が顕在化しており、企業の社会的責任として、環境についての配慮が強く求められております。当社は、環境マネジメントシステムISO14001を通して、地球環境の保全に貢献し、循環型社会の確立に向けた活動を続けてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状況などに影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。

なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①特定の販売先への依存度が高いことについて

当社の主な販売先は半導体製造装置メーカー、デバイスメーカー、理化学機器メーカーですが、そのうち米国Applied Materials, Inc.に対する依存度が高くなってきております。同社への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

(自 平成15年4月1日

至 平成16年3月31日)

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

販売先名

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Applied

Materials, Inc.

579,172

14.8

665,330

18.0

600,778

15.6

 

②特定の仕入先への依存度が高いことについて

当社の主要な原材料は、石英インゴットであります。その主な仕入先は米国GE Quartz, Inc.であり、当社の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

(自 平成15年4月1日

至 平成16年3月31日)

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

仕入先名

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

GE Quartz, Inc.

416,470

47.0

673,105

52.5

795,065

38.2

 

③為替変動が業績に与える影響について

当社の当連結会計年度の売上原価に占める輸入割合は36.8%(前連結会計年度27.3%)で米ドルを中心とする外貨建てで行っており、為替リスクの軽減を図るため、決済予想額の一部について為替予約取引を利用しております。しかし、予想外の大幅な為替変動等によって業績は影響を受ける可能性があります。

 

④最近における当社及び半導体関連産業を取り巻く状況について

当社の主力製品群は、半導体製造プロセスの前工程におけるCVD装置、エッチング装置内で使用される石英ガラス製品が中心であり、消耗部材であります。したがって、リピートオーダーに関しては安定的な需要を見込んでおりますが、半導体業界の好不況(シリコンサイクル)に連動し、受注が増減するため、当社の業績は、半導体メーカー及び半導体製造装置メーカーの動向に左右される状況にあります。

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6 【研究開発活動】

(1)概要

当社の開発担当者は構成員7名(平成18年3月31日現在)からなる「技術開発部」であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は40,646千円であります。

なお、事業の種類別セグメントの研究開発活動につきましては、半導体製造関連が大半を占めておりますので記載を省略しております。

 

(2)主な研究開発活動

①マイクロHPLC用石英チップ

本研究の始まりであるマイクロHPLC装置(ジーエルサイエンス株式会社製分析装置)搭載の石英チップも数次の試作、試験を経てチップユニットの評価もほぼ固まる段階にあります。今後は最終仕様に基づいた生産準備が必要となり、ラインサイドへの移行作業を行うことになります。本石英チップの製作は、設備的には当社既存の精密加工機の利用で対応可能であり、大きな費用・期間をかけず生産工程へ投入できる技術を前提として開発を行ってきました。移行作業をもって開発は完了しますが、一連の研究活動を通じて微細加工技術の蓄積も多く、本アイテムの理化学機器分野のみではなく、半導体分野等への展開に繋がる応用技術として今後の活動に生かしたいと考えております。市場調査として当連結会計年度においては国際マイクロマシン展、セミコンジャパン展等それぞれ国際的なイベントで当社製石英チップの展示を行い、当社技術の紹介をしています。展示会以降、関心の高いMEMS分野からの引き合いを戴き、サンプル出荷案件含めて商談は継続しております。相対的に電子機器分野で既に微細加工の製品化に進んでおり、医薬・化学分野においては研究機関での関心は高いものの、石英製の利点を生かした製品の需要についてはまだ不透明な面があります。したがって、国内での化学・医療分野で市場として拡大するには少し時間がかかるように判断しております。ただ海外においては既に医療機器の分野で利用が見受けられ、当社海外担当を通じて医療機器メーカーと商談も進み当連結会計年度においてサンプル製作を開始しております。国内はもとより海外展望も見据えて今後の需要に期待しています。

    

②接合技術

当社石英材料の接合技術を応用して装置メーカーと共同開発したヒーターユニットは金属汚染低減に効果的であり、装置付加価値を高め、この技術が顧客の差別化技術として定着してきました。当社にとって開発段階より量産移行まで品質の安定化、生産性向上が急務で、今期にかけて工程改善の結果、この課題は達成されております。更に今期は新たに同技術の採用を前提にした次世代ヒーターの開発が始まることになりました。来期にかけて、今後の主力となる高性能な新型ヒーター短期立上げが当社および顧客にとっても重要な課題となってきます。

一方ヒーター以外で本接合技術を利用した製品は、ガス流路を内蔵したガスシャワー板等を受注しております。このように徐々にではありますが、当社接合技術が市場に浸透してきております。当面、半導体製造装置の改善に役立つ技術として市場範囲を拡大して行く計画ですが、数年後には始まると予測される半導体次世代装置(450mmウエーハ)も視野に入れ、大口径に対応した技術開発も進めています。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)経営方針

当社グループの付加価値経営計画の主体は人であり、人(社員)を中心として経営計画を組み立てております。

しかし、近年当社グループの成長力が鈍化傾向にあり、付加価値経営計画策定にあたって苦慮しております。業績の伸びが小さいために計画的な新卒者の採用ができなくなり、しかも、何人かの社員過多が生じてきております。一人当たりの適正付加価値を重視するためには採用を控えることになります。そのことは社員の平均年令を押し上げることになり、組織の衰退を意味することにもなります。

当社グループが行う付加価値経営においては、あくまでも終身雇用制を貫き、そのためには一定の数の人員が必要であり、しかも平均年令を上昇させない、この理想を追求するためにどうするべきか、全社員の英知が必要な時期にきています。年平均3〜4%の業績の伸びではこの付加価値経営の理想を実現できません。もし、これで成り立つ経営にするには、終身雇用制を廃止し、処遇を落とし、その場その場でリストラを行うようにしていく方法しかありません。当社グループは創業以来30年間、この付加価値経営を実践してきており、リストラを行うような考えは全くありません。常に前向きに、そして積極的に行動をしてきております。そのため、目標とする経営指標は、まず人件費を基点とした付加価値を決定し、次にその付加価値を達成するためにはどのくらいの売上高が必要かといった逆算のプロセスにより設定しております。人(社員)を中心とした長期付加価値経営計画は人員削減や人件費の削減など、リストラ等をしない終身雇用制を前提とした経営計画に基づいております。

付加価値は六つの構成要素からなっております。

経営指標につきましては①人件費58.5%、②福利厚生費1.3%、③金融費用2.0%、④動産不動産賃借料2.7%、⑤減価償却費13.0%、⑥付加価値内利益(営業利益−金融費用)22.5%、と人件費と営業利益で83.0%を占めております。また、売上高は、①売上素材原価44.0%、②付加価値合計43.0%、③その他一般経費13.0%で構成されております。

 

(2)財政状態及び経営成績の分析

当社グループの財政状態及び経営成績については、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」に記載したとおりであります。

これにより当連結会計年度における当社グループの付加価値の実績は、①人件費72.7%、②福利厚生費1.8%、③金融費用1.5%、④動産不動産賃借料4.9%、⑤減価償却費23.1%、⑥付加価値内利益(営業利益−金融費用)△4.0%となりました。また、付加価値を生み出す売上高は、①売上素材原価29.2%、②付加価値合計46.3%、③その他一般経費24.5%でした。

 

 

 





出典: テクノクオーツ株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書