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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成22年4月1日〜平成23年3月31日)におけるわが国経済は、年度初めは中国を中心としたアジア向け輸出や政府による経済対策などを背景に企業収益が改善するなど緩やかな回復基調を示しましたが、その後、欧米景気の回復の遅れや円高の進行によって外需効果は薄れ、景気は足踏み状態となりました。また、年度後半にはチュニジアの政変に始まった中東の混乱が原油価格の高騰を招き、景気への悪影響が懸念されるなか、平成23年3月11日には東日本大震災が発生し、多くの企業が年度末決算を迎えようとしていた時期と重なり大きな影響を受けることになりました。

当社グループの属する半導体業界におきましても、世界経済の緩やかな回復や新興国の力強い経済成長に伴い、半導体需要が拡大したことから、業績は急速に立直りを見せましたが、年央から年度後半にかけてはパソコン用DRAM価格が低迷する一方で、多機能携帯電話やタブレット端末に使われるメモリー価格は堅調に推移するなど、企業間の収益環境には変化が見られるようになりました。

このような経営環境下、主に半導体製造工程の前工程において消耗品として使われる当社グループ製品への受注は、リーマン・ショック以降、回復基調が鮮明となった前年度後半からの好調を維持し、年度初めの売上高は豊富な受注残を背景に計画を上回って推移し、営業利益は順調に積みあがりました。しかし、その後は顧客の在庫調整の影響などから受注高および売上高ともに伸び悩むこととなりましたが、想定されたほどの落込みは見られませんでした。また、グループを挙げて生産効率を高め、経費の削減にも積極的な取組みを行いました。

この結果、当連結会計年度の売上高は4,764百万円(前連結会計年度比23.2%増)営業利益は338百万円(前連結会計年度の営業利益は30百万円)、経常利益は285百万円(前連結会計年度の経常利益は31百万円)、当期純利益は254百万円(前連結会計年度の当期純利益は5百万円)となりました。

なお、地震による影響につきましては、当社の工場がある山形県内では一時的に物流網が寸断されたことから出荷や燃料仕入に遅れが出たほか、機械加工中の停電により仕掛品に損傷が見られるなどしましたが、直接的な損失は限定的なものに止まりました。

 

セグメント別の受注高等は次のとおりであります。
なお、「前連結会計年度比」は参考数値として記載しております。

当連結会計年度における半導体事業の受注高は4,633百万円(前連結会計年度比3.6%増)となり、受注残高は1,332百万円(同6.6%増)となりました。その他の事業の受注高は228百万円(同16.9%増)となり、受注残高は39百万円(同65.7%増)となりました。

当連結会計年度の売上高は石英製品が3,308百万円(前連結会計年度比35.6%増)、シリコン製品が1,243百万円(同0.7%増)となり、半導体事業全体では4,551百万円(同23.8%増)と大幅に増加しました。セル、テドラーなどの理化学機器は90百万円(同5.6%増)となり、その他の事業全体では212百万円(同11.1%増)となりました。

損益面では半導体事業の売上高が回復したことから売上総利益は1,274百万円(前連結会計年度比55.4%増)と大幅に増加しましたが、その他の事業では12百万円の損失(前連結会計年度は売上総利益21百万円)となりました。販売費及び一般管理費を控除した全体での営業利益は338百万円(前連結会計年度は営業利益30百万円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ84百万円増加し694百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な増減要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は284百万円(前連結会計年度に対して29百万円の増加)となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益266百万円の計上、減価償却費346百万円、売上債権の増加131百万円、たな卸資産の増加118百万円、仕入債務の減少99百万円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は317百万円(前連結会計年度に対して274百万円の減少)となりました。

これは主に有価証券の取得による支出60百万円、有形固定資産の取得による支出242百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は130百万円(前連結会計年度に対して382百万円の増加)となりました。

これは主に長期借入れによる収入500百万円、長期借入金の返済による支出359百万円などによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 

セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
 半導体
4,473,555
+28.0
 その他
137,862
+3.7
合計
4,611,417
+27.1

(注) 1.金額は販売価格によっております。

 2.「前年同期比」は参考数値として記載しております。

 3.金額は消費税等を含んでおりません。

 

(2) 受注実績

 

セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
 半導体
4,633,801
+3.6
1,332,092
+6.6
 その他
228,444
+16.9
39,016
+65.7
合計
4,862,245
+4.2
1,371,109
+7.7

(注) 1.「前年同期比」は参考数値として記載しております。

 2.金額は消費税等を含んでおりません。

 

(3) 販売実績

 

セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
 半導体
4,551,779
+23.8
 その他
212,972
+11.1
合計
4,764,752
+23.2

(注) 1.「前年同期比」は参考数値として記載しております。

 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 
相手先
前連結会計年度(千円)
割合(%)
当連結会計年度(千円)
割合(%)
 
Applied Materials,  Inc.
824,198
21.3
1,204,696
25.3
 
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd.
676,841
17.5
637,486
13.4

 3.金額は消費税等を含んでおりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

日本経済はリーマン・ショックから立ち直りつつある中で、東日本大震災に見舞われました。今後、寸断されたサプライチェーンの回復が進み、「秋口からは回復する可能性は高い」との見方がある一方、震災や福島第一原子力発電所事故などが中長期的な成長期待に影響を及ぼす可能性が残るとの指摘もあり、先行きが極めて不透明な状況にあります。
 半導体関連業界は一時的には震災の影響が心配されますが、世界的規模ではパソコン需要に減速感が出ているものの、iPadに代表されるタブレット型PCや高機能携帯電話(スマートフォン)等の新たな需要と新興国の旺盛な潜在的需要により2011年も高い成長が期待されます。
 このような状況下、当社グループの成長戦略を下記に示します。
 

・ 既存分野のシェアーアップにとどまらず、技術革新により新規分野(太陽電池、LED、バイオ等)への参入を図り、安定的経営を目指します。

・ 超精密加工技術、拡散接合技術等の技術を高度化し、当社独自のコアーコンピタンスを創出することで技術革新を図り、他社との差別化を図ります。

・ リードタイムの短縮、品質の向上、コストダウン等の徹底したゼロベースでの生産革新により、製造原価の低減に努めます。

・ 原材料の価格が高騰している状況で、技術支援を含めた調達先のグローバルな展開と複数化の促進によりコスト削減と調達リスクの低減を図ります。

・ 重要顧客とのパートナーシップ強化及び顧客サービスの質的向上を図るためアンテナ感度を高くしたマーケティング力、分析能力等を育成し、顧客拡大に努めます。

・ 前期より導入したビジネスユニット制により責任体制を明確にし、収益管理、適正な経営資源配分等の積極的な事業戦略の立案により、スピード感溢れる経営を目指します。

・ 東日本大震災により今後予想されます山形地区の電力規制に対しては、状況に応じた柔軟な生産体制及び中国子会社の生産高増強等により対処する予定です。

・ 中国子会社及び国内工場の生産設備の見直しにより生産能力の向上を図ります。これにより全体の生産能力向上はもとより、今回のような災害時における緊急な生産相互補完能力を強化します。

 

4 【事業等のリスク】

  本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の販売先への依存度が高いことについて

 

当社グループの主な販売先は半導体製造装置メーカー、デバイスメーカー、理化学機器メーカーですが、そのうち米国Applied Materials, Inc.に対する依存度が高くなってきており、同社の経営状態や、需給動向の著しい変化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。同社への販売実績及び総販売実績額に対する割合は次のとおりであります。 

 

 
(自 平成20年4月1日
(自 平成21年4月1日
(自 平成22年4月1日
 
  至 平成21年3月31日)
  至 平成22年3月31日)
  至 平成23年3月31日)
販売先名
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
Applied Materials, Inc.
538,357
15.0
824,198
21.3
1,204,696
25.3

 

(2) 特定の仕入先への依存度が高いことについて

 

当社グループの主要な原材料は、石英インゴットであります。その主な仕入先はMomentive Performance Materials Quartz, Inc.(旧 GE Quartz, Inc.)であり、同社からの供給の逼迫や遅延、または著しい価格上昇等が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社の総仕入実績額に対する割合は次のとおりであります。

 

 
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
(自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日)
(自 平成22年4月1日
至 平成23年3月31日)
仕入先名
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
Momentive Performance
Materials Quartz, Inc.
523,184
36.6
488,653
28.8
808,957
32.5

 

(3) 為替変動が業績に与える影響について

 

当社の材料仕入は米ドルを中心とする外貨建てで行っているものが多く、当社グル−プの業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。そのリスクの軽減を図るため、決済予想額の一部について為替予約取引を利用しています。なお、当連結会計年度においては為替予約取引を行っておりません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発体制は、当社の開発担当者13名で構成される「生産技術部」であり、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は120,233千円であります。

なお、セグメントごとの研究開発活動につきましては、半導体事業が大部分を占めておりますので、記載を省略しております。

 

① フラットパネルディスプレイ(FPD)用ピンチャック

 

FPDはテレビをはじめパソコン、タブレット型PC、スマートフォンといった生活必需品に搭載されており、市場の急成長が今後期待されております。このFPDを製造するための露光装置には、透明ガラス基板を真空吸着するピンチャックが使用されており、ガラス基板の表面に電極や配線等のパターンを焼付け処理しています。ピンチャックサイズの大型化および表面の低反射率化が重要とされており、半導体ウェーハ用のピンチャックとは要求される特性が異なっております。黒色セラミックスを素材として、大型に対応した高精度加工技術の開発を進めています。

  

② 素材の接合技術

 

複雑化および高度化する半導体製造装置用として、内部に複雑な流路を形成した部品を開発しております。高純度な石英およびシリコン単結晶を用いた接合技術の基礎研究、実製品の開発および試作を進めています。

  

③ 石英成型技術

 

これまで機械加工により形成していた石英部品を高温下で成型することによって、材料費および加工費を大幅に低減することができます。各種形状を高温で成型する技術の開発を進めており、一部サンプルの出荷を開始しました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 

当社グループの付加価値経営計画の主体は人であり、人(社員)を中心として経営計画を組み立てております。

当社は親会社であるジーエルサイエンス株式会社(東京証券取引所市場第二部7705)の連結対象子会社として創立以来経営の基本理念を共有しております。

親会社は昭和43年の創立の際に、会社はどのような思想を持ち、実践していくかという、経営に対する姿勢、理念を「創立の根本精神及び経営理念」に掲げました。その中で創立の目的は、「同一の思想を持ち、信頼し合う事のできる人間が集まって、何かの仕事を通じて、(極論からすれば、それがどのような仕事、業種であってもよい)経済的無から、一つの理想体(理想企業体)を作り上げる事への挑戦」と謳っております。

この親会社の「創立の根本精神及び経営理念」により、当社も「社会に対し社会性を充分発揮してその存在価値を高め、社員個々の幸福を勝ち取り、企業の維持、発展をならしめること」を基本理念として、これまで活動を続けてまいりました。

この基本理念を実現していくために、当社では創立以来毎期、付加価値経営計画の全容を社員に発表してまいりました。このようなオープンな経営姿勢に対する社員個々の意識の高まりが、互いの信頼感を強くし、個々の能力を十分に活かすことで、計画達成という一つの目的に邁進することができたと確信しております。

このように、「道は一つ、共に進もう」という当社のスローガンに沿った付加価値経営こそが躍進の原動力であり、今後も成長の糧としてまいります。

付加価値は6項目の構成要素からなっております。

その経営指標は①人件費58.5%、②福利厚生費1.3%、③金融費用2.0%、④動産不動産賃借料2.7%、⑤減価償却費13.0%、⑥付加価値内利益(営業利益−金融費用)22.5%としております。また、付加価値を生み出す売上高は3項目で構成され、①材料原価44.0%、②付加価値合計43.0%、③その他一般経費13.0%で構成されております。

 

(2) 財政状態及び経営成績の分析

 

当社グループの財政状態及び経営成績については、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」に記載したとおりであります。

これにより当連結会計年度における当社グループの付加価値の実績は、①人件費66.9%、②福利厚生費1.3%、③金融費用1.9%、④動産不動産賃借料3.0%、⑤減価償却費14.2%、⑥付加価値内利益(営業利益−金融費用)12.7%となりました。また、付加価値を生み出す売上高は、①材料原価52.6%、②付加価値合計30.7%、③その他一般経費16.7%でした。

 





出典: テクノクオーツ株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書