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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、前年度後半から緩やかな下降局面にありましたが、米国サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機の急激な深刻化の影響により、下期以降は予想も出来ないほどの急速な後退局面に転じました。

 当社グループにつきましても、金融環境の悪化の影響を受け、不動産関連会社の倒産及びこれに連鎖したゼネコンの倒産が相次ぎ、思わぬ不良債権の発生という大きな影響を受けました。また、景気の急激な悪化による受注済み案件の延期や中止も相次ぎ、業績面への影響は避けられませんでした。

 このような環境下ではありましたが、当社は「建物基礎として最適な基礎形態を優れた設計でご提案し、高品質な当社グループ製造杭を使用し、強力な建設部隊で基礎を築造する」というビジネスモデルの浸透を図るとともに、その源泉である設計部門については引き続き人材を投入するなど、更なる強化を行い、他社との差別化に努めました。また、コンクリートパイル・鋼管杭に続き、場所打ち杭につきましても今期高支持力化に取り組みました。さらに場所打ち杭につきましては、昨年2月に基礎工業㈱がグループ入りしたほか、同8月には丸五基礎工業㈱と業務協力協定を締結し、部門としての強化を図っております。 

 一方、コスト面では、昨年4月にジャパンパイルロジスティクス㈱を設立し、地域ごとにバラツキのあった輸送コストに全国統一基準を導入し、各地の施工現場と各工場の最適物流を図るなど、コスト面の効率化にも着手いたしました。なお、受注の前段階である引き合いにつきましては、第3四半期は急激な落ち込みとなりましたが、本年2月以降は次第に回復してきております。当連結会計年度への影響はありませんが、次年度以降の受注回復に繋がるものと考えています。

 当社グループの主力製品であるコンクリートパイルの出荷につきましては、特に下期以降は景気後退の影響を受け、業界全体で前年比3%以上の減少となりましたが、当社におきましては、高支持力商品であります「Hyper−MEGA(ハイパーメガ)工法」が引き続き市場の高い支持を得たこともあり、コンクリートパイルの完工量は、昨年比5.2%増加しました。

 その他の部門については、場所打ち杭部門が基礎工業㈱のグループ参入や丸五基礎工業㈱との業務協力協定の締結などの積極策が奏功し、前年比36.9%増と大きく伸び全体の売上高を押し上げました。また、鋼管杭部門の売上高が昨年比7.0%増加いたしました。

 この結果、売上高は700億33百万円(前年同期比14.5%増)となりました。一方、利益面では、原材料価格の高騰、建設関連企業の倒産による多額の不良債権の発生、新工法開発関連費用の増加、さらに下期は景気後退に伴う競争の激化等も加わって利益は減少し、営業利益は16億98百万円(前年同期比14.9%減)、経常利益は20億49百万円(同14.0%減)となりました。なお、当期純利益につきましては、株式市況の悪化に伴う株式評価損を特別損失に計上したことや製造子会社の繰延税金資産を取崩したことなどから3億35百万円(同81.5%減)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益12億14百万円に減価償却費等の非資金項目を加算し、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、未成工事支出金の減少が大きく影響し、営業キャッシュ・フローは47億43百万円の収入(前期比39億37百万円の増)となりました。

 投資活動においては、主にコンクリートパイル製造用設備の増強及び改修や、施工機材の取得、研修施設の建設によって支出が行われる一方で、施工機材等をセール・アンド・リースバックとして売却しました。この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは17億19百万円の支出となりました。

 財務活動においては、借入金及びリース債務の返済や社債の償還、配当金の支払等を行う一方で、長期借入金及び社債による資金調達を行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは8億82百万円の収入となりました。

 上記の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は71億9百万円となり、前連結会計年度末より39億6百万円増加いたしました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業(百万円)

19,742

103.9

その他事業(百万円)

80

88.0

合計(百万円)

19,822

103.8

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

品目

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

コンクリート杭

53,559

104.8

11,091

96.8

 

鋼管杭

5,124

99.6

1,951

98.5

 

場所打杭

8,833

95.5

1,372

44.1

その他事業

——————

300

71.9

9

11.3

合計

 

67,818

102.9

14,425

86.7

 (注)1.受注金額には、工事代金が含まれております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

品目

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業(百万円)

コンクリート杭

53,930

112.0

 

鋼管杭

5,154

107.0

 

場所打杭

10,570

136.9

その他事業(百万円)

——————

377

81.9

合計(百万円)

 

70,033

114.5

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。

3【対処すべき課題】

 当社グループは、平成17年度に発足して5年目を迎えることとなり、これまでは景気の回復にも支えられ順調に業績を拡大してまいりましたが、当社グループが総合的な基礎建設会社として厳しい経営環境へ対応していくには、仕事の中身から再検討し、過去の慣例に捉われず大胆に再構成するなど、全社的な効率化が最大の重要課題と考えております。

 このため、生産部門におきましては、適正生産体制を確立するために工場の統廃合や生産杭種の絞り込を行い、生産体制の効率化を図ってまいります。昨年はその一環として、山梨工場を大径節杭専用工場とすべく大規模な設備投資を行い、指定認定機関の評定を得て、本年4月度より出荷を開始しております。本年度はこれを更に進め、全工場で付加価値の高い杭種の生産に特化し、杭生産コストの大幅な引き下げを実現してまいります。

 施工部門につきましては、工事品質の更なる向上と工事コスト削減を狙いとして、建設機材の効率的な使用や管理体制を確立するとともに、研修強化による工事管理人の育成に努めてまいります。

 また、当社の強みであります設計部門は、既に他社との差別化が明確になっており、この設計力に更に磨きを掛け、設計部門の人材を活用し営業部門との連携を積極的に推進します。

 品質管理につきましては、生産部門の品質、施工部門での品質はもとより、安全管理面においても「総合的な基礎建設業」のリーディングカンパニーとして最注力し、顧客満足度の高い建築基礎を構築してまいる所存であります。

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合でも適切に対処すよう努める方針であります。なお、以下の記載の文中にある将来の関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、当社グループの投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

(1)当社グループの再編等について

 当社グループは、平成19年4月に富士コン㈱と共同で北陸地域における販売会社としてジャパンパイル富士コン㈱を設立、平成20年1月に㈱ホッコンと北海道地区における大径コンクリートパイルの需要に対応するために製造子会社を設立することで基本合意、平成20年2月には関東地区のマーケットにおける場所打杭の営業力・施工能力の強化を図ることを目的に基礎工業㈱を子会社化するなど、当社グループの競争力を強化するため、同業他社との提携や同業他社への資本参加等を積極的に推進しております。当社は、今後も引き続き、こうしたグループ拡大策に取り組んでいく方針ですが、当社が期待するグループ拡大策が実現する保証はありません。

(2)製品・工法開発について

 当社グループは、他社との差別化を図り付加価値を高めるため、永年にわたり技術やノウハウを蓄積してまいりました。また、業界の大手企業として基礎工事に関する技術力で社会に貢献するという経営理念から優秀な技術者の育成や杭材及び杭施工法の開発に力を注いでまいりました。これらの製品や施工法の開発及び公的な評定取得や国土交通省の認定取得には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常に迅速に回収される保証はありません。

 また、当社グループは製品・工法開発にあたり知的財産(商標権、特許権、意匠権等)の調査を行い、他者の権利に抵触する製品・工法開発を避ける努力をしております。しかしながら他社が知的財産の申請を行ってから公表されるまでに一定の時間を要することや、権利が確定するまでに時間がかかることがあり、当社グループが開発し製造・販売した製品や工法が他者の知的財産に抵触する可能性を排除することができません。その場合、他者から営業権や知的財産権の侵害と損害賠償請求されることも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)業界の寡占状況について

 当社グループが属するコンクリートパイル業界において、他社との差別化を図るためには、上記で述べたように優秀な技術者の育成のみならず、製品及び施工法の開発や認定工法を取得することが重要性を増しているものと認識しております。このため、これら多額の開発費負担を抑えるため、認定工法の供与やコンクリート杭の相互供給などがより一層積極的に行われるものと考えられると同時に、これらの費用負担が可能な大手企業による再編と寡占化が進みつつあります。当社グループは、業界大手企業として、業界再編と寡占化の状況に対して必要な施策をとり主導的な役割を果たしていく方針でありますが、当該方針が実現する保証はありません。また、寡占化の進展に伴い、当社グループが想定する以上の価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)原材料等の市況変動の影響について

 当社グループは、遠心力高強度プレストレストコンクリートパイルの製造・施工を主力業務としております。その原材料にはセメント、PC鋼棒等を使用しており、仕入先からの価格引き上げ要請により変動し、コストが上昇することもあります。当社グループといたしましては、随時市況価格を注視しながら価格交渉を行い仕入価格を抑制しつつ、原価上昇分を販売先へ転嫁する努力を行っておりますが、価格動向によっては製造原価及び工事原価高により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)市場環境について

 当社グループが扱うコンクリートパイルの製造・施工業務は、建築物の基礎工事に関連する事業であり、当然ながら建設投資の多寡が受注に影響します。当社グループは、同業他社と比較して相対的に公共投資関連事業への依存度は低いものと認識しておりますが、民間投資も含めた住宅投資や設備投資等の動向によっては受注が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法的規制について

 当社グループの一部の事業は建設業に属しており、建設業法第3条第1項及び第2項により法的規制を受け、「建築基準法」に準拠するように求められております。当社グループは建設基礎杭の販売・施工にあたり、以下のとおり許認可及び登録をしております。

 当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、当社グループの運営に支障をきたし、財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、平成19年6月に実施された建築確認制度の変更のように、これらの規制の改廃や新たな法的制度が設けられる場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

許認可等の名称

有効期限

取消事由

建設業許可

(特定建設業許可)

土木工事業

(大臣許可第21607号)

平成23年3月

建設業法第29条・第29条の2・第29条の4、第28条3項及び5項

 

とび・土木工事業

(大臣許可第21607号)

平成23年3月

(7)施工物件の瑕疵について

 当社グループは、コンクリートパイルの重量で年間100万トン前後の基礎工事を日本全国で行っており、工事の際には十分な地盤調査、基礎設計、施工方法等の事前検討を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成され、また予期せぬ障害物が現われることもあり、予見できない瑕疵によって施工品質の悪化や施工期間の延長が生じる可能性があります。瑕疵に伴う損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)労災事故災害について

 当社グループは、全国で年間数千件もの基礎工事を行っており、その作業現場は重機に囲まれた屋外作業が中心となっているため、他の産業に比べ重大な労災事故が発生する危険性が高いものと認識しております。当社グループとしては、現場の安全教育の徹底や定期的なパトロールの実施等により事故の発生防止に全力を挙げております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険に加入しておりますが、仮に死亡事故等の重大災害が発生した場合は、人的損失はもちろんのこと、それに伴う社会的信用の失墜、補償等を含む災害対策費用、工期の遅れによる収益の悪化等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、技術本部技術開発部が中心になって、施工本部員、基礎設計部員及びジャパンパイル製造㈱生産技術部員などから構成されるプロジェクトチームによって行われています。当連結会計年度には下記のテーマを中心に活動を行いました。

(1)基礎的研究分野

 基礎杭に関する基本的な現象を解明するために、高強度コンクリートの基本的な性質、杭と構造物の接合部の挙動、高軸力下のパイルキャップの挙動、静的・動的水平載荷試験の検討などの研究に取り組みました。その成果は多くの論文にまとめ、(社)地盤工学会、(社)日本建築学会、(社)土木学会、日本地震工学会、(社)日本コンクリート工学協会などで発表しました。また、それらの学会の委員会活動にも積極的に参加しました。

(2)杭製品技術分野

 旧販売会社3社の杭仕様を統一した新しい仕様の杭について杭体試験を多数実施し、(財)日本建築センターの杭材に関する評定を取得しました。また、新しいJISに対応するための試験を実施し、旧制度のJIS工場はすべて新JIS工場となりました。合わせて、杭材品質の更なる向上のために、さまざまな試験や検討を行いました。

(3)施工技術分野

 「Hyper−MEGA工法」を安全・確実に施工するための解析や実験を多く行ったほか、引き抜き抵抗に関する(財)日本建築総合試験所の建築技術審査証明を取得しました。また、施工記録・管理装置の開発・改良を進めました。さらに、場所打ち杭工法を始めとする新しい杭工法の検討を行いました。

(4)設計技術・品質管理技術分野

 「JP基礎設計士」試験制度は、当連結会計年度から(社)建築研究振興協会に委託した「建築基礎設計士試験運営委員会」が行う試験となりました。ジャパンパイルグループからは、設計職を始め営業職、工事職、製造職の25名が建築基礎設計士試験を、33名が同士補試験を受験しました。その結果、4名が「建築基礎設計士」に、8名が「建築基礎設計士補」に認定されました。

 また、低固定度杭頭接合工法(SRパイルアンカー工法)をSC杭にも適用した場合の実験を重ね、(財)日本建築センターの評定を取得しました。このほか、杭頭接合部の設計ソフト、構造物の沈下量の解析ソフト、地盤の液状化判定を計算するソフトなどの作成・改良に取り組み、多数の実プロジェクトの設計に活用しました。「HITTOP(ヒットトップ)」(衝撃載荷試験)については、大学との共同研究を通じて動的載荷試験方法の解析法の更なる改良や論文発表等を行いました。

(5)その他

 各種の技術資料の作成、営業部門の支援活動などの業務を行いました。また、特許担当は、特許の出願や調査など特許関係全般の業務のほか、既存特許の管理や特許関係諸規定の整備に取り組みました。本年度の特許出願数は、12件となっています。さらに、(社)日本建築構造技術者協会や(社)コンクリートパイル建設技術協会など、職能団体や業界団体の委員会活動にも積極的に参加しました。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は、4億55百万円であります。

7【財政状態及び経営成績の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、重要な会計方針の選択・適用、資産及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積り承認に関しては定期的に開催する取締役会において、通常のものは権限規定に基づき稟議によって随時行っております。

 会社は、これらの見積りについて、過去の実績等を踏まえて合理的に判断をしておりますが、実際の結果については、見積り特有の不確実性が生じるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)連結貸借対照表

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べ21億82百万円増加し、326億68百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度末に計上されていた大型の未成物件が完成したことなどによって未成工事支出金が16億54百万円減少したものの、現金及び預金が37億96百万円増加したことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は前連結会計年度末に比べ15億22百万円増加し、158億67百万円となりました。

 有形固定資産は前連結会計年度末に比べ20億6百万円増加し、128億93百万円となりました。主な要因は、減価償却費の計上によって14億69百万円減少したものの、ジャパンパイル製造㈱山梨工場の大径化専用工場への改修を始めとするコンクリートパイル製造用設備の取得のほか、杭打機などの施工機材の取得、研修施設の建設などにより36億74百万円増加したことによるものであります。

 投資その他の資産は前連結会計年度末に比べ4億25百万円減少し、23億99百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が取得により1億81百万円増加したものの、株式市況の下落を受け、投資有価証券評価損を7億29百万円計上し減少したことなどによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末に比べ36億59百万円増加し、346億10百万円となりました。主な要因は、平成20年12月に主要取引金融機関と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結し、当連結会計年度において20億円の調達を行ったことなどにより借入金及び社債が12億86百万円増加したことや、前述の有形固定資産取得によるリース債務の増加9億41百万円、設備関係支払手形の増加6億67百万円などによるものであります。

 

(純資産)

 純資産は当期純利益3億35百万円の計上と配当金の支払い3億12百万円の結果、利益剰余金が22百万円増加したことなどから、前連結会計年度に比べ57百万円増加し、139億38百万円となりました。

 

(3)連結キャッシュ・フロー計算書

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は71億9百万円となり、前連結会計年度末より39億6百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動において得られた資金は、47億43百万円となりました。この要因は、税金等調整前当期純利益12億14百万円、減価償却費15億25百万円、投資有価証券評価損の計上7億29百万円や、前連結会計年度末に計上されていた大型の未成物件が完成したことなどによる未成工事支出金の減少16億54百万円により増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動において使用した資金は、17億19百万円となりました。この要因は、ジャパンパイル製造㈱山梨工場の大径化専用工場への改修を始めとするコンクリートパイル製造用設備の取得のほか、杭打機などの施工機材の取得、研修施設の建設などにより22億21百万円減少している一方で、セール・アンド・リースバック向け資産を主とする売却によって5億80百万円増加したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動において得られた資金は、8億82百万円となりました。この要因は、長期借入金の返済による支出14億23百万円、社債の償還による支出7億30百万円等により減少したものの、社債の発行により6億84百万円増加したことや、平成20年12月に主要取引金融機関と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結し、当連結会計年度において20億円の調達を行ったことなどによるものであります。

(4)連結損益計算書

(営業損益)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ88億79百万円増加して700億33百万円、売上原価も同じく84億62百万円増加し602億48百万円となりました。主力のコンクリートパイルは、高支持力工法である「Hyper−MEGA工法」が引き続き市場の高い支持を得たことによって、売上高は57億74百万円増加し、539億30百万円(前年同期比12.0%増)となりました。場所打ち杭は、平成20年2月に基礎工業㈱の全株式を取得し、当連結会計年度から損益計算書まで連結することになったほか、同年8月に丸五基礎工業㈱と業務協力協定を締結して部門の強化を図った結果、売上高は28億49百万円増加し105億70百万円(前年同期比36.9%増)となりました。

 販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ7億13百万円増加し、80億86百万円となりました。主な要因は、建設関連企業の倒産による多額の不良債権が発生したことによって、個別債権に対する引当金の計上が必要になったうえ、一般債権に対する貸倒引当金繰入率を押し上げ、貸倒引当金繰入額が3億39百万円増加したことや、新工法開発関連費用を中心として研究開発費が77百万円増加、前述の基礎工業㈱を子会社化したことによる増加によるものであります。

 これらにより、営業損益は前連結会計年度に比べ2億97百万円減少し、16億98百万円となりました。

(経常損益)

 営業外収益は、前連結会計年度において「Hyper−MEGA工法」の実施権を供与したことによる技術料収入を35百万円計上しましたが、当連結会計年度の供与はありませんでした。結果、営業外収益は前連結会計年度に比べ40百万円減少し、5億32百万円となりました。

 営業外費用のうち支払利息は、過年度の借入金の返済を進める一方で、主要取引金融機関と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結し、当連結会計年度において20億円の長期借入れを行いましたが、増加は11百万円に止まり、1億29百万円となりました。その他諸費用を計上した結果、営業外費用は前連結会計年度に比べ2百万円減少し、1億81百万円となりました。

 以上により、経常損益は前連結会計年度に比べ3億34百万円減少し、20億49百万円となりました。

(特別損益)

 特別利益は前連結会計年度に比べ52百万円増加し、1億4百万円となりました。これは、子会社であるジャパンパイル製造㈱の工場用地収用による移転補償金を73百万円計上したことが主な要因であります。

 特別損失は前連結会計年度に比べ5億6百万円増加し、9億40百万円となりました。これは、前連結会計年度では販売子会社3社を吸収合併したことによるスポット的費用が発生していたこと、当連結会計年度において、株式市況悪化に伴う株式評価損が7億29百万円(前連結会計年度は70百万円)発生したことが主な要因であります。

 法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度は繰越欠損金を充当したことなどにより2億95百万円に止まりましたが、当連結会計年度より税負担が通常ベースに戻ったことによって5億18百万円増加し、8億13百万円となりました。また、製造子会社の繰延税金資産を取り崩したことから、法人税等調整額は1億91百万円増加しました。以上の結果により、当期純利益は前連結会計年度に比べ14億75百万円減少し、3億35百万円となりました。

(5)次期の見通し

 次期の国内経済は、一部には景気底入れの兆しもみられるものの、国内経済は、企業収益の悪化及びそれに伴う設備投資の落ち込み、雇用不安等による個人消費の低迷等から景気後退が続く公算が高いと見込まれ、脱出には相当の時間を要するものと見られております。当社グループ関連業界につきましても、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えております。

 当社グループにおきましては、仕事の中身を抜本的に再検討し、過去の慣例に捉われず大胆に再構成するなど、全社的な効率化を推進して「日本最大の総合的な基礎建設会社 ジャパンパイル」としてのブランドイメージの更なる浸透を図り、他社との差別化を明確にし、最適な基礎構造の選択、確実で信頼できる工事、最高の経済性の実現を営業方針とし、業績の向上に努める所存であります。





出典: アジアパイルホールディングス株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書