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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は、円安等を背景に企業業績が好調に推移し、設備投資や雇用情勢の改善が続き、緩やかな回復基調が続きましたが、年度後半に入り中国を始めとするアジア新興国の経済の減速や円高の影響の懸念が高まるなど、全体に力強さを欠く展開となりました。

 当社グループが主として属するコンクリートパイル業界は、民需が増加したものの、官需が減少したため、全体の出荷量は前年度対比減少となりました。

 このような事業環境のもと、当社グループは5か年計画の2年目として、昨年度に引き続き基礎体力作りに注力してまいりました。総合基礎建設業の根幹となる施工部門におきましては、品質向上を目指し人材育成に努める一方、施工能力向上を目指し施工機械・機材の増強に積極的に取り組んでまいりました。生産部門におきましては、福岡新工場が完成し出荷開始するとともに、既存工場におきましても大径化・高強度化の需要に対応すべく生産設備を改善、増強するなど、引き続き生産能力の向上に努めてまいりました。設計・営業部門におきましては、最適な設計提案を基とする地道な営業活動を継続する一方、大手ゼネコンに対し、コンクリートパイルのみならず鋼管杭、場所打ち杭も含めた全ての杭基礎分野における総合的な設計提案を積極的に推し進めてまいりました。

 海外におきましては、子会社のPhan Vu Investment Corporation(以下、「PV社」という。)が、ベトナム南部でロンアン新工場を軌道に乗せるとともに、北部での本格的事業展開を図るべくハノイ支店の増強、ハイズン工場の大規模改修に取り組んでまいりました。また、ミャンマーでは同国内コンクリートパイル最大手のMyanmar V-Pile Co., Ltd.とPV社並びに当社の三社で合弁会社VJP Co., Ltd.を昨年の6月に設立、ティラワ工業団地内に遠心成形によるコンクリートパイル製造の新工場建設の申請手続きに着手いたしました。

 売上高につきましては、当連結会計年度のコンクリートパイル部門は、国内の業界全体の需要が減少する中で大型物件の受注が堅調に推移したことと、ベトナムのPV社の業績が好調に推移したことにより、前年度比6.0%の増加となりました。鋼管杭部門は、昨年度に引き続き土木物件の受注が増え前年度比20.8%の増加となりました。また場所打ち杭部門も、新工法の浸透等により前年度比6.9%の増加となり、全部門において増収となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の実績は、売上高720億78百万円(前年度比7.3%増)となりました。一方、利益面につきましては、研究開発費等先行投資関連の費用が増加したこと、大型工事の利益率が低下したことから、営業利益23億24百万円(同34.9%減)、経常利益22億35百万円(同39.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益14億32百万円(同40.2%減)となりました。なお、当連結会計年度に発生しました電流計データの流用問題による収益に与える影響は軽微であります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益22億86百万円に減価償却費18億61百万円などの非資金項目を加算し、営業活動に係る債権・債務及び税金等の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ33億79百万円減少し、8億70百万円の収入となりました。

 投資活動において使用した資金は、コンクリートパイル製造用設備や施工機材などの有形固定資産の取得、土地使用権の取得などによって前連結会計年度に比べ7億62百万円増加し、39億2百万円となりました。

 財務活動において得られた資金は、短期借入金及び長期借入金の増加、社債の発行などによって、26億70百万円(前年同期は20億16百万円の支出)となりました。

 上記の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4億39百万円減少し、103億1百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、品目区分ごとの生産、受注及び販売の状況を記載しております。

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

区分

生産高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

 

 

コンクリート杭

18,605

100.2

合計

18,605

100.2

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

区分

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

 

 

 

 

コンクリート杭

61,270

109.9

20,999

127.9

鋼管杭

6,479

99.3

1,832

88.8

場所打杭

9,270

118.0

2,201

118.7

合計

77,020

109.8

25,033

123.1

 (注)1.受注金額には、工事代金が含まれております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

販売高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

 

 

コンクリート杭

56,443

106.0

鋼管杭

6,710

120.8

場所打杭

8,924

106.9

合計

72,078

107.3

 (注)1.販売金額には、工事代金が含まれております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。

3【対処すべき課題】

 当社の連結子会社であるジャパンパイル株式会社が施工しました既製コンクリート杭埋め込み工法による工事において、一部の施工報告書で電流計データを流用するという事態が判明しました。

 当社グループでは今後かかる事態を起こさぬよう以下のとおり再発防止に取り組んでおります。

 国土交通省告示「基礎ぐい工事の適正な施工を確保するために講ずべき措置」に基づき、施工現場におきましては、一般社団法人日本建設業連合会が作成した「既製コンクリート杭施工管理指針」並びに一般社団法人コンクリートパイル建設技術協会が作成した「既製コンクリート杭工法の施工管理要領」等により、役割と責任を明確にした適切な工事管理を行っております。また杭工事管理者の知識、技術力の向上に努めるとともに、電流計という記録装置につきましても、デジタル対応等の機能の高度化を進めてまいります。さらにこれらを踏まえて、改めて施工記録の重要性に対する社内の意識の徹底を図り、安全で安心な工事を心がけております。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合でも適切に対処するよう努める方針であります。なお、以下の記載の文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社が判断したものであり、当社グループの投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

(1)当社グループの再編等について

 当社グループは、平成22年2月に㈱ホッコンと北海道地区における大径コンクリートパイルの需要に対応するためにホッコンJP㈱を設立、平成22年7月にはベトナム最大のコンクリートパイル製造・施工会社であるPhan Vu Investment Corporationと資本提携及び業務提携を締結、持分法適用関連会社化を経て平成25年12月には子会社化、平成27年6月にはミャンマーにおいてVJP Co., Ltd.を共同出資で設立するなど、当社グループの競争力を強化するため、同業他社との提携や同業他社への資本参加等を積極的に推進しております。当社は、今後も引き続き、こうしたグループ拡大策を検討・取組んでいく方針ですが、当社が期待する効果が実現する保証はありません。

(2)製品・工法開発について

 当社グループは、他社との差別化を図り付加価値を高めるため、永年にわたり技術やノウハウを蓄積してまいりました。また、総合基礎建設業として地域・環境面への社会に貢献するという企業行動基準から、優秀な技術者の育成や杭材及び杭施工法の開発に力を注いでまいりました。これらの製品や施工法の開発及び公的な評定取得や国土交通省の認定取得には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常に迅速に回収される保証はありません。

 また、当社グループは製品・工法開発にあたり知的財産(商標権、特許権、意匠権等)の調査を行い、他者の権利に抵触する製品・工法開発を避ける努力をしております。しかしながら他者が知的財産の申請を行ってから公表されるまでに一定の時間を要することや、権利が確定するまでに時間がかかることがあり、当社グループが開発し製造・販売した製品や工法が他者の知的財産に抵触する可能性を排除することができません。その場合、他者から営業権や知的財産権の侵害と損害賠償請求されることも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)業界の寡占状況について

 当社グループが属するコンクリートパイル業界において、他社との差別化を図るためには、上記で述べたように優秀な技術者の育成のみならず、製品及び施工法の開発や認定工法を取得することが重要性を増しているものと認識しております。このため、これら多額の開発費負担を抑えるため、認定工法の供与やコンクリート杭の相互供給などがより一層積極的に行われるものと考えられると同時に、これらの費用負担が可能な大手企業による再編と寡占化が進みつつあります。当社グループは、業界大手企業として、業界再編と寡占化の状況に対して必要な施策をとり主導的な役割を果たしていく方針でありますが、当該方針が実現する保証はありません。また、寡占化の進展に伴い、当社グループが想定する以上の価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料等の市況変動の影響について

 当社グループは、プレストレスト高強度コンクリートパイルの製造・施工を主力業務としております。その原材料にはセメント、PC鋼棒等を使用しており、仕入先からの価格引き上げ要請により変動し、コストが上昇することもあります。当社グループといたしましては、随時市況価格を注視しながら価格交渉を行い仕入価格を抑制しつつ、原価上昇分を販売先へ転嫁する努力を行っておりますが、価格動向によっては製造原価及び工事原価高により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)市場環境について

 当社グループが扱うコンクリートパイルの製造・施工業務は、建築物の基礎工事に関連する事業であり、当然ながら建設投資の多寡が受注に影響します。当社グループは、同業他社と比較して相対的に公共投資関連事業への依存度は低いものと認識しておりますが、民間投資も含めた住宅投資や設備投資等の動向によっては受注が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法的規制について

 当社グループの主たる事業は建設業に属しており、建設業法第3条第1項及び第2項により法的規制を受け、「建築基準法」に準拠するように求められております。当社グループは建設基礎杭の販売・施工にあたり、以下のとおり許認可及び登録をしております。

 当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、当社グループの運営に支障をきたし、財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、平成19年6月に実施された建築確認制度の変更のように、これらの規制の改廃や新たな法的制度が設けられる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期限

取消事由等

建設業許可

(特定建設業許可)

土木工事業

(大臣許可第21607号)

平成33年1月

建設業法第29条・第29条の2・第29条の4、第28条3項及び5項

 

とび・土工工事業

(大臣許可第21607号)

平成32年5月

 

(7)施工物件の瑕疵について

 当社グループは、日本全国及び東南アジアにおいて基礎工事を行っており、工事の際には十分な地盤調査、基礎設計、施工方法等の事前検討を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成され、また予期せぬ障害物が現われることもあり、予見できない瑕疵によって施工品質の悪化や施工期間の延長が生じる可能性があります。瑕疵に伴う損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)労災事故災害について

 当社グループは、各地で年間数千件もの基礎工事を行っており、その作業現場は重機に囲まれた屋外作業が中心となっているため、他の産業に比べ重大な労災事故が発生する危険性が高いものと認識しております。当社グループとしては、現場の安全教育の徹底や定期的なパトロールの実施等により事故の発生防止に全力を挙げております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険に加入しておりますが、仮に死亡事故等の重大災害が発生した場合は、人的損失はもちろんのこと、それに伴う社会的信用の失墜、補償等を含む災害対策費用、工期の遅れによる収益の悪化等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)カントリーリスクについて

 当社グループは、東南アジア地域において関係会社を通じて基礎工事関連事業を展開しておりますが、関係会社が所在している国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正、外国通貨レートの変動の影響などによって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、子会社ジャパンパイル㈱の技術部門が中心になって、施工部門、基礎設計スタッフ及び生産部門などから構成されるプロジェクトチームによって行われています。当連結会計年度には下記のテーマを中心に活動を行いました。

 

(1)杭製品技術分野

 福岡新工場の追加評定取得、JIS追加認証及び更新時期を迎えた評定更新、JIS更新認証を実施しました。また、新規杭材に関する評定申請取得や評定申請に向けた各種試験を行いました。

 

(2)施工技術分野

 当連結会計年度は首都圏再開発物件の杭工事に適応した工期短縮、コスト縮減を可能とする拡底場所打ち杭工法であるJSHR工法を開発し、(一財)日本建築センターでの評定を取得いたしました。

 

(3)基礎的研究分野

 基礎杭に関する研究開発として、二次設計への対応や杭と上部構造物の接合部、支持力機構あるいは地中熱利用などについて、大学、学会、他社、協会などと共同研究や委員会活動を行いました。当連結会計年度の成果については論文にまとめ、(公社)地盤工学会、(一社)日本建築学会などで発表しました。

 

(4)設計技術・品質管理技術分野

 (一社)基礎構造研究会の建築基礎設計士資格試験に55名が受験し、基礎設計能力の向上に努めました。また、低固定度杭頭接合工法(F.T.Pile構法)、高支持力杭対応杭頭接合工法(拡頭リング工法)の普及に取り組み、多数の実プロジェクトの設計に活用しました。

 

(5)その他

 各種の技術資料の作成、営業部門の支援活動などの業務を行いました。また、特許担当は、特許の出願や調査など特許関係全般の業務のほか、既存特許の管理に取り組みました。当連結会計年度の特許出願数は17件となっています。「TPJ(トリプルプレートジョイント)」と「PJ(ペアリングジョイント)」の2種類がある無溶接継手の研究会活動に参加しました。さらに、(一社)日本建築構造技術者協会や(一社)コンクリートパイル建設技術協会、(一社)日本基礎建設協会など、職能団体や業界団体の委員会活動にも積極的に参加しました。

 

 当連結会計年度の研究開発費の総額は、5億13百万円であります。

 なお、当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、重要な会計方針の選択・適用、資産及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積り承認に関しては定期的に開催する取締役会において、通常のものは権限規定に基づき稟議手続きによって随時行っております。

 会社は、これらの見積りについて、過去の実績等を踏まえて合理的に判断をしておりますが、実際の結果については、見積り特有の不確実性が生じるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)連結貸借対照表

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べ9億6百万円減少し、378億98百万円となりました。主な要因は、未成工事支出金が5億41百万円増加しましたが、現金及び預金が4億40百万円、受取手形及び売掛金が10億58百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は前連結会計年度末に比べ14億80百万円増加し、226億63百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が福岡新工場に対する設備投資などにより15億71百万円増加したことなどによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末に比べ5億6百万円減少し、333億42百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金が31億1百万円増加しましたが、ファクタリング未払金が21億72百万円、未払法人税等が6億40百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

 純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加14億32百万円、配当金の支払いによる減少4億14百万円、その他の包括利益累計額の減少5億18百万円、非支配株主持分の増加5億80百万円の結果、前連結会計年度末に比べ10億80百万円増加し272億20百万円となりました。

 

(3)連結キャッシュ・フロー計算書

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は103億1百万円となり、前連結会計年度末より4億39百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動において得られた資金は、前年同期比33億79百万円減少し8億70百万円となりました。この要因は、ファクタリング未払金の減少23億71百万円や法人税等の支払い12億11百万円などにより減少しましたが、税金等調整前当期純利益の計上22億86百万円、減価償却費の計上18億61百万円などにより増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動において使用した資金は、前年同期比7億62百万円増加し39億2百万円となりました。この要因は、福岡新工場建設を中心とするコンクリートパイル製造用設備や施工機材などの有形固定資産の取得による支出35億53百万円、土地使用権の取得による支出3億20百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動において得られた資金は26億70百万円(前年同期は20億16百万円の支出)となりました。この要因は、長期借入金の返済10億96百万円やリース債務の返済7億22百万円などにより減少しましたが、長期借入れによる収入24億75百万円、社債の発行による収入11億4百万円、短期借入金の純増8億6百万円などにより増加したことによるものであります。

(4)連結損益計算書

(営業損益)

 当連結会計年度の売上高は720億78百万円(前連結会計年度比7.3%増)、売上原価は619億80百万円(同9.6%増)、売上総利益は100億97百万円(同4.9%減)となりました。主力のコンクリート杭は、国内ではコンクリートパイル業界全体の需要が減少する中で大型物件の受注が堅調に推移したことと、海外ではベトナムのPV社の業績が好調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ31億77百万円増加し564億43百万円(同6.0%増)となりました。また、鋼管杭は前年度に引き続き土木物件の受注が増えたことにより、売上高は前連結会計年度に比べ11億53百万円増加し67億10百万円(同20.8%増)、場所打杭は新工法の浸透等により増加に転じ、売上高は前連結会計年度に比べ5億77百万円増加し89億24百万円(同6.9%増)となりました。利益面では、大型工事の利益率が低下したことから、売上総利益率は1.8ポイント低下しました。

 販売費及び一般管理費につきましては、研究開発費などの先行投資関連費用が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ7億31百万円増加し、77億72百万円(同10.4%増)となりました。

 これらにより、営業利益は前連結会計年度に比べ12億48百万円減少し、23億24百万円となりました。

 

(経常損益)

 営業外収益のうち、負ののれん償却額は上半期において全ての償却を完了したことにより前連結会計年度に比べ2億65百万円減少しました。

 これらにより、経常利益は前連結会計年度に比べ14億30百万円減少し、22億35百万円となりました。

 

(特別損益)

 特別損失は、固定資産関連費用が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ2億80百万円減少しました。

 以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9億64百万円減少し、14億32百万円となりました。

 

(5)次期の見通し

 次期の見通しにつきましては、引き続き緩やかな景気の回復基調が期待されますが、新興国経済の減速や円高の影響の懸念など、楽観視できない状況にあります。

 当社グループが主として属するコンクリートパイル業界におきましては、民需の改善が期待されるものの、引き続き官需の減少や人材不足等による着工遅延等の懸念材料が残り、次年度出荷量の大幅な改善は難しいものと予測されます。

 このような環境のもと、当社グループは5か年計画の3年目として、最終年度における飛躍的な事業拡大のための基礎体力作りの総仕上げに取り組んでまいります。施工部門では人材育成と施工機械・機材の拡充による施工能力の向上、生産部門では大径化・高強度化の需要に対応すべく福岡新工場の本格稼働と既存工場の生産能力の増強により、引続き生産能力の向上に注力してまいります。また併せて、新工法等の新技術の研究開発を完了し、総合基礎建設業としての事業基盤を更に強固なものとしてまいります。海外におきましては、PV社のハイズン工場の大規模改修を完了し本格稼働することにより、ベトナム北部での事業展開を本格化するとともに、南部におきましてもロンアン工場の増設等により、さらなる生産能力の拡大を目指します。ミャンマーでは、現在建設申請中のVJP Co., Ltd.の新工場の次年度内完成を目指しております。

 更に、昨年10月1日にスタートした持株会社体制を活かし、各事業会社間の紐帯強化によるシナジー効果を高めることで、当社グループの国内並びに海外での事業展開を加速させてまいります。

 





出典: アジアパイルホールディングス株式会社、2016-03-31 期 有価証券報告書