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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復が続きましたが、前半は米国利上げ観測の後退や英国の混乱により円高が進行、後半は米国の新政権下の経済政策を背景に円安に振れるなど、先行きが見通しにくい展開となりました。

 当社グループが主として属するコンクリートパイル業界は、官需が増加したものの民需の減少により、全体の出荷量は前年度対比減少となりました。

 このような事業環境のもと、当社グループは5か年計画の3年目として、引き続き基礎体力増強に注力してまいりました。総合基礎建設業の根幹となる施工部門におきましては、品質向上を目指し人材育成に努める一方、施工能力向上を目指し施工機械・機材ならびに人員の増強に積極的に取り組んでまいりました。生産部門におきましては、福岡新工場の本格稼働、JPプロダクツ鹿児島㈱の吸収合併、佐賀工場の閉鎖により九州地区の生産体制の整備を進めるとともに、既存工場において大径化・高強度化の需要に対応する生産設備の改善・増強を進めてまいりました。また、営業部門におきましては、最適な設計提案を基とする地道な営業活動を継続する一方、新しく開発したMAGNUM-BASIC工法、ジョイントカプラ工法等を積極的に提案し、総合的な設計提案を推進してまいりました。

 海外におきましては、ベトナム事業会社のPhan Vu Investment Corporation(以下、「PV社」という。)が、北部で大規模改修を完了したハイズン工場を軌道に乗せ、北部での事業展開を本格化させるとともに、南部ではカントー工場、ロンアン工場の生産力増強の設備投資を行ってまいりました。一方で、ベトナム国内におけるコンクリート製建設資材の需要に対応すべくPhan Vu Infrastructure Construction Co., LTD.を設立いたしました。また、昨年9月には、今後の更なるPV社との紐帯関係強化と、ベトナムでの基礎工事関連事業の協働推進を目的に、当社のPV社に対する出資比率を10%引上げ62.4%といたしました。ミャンマーにおきましては、ティラワ工業団地内に遠心成形によるコンクリートパイル製造の新工場建設を進めてまいりました。

 売上高につきましては、当連結会計年度のコンクリートパイル部門は、国内での受注が回復する一方、ベトナムのPV社が好調に推移したことから、前年度比4.2%増となりました。また、鋼管杭部門は公共工事減少の影響から減収になったものの、場所打ち杭部門が順調に推移したことから、全体で増収となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の実績は、売上高744億22百万円(前年度比3.3%増)となりました。一方、利益面につきましては、国内で施工コストが上昇したことから工事利益率が低下しましたが、海外が好調に推移したことから、営業利益25億34百万円(同9.0%増)、経常利益23億82百万円(同6.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億29百万円(同13.8%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益21億98百万円に減価償却費20億59百万円などの非資金項目を加算し、営業活動に係る債権・債務及び税金等の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ14億26百万円増加し、22億96百万円の収入となりました。

 投資活動において使用した資金は、コンクリートパイル製造用設備や施工機材などの有形固定資産の取得などを行いましたが、前連結会計年度に比べ14億円減少し、25億2百万円となりました。

 財務活動において使用した資金は、リース債務の返済や配当金の支払いなどによって、11億77百万円(前年同期は26億70百万円の獲得)となりました。

 上記の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億42百万円減少し、87億59百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、品目区分ごとの生産、受注及び販売の状況を記載しております。

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

区分

生産高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

 

 

コンクリート杭

20,329

109.3

合計

20,329

109.3

 (注)1.金額は、製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

区分

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

 

 

 

 

コンクリート杭

55,946

91.3

17,684

84.2

鋼管杭

6,602

101.9

2,589

141.3

場所打杭

11,740

126.6

4,187

190.2

合計

74,289

96.5

24,461

97.7

 (注)1.受注金額には、工事代金が含まれております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

販売高(百万円)

前年同期比(%)

基礎工事関連事業

 

 

コンクリート杭

58,822

104.2

鋼管杭

5,845

87.1

場所打杭

9,754

109.3

合計

74,422

103.3

 (注)1.販売金額には、工事代金が含まれております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)企業理念、経営戦略、経営方針

 当社は、「1.世界に通じる基礎を造る 2.進歩の原点は現場にあり 3.仕事を天職として社会に尽くす」を企業理念とし、総合基礎建設業として社会に貢献して参ります。この企業理念の下、当社は基礎建設の事業を日本国内市場からアセアン市場に拡大するため、持株会社体制を採用し、アセアン各国の基礎資材の製造及び建設を事業とする企業と連携し、アセアン市場と日本市場を一体化して基礎建設事業の推進を図ってまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、品質の向上と効率化により施工及び生産体制の強化を実現し、安定した経営基盤の確立を図ることの経営指標として、営業利益、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループはこれまで、総合基礎建設業としての品質向上を推進してまいりました。今後、これらをより進化させるとともに、施工能力、生産能力の一層の向上と業容の拡大を目指し、下記のとおり中長期的に取り組んでまいります。

① 施工部門における人材育成、人員増強に加え、ICTを活用した施工管理の効率化に取り組んでまいります。

② 新技術の開発により事業基盤の強化を図るとともに、杭基礎事業に隣接する新たな事業分野への進出の検討を進めてまいります。

③ 海外ではベトナムに続き、ミャンマーでの基礎工事関連事業を本格化させるとともに、周辺東南アジア諸国での事業化を検討してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合でも適切に対処するよう努める方針であります。なお、以下の記載の文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社が判断したものであり、当社グループの投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

(1)当社グループの再編等について

 当社グループは、平成22年2月に㈱ホッコンと北海道地区における大径コンクリートパイルの需要に対応するためにホッコンJP㈱を設立、平成22年7月にはベトナム最大のコンクリートパイル製造・施工会社であるPhan Vu Investment Corporationと資本提携及び業務提携を締結、持分法適用関連会社化を経て平成25年12月には子会社化、平成27年6月にはミャンマーにおいてVJP Co., Ltd.を共同出資で設立するなど、当社グループの競争力を強化するため、同業他社との提携や同業他社への資本参加等を積極的に推進しております。当社は、今後も引き続き、こうしたグループ拡大策を検討・取組んでいく方針ですが、当社が期待する効果が実現する保証はありません。

(2)製品・工法開発について

 当社グループは、他社との差別化を図り付加価値を高めるため、永年にわたり技術やノウハウを蓄積してまいりました。また、総合基礎建設業として地域・環境面への社会に貢献するという企業行動基準から、優秀な技術者の育成や杭材及び杭施工法の開発に力を注いでまいりました。これらの製品や施工法の開発及び公的な評定取得や国土交通省の認定取得には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常に迅速に回収される保証はありません。

 また、当社グループは製品・工法開発にあたり知的財産(商標権、特許権、意匠権等)の調査を行い、他者の権利に抵触する製品・工法開発を避ける努力をしております。しかしながら他者が知的財産の申請を行ってから公表されるまでに一定の時間を要することや、権利が確定するまでに時間がかかることがあり、当社グループが開発し製造・販売した製品や工法が他者の知的財産に抵触する可能性を排除することができません。その場合、他者から営業権や知的財産権の侵害と損害賠償請求されることも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)業界の寡占状況について

 当社グループが属するコンクリートパイル業界において、他社との差別化を図るためには、上記で述べたように優秀な技術者の育成のみならず、製品及び施工法の開発や認定工法を取得することが重要性を増しているものと認識しております。このため、これら多額の開発費負担を抑えるため、認定工法の供与やコンクリート杭の相互供給などがより一層積極的に行われるものと考えられると同時に、これらの費用負担が可能な大手企業による再編と寡占化が進みつつあります。当社グループは、業界大手企業として、業界再編と寡占化の状況に対して必要な施策をとり主導的な役割を果たしていく方針でありますが、当該方針が実現する保証はありません。また、寡占化の進展に伴い、当社グループが想定する以上の価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料等の市況変動の影響について

 当社グループは、プレストレスト高強度コンクリートパイルの製造・施工を主力業務としております。その原材料にはセメント、PC鋼棒等を使用しており、仕入先からの価格引き上げ要請により変動し、コストが上昇することもあります。当社グループといたしましては、随時市況価格を注視しながら価格交渉を行い仕入価格を抑制しつつ、原価上昇分を販売先へ転嫁する努力を行っておりますが、価格動向によっては製造原価及び工事原価高により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)市場環境について

 当社グループが扱うコンクリートパイルの製造・施工業務は、建築物の基礎工事に関連する事業であり、当然ながら建設投資の多寡が受注に影響します。当社グループは、同業他社と比較して相対的に公共投資関連事業への依存度は低いものと認識しておりますが、民間投資も含めた住宅投資や設備投資等の動向によっては受注が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法的規制について

 当社グループの主たる事業は建設業に属しており、建設業法第3条第1項及び第2項により法的規制を受け、「建築基準法」に準拠するように求められております。主要な子会社であるジャパンパイル㈱は建設基礎杭の販売・施工にあたり、以下のとおり許認可及び登録をしております。

 当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、当社グループの運営に支障をきたし、財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、平成19年6月に実施された建築確認制度の変更のように、これらの規制の改廃や新たな法的制度が設けられる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期限

取消事由等

建設業許可

(特定建設業許可)

土木工事業

(大臣許可第21607号)

平成33年1月

建設業法第29条・第29条の2・第29条の4、第28条3項及び5項

 

とび・土工工事業

(大臣許可第21607号)

平成32年5月

 

(7)施工物件の瑕疵について

 当社グループは、日本全国及び東南アジアにおいて基礎工事を行っており、工事の際には十分な地盤調査、基礎設計、施工方法等の事前検討を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成され、また予期せぬ障害物が現われることもあり、予見できない瑕疵によって施工品質の悪化や施工期間の延長が生じる可能性があります。瑕疵に伴う損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)労災事故災害について

 当社グループは、各地で年間数千件もの基礎工事を行っており、その作業現場は重機に囲まれた屋外作業が中心となっているため、他の産業に比べ重大な労災事故が発生する危険性が高いものと認識しております。当社グループとしては、現場の安全教育の徹底や定期的なパトロールの実施等により事故の発生防止に全力を挙げております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険に加入しておりますが、仮に死亡事故等の重大災害が発生した場合は、人的損失はもちろんのこと、それに伴う社会的信用の失墜、補償等を含む災害対策費用、工期の遅れによる収益の悪化等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)海外事業について

 当社グループは、東南アジア地域において関係会社を通じて基礎工事関連事業を展開しておりますが、関係会社が所在している国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正、外国通貨レートの変動の影響などによって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、子会社ジャパンパイル㈱の技術部門が中心になって、施工部門、基礎設計スタッフおよび生産部門、営業部門などから構成されるプロジェクトチームによって行われています。当連結会計年度には下記のテーマを中心に活動を行いました。

 

(1)杭製品技術分野

 123N/mm2パイル製造工場として新たに岐阜工場、岡山工場の追加評定を取得しました。また、評定更新、JIS更新認証を実施しました。さらに、新規杭材に関する評定申請取得に向けた各種試験を行いました。

 

(2)施工技術分野

 従来のストレート杭を用いる「BASIC工法」の支持力性能を向上させた「MAGNUM−BASIC工法」を開発し、国土交通省より大臣認定を取得いたしました。

 

(3)基礎周辺技術分野

 高支持力杭工法に対応した杭頭接合工法「ジョイントカプラ工法」を開発し、(一財)日本建築センターより評定を取得いたしました。また、地中熱利用杭工法である「地熱トルネード工法」の実証実験により工法を完成させ、本格的な営業展開を開始いたしました。

 

(4)基礎関連研究開発分野

 基礎杭に関する研究開発として、二次設計への対応や杭と上部構造物の接合部、支持力機構あるいは地中熱利用などについて、大学、学会、他社、協会などと共同研究や委員会活動を行いました。当連結会計年度の成果については論文にまとめ、(公社)地盤工学会、(一社)日本建築学会などで発表しました。

 

(5)設計技術・品質管理技術分野

 (一社)基礎構造研究会の建築基礎設計士資格試験に60名が受験し、基礎設計能力の向上に努めました。また、低固定度杭頭接合工法「F.T.Pile構法」、新規高支持力杭対応杭頭接合工法「ジョイントカプラ工法」の普及に取り組み、多数の実プロジェクトの設計に活用しました。

 

(6)その他

 各種の技術資料の作成、営業部門の支援活動などの業務を行いました。また、特許担当は、特許の出願や調査など特許関係全般の業務のほか、既存特許の管理に取り組みました。当連結会計年度の特許出願数は24件となっています。「TPJ(トリプルプレートジョイント)」と「PJ(ペアリングジョイント)」の2種類がある無溶接継手の研究会活動に参加しました。さらに、(一社)日本建築構造技術者協会や(一社)コンクリートパイル建設技術協会(一社)日本基礎建設協会など、職能団体や業界団体の委員会活動にも積極的に参加しました。

 

 当連結会計年度の研究開発費の総額は、4億74百万円であります。

 なお、当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、重要な会計方針の選択・適用、資産及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積り承認に関しては定期的に開催する取締役会において、通常のものは権限規定に基づき稟議手続きによって随時行っております。

 会社は、これらの見積りについて、過去の実績等を踏まえて合理的に判断をしておりますが、実際の結果については、見積り特有の不確実性が生じるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)連結貸借対照表

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べ48億45百万円増加し、427億44百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が15億43百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が58億40百万円、未成工事支出金が10億80百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は前連結会計年度末に比べ15億54百万円増加し、242億18百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が杭打機及び付属設備、コンクリートパイル製造用設備などの取得により11億38百万円増加したことなどによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末に比べ52億6百万円増加し、385億48百万円となりました。主な要因は、ファクタリング未払金が27億7百万円、支払手形及び買掛金が6億84百万円、未成工事受入金が5億85百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 

(純資産)

 純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加16億29百万円、配当金の支払いによる減少4億14百万円、その他有価証券評価差額金の増加2億87百万円、為替換算調整勘定の減少1億20百万円、非支配株主持分の減少1億84百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ11億93百万円増加し284億13百万円となりました。

 

(3)連結キャッシュ・フロー計算書

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は87億59百万円となり、前連結会計年度末より15億42百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動において得られた資金は、前年同期比14億26百万円増加し22億96百万円となりました。この要因は、売上債権の増加58億17百万円などにより減少しましたが、税金等調整前当期純利益の計上21億98百万円、減価償却費の計上20億59百万円、ファクタリング未払金の増加26億20百万円などにより増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動において使用した資金は、前年同期比14億円減少し25億2百万円となりました。この要因は、杭打機及び付属設備、コンクリートパイル製造用設備及び型枠などの有形固定資産の取得による支出24億96百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 連結会計年度における財務活動において使用した資金は11億77百万円(前年同期は26億70百万円の獲得)となりました。この要因は、リース債務の返済8億54百万円や配当金の支払い4億25百万円などによるものであります。

(4)連結損益計算書

(営業損益)

 当連結会計年度の売上高は744億22百万円(前連結会計年度比3.3%増)、売上原価は639億58百万円(同3.2%増)、売上総利益は104億63百万円(同3.6%増)となり、7期連続の増収となりました。主力のコンクリート杭は、国内ではコンクリートパイル業界全体の需要が減少する中でも受注が回復したこと、海外ではベトナムのPV社の業績が好調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ23億79百万円増加し588億22百万円(同4.2%増)となりました。また、鋼管杭は公共工事が減少した影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べ8億65百万円減少し58億45百万円(同12.9%減)、場所打ち杭は新工法を投入した前連結会計年度に続いて順調に推移したことから、売上高は前連結会計年度に比べ8億29百万円増加し97億54百万円(同9.3%増)となりました。利益面では、国内では施工コストが上昇し工事利益率は低下しましたが、海外が好調に推移したことから、売上総利益率は0.1ポイント上昇しました。

 販売費及び一般管理費につきましては、研究開発費などの先行投資を前連結会計年度に続いて高い水準で行い、また、貸倒引当金繰入額が増加したことなどによって、前連結会計年度に比べ1億56百万円増加し、79億28百万円(同2.0%増)となりました。

 これらにより、営業利益は前連結会計年度に比べ2億9百万円増加し、25億34百万円となりました。

 

(経常損益)

 営業外収益は、受取利息の減少、負ののれん償却額が前連結会計年度の上半期において償却を完了したことなどにより、前連結会計年度に比べ55百万円減少しました。

 これらにより、経常利益は前連結会計年度に比べ1億46百万円増加し、23億82百万円となりました。

 

(特別損益)

 特別利益は前連結会計年度と同様、固定資産売却益によるものであります。

 特別損失において、九州地区における生産体制の見直しの一環として佐賀工場を閉鎖したことに伴い、減損損失、たな卸資産の処分及び閉鎖に係る人件費などの諸費用を工場閉鎖損失として1億56百万円計上しました。

 以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1億97百万円増加し、16億29百万円となりました。

 

(5)次期の見通し

 次期の見通しにつきましては、堅調な海外の景気と国内の設備投資を背景に、引き続き緩やかな景気の回復が続くと期待されるものの、建設投資の減少が見込まれるなど不確実な状況が続くと予想されます。

 当社グループが主として属するコンクリートパイル業界におきましては、引き続き人材不足の状況が続き、次年度出荷量の大幅な増加は難しいものと予測されます。

 このような環境のもと、当社グループは5か年計画の4年目を迎えますが、最終年度における飛躍的な事業拡大を目指し、基礎体力作りの総仕上げに取り組んでまいります。特に施工部門において、人材育成、人員増強に加え、ICTを活用した施工管理の効率化を図り、施工体制の強化に注力してまいります。生産部門はこれまでの生産力増強に加え、新しく開発された工法に適応した効率的な生産体制の構築を目指します。また、引き続き技術開発に注力し、新工法を開発・投入することで、総合基礎建設業としての事業基盤を強固なものにしてまいります。海外では、ベトナムにおいて、ロンアン工場の設備増強による生産能力の拡大を継続するとともに、前年度設立したPhan Vu Infrastructure Construction Co., LTD.のコンクリート製建設資材事業を本格化してまいります。ミャンマーにおきましては、現在建設中のVJP Co., Ltd.の新工場の稼働を予定しております。また、一昨年スタートした持株会社体制を一層強固なものにし、各事業会社間の連携強化により、国内外での事業展開を加速させてまいります。

 





出典: アジアパイルホールディングス株式会社、2017-03-31 期 有価証券報告書