有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期におけるわが国経済は、海外経済の拡大を背景とした輸出の増加が続く中、企業収益の改善や設備投資の増加など、緩やかな回復が続いております。

当社の属する普通鋼電炉業界におきましては、原料の鉄スクラップの記録的な高騰が続きましたが、活発な民間設備投資に支えられ引き続き鋼材需要は堅調に推移いたしました。

当社といたしましては、このような環境下、需要に見合った生産販売を継続し、販売力の増強や粗列圧延設備(コンパクト・ミル)の導入を図るなど生産効率の改善に取組んでまいりました。

当期の業績につきましては、売上高は15,961百万円(前期売上高15,211百万円)と増加いたしました。コスト削減に努力いたしましたが原料の鉄スクラップの高騰があり、経常利益は3,082百万円(前期経常利益3,249百万円)と減少いたしました。コンパクト・ミルの導入に伴う固定資産廃却損や、遊休地の減損損失の特別損失を計上し、法人税等を差引いた結果、当期純利益は1,744百万円(前期当期純利益1,764百万円)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加等による収入、売上債権の増加、たな卸資産の増加等による支出により1,704百万円の収入(前期1,321百万円の収入)となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により1,393百万円の支出(前期309百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済の支出等により655百万円の支出(前期657百万円の支出)となり、この結果、現金及び現金同等物の期末残高は714百万円と前期末に比べ343百万円の減少となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

事業年度の生産実績は次のとおりであります。

品目
数量(トン)
前年同期比(%)
鋼材
197,736
108.4
ビレット
260,382
101.0

(注) ビレットの生産数量には鋼材の材料として自家使用したものを含んでおります。

 

(2) 受注状況

品目
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
 鋼材・ビレット
2,816,831
75.8
318,600
65.1

 

(3) 販売実績

品目
数量(トン)
前年同期比(%)
金額(千円)
前年同期比(%)
鋼材
 ( 3,550)(1.7)%
204,915

104.6
(182,496)(1.4)%
13,135,868

108.9
ビレット
( 61,970)(99.9)
62,007

 75.3
(2,811,503)(99.9)
2,813,271

 89.7
その他
  (—)(—)

 —
    (—)(—)
12,831

127.7
(65,521)(24.5)
266,923

 96.0
(2,993,999)(18.8)
15,961,971

104.9

(注) 1 括弧内の数字(内容)は輸出販売額及び輸出割合であります。

2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は次の通りであります。

輸出先
第49期(%)
第50期(%)
東アジア
90.1
100.0
東南アジア
9.9
0.0
100.0
100.0

3 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

第49期
第50期
相手先
金額(千円)
割合(%)
相手先
金額(千円)
割合(%)
三井物産㈱
4,943,286
32.5
三井物産㈱
4,917,633
30.8
日鐵商事㈱
4,289,810
28.2
日鐵商事㈱
4,225,053
26.5

4 その他は製造工程で発生したスクラップ等であります。

5 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、原料の鉄スクラップの高騰や米国経済の先行き懸念など、不透明な経済情勢が続くと思われます。また、原油価格の上昇による、他の副資材価格への影響も予想され今後の経営環境は予断を許さない状況であります。

当社といたしましては、このような状況のもと需要に見合った生産の継続に努め、尚一層のコストの削減を図るとともに、製品販売価格の改善にも注力いたします。さらに品質の向上、安全第一を追求しながら、顧客の信頼と満足を得て販売基盤の強化と業績のさらなる向上及び財務の健全化を目指してまいります。
 また平成20年4月1日以降開始する期から適用が予定されております内部統制報告制度に対応すべく、社内体制を整え内部統制の充実に努めてまいります。
 平成18年10月26日に締結した株式交換による大阪製鉄株式会社の完全子会社化につきましては、平成19年2月22日の臨時株主総会において否決され白紙の状態に戻りましたので、今後は単独で現状の経営資源を最大限生かした効率的な経営を行ってまいる所存であります。


 株式会社の支配に関する基本方針について

 Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社は、我が国の貴重な資源である、鉄スクラップを主原料に、製鋼・圧延により鋼材を製造する、電気炉一貫メーカーとして、大正7年の創業以来、常に業界の先駆者の誇りを持って、独自の技術と品質を追求してまいりました。
 当社は「鉄資源のリサイクル・システムを通じて、生活、文化の発展に貢献する」を企業理念としており、その実現には「高品質の追求」「社会への貢献」「信頼関係の構築」が重要と考えております。このような理念の下、当社は品質の国際規格であるISO9001:2000年版、環境の国際規格であるISO14001:2004年版の認証を取得し、中・小形山形鋼専業メーカーとして事業展開の方向性を定め、環境保全に努めると共に販売に全力を挙げるなど、独自の経営戦略を進めております。
 当社の主要分野である国内一般形鋼市場は建設需要の落ち込みから、年々縮小し、この傾向は今後も継続すると予想されます。一方、中国の粗鋼生産は急増を続け、近い将来、国内一般形鋼市場においても、中国を中心とした海外からの輸入が現実化し、国内外メーカー間の競争が一層激化するものと考えられます。
 当社といたしましてはこのような状況のもと、お客様、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持、発展させていくことに配慮した経営を行うことによって、株主の皆様にとっての中長期的な価値を最大化することを目指していく必要があると考えております。
 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上述の当社の経営方針や事業特性、当社を取り巻く経営環境、各ステークホルダーとの関係等といった当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
 他方、このような当社の企業価値・株主共同の利益を毀損することとなる者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
 

Ⅱ.当社基本方針の実現に資する取組みについて

 当社を取り巻く厳しい経営環境の中、製鋼・圧延の生産設備の充実と効率的操業によりコストダウンを図るとともに、高い品質ときめ細かなデリバリーサービスで、お客様にご満足戴けるよう、全社的な活動を積極的に推進しております。
 当社は平成18年3月期において過去最高益を達成し、期初計画の7円の復配に対し3円増額し、年間で10円の配当を実施いたしました。(平成19年3月期につきましても、株主の皆様への利益還元を重視し、年間10円の配当の継続をいたしました。)
 一方で、平成19年3月期の業績につきましては、平成18年11月10日の中間決算発表時に公表した平成19年3月期の業績予想については達成し、売上高は15,961百万円と前期比でも4.9%増となりましたが、コスト削減に注力したものの鉄スクラップの記録的な高騰の影響により、経常利益は3,082百万円と前期比で5.1%の減少となりました。今後の見通しにつきましても、鉄スクラップの高騰や原油価格の上昇による他の副資材価格への影響も予想され、経営環境は予断を許さない状況であります。
 なお、当社の属する電炉業界は、鉄スクラップ、副原料等の市況をはじめ、製品市況の影響を受けやすく、当社の各年度の業績変動は激しくなっておりますが、売上高経常利益率については、平成18年3月期においては21.3%、平成19年3月期においては19.3%と、過去からのコスト削減や経営効率化の結果、業界内でも最高水準の収益性を確保するに至っております。
 当社としましては、今後につきましても、特に主力の中・小形山形鋼及び半製品であるビレットの生産・販売とともに、溝形鋼は購入・販売とし効率的経営を絶えず追求いたします。また、最適生産量を追求しながらコストダウンに努め、重要課題である販売基盤の拡充も実施していくことで、更に利益体質を強化してまいります。
 また、安全・環境、法令順守、透明度の高い経営を優先して実行し、コスト競争力の強化、高付加価値製品へのシフト、社員能力の向上、技術の改善・伝承に挑戦することで、企業価値・株主共同の利益を確保、向上させていく所存であります。
 

Ⅲ.本方針の内容(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支
      配されることを防止するための取組み)

 1.本方針導入の目的
 当社は、Ⅰ.で述べたとおり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営方針や事業特性、当社を取り巻く経営環境、各ステークホルダーとの関係等といった当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があり、他方、そのような企業価値・株主共同の利益を毀損することとなる者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としてふさわしくないと考えております。
 しかしながら、当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、大規模な買付行為がなされる場合、それを行った者が財務及び事業の方針の決定を支配する者としてふさわしいか否かを含め、当該買付行為に応じるか否かは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えます。そして、株主の皆様に買付行為に応じるか否かを適切に判断していただくためには、株主の皆様に対し、適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠であると考えます。たとえば、買付行為が当社に与える影響や、当社の従業員、取引先、顧客等のステークホルダーとの関係についての方針を含む、当該買付者の当社経営への参画時における経営方針、事業計画等の内容等の情報は、株主の皆様が買付けに応じるか否かを検討する際の重要な判断材料となりますし、また、当社取締役会が当該買付行為についての意見を開示し、また、必要に応じ代替案を提示することにより、株主の皆様は、双方の方針、意見等を比較考量することで、当該買付行為に応じるか否かを適切に判断することが可能になります。
 当社は、このような基本的な考え方に立ち、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を25%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が25%以上となる当社株式の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が行われる場合には、大規模買付者に対して以下に定める当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)の遵守を求めるとともに、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会として一定の措置を講じることとし、平成19年5月22日開催の当社取締役会において導入について決議し、平成19年6月28日開催の当社第50回定時株主総会において株主の皆様からご承認をいただきました。
 

注1:特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(証券取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、又は(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所有価証券市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。

注2:議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の保有者の株券等保有割合(証券取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、又は(ⅱ)特定株主グループが、注1の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。
 

2.独立委員会の設置
 本方針を適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するため、取締役会から独立した機関として、独立委員会を設置しました。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立な判断を担保するため、当社経営陣から独立している社外取締役、社外監査役及び社外有識者(注3)の中から選任しました。独立委員会の概要は資料1に記載のとおりです。また、導入時の独立委員会の委員の氏名及び略歴は資料2に記載のとおりです。
 独立委員会は、取締役会から諮問を受けた事項について審議、決議し、その内容に基づいて、取締役会に対し勧告を行うほか、必要に応じて、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得たり、大規模買付者、当社経営陣、当社の取引先、従業員等から必要な情報を収集することがあります。
 

注3:社外有識者とは、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、会社法等を主たる研究対象とする学識経験者、またはこれらに準ずる者を意味します。

 

3.大規模買付ルールの内容
 当社が設定する大規模買付ルールとは、①大規模買付者から当社取締役会に対して、大規模買付行為に先立ち、株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)が提供されなければならず、②大規模買付行為は、大規模買付情報が提供された後に設定される当社取締役会による一定の評価期間が経過した後にのみ開始されるというものです。
 具体的には、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合、まず、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を当社所定の書式にて日本語で明示していただきます。
 次に、当社は、大規模買付者に対し、この意向表明書の受領後10営業日以内に、大規模買付情報のリストを交付します。具体的に提供していただく大規模買付情報の内容は、大規模買付者の属性、大規模買付行為の内容等によって異なりますが、一般的な項目の一部は以下のとおりです。
 ・ 大規模買付者及びそのグループの概要
 ・ 大規模買付行為の目的、方法及び内容
 ・ 買付対価の算定根拠及び買付資金の裏付け
 ・ 大規模買付行為後の経営方針、事業計画、資本政策等
 ・ 大規模買付行為後における当社の従業員、取引先、顧客等を含む重要なステークホルダーにつ
     いての基本方針
 なお、当社取締役会は、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家や監査役の意見を参考に、当初提供していただいた情報だけでは必要な大規模買付情報として不足していると考える場合、独立委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、大規模買付者に対し、十分な大規模買付情報が揃うまで追加的に大規模買付情報の提供を求めることがあります。当社は、大規模買付情報が提供された事実及びその内容が株主の皆様の判断のために必要であると認める場合、適切と判断する時点で、その全部又は一部を開示します。
 次に、当社取締役会は、大規模買付情報の提供が完了した後、60日間(買付対価を現金(円貨)のみとし、当社の株券等の全てを対象とする公開買付けの場合)又は90日間(それ以外の大規模買付行為の場合)を、当社取締役会による評価、検討、意見形成、代替案検討等のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。この期間中、当社取締役会は、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にした上で、提供された大規模買付情報を十分に評価、検討し、大規模買付行為に関する取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、株主の皆様に対し、取締役会としての代替案を提示することもあります。

 4.大規模買付行為がなされた場合の対応方針
 (1) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守せずに大規模買付行為を行った場合、当社取締役会は、株主共同の利益の保護を目的として、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家や監査役の意見を参考にした上で、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律及び当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。大規模買付ルールの遵守の有無、対抗措置を発動することの適否及び対抗措置の具体的内容は、独立委員会に諮問の上、その勧告を最大限尊重して、当社取締役会が決定します。
 具体的な対抗措置については、その時点で必要かつ相当と認められるものを選択することとなります。具体的対抗措置として新株予約権を用いる場合の概要は、資料3記載のとおりとします。なお、対抗措置として新株予約権の無償割当てを実施する場合や新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件を設けることがあります。
 大規模買付ルールが遵守されなかった場合の対抗措置は、株主共同の利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えておりますが、他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。従って、大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないようにあらかじめ注意を喚起いたします。
 (2) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
 大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為が行われる場合に、株主の皆様に対し、あらかじめ、そのような買付行為に応じるか否かの判断のために必要となる大規模買付行為に関する情報や現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、さらには必要に応じて取締役会による代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。従って、大規模買付ルールが遵守されている場合、原則として、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止するために対抗措置をとるようなことは行わず、大規模買付行為に応じるかどうかは、大規模買付情報や当社取締役会が提示する意見、代替案等をご検討の上、株主の皆様においてご判断いただくことになります。
 しかしながら、例外的に、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守していても、当社取締役会は、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家や監査役の意見を参考に、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすか、又は株主共同の利益を著しく損なうと判断した場合、株主共同の利益を保護するため、独立委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重した上で、(1)で述べた対抗措置をとることがあります。この場合、当社取締役会は、適時適切な開示を行います。具体的には、大規模買付行為が以下の類型に該当すると認められる場合、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすか、又は株主共同の利益を著しく損なう場合に該当するものと考えます。
 ① 大規模買付行為が次のいずれかに該当する場合
 ・ 株式等を買い占め、その株式等について当社に対して高値で買取りを要求する行為
 ・ 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲の下に大
     規模買付者の利益を実現する経営を行うような行為
 ・ 当社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
 ・ 当社の経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、そ
     の処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をね
     らって高値で売り抜ける行為
 ② 強圧的二段階買収(最初の買付で全株式の買付けを勧誘することなく、二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付けを行うことをいいます。)など株主に株式の売却を事実上強要するおそれがある買付けを行う場合
 

Ⅳ.本方針の有効期間、廃止及び変更

 本方針の有効期限は1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。また、本方針の有効期間中であっても、株主総会又は取締役会の決議により本方針を廃止することができるものとします。これらの場合には、その旨速やかに開示します。
 当社は、企業価値・株主価値向上の観点から、関係法令の変更や、関係証券取引所が定める上場制度等の変更等を踏まえ、本方針の見直しを随時行い、取締役会の決議により、定時総会でご承認いただいた株主の皆様のご意思に反しない限度で、本方針を変更することもあります。これらの場合には、その変更・修正内容を速やかに開示します。
 

Ⅴ.方針の合理性

 1.買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること
 本方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足しています。また、株式会社ジャスダック証券取引所の「上場有価証券の発行者による会社情報の適時開示等に関する規則」における買収防衛策導入にかかる尊重事項(開示の十分性、透明性、流通市場への影響、株主の権利の尊重)を完全に充足しています。
 2.株主共同の利益の確保及び向上に資すること
 本方針により、株主の皆様は、大規模買付行為に応じるか否かを適切に判断できるようになり、その結果、株主としての利益を確保し、向上させることができます。このように、本方針は、株主の皆様の共同の利益の確保・向上に資するものといえます。
 3.株主意思が反映されていること
 本方針は、有効期間中であっても、株主総会又は取締役会の決議により廃止することが可能です。このように、本方針には、株主の皆様のご意思が十分に反映されることとなっております。
 4.取締役の地位の維持を目的とするものではないこと
 本方針は、当社取締役会が対抗措置を発動する客観的要件を事前かつ明確に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は、そのような要件に従ってのみ行われます。また、本方針上、対抗措置を発動する場合など、本方針の運用における重要な局面において、取締役会は、独立委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重するものとされております。このように、本方針は、取締役会による恣意的な判断を許すものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではありません。
 5.デッドハンド型やスロー・ハンド型の買収防衛策ではないこと
 本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、大規模買付者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能です。
 従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、本方針はスロー・ハンド型(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもありません。
 

Ⅵ.株主及び投資家の皆様への影響

  1.本方針の導入が株主及び投資家に与える影響等 
 本方針は、当社株主の皆様が、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切に判断するための環境を整えることを目的として、大規模買付者が大規模買付行為を行うにあたって遵守すべきルールを定めたものにすぎず、本方針の導入により、株主及び投資家の皆様の法的権利又は経済的利益に影響を及ぼすことは想定しておりません。

  2.対抗措置発動時に株主及び投資家に与える影響等
 対抗措置の発動によって、当社株主の皆様(大規模買付者を除きます。)の法的権利又は経済的利益に影響を及ぼすことは想定しておりません。ただ、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、取締役会で別途定めて公告する基準日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式数に応じて新株予約権が割り当てられますので、名義書換未了の株主の皆様には、当該基準日までに名義書換を完了していただく必要があります。また、新株予約権の発行を行う場合には、名義書換に加え、所定の期間内に申込みをしていただくことも必要となります。さらに、新株予約権を行使して株式を取得するためには、所定の期間内に一定の金額の払込みを完了していただく必要があります。ただし、当社が新株予約権を当社株式と引き換えに取得できる旨の取得条項に従い新株予約権の取得を行う場合には、取締役会が当該取得の対象とした新株予約権を保有する株主の皆様は、金銭の払込みを要することなく、当社による新株予約権取得の対価として、当社株式の交付を受けることができます。これらの手続きの詳細につきましては、実際に新株予約権を割り当てることとなった際に、法令及び証券取引所規則に基づき別途お知らせいたします。
 なお、いったん新株予約権の無償割当て又は発行を決議した場合であっても、当社は、新株予約権の無償割当て若しくは発行を中止し、又は新株予約権を無償にて取得する場合があります。これらの場合には、1株あたりの株式の価値の希釈化は生じませんので、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った投資家の方は、株価の変動により損害を被るおそれがあります。

資料1
                  独立委員会の概要
 

  1.構成
 独立委員会は、取締役会から委嘱を受けた社外取締役、社外監査役及び社外有識者から構成されるものとし、その委員となるためには、当社経営陣から独立した地位を有することを要する。独立委員会の委員は、3名以上とし、取締役会の決議により選任するものとする。
 

  2.決議要件
 独立委員会の決議は、独立委員会の委員の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。
 

  3.勧告事項
 独立委員会は、以下の各号に掲げる事項について取締役会から諮問を受けた場合、当該各事項を検討、審議の上決定し、その決定内容をその理由とともに取締役会に勧告するものとする。なお、独立委員会の各委員は、これらの決定にあたっては、株主共同の利益に資するか否かの観点からのみ行うものとし、専ら自らまたは当社経営陣の利益を図ることを目的としてはならない。
(1)大規模買付者に対して追加して大規模買付情報の提供を求めることの適否並びに追加して提
   供を求める大規模買付情報の種類及び範囲
(2)大規模買付者による大規模買付ルールの遵守の有無
(3)対抗措置を発動することの適否
(4)対抗措置の内容
(5)前各号に掲げるもののほか、取締役会が独立委員会の勧告を受けるべきであると判断した事
   項
 

  4.その他
(1)独立委員会は、当社の費用において、独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁
   護士、 コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ることができる。
(2)独立委員会は、必要な情報を収集するため、大規模買付者、当社経営陣、当社の取引先、従
   業員その他独立委員会が必要と認める者に説明を求めることができる。
 

資料2
             独立委員会委員の氏名及び略歴
 

 本方針導入時の独立委員会の委員は、以下の3名であります。
 

田淵 智久
〔略歴〕
 昭和59年  弁護士登録
 昭和59年  須崎・中村法律事務所入所
 平成 元 年  田淵法律事務所開設
 平成 3 年  森綜合法律事務所(現森・濱田松本法律事務所)入所
 平成19年  末吉綜合法律事務所開設
※ 同氏と当社との間に特別の利害関係はありません。
 

佐藤 明夫
〔略歴〕
 平成 9 年  弁護士登録
 平成15年  佐藤総合法律事務所開設
 平成17年  駿河台大学大学院法務研究所(法科大学院)兼任講師(現任)
 平成17年  株式会社アミューズ社外監査役就任(現任)
 平成18年  株式会社日興コーディアルグループ特別調査委員会委員就任
 平成19年  ジャスダック証券取引所 コンプライアンス委員会委員長就任(現任)
 平成19年  GMOホスティング&セキュリティ株式会社社外監査役就任(現任)
※ 同氏と当社との間に特別の利害関係はありません。
 

宇津木 修
〔略歴〕
 昭和53年  公認会計士登録
 昭和57年  公認会計士宇津木修事務所開設
 昭和58年  当社常勤監査役就任
 平成 元 年  当社監査役就任(現任)
※ 同氏は会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
  同氏と当社との間に特別の利害関係はありません。
 

資料3
                  新株予約権の概要
 

  1.新株予約権付与の対象となる株主及びその割当条件
 取締役会で定める基準日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てる。なお、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えて募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合と、新株予約権の無償割当てを行う場合とがある。
 

  2.新株予約権の目的である株式の種類及び数
 新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とする。新株予約権1個あたりの目的である株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。
 

  3.発行又は無償割当ての対象となる新株予約権の総数
 発行又は無償割当ての対象となる新株予約権の総数は、取締役会が別途定める数とする。取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当てを行うことがある。
 

  4.各新株予約権の払込金額
 無償とする。
 

  5.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
 各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とする。
 

  6.新株予約権の譲渡制限
 譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとする。
 

  7.新株予約権の行使条件
 大規模買付者を含む特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得又は保有することが当社株主共同の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがある。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。
 

  8.新株予約権の行使期間等
 新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとする。なお、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがある。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)所属する業界、市場動向

当社の属する電炉業界は、鉄スクラップ、副原料等の市況をはじめ、製品市況も乱高下の多い業界であります。当業界は潜在的に供給能力が需要量を上回る傾向にあり、さらに海外要因も加わり原料、製品価格の変動により業績が大きく変化する可能性があります。

(2)資産の含み損の存在

当社は、平成12年3月期に土地の再評価を実施し、土地の再評価差額金の計上を行なっております。当該土地につきましては地価下落の影響を受ける可能性があります。

(3)災害や停電等による影響

当社は、災害等が発生した場合に製造ラインの中断による損害を最小にするため、災害防止活動や定期的な設備点検を行っております。しかしながら、製造ラインにおいて災害、停電その他の事故による損害が発生する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)当事業年度の経営成績の分析

当社の当事業年度の経営成績は、活発な民間設備投資に支えられ引き続き鋼材需要は堅調に推移する中、販売力の増強や生産効率の改善努力により売上高は15,961百万円と前事業年度比4.9%増加いたしましたが、経常利益は前事業年度比5.1%減の3,082百万円でありました。当期純利益は特別損失や法人税を差引いた結果、前事業年度比1.1%減の1,744百万円となりました。

(2)当事業年度の財政状態の分析

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて1,371百万円増加し16,236百万円となりました。流動資産は前事業年度末比972百万円増加の6,715百万円、固定資産は粗列圧延設備(コンパクト・ミル)等の設備投資により398百万円増加の9,520百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、売掛金や製品が1,056百万円増加したことによるものであります。

当事業年度末の負債の合計は、前事業年度末に比べて80百万円減少し7,350百万円となりました。流動負債は前事業年度末比307百万円増加の5,336百万円、固定負債は同387百万円減少の2,013百万円となりました。流動負債増加の主な要因は、未払法人税等が937百万円減少しましたが、買掛金が1,515百万円増加したことによるものであります。固定負債減少の主な理由は、長期借入金が375百万円減少したことによるものであります。

当事業年度末の純資産の合計は、前事業年度末に比べて1,451百万円増加し8,885百万円となりました。主な増加要因は、当期純利益によるものであります。この結果、当事業年度末の自己資本比率は前事業年度末に比べて4.7%上昇し、54.7%となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の属するわが国普通鋼電炉業界は、恒常的に供給力が需要を上回る状況下にあります。当社は常に市場動向を注視しながら需要に見合った生産の継続を第一とし、製品価格の維持を図っております。一方原料の鉄スクラップは国内で調達出来る資源でありますが、近年海外市況による鉄スクラップ及び副原料価格の高騰の影響もあり、機敏な舵取りが求められております。

(4)戦略的現状と見通し

当社の生産拠点は原料である鉄スクラップの発生地、鋼材の大消費地にあり、この恵まれた立地を生かし、顧客との連携強化による用途開発及び市場開拓を進め安定した収益を目指してまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが仕入債務の増加、法人税等の支払等により1,704百万円の収入となりました。投資活動は有形固定資産の取得による支出等により1,393百万円の支出、財務活動は借入金返済により655百万円の支出となり、前期と比べ現金及び現金同等物は343百万円減少いたしました。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営陣は、現在の厳しい経営情勢を十分理解しながら災害のない、環境に配慮した透明度の高い経営を基に、高収益企業への挑戦を通じて財務体質の強化を図ってまいります。





出典: 東京鋼鐵株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書