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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における日本経済は、各種政策の効果が下支えとなり、全体的に緩やかな回復基調で推移しました。

 当社グループの主要需要先である建設用鋼材市場では、第2四半期中盤まで、原料である鉄スクラップ価格の下落を受けた需要家の鋼材購入延期の動きや人手不足による建築・土木工事の遅れ等により製品需要は低調に推移しました。鉄スクラップ価格が上昇に転じた第2四半期中盤以降、製品需要は回復に向かいましたが、第4四半期は鉄スクラップ価格が急速に下落したため、再び需要家が鋼材購入を遅らせる動きが見られました。

 このような状況の下、当社グループは、製造コスト削減への取組みを継続しつつ、需要に見合った生産・販売を一層徹底して製品価格の引上げ・維持に努め、利益の確保を図りました。

 なお、ベトナム北部に保有するキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)について、重要性が増したため、当連結会計年度において非連結子会社から連結子会社に変更しました。

 これらの結果、当社グループの連結売上高は、KSVC社の連結子会社化の影響もあり、174,694百万円と前期対比32,390百万円(22.8%)の増収となりました。利益面については、鉄鋼事業部門における売買価格差の縮小と、電力料金値上げをはじめとするコスト増等により、連結営業利益は前期対比1,485百万円(34.2%)減益の2,857百万円、連結経常利益は同1,549百万円(33.1%)減益の3,124百万円となりました。連結当期純損益については、当連結会計年度末において大阪工場の固定資産について減損損失を計上したため、同2,864百万円減益(前期は2,069百万円の利益)の795百万円の当期純損失となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

① 鉄鋼事業

 当事業部門については、第2四半期以降の需要回復の動きを受けて、国内の製品出荷量は前期対比約11.6万トン(7.3%)の増加となりました。製品価格はトン当たり4.7千円上昇しましたが、主原料である鉄スクラップ価格の通期平均消費単価は前期対比トン当たり5.6千円上昇し、以上から売買価格差(製品価格と原料価格の差)はトン当たり0.9千円縮小しました。また、電力料金値上げ、円安に伴う輸入資材価格の上昇などによるコスト負担増に対しては、コスト削減努力を重ねましたが、上昇分全てをカバーすることはできませんでした。

 以上の結果、売上高は前期対比32,509百万円(24.0%)増収の167,792百万円、営業利益は同1,223百万円
(34.5%)減益の2,319百万円となりました。

② 環境リサイクル事業

 当事業部門については、付加価値の高い廃棄物処理の拡大や新規顧客開拓に努めましたが、競争環境激化の影響もあり、売上高は前年同期対比133百万円(2.0%)減収の6,511百万円、営業利益は同162百万円(10.8%)減益の1,339百万円となりました。

③ その他の事業

 当事業部門については、子会社を通じて、土木資材の販売及び保険代理店業等を行っており、売上高は前期対比14百万円(3.7%)増収の391百万円となりましたが、営業利益は同1百万円(2.8%)減益の37百万円となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,654百万円増加し、33,871百万円

となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,117百万円の支出(前年同期は9,839百万円の収入)となりました。収支の主な内訳は、減価償却費4,232百万円、減損損失2,651百万円、たな卸資産の増加額3,528百万円、仕入債務の減少額3,899百万円、法人税等の支払額1,103百万円等であります。

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、6,979百万円の支出となり、前期対比3,745百万円の支出の増加となりまし

た。収支の主な内訳は、定期預金の預入による支出1,221百万円と定期預金の払戻による収入1,192百万円、有形固定

資産の取得による支出6,611百万円等であります。

 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、11,647百万円の収入(前年同期は1,174百万円の支出)となりました。収支の主な内訳は、短期借入金の純増額2,930百万円、長期借入れによる収入8,144百万円、配当金の支払額870百万円等であります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

 

前年同期比(%)

 鉄鋼事業(百万円)

145,758

131.4

環境リサイクル事業(百万円)

5,612

102.3

その他の事業(百万円)

303

86.6

合計(百万円)

151,673

129.9

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

 

前年同期比(%)

鉄鋼事業(百万円)

167,792

124.0

環境リサイクル事業(百万円)

6,511

98.0

その他の事業(百万円)

391

103.7

合計(百万円)

174,694

122.8

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

        2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

阪和興業株式会社

17,673

12.42

19,536

11.18

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

主要な原材料価格及び販売価格の変動については「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。

3【対処すべき課題】

 当社グループは、鉄鋼事業を中核とした資源循環型事業を通じて社会と共生し、日本経済と地域社会の発展に貢献することを経営の基本方針とし、これを経営理念に定めています。この方針の具体的な実現を図るために、コンプライアンスを徹底する経営風土を作り出すこと、進取と変革を恐れない挑戦する企業風土を醸成すること、メーカーの原点である現場重視の経営体制を構築することを柱とした行動指針に基づいた組織作りに努め、グループの総力を挙げて取り組んでいます。また、各事業所、関係各社相互間の連携によるシナジー効果の最大化を図り、最強のコスト競争力を持つ地域No.1ミルの総合体を目指しています。

 

 当社は、当社グループを取り巻く事業環境の大きな変化に対応するべく、平成22年4月に「中長期経営ビジョン」を策定し、次の項目を柱に、企業価値の向上に向けてグループ一丸となって取り組んでいます。

① 成長戦略の推進

1)国内鉄鋼市場での勝ち残り

今後一層の縮小が予想される国内鉄鋼市場での勝ち残りを目指し、次の各施策に取り組んでいます。

・ 業界再編・統合の基軸カンパニーとして、シナジーの実現、競争力強化につながる提携戦略の推進

・ 各工場の更なるコスト低減、生産性向上による競争力強化

・ 事業所の枠組みにとらわれない営業政策による営業力強化

・ 需要家ニーズの吸い上げとスピーディな対応による高付加価値の新製品開発の促進

・ 原料供給者とのネットワーク強化による原料の安定調達

2)海外鉄鋼事業の伸張

 かねてより当社は、海外、特に東南アジア諸国の中長期的な経済成長に伴う需要増に対応すべく、現在ベトナムに保有する2つの事業拠点(ビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)及びキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社))の能力増強計画を進めています。

 同国南部に位置するVKS社では、平成26年(2014年)秋の稼働開始を目指し、年産50万トンの製鋼・圧延一貫ラインの建設工事を昨年3月より進めています。新ラインの完成後を見据えた販路の拡大も進んでおり、当初計画通りの生産能力増強を実現します。

 一方、同国北部のKSVC社では、ベトナム経済成長が当初の見通しより鈍化している状況等を踏まえ、建設計画を一部見直しました。既存の圧延ラインに加え、年産50万トンの製鋼・圧延一貫ラインを建設する予定でしたが、生産能力を年間30万トンに縮小し、製鋼ライン(電炉)先行で建設を進めることとしました。圧延ラインは現在稼働中の既存設備(年産30万トン)を活用し、新圧延ラインの建設は、今後の経済状況や鉄鋼需要の動向を見極めた上で決定いたします。製鋼ラインは平成28年(2016年)初頭の稼働開始を目指しています。上記により、同国での生産能力は平成30年(2018年)までに年産約130万トンとなる計画です。

 更に当社は、同国南部、VKS社近くのフーミー工業団地において、VKS社の原材料保管・供給拠点とすることを主な目的として、港湾事業を開始いたします。当事業は、ベトナムの関係会社チー・バイ・インターナショナル・ポート社(TVP社)により進めるもので、平成26年度(2014年)に稼動を開始するVKS社新ラインへの原料(鉄スクラップ)保管・供給拠点として機能する他、他社の一般貨物を対象とする港湾荷役、貨物保管機能を持つ港湾事業です。本年夏頃より港湾設備の建設工事を開始、平成28年(2016年)中頃の完成を目指します。

 南北の生産拠点に加え、南部での港湾事業開始により、当社グループのベトナムにおける鉄鋼事業は全て実行段階に入り、成長戦略の実現に向けて更に前進します。

3)環境リサイクル事業の着実な成長

 環境リサイクル事業は、循環型社会の構築という社会の要請を受けた強い需要基盤の上に、規模を拡大し安定的な収益計上を実現してきました。近年は競合環境が年々厳しくなっているものの、当事業は当社グループの成長を担う事業のひとつとして重要な位置にあり、取組み強化を図っています。当連結会計年度においては、本年3月に枚方事業所枚方工場が産業廃棄物処理の認可を取得しました。同工場は今後、従来の鉄鋼製品生産・販売に加え、産業廃棄物、特に高付加価値の廃棄物(難処理廃棄物)処理による業容の拡大を図ります。

 更に、三井物産メタルズ㈱のスクラップヤードを譲り受けた株式会社堺リサイクルセンター(大阪府堺市)においても、新たに環境リサイクル事業を展開する予定です。

 今後も各事業所、関係会社における環境リサイクル事業への取組みを進め、地域自治体の許認可と住民の皆様のご理解を得た上で、全社的な規模での環境リサイクル事業伸張を図ります。

② 活力ある人事・組織施策の実施

 上記の成長戦略の推進のために、活力ある人事・組織施策を実施します。特にシニア人材の活用と若手の登用、人材マップに基づいた人事ローテーションと計画的な育成諸施策を実施しています。

 

 以上の施策を実施していく所存です。

 

 なお、文中における将来の事項については、有価証券報告書提出日(平成26年6月25日)現在において判断したものです。

4【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。これらのリスク発生の可能性を的確に認識し、リスクの軽減と発生の回避、リスクが顕在化した際の迅速な対応にグループの総力を挙げて取り組んでまいります。

 なお、文中における将来の事項については、有価証券報告書提出日(平成26年6月25日)現在において判断したものであります。

(1) 新日鐵住金株式会社との関係について

 本書提出日現在、新日鐵住金株式会社は当社発行済株式の25.8%(当社議決権比率では26.7%)を保有する当社の筆頭株主であり、当社は同社の持分法適用関連会社であります。しかしながら、当社は自ら経営責任を負い、独立した事業経営を行っており、今後もかかる経営を継続していく方針であります。但し、同社は当社に対して相応の株式を保有していることから、当社の筆頭株主として議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。

(2) 競合による販売価格の変動について

 当社グループの中核事業である建設用鋼材事業は、競合する電炉メーカーが多数存在し、構造的な供給能力過剰問題を抱えております。よって、今後の鋼材需要動向次第では販売量確保のための競争が高じ、販売価格の下落により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(3) 原料調達価格の変動について

 中国、韓国をはじめ近年来急速な経済成長の途上にあるアジア諸国では鉄鋼生産が増大し、鉄スクラップ消費量が増加する傾向にあります。また国内高炉メーカーも製造工程で鉄スクラップを使用するため、鋼材需要の動向により鉄スクラップの購入量を大幅に増加させることがあります。こうした要因から、当社グループの主力製品の主原料である鉄スクラップの需給が逼迫し、原料価格が高騰し当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(4) 建設需要の減少傾向による影響について

 成熟した日本経済の下、長期的に見て、国内の公共事業、民間建設需要が大きく伸長することは考えにくく、当社グループの主力製品である異形棒鋼の需要もそれに伴い減少することが考えられます。減少した需要を当社グループの努力で補完できない場合は、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(5) 電力問題による影響について

 国内の原子力発電所は現在、全てが運転を停止しています。これを受けた東京電力、関西電力、中部電力などの電力単価の引上げ、並びに火力発電燃料である液化天然ガス(LNG)や石油価格の上昇に伴う(電力)燃料費調整単価の上昇により、電力費負担は増大しています。特に燃料費調整単価は、エネルギー価格や為替の動向によって変動し、更なる電力料金の上昇に繋がる可能性があります。

 また、原子力発電所の操業停止による電力供給不足が指摘されています。当社グループの工場は電力需要の小さい夜間時間帯を中心に操業しているため、直ちに電力使用が制限される可能性は低いと考えられますが、今後電力供給に大幅な制限が生じた場合は、操業が困難になる可能性があります。

 これらの結果、電力料金や電力供給の状況により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(6) エネルギー価格の高騰による影響について

 世界的にエネルギー(石油、液化天然ガス等)価格が高騰した場合、もしくは為替動向によりエネルギー輸入価格が高騰した場合、当社が製造工程(主として加熱炉)で使用する燃料コストが増加します。また、国内の全ての原子力発電所が運転を停止している状況下、エネルギー価格の上昇は電力料金の上昇にも繋がっています。その他、石油価格の高騰により輸送コストが増加する可能性があります。間接的には、エネルギー価格の高騰が長期に亘って続いた場合、わが国の経済成長率が鈍化し、建設需要が縮小する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(7) 輸入鋼材増大による影響について

 中国、韓国を中心に鉄鋼生産能力増強が進んでいるため、世界的な鉄鋼需給バランスが大きく崩れた場合、供給余力の捌け口として中国、韓国から日本市場への輸出が増える可能性があります。この場合、当社グループ製品の販売量減少、販売価格低下などにより当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(8) 関係会社所在国のカントリーリスクについて

 当社は、ベトナム社会主義共和国に関係会社を所有しています。当該関係会社の業績は、ベトナム国内の経済状況、鋼材市況の影響を受け、同国経済状況、鋼材市況が悪化した場合、同関係会社の業績も悪化する可能性があります。また同国の突発的な政情不安、自然災害、あるいは労働災害等により操業停止等の事態に陥る可能性がありますが、日本とは経済事情や商習慣も異なるため、そのような場合には、復旧に予想外に時間がかかることも想定されます。これらの結果、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(9) 自然災害による影響について

 当社グループの工場所在地において大規模な地震、台風等の自然災害が発生した場合、製造設備やインフラへの被害により工場が操業停止に陥る可能性があります。特に臨海又は河川付近の工業地帯に位置する工場については、津波、洪水等の水害に見舞われる可能性があります。各工場では設備・人員両面において防災策を講じていますが、被害を受けた場合、状況によっては当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(10) 設備の故障や事故等による操業停止・損失発生の可能性について

 当社グループにおきましては、高電圧の電力使用による電気炉操業が製造の中核工程であり、その心臓部ともいえる電炉トランスが何らかの事由により故障した場合、操業に大きな支障をきたします。各工場とも日々の設備管理を綿密に行い、滞りなく生産を行っておりますが、中には使用開始後数十年が経過する古い設備も存在します。また、比較的新しい設備であっても、調整ミスあるいは不可抗力により不具合もしくは故障が発生する可能性があり、事故や故障の規模によっては操業停止により業績が影響を受ける可能性があります。また、電気炉で高温溶融する鉄スクラップの選別には、収集業者への指導と受入れ条件の徹底、当社事業所での受入れ検査による異材混入の排除に努めておりますが、水分を含んだ密閉容器の混入などにより、電気炉操業時に水蒸気爆発が発生し、設備の破壊、操業の停止に至る可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(11) 大気汚染物質の排出規制について

 当社グループが行っております鉄鋼事業及び環境リサイクル事業は、操業に伴い煙や煤塵が発生します。今後、大気汚染物質に関する研究が進み、排出規制等に変更が生じる可能性は否定できず、その結果、新たな対応の必要が生じた場合には、設備の導入等に伴う支出の増加により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(12) 産業廃棄物の取扱いに関する規制について

 現在、当社グループでは感染性医療廃棄物を含む産業廃棄物の処理を事業として手掛けております。当然のことながら、その取扱いにつきましては、安全に処理するためのシステムを確立し、日々の操業にも細心の注意を払っております。しかし、今後、行政の指導等により、当社の扱う産業廃棄物の取扱いに関する規制に変更が加えられた場合、内容によっては、その対応に伴う設備導入・体制変更等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(13) 生産施設等の固定資産にかかる損失発生の可能性について

 当社グループは生産設備や土地をはじめとする固定資産を保有しておりますが、各固定資産の収益性の低下、時価の下落等に伴い資産価値が低下した場合には減損損失が発生し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(14) 有価証券等の価値変動の可能性について

 当社グループが保有する投資有価証券の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は110億円です。保有する上場株式の株価変動あるいは投資先会社の業績不振等に伴う投資有価証券価値変動により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(15)為替相場の変動について

 円安の進行により、エネルギーや各種資材等の輸入価格が上昇する可能性があります。

 また、当社グループの連結財務諸表は海外関係会社の業績及び保有資産等について各国通貨を円換算して作成していることや、当社グループの日本国内各社事業活動の一部において外貨建取引を行っていることから、為替相場の変動によって当社グループの連結財務諸表や業績が変動する可能性があります。

 これらの結果、為替相場の変動により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社及び連結子会社の運営等に関する契約は次のとおりであります。

締結年月

契約の名称

契約の締結当事会社

相手先

契約内容

平成16年1月

株主間協定

共英製鋼㈱

共英リサイクル㈱

三井物産㈱

新日鐵住金㈱

エア・ウォーター㈱

共英リサイクル㈱の設立、運営に関する株主間協定

平成18年6月

株主間協定

共英製鋼㈱

合同製鐵㈱

中山鋼業㈱の運営に関する株主間協定

平成24年10月

株主間協定

共英製鋼㈱

㈱メタルワン

Marubeni-Itochu Steel Pte Ltd

キョウエイ・スチール・ベトナム社の運営に関する株主間協定

平成24年11月

株主間協定

共英製鋼㈱

ベトナム鉄鋼公社

三井物産㈱

伊藤忠丸紅鉄鋼㈱

ビナ・キョウエイ・スチール社の運営に関する株主間協定

 

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループの研究開発費は188百万円であり、その全額が主力事業である鉄鋼事業部門において計上されております。

 鉄鋼事業については、当社グループの開発拠点として名古屋事業所内に開設した開発センターを活用し、超高強度鉄筋及びネジ節鉄筋を中心とした高付加価値・差別化製品の開発、既存製品の品質向上、グループ間での技術改善の迅速な横展開を図っております。

 環境リサイクル事業、その他の事業については、当連結会計年度において研究開発費の計上がないため記載を省略しております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループにおける財政状態及び経営成績の分析は、次のとおりであります。

  なお、文中における将来の事項については、有価証券報告書提出日(平成26年6月25日)現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
  連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

(2) 財政状態の分析

 当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度と比べ15,642百万円(9.5%)増加して180,771百万円となり、このうち純資産は、前連結会計年度末と比べ3,530百万円(2.8%)増加して128,788百万円となりました。グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から15,305百万円増加して26,523百万円となり、有利子負債自己資本比率(DEレシオ)は0.22となっております。
 この結果、自己資本比率は67.3%、1株当たりの純資産額は2,798円53銭となりました。

(3)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,654百万円増加し、33,871百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローに関する要因分析は次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益9百万円、当連結会計年度末において仕入債務が減少したこと等による運転資金負担増7,732百万円の支出があり、更に、減価償却費等による非資金項目、その他による収入を加え、支出1,297百万円を計上しました。また、法人税等の支払額1,103百万円、利息及び配当金の受取額736百万円等により、最終的には2,117百万円の支出となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローについては、預け金の回収による収入100百万円、投資有価証券の取得による支出92百万円、既存鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、ベトナムにおける能力増強投資等のための有形固定資産の取得による支出6,611百万円等により、6,979百万円の支出となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローについては、短期借入金の純増額2,930百万円、長期借入れによる収入8,144百万円、少数株主からの払込みによる収入1,615百万円、配当金の支払額870百万円等により、11,647百万円の収入となりました。

(4) 経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績は、在ベトナム(北部)関係会社の連結子会社化の影響もあり、増収となりました。利益については鉄鋼事業部門、環境リサイクル事業部門ともに減益となりました。

 鉄鋼事業部門については、年度初からのスクラップ価格下落を受けた需要家の鋼材購入延期や、人手不足による建設工事遅延の動きを受けて、第2四半期中盤まで需要は低調に推移しました。その後のスクラップ価格反転により製品需要は回復に向かいましたが、第4四半期に鉄スクラップ価格が下落に転じたことから、再び需要家の鋼材購入を遅らせる動きが見られました。

 こうした環境の中、当社は需要に見合った製造・販売の方針を堅持しつつ、製造部門による一層のコスト削減、販売部門による製品価格の引き上げ努力等により利益の確保を図りました。製品価格はトン当たり4.7千円上昇しましたが、鉄スクラップ価格の上昇幅はそれを上回る同5.6千円となり、鉄鋼事業の利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原料価格の差)は前期対比でトン当たり0.9千円縮小しました。また、電力料金値上げなどによるコスト負担増をコスト削減努力で全てカバーすることはできませんでした。

 環境リサイクル事業については、付加価値の高い廃棄物処理の拡大や新規顧客開拓に努めましたが、競争環境激化の影響もあり、減収減益となりました。

 これらの結果、連結売上高は174,694百万円と前期対比32,390百万円(22.8%)の増収となりました。利益については、連結営業利益は前期対比1,485百万円(34.2%)減益の2,857百万円、連結経常利益は同1,549百万円(33.1%)減益の3,124百万円となりました。連結当期純損益については、当連結会計年度末において大阪工場の固定資産について減損損失を計上したため、同2,864百万円減益(前期は2,069百万円の利益)の795百万円の当期純損失となりました。
 自己資本当期純利益率は△0.7%、1株当たり当期純利益は△18円28銭となりました。

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 国内の建設用鋼材需要については、当面は堅調に推移するものと思われますが、普通鋼電炉業界は構造的に供給能力過剰の状況にあるため、過剰生産及び販売による販売価格の下落のリスクがあります。一方、主原料である鉄スクラップについては、中国・韓国を中心とした東アジア諸国における鉄鋼生産の動向により鉄スクラップの需給バランスが大きく変化することから、価格が乱高下する可能性があります。

 また、平成23年3月の東京電力福島第一原発事故を受けた全国の原子力発電所の操業停止により、電力コスト負担は年々増加しています。当社が製造拠点を有する地域においては、平成24年の東京電力、平成25年の関西電力に続き、平成26年4月より中部電力が電力単価を引き上げました。更に火力発電燃料(液化天然ガス(LNG)や原油)の価格に応じて決定される燃料調整費単価、円安の進行による製造工程で使用する輸入資材価格の上昇が懸念されます。

 加えて原子力発電所の停止により電力供給不足も指摘されています。当社グループの工場は電力使用量の少ない夜間での操業が中心であるため、電力供給不足による生産への直接的な影響はない見込みですが、今後大きな供給制限が生じた場合は、操業が困難になる可能性があります。

 これらの要因により、当社グループの経営成績が重要な影響を受ける可能性があります。

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

 今後の業況については、引き続き日本経済の緩やかな回復が期待されるなか、建設用鋼材市場では、震災復興需要や各地域での防災関連案件、各種インフラの更新需要、平成32年(2020年)開催予定の東京オリンピック関連案件など、底堅い鋼材需要が期待されますが、中長期的には、国内の鋼材需要は減少するものと認識しています。

 加えて、電力料金上昇や円安に伴う副資材費上昇などにより、製造コスト負担は増しています。これに対しては、電力使用量の更なる削減を中心とした徹底的なコスト削減に取り組んでいます。コスト削減で吸収できない部分については販売価格への転嫁を図ります。当社グループでは、製品実需動向に見合った生産・販売を徹底し、原料価格の変動に左右されない適切な製品価格の形成に取り組んでおり、既に一定の成果を上げています。今後もこの取組みを更に徹底し、利益水準の向上を目指します。

 中長期的には、平成22年4月に策定した中長期経営ビジョンの実現に向け、引き続き当社グループの力を結集し一丸となって取り組んでまいります。即ち、「国内鉄鋼市場での勝ち残り」「海外鉄鋼事業の伸張」「環境リサイクル事業の着実な成長」を3つの柱とした成長戦略の推進、そして活力ある人事・組織施策の実施です。特に、実行段階に入ったベトナムの南北2拠点における製造設備増強と南部での港湾事業に注力し、海外鉄鋼事業の飛躍を目指します。

 





出典: 共英製鋼株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書