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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、世界的な金融危機を契機とした景気低迷が続く中、一部で緩やかな回復がみられたものの、物価は慢性的なデフレ傾向にあり、失業率も高水準で推移、所得減少による購買意欲の減退など依然として厳しい状況にありました。
 建設市場においては、マンション市場の低迷を中心に新設住宅着工戸数が想定以上に落ち込むなど、市場が大幅に縮小しました。
 また、商業施設市場においても、景気低迷を背景とした小売業界の投資抑制等により市場が縮小し、厳しい状況が続きました。一方、アルミニウム形材の国内市場は、政府による景気刺激策、輸出の増加を背景に、特に輸送・電気機器分野において需要の回復がみられました。
 このような経済環境の中で、縮小する市場環境であっても確実な黒字を達成するべく、グループ構造改革などの抜本的な収益改善策を実行してまいりました。具体的には、早期希望退職を含む人件費削減、工場再編、生産・調達面でのコスト削減など、適正規模への変革を推し進めてまいりました。その結果、経常利益で前連結会計年度比127億円の収益改善を達成することができました。
 将来の成長戦略への布石としては、環境・省エネ需要をターゲットに「環境配慮商品」、住宅エコポイント制度導入に伴う「改装・リフォーム向け商品」の開発と販売強化に注力するなど、成長領域への経営資源の投入を図りました。また、マテリアル事業では素材から製品までの一貫体制構築を推し進めてまいりましたが、さらなる競争力強化のため、子会社の三協マテリアル株式会社と富山合金株式会社との合併(平成22年6月1日)を行いました。
 以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は、市場の縮小とそれに伴う競争の激化などにより、2,574億2百万円(前連結会計年度比7.3%減)と減収となりましたが、利益面ではグループ構造改革などの実行による収益改善により全事業部門黒字となり、営業利益47億84百万円(前連結会計年度連結営業損失76億42百万円)、経常利益33億91百万円(前連結会計年度連結経常損失93億32百万円)、当期純利益20億47百万円(前連結会計年度連結当期純損失192億46百万円)と増益となりました。

 

事業別の概況は、次のとおりです。

 ビル建材事業

ビル建材事業では、非木造建築物の着工の減少に伴い受注が引き続き低迷した中、需要拡大している環境・改装分野への取組み強化に向け、新たにSTER事業部(STER:Sankyo Tateyama Eco&Remodeling)を設置し、潜在需要掘り起こしと差別化提案営業を展開してまいりました。環境、省エネへの対応として、基幹商品である「MTG−70」シリーズに断熱性能のより高い複層ガラスに対応したタイプを追加しました。また、高性能省エネサッシシステム「ARM−S(アームス)」、自然換気システム「NAV-Window−21」などの高付加価値商品の拡販を展開してまいりました。
 その結果、売上高は743億46百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりましたが、グループ構造改革などの収益改善策により、営業利益は16億57百万円(前連結会計年度営業損失16億55百万円)と大幅に改善いたしました。

 

 

 住宅建材事業

住宅建材事業では、新設住宅着工戸数の減少に伴い競争が激化した中、木目を活かし自然と調和した欧風デザインが特徴の玄関ドア「ナチュレシリーズ」などのコンセプト商品の提案と通じて、営業・開発が一体となった商品企画と販売推進を展開、お客様密着の営業活動を行いました。また、住宅エコポイント制度導入に伴う後付樹脂内窓「プラメイクE」などのリフォーム・エコ商品、採風格子窓「ウインカム」やインテリア建材「ウッデリアiS+採風タイプ」など戸建住宅における自然風の取り入れ方を提案する環境配慮商品の拡販に取組んでまいりました。加えて、リフォーム支援事業「一新助家」の加盟店拡大や家電量販店等の異業種との販売協力などリフォーム分野への取組みを強化してまいりました。
 エクステリア部門では、エンドユーザー向けの販促物の充実、専任担当制によるフォローアップ強化など代理店様への営業支援を強化して「ミューテリアシリーズ」を中心に太陽光発電仕様カーポート「M・シェード」「G−1]などの差別化・高付加価値商品の拡販を積極的に推し進めました。
 その結果、売上高は1,259億35百万円(前連結会計年度比8.0%減)となりましたが、グループ構造改革などの収益改善策により、営業利益は54億44百万円(前連結会計年度営業損失43億16百万円)と大幅に改善いたしました。

 

 商業施設事業

商業施設部門では、環境・省エネ対応をキーワードに省電力で長寿命のLED(発光ダイオード)棚下照明、薬事法改正で求められるドラッグストアなどの売場作りをサポートする什器、競争力のある新型ブック什器や衣料品・軽雑貨向け商品陳列什器「PRO SOLID(プロソリッド)」を市場投入し、受注拡大に努めてまいりました。また、国内市場縮小に伴う日系小売企業の海外進出に対応して、中国における製造・販売拠点を活用した供給をはじめております。
 サイン部門では、看板専用のLED照明ユニット「ADL(アドバンスライト)SL−C」や薄型ファサード看板「FS85型」などのLED組み込み商品を開発し、小売店の環境・省エネ需要に対応してまいりました。
 その結果、売上高は219億32百万円(前連結会計年度比12.7%減)となりましたが、価格改善や業務効率化などによる収益力の向上に取組むことにより、営業利益は8億46百万円(前連結会計年度比90.3%増)となりました。

 

 マテリアルその他事業

マテリアル部門では、環境・省エネ関連需要の高まりにより、従前から注力してきた太陽光発電市場の回復が想定を超え需要が急増しました。これに対応して「太陽光(ソーラー)発電パネル枠」の「押出→皮膜→加工」工程を集約した一貫生産体制を確立するなど、品質・コスト・納期に対応する生産体制の充実を図り、収益基盤の早期安定化に取組みました。さらに高度化するユーザーニーズに対応し、用途開発を含め、合金開発から高精度・高品位製品の製造を可能とするために合金鋳造から押出・表面処理・加工までの一貫体制の構築を推し進めてまいりました。
 その結果、売上高は351億87百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は13億83百万円(前連結会計年度営業損失7億40百万円)と大幅に改善いたしました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費などにより69億57百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による固定資産の取得などにより3億19百万円の支出となり、また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などにより33億82百万円の支出となりました。
 その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、199億0百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は、前連結会計年度に比して68億48百万円増加の69億57百万円となりました。この増加は、当期特別退職金およびアルミ地金長期購入契約の解約による支払いを行いましたが、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上およびたな卸資産の圧縮に努めた結果によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は、前連結会計年度に比して30億12百万円減少の3億19百万円(前連結会計年度比90.4%減)となりました。これは、有形固定資産の売却および投資有価証券の売却を行ったことに加え、設備投資の抑制により支出が減少したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、33億82百万円(前連結会計年度は18億23百万円の収入)となりました。これは、自己株式の売却による収入を得ましたが、借入れの返済により有利子負債の削減を行ったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
ビル建材事業
17,878
80.1
住宅建材事業
61,980
86.1
商業施設事業
6,325
84.2
マテリアルその他事業
28,274
79.2
合計
114,457
83.2

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を事業別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
ビル建材事業
32,387
94.1
住宅建材事業
27,219
89.6
商業施設事業
9,404
81.3
マテリアルその他事業
2,258
92.5
合計
71,269
90.4

(注) 1 金額は、実際仕入額によっております。

2 記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注状況

当連結会計年度におけるビル建材事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
ビル建材事業
(ビル工事物件)
48,253
73.4
38,162
74.7

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
ビル建材事業
74,346
91.1
住宅建材事業
125,935
92.0
商業施設事業
21,932
87.3
マテリアルその他事業
35,187
102.8
合計
257,402
92.7

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 

今後のわが国経済は、比較的好調な輸出分野を中心に緩やかな回復基調をたどる傾向がみられるものの、日本経済の自律的な回復には至らない状態が続くことが想定され、また、円高など輸出産業での交易条件の悪化、新興国経済の伸張による原材料価格の上昇リスク等により、当社グループを取り巻く市場環境は、引き続き予断を許さない状況にあります。
 このような状況下、当社グループといたしましては、「建材事業の再生、構造改革から利益ある成長軌道へ」を基本方針として、平成24年5月期を最終年度とする中期3ヵ年経営計画を現在推進中であり、市場規模に合わせた適正な企業規模への再構築、非建材事業強化のための各種施策を実行してまいりました。しかしながら、現下の事業環境は、依然として主力の建材事業を中心に当初想定以上の厳しい状況であることを踏まえ、今後も予想される経営環境の変化に対応した目標の見直しを図りました。
平成24年5月期目標:
 見直し後 連結売上高2,640億円、連結経常利益62億円
 見直し前 連結売上高2,770億円、連結経常利益68億円
 この目標達成に向け、「グループ構造改革の継続的な実施による黒字体質の定着」「改装・リフォーム事業の強化」「非建材事業の強化」「海外市場への展開」の重点戦略を引き続き推し進め、企業価値向上に努めてまいります。


 当社グループは以下の主要課題に対して重点的に取り組んでまいります。
 

①グループ構造改革の継続的な実施による黒字体質の定着

当社グループでは、将来にわたる建設市場の縮小、アルミニウムや鋼材など原材料の上昇リスクに備え、建材事業を中心に、引き続き構造改革を進めます。具体的には、グループ全般にわたる人材の有効活用や効率化、子会社・関連会社等のグループ体制の見直しおよび三協立山アルミ株式会社に営業本部を設置し、ビル・STER・住宅・エクステリアの各事業領域間でのシナジーによる建材事業全体での総合力発揮を図るなど、市場が縮小する中でも確実に利益創出が可能な効率的経営体制の整備を進めます。また、お客様からの信頼を第一に考え、高品質で安全な製品・サービスの提供に向けた取組みを引き続き行ってまいります。
 

②改装・リフォーム事業の強化

ビルやマンションの改装や住宅のリフォーム需要の伸張が見込まれる中、ビル改装のSTER事業部や住宅リフォーム分野を中心とした人員体制の強化、住宅リフォーム専用商品や環境配慮商品の積極的な市場投入を進めます。将来にむけ、改装・リフォーム関連の売上構成比率を伸ばし、新設着工の減少に左右されにくい収益基盤の構築を図ります。
 

③非建材事業の強化

商業施設事業では、環境・省エネ需要を追い風としたLED等の省エネ関連商品の開発強化による高付加価値化、また低コストニーズに対応した商品の拡充等により、国内市場での販売シェアの拡大と利益の安定確保を図ってまいります。また、中国(上海)での製造・販売拠点を強化し、日系小売企業の中国を中心とした海外進出に対応して物件受注の強化を図ると同時に、国内市場向けの低コスト商品の調達・製造の強化も進めます。

マテリアル事業では、成長が見込まれる電気機器・輸送分野等への事業領域拡大に向け、アルミニウムとマグネシウム合金の開発・鋳造から押出・表面処理・加工までの一貫した体制を構築し、また、グループの関連技術を集約し体制の強化を図りました。これにより、合金の開発の段階から高度化するお客様のニーズを捉えた、より付加価値の高い製品の開発・製造が可能となり、市場でのさらなる競争力の向上を目指してまいります。
 

 

④海外市場への展開

当社グループでは、商業施設事業における中国(上海)の製造・販売拠点の展開を進めております。また、海外進出する日系企業へアルミニウム部材を提供しておりますが、成長著しいアジア圏を中心とした新興国市場の状況から、積極的に展開していく時期を迎えたと判断し、グループ各社に海外戦略専任部門を設置し海外市場での製造・販売の強化を進めます。グループ全体としても、中国(上海)の拠点など既存拠点を他の事業分野でも有効活用するなど、事業間のシナジーを想定し、グループ全体の海外戦略の積極的な推進を図ります。
 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしていますが、現在、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。
 なお、記載した事項は、当連結会計年度末(平成22年5月31日)現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)景気動向による影響

当社グループは、アルミニウム製ビル建材、住宅建材等の開発・製造・加工・販売を主な事業としております。当社グループの製品は多岐にわたりますが、その多くは国内におけるビル建材・住宅建材として使用されています。このため、当社グループの経営成績は、日本国内の景気動向、建設会社の建設工事受注高や住宅着工戸数の変動等の影響を受ける可能性があります。
 また、国内景気の悪化により、売掛・手形等の債権が劣化した場合、貸倒引当金の積み増しが必要となるなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 

(2)原材料・資材等の価格変動

当社グループが使用する原材料・資材等にはアルミニウム地金・鋼材等の市況により価格が変動するものが含まれております。原材料・資材等の価格が高騰した場合、調達コスト増加の影響を最小限に抑えるためコストダウンや販売価格への転嫁等を実施しておりますが、その影響をすべて吸収できる保証はなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)金利の変動

当社グループは、金融機関等からの借入れなど有利子負債を有しております。金利スワップ等によりヘッジを実施しておりますが、金利が上昇した場合、その支払利息が増加するなど当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 

(4)製品開発力および競合

当社グループは、積極的に研究開発を行い、需要家のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに提供し、成長性および収益性の維持・向上に努めておりますが、競合企業による新たな競合製品の投入や価格競争により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 

(5)製品の欠陥

当社グループは、JISその他国内の品質基準および社内の品質基準に則って各種製品を製造しておりますが、重大な製造物責任賠償やリコールが発生した場合、多額の支払や費用発生および社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 

(6)公的規制(法規制)

当社グループは、事業の許認可や独占禁止、為替、租税、知的財産、環境、労働関連等、多くの法規制を受けております。将来のこれら法規制の改正、新規規制に伴うコスト増加等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、法令遵守に努めておりますが、法令遵守違反が発生した場合は、公的制裁や社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

(7)自然災害および事故等の発生

地震・水害等の自然災害および火災・停電等の事故災害によって、当社グループの生産・販売・物流拠点および設備の破損や機能麻痺に陥る可能性があります。災害による影響を最小限に抑える対策を講じておりますが、災害による被害を被った場合、事業活動の停止や復旧対応により当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

(8)退職給付債務

当社グループの退職給付費用および退職給付債務は、年金資産の期待運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されています。年金資産運用環境の悪化により前提条件と実績に乖離が生じた場合などは、将来の退職給付費用が増加し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

(9)情報管理

当社グループでは業務に関連して多数の企業情報を保有するとともに、多数の個人情報を保有しております。これらの企業情報および個人情報については、万全の管理に努めておりますが、予期せぬ事態により情報が漏洩した場合には、損害賠償の発生および社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
 

(10)環境問題

当社グループは産業廃棄物の処理に関する法律および大気、水質、騒音、振動、土壌汚染等の環境諸法令遵守を徹底しています。しかしながら、人為的ミス等による環境汚染や、関係法令等の変更によって新規設備の投資によるコスト増加が発生する場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

(11)構造改革

当社グループでは、厳しい事業環境に対し、グループ構造改革を遂行しておりますが、その過程で、特別損失が発生する可能性があります。また、これらの対策が計画どおり進捗しない場合には、予想している収益および利益が確保できない可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

連結子会社間の合併契約

当社の連結子会社である三協マテリアル株式会社、富山合金株式会社は、平成22年4月5日開催のそれぞれの取締役会において、平成22年6月1日を期日として合併することを決議し、平成22年4月6日「合併契約書」を締結いたしました。

 

(1) 合併の目的

今回、原材料の鋳造工程を担う富山合金株式会社を、三協マテリアル株式会社を存続会社とする吸収合併により統合し、鋳造工程から押出・表面処理・加工までの一貫した体制を構築、関連する技術的資源を集約いたします。これにより、合金開発の段階から高度化するお客様のニーズを捉えた、より付加価値の高い製品の開発・製造を可能とし、市場でのさらなる競争力の向上を図ります。

 

(2) 合併の方式

三協マテリアル株式会社を存続会社とする吸収合併方式で、富山合金株式会社は解散いたしました。

 

(3)合併期日

平成22年6月1日

 

(4)引継資産・負債の状況

資産
金額(百万円)
負債
金額(百万円)
流動資産
8,760
流動負債
6,057
固定資産
3,032
固定負債
1,972
資産合計
11,792
負債合計
8,030

 

(5)吸収合併存続会社となる会社の概要

商号:三協マテリアル株式会社

主な事業内容:アルミニウム及びマグネシウムの鋳造・押出・加工ならびにその販売

本社:東京都中野区中央1丁目38番1号

高岡本社:富山県高岡市北島851

資本金:450百万円

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は「材料技術、加工技術等の基盤技術の強化拡充により、既存事業の付加価値向上と事業拡大を推進するとともに、将来を見据え、社会動向、ライフスタイルの変化を捉えた差別化要素技術の開発を推進する」という基本方針の下に、既存事業の付加価値向上と新規事業の創出にむけた独創的な新技術を推進するとともに、最新技術を取り込んだ差別化商品・オリジナル商品の技術開発を行っております。

その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は12億12百万円となりました。

事業の種類別セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

ビル建材事業

ビル建材分野では、当連結会計年度の住宅エコポイント制度の公布を背景に、「環境」に重点をおいた建材の技術構築につとめました。その成果として、集合住宅向けには、異業種との共同開発商品である集熱パネルを組み込んだ手すりや、断熱性能の高いと言われる複層ガラスにも対応するサッシ、また改装向けには、経年劣化による既設開口部の劣化状況に合わせ、新築同等レベルの性能や意匠、機能を保持したサッシ(障子のみ交換、枠障子交換)を市場に投入いたしました。また、前連結会計年度に引き続き、お客様満足や環境に貢献できる技術の開発を行ってまいりました。
 研究開発費総額は2億8百万円であります。

 

住宅建材事業

住宅建材分野では、「エコ・リフォーム・感性」をテーマとして、環境と人にやさしい暮らしの実現のため、温熱環境、音環境など、様々な住環境の条件を想定し、実験・解析を行いました。その成果として、断熱、遮音、防犯性に配慮した樹脂内窓や断熱玄関ドア、サッシの開発・市場投入を行いました。また感性品質の成果としてママ目線での商品開発に注力し、女性にとって使い易い、窓、勝手口、インテリアのシリーズ商品やユニバーサルデザインを取り入れた業界初のドアハンドルやリモコン電気錠を開発いたしました。
 エクステリア建材分野では、環境分野への取り組みとして、太陽光発電システムを搭載可能なカーポートを、前連結会計年度に引き続き強化しました。太陽光発電パネルとカーポートの屋根を一体にすることにより、太陽光パネル部が目立たないすっきりとした外観にすることや、電池セル部以外をライトスルーにすることにより、屋根下も明るくなるように開発しました。また、このカーポートと組み合せてエコ提案ができる、電気自動車、およびプラグインハイブリッド自動車用のプラグイン充電スタンドの開発を行いました。
 研究開発費総額は4億57百万円であります。

 

商業施設事業

商業施設分野では、価格競争力のある新型サウンド什器、衣料品の什器などの商品化を行いました。また、引き続きLEDを組み込んだ什器の企画・開発を進めました。
サイン分野では、次世代光源であるLEDを採用した当社グループオリジナルの内照式サインLED照明装置「アドバンスライト(ADL)」とそれを組み込んだファサードサインを商品化しました。また、大手コンビニ向けLEDサインの受注に成功し、その商品化を進め納品の運びとなったのをはじめ、周辺サインのLED化を積極的に提案し採用されました。
 研究開発費総額は68百万円であります。

 

 

マテリアルその他事業

アルミニウム関連事業では、感光ドラムで培ってきた3000系の高真円度・低内面粗さの技術が認められ、輸送分野に採用されております。主力の6000系合金では、業界全体で中高強度合金の比率が伸びてきている中、当社でも独自合金の開発による差別化を推進すべく基礎・応用研究を進め、順調に立ち上がりつつあります。 また、高収益化への対応として、素材から加工まで一貫して行う商品の開発、生産に注力しております。一例として液晶搬送用のアルミパレットに関しては、当概分野でのアジアNo.1企業を目指し、着実に進んでおります。当社グループの独自技術である鍛造材用小径ビレット(TG—bar)はハイブリッド自動車のサスペンション用部材に採用され、さらなる拡販を進めております。
 マグネシウム関連技術では、継続してマグネシウム市場開拓を積極的に推し進め、等方性マグネシウム鍛造ブロックの開発を終了し、市場PRを進めております。また、マグネシウム鍛造用ビレットも、今シーズンからF1の鍛造用ホイールに当社グループの材料が採用されています。
 一方で独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「マグネシウム鍛造部材技術開発プロジェクト」では当社グループが担当していた最上流の材料製造技術開発を完了し、プロジェクトが完了する翌連結会計年度以降の製品化を目指してのユーザーへのPR・サンプル出荷および生産技術開発を継続しております。
 研究開発費総額は4億78百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態および経営成績の分析は次のとおりであります。

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性があります。

 

(1)重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

①貸倒引当金

当社グループは貸倒れが懸念される特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額に基づき貸倒引当金を計上しております。また、その他の一般債権についても、貸倒実績率を勘案して貸倒引当金を計上しております。なお、将来相手先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。また、貸倒損失の発生により、貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。

 

②市場性のある有価証券

当社グループは、保有する市場性のある有価証券を合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、有価証券市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。

 

③退職給付引当金

当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率等の前提条件や期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および債務に影響を与える可能性があります。

 

 

(2)当連結会計年度の財政状態および経営成績の分析

当社グループの連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ、203億65百万円減収の2,574億2百万円となり、営業利益は47億84百万円(前連結会計年度は76億42百万円の営業損失)、経常利益は33億91百万円(前連結会計年度は93億32百万円の経常損失)、当期純利益は20億47百万円(前連結会計年度は192億46百万円の当期純損失)、となりました。

 

①売上高と営業利益

売上高は2,574億2百万円となりました。これは、サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融不安により信用収縮が拡大し、国内景気が急激に後退に転じたことに加え、改正建築基準法の影響により新設住宅着工戸数が低水準のまま推移するなど厳しい市場環境が続いたことによります。
 販管費及び一般管理費は554億57百万円となり、この結果、営業利益は47億84百万円となりました。

 

②営業外損益と経常利益

経常利益は支払利息17億64百万円などの計上により、33億91百万円となりました。

 

③特別損益と税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は25億62百万円となりました。これは、固定資産売却益4億40百万円などを特別利益に、固定資産売却損3億69百万円、固定資産除却損3億82百万円などを特別損失に計上したことによります。

 

④当期純利益

法人税、住民税及び事業税は3億90百万円、法人税等調整額は74百万円となりました。少数株主利益は50百万円となりました。
 この結果、当期純利益は20億47百万円となりました。

 

⑤資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ91億6百万円減少し、2,184億82百万円となりました。流動資産は売上高の減少に伴う売上債権の減少やたな卸資産の圧縮に努めた結果、たな卸資産が36億28百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ34億91百万円減少の1,029億86百万円となりました。固定資産は減価償却費の計上および資産売却等により、前連結会計年度末に比べ56億15百万円減少の1,154億96百万円となりました。

 

⑥負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ129億32百万円減少の1,701億61百万円となりました。これは、ファクタリング未払金や短期借入金の減少に加え、特別退職金の支払いおよびアルミ地金長期購入契約の解約による支払いを行ったことなどによるものです。

 

⑦純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ38億25百万円増加の483億20百万円となりました。これは、主に当期純利益20億47百万円の計上に加え、自己株式の処分に伴う純資産12億63百万円の増加によるものです。なお、自己資本比率は21.7%(前連結会計年度末は19.2%)となりました。

 

 

(3)資本の財源および資金の流動性についての分析

当社グループの資金の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローは69億57百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益25億62百万円、減価償却費66億28百万円、特別退職金の支払い33億13百万円、アルミ地金長期購入契約解約による支払い24億42百万円などによるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは3億19百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の売却12億95百万円、投資有価証券の売却7億35百万円を行いましたが、合理化および改造改善投資による固定資産の取得21億32百万円などを行ったことによるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは33億82百万円の支出となりました。これは、自己株式の売却により12億52百万円の資金を得ましたが、短期借入金の減少35億11百万円の支出があったことなどによるものであります。

なお、財政状況に関する主要指標は次のとおりであります。

 

 
平成21年5月期
平成22年5月期
自己資本比率(%)
19.2
21.7
時価ベースの自己資本比率(%)
10.1
16.5
債務償還年数(年)
844.5
12.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
0.1
3.9

注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 





出典: 三協・立山ホールディングス株式会社、2010-05-31 期 有価証券報告書