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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 当期の概要

当期におけるわが国経済は、期の後半において一部に減速が見られたものの、企業収益の大幅な改善やこれに伴う設備投資の増加により、全体として回復傾向で推移しました。

当社グループの事業環境につきましては、電子電装部門はデジタル家電、携帯機器等の市場が引き続き拡大したものの、情報通信部門では、国内外通信キャリアの設備部門での設備投資抑制が続き、エネルギー関連部門では銅価格の高騰が大きく影響するなど、両部門は厳しい状況となりました。

当期の連結売上高は、情報通信部門が減少したものの、エネルギー関連部門と電子電装部門の伸長により、全体で前期比8.9%増の3,607億円となりました。

利益面では、情報通信部門は減少しましたが、電子電装部門が好調に推移したことから、営業利益は前期比34億円増の167億円、経常利益は前期比34億円増の138億円となりました。

当期純損益では、特別利益として退職給付信託設定益、固定資産売却益等計63億円を計上し、一方特別損失では情報通信部門における体質改革、事業構造改革に一定の区切りをつけるべく製造設備の減損損失を計上し、また全体では、米国における合弁事業の解消に伴う事業構造改善費用等を加え、計105億円とした結果、当期純利益は74億円となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

 

(事業の種類別セグメント)

売上高は、情報通信部門では、光ケーブル・光素線を中心に減少し、前期比12.7%減の716億円(当社単独ベースの受注高は、前年比13.0%減の613億円)、電子電装部門は、プリント配線板を中心に増加し、前期比15.5%増の1,437億円(当社単独ベースの受注高は、前年比20.6%増の945億円)、エネルギー関連部門は、銅価格の高騰により前期比16.7%増の1,312億円(当社単独ベースの受注高は、前年比19.4%増の1,023億円)となりました。

 

(所在地別セグメント)

売上高は、日本では、前期比6.1%増の2,801億円、アジアは、プリント配線板を中心に好調に推移し、前期比22.2%増の681億円、その他は前期比7.1%増の124億円となりました。

 

 

 

 

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益96億円を計上し、減価償却費229億円に加え、運転資金の増加もあり、395億円の収入(前連結会計年度と比べ172億円収入の増加)となりました。これを設備投資を中心とした投資活動に171億円(前連結会計年度と比べ44億円の支出の減少)、有利子負債の削減を中心とした財務活動に198億円支出(前連結会計年度と比べ89億円の支出の増加)したことにより、現金及び現金同等物の期末残高は244億円(前連結会計年度と比べ212億円の増加)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示しています。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の事業環境につきましては、情報通信部門ではFTTHに代表されるブロードバンド関連市場の拡大、電子電装部門ではユビキタス・ネットワークの進展に伴うデジタル家電や携帯機器の需要増が見込まれますが、同時に競争激化による価格の低下も予想されます。

当社グループはこれら成長分野への経営資源のシフトを継続し、事業及び利益の拡大を図ってまいります。

情報通信部門のアクセス系通信分野では、ネットワーク機器、光部品、融着接続機などの光ネットワーク関連機器について、新製品の投入や、光ネットワーク機器をシステムとして提供する活動に注力し、業績の回復を目指してまいります。米国では、合弁による事業展開を解消し、当社完全子会社による体制とし、好転が見込まれるFTTH市場で積極的に事業の拡大を図ってまいります。

電子電装部門では、価格競争の激化が予想されることから、品質、生産性の向上を図ってコスト競争力を高め、また、市場拡大の好機を逸することのないよう、営業、事業部、製造、開発が一体となって、マーケットインの新製品開発を積極的に進めてまいります。

エネルギー関連部門では電力事業分野を統合した株式会社ビスキャスにおいて、電力会社を中心とする国内外電力市場での拡販を図ります。また、民需汎用電線分野の販売部門を統合した株式会社フジクラ・ダイヤケーブルで三菱電線工業株式会社との統合効果をあげるとともに、強固な販売体制を鍵に物流、商流、製造のコスト削減に取り組んでまいります。

研究開発部門は、事業構造の変化への対応、新規事業の創出等、研究開発成果の事業化が急務となっています。事業化を強く意識した研究開発体制を構築して、顧客ニーズの変化を捉えた新たな価値を創造し、それを迅速かつ継続的に市場に提供していくための体制を整えます。

また、当社では「ものづくり体質の強化」を経営の基本方針の一つとして掲げており、受注から納入までを直結させた生産システム効率化の活動を粘り強く継続し、生産効率・品質の向上を図ります。

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成17年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)需要動向

当社グループの経営成績は、主要な需要先である通信業界の設備投資、電子機器業界及び自動車業界、電力業界の設備投資等の動向によって影響を受けます。

 

(2)為替レートの変動

当社グループは、実需の範囲内で通貨ヘッジ取引を行い、外貨建売上取引等における為替変動による悪影響を最小限に抑える努力をしておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではない為、為替レートの変動は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの事業には、アジアを中心とする海外における製品の生産、販売が含まれており、各地域における現地通貨建ての収益、費用、資産等の各項目は連結財務諸表作成の為、円換算しており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

(3)材料価格の変動

当社グループの製品の主要な材料である銅の価格は、国際的な需給動向等の影響により変動しますが、銅価格の高騰による仕入価格の上昇が、即座に製品価格に転嫁できるとは限らない為、銅価格の著しい変動によって当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

(4)製品の欠陥

当社グループは、厳格な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来に品質クレームが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額すべてをカバーできるという保証はありません。重大なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや、当社グループの社会的評価に重大な影響を与え、売上が減少するなどの悪影響につながる可能性があります。

 

(5)法的規制等

当社グループの海外における事業活動においては、事業展開する各国の様々な法的規制の適用を受けております。このような規制には、事業・投資を行う為に必要な政府の許認可、商取引、輸出入に関する規制、租税、金融取引、環境に関する法規制等があります。当社グループはこれらの規制を遵守し事業活動を行っておりますが、将来において法的規制の重要な変更や強化が行われた場合、当社グループがこれらの法規制に従うことが困難になり事業活動が制限されたり、規制遵守のためのコスト負担が増加すること等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社の締結している主な技術契約の概要は、次の通りである。

契約締結先

国籍

契約技術

契約期間

対価

技術供給

 

 

 

 

宏泰電工股有限公司

台湾

XLPE電力ケーブルの製造技術(技術援助)

平成16年6月1日より平成21年3月31日まで

一時金 定額

ユー・エス・コネック・リミテッド

アメリカ

コネクターフェルールの製造技術

(技術援助)

平成11年6月19日より

7年間

一時金 定額

実施料 一定料率

ザクリータエ・アクツィネールナエ・オープシェストヴァ・モスカーベル−フジクラ

ロシア

光ファイバケーブルの製造技術

(技術援助)

平成11年11月10日より契約存続期間

実施料 一定料率

烽火通信科技股有限公司

中国

光ファイバの製造技術(技術援助)

平成14年4月5日より契約存続期間

一時金 定額

実施料 一定料率

江蘇阿尓発光電科技有限公司

中国

光ファイバの製造技術(技術援助)

平成14年8月19日より5年間

一時金 定額

上海南洋藤倉電纜有限公司

中国

水蜜絶縁電線の製造技術(技術援助)

平成14年8月6日より契約存続期間

実施料 一定料率

上海上纜藤倉電纜有限公司

中国

XLPE電力ケーブルの製造技術(技術援助)

平成17年1月27日より契約存続期間

一時金 定額

実施料 一定料率

上海藤倉橡塑電纜有限公司

中国

ゴム・プラスチック絶縁電線の製造技術(技術援助)

平成17年3月30日より契約存続期間

一時金 定額

実施料 一定料率

技術導入

 

 

 

 

コーニング・インコーポレイテッド

アメリカ

グレイチングファイバ(特許実施)

平成9年2月4日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

実施料 一定料率

ルーセント・テクノロジー・インコーポレーション

アメリカ

グレイチングファイバ(特許実施)

平成9年10月1日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

実施料 一定料率

ユナイテッド・テクノロジー・コーポレーション

アメリカ

グレイチングファイバ(特許実施)

平成9年10月27日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

実施料 一定料率

リットン・システムズ・インコーポレイテッド

アメリカ

光ファイバ増幅器

(特許実施)

平成10年11月18日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

実施料 一定料率

タイコ・エレクトロニクス・コーポレーション

アメリカ

光ファイバコネクター(特許実施)

平成12年7月25日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

実施料 一定料率

株式会社ノース

日本

NMBI製造技術(ノウハウ使用)

平成14年9月10日より5年間

一時金 定額

実施料 一定料率

ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド

イギリス

光ファイバ融着機(特許実施)

平成15年2月24日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド

イギリス

光ファイバカプラ(特許実施)

平成15年2月24日より許諾特許の満了日まで

一時金 定額

実施料 一定料率

 

 

6 【研究開発活動】

フジクラグループは、情報通信部門、電子・電装部門、エネルギー部門を中心に研究開発活動を積極的に進めています。当グループの研究開発は、国内では光電子技術研究所、電子電装開発センター、電子デバイス研究所、材料技術研究所、および事業部の開発部門で行っており、海外ではフジクラテクノロジーシンガポールにより推進されています。事業のセグメント別の研究開発活動及びその成果は次のとおりであります。当連結会計年度の全体の研究開発費は121億円であります。

 

.情報通信部門 

フジクラグループの光通信技術は世界的に高い技術力を誇り、世界へ光ファイバ・ケーブル、光部品を供給しています。

国内では大手通信キャリアが、一般家庭へ光ファイバを使ったブロードバンドサービス(FTTH)を大きく拡大しています。フジクラグループはFTTHの構築を簡易にするケーブル、部品、接続機を開発しました。曲げ半径を小さく出来る光ファイバはケーブルの引き込み、宅内配線を容易にします。メカニカルスプライスや現場組立光コネクタは接続作業を簡略化でき工事費のコストダウンが可能です。フジクラはPANDAファイバの技術を活かした曲げ半径をさらに小さく出来るホーリーファイバの開発を推進しています。融着接続機を用いた接続においても、接続損失を低く出来るホーリーファイバを開発しました。フジクラの光ファイバ融着接続機は世界の大きなシェアを誇っており、精密メカトロニクス技術を駆使した世界で最も小型で高性能の超小型融着接続機を開発し商品化しました。

この事業の研究開発費は53億円であります。

.電子電装部門

フジクラグループはデジタル家電・電子機器向けに、フレキシブルプリント配線基板、電子ワイヤ、半導体パッケージ製品などの開発と、自動車向けの自動車電装品の研究・開発を進めています。これら部門への研究開発投入を増やしています。

携帯電子機器は小型化にともない、配線基板は高密度実装が要求され回路の微細化が進んでいます。フジクラグループはフレキシブルプリント配線基板のミクロン間隔の微細回路技術、多層基板技術を開発しています。デジタル家電向けには付加価値のあるフリップチップ実装基板を開発し、大型フラットパネルディスプレイのPDP向けに商品化しました。電子ワイヤでは、携帯電話などの液晶ディスプレイに使う極細同軸コードにコネクタを接続した部品を開発し商品化しました。シリコン半導体パッケージを小型化し高密度実装を可能にするチップサイズパッケージの研究開発を積極的に進め、製品の量産を始めました。さらに新規事業を目指してシリコンマイクロマシン技術を発展させたMEMS技術の製品開発をしています。

銀などの導電性ペーストを印刷したフレキシブル配線基板を製品開発し、コストパフォーマンスと高密度配線が要求される、ビデオカメラなどに使われています。

フジクラグループは自動車向けに、ワイヤハーネス、電装品の開発を進めていますが、今後はフジクラのコア技術である光技術、電子材料技術を融合した商品の開発に注力します。

この事業の研究開発費は53億円であります。

 

 

3.エネルギー関連部門

ノートパソコンの中央演算デバイス(CPU)が高速・高周波数化するとともに、放熱対策が重要になってきています。フジクラはマイクロヒートパイプを開発し、高速化するノートパソコン、サーバーの放熱対策を解決するデバイスを提供しています。

電力送電において、送電ケーブルに電気を流したまま診断する技術や、GPS測地技術を使った送電系統保守点検システムを開発し、ユーザーに合わせたシステムを提供しています。

シリコン太陽電池より高効率、低価格を目指した革新的な色素増感太陽電池の研究を推進しています。

ナノテクノロジー分野ではナノ金属粒子、光触媒粒子の基礎的な研究開発を進め、新規製品開発、新規事業を目指しています。

 この事業の研究開発費は14億円であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券証券報告書提出日(平成17年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の売上高は、情報通信部門が減少したものの、エネルギー関連部門と電子電装部門の伸長により、全体で前期比8.9%増の3,607億円となりました。

利益面では、情報通信部門は減少しましたが、電子電装部門が好調に推移したことから、営業利益は前期比34億円増の167億円、経常利益は前期比34億円増の138億円となりました。

当期純損益では、特別利益として退職給付信託設定益、固定資産売却益等計63億円を計上し、一方特別損失では情報通信部門における体質改革、事業構造改革に一定の区切りをつけるべく製造設備の減損損失を計上し、また全体では、米国における合弁事業の解消に伴う事業構造改善費用等を加え、計105億円とした結果、当期純利益は74億円となりました。

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの事業環境につきましては、電子電装部門はデジタル家電、携帯機器等の市場が引き続き拡大したものの、情報通信部門では、国内外通信キャリアの設備部門での投資抑制が続き、エネルギー関連部門では銅価格の高騰が大きく影響するなど、両部門は厳しい状況となりました。

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、税金等調整前当期純利益96億円や減価償却費229億円に加え、運転資金の増加もあり、前連結会計年度より172億円増加し395億円の収入となりました。これを設備投資を中心とした投資活動に171億円(前連結会計年度と比べ44億円の支出の減少)、有利子負債の削減を中心とした財務活動に198億円支出(前連結会計年度と比べ89億円の支出の増加)しました。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末から212億円増加し、244億円となりました。

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

今後の事業環境につきましては、情報通信部門ではFTTHに代表されるブロードバンド関連市場の拡大、電子電装部門ではユビキタス・ネットワークの進展に伴うデジタル家電や携帯機器の需要増が見込まれますが、同時に競争激化による価格の低下も予想されます。

当社グループはこれら成長分野への経営資源のシフトを継続し、事業及び利益の拡大を図ってまいります。

情報通信部門では、光ネットワーク関連機器について、新製品の投入や、光ネットワーク機器をシステムとして提供する活動に注力し、業績の回復を目指してまいります。米国では、合弁による事業展開を解消し、当社完全子会社による体制とし、好転が見込まれるFTTH市場で積極的に事業の拡大を図ってまいります。

電子電装部門では、品質、生産性の向上を図ってコスト競争力を高め、また、営業、事業部、製造、開発が一体となって、マーケットインの新製品開発を積極的に進めてまいります。

エネルギー関連部門では、電力事業分野を統合した株式会社ビスキャスにおいて、電力会社を中心とする国内外電力市場での拡販を図ります。また、民需汎用電線分野の販売部門を統合した株式会社フジクラ・ダイヤケーブルで三菱電線工業株式会社との統合効果をあげるとともに、強固な販売体制を鍵に物流、商流、製造のコスト削減に取り組んでまいります。

研究開発部門は、事業構造の変化への対応、新規事業の創出等、研究開発成果の事業化が急務となっています。事業化を強く意識した研究開発体制を構築して、顧客ニーズの変化を捉えた新たな価値を創造し、それを迅速かつ継続的に市場に提供していくための体制を整えます。

 

 

 





出典: 株式会社フジクラ、2005-03-31 期 有価証券報告書