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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)当期の概要
 当期におけるわが国経済は、企業収益の改善やこれに伴う設備投資の増加があり、またこれらの影響から個人消費も緩やかに増加するなど、総じて回復基調で推移しました。
 当社が事業を展開する分野でも、デジタル家電、携帯機器等の市場の拡大、国内外通信キャリアの設備投資や建設需要の増加などがあり、好況となりました。
 このような環境のなか、当社グループは創業120年の節目に当たり新たに策定した経営理念である「ミッション・ビジョン・基本的価値」のもと、顧客価値創造型企業への脱皮を目指し企業体質の変革に取り組みました。豊富な品ぞろえを活かしてお客様にソリューションを提供する積極的な販売活動を展開し、従来から継続してきたものづくり体質の強化、生産性の向上などの施策も成果を上げました。
 当期はこれらによる大幅な収益の改善に加え、米国事業拠点であるAmerica Fujikura Ltd.の好調、民需汎用電線分野の販売合弁会社である株式会社フジクラ・ダイヤケーブルの営業開始、さらに電線専門商社である株式会社フジデンの子会社化などがあり、売上、利益ともに大幅に増加することとなりました。
 当期の連結の業績は、売上高は前期比1,423億円増の5,030億円、営業利益は同225億円増の393億円、経常利益は同221億円増の360億円、当期純利益は同172億円増の247億円となり、売上、利益ともに過去最高となりました。
 セグメント別の業績は次のとおりです。
(事業の種類別セグメント)
〔情報通信部門〕
 国内通信キャリアのFTTH(Fiber To The Home)サービスが堅調に増加したことにより、光ケーブル、アクセスネットワーク用ドロップケーブル、接続部品などが好調に推移しました。米国や中国、ロシア、中近東向けなどの光ファイバも回復した結果、情報通信部門全体の売上高は前期比411億円増の1,127億円(当社単独ベースの受注高は前期比146億円増の760億円)となり大幅な増加となりました。
 利益では、売上増に加え、昨年100%子会社として立ち上げたAmerica Fujikura Ltd.の米国事業が好調であったことなどから、営業利益で前期比116億円増の89億円となり、平成14年度以来の営業黒字となりました。
〔電子電装部門〕
 デジタルカメラ、薄型テレビ、携帯電話、携帯音楽端末などの需要が引き続き強かったことなどから、FPC(フレキシブルプリント配線板)、コネクタが好調に推移しました。また携帯電話などのヒンジ部の配線部品として使用される極細同軸線や、ノートパソコン、サーバなどの冷却用部品であるマイクロヒートパイプ、ヒートシンクなどの事業が着実に成長しました。
 これらにより、電子電装部門全体の売上高は前期比539億円増の1,976億円(当社単独ベースの受注高は前期比429億円増の1,375億円)、営業利益は前期比60億円増の247億円となりました。
〔エネルギー関連部門〕
 国内の設備投資、住宅建設の増加などにより建設電販市場が堅調な伸びとなったこと、海外プラントが活況だったことに加えて、引き続き銅価が高騰したことなどにより、産業電線を中心に売上高が大幅に増加しました。
 さらに、民需汎用電線分野における三菱電線工業株式会社との販売合弁会社である株式会社フジクラ・ダイヤケーブルの営業開始、電線専門商社である株式会社フジデンの子会社化による売上増があり、エネルギー関連部門全体の売上高は前期比478億円増の1,791億円(当社単独ベースの受注高は前期比166億円増の1,189億円)となりました。営業利益では、これまで取り組んできたコスト削減の効果と、銅価上昇の製品価格への反映活動の継続などにより、前期比42億円増の25億円となり、大幅な改善となりました。
 また、今後、インフラ整備に伴う需要増が期待される中国市場への参入を図るため、電力用超高圧ケーブル及びゴム・プラスチックケーブルの製造・販売について、上海電纜廠有限公司等とそれぞれ合弁会社を上海に設立しました。
 〔その他部門〕
 深川再開発事業を中心とした不動産賃貸収入などにより、135億円の売上高を計上しました。営業利益は、前期比4億円増の30億円となりました。
(所在地別セグメント)
 売上高は、日本では、前期比22.5%増の3,432億円、アジアは、プリント配線板を中心に好調に推移し、前期比62.2%増の1,105億円、その他は、昨年100%子会社として立ち上げたAmerica Fujikura Ltd.の米国事業が好調であったこと等から前期比296.8%増の492億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益358億円、減価償却費231億円を主体とした現金の増加及び売上債権の増加253億円を主体とした現金の減少により、その結果、392億円の収入(前連結会計年度と比べ2億円収入の減少)となりました。これを設備投資を中心とした投資活動に187億円(前連結会計年度と比べ15億円の支出の増加)、有利子負債の削減を中心とした財務活動に198億円支出(前連結会計年度と比べ37百万円の支出の減少)したことにより、現金及び現金同等物の期末残高は253億円(前連結会計年度と比べ9億円の増加)となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示しています。
3【対処すべき課題】
 今後の事業環境は、情報通信部門の主要製品である光ケーブルやネットワーク関連機器等については、国内外におけるFTTH市場の回復により、基幹系、アクセス系ともに需要増が見込まれます。また、電子電装部門の主要製品であるFPCやコネクタ等についてはユビキタス・ネットワークの進展に伴うデジタル家電や携帯機器向けの需要増が見込まれる一方で、競争激化による更なる価格下落が予想されます。
 このような環境のなか、当社グループは成長分野への経営資源のシフトを継続し、事業基盤の強化と拡大により成長を図ってまいります。
 情報通信部門では、FTTH市場において施工の利便性向上を図った光ケーブルや接続部品の投入を強化するとともに、好転する米国市場や通信インフラの整備・拡大が見込まれる中国、ロシアなどにおける事業拡大を図ります。また、ネットワーク関連機器をシステムとして提供する光アクセスネットワークシステムプロバイダを目指します。
 電子電装部門では、今後ともPCTT Ltd.(タイ)におけるFPC生産設備増強などを中心に積極的な投資を継続するとともに、価格競争の激化が予想されることからコスト競争力の強化に努めてまいります。また、営業、事業部、製造、開発が一体となって顧客価値創造型のビジネスを展開し、FPC、極細同軸線、自動車用ワイヤハーネス、コネクタ、サーマル製品等の技術の組み合わせによるソリューションの提供を強化して事業の拡大を図ります。
 エネルギー関連部門については、情報通信部門の通信用メタルケーブル事業を編入して、全体としてケーブル・機器事業部門として本年4月1日付で再編しました。産業電線や裸線とあわせ、電線・ケーブル分野の中核をなす事業を集約することで製造部門の効率化、技術力・開発力の強化を図るとともに、グループ会社への統一的な指導・支援による生産・製造技術の改善、継承を行ってまいります。
 研究開発部門では、開発拠点の統合と経営リソースの投入を加速してまいります。顧客密着型の開発を強化して潜在的な顧客ニーズを探りつつ当社のシーズから有用なものを選び出し、既存商品の高機能化、高品質化を図ります。
 経営体制の見直しとして、近年の業容の急拡大と収益の中心が環境変化の速い分野へシフトしている状況を踏まえ、顧客価値創造型の企業変革を企図し、本年4月1日付で執行役員制度を導入しました。執行と監督の分離を進め、よりスピーディかつ責任ある執行体制の整備と取締役会の監督体制の充実を図ろうとするものです。
4【事業等のリスク】
 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成18年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)需要動向
 当社グループの経営成績は、主要な需要先である通信業界の設備投資、電子機器業界及び自動車業界、電力業界の設備投資等の動向によって影響を受けます。
(2)為替レートの変動
 当社グループは、実需の範囲内で通貨ヘッジ取引を行い、外貨建売上取引等における為替変動による悪影響を最小限に抑える努力をしておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではない為、為替レートの変動は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの事業には、アジアを中心とする海外における製品の生産、販売が含まれており、各地域における現地通貨建ての収益、費用、資産等の各項目は連結財務諸表作成の為、円換算しており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(3)材料価格の変動
 当社グループの製品の主要な材料である銅の価格は、国際的な需給動向等の影響により変動しますが、銅価格の高騰による仕入価格の上昇が、即座に製品価格に転嫁できるとは限らない為、銅価格の著しい変動によって当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。
(4)製品の欠陥
 当社グループは、厳格な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来に品質クレームが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額すべてをカバーできるという保証はありません。重大なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや、当社グループの社会的評価に重大な影響を与え、売上が減少するなどの悪影響につながる可能性があります。
(5)法的規制等
 当社グループの海外における事業活動においては、事業展開する各国の様々な法的規制の適用を受けております。このような規制には、事業・投資を行う為に必要な政府の許認可、商取引、輸出入に関する規制、租税、金融取引、環境に関する法規制等があります。当社グループはこれらの規制を遵守し事業活動を行っておりますが、将来において法的規制の重要な変更や強化が行われた場合、当社グループがこれらの法規制に従うことが困難になり事業活動が制限されたり、規制遵守のためのコスト負担が増加すること等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
 当社の締結している主な技術契約の概要は、次の通りである。
契約締結先
国籍
契約技術
契約期間
対価
技術供給
 
 
 
 
宏泰電工股份有限公司
台湾
XLPE電力ケーブルの製造技術(技術援助)
平成16年6月1日より
平成21年3月31日まで
一時金 定額
ユー・エス・コネック・リミテッド
アメリカ
コネクターフェルールの製造技術(技術援助)
平成11年6月19日より7年間
一時金 定額
実施料 一定料率
ザクリータエ・アクツィネールナエ・オープシェストヴァ・モスカーベル−フジクラ
ロシア
光ファイバケーブルの製造技術(技術援助)
平成11年11月10日より契約存続期間
実施料 一定料率
烽火藤倉光繊科技有限公司
中国
光ファイバの製造技術(技術援助)
平成14年4月5日より契約存続期間
一時金 定額
実施料 一定料率
江蘇阿尓発光電科技有限公司
中国
光ファイバの製造技術(技術援助)
平成14年8月19日より5年間
一時金 定額
上海南洋藤倉電纜有限公司
中国
水蜜絶縁電線の製造技術(技術援助)
平成14年8月6日より契約存続期間
実施料 一定料率
上海上纜藤倉電纜有限公司
中国
XLPE電力ケーブルの製造技術(技術援助)
平成17年1月27日より契約存続期間
一時金 定額
実施料 一定料率
上海藤倉橡塑電纜有限公司
中国
ゴム・プラスチック絶縁電線の製造技術(技術援助)
平成17年3月30日より契約存続期間
一時金 定額
実施料 一定料率
技術導入
 
 
 
 
コーニング・インコーポレイテッド
アメリカ
グレイチングファイバ(特許実施)
平成9年2月4日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
実施料 一定料率
ルーセント・テクノロジー・インコーポレーション
アメリカ
グレイチングファイバ(特許実施)
平成9年10月1日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
実施料 一定料率
ユナイテッド・テクノロジー・コーポレーション
アメリカ
グレイチングファイバ(特許実施)
平成9年10月27日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
実施料 一定料率
リットン・システムズ・インコーポレイテッド
アメリカ
光ファイバ増幅器(特許実施)
平成10年11月18日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
実施料 一定料率
タイコ・エレクトロニクス・コーポレーション
アメリカ
光ファイバコネクター(特許実施)
平成12年7月25日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
実施料 一定料率
株式会社ノース
日本
NMBI製造技術(ノウハウ使用)
平成14年9月10日より5年間
一時金 定額
実施料 一定料率
ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド
イギリス
光ファイバ融着機(特許実施)
平成15年2月24日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド
イギリス
光ファイバカプラ(特許実施)
平成15年2月24日より許諾特許の満了日まで
一時金 定額
実施料 一定料率
エレシス・ノース・アメリカ・インコーポレーション
 アメリカ
 乗員位置検出システム(特許実施)
 平成16年6月21日より許諾特許の満了日まで
実施料 一定料率
 
6【研究開発活動】
 フジクラグループは、①情報通信部門、②電子電装部門、③エネルギー関連部門を中心に研究開発活動を積極的に進めています。当グループの研究開発は、国内では光電子技術研究所、電子電装開発センター、電子デバイス研究所、材料技術研究所、および事業部の開発部門で行っており、海外ではフジクラテクノロジーシンガポール社により推進されています。事業のセグメント別の研究開発活動及びその成果は次のとおりであります。当連結会計年度の全体の研究開発費は122億円であります。
①情報通信部門
 フジクラグループの光通信技術は世界的に高い技術力を誇り、世界へ光ファイバ・ケーブル、光部品を供給しています。
 国内では大手通信キャリアが、一般家庭へ光ファイバを使ったブロードバンドサービス(FTTH)を大きく拡大しています。フジクラグループはFTTHの構築を簡易にするケーブル、部品、接続機を開発しました。曲げ半径を小さく出来る光ファイバはケーブルの引き込み、宅内配線を容易にします。メカニカルスプライスや現場組立光コネクタは接続作業を簡略化でき工事費のコストダウンが可能です。フジクラはPANDAファイバの技術を活かした曲げ半径をさらに小さく出来るホーリーファイバの開発を推進しています。融着接続機を用いた接続においても、接続損失を低く出来るホーリーファイバを開発しました。フジクラの光ファイバ融着接続機は世界の大きなシェアを誇っており、精密メカトロニクス技術を駆使した世界で最も小型で高性能な超小型融着接続機を開発し商品化しています。
 この事業の研究開発費は54億円であります。
②電子電装部門
 フジクラグループはデジタル家電・電子機器向けに、フレキシブル配線板、電子ワイヤ、半導体パッケージ製品、マイクロヒートパイプなどの開発と、自動車向けの自動車電装品の研究・開発を進めています。電子電装開発センターを拡張し製品開発用設備を増強する等、これら部門への研究開発投入を増やしています。
 携帯電子機器は小型化にともない、配線基板は高密度実装が要求され回路の微細化が進んでいます。フジクラグループはフレキシブル配線板のミクロン間隔の微細回路技術、多層基板技術、基板間接続技術等を開発しています。デジタル家電向けには付加価値のあるフリップチップ実装基板を開発し、大型フラットパネルディスプレイのPDP向けに商品化しています。電子ワイヤでは、携帯電話などの液晶ディスプレイに使う極細同軸コードにコネクタを接続した部品を開発し量産を始めていますが、継続して細径化の開発を行なっています。シリコン半導体パッケージを小型化し高密度実装を可能にするウエハレベルパッケージ(WLP)の研究開発を積極的に進め、製品の量産を始めています。さらに新規事業を目指してシリコンマイクロマシン技術を発展させたMEMS技術の製品開発をしています。
 太陽電池において、次世代型太陽電池として期待される色素増感太陽電池の大面積モジュールパネルを開発しました。
 ナノテクノロジー分野ではナノ金属粒子、光触媒粒子の基礎的な研究開発を進め、新規製品開発、新規事業を目指します。
 ノートパソコンの中央演算デバイス(CPU)が高速・高周波数化するとともに、放熱対策が重要になってきています。フジクラはマイクロヒートパイプを開発し、高速化するノートパソコン、サーバーの放熱対策を解決するデバイスを提供しています。
 フジクラグループは自動車向けに、ワイヤハーネス、電装品の開発を進めていますが、今後はフジクラのコア技術である光技術、電子材料技術を融合した商品の開発に注力します。
 この事業の研究開発費は60億円であります。
③エネルギー関連部門
 電力送電において、送電ケーブルに電気を流したまま診断する技術や、GPS測地技術を使った送電系統保守点検システムを開発し、ユーザーに合わせたシステムを提供しています。
 酸化物高温超電導線材において、イットリウム系酸化物超電導線の研究開発を行っていますが、IBAD中間層を500m以上安定して製造するなど長尺化に向けた開発に進展がありました。 
 この事業の研究開発費は7億円であります。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 文中における将来に関する事項は、有価証券証券報告書提出日(平成18年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
 当社グループの当連結会計年度の売上高は、情報通信部門、エネルギー関連部門と電子電装部門の伸長により、全体で前期比1,423億円増の5,030億円となりました。
 利益面では、情報通信部門の改善に加え、電子電装部門が好調に推移したことから、営業利益は前期比225億円増の393億円、経常利益は前期比221億円増の360億円となりました。
 当期純利益は、前期比172億円増の247億円となり、売上、利益ともに過去最高となりました。
(2)経営成績に重要な影響を与える要因について
 当社グループの事業環境につきましては、電子電装部門はデジタル家電、携帯機器等の市場が引き続き拡大し、情報通信部門では、国内外通信キャリアのFTTH(Fiber To The Home)サービスが堅調に増加したものの、エネルギー関連部門では銅価格の高騰が大きく影響するなど、厳しい状況となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益358億円、減価償却費231億円を主体とした現金の増加及び売上債権の増加253億円を主体とした現金の減少により、その結果、392億円の収入(前連結会計年度より2億円の収入の減少)となりました。これを設備投資を中心とした投資活動に187億円(前連結会計年度と比べ15億円の支出の増加)、有利子負債の削減を中心とした財務活動に198億円支出(前連結会計年度と比べ37百万円の支出の減少)しました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末から9億円増加し、253億円となりました。
(4)経営者の問題認識と今後の方針について
 今後の事業環境は、情報通信部門の主要製品である光ケーブルやネットワーク関連機器等については、国内外におけるFTTH市場の回復により基幹系、アクセス系ともに需要増が見込まれます。また、電子電装部門の主要製品であるFPCやコネクタ等についてはユビキタス・ネットワークの進展に伴うデジタル家電や携帯機器向けの需要増が見込まれる一方で、競争激化による価格下落が予想されます。
 当社グループはこれら成長分野への経営資源のシフトを継続し、事業基盤の強化と拡大により成長を図ってまいります。
 情報通信部門では、光ネットワーク関連機器について、新製品の投入や、光ネットワーク機器をシステムとして提供する活動に注力し、業績の回復を目指してまいります。米国では、合弁による事業展開を解消し、当社完全子会社による体制とし、好転が見込まれるFTTH市場で積極的に事業の拡大を図ってまいります。
 電子電装部門では、今後ともPCTT Ltd.(タイ)におけるFPC生産設備増強などを中心に積極的な投資を継続するとともに、価格競争の激化が予想されることからコストの競争力の強化に努めてまいります。また、営業、事業部、製造、開発が一体となって顧客価値創造型のビジネスを展開し、FPC、極細同軸線、自動車用ワイヤハーネス、コネクタ、サーマル製品等の技術の組み合わせによるソリューションの提供を強化して事業の拡大を図ります。
 エネルギー関連部門については、情報通信部門の通信用メタルケーブル事業を編入して、全体としてケーブル・機器事業部門として本年4月1日付で再編しました。産業電線や裸線とあわせ、電線・ケーブル分野の中核をなす事業を集約することで製造部門の効率化、技術力・開発力の強化を図るとともに、グループ会社への統一的な指導・支援による生産・製造技術の改善・継承を行ってまいります。
 研究開発部門では、開発拠点の統合と経営リソースの投入を加速してまいります。顧客密着型の事業を強化して潜在的な顧客ニーズを探りつつ当社のシーズから有用なものを選び出し、既存商品の高機能化、高品質化を図ります。
 経営体制の見直しとして、近年の業容の急拡大と収益の中心が環境変化の速い分野へシフトしている現状を踏まえ、顧客価値創造型の企業変革を企図し、本年4月1日付で執行役員制度を導入しました。執行と監督の分離を進め、よりスピーディかつ責任ある執行体制の整備と取締役会の監督体制の充実を図ろうとするものです。




出典: 株式会社フジクラ、2006-03-31 期 有価証券報告書