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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

  当連結会計年度におけるわが国経済は、米国景気減速の影響や原材料価格の高騰などにより徐々に景気が減速する中、米国大手証券会社の破綻を契機に深刻化した米欧の金融危機が実体経済に波及し、昨年秋から年末にかけて景気は過去に類を見ないほど急激かつ大幅に悪化し、日を追うごとに厳しさを増す中で推移いたしました。

海外につきましても、米欧経済の景気は悪化の一途を辿り、アジア経済の成長も鈍化し、世界的な規模で需要が急 激に冷え込みました。

  当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましても、半導体、パソコン、AV機器、自動車などほぼあらゆる分野で、設備投資抑制姿勢の強まりと大幅な需要減少による生産調整が行われ、現在もその状況は続いております。

 このような事業環境下において、当社グループは、第68期年度方針『一部上場を達成した今こそ、源流から戦略/業務を見直そう』に則り、最先端製品の開発スピードの向上/生産プロセスの革新/環境問題に対応する生産方法の確立を目指す古河事業所の再構築と併せ、仕事のやり方の抜本的な見直しを進め、競争力の維持・強化と収益性の改善を図る一方、設備投資や研究開発の厳選を行い、人員の適正化を実施し、社員一丸となって業績の減益幅の最小化に取り組んで参りました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は182億67百万円(前連結会計年度比10.2%減)、営業利益は4億45百万円(前連結会計年度比67.4%減)、経常利益は4億37百万円(前連結会計年度比65.6%減)、当期純利益は3億5百万円(前連結会計年度比65.7%減)となりました。

セグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。

①事業の種類別セグメント

 電線・加工品については、携帯電話ほか無線基地局用のケーブル等の売上は前期比で増加いたしましたが、昨年末から年度末にかけて、半導体製造関連のケーブル、車載用ケーブル、民生用デジタル機器用ケーブル等の売上が急激かつ大幅に減少した影響により、売上高は146億14百万円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化により期後半の売上が急激に減少したことや、期前半の銅/原油等の原材料価格の高騰の影響により、営業利益は6億47百万円(同53.6%減)となりました。

 電子・医療部品他については、ネットワーク機器は前期比で増加しましたが、医療用特殊チューブが微減となったことにより、売上高は36億53百万円(同1.7%減)、営業利益は5億41百万円(同31.9%減)となりました。

② 所在地別セグメント

 世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化により、日本での売上高は122億75百万円(前連結会計年度比15.1%減)となり、営業利益は10億55百万円(同36.5%減)となりました。また、日本以外の地域では、期前半の銅/原油等の原材料価格の高騰の影響により、アジアの売上高は82億42百万円(同11.8%減)、営業利益は30百万円(同90.6%減)となりました。北米の売上高は11億71百万円(同5.5%減)、営業利益は81百万円(同46.3%減)となりました。

③ 海外売上高

 海外売上高は、受注高の減少により67億14百万円(前連結会計年度比4.4%減)となりました。連結売上高に占める割合は36.8%(同2.3ポイント増)となっております。なお、当連結会計年度の海外売上高を地域別にみますと、北米が11億70百万円(同5.8%減)、アジアが55億43百万円(同4.0%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億9百万円減少し、27億92百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、16億22百万円(前連結会計年度比5億33百万円減)の資金の獲得となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益4億38百万円(同8億37百万円減)、減価償却費8億53百万円(同1億32百万円増)、売上債権の減少11億75百万円、たな卸資産の減少7億81百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額3億4百万円、仕入債務の減少10億17百万円、投資有価証券売却益3億35百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、12億60百万円(前連結会計年度比6億22百万円増)の資金の支出となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出15億82百万円(同3億54百万円増)であり、主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入3億78万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、4億71百万円(前連結会計年度は4億53百万円の獲得)の資金の支出となりました。主な減少要因は、自己株式の取得による支出21億94百万円、長期借入金の返済による支出1億19百万円、配当金の支払額1億70百万円であり、主な増加要因は、長期借入れによる収入20億円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

11,929,707

85.9

電子・医療部品他(千円)

2,375,521

116.3

合計(千円)

14,305,228

89.8

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

13,819,511

84.3

871,148

52.3

電子・医療部品他(千円)

3,711,409

96.9

675,896

109.4

合計(千円)

17,530,920

86.7

1,547,044

67.7

 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

14,614,331

87.9

電子・医療部品他(千円)

3,653,168

98.3

合計(千円)

18,267,499

89.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する100分の10以上の相手先がなくなりましたので記載を省略しております。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の経済情勢につきましては、米欧経済の本格的な回復は時間を要すものと予測され、アジア経済の成長も鈍化していることから、輸出及び個人消費・設備投資等の内需も低調に推移し、厳しい状況が続くものと予想されます。

 このような事業環境の下、当社グループでは、第69期の年度方針として、『未曾有の異常事態に、安全向上・効率化・スピードアップで対応しよう』を掲げ、不測の事態が生じぬようまず製品及び業務の安全と安心を確保するとともに、再構築された古河事業所の一層の活用と仕事のやり方の抜本的な見直し・効率化により競争力/収益性の一層の強化に努め、状況の変化にいち早く対処すべく業務のスピードアップ化を推進し、早期の業績回復に努めてまいります。 

 研究開発については、将来の技術ニーズを見極め、かかる状況下においても当社グループの時代の成長を担う研究開発テーマの発掘に積極的に取り組み、企業価値を今以上に向上させ、存在感を示すべく鋭意努力する所存であります。 

 その実現の基盤となる高収益体質へのシフトを図るため、下記の重点課題解決に止まることなく挑戦いたしてまいります。

① 電線・加工事業の拡大

パソコン等デジタル家電/車載カメラ/半導体製造装置等に対応したより一層なる高精度、高機能、高密度ケーブル及びハロゲンフリー電源コード等の製品開発を図ります。

② 電子・医療部品事業の拡大 

ネットワーク高速化、放送設備の光化に対応したWDM(光波長多重伝送装置)及び医療用特殊チューブ等の新製品開発を図ります。 

③ 事業環境に対応した国内/国外生産拠点の見直しを進めます。 

④ 市場ニーズへの対応

 市場ニーズによる製品の多様化・短命化、海外品台頭等による価格競争の激化、顧客のSCM対応による少ロット・短納期化等の経営環境著変に対応するには、原点に返った業務プロセスの見直しが不可欠であります。特に製品及び事務品質の向上による不具合の撲滅、生産工程の見直しによるたな卸資産の適正化が肝要と考えております。その為に、正確で迅速な意思決定の支援ができる柔軟性のあるコンピュータシステム確立を目指し基幹システムの見直しを絶えず実施いたします。

⑤ 組織・人事面について

 中長期指向による事業部サポート機能の本部と、製品/市場戦略による短期業績指向の事業部との相乗効果による強靭な組織作り、目標管理システムを座標軸とした人材のレベルアップに不断の努力を積み重ねてまいります。また、連結国内関係会社1社及び同海外関係会社12社と、主に生産/販売/技術面での連携による分業体制を進め、為替/材料リスク削減、総資産の圧縮等も含め、連結収益力の向上を図ります。

⑥ CSRについて

 CSRの観点から企業としての環境保全活動につきましては、環境方針に基づき、ISO14001の環境マネージメントシステムの継続的改善及び環境負荷物質の管理に注力いたします。また、当社グループ事業関連法規(海外も含め)の遵守は、当然のことながら、社会的通念上の常識、倫理に照らしたコンプライアンス企業経営を更に推進いたしてまいります。

⑦ 会社の支配に関する基本方針

 当社では、以下の基本理念を支持する者が、「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

  《基本理念》
1.わが社は、世界水準の製品を創り出すことにより、持続的な成長を遂げ、永遠の存在を目指す。
2.わが社は、有意義な製品とサービスを供給することにより社会に貢献する。
3.わが社は、国際社会に共生する一員であることを意識するとともに、法規等を遵守し、環境保全に努力する。
4.わが社は、すべての関係者・機関に調和のとれた満足を提供することを目標とする。
5.わが社は、互いの価値を認め合う人々の集団であり、熱意をもって向上・革新へ挑戦していく。

 法令及び社会規範の遵守を前提として、中長期的かつ総合的に企業価値・株主価値の向上を目指します。
 なお、上記の基本理念に照らして不適切な者が、当社支配権の獲得を表明した場合には、当該表明者や東京証券取引所その他の第三者(独立社外者)とも協議のうえ、次の3項目の要件を充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

1.当該措置が上記の基本理念に沿うものであること
2.当該措置が株主の共同の利益を損なうものでないこと
3.当該措置が役員の地位の維持を目的とするものでないこと 

4【事業等のリスク】

将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。

① 事業環境について

 当社グループが関わる事業分野における製品の多様化/短命化に対し、当社グループは、製造/販売/技術一体となり、マーケット密着提案型で、マーケットニーズの先取りを図ることにより、対応いたしております。

また、海外品台頭による価格競争が激化している電源コード等の分野におきましては、中国を主とした海外生産への移管によるコスト削減/品質の強化の徹底により、対抗いたしております。なお、価格競争力のある高機能/高精度のケーブル等は国内生産、量産品は海外生産とグループ内分業体制は進んでおり、今後も同体制を強化することにより、マーケットニーズに対応いたしてまいります。

 顧客のSCM対応による小ロット/短納期要請に対しては、EDI(電子データ交換)、VMI(納入業者在庫管理)等を受け入れ、顧客ニーズの充足に努めております。顧客のグリーン調達に対する環境負荷物質管理については、製品の含有物質や材料調達先迄追跡できる管理システムを構築いたしております。

しかしながら、当社グループが関わる情報通信/半導体製造装置/放送/医療分野等における技術の進歩は激しく、顧客の購買政策の変化等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 銅/石油製品の価格変動が業績に与える影響について

当社グループは、電線ケーブル等銅を主たる原材料とした製品を有しています。これらの製品の販売価格については、ロンドン金属取引所の市況価格を反映した銅建値に基づいて決定するという商習慣が広く普及しており市況価格変動リスクがあります。なお、銅の購入方法は、毎月末に必要数量を主要メーカー複数社等と価格交渉し、その時点で、一番安い価格を提示したメーカー等から購入しております。

石油化学製品類の原材料や副資材の調達については、当社の使用する代表的な非鉛PVCコンパウンドは自社配合品であり、当社の主要な購入先(海外関係会社含む)から適切なる価格で安定的に供給されております。

しかし、中長期にわたる市況価格上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 為替レートの変動が業績に与える影響について

当社グループは、実需の範囲内で通貨ヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替変動リスクの排除に努力いたしておりますが、完全に回避することは、困難であります。また、通貨ヘッジ取引の一部は、時価法を採用いたしております。従って、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの在外連結関係会社は、主に現地通貨建で個別財務諸表を作成しておりますが、連結財務諸表作成に際しては、円換算いたしております。従って、換算時の為替レートにより、個別財務諸表の各項目の現地通貨における価値が変わらなくとも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

④ 法的規制について

当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な法的規制を受けております。

当社グループは、これらの法的規制の遵守に努めておりますが、将来これらの法的規制を当社グループが遵守できない場合、また、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような法的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループは、電気用品安全法の適用を受ける製品を製造販売しております。受検漏れのないように関係法令の遵守に向けた対応として、業務マニュアルや関連資料の整備、並びに年度計画に基づく受検業務を実施しておりますが、万が一、受検漏れが発生した場合、品質上の問題はありませんが、該当製品の出荷停止及び回収(廃棄)となり、かつ顧客の信用が失われ、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

⑤ 中国における事業リスクについて

当社グループは、中国に4ヶ所の生産拠点を有し、当社グループ主要製品の年生産高の3割強を生産いたしております。その為、中国における過熱経済抑制の引締政策、投資/金融/輸出入に関わる法制の変更、外資系企業に適用される法人税/増値税等の税制変更等は、当社グループの生産/事業運営に支障をきたす可能性があります。中国における当社グループ連結関係会社の米ドル建債権/債務、及び同売上(輸出)/仕入(輸入)は、元切り上げにより、影響を受ける可能性があります。

 

⑥ 事故・災害に係るリスクについて

当社グループは、全ての生産設備を対象に定期的な設備点検を行っております。しかしながら、生産設備で発生する火災や停電を完全に防止することはできません。従って、それらの起因による操業停止の可能性があります。

更に、当社グループの製造拠点の一つ(森町工場)が、東海地震の防災対策強化地域に存在していることにより、大規模地震が発生した場合、被害を受ける可能性があります。

これら災害に遭遇した場合、製品製造ができなくなり、顧客への製品納入の遅延、売上の低下及び修復費用等により、当社グループの業績に影響する可能性があります。

⑦ 製品の欠陥について

当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥が無く、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社グループは、製造物責任請求については保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、製品の欠陥が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 知的財産に係るリスクについて

当社グループは、製品等の開発、製造、販売、その他事業活動により、第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品設計段階における特許調査等により、細心の注意を払っております。

一方、特許権、意匠権、その他知的財産権の取得により、当社グループが蓄積してきている特徴ある技術、ノウハウの保護に努めております。しかしながら、製品の精密化、製品技術の多様化、海外での事業活動の拡大等により当社グループの製品が、意図せず第三者の知的財産権を侵害した場合、販売差し止め、設計変更等に伴うコストにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。一方、第三者による当社グループの知的財産権侵害を完全に防止する事ができない可能性もあり、その場合、当社グループ製品が十分なる市場を確保できない可能性があります。また、当社グループが、製品を製造する場合、第三者の知的財産権が必要となる可能性もあり、その場合、不利な条件でのライセンス受容の可能性もあります。

⑨ 研究開発(新商品開発)について

当社グループは、今後成長が期待できる新規分野を慎重に選択し、人的・物的資源を継続的に投入し、新規製品開発を推進いたしております。

しかしながら、市場のニーズに合致し、資源の投入に見合った付加価値を生む魅力ある製品を継続的に開発できる保証はありません。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、長年培ってきた電線・ケーブル押出技術(導体の上に絶縁体を被覆する技術)を応用した製品開発を重要なる柱としております。技術変化の激しいデジタルエレクトロニクス分野に対応した高精度・高速伝送ケーブル、超高速大容量通信サービス/放送分野に対応した光波長分割多重伝送装置/光デジタル放送中継システム及び医療分野における高性能医療用特殊チューブ等、今後の当社グループ事業の中核となる製品の研究開発を鋭意進めております。

 現在の研究開発は、当社の技術・生産本部におけるインキュベータ的研究開発及び製品直結型の各事業部における研究開発で推進されております。研究開発スタッフは、平成21年3月末現在47名で当社従業員の約10%を占めております。
 当連結会計年度における各セグメント別の主な研究テーマ、成果は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費総額は1億79百万円となっております。

(1)電線・加工品事業における研究開発費は99百万円であります。

・ハロゲンフリー材料の開発

 さまざまな分野で環境問題に対する認識が高まる中で、環境負荷を低減する開発が進められており、ハロゲンフリーの要求は根強いものがあります。ハロゲンフリー材料は、「環境汚染物質を含有しない、発生させない」をコンセプトとしておりますが、PVCと同等の柔軟性や難燃性及びコスト等の要求を満足する材料の開発は、電線業界でも未完成であります。今後ますます環境対応でのハロゲンフリーを要求する顧客の広がりが予想される中で、これらの要求に応えるため、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、エンジニアプラスチックといった既存の樹脂にとどまらず、新しい発想に基づいた新規樹脂の開発も含め機能性をアップさせたハロゲンフリー材料の開発を進めております。

・機器間インタフェイスケーブルの開発

 デジタル家電が日本の電子業界を牽引している中で、その機器内・機器間を接続するインタフェイスケーブルは重要な役割を持っております。デジタル信号での高速化や大容量の伝送路として、製品保証は高度なものが求められるのに対し、価格トレンドは普及に伴いドラスティックに低下いたします。初期の開発速度、量産製造技術と海外生産を含めたコスト競争力がこの領域の大きな特長であります。既に開発の終了したLCDケーブル、HDMIケーブル、インフィニバンドケーブル、車載カメラケーブル、ATM用ケーブルは売上に大きく貢献し、更なる改良で競争力強化を図っております。新規には長尺HDMIケーブル、シリアルATAケーブル、ディスプレイポート用ケーブル、車載電子機器用ケーブル、防水ケーブルASSY等の開発・量産化を強化しております。

・超極細同軸ケーブルの開発

 一般的にAWG36より細いサイズの同軸ケーブルが極細同軸ケーブルと呼ばれておりますが、その中でもAWG46より細い超極細のものは、内視鏡や血管内視鏡などの医療用を中心として採用されております。当社は、特殊な銅合金導体をはじめ、素材レベルから検討を進め、強度・機械特性・ノイズ・伝送特性等に優れた超極細同軸ケーブルの開発に取り組んで来ました。今後は医療用のみならずデジタル機器の小型化・高精度化に伴い、コア製品として新たな市場が期待されます。当社で開発したハロゲンフリー材料による極細同軸ケーブルは、AV家電機器の分野に採用され大きく売上寄与を果たしております。

 

(2)電子・医療部品他事業における研究開発費は79百万円であります。

・光受動部品の開発

 今後ますます拡大していく光ネットワークを支える基本部品に光合分波器、光スイッチ等の光受動部品があります。当社の光合分波器は光波長分割多重伝送装置(WDM)の一部品として高性能化・小型化・低価格化したもので、当社のWDM製品に搭載し製品のオリジナリティを計りました。さらに光の波長を合分波する他にスイッチング機能等を合わせた機能性光受動部品の開発を進めております。

・ネットワーク/放送機器の開発

 NGN構築の本格化に伴い、通信の大容量高速化、IP化に加えてネットワークの高信頼化といった点が大きなトレンドとなっております。一方、放送のデジタル化が進み、通信と放送の融合が現実のものとなりつつあります。こうした背景の中で、大容量化のソリューションとして波長多重(WDM)技術はますます需要が高まると予想されます。当社ではネットワークと放送機器の双方にこの技術を採用し、通信分野では10GbpsのWDM装置を、放送分野では多チャンネルHD−SDI光中継器を開発しました。さらにL2スイッチィングハブのPOE(給電型)及び認証等のソフトウエアの高機能化を図り、新たな市場を開発してまいります。また、経済産業省の「トップランナー基準」に合致したグリーンIT機器の開発も進めております。

・カテーテル用特殊チューブの開発

 診断用、治療用特殊チューブ関連製品は補強材入りチューブを中心とする製品開発を継続してきました。品種増加と既存品改良により売上寄与が見込まれます。また、治療用カテーテルや医療機器向けチューブをターゲットとした技術開発では、精密構造の追及と高機能化が図れるよう開発を進めております。

 

7【財政状態及び経営成績の分析】

 当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成21年6月29日)現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用いたしております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に、記載いたしております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループは、デジタル製品関連のインタフェイスケーブル、半導体製造装置ケーブル、車載ケーブル、通信・放送用のネットワーク機器及び医療用特殊チューブ等の開発・製造・販売を実施してまいりましたが、世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化により業績は急激に減少、当連結会計年度の売上高は182億67百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりました。期後半の売上の減少及び期前半の銅/原油等原材料価格の高騰の影響を受け、売上原価率は82.7%と前連結会計年度比3.7ポイント上昇しました。この結果、売上総利益は31億64百万円(同25.9%減)となりました。販売費及び一般管理費は、事業環境の悪化に伴い設備投資の抑制、人件費及び経費の削減に努力したことで、前連結会計年度比1億88百万円の減少となりました。この結果、営業利益は4億45百万円(同67.4%減)となりました。営業外収益は前連結会計年度にあった特別な受取補償金が無くなったことや、受取利息の減少により前連結会計年度に比べ57百万円減少、営業外費用は為替差損が減少したことにより、前連結会計年度に比べて1億41百万円減少しました。この結果、経常利益は4億37百万円(同65.6%減)となりました。特別利益には投資有価証券売却益3億35百万円、特別損失には古河事業所の再構築に伴う固定資産除却損1億74百万円、投資有価証券評価損96百万円及びたな卸資産評価損64百万円等が含まれております。法人税、住民税及び事業税等を差し引いた当期純利益は3億5百万円(同65.7%減)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子医療部品他における需要変動及び銅・石油価格等の変動、また、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。

 

  (4)戦略的現状と見通し

 当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。

 なお、今後の見通しにつきましては、米国経済の回復ペースに不透明感があるものの、依然として、当社がメインの連結子会社を置いている中国の経済は安定して堅調な成長傾向にあります。また、インフォメーションテクノロジーが目覚しく進化する時代の中で、家電/情報通信/放送が急速に融合し、当社が得意とするネットワーク、電子デバイス、デジタルメディア等の新しい市場が拡大いたしておりますので、当社グループが今後も持続的に安定した成長を遂げていくチャンスの時期であると考えております。

 

(5)当連結会計年度の財政状態の分析

 ①キャッシュ・フロー   

 営業活動によるキャッシュ・フローは、16億22百万円(前連結会計年度比5億33百万円減)の資金の獲得となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益4億38百万円(同8億37百万円減)、減価償却費8億53百万円(同1億32百万円増)、売上債権の減少11億75百万円、たな卸資産の減少7億81百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額3億4百万円、仕入債務の減少10億17百万円、投資有価証券売却益3億35百万円であります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、12億60百万円(前連結会計年度比6億22百万円増)の資金の支出となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出15億82百万円(同3億54百万円増)であり、主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入3億78百万円であります。

  なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローについては、3億61百万円の増加となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、4億71百万円(前連結会計年度は4億53百万円の獲得)の資金の支出となりました。主な減少要因は、自己株式の取得による支出21億94百万円、長期借入金の返済による支出1億19百万円、配当金の支払額1億70百万円であり、主な増加要因は、長期借入れによる収入20億円であります。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より5億9百万円減少し、27億92百万円となりました。

②財政状態

 

(単位:百万円)

回次

前連結会計年度

(平成20年3月31日)

当連結会計年度

(平成21年3月31日)

流動資産合計(注1)

14,380

11,447

固定資産合計(注2)

8,777

8,142

流動負債合計(注3)

4,813

2,659

固定負債合計(注4)

1,681

3,315

純資産合計(注5)

16,662

13,614

 (注)1.流動資産の主な減少は、取引高の減少に伴う受取手形及び売掛金(前連結会計年度末比15億86百万円減)の減少、在庫削減によるたな卸資産(同9億92百万円減))の減少であります。

2.固定資産の主な減少は、設備投資の抑制に伴う有形固定資産(同4億95百万円減)の減少、時価評価に伴う投資有価証券(同1億85百万円減)の減少であります。

 3.流動負債の主な減少は、取引高の減少に伴う支払手形及び買掛金(同14億18百万円減)の減少、古河事業所再構築の支払に伴うその他(未払金(同6億48百万円減))の減少であります。一方、主な増加は、借入れに伴う短期借入金(同2億35百万円増)の増加であります。    

 4.固定負債の主な増加は、借入れに伴う長期借入金(同16億15百万円増)の増加であります。

5.純資産の主な減少は、自己株式取得による自己株式(同21億94百万円増)の増加、為替の円高による為替換算調整勘定(同8億63百万円減)の減少であります。





出典: 平河ヒューテック株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書