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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出が緩やかに増加し、生産は持ち直しているなど、景気は着実に持ち直してきておりますが、自律性は弱く失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況です。 

 海外につきましても、アジア経済については、景気刺激策の効果や中国向け輸出の増加もあり、景気は回復しつつあります。欧米経済は失業率が高水準であるなど引き続き厳しい状況にありますが、景気は下げ止まってきております。

  当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましても、企業の投資抑制が継続し、下半期に入り、一部の電子・電気機器の出荷数量が前年を上回りましたが、価格下落等により出荷金額が前年を下回るなど、本格的な回復には至りませんでした。

 このような事業環境下において、当社グループは、第69期年度方針『未曽有の異常事態に、安全向上・効率化・スピードアップで対応しよう』に則り、製品及び業務の安全と安心を確保するとともに、再構築された古河事業所の一層の活用と仕事のやり方の抜本的な見直し・効率化により競争力/収益性の一層の強化に努め、状況の変化にいち早く対処すべく業務のスピードアップ化を推進し、早期の業績回復に努めてまいりました。 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は129億82百万円(前連結会計年度比28.9%減)、営業利益は3億26百万円(前連結会計年度比26.6%減)、経常利益は4億48百万円(前連結会計年度比2.6%増)、当期純利益は3億12百万円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。

セグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。

① 事業の種類別セグメント

 電線・加工品については、世界的な金融・経済危機による景気停滞が続き、デジタル機器用ケーブル、半導体製造関連ケーブル等の売上が減少し、売上高は98億37百万円(同32.7%減)となりました。事業環境の悪化に対し、生産性の向上、設備投資の大幅抑制、人件費や固定経費の削減に取り組んだことにより、営業利益は3億53百万円(同45.3%減)となりました。

 電子・医療部品他については、医療用特殊チューブの売上は増加となりましたが、ネットワーク機器の売上が減少したことから、売上高は32億32百万円(同11.5%減)となりました。生産性の向上、設備投資の抑制、人件費や固定経費の削減に取り組んだことにより、営業利益は6億60百万円(同22.0%増)となりました。

② 所在地別セグメント

 日本については、世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化が続き、売上高は98億99百万円(同19.4%減)となりました。総コストの削減に努力した結果、営業利益は8億53百万円(同19.2%減)となりました。
 北米については、米国における景気対策により景気の後退は治まったものの、本格的な回復には至っていないことから売上高は6億78百万円(同42.0%減)となり、営業損失は5百万円(同87百万円減)となりました。

 アジアにつきましても、景気後退の影響を受け、売上高は54億41百万円(同34.0%減)となりました。総コストの削減に努力した結果、営業利益は69百万円(同127.9%増)となりました。 

③ 海外売上高

 海外売上高は、世界的な景気後退の影響を受け、売上高は37億90百万円(前連結会計年度比43.5%減)となりました。連結売上高に占める割合は29.2%(同7.6ポイント減)となっております。なお、当連結会計年度の海外売上高を地域別にみますと、北米が6億77百万円(同42.2%減)、アジアが31億13百万円(同43.8%減)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得17億33百万円、投資活動による資金の支出18億28百万円、財務活動による資金の支出4億61百万円となり、期首に比べ5億44百万円減少し、22億48百万円(前連結会計年度比19.5%減)となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、17億33百万円(前連結会計年度比1億10百万円増)の資金の獲得となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益4億38百万円(同0百万円増)、減価償却費7億99百万円(同54百万円減)、仕入債務の増加4億8百万円、法人税等の還付額1億60百万円であり、主な減少要因は、賞与引当金の減少1億58百万円であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、18億28百万円(前連結会計年度比5億68百万円減)の資金の支出となりました。主な減少要因は、定期預金の預入による支出13億円、投資有価証券の取得による支出5億36百万円、有形固定資産の取得による支出2億60百万円であり、主な増加要因は、定期預金の払戻による収入3億15百万円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、4億61百万円(前連結会計年度比9百万円増)の資金の支出となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出3億84百万円、配当金の支払額83百万円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

8,115,871

68.0

電子・医療部品他(千円)

2,051,033

86.3

合計(千円)

10,166,904

71.1

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

10,152,037

73.5

1,272,444

146.1

電子・医療部品他(千円)

3,207,992

86.4

651,949

96.5

合計(千円)

13,360,029

76.2

1,924,393

124.4

 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

9,750,741

66.7

電子・医療部品他(千円)

3,231,939

88.5

合計(千円)

12,982,681

71.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の経済情勢につきましては、雇用情勢に厳しさが残るものの、海外経済の改善などを背景に、景気の持ち直しが続くことが予想されます。

 このような事業環境の下、当社グループでは、第70期の年度方針として、『目標を明確化しチャレンジしよう』を掲げ、不況の中激変した事業環境下において選ばれる企業であるために、戦略性のある計画/目標を策定し、業務の効率化/製品開発力の強化及び「企業としての信頼性強化」に取り組んでまいります。

 研究開発については、将来の技術ニーズを見極め、かかる状況下においても当社グループの時代の成長を担う研究開発テーマの発掘に積極的に取り組み、企業価値を今以上に向上させ、存在感を示すべく鋭意努力する所存であります。 

 その実現の基盤となる高収益体質へのシフトを図るため、下記の重点課題解決に止まることなく挑戦いたしてまいります。

① 電線・加工事業の拡大

パソコン等デジタル家電/車載カメラ/半導体製造装置等に対応したより一層なる高精度、高機能、高密度ケーブル及びハロゲンフリー電源コード等の製品開発を図ります。

② 電子・医療部品事業の拡大 

ネットワーク高速化、放送設備の光化に対応したWDM(光波長多重伝送装置)及び医療用特殊チューブ等の新製品開発を図ります。 

③ 事業環境に対応した国内/国外生産拠点の見直しを進めます。 

④ 市場ニーズへの対応

 市場ニーズによる製品の多様化・短命化、海外品台頭等による価格競争の激化、顧客のSCM対応による少ロット・短納期化等の経営環境著変に対応するには、原点に返った業務プロセスの見直しが不可欠であります。特に製品及び事務品質の向上による不具合の撲滅、生産工程の見直しによるたな卸資産の適正化が肝要と考えております。その為に、正確で迅速な意思決定の支援ができる柔軟性のあるコンピュータシステム確立を目指し基幹システムの見直しを絶えず実施いたします。

⑤ 組織・人事面について

 中長期指向による事業部サポート機能の本部と、製品/市場戦略による短期業績指向の事業部との相乗効果による強靭な組織作り、目標管理システムを座標軸とした人材のレベルアップに不断の努力を積み重ねてまいります。また、連結国内関係会社1社及び同海外関係会社12社と、主に生産/販売/技術面での連携による分業体制を進め、為替/材料リスク削減、総資産の圧縮等も含め、連結収益力の向上を図ります。

⑥ CSRについて

 CSRの観点から企業としての環境保全活動につきましては、環境方針に基づき、ISO14001の環境マネージメントシステムの継続的改善及び環境負荷物質の管理に注力いたします。また、当社グループ事業関連法規(海外も含め)の遵守は、当然のことながら、社会的通念上の常識、倫理に照らしたコンプライアンス企業経営を更に推進いたしてまいります。

⑦ 会社の支配に関する基本方針

 当社では、以下の基本理念を支持する者が、「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

  《基本理念》
1.わが社は、世界水準の製品を創り出すことにより、持続的な成長を遂げ、永遠の存在を目指す。
2.わが社は、有意義な製品とサービスを供給することにより社会に貢献する。
3.わが社は、国際社会に共生する一員であることを意識するとともに、法規等を遵守し、環境保全に努力する。
4.わが社は、すべての関係者・機関に調和のとれた満足を提供することを目標とする。
5.わが社は、互いの価値を認め合う人々の集団であり、熱意をもって向上・革新へ挑戦していく。

 法令及び社会規範の遵守を前提として、中長期的かつ総合的に企業価値・株主価値の向上を目指します。
 なお、上記の基本理念に照らして不適切な者が、当社支配権の獲得を表明した場合には、当該表明者や東京証券取引所その他の第三者(独立社外者)とも協議のうえ、次の3項目の要件を充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

1.当該措置が上記の基本理念に沿うものであること
2.当該措置が株主の共同の利益を損なうものでないこと
3.当該措置が役員の地位の維持を目的とするものでないこと 

4【事業等のリスク】

将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。

① 事業環境について

 当社グループが関わる事業分野における製品の多様化/短命化に対し、当社グループは、製造/販売/技術一体となり、マーケット密着提案型で、マーケットニーズの先取りを図ることにより、対応いたしております。

また、海外品台頭による価格競争が激化している電源コード等の分野におきましては、中国を主とした海外生産への移管によるコスト削減/品質の強化の徹底により、対抗いたしております。なお、価格競争力のある高機能/高精度のケーブル等は国内生産、量産品は海外生産とグループ内分業体制は進んでおり、今後も同体制を強化することにより、マーケットニーズに対応いたしてまいります。

 顧客のSCM対応による小ロット/短納期要請に対しては、EDI(電子データ交換)、VMI(納入業者在庫管理)等を受け入れ、顧客ニーズの充足に努めております。顧客のグリーン調達に対する環境負荷物質管理については、製品の含有物質や材料調達先迄追跡できる管理システムを構築いたしております。

しかしながら、当社グループが関わる情報通信/半導体製造装置/放送/医療分野等における技術の進歩は激しく、顧客の購買政策の変化等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 銅/石油製品の価格変動が業績に与える影響について

当社グループは、電線ケーブル等銅を主たる原材料とした製品を有しています。これらの製品の販売価格については、ロンドン金属取引所の市況価格を反映した銅建値に基づいて決定するという商習慣が広く普及しており市況価格変動リスクがあります。なお、銅の購入方法は、毎月末に必要数量を主要メーカー複数社等と価格交渉し、その時点で、一番安い価格を提示したメーカー等から購入しております。

石油化学製品類の原材料や副資材の調達については、当社の使用する代表的な非鉛PVCコンパウンドは自社配合品であり、当社の主要な購入先(海外関係会社含む)から適切なる価格で安定的に供給されております。

しかし、中長期にわたる市況価格上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 為替レートの変動が業績に与える影響について

当社グループは、実需の範囲内でヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替変動リスクの排除に努力いたしておりますが、完全に回避することは、困難であります。また、ヘッジ取引の一部は、時価法を採用いたしております。従って、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの在外連結関係会社は、主に現地通貨建で個別財務諸表を作成しておりますが、連結財務諸表作成に際しては、円換算いたしております。従って、換算時の為替レートにより、個別財務諸表の各項目の現地通貨における価値が変わらなくとも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

④ 法的規制について

当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な法的規制を受けております。

当社グループは、これらの法的規制の遵守に努めておりますが、将来これらの法的規制を当社グループが遵守できない場合、また、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような法的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループは、電気用品安全法の適用を受ける製品を製造販売しております。受検漏れのないように関係法令の遵守に向けた対応として、業務マニュアルや関連資料の整備、並びに年度計画に基づく受検業務を実施しておりますが、万が一、受検漏れが発生した場合、品質上の問題はありませんが、該当製品の出荷停止及び回収(廃棄)となり、かつ顧客の信用が失われ、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

⑤ 中国における事業リスクについて

当社グループは、中国に4ヶ所の生産拠点を有し、当社グループ主要製品の年生産高の3割強を生産いたしております。その為、中国における過熱経済抑制の引締政策、投資/金融/輸出入に関わる法制の変更、外資系企業に適用される法人税/増値税等の税制変更等は、当社グループの生産/事業運営に支障をきたす可能性があります。中国における当社グループ連結関係会社の米ドル建債権/債務、及び同売上(輸出)/仕入(輸入)は、元切り上げにより、影響を受ける可能性があります。

 

⑥ 事故・災害に係るリスクについて

当社グループは、全ての生産設備を対象に定期的な設備点検を行っております。しかしながら、生産設備で発生する火災や停電を完全に防止することはできません。従って、それらの起因による操業停止の可能性があります。

こうした災害に遭遇した場合、製品製造ができなくなり、顧客への製品納入の遅延、売上の低下及び修復費用等により、当社グループの業績に影響する可能性があります。

 

⑦ 製品の欠陥について

当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥が無く、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社グループは、製造物賠償責任請求については保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、製品の欠陥が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 知的財産に係るリスクについて

当社グループは、製品等の開発、製造、販売、その他事業活動により、第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品設計段階における特許調査等により、細心の注意を払っております。

一方、特許権、意匠権、その他知的財産権の取得により、当社グループが蓄積してきている特徴ある技術、ノウハウの保護に努めております。しかしながら、製品の精密化、製品技術の多様化、海外での事業活動の拡大等により当社グループの製品が、意図せず第三者の知的財産権を侵害した場合、販売差し止め、設計変更等に伴うコストにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。一方、第三者による当社グループの知的財産権侵害を完全に防止する事ができない可能性もあり、その場合、当社グループ製品が十分なる市場を確保できない可能性があります。また、当社グループが、製品を製造する場合、第三者の知的財産権が必要となる可能性もあり、その場合、不利な条件でのライセンス受容の可能性もあります。

⑨ 研究開発(新商品開発)について

当社グループは、今後成長が期待できる新規分野を慎重に選択し、人的・物的資源を継続的に投入し、新規製品開発を推進いたしております。

しかしながら、市場のニーズに合致し、資源の投入に見合った付加価値を生む魅力ある製品を継続的に開発できる保証はありません。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、長年培ってきた電線・ケーブル押出技術(導体の上に絶縁体を被覆する技術)を応用した製品開発を重要なる柱としております。技術変化の激しいデジタルエレクトロニクス分野に対応した高精度・高速伝送ケーブル、超高速大容量通信サービス/放送分野に対応した光波長分割多重伝送装置/光デジタル放送中継システム及び医療分野における高性能医療用特殊チューブ等、今後の当社グループ事業の中核となる製品の研究開発を鋭意進めております。

 現在の研究開発は、インキュベータ的研究開発及び製品直結型の各事業部における研究開発で推進されております。研究開発スタッフは、平成22年3月末現在41名で当社従業員の約9%を占めております。
 当連結会計年度における各セグメント別の主な研究テーマ、成果は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費総額は1億80百万円となっております。

(1)電線・加工品事業における研究開発費は1億22百万円であります。

・ハロゲンフリー材料の開発

 さまざまな分野で環境問題に対する認識が高まる中で、環境負荷を低減する開発が進められており、ハロゲンフリーの要求は根強いものがあります。ハロゲンフリー材料は、「環境汚染物質を含有しない、発生させない」をコンセプトとしておりますが、PVCと同等の柔軟性や難燃性及びコスト等の要求を満足する材料の開発は、電線業界でも未完成であります。今後ますます環境対応でのハロゲンフリーを要求する顧客の広がりが予想される中で、これらの要求に応えるため、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー、エンジニアプラスチックといった既存の樹脂にとどまらず、新しい発想に基づいた新規樹脂の開発も含め機能性をアップさせたハロゲンフリー材料の開発を進めております。

・機器間インタフェイスケーブルの開発

 デジタル家電が日本の電子業界を牽引している中で、その機器内・機器間を接続するインタフェイスケーブルは重要な役割を持っております。デジタル信号での高速化や大容量の伝送路として、製品保証は高度なものが求められるのに対し、価格トレンドは普及に伴いドラスティックに低下いたします。初期の開発速度、量産製造技術と海外生産を含めたコスト競争力がこの領域の大きな特長であります。既に開発の終了したLCDケーブル、HDMIケーブル、インフィニバンドケーブル、車載カメラケーブル、ATM用ケーブルは売上に大きく貢献し、更なる改良で競争力強化を図っております。新規には長尺HDMIケーブル、シリアルATAケーブル、ディスプレイポート用ケーブル、車載電子機器用ケーブル、防水ケーブルASSY等の開発・量産化を強化しております。

・超極細同軸ケーブルの開発

 一般的にAWG36より細いサイズの同軸ケーブルが極細同軸ケーブルと呼ばれておりますが、その中でもAWG46より細い超極細のものは、内視鏡や超音波内視鏡などの医療用を中心として採用されております。当社は、特殊な銅合金導体をはじめ、素材レベルから検討を進め、強度・機械特性・ノイズ・伝送特性等に優れた超極細同軸ケーブルの開発に取り組んで来ました。今後は医療用のみならずデジタル機器の小型化・高精度化に伴い、コア製品として新たな市場が期待されます。当社で開発したハロゲンフリー材料による極細同軸ケーブルは、AV家電機器の分野に採用され大きく売上寄与を果たしております。

 

(2)電子・医療部品他事業における研究開発費は58百万円であります。

・光受動部品の開発

 今後ますます拡大していく光ネットワークを支える基本部品に光合分波器、光スイッチ等の光受動部品があります。当社の光合分波器は光波長分割多重伝送装置(WDM)の一部品として高性能化・小型化・低価格化したもので、当社のWDM製品に搭載し製品のオリジナリティを計りました。さらに光の波長を合分波する他にスイッチング機能等を合わせた機能性光受動部品の開発を進めております。

・ネットワーク/放送機器の開発

 NGN構築の本格化に伴い、通信の大容量高速化、IP化に加えてネットワークの高信頼化といった点が大きなトレンドとなっております。一方、放送のデジタル化が進み、通信と放送の融合が現実のものとなりつつあります。こうした背景の中で、大容量化のソリューションとして波長多重(WDM)技術はますます需要が高まると予想されます。当社ではネットワークと放送機器の双方にこの技術を採用し、通信分野では10GbpsのWDM装置を、放送分野では多チャンネルHD−SDI光中継器を開発しました。さらにL2スイッチィングハブのPOE(給電型)及び認証等のソフトウエアの高機能化を図り、新たな市場を開発してまいります。また、経済産業省の「トップランナー基準」に合致したグリーンIT機器の開発も進めております。

・カテーテル用特殊チューブの開発

 診断用、治療用特殊チューブ関連製品は補強材入りチューブを中心とする製品開発を継続してきました。品種増加と既存品改良により売上寄与が見込まれます。また、治療用カテーテルや医療機器向けチューブをターゲットとした技術開発では、精密構造の追及と高機能化が図れるよう開発を進めております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成22年6月29日)現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用いたしております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に、記載いたしております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループは、デジタル製品関連のインタフェイスケーブル、半導体製造装置ケーブル、車載ケーブル、通信・放送用のネットワーク機器及び医療用特殊チューブ等の開発・製造・販売を実施してまいりましたが、世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化が続き、当連結会計年度の売上高は129億82百万円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。事業環境の悪化に対し、生産性の向上、設備投資の抑制、人件費や経費の削減に取り組んだことにより、売上原価率は80.4%と前連結会計年度比2.3ポイント改善しました。この結果、売上総利益は25億47百万円(同19.5%減)となりました。販売費及び一般管理費においても、設備投資の抑制、人件費や経費の削減に努力したことで、前連結会計年度比4億98百万円の減少となりました。この結果、営業利益は3億26百万円(同26.6%減)となりました。営業外収益は助成金収入(雇用調整助成金)があったことにより前連結会計年度に比べ91百万円増加、営業外費用は為替差損が減少したことや固定資産除却損が減少したことにより、前連結会計年度に比べて38百万円減少しました。この結果、経常利益は4億48百万円(同2.6%増)となりました。特別利益には役員退職慰労引当金戻入7百万円、特別損失には減損損失15百万円等が含まれております。法人税、住民税及び事業税等を差し引いた当期純利益は3億12百万円(同2.3%増)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子・医療部品他における需要変動及び銅・石油価格等の変動、また、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。

 

  (4)戦略的現状と見通し

 当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。

 なお、今後の見通しにつきましては、米国経済の回復ペースに不透明感があるものの、依然として、当社がメインの連結子会社を置いている中国の経済は安定して堅調な成長傾向にあります。また、インフォメーションテクノロジーが目覚しく進化する時代の中で、家電/情報通信/放送が急速に融合し、当社が得意とするネットワーク、電子デバイス、デジタルメディア等の新しい市場が拡大いたしておりますので、当社グループが今後も持続的に安定した成長を遂げていくチャンスの時期であると考えております。

 

(5)当連結会計年度の財政状態の分析

 ①キャッシュ・フロー   

  営業活動によるキャッシュ・フローは、17億33百万円(前連結会計年度比1億10百万円増)の資金の獲得となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益4億38百万円(同0百万円増)、減価償却費7億99百万円(同54百万円減)、仕入債務の増加4億8百万円、法人税等の還付額1億60百万円であり、主な減少要因は、賞与引当金の減少1億58百万円であります。

  投資活動によるキャッシュ・フローは、18億28百万円(前連結会計年度比5億68百万円減)の資金の支出となりました。主な減少要因は、定期預金の預入による支出13億円、投資有価証券の取得による支出5億36百万円、有形固定資産の取得による支出2億60百万円であり、主な増加要因は、定期預金の払戻による収入3億15百万円であります。

  なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローについては、95百万円の減少となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、4億61百万円(前連結会計年度は9百万円増)の資金の支出となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出3億84百万円、配当金の支払額83百万円であります。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より5億44百万円減少し、22億48百万円となりました。

②財政状態

 

(単位:百万円)

回次

前連結会計年度

(平成21年3月31日)

当連結会計年度

(平成22年3月31日)

流動資産合計

11,447

11,415

固定資産合計

8,142

8,239

流動負債合計

2,659

2,688

固定負債合計(注1)

3,315

2,992

純資産合計(注2)

13,614

13,974

 (注)1.固定負債の主な減少は、長期借入金の返済(前連結会計年度比3億31百万円減)であります。

2.純資産の主な増加は、当期純利益3億12百万円、その他有価証券評価差額金の増加74百万円であります。 





出典: 平河ヒューテック株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書