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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

  当連結会計年度のわが国経済は、東日本大震災の影響により急速に悪化しましたが、緩やかながら持ち直しの動きがみられました。しかしながら、海外景気の下振れリスクや電力不足、長引く円高等の影響により企業収益が減少し、景気の先行きに対して不透明な状況で推移しました。
 海外につきましても、アジア経済については、中国を中心に回復テンポは緩やかになってきたものの、拡大基調が続いております。しかし、欧州経済が低迷し、対欧輸出が減少したことにより、成長率の鈍化・足踏み状態が続きました。また、欧米経済は個人消費の減少や失業率の高止まり及び財政・金融問題の深刻化などにより、景気が後退しました。
 当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、データトラフィックの飛躍的な増大による、高
速、大容量伝送関連市場、いわゆるビッグデータ関連市場の需要は、引き続き拡大基調で推移致しましたが、東日本大震災やタイで発生した洪水によるサプライチェーンの混乱及びデジタル機器製品の需要減等により、全般的に低調に推移致しました。
 このような事業環境下において、当社グループは、第71期の年度方針として、『ストーリー性のある業務改革にチャレンジして、レベルアップを図ろう』を掲げ、リーマンショック後、激変した事業環境に対応していくために、中長期視点から戦略を立て、スピード感を持って実行し、基盤の強さを活かした変革に取り組んでまいりました。
 以上の結果、当連結会計年度の業績は、四国電線株式会社を子会社したこと等により、売上高は184億15百万円
(前連結会計年度比23.6%増)となりました。エレクトロニクス産業の不振、東日本大震災の影響及び原材料費のアップ等により、営業利益は8億2百万円(同0.5%増)、経常利益は8億28百万円(同11.3%増)となりました。当期純利益は、固定資産売却益及び負ののれん発生益等により、8億25百万円(同130.8%増)となりました。

 

 主なセグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。

① 電線・加工品

 電線・加工品については、東日本大震災及びタイの洪水の影響により車載用ケーブル等の売上は減少となりましたが、半導体製造関連ケーブル等の売上が堅調に推移したことや四国電線株式会社を子会社化したことにより、売上高は146億47百万円(前年同期比27.1%増)となりました。エレクトロニクス産業の不振による売上高の低下及び材料費のアップ等により、営業利益は10億44百万円(同2.9%増)となりました。

② 電子・医療部品

 電子・医療部品については、ネットワーク機器、医療用特殊チューブとも売上が増加し、売上高は38億3百万円(前年同期比9.1%増)となりました。競争激化による販売価格の低下及び営業費用の増加等により営業利益は5億56百万円(同10.5%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得11億13百万円、投資活動による資金の支出19億53百万円、財務活動による資金の獲得7億54百万円の結果、期首に比べ85百万円減少し、26億94百万円(前連結会計年度末比3.1%減)となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、11億13百万円の資金の獲得(前連結会計年度は11億25百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益15億55百万円及び減価償却費9億17百万円であり、主な減少要因は、固定資産売却益12億24百万円であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、19億53百万円の資金の支出(同87百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入12億29百万円、定期預金の払戻による収入10億45百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出24億49百万円、投資有価証券の取得による支出10億51百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億29万円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、7億54百万円の資金の獲得(同4億76百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入15億円であり、主な減少要因は、長期借入れ金の返済による支出6億66百万円、親会社による配当金の支払額1億41百万円であります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

12,493,955

130.1

電子・医療部品(千円)

2,650,816

120.3

報告セグメント(千円)

15,144,772

128.2

その他(千円)

合計(千円)

15,144,772

128.2

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

14,947,071

132.1

1,736,297

135.6

電子・医療部品(千円)

3,949,328

102.7

1,156,613

114.7

報告セグメント(千円)

18,896,399

124.6

2,892,911

126.4

その他(千円)

119,085

106.7

2,367

33.5

合計(千円)

19,015,484

124.5

2,895,278

126.1

 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(千円)

14,490,955

128.1

電子・医療部品(千円)

3,800,958

109.1

報告セグメント(千円)

18,291,914

123.7

その他(千円)

123,792

113.2

合計(千円)

18,415,706

123.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満でありますので記載を省略しております。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。 

3【対処すべき課題】

 今後の経済情勢につきましては、新興国に下支えされ本格回復には至らないものの緩やかに改善していくものと見込まれます。しかしながら、海外景気の下振れリスクや電力不足、長引く円高等、景気が下振れする懸念材料を抱えながら推移するものと予想されます。

 このような事業環境の下、当社グループでは、第72期の年度方針として、『時流に乗った変革に、アグレッシブに自らトライ・チャレンジしよう』を掲げ、持続的な成長を遂げるために、未来の変化を先取りし、アグレッシブに変革を続けて参ります。

 研究開発については、将来の技術ニーズを見極め、かかる状況下においても当社グループの次代の成長を担う研究開発テーマの発掘に積極的に取り組み、企業価値を今以上に向上させ、存在感を示すべく鋭意努力する所存であります。

 その実現の基盤となる高収益体質へのシフトを図るため、下記の重点課題解決に止まることなく挑戦いたしてまいります。

① 電線・加工事業の拡大

パソコン等デジタル家電/車載カメラ/半導体製造装置等に対応したより一層なる高精度、高機能、高密度ケーブル及びハロゲンフリー電源コード等の製品開発を図ります。

② 電子・医療部品事業の拡大 

ネットワーク高速化、放送設備の光化に対応したWDM(光波長多重伝送装置)及び医療用特殊チューブ等の新製品開発を図ります。 

③ 事業環境に対応した国内/国外生産拠点の見直しを進めます。 

④ 市場ニーズへの対応

 市場ニーズによる製品の多様化・短命化、海外品台頭等による価格競争の激化、顧客のSCM対応による小ロット・短納期化等の経営環境著変に対応するには、原点に返った業務プロセスの見直しが不可欠であります。特に製品及び事務品質の向上による不具合の撲滅、生産工程の見直しによるたな卸資産の適正化が肝要と考えております。その為に、正確で迅速な意思決定の支援ができる柔軟性のあるコンピュータシステム確立を目指し基幹システムの見直しを絶えず実施いたします。

⑤ 組織・人事面について

 中長期指向による事業部サポート機能の本部と、製品/市場戦略による短期業績指向の事業部との相乗効果による強靭な組織作り、目標管理システムを座標軸とした人材のレベルアップに不断の努力を積み重ねてまいります。また、連結国内関係会社2社及び同海外関係会社15社と、主に生産/販売/技術面での連携による分業体制を進め、為替/材料リスク削減、総資産の圧縮等も含め、連結収益力の向上を図ります。

⑥ CSRについて

 CSRの観点から企業としての環境保全活動につきましては、環境方針に基づき、ISO14001の環境マネージメントシステムの継続的改善及び環境負荷物質の管理に注力いたします。また、当社グループ事業関連法規(海外も含め)の遵守は、当然のことながら、社会的通念上の常識、倫理に照らしたコンプライアンス企業経営を更に推進いたしてまいります。

⑦ 会社の支配に関する基本方針

 当社では、以下の基本理念を支持する者が、「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

  《基本理念》
1.わが社は、世界水準の製品を創り出すことにより、持続的な成長を遂げ、永遠の存在を目指す。
2.わが社は、有意義な製品とサービスを供給することにより社会に貢献する。
3.わが社は、国際社会に共生する一員であることを意識するとともに、法規等を遵守し、環境保全に努力する。
4.わが社は、すべての関係者・機関に調和のとれた満足を提供することを目標とする。
5.わが社は、互いの価値を認め合う人々の集団であり、熱意をもって向上・革新へ挑戦していく。

 法令及び社会規範の遵守を前提として、中長期的かつ総合的に企業価値・株主価値の向上を目指します。
 なお、上記の基本理念に照らして不適切な者が、当社支配権の獲得を表明した場合には、当該表明者や東京証券取引所その他の第三者(独立社外者)とも協議のうえ、次の3項目の要件を充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

1.当該措置が上記の基本理念に沿うものであること
2.当該措置が株主の共同の利益を損なうものでないこと
3.当該措置が役員の地位の維持を目的とするものでないこと 

4【事業等のリスク】

将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。

① 事業環境について

 当社グループが関わる事業分野における製品の多様化/短命化に対し、当社グループは、製造/販売/技術一体となり、マーケット密着提案型で、マーケットニーズの先取りを図ることにより、対応いたしております。

また、海外品台頭による価格競争が激化している電源コード等の分野におきましては、中国を主とした海外生産への移管によるコスト削減/品質の強化の徹底により、対抗いたしております。なお、価格競争力のある高機能/高精度のケーブル等は国内生産、量産品は海外生産とグループ内分業体制は進んでおり、今後も同体制を強化することにより、マーケットニーズに対応いたしてまいります。

 顧客のSCM対応による小ロット/短納期要請に対しては、EDI(電子データ交換)、VMI(納入業者在庫管理)等を受け入れ、顧客ニーズの充足に努めております。顧客のグリーン調達に対する環境負荷物質管理については、製品の含有物質や材料調達先迄追跡できる管理システムを構築いたしております。

しかしながら、当社グループが関わる情報通信/半導体製造装置/放送/医療分野等における技術の進歩は激しく、顧客の購買政策の変化等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 銅/石油製品の価格変動が業績に与える影響について

当社グループは、電線ケーブル等銅を主たる原材料とした製品を有しています。これらの製品の販売価格については、ロンドン金属取引所の市況価格を反映した銅建値に基づいて決定するという商習慣が広く普及しており市況価格変動リスクがあります。なお、銅の購入方法は、毎月末に必要数量を主要メーカー複数社等と価格交渉し、その時点で、一番安い価格を提示したメーカー等から購入しております。

石油化学製品類の原材料や副資材の調達については、当社の使用する代表的な非鉛PVCコンパウンドは自社配合品であり、当社の主要な購入先(海外関係会社含む)から適切なる価格で安定的に供給されております。

しかし、中長期にわたる市況価格上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 為替レートの変動が業績に与える影響について

当社グループは、実需の範囲内でヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替変動リスクの排除に努力いたしておりますが、完全に回避することは、困難であります。また、ヘッジ取引の一部は、時価法を採用いたしております。従って、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの在外連結関係会社は、主に現地通貨建で個別財務諸表を作成しておりますが、連結財務諸表作成に際しては、円換算いたしております。従って、換算時の為替レートにより、個別財務諸表の各項目の現地通貨における価値が変わらなくとも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

④ 法的規制について

当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な法的規制を受けております。

当社グループは、これらの法的規制の遵守に努めておりますが、将来これらの法的規制を当社グループが遵守できない場合、また、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような法的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループは、電気用品安全法の適用を受ける製品を製造販売しております。受検漏れのないように関係法令の遵守に向けた対応として、業務マニュアルや関連資料の整備、並びに年度計画に基づく受検業務を実施しておりますが、万が一、受検漏れが発生した場合、品質上の問題はありませんが、該当製品の出荷停止及び回収(廃棄)となり、かつ顧客の信用が失われ、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

⑤ 中国における事業リスクについて

当社グループは、中国に複数の生産拠点を有し、当社グループ主要製品の年生産高の3割強を生産いたしております。その為、中国における過熱経済抑制の引締政策、投資/金融/輸出入に関わる法制の変更、外資系企業に適用される法人税/増値税等の税制変更等は、当社グループの生産/事業運営に支障をきたす可能性があります。中国における当社グループ連結関係会社の米ドル建債権/債務、及び同売上(輸出)/仕入(輸入)は、元切り上げにより、影響を受ける可能性があります。

 

⑥ 事故・災害に係るリスクについて

当社グループは、全ての生産設備を対象に定期的な設備点検を行っております。しかしながら、生産設備で発生する火災や停電を完全に防止することはできません。従って、それらに起因する操業停止の可能性があります。

こうした災害に遭遇した場合、製品製造ができなくなり、顧客への製品納入の遅延、売上の低下及び修復費用等により、当社グループの業績に影響する可能性があります。

 

⑦ 製品の欠陥について

当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥が無く、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社グループは、製造物賠償責任請求については保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、製品の欠陥が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 知的財産に係るリスクについて

当社グループは、製品等の開発、製造、販売、その他事業活動により、第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品設計段階における特許調査等により、細心の注意を払っております。

一方、特許権、意匠権、その他知的財産権の取得により、当社グループが蓄積してきている特徴ある技術、ノウハウの保護に努めております。しかしながら、製品の精密化、製品技術の多様化、海外での事業活動の拡大等により当社グループの製品が、意図せず第三者の知的財産権を侵害した場合、販売差し止め、設計変更等に伴うコストにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。一方、第三者による当社グループの知的財産権侵害を完全に防止する事ができない可能性もあり、その場合、当社グループ製品が十分なる市場を確保できない可能性があります。また、当社グループが、製品を製造する場合、第三者の知的財産権が必要となる可能性もあり、その場合、不利な条件でのライセンス受容の可能性もあります。

⑨ 研究開発(新商品開発)について

当社グループは、今後成長が期待できる新規分野を慎重に選択し、人的・物的資源を継続的に投入し、新規製品開発を推進いたしております。

しかしながら、市場のニーズに合致し、資源の投入に見合った付加価値を生む魅力ある製品を継続的に開発できる保証はありません。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、長年培ってきた電線・ケーブル押出技術(導体の上に絶縁体を被覆する技術)を応用した製品開発を重要なる柱としております。技術変化の激しいデジタルエレクトロニクス分野に対応した高精度・高速伝送ケーブル、超高速大容量通信サービス/放送分野に対応した光波長分割多重伝送装置/光デジタル放送中継システム及び医療分野における高性能医療用特殊チューブ等、今後の当社グループ事業の中核となる製品の研究開発を鋭意進めております。

 現在の研究開発は、インキュベータ的研究開発及び製品直結型の各事業部における研究開発で推進されております。
 当連結会計年度における各セグメント別の主な研究テーマ、成果は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費総額は1億49百万円となっております。

(1)電線・加工品事業における研究開発費は73百万円であります。

・ハロゲンフリー材料の開発

 さまざまな分野で環境問題に対する認識が高まる中で、環境負荷を低減する開発が進められており、ハロゲンフリーの要求は根強いものがあります。ハロゲンフリー材料は、「環境汚染物質を含有しない、発生させない」をコンセプトとしておりますが、PVCと同等の柔軟性や難燃性及びコスト等の要求を満足する材料の開発は、電線業界でも未完成であります。今後ますます環境対応でのハロゲンフリーを要求する顧客の広がりが予想される中で、これらの要求に応えるため、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー、エンジニアプラスチックといった既存の樹脂にとどまらず、新しい発想に基づいた新規樹脂の開発も含め機能性をアップさせたハロゲンフリー材料の開発を進めております。

・機器間インタフェイスケーブルの開発

 デジタル家電が日本の電子業界を牽引している中で、その機器内・機器間を接続するインタフェイスケーブルは重要な役割を持っております。デジタル信号での高速化や大容量の伝送路として、製品保証は高度なものが求められるのに対し、価格トレンドは普及に伴いドラスティックに低下いたします。初期の開発速度、量産製造技術と海外生産を含めたコスト競争力がこの領域の大きな特長であります。既に開発の終了したLCDケーブル、HDMIケーブル、インフィニバンドケーブル、車載カメラケーブル、ATM用ケーブルは売上に大きく貢献し、更なる改良で競争力強化を図っております。新規には業務用デジタルカメラリンクケープル、GigE Visionケーブル、ディスプレイポート用内部配線ケーブル、車載電子機器用ケーブル、防水ケーブルASSY等の開発・量産化を強化しております。

・超極細同軸ケーブルの開発

 一般的にAWG36より細いサイズの同軸ケーブルが極細同軸ケーブルと呼ばれておりますが、その中でもAWG46より細い超極細のものは、内視鏡や超音波内視鏡などの医療用を中心として採用されております。当社は、特殊な銅合金導体をはじめ、素材レベルから検討を進め、強度・機械特性・ノイズ・伝送特性等に優れた超極細同軸ケーブルの開発に取り組んで来ました。今後は医療用のみならずデジタル機器の小型化・高精度化に伴い、コア製品として新たな市場が期待されます。当社で開発したハロゲンフリー材料による極細同軸ケーブルは、AV家電機器の分野に採用され大きく売上寄与を果たしております。

 

(2)電子・医療部品事業における研究開発費は76百万円であります。

・ネットワーク/放送機器の開発  

 NGNからNWGNへと、超大容量データ、耐災害性、高信頼性、省エネルギー等が新世代のネットワークの大きなトレンドとなり、進化しております。一方、放送のデジタル化により、通信と放送の融合がますます加速し、高精細化、低遅延化が進んでおります。こうした背景の中で、大容量化のソリューションとして波長多重(WDM)技術や、放送用ネットワークのIP伝送技術の需要が高まると予想されます。当社ではネットワークと放送機器の双方にこの技術を採用し、通信分野では10GbpsのWDM装置を、放送分野では多チャンネルHD−SDI光中継器や、MPEG2−TS IP伝送装置を開発しました。またL2スイッチングハブでは、省電力化、高機能化に加えて、耐環境性能の向上化を図り、新たな市場を開発してまいります。さらに耐災害性、省エネルギーをキーワードにBCPを目的とした機器およびシステムの開発も進めております。

・カテーテル用特殊チューブの開発

 診断用、治療用特殊チューブ関連製品は補強材入りチューブを中心とする製品開発の継続に加えて、新たにケーブル・ケーブル加工技術とカテーテル製造技術を融合させた電極カテーテルの製品開発も開始いたしました。品種増加と既存品改良により売上寄与が見込まれます。また、治療用カテーテルや医療機器向けチューブをターゲットとした技術開発では、精密構造の追及と高機能化が図れるよう開発を進めております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループの財政状態及び経営成績の分析を以下のとおり記載しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用いたしております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載いたしております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループは、デジタル製品関連のインタフェイスケーブル、半導体製造装置ケーブル、車載用ケーブル、通信・放送用のネットワーク機器及び医療用特殊チューブ等の開発・製造・販売を実施してまいりました。四国電線株式会社を取得し子会社化したこと等により、当連結会計年度の売上高は184億15百万円(前連結会計年度比23.6%増)となりました。エレクトロニクス産業の不振による売上高の低下及び材料費のアップ等により、売上原価率は79.7%と前連結会計年度比0.7ポイント悪化しました。この結果、売上総利益は37億43百万円(同19.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、四国電線株式会社を子会社化したことにより人件費及び経費が前連結会計年度比6億5百万円増加し、営業利益は8億2百万円(同0.5%増)となりました。営業外費用は為替差損が減少したこと等により、前連結会計年度比71百万円減少しました。この結果、経常利益は8億28百万円(同11.3%増)となりました。特別利益には固定資産売却益12億24百万円、負ののれん発生益3億78百万円等が含まれており、特別損失には役員退職慰労金6億95百万円、災害による損失2億55百万円等が含まれております。固定資産売却に伴う買い換え特例の適用及び法人税制改正による法人税実効税率の変更等により、法人税等調整額が4億82百万円となっております。この結果、法人税、住民税及び事業税等を差し引いた当期純利益は8億25百万円(同130.8%増)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子・医療部品における需要変動及び銅・石油価格等の変動、また、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。

 

  (4)戦略的現状と見通し

 当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。

 なお、今後の見通しにつきましては、米国経済の回復ペースに不透明感があるものの、依然として、当社がメインの連結子会社を置いている中国の経済は安定して堅調な成長傾向にあります。また、インフォメーションテクノロジーが目覚しく進化する時代の中で、家電/情報通信/放送が急速に融合し、当社が得意とするネットワーク、電子デバイス、デジタルメディア等の新しい市場が拡大いたしておりますので、当社グループが今後も持続的に安定した成長を遂げていくチャンスの時期であると考えております。

 

(5)当連結会計年度の財政状態の分析

 ①キャッシュ・フロー   

営業活動によるキャッシュ・フローは、11億13百万円の資金の獲得(前連結会計年度は11億25百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益15億55百万円、減価償却費9億17百万円であり、主な減少要因は、固定資産売却益12億24百万円であります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、19億53百万円の資金の支出(同87百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入12億29百万円、定期預金の払戻による収入10億45百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出24億49百万円、投資有価証券の取得による支出10億51百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億29百万円であります。

  なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローについては、8億39百万円の資金の支出となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、7億54百万円の資金の獲得(同4億76百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入15億円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出6億66百万円、親会社による配当金の支払額1億41百万円であります。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より85百万円減少し、26億94百万円となりました。

②財政状態

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(平成23年3月31日)

当連結会計年度

(平成24年3月31日)

流動資産合計(注1)

12,229

13,214

固定資産合計(注2)

7,387

10,878

流動負債合計(注3)

3,119

4,766

固定負債合計(注4)

2,712

4,934

純資産合計(注5)

13,785

14,391

 (注)1.流動資産の主な増加は、四国電線株式会社を子会社化したことにより、「受取手形及び売掛金」の増加(前連結会計年度末比15億17百万円増)及びたな卸資産の増加(同7億62百万円増)であり、主な減少は、「現金及び預金」の減少(同8億91百万円減)及び「有価証券」の減少(同5億29百万円減)であります。

    2.固定資産の主な増加は、買い換え資産(平成23年4月27日に東京都大田区大森西4丁目の土地を売却、平成23年6月30日に東京都千代田区外神田4丁目の土地・建物を購入)の取得及び四国電線株式会社を子会社化したことにより、「土地」の増加(同16億87百万円増)、「建物及び構築物」の増加(同6億50百万円増)、「機械装置及び運搬具」の増加(同3億32百万円増)及び「投資有価証券」の増加(同7億14百万円増)であります。 

    3.流動負債の主な増加は、「短期借入金」(1年以内に返済予定の長期借入金含む)の増加(同11億11百万円増)及び四国電線株式会社を子会社化したことにより、「支払手形及び買掛金」の増加(同6億27百万円増)であります。

    4.固定負債の主な増加は、銀行からの借入による「長期借入金」の増加(同9億58百万円増)及び「その他」の増加(同12億78百万円増(役員退職慰労金制度廃止に伴う「長期未払金」の増加(同9億12百万円増))及び「長期預り金」の増加(同3億66百万円増))であります。

    5.純資産の主な増加は、「利益剰余金」の増加であります。

 





出典: 平河ヒューテック株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書