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第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度の我が国経済は、米国発の金融不安による信用収縮や景気後退懸念により低調に推移しました。
 第2四半期以降は、米国金融機関の破たんをきっかけとした世界経済の同時減速が顕著となり、企業業績は悪化し、設備投資の減少や雇用環境の悪化を招くなど、急激で大幅な後退局面を迎える結果となりました。

当社におきましても、鉱山土木用超硬工具は堅調に推移したものの、液晶テレビ、半導体、自動車、家電等の各関連部材への需要が大幅に減少し、極めて厳しい状況で推移いたしました。

特に、第4四半期は取引先の在庫調整を伴う大幅な減産の影響により、ほぼすべての製品グループで受注が激減いたしました。

この結果、売上高は6,026百万円、前期比25.9%の減収となりました。

損益面では、臨時従業員の大幅削減、役員報酬及び従業員給与のカット、その他諸経費の削減、臨時休業の実施による工場の効率操業、設備投資の抑制等収益改善への施策を実施してまいりましたが、操業度の極度の低下に伴う費用効率の悪化をカバーできず、加えて原材料価格の大幅な下落による原材料、仕掛品等の評価見直しを実施したことにより、営業損失968百万円(前事業年度は465百万円の営業利益)、経常損失963百万円(前事業年度は410百万円の経常利益)となりました。

さらに、収益構造の抜本的な改善を目的とした事業構造改善費用794百万円、固定資産に係る減損損失695百万円、主要取引先の民事再生手続き開始に伴う貸倒引当金繰入額178百万円、会計基準変更による期初原材料在庫の評価損90百万円等を特別損失として計上した結果、税引前当期純損失は2,708百万円(前事業年度は407百万円の税引前当期純利益)となりました。

また、当事業年度の業績及び将来の課税所得を見直した結果、繰延税金資産を全額取崩し、法人税等調整額に計上したことにより、当期純損失は3,129百万円(前事業年度は238百万円の当期純利益)となりました。

売上高の部門別状況は、次のとおりであります。

タングステン・モリブデン製品は、タングステン及びモリブデン棒・磨棒、レンジ用モリブデン加工品、モリブデン線条、モリブデン板・板加工品が大幅に減少し、売上高は4,042百万円(前期比31.5%減)となりました。

合金及び電気・電子部品は、光通信用タングステン合金が減少し、売上高685百万円(前期比7.5%減)となりました。その他製品は、売上高843百万円(前期比23.9%減)となりました。

電気・電子部門合計は売上高5,571百万円(前期比28.1%減)となりました。

超硬合金部門は、地盤改良用工具の受注増加により、売上高は455百万円(前期比19.6%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ188百万円増加して1,039百万円となりました。

営業活動の結果得られた資金は163百万円となり、前事業年度に比べ110百万円減少となりました。

巨額の税引前当期純損失、仕入債務の減少、破産更生債権の発生等の資金の減少要因がありましたが、税引前当期純損失計上の大きな要因が減損損失、減価償却費の増加、事業構造改善引当金の計上等の当事業年度の資金増減に影響のない費用が大きいこと、さらに、たな卸資産の減少等により、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。

投資活動に使用した資金は267百万円となり、前事業年度に比べて29百万円増加しました。 

財務活動の結果得られた資金は291百万円となり、前事業年度に比べて417百万円増加しました。

借入金の増加は、景気低迷の長期化により今後発生しうる事態に備えて実行したものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

 
事業部門
生産高(千円)
対前期
 
増減率
 
(%)
 
電気・電子部門
5,610,988
△28.3
 
超硬合金部門
445,721
4.1
 
合 計
6,056,710
△26.6

(注) 1 金額は平均販売価格によっております。

2 記載金額には消費税等は含まれておりません。

3 記載金額は千円未満を切り捨てて表示しております。

(2) 受注実績

当事業年度における受注実績及び受注残高を事業部門別に示すと次のとおりであります。

 
事業部門
受注高(千円)
対前期
受注残高(千円)
対前期
 
増減率
増減率
 
(%)
(%)
 
電気・電子部門
5,373,006
△31.4
202,370
△54.0
 
超硬合金部門
460,032
12.0
19,211
237.6
 
合 計
5,833,038
△29.2
221,581
△50.2

(注) 1 記載金額には消費税等は含まれておりません。

2 記載金額は千円未満を切り捨てて表示しております。

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

 
事業部門
品   種
販売高(千円)
増減金額 (千円)
 対前期
 増減率
 (%)
 
第58期
第59期
 
(当事業年度)
 
電気・
電子部門
タングステン
2,034,658
1,445,776
-588,881
△ 28.9
 
モリブデン
3,865,421
2,596,574
-1,268,846
△ 32.8
 
タングステン・モリブデン部門
5,900,079
4,042,351
-1,857,728
△ 31.5
 
合金及び電気・電子部品部門
741,188
685,542
-55,645
△ 7.5
 
その他部門
1,109,146
843,670
-265,476
△ 23.9
 
電気・電子部門計
7,750,414
5,571,564
-2,178,850
△ 28.1
 
超硬合金部門
超硬合金部門
380,706
455,434
74,727
19.6
 
合  計
8,131,121
6,026,998
-2,104,122
△ 25.9

 

 (注)1 輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。

 
第58期
第59期(当事業年度)
 
輸出販売高(千円)
輸出割合(%)
輸出販売高(千円)
輸出割合(%)
 
1,734,033
21.3
1,214,216
20.1

    2 主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりであります。

 
輸出先
第58期
第59期(当事業年度)
 
 
 
アジア
96.5
96.1
 
その他
3.5
3.9
 
合  計
100.0
100.0

    3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 
相手先
第58期
第59期(当事業年度)
 
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
 
㈱アイテック・ツリタニ
1,479,614
18.2

4 当事業年度の「主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合」は、すべての取引先の当該割合が100分の10未満のため記載しておりません。

    5 記載金額には消費税等は含まれておりません。

    6 記載金額は千円未満を切り捨てて表示しております。

3 【対処すべき課題】

景気は当事業年度の第4四半期を底に幾分持ち直すとの観測もありますが、本格的な回復には遠く、当社の事業環境の急速な好転も期待できないと思われます。

現下の状況が続き、売上高の急回復が望めない場合、当社の事業運営体制をそのまま維持することは不可能であります。
 また緊急避難的な費用削減を継続することで、損益改善を果たしうる状況にないことも明らかであります。

ここにおいて当社は、現下の状況を前提として、運営体制を抜本的に見直し、固定費を大胆に削減し、もって損益分岐点売上の引き下げを図り、経営再建を目指すことを決定いたしました。

以下、経営再建策の要点を報告いたします。

①生産拠点の統廃合

北海道深川工場を閉鎖し、3工場体制から2工場体制へと、生産拠点の集約を行います。
 生産拠点の集約を実施することで、設備の効率運用と工場間接部門の人員削減を図ります。
 また、技術者、技能者の集積度を向上させることにより、技術競争力の強化を図ります。

生産拠点の統廃合による費用削減効果は、年間200百万円を想定しております。

②人員の適正化

人員の適正化によるスリム化と効率化を実現するために希望退職者の募集を行いました。
 希望退職者の募集は平成21年3月に終了し、平成21年4月20日付で正社員88名が減少いたします。
 希望退職により減少した人員を適正に配置することによって、業務効率の改善を図ってまいります。

人員の適正化による費用削減効果は、年間570百万円を想定しております。

③給与カット

予想を超えた急激な売上高の減少に加えて、生産拠点の統廃合、希望退職制度の実施による費用見込額を特別損失に計上したことにより、当事業年度の業績は大幅な損失となりました。
 これらに対する経営責任として役員報酬の減額を継続いたします。
 また、経営再建に向けての意思を共有するため、社員給与の削減も継続いたします。
 さらに、その他の社外支出も一段と抑制いたします。

給与カット及びその他社外支出抑制による費用削減効果は、年間300百万円を想定しております。

④営業所の廃止及び支店の移転

業務効率の改善を目的に、福岡営業所を廃止し、業務を本社営業部に集約いたしました。
 また、事務所賃借料の削減を目的に、東京支店を都内で移転いたします。

営業所の廃止及び支店の移転による費用削減効果は、年間20百万円を想定しております。

⑤製品構成の見直し

タングステン、モリブデン、合金及び電気・電子部品、超硬合金、その他製品の各事業を維持しながらも、競争優位を発揮できる製品の拡大に取り組んでまいります。
 各事業において、より高度な加工技術を必要とする製品を収益の柱とするため、新製品の開発と拡大、既存製品の品質強化を進めてまいります。
 タングステン、モリブデンの汎用品については、コスト競争力の強化を図り、また顧客からの低価格への要請に応えるため、安価な外買材料を柔軟に活用してまいります。

⑥在庫の削減

たな卸資産の在庫削減を進め、財務体質の強化を図ります。

以上の施策を骨子として、業績の早期回復に向けた体質の強化を図り、また製品競争力の強化を通じて顧客満足度の向上を目指してまいります。

なお、文中の費用削減効果金額は、生産拠点統廃合完了後の費用見込みと、当事業年度の実績との比較であります。

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

①市場環境について

当社が主要販売先とする家電、産業用電気設備及び通信設備、通信機器その他の市場の特徴として、技術が急速に変化、進展し、顧客ニーズの変化に応じて頻繁に新製品が開発・導入され、製品の改廃が極めて短期間に集中的に進展する点が挙げられます。

当社はそのような取引先に関連素材、部品を納入するものとして、求められる品質を確保するため、さらに生産性を改善するために、製造設備及び製造工程の継続的な改良を必要とします。

当社の製造工程に問題または非効率的な点が存在する場合には、生産能力が低下し、または生産が中断することにより、適時に、適正価格で、顧客ニーズに応えた製品を納入できない可能性があります。また、当社が予測できない顧客ニーズの変化より、迅速な製造設備及び製造工程の変更対応ができなかった場合、当社の顧客が競合会社から製品を購入することとなる可能性があります。その結果、当社の業績及び顧客との関係は大きく悪化する可能性があります。

②主要原材料の価格及び安定調達について

当社が製造販売する電気・電子部品及び超硬合金製品は、タングステン、モリブデンを主要原材料としております。タングステン、モリブデンの主要原産地は中国であり、調達価格が相場の影響を受けやすい希少金属であります。当社はタングステン、モリブデン粉末を中国企業及び国内粉末加工事業者より調達しておりますが、原材料の安定的・効率的、安価な調達は当社の事業遂行の根幹に係る重要課題であります。

中国をはじめとするアジア諸国の需要の急拡大と鉱石輸出の制限は、原材料の安定調達を阻害する可能性があり、またタングステン・モリブデン鉱石価格の上昇により、当社の業績及び財務状況が悪化する可能性があります。

③特定の販売先への依存度が高いことについて

当社の販売先は、主に大手電子、電気機器メーカー及び関連部品メーカーが中心でありますが、特定取引先への依存度が高くなっております。

この結果、上記販売先の業績動向、調達方針の変更等によって当社の業績に甚大な影響を与える可能性があります。

④価格競争について

当社は効率的な生産体制の構築に努めていますが、海外製の低価格製品との価格競争は極めて厳しいものになっております。

当社は技術的に高品質で、高付加価値の製品を適切な価格で提供することで差別化を図ることに注力すべきであると考えておりますが、一方で低品質・低価格のニーズを持つ市場からは駆逐される可能性があります。

⑤たな卸資産について

現時点において当社のたな卸資産の資産性は確保されていると認識しておりますが、①市場環境について、③特定の販売先への依存度が高いことについて、及び④価格競争についてで記述しましたリスク等が現実化したとき、既存資産の資産価値が損なわれ当社の業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、②主要原材料の価格及び安定調達についてで記述しましたように当社の主要原材料は原産地が偏在しており、カントリーリスク等を回避する目的で在庫量を確保したとき、新たに原材料価格の変動リスクを内包することとなり、価格下落による評価損の計上等当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥製品の欠陥

当社は製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう取り組んでいますが、製品の品質問題や異物の混入等顧客の要望に適合しない製品を出荷した場合、製品回収はもとより、損害賠償金の支払等多額の損失が発生する可能性があります。

⑦地震等の自然災害について

当社は生産拠点を分散しておりますが、これらの生産拠点が、予測不可能な地震等の自然災害に襲われる可能性は否定できず、その際の損害は付保している保険の補償範囲を大きく超え、当社が受ける影響は甚大なものになる可能性があります。

⑧減損会計について

当社は多くの製造関連資産を有しており、販売動向が変化し、かつ新たにキャッシュフローを獲得しうる新製品開発が有効な結果をもたらさなかった場合、固定資産の収益性が低下し、相当額の減損損失が発生する可能性があり、その結果当社の業績に悪影響を与える可能性があります。

⑨退職給付費用について

当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や、年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

年金資産運用環境が悪化した場合、また将来において割引率、期待収益率等の前提条件を引き下げた場合、当社の業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩「提出会社が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義が生じさせるような事象又は状況」について

液晶テレビの生産調整と世界的な景気低迷により、当事業年度における売上高は主力製品であるバックライト用研磨棒の受注急激をはじめとしてほぼ全面的に低迷し、前期の8,131百万円から6,026百万円へと急減いたしました。

損益面でも、営業損失968百万円、経常損失963百万円を計上し、加えて事業構造改善費用等の特別損失を1,790百万円を計上したこと等により、当期純損失は3,129百万円となりました。その結果、貸借対照表の純資産は前事業年度の6,146百万円に対し当事業年度は2,799百万円となりました。

これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義が存在しております。

このような状態を脱するために、3[対処すべき課題]に記載しております施策を実施することにより収益力の向上に取り組み、継続企業の前提に関する重要な疑義の解消を目指してまいります。

⑪財務制限条項について

当社は、運転資金の調達のため、三菱東京UFJ銀行及び三井住友銀行との間で当座貸越契約を結んでおり、一部についてコミットメント契約を交わしております。当該コミットメント契約には財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合には、該当する借入金額を同2行に対し一括返済することがあります。
 財務制限条項については、「第5 経理の状況 2財務諸表等 注記事項(貸借対照表関係)※3財務制限条項」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発活動は、電極材料、各種放電灯封止材料、高比重(含む鉛代替)材料の開発及び土木工具の開発を、高性能化及び環境対応をキーワードとして行いました。

研究開発費の総額は95百万円であります。

事業部門別の研究開発活動は次のとおりであります。

電子・電気部門

高性能電極の開発

 ・自動車プラグ用電極では、貴金属電極の性能向上、次世代及び次々世代高性能電極の開発を継続している。

 ・半導体製造用ショートアーク型放電灯電極の開発を継続して行っている。

 ・エミッター含浸電極の性能向上を目指し、新電極の開発を行っている。

 ・プロジェクター用電極、イオナイザー用電極において、ユーザーのニーズに応えるため、高純度タングステン、希土類酸化物添加タングステンの材料開発、微細加工技術の開発を行い、量産を継続している。

各種放電灯封止材料の開発 

 ・液晶バックライト冷陰極管用封入棒として、タングステン棒、モリブデン棒の量産を行っている。

 ・新規放電灯用封止材料の量産を継続している。

高比重(含む鉛代替)材料 

 ・レジャー用高比重製品開発を行っている。

 ・タングステン製釣り糸の開発を行っている。

 ・各種電子機器用高比重合金製品の開発を行っている。

 電子・電気部門の研究開発費の金額は、84百万円であります。

超硬合金部門

 ・環境対応型の削孔システム(AGFシステム)の開発・改良を大手ゼネコンと継続している。

 ・多様なバージョンの対人地雷撤去用カッターの開発を継続している。

 ・廃棄物粉砕刃の開発を行っている。

 超硬合金部門の研究開発費の金額は、11百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者は適正な財務諸表を作成する責任を有しており、以下の確認を行っております。

①財務諸表及びその作成の基礎となる会計記録に、適切に記録していない重要な取引はありません。

②取立不能の恐れがある債権には、必要と認められる額の引当金を計上しております。

③退職給付債務及び退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は、適切なものであると判断しております。

④金融商品の時価の算定方法とその算定にあたり用いた重要な仮定は、適切なものであると判断しております。

なお、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断・評価は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる要因に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、4,191百万円(前事業年度末は6,172百万円)となり、1,981百万円減少しました。
 受取手形及び売掛金等の売上債権が805百万円の減少、製品、原材料、仕掛品及び貯蔵品等のたな卸資産が1,343百万円の減少、繰延税金資産取崩による139百万円の減少等が主な要因であります。たな卸資産の減少は、原材料価格が大幅に下落したこと、たな卸資産の評価を見直したこと、及び生産減少に伴うものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、2,427百万円(前事業年度末は3,786百万円)となり、1,358百万円減少しました。
  固定資産に係る減損損失を計上したことによる減少695百万円、投資有価証券の期末時価評価による減少191百万円、繰延税金資産取崩による185百万円の減少等が主な要因であります。

当事業年度における固定資産の取得は243百万円であります。なお、固定資産取得のうち138百万円は会計処理変更によるリース資産の計上額であります。

貸倒引当金180百万円の増加は、主要取引先の民事再生手続き開始に伴うものが178百万円、その他2百万円であります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、2,332百万円(前事業年度末は2,945百万円)となり、613百万円減少しました。
 支払手形、買掛金等の仕入債務が768百万円減少、賞与引当金が136百万円減少したことが主な要因であります。
 未払金の増加は、希望退職者に支給する退職金等を未払金に計上したことによるものであり、短期借入金の増加は運転資金対応の借入増であります。 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、1,486百万円(前事業年度末は866百万円)となり、619百万円増加しました。

長期借入金の増加は、景気低迷により今後発生しうる事態に備えて借入実行をした500百万円によるものであります。

収益構造の改善を目的に実施いたします事業再編成において、来期以降発生が見込まれる費用及び損失に備えて事業構造改善引当金として373百万円を計上いたしました。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、2,799百万円(前事業年度末は6,146百万円)となり、3,346百万円減少しました。
  当期純損失3,129百万円、前事業年度の配当金93百万円、その他有価証券評価差額金が122百万円減少したこと等によるものであります。   

(3) 当事業年度の経営成績の分析

①売上高

売上高は、前事業年度と比べ25.9%減収の6,026百万円となりました。
 減収の要因及び部門別の売上高実績につきましては、1[業績等の概要](1)業績に記載のとおりであります。

②売上原価及び売上総利益

売上原価は、前事業年度と比べ7.9%減少の6,275百万円となりました。
 電気・電子部門におきましては、前事業年度と比べ9.7%減の5,826百万円となり、超硬合金部門におきましては、前事業年度と比べ25.0%増の448百万円となりました。
 売上総利益は、前事業年度と比べ1,564百万円減益の売上総損失248百万円となりました。
 電気・電子部門におきましては、前事業年度と比べ1,549百万円減益の売上総損失254百万円となり、超硬合金部門におきましては、前事業年度と比べ68.6%減の6百万円となりました。 

急激な受注減と生産レベルの低下に対し、非正規従業員の削減と緊急的な労務費カット、経費削減策を実施したものの、その効果は限定的であり、加えてたな卸資産の評価減、機械及び装置の耐用年数見直しによる減価償却費の増加等により売上総利益は大幅な減益となりました。

前事業年度との比較は次のとおりであります。

 
電気・電子部門
超硬合金部門
合計
第58期
第59期
第58期
第59期
第58期
第59期
売上高(百万円)
7,750
5,571
380
455
8,131
6,026
売上原価(百万円)
6,455
5,826
358
448
6,814
6,275
売上総利益(△損失)(百万円)
1,294
△254
21
6
1,316
△248

(注) 記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

③販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ15.3%減少の720百万円となりました。
 売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は10.5%から11.9%と1.4%の増加となりました。  

労務費削減を中心とした緊急対策を実施したものの、販売費及び一般管理費比率は上昇しました。
 この結果、営業利益は前事業年度と比べ1,434百万円減益の営業損失968百万円となりました。
 営業利益率は5.7%から△16.1%と21.8%低下いたしました。

④営業外損益

営業外収益の助成金収入22,601千円は、工場の臨時休業による雇用調整助成金収入であります。 

営業外費用は、事業年度末に向けて為替レートが円安になったため為替差損が発生せず、結果前事業年度に比べて改善しました。

この結果、経常利益は前事業年度と比べ1,374百万円減益の経常損失963百万円となりました。

特別損失、税引前当期純損失、法人税等及び税引後当期純損失につきましては、1[業績等の概要](1)業績に記載のとおりであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フロー

1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

②財務政策

当社は事業の運営に必要な資金を内部資金及び借入によって調達しております。
 当事業年度は、長引く景気低迷により発生しうる事態に備えて、商工組合中央金庫から新規の長期借入を500百万円実施いたしました。
 なお、工場統合に伴う設備等の移設、新設に係る費用及び新生産体制が本格稼働するまでのテスト費用、希望退職者への退職金、深川工場の残存設備の処理に係る費用等の事業構造改善に要する資金は900百万円を予定しており、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、及び伊予銀行の3行に新規融資の要請をしておりましたが、平成21年4月に長期借入400百万円、同5月に長期借入500百万円の融資実行を受けており、合計900百万円の資金調達は完了しております。

また、3[対処すべき課題]に記載しておりますとおり、たな卸資産の在庫削減を進め、営業運転資金の圧縮と資金の効率的な運用を図ってまいります。

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

①生産体制の集約

3[対処すべき課題]に記載しておりますとおり、当社は平成21年度において3工場体制から2工場体制へと、生産拠点の集約を行います。
 生産拠点の集約は、業績の早期回復と収益体質の強化を図るうえで達成しなければならない課題であり、タングステン生産設備の速やかな移設、製造技術の伝承及び新生産体制の立ち上げを確実に実施してまいります。

②公的規制(一般照明用電球の製造販売の中止)

平成20年4月、経済産業省から温室効果ガス削減対策の一環として一般照明用白熱電球の国内製造販売を2012年までに中止し、電球型蛍光灯への全面切り替えを完了させる方針が表明されました。当社が製造しているモリブデン線及びタングステン線の一部は当該用途に使用されております。
 当面、当社の損益が大きく低下するほどの影響はありませんが、将来的にその他の白熱電球等に拡大されたとき、当社は照明関連製品の販売戦略を変更せざるをえなくなり、また他素材製品との競争も激化する可能性があります。

その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、4[事業等のリスク]に記載しているとおりであります。 

 

(6)「提出会社が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義が生じさせるような事象又は状況」について

提出会社が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義が生じさせるような事象又は状況については、4[事業等のリスク]に記載しているとおりであります。

また、「当該事象等を解消し、または改善するための対応策」としましては、3[対処すべき課題]及び(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析 ②財務政策に記載しているとおりであります。





出典: 東邦金属株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書