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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期のわが国経済は、前後半で為替の変動がありましたが、実質GDPはプラス成長を持続し、景況は緩やかな回復基調となりました。

世界経済におきましては、米国は堅調さを維持したものの、欧州では英国のEU離脱決定などが不安定要素となりました。新興国も成長鈍化の長期化が懸念されましたが、後半には中国経済の景気持ち直しの傾向が見られ、概ね底堅く推移しました。しかしながら、顧客要求レベルは高度化し、競合も激化しました。

このような経済環境のなか当社は、新商品開発と新規市場開拓を積極的に推進すると共に、QCD(品質・原価・納期)の更なるレベルアップを目指して、グローバル規格準拠のマネジメントシステムを再構築し組織力の強化に取り組んだ結果、売上高は15,635百万円(前連結会計年度比5.7%減少)、収益面では営業利益が1,320百万円(前連結会計年度比14.0%減少)、経常利益は1,413百万円(前連結会計年度比12.2%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益が919百万円(前連結会計年度比4.8%減少)となりました。

 

 

 

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

①  塗装機械関連

塗装機械関連におきましては、国内では建材、鋼構造物などの関連市場は好調を維持し、建設機械関連市場は復調傾向となりました。海外では、東南アジア地域で自動車関連市場に緩やかな景気回復が見られましたが、市況全体としては横ばいの状態でした。

技術開発部門では、粉体自動塗装システムや各種静電ガンなどを開発上市し、品質、生産性向上などへの有効性に対してお客様の高い評価を頂くことができました。また新製品納入後の積極的な技術フォローが信頼を高め、リピート受注につながりました。

製造部門では、新設備の導入により難加工部品の製造を可能にし、製造技術力を向上させると共に、工程短縮など合理化も図ることができました。

その結果、売上高は7,576百万円(前連結会計年度比0.0%減少)、営業利益は900百万円(前連結会計年度比15.9%増加)となりました。

 

②  圧造機械関連

圧造機械関連におきましては、主力市場である自動車のねじおよび鍛造部品業界では、米国と中国市場は比較的堅調に推移しましたが、国内は一部に景気回復の兆しが見えたものの設備投資手控えの状態が続きました。

技術開発部門では、独創的な段取り替えシステムを搭載した大型のパーツフォーマの開発を進め、各地区で開催した技術セミナーにおいて、多くのお客様より技術に対する高い評価を頂くことができました。

製造部門では、リードタイム短縮と原価低減を狙いとした新生産管理システムの運用を進めましたが、今期はその成果に至りませんでした。

金型事業部門は、金型の開発力と実績をマーケティングに活かし、新規開発案件の獲得と客先現場での改善課題に取り組みました。

その結果、売上高は7,276百万円(前連結会計年度比7.7%減少)、営業利益は377百万円(前連結会計年度比34.4%減少)となりました。

 

 

③  電子部品製造機械関連

電子部品製造機械関連におきましては、主力のフラットパネルディスプレイ(FPD)市場で高精細ディスプレイ工場への投資は継続されましたが,台湾,中国の納入先の多くが新工場の立ち上げ段階に入ったことで、超高圧精密洗浄機の需要は停滞しました。

製造部門では、台湾のサービス代理店とのノックダウン生産が定着しました。

研究開発分野では、テレビ用FPD向けに新たに洗浄機2機種を開発し、国内,台湾,中国において販売活動を開始しました。また、コーティング関連では、大学,公的研究機関を対象にした研究開発用小型スプレーコータの販売と産学連携による共同研究を展開し、新用途開拓に取組みました。

その結果、売上高781百万円(前連結会計年度比29.9%減少)、営業利益は42百万円(前連結会計年度比76.9%減少)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度において連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動による収入超過が投資活動、財務活動による支出超過を上回ることで、417百万円の収入超過となり、当連結会計年度末残高は、5,384百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、976百万円の収入超過となり、前年同期比より1,604百万円の収入の減少となりました。これは主に、売上債権の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、425百万円の支出超過となり、前年同期比より61百万円の支出の増加となりました。これは主に、前期と比較して投資有価証券の取得が多かったためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、130百万円の支出超過となり、前年同期比より15百万円の支出の減少となりました。これは主に、前連結会計年度に社債の償還があったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

塗装機械関連

6,182,219

100.0

圧造機械関連

7,298,722

92.3

電子部品製造機械関連

773,848

72.7

合計

14,254,788

94.1

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

塗装機械関連

6,956,751

98.1

1,238,401

102.5

圧造機械関連

7,093,422

100.0

3,824,410

94.7

電子部品製造機械関連

719,632

65.6

178,735

74.2

合計

14,769,805

96.7

5,241,546

95.5

 

(注)   上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

塗装機械関連

7,576,641

100.0

圧造機械関連

7,276,970

92.3

電子部品製造機械関連

781,796

70.1

合計

15,635,409

94.3

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループを取り巻く経済環境は、米国経済の好調持続を背景として中国・タイなどの新興国経済に回復の兆しが見え始め、日系企業の国内外での設備投資拡大などの期待感も膨らんでいますが、欧州情勢や東アジア情勢などの懸念に変わりはありません。

当社グループにおきましては、新工場の本格稼働による生産性の向上と共に、選択と集中を明確にしてお客様の期待に応える高品質な製品をタイムリーに供給すべく、業務効率の向上を図ることで業績確保に繋げてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績は、今後起こり得る様々な要因に影響を受ける可能性があり、事業展開上のリスク要因として考えられる重要事項は以下のとおりでありますが、これらを認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 国内及び世界経済の状況について

当社グループの輸出実績は直接・間接輸出ともに年々その比率が高くなってきており、その傾向は今後も続くものと予想されていますので、経営成績は、日本のみならず世界経済環境の変化の影響を受けることとなります。

経済環境は、基軸通貨であるドルの強さを背景に米国経済の回復が明確になり、欧州経済をはじめ世界経済全体への好影響を与えるようになりました。しかしながら、英国のEU離脱問題などの地政学的リスクにより為替も不安定な状況が続き、決して安心できる景況といえる状況ではありません。

 

(2) 業界の動向及び技術の進展について

塗装機械事業については、顧客からの塗料廃棄物やVOC(揮発性有機化合物)等環境規制への対応の要請が強く、また受注生産をしております自動塗装システム関係は受注高の変動があります。

圧造機械事業については、受注生産をしております大型パーツ生産用圧造機械は受注から納入までの生産期間が長く、また、受注高の変動があります。

電子部品製造関連機械事業については、半導体関係業界が対象で、競合他社の進出もみられるようになり、さらに半導体市況の動向に大きく影響を受けることが予想されます。

これらのリスクにより、経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) その他のリスク

当社グループの生産設備及び研究開発拠点は、地震リスクの比較的高い本社所在地にあり、耐震性のある建物とはなっておりますが、予想を超える規模の地震その他の天災により、深刻な損害を被った場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、「技術創造企業」としての基本方針のもとで新商品、新技術を次々と市場に送り出しました。

なお、研究開発活動のスタッフは、技術管理・支援担当、研究開発・新製品(ソフト技術開発含む)開発担当が担当し、研究開発費の総額は155百万円でありました。

セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

塗装機械関連

塗装技術関連では、期初に液体自動塗装用レシプロケータの新型SUNAC制御に回転霧化静電ガンを組み合わせたシステムを初めて納入することができ、新型SUNAC制御のバリエーションを広げ当社のすべての自動ガンに適用できるレシプロ塗装の制御が可能となりました。

新開発商品としましては、前期より上市した新型粉体静電ハンドガンに続き、同様の独自技術の展開として粉体静電自動ガンも上市することが出来、粉体機器・システムの販売の拡大につなげることが出来ました。

塗装機械の開発部門では技術開発部門で定着している3次元CADの営業技術部門への展開を図るための活動により個別の納入案件向けのシステムアップに於いても3次元CAD図の適用を始めることが出来ました。

なお、研究開発費は102百万円でありました。

 

圧造機械関連

圧造技術関連では、主力客先である自動車部品メーカー様の国内外工場向け設備についてのシリーズ開発、改造を計画的に継続しています。SF250−4ES、SF400−4ESをパーツフォーマのシリーズとして加える開発を行い、主力商品のSQシリーズボルトフォーマは、受注時に個別の仕様改造に対応しています。

金型技術関連では、試作テスト機を活用し、高精度化、非鉄材料の成形などの高付加価値部品の金型開発に取り組み、「ネットシェイパ」を目指した金型開発から量産確認までの一貫したサービスの提供を継続いたしました。さらに、成形方法の開発や圧造の基礎技術蓄積にも取組みました。

なお、研究開発費は9百万円でありました。

 

電子部品製造機械関連

電子部品製造技術関連では、キーテクノロジーの応用分野拡大を目的に、精密洗浄技術に関しては新たに高洗浄力と大型基板対応の3種の超高圧マイクロジェット洗浄装置を開発。精密スプレーコーティング技術では材料効率を大幅に改善した静電応用機器を研究開発用小型コーティング装置搭載型で開発しました。また、研究開発として,2年前に行った経済産業省主管による有機EL製造工程用コーティング技術についての補完研究をはじめ,産学連携による研究活動と研究開発用小型コーティング装置の販売先研究機関での応用技術開発を展開しました。

なお、研究開発費は43百万円でありました。

 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、新商品開発と新規市場開拓を積極的に推進しましたが、設備投資の手控えもあって対前期比において減収減益となりました。

 

財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末比153百万円増加し、16,779百万円となり、主な内訳は次のとおりであります。

 

現金及び預金5,684百万円(前連結会計年度末比417百万円増加)、受取手形及び売掛金4,286百万円(同228百万円増加)、電子記録債権601百万円(同65百万円減少)たな卸資産2,078百万円(同578百万円減少)、有形固定資産2,166百万円(同174百万円減少)、投資その他の資産1,510百万円(同147百万円増加)となりました。

 

一方、総負債は、前連結会計年度末比640百万円減少し、2,972百万円となり、その内訳は、流動負債2,714百万円(前連結会計年度末比664百万円減少)、固定負債258百万円(同24百万円増加)で、未払法人税の減少が主な要因であります。

 

また、純資産は、前連結会計年度末比794百万円増加し、13,806百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の78.3%から82.3%となりました。

 

経営成績につきましては、売上高は前連結会計年度と比べ944百万円減少し、15,635百万円(前連結会計年度比5.7%減少)、売上原価は前連結会計年度と比べ625百万円減少し、9,964百万円(同5.9%減少)となり、売上原価率をみますと、前連結会計年度63.9%に対して当連結会計年度63.7%とやや減少となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ、103百万円減少し、4,350百万円(同2.3%減少)となり、これらの結果より営業利益は前連結会計年度と比べ214百万円減少し、1,320百万円(同14.0%減少)となり、経常利益は前連結会計年度と比べ、196百万円減少し、1,413百万円(同12.2%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ、45百万円減少し、919百万円(同4.8%減少)となり、減収減益となりました。

 

キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ1,604百万円収入が減少し、976百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローは61百万円支出が増加し、425百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローは15百万円支出が減少し、130百万円の支出超過となり、この結果、現金及び現金同等物の期末残高は417百万円増加し、5,384百万円(同8.4%増加)となりました。

 





出典: 旭サナック株式会社、2017-05-31 期 有価証券報告書