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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、企業業績の回復とともに個人消費にも改善の傾向が見られました。また、株式市場では海外投資家や個人投資家による取引量の増大とともに株価も上昇局面に推移するなど、総じて景気は緩やかな回復傾向を見せました。しかし、期間の後半には、原油・鋼材価格の高騰など不透明な要因も加わり、引き続き慎重に推移を見守っていかなければなりません。

こうした中、当社グループでは、工作用機器事業の強化と繊維機械事業の市場拡大をめざして販売活動を展開いたしました。工作用機器事業は好調な自動車業界や工作機械業界の需要を背景に積極的な販売活動を展開してフル生産を続け、売上を伸ばしました。中核事業であります繊維機械事業では、需要拡大に注力してまいりましたインド・パキスタン市場で売上を倍増いたしました。中心市場であります中国市場では一時的な回復が見られましたものの、期末にかけて貿易摩擦問題の顕在化等により慎重な見方が拡がってまいりました。

この結果、全体では売上高39,490百万円(前年同期比13.6%増)、受注高43,362百万円(同比28.7%増)と増加することができました。

しかし、損益面では工作用機器事業は高い水準で黒字を確保いたしましたが、繊維機械事業で価格競争の激化や鋼材価格の高騰等の影響により大幅な赤字を余儀なくされました。この結果、全体では営業損失1,496百万円(前年同期は営業損失758百万円)、経常損失1,462百万円(前年同期は経常損失748百万円)、当期純損失1,576百万円(前年同期は当期純損失131百万円)の計上となりました。

セグメント別の状況をみると、繊維機械事業では、中国市場に加え、インド、パキスタン、ブラジルなどの市場の需要回復をめざした販売活動に注力いたしました。特に期待が大きいインド市場では、最新型エアジェットルームZAX9100の市場投入を積極的に進めるとともに、サービス体制の充実を図るため現地人技術者の養成に注力いたしました。この結果、インド・パキスタン市場では売上高5,709百万円と前年同期比倍増いたしました。また、ブラジルではプライベート展示会を開催して、最新型エアジェットルームをアピールいたしました。

中心市場であります中国市場では、優良企業に対する銀行融資が部分的に再開された春以降、一時的に回復が見られましたが、秋口から米国との繊維製品の貿易摩擦が顕在化したため、再び新規投資に慎重な見方が拡がってまいりました。また、競争激化による販売価格の低下、鋼材価格の高騰等の影響により収益が著しく悪化いたしました。中国向けの売上高は18,970百万円(前年同期比9.9%増)で売上比率は61.2%(前年同期61.8%)であります。

開発面では、ジェットルーム・サイジングマシンの機能向上、適応分野の拡大を積極的に進めました。ZAX9100型エアジェットルームでは、新たにタオル用仕様をラインアップするなど、一般衣料分野からタオル、デニム、ウールなどの高付加価値織物分野に製織可能分野を拡大いたしました。ZW408型ウォータジェットルームでは自動車のエアバッグ用織物、インテリア分野の広幅カーテン地など、非衣料分野への用途拡大を図りました。また、サイジングマシンではお客さまの要望に応えて超広幅仕様やスポーツウェアなどに使用される極細フィラメント糸対応などの開発を進めました。

この結果、当事業部門全体では売上高30,997百万円(前年同期比11.0%増)、受注高34,164百万円(同比29.0%増)と増加いたしましたが、損益面では価格競争の激化、素材価格の高騰などにより営業損失2,788百万円(前年同期は営業損失1,453百万円)と大幅に悪化いたしました。

工作用機器事業では、マシンバイス(把持系製品群)やNC円テーブル(回転系製品群)などの工作用機器は、主に工作機械や生産ラインに組み込まれてお客さまに納入され、自動車や航空機、電子機器の部品など高精度の品質が要求される加工分野で使用されます。大変に競争の厳しい業界でありますが、お客さまの要求にお応えする高度の開発能力と企業としての信頼が求められる事業分野であります。

当連結会計年度におきましては、好調な自動車業界や工作機械業界の需要を中心に、国内外に積極的な販売を展開し受注・売上の拡大を図りました。業界特有の厳しい品質と短納期が要求されましたが、人員の増強、生産設備の更新、組立工程の増床を進めて生産に対応いたしました。また、今後の事業拡大をめざして、自動車部品加工用多軸ヘッドシステムなどの新たな製品群の開発、航空機産業など新たな産業分野への進出、欧州・アジア地区など販売地域の拡大を進めました。

この結果、当事業部門では売上高7,151百万円(前年同期比21.5%増)、受注高7,858百万円(同比26.0%増)と増加し、損益面でも営業利益1,320百万円(同比80.9%増)と好調に推移いたしました。

その他の事業につきましては、鋳鉄鋳物部門では繊維機械部品の品質安定化とコストダウン活動とともに、外販受注活動を積極的に進めました。繊維機械の部品生産で培った高い品質を積極的にアピールするとともに最新型の自動造型ラインを導入し、小型鋳物製品の受注にも対応した体制を整えました。また、連結子会社であります共和電機工業株式会社では、繊維機械用電子部品、パレットチェンジャ等の工作用機器製品の設計製造をはじめ、高い専門性を活かしてさまざまな分野の設備・装置の制御装置の開発・生産に注力いたしました。

この結果、その他の事業部門では売上高1,341百万円(前年同期比42.0%増)、受注高1,339百万円(同比37.7%増)と増加いたしましたが、損益面では営業損失28百万円(前年同期は営業損失34百万円)となりました。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比715百万円減少の9,830百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,234百万円を計上したことに加え、売上債権が増加したものの棚卸資産の減少、仕入債務の増加等により1,150百万円(前年同期 3,245百万円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等による支出等によりマイナス1,166百万円(前年同期 664百万円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出及び配当金の支払等によりマイナス699百万円(前年同期 マイナス2,663百万円)となりました。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと次の通りである。

 

事業の種類別セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

繊維機械事業

23,439,692

92.4

工作用機器事業

7,237,423

129.8

その他の事業

1,243,337

146.8

合計

31,920,452

100.4

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていない。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメントごとに示すと次の通りである。

 

事業の種類別セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

繊維機械事業

34,164,562

129.0

6,950,056

183.7

工作用機器事業

7,858,603

126.0

2,135,691

149.5

その他の事業

1,339,497

137.7

35,394

95.0

合計

43,362,664

128.7

9,121,142

173.8

(注) 金額には消費税等は含まれていない。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと次の通りである。

 

事業の種類別セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

繊維機械事業

30,997,029

111.0

工作用機器事業

7,151,653

121.5

その他の事業

1,341,377

142.0

合計

39,490,059

113.6

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりである。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

丸紅テクマテックス㈱

16,932,467

48.7

22,439,279

56.8

2 本表の金額には消費税等は含まれていない。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの活動分野は主として繊維機械ならびに工作機械産業であります。ともに専門性が高い分野であり、最高の技術と品質を強みとして、全世界を市場とした営業を展開してまいりました。反面、これらの業界は好不況の波が激しい業界であります。特に近年では、中国経済の急速な成長に伴うさまざまな予測困難な状況変化により、遺憾ながら繊維機械事業の業績変動が大きくなっており、全体としての有効な経営指標の策定・維持が厳しい環境になっております。

こうした状況に対し、当社グループは安定的に利益を確保できる企業体質への転換をめざして、下記の点を軸とした改革を進めてまいります。

 

① 繊維機械事業の収益力回復と工作用機器事業の拡大

繊維機械事業では、戦略機種であります最新型エアジェットルームZAX9100の量産体制を整え、コストダウンを図ってまいります。また、収益性を重視した生産規模の適正化を進め、販売価格の改善、適正な生産量の確保を図ってまいります。市場ではインド・パキスタン・ブラジル市場での売上を拡大し、中国に次ぐ安定市場に育ててまいります。

工作用機器事業につきましては、好調な需要に対する生産対応、納期対応が課題となっております。昨年9月に組立工場の増床工事を完了いたしましたが、さらに、生産能力の増強が必要であり、必要な人材・設備の投入と効率的な生産体制の確立を進めてまいります。販売面では、欧州・アジア地域への市場の拡大と、精密機械分野や航空機分野などへの製品分野の拡大を進めてまいります

② ブランド力の向上

生産機械メーカーとして、高い基本性能とクレーム“ゼロ”の製品をお客さまにご提供するとともに、専門性を活かした技術サポートとノウハウを効率的にご提供していくことがブランド力構築の重要課題であります。そのため、海外の販売網の整備を行うとともに、各国販売店の現地サービスエンジニアを養成して現地語でのサービス体制の確立をめざしてまいります。また、これによりグローバルな情報収集能力と分析能力の強化を図り、海外市場におけるさまざまなリスクに迅速に対応してまいります。

③ コア技術の展開による新製品分野の育成

繊維機械事業においては、中国などの後発メーカーの追い上げに対抗するため、高生産性・高品質などの基本性能を一層充実するとともに、高付加価値織物や非衣料分野など製織可能分野、対応分野の拡大を進めてまいります。また、業界の裾野が広い工作用機器事業におきましては、回転系、把持系製品のコア技術を究めながら、その応用分野を拡げて新たな製品分野への展開を図ってまいります。こうした活動の中から新たな経営の柱となる事業分野を育ててまいります。

④ 人材の育成

事業の壁のない開発・製造を実現するためには、個々の従業員の成長と技術・技能レベルの向上が欠かせません。また、団塊世代の大量定年時期の到来に備え、若い世代に権限委譲を進め、より有効な人材育成、技能伝承と教育システムの構築を図ってまいります。

⑤ その他の事業の強化

鋳物鋳造事業をはじめ、連結子会社で行なっております各事業の強化・拡大を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの売上高は、繊維機械事業を中心に輸出比率が高く、とりわけ中国向けが大きな割合を占めております。このような状況から、主に次の要因が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があると考えております。

①中国の金融・経済変動リスク

②原料・素材価格の高騰リスク

③直接貿易取引上のリスク

④為替変動リスク

とりわけ、中国の金融・経済政策の変更は、顧客の資金調達に影響を与え、設備投資の延期や中止、L/C開設遅れなど、当企業集団の受注・生産・販売高の低下の直接の原因となります。また、中国繊維製品の急激な輸出拡大に伴い、貿易摩擦等の影響が懸念されます。また、あらゆる業界において価格競争が厳しさを増す中、原料・素材価格の高騰は、当社グループおよび顧客市場においても生産コストの上昇につながり、企業収益を圧迫するリスクとなります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はない。

 

6 【研究開発活動】

研究開発については、世界市場での優位性を確保するため、引き続き多様化、高度化するマーケットニーズに応え戦略商品の開発に取り組んでおります。当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は1,362百万円であります。

当連結会計年度における各事業の主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1) 繊維機械事業

当社が中心となり、エアジェットルームにおいては新機種「ZAX9100」の更なる高生産性機能の開発強化を進めました。また、タオル用高機能機として「ZAX9100テリー」の開発を進めました。ウォータジェットルームでは超広幅カーテン仕様機「ZW408-340W」の高性能開発を進め、また、エアバック用基布などの産業資材分野向けとして高機能機種の開発を強化しました。糊付機では広幅糊付機とフィラメント糸用超低張力機種の開発を推進しました。

当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は1,025百万円であります。

 

(2) 工作用機器事業

当社が中心となり、市場からの一層の高精度・高生産性要請に対し、当社の主力製品であるNC円テーブルにおいては、シリーズ製品の一層の高精度・高剛性化として開発強化を推進しました。特に小型工作機械の省スペース化対応としてタッピングセンター用傾斜NC円テーブルの開発を進めました。また、マシンバイスにおいて、締め付け力設定操作面で高機能化開発を計りそのシリーズ化を進めました。

当連結会計年度における当事業に係る研究開発費は336百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)当連結会計年度末の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ2,084百万円増加し46,731百万円となりました。主として、棚卸資産が減少したものの、受取手形及び売掛金、投資有価証券が増加したためであります。現金及び現金同等物は前述のキャッシュ・フローの状況に記述の通り前連結会計年度末に比べ715百万円減少し9,830百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べ3,711百万円増加し21,736百万円となりました。主として、支払手形及び買掛金の増加によるものであります。

資本は、前連結会計年度末に比べ1,596百万円減少し23,744百万円となりました。主として、当期純損失1,576百万円の計上及び自己株式の取得によるものであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループでは、工作用機器事業では好調な自動車業界や工作機械業界の需要を背景に、人員の増強、生産設備の更新、組立工程の増床を図り、フル生産を続け売上を伸ばしました。中核事業であります繊維機械事業では、昨年より販売活動を強化いたしましたインド・パキスタン市場で売上を倍増いたしました。中心市場であります中国市場では優良企業に対する銀行融資が部分的に再開された春以降、一時的に回復がみられましたが、秋口から米国との繊維製品の貿易摩擦が顕在化したため、再び新規投資に慎重な見方が拡がってまいりました。また、競争激化による販売価格の低下、鋼材価格の高騰等の影響を受け収益が著しく悪化いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は39,490百万円(前年同期比13.6%増)、受注高43,362百万円(同比28.7%増)と増加することができました。しかし、損益面では工作用機器事業は高い水準で黒字を確保いたしましたが、繊維機械事業で価格競争の激化や鋼材価格の高騰等の影響により大幅な赤字を余儀なくされ、営業損失1,496百万円(前年同期は営業損失758百万円)、経常損失1,462百万円(前年同期は経常損失748百万円)、当期純損失1,576百万円(前年同期は当期純損失131百万円)となりました。

売上原価率は、前連結会計年度と比べ2.5ポイント上昇し92.4%となりました。

販売費及び一般管理費は、売上の増加に伴い販売費用が増え、前連結会計年度に比べ229百万円増加し4,511百万円となりました。

営業外収益は、前連結会計年度に比べ17百万円減少しました。一方、営業外費用は支払利息の減少に加え前連結会計年度に発生した為替差損がなくなり、前連結会計年度に比べ41百万円減少し51百万円となりました。その結果、営業外収支は、前連結会計年度に比べ23百万円改善しました。

特別利益は、投資有価証券売却益が減少したこと等により前連結会計年度に比べ300百万円減少し401百万円となりました。特別損失は、固定資産処分損が増加したこと等により前連結会計年度に比べ50百万円増加し172百万円となりました。

少数株主損益については、連結子会社の共和電機工業㈱が損失を計上したことにより少数株主損失45百万円(前年同期は少数株主損失78百万円)となりました。

なお、事業別の分析は第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績の項目をご参照ください。

 





出典: 津田駒工業株式会社、2005-11-30 期 有価証券報告書