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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)経営成績に関する分析

① 当連結会計年度の概況 

 当連結会計年度における我が国経済は、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果等を背景に持ち直しの動きがみられるものの、世界経済は、依然として出口の見えない欧州政府債務危機やアメリカにおける財政問題に加えて中

国の経済成長減速懸念等により、景気が下振れするリスクが残る等、不透明な状況にありました。

 一方、日揮グループが展開する総合エンジニアリング事業に最も関係の深い産油・産ガス諸国では、世界的な人口増加や新興国の経済成長を背景としたエネルギー需要の増加により、引き続き多くの石油・ガス資源投資が計画されております。特に、中東・北アフリカ地域では、原油処理・ガス処理プロジェクトのほか、石油やガスの高付加価値化を目的とする石油精製プロジェクトやガス化学プロジェクト等も計画されております。また、東南アジア、東アフリカやロシアでは、今後日本をはじめとするアジア地域を中心にLNG(液化天然ガス)需要の増加が予想されることから、多くのLNGプロジェクトが計画されております。加えて、北米地域においても、シェールガス開発の進展により安価で豊富なシェールガスを原料とするLNGやガス化学プロジェクト等が数多く計画されており、今後のプロジェ

クトの具体化が期待されます。

 このような状況のもと、日揮グループの当連結会計年度の業績等については、以下のとおりとなりました。

 

    経営成績                                         

 

当連結会計年度
(百万円)

前年同期増減率(%)

当事業年度(単体)
(百万円)

前年同期増減率(%)

売上高

624,637

12.1

454,261

0.6

営業利益

64,123

△4.4

48,946

△9.7

経常利益

72,489

△0.1

64,624

2.3

当期純利益

46,179

18.1

44,146

28.7

  

    受注高

地域

当連結会計年度
(百万円)

 割合(%)

当事業年度(単体)
(百万円)

 割合(%)

海外

482,879

81.3

393,659

84.0

国内

111,211

18.7

74,768

16.0

合計

594,091

100.0

468,427

100.0


 

 この結果、当連結会計年度末の受注残高は、契約金額の修正・変更、為替変動による修正を加え、連結受注残高1兆5,141億円、単体受注残高1兆194億円となりました。

 

② セグメント別状況
総合エンジニアリング事業

EPC(設計・調達・建設)ビジネスでは、プロジェクトの確実な遂行に注力するとともに、日本国内をはじめ中東、アフリカ、東南アジア、オセアニア、ロシア・CISおよび北米地域を中心に積極的な受注活動に取り組んでおります。その結果、当連結会計年度において、当社は、平成24年8月に広島県豊田郡における酸素吹石炭ガス化複合発電関連の実証試験設備の建設工事、同年9月にマレーシアにおける洋上LNGプラントの基本設計役務、同年11月にサウジアラビアにおける大型製油所の中核設備建設プロジェクトや北海道苫小牧市における二酸化炭素の分離・回収・圧縮設備の建設プロジェクト、同年12月にモザンビークにおけるLNGプラント新設プロジェクトの基本設計役務、平成25年1月にベトナムにおける製油所・石油化学コンプレックスの新設プロジェクト、およびインドネシアにおける洋上LNGプラントの基本設計役務、そして、同年3月にマレーシアにおけるLNGプラントの増設プロジェクト等を受注いたしました。

加えて、当社のサウジアラビア法人であるJGC Gulf International Co. Ltd.が平成24年5月に同国において芳香族製造設備の建設プロジェクトを受注、続いて同年6月にエチレン設備の増設プロジェクトを受注いたしました。

投資ビジネスでは、当社は平成24年5月にインドネシアにおいて、低品位炭を原料として新液体燃料を製造する実証プラントのデモンストレーション運転を開始いたしました。当社は、平成25年1月に三井物産株式会社および重慶両江新区開発投資集団有限公司とともに合弁会社を設立し、中国重慶市でビジネスパークの計画策定と企業誘致・土地斡旋事業に参画することを決定いたしました。

 企画・マネジメントサービスでは、アジア地域等において都市開発やインフラ整備案件の事業化調査等を進めております。  

 

触媒・ファイン事業

 触媒事業では、国内製油所の触媒使用量の減少等から製品の出荷が減少いたしました。また、ファイン事業においては、ハードディスク用研磨材の販売が堅調であったものの、エコカー用二次電池正極材については、前年度下期からの在庫調整が継続しており、製品の出荷が減少いたしました。この結果、触媒・ファイン事業の業績は、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。 

 

その他の事業

 その他の事業では、平成24年8月に当社と国際石油開発帝石株式会社は、共同で設立したカナダ法人INPEX Gas British Columbia Ltd.を通じ、同国石油・天然ガス開発会社Nexen Inc.が保有するシェールガス鉱区権益に関して、権益の取得手続きを完了いたしました。同じく8月には、当社は大分県大分市臨海工業地帯において、大規模太陽光発電(メガソーラー)事業の実施を決定いたしました。

 

 以上のような取り組みのもと、日揮グループの当連結会計年度のセグメント別の業績につきましては、以下のとおりとなりました。

 

 当連結会計年度   

 

総合エンジニア

リング事業
(百万円)

前年同期

増減率

(%)

触媒・ファイン

事業

(百万円)

前年同期

増減率

(%)

その他の事業
(百万円)

前年同期

増減率

(%)

売上高

576,627

13.9

38,508

△8.4

9,501

8.6

営業利益

58,874

△0.9

4,290

△37.3

973

40.2

  

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し

622億20百万円増加し、2,847億77百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益を623億12百万円計上し、手持工事に係る客先からの順調な入金

や法人税等の支払などにより、結果として850億10百万円の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は、新事業分野への投資などにより、283億70百万円の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は、新規の借入や配当金の支払などにより36億95百万円の減少となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

「生産、受注及び販売の状況」に記載している諸数値には消費税等を含めておりません。

 (1)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日) 

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

触媒・ファイン事業

35,521

85.5

 報告セグメント計

35,521

85.5

その他の事業

合計

35,521

85.5

 (注)1.金額は販売価格によっている。

 2.総合エンジニアリング事業およびその他の事業については、生産実績を定義することが困難であるため、触媒・ファイン事業についてのみ記載している。

(2)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日) 

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

584,450

74.5

触媒・ファイン事業

 報告セグメント計

584,450

74.5

その他の事業

9,640

111.6

合計

594,091

74.9

 (注)触媒・ファイン事業については、受注生産を行っていないため、総合エンジニアリング事業およびその他の事業についてのみ記載している。

 

(3)売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日) 

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

576,627

113.9

触媒・ファイン事業

38,508

91.6

 報告セグメント計

615,135

112.2

その他の事業

9,501

108.6

合計

624,637

112.1

 (注)完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日)

完成工事高

(百万円)

割合(%)

完成工事高

(百万円)

割合(%)

ラスガス社

104,621

16.7

イクシス エルエヌジー社

68,903

11.0

ガスコ社 

74,280

13.3

 (注)1.前連結会計年度のラスガス社およびイクシス エルエヌジー社については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略している。

    2.当連結会計年度のガスコ社については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略している。

(参考)連結ベースの受注高、売上高および受注残高                        (単位:百万円) 

区分

前連結会計年度末

受注残高

当連結会計年度

受注高

当連結会計年度

売上高

当連結会計年度末

受注残高

国内

 

 

 

 

石油・ガス・資源開発関係

214

336

511

40

石油精製関係

19,333

22,190

25,715

15,809

LNG関係

23,353

7,524

7,209

23,668

化学関係

9,869

10,419

18,498

1,791

発電・原子力・新エネルギー関係

12,792

42,932

19,065

36,659

生活関連・一般産業設備関係

29,164

6,723

29,284

6,603

環境・社会施設・情報技術関係

17,498

17,214

15,415

19,296

その他

1,105

3,870

4,175

801

113,333

111,211

119,874

104,670

海外

 

 

 

 

石油・ガス・資源開発関係

431,966

7,004

232,042

206,929

石油精製関係

65,358

192,197

22,297

235,259

LNG関係

854,223

242,363

178,439

918,147

化学関係

13,347

36,137

14,209

35,275

発電・原子力・新エネルギー関係

2,709

149

471

2,387

生活関連・一般産業設備関係

24,196

604

13,738

11,062

環境・社会施設・情報技術関係

67

44

101

10

その他

943

4,378

4,954

367

1,392,813

482,879

466,254

1,409,438

総合エンジニアリング事業

1,504,533

584,450

576,627

1,512,356

その他の事業

1,613

9,640

9,501

1,752

計 

1,506,146

594,091

586,129

1,514,108

触媒・ファイン事業

38,508

合計 

1,506,146

594,091

624,637

1,514,108

 (注)1.総合エンジニアリング事業およびその他の事業の「前連結会計年度末受注残高」は当連結会計年度の為替換算修正および契約金額の修正・変更をそれぞれ次のとおり含んでいる。                (単位:百万円) 

区分

為替換算修正

契約金額の修正・変更

石油・ガス・資源開発関係

△863

△560

△1,424

石油精製関係

390

△9

381

LNG関係

66,361

△161

66,200

化学関係

△277

△277

発電・原子力・新エネルギー関係

56

△899

△843

生活関連・一般産業設備関係

25

6,784

6,809

環境・社会施設・情報技術関係

△6

△6

その他

747

△7,052

△6,305

66,440

△1,906

64,534

総合エンジニアリング事業

66,651

△1,907

64,744

その他の事業

△211

1

△210

2.触媒・ファイン事業については受注生産を行っていないため、「前連結会計年度末受注残高」、「当連結会計年度受注高」および「当連結会計年度末受注残高」は記載していない。

3.記載金額は百万円未満を切り捨てて表示している。

 

(参考) 当社単体の受注高、売上高および受注残高                       (単位:百万円)

  

 

区分

前事業年度末

受注残高

当事業年度

受注高

当事業年度

売上高

当事業年度末

受注残高

国内

 

 

 

 

石油・ガス・資源開発関係

49

49

石油精製関係

13,072

8,257

8,898

12,431

LNG関係

20,452

7,116

4,950

22,617

化学関係

65

47

95

16

発電・原子力・新エネルギー関係

11,197

41,397

16,156

36,437

生活関連・一般産業設備関係

27,836

5,955

27,188

6,603

環境・社会施設・情報技術関係

12,204

11,843

8,933

15,114

その他

546

102

462

185

85,374

74,768

66,736

93,406

海外

 

 

 

 

石油・ガス・資源開発関係

405,994

5,125

219,748

191,371

石油精製関係

65,036

191,804

21,867

234,974

LNG関係

425,062

194,503

132,684

486,881

化学関係

6,466

1,416

3,164

4,718

発電・原子力・新エネルギー関係

3,033

124

769

2,387

生活関連・一般産業設備関係

12,967

533

7,822

5,678

環境・社会施設・情報技術関係

67

40

98

9

その他

1,258

111

1,370

919,886

393,659

387,525

926,019

合計

1,005,260

468,427

454,261

1,019,426

 (注)1.「前事業年度末受注残高」は当事業年度の為替換算修正および契約金額の修正・変更をそれぞれ次のとおり含んでいる。                                  (単位:百万円) 

区分

為替換算修正

契約金額の修正・変更

石油・ガス・資源開発関係

△2,663

△2,663

石油精製関係

386

386

LNG関係

4,103

△161

3,941

化学関係

△360

△360

発電・原子力・新エネルギー関係

58

△1,158

△1,100

生活関連・一般産業設備関係

△109

△8

△118

環境・社会施設・情報技術関係

△6

△6

その他

△259

△259

1,414

△1,595

△181

2.記載金額は百万円未満を切り捨てて表示している。

3.当社の取扱品目である各種プラント・施設等の設計・調達・建設役務の遂行には高度の技術能力を必要とするため、顧客による特命ないし指名入札方式による契約がほとんどである。

4.受注残高のうち主なものは、次のとおりである。

 ペトロナス・エルエヌジー9社

 LNG製造設備建設工事

 平成28年3月期第3四半期完成予定

 イクシス エルエヌジー社

 LNG製造設備建設工事

 平成30年3月期第1四半期完成予定

 ニソン石油精製有限責任会社

 原油処理設備建設工事

 平成29年3月期第3四半期完成予定

 ラスガス社

 ガス処理設備建設工事

 平成27年3月期第2四半期完成予定

 ドンギ・スノロ エルエヌジー社

 LNG製造設備建設工事

 平成27年3月期第4四半期完成予定

 サウジ アラムコ社

 原油処理設備建設工事

 平成29年3月期第3四半期完成予定

5.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

 ラスガス社

 ガス処理設備建設工事

 ガスコ社

 ガス処理設備建設工事

 エッソハイランズ社

 LNG製造設備建設工事

 サウジ アラムコ社

 原油処理設備建設工事

 ドンギ・スノロ エルエヌジー社

 LNG製造設備建設工事

 シェブロン オーストラリア社

 LNG製造設備建設工事

 

3【対処すべき課題】

 日揮グループは、2011年度を初年度とする中期経営計画「NEW HORIZON 2015」の達成を経営課題とするとともに、その達成に向けて全社一丸となって邁進しております。

 

中期経営計画「NEW HORIZON 2015」について

1)位置づけならびに目標指標

 日揮グループは、中期経営計画「NEW HORIZON 2015」により、新たな領域−NEW HORIZONにおいて幅広い顧客のニーズに応え、顧客とともに新たな価値を創造する「Program Management Contractor & Investment Partner」への変

貌を図っております。 

 「NEW HORIZON 2015」では、日揮グループのコアビジネスであるEPCビジネスに加えて、事業投資や企画・マネジメントサービスといった、売上高指標では成果を適切に測れないビジネス領域を拡大していく方針であることから、連結当期純利益500億円を目標として掲げております。ROEについては10%以上の達成を目指しております。また、配当政策については、連結当期純利益の25%を目処とする配当性向を掲げております。当連結会計年度では、連結当期

純利益461億円、ROE14.8%を達成するなど、順調に進捗しております。

 

2)マーケット環境

 「NEW HORIZON 2015」の対象期間である2011年度から2015年度の5ヵ年のマーケット環境については、日揮グループが対象とする分野、地域の両面において以下のとおり変化していくものと予測しております。

 石油・天然ガス・石油化学など、ハイドロカーボンプラントのEPCビジネスのマーケットは、引き続き活発に設備投資が実施されていくものと思われますが、エンジニアリングコントラクター間の受注競争は、依然として厳しいものと予測しております。非鉄、医薬・医療などの分野も着実にマーケットが拡大していくものと予測しております。また、主に事業投資のマーケットである水、発電などの社会インフラ分野は、新興国の人口増加、産業多角化、都市

化などを背景に、今後さらに巨大マーケットへ変貌していくと予測しております。

 上記の海外ハイドロカーボンプラント分野では、中東、アフリカ、東南アジアに加え、北米、ロシア・CIS地域を今後の有望マーケットとして位置づけており、また、社会インフラ分野では新興国がマーケットの中心になると捉え

ております。国内製造会社の海外展開も日揮グループのマーケットのひとつと考えております。

 

3)ビジネス戦略 
 日揮グループは、中期経営計画「NEW HORIZON 2015」において、「Program Management Contractor & Investment Partner」への変貌を目指し、現在のコアビジネスであるEPCビジネスの競争力強化を図りつつ、幅広い顧客のニーズに応え、新たな価値を創造するため、事業投資・サービスビジネスの一層の拡大を図っております。

 

4)EPCビジネス強化策 

 日揮グループのコアビジネスであるEPCビジネスは、特に海外ハイドロカーボンプロジェクトにおいて依然として

厳しい受注競争が予測されるため、以下の四本柱の戦略を強力に推進し、競争力の強化を図っております。

①ハイドロカーボン分野における競争力強化・向上

 抜本的なコスト競争力向上に取り組むほか、営業力強化、有望マーケットへの参入、プロジェクト遂行力のさらなる強化を図っております。国内マーケットに対しては、国内EPC子会社と一体で遂行しております。 

②ノンハイドロカーボン分野の拡大

 ノンハイドロカーボン分野の主力分野である非鉄分野のさらなる拡大を図るとともに、医薬・医療分野の海外展開を推進しております。

③海外EPC子会社の強化

 産油・産ガス諸国で強まってきているローカリゼーション(現地化)の動きに呼応し、海外EPC子会社による中小規模プロジェクトの受注拡大を推進しております。同時に、海外EPC子会社間の連携を強め、協力してプロジェクトの受注拡大を目指しております。

④EPC新分野の開拓

 既存の分野に加えて、EPCビジネスの領域拡大を目指し、洋上LNG分野、海外原子力発電分野、インフラ分野に積極的に取り組んでおります。また、今後さらに増加が見込まれるモジュール工法を採用するプロジェクトへの対応も図っております。

 

5)事業投資・サービスビジネス拡大策 
 事業投資、企画・マネジメントサービス、製造業などのビジネス分野において、自らが事業者として事業に投資、運営し、あるいはより事業者に近いサービスを提供できる企業グループへの変貌を図っております。  

①事業投資

 地球環境保全に対する意識の高まりを背景に、世界的に再生可能エネルギーへのシフトが加速し、同時に新興国の著しい成長により、エネルギー需要や社会インフラニーズの拡大が予測されることから、以下の分野において積極的に事業投資を推進しております。  
 ◇電力・新エネルギー分野
 ◇環境・水分野
 ◇資源開発分野
 ◇都市インフラ開発、新産業開発などの新分野  

②企画・マネジメントサービス

 資源開発計画、社会インフラ開発計画全体の企画・立案といったプログラムマネジメント、FEED(Front-End Engineering Design)、PMC(Project Management Consulting)など、事業者の視点に立った「企画・マネジメントサービス」を提供しております。企画・マネジメントサービスは、日揮グループが「Program Management Contractor & Investment Partner」として、顧客とともに新たな価値を創造していくにあたって中心的な役割を果たすビジネス分野であり、これまでに日揮グループが培ってきたEPCビジネスでの知見・経験を活用して、顧客のニーズを具現化し、新興国の産業化や地球環境保全の諸問題の解決に取り組んでおります。

③製造ビジネスなど

 製造ビジネスのうち、触媒・ファイン事業ではファイン事業のさらなる拡大に取り組んでおります。同時に触媒・ファイン事業も含め、IT事業、コンサルテーション事業など国内の子会社・関連会社で遂行している事業においては、海外展開の推進、日揮グループ会社間における連携強化などを推進し、さらなる強化を図っております。

 

4【事業等のリスク】

 日揮グループの事業その他に関するリスクで、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、平成25年3月31日現在において日揮グループ全体を視野に入れて判断したものであります。

 

①海外要因のリスク

 日揮グループの事業は海外売上高が全体の約8割を占め、相手国における経済リスク、政治・社会リスクなどのいわゆるカントリーリスクにさらされております。具体的には、不安定な政情、戦争、革命、内乱、テロ、経済政策・情勢の急変、対外債務不履行および為替・税金制度の変更などが考えられます。日揮グループは、これらのリスクに起因する事業への影響をできるだけ少なくするために、リスク管理体制の見直し・強化をはじめ、貿易保険の利用、代金の早期回収および企業連合の組成などの方策を講じておりますが、想定を超える事業環境の変化が発生した場合には、プロジェクトの中止、中断および遅延などによって、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②プロジェクト遂行上のリスク

 日揮グループのプロジェクト契約形態はその多くがランプサム・フルターンキー契約(一括請負契約)でありますが、一部にはリスクを低減するためのコストプラスフィー契約(実費償還型契約)、コスト開示型見積方式による契約などがあり、プロジェクトに応じて採用しております。日揮グループは過去の経験を十分に活用し、プロジェクト遂行中の各種リスクへの対応を織り込んで契約を行っておりますが、資機材価格・レーバーコストの急激な変動、自然災害および疾病の発生など、想定を超えるプロジェクト遂行上の問題および自己責任によるプラントに係る重大な事故が発生した場合には、プロジェクトの採算が悪化し、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③投資事業リスク

 日揮グループでは、石油・ガス・資源開発関連事業、新燃料事業、水・発電事業および都市開発・インフラ整備事業などへの投資を行っておりますが、新規投資および再投資実行の際にはリスク評価を行うとともに、既存事業については適時モニタリングを行うことで、適切なリスク管理を実施しております。しかしながら、原油・ガスなどのエネルギー資源の急激な価格変動に代表される投資環境の劇的な変化や推定埋蔵量の変化など、想定を超える事態が発生した場合には、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④為替リスク

 日揮グループの事業は、海外売上高のほとんどが外貨建て契約となっております。この為替リスク回避策として、マルチカレンシー建てによるプロジェクトの受注契約をはじめ、海外調達、外貨建ての発注および為替予約などの対策を状況に応じて採用しております。しかしながら、急激な為替変動は、日揮グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)当社が技術援助等を受けている契約

契約先

内容

契約期間

契約年月

コーク・グリッジ・インク(アメリカ)

蒸留棚段・蒸留塔用充填物の製造に関する技術

平成25年7月31日まで

平成元年6月

エクソン・リサーチ・アンド・エンジニアリング・カンパニー(アメリカ)

加熱炉に関する設計・建設技術

昭和57年6月2日以降は当事者の一方が60日前に通知することにより終結

昭和56年8月

ソシエテ・テクニーク・プーレ・エネージイ・アトミク(フランス)

放射性廃棄物を熱硬化性樹脂中に固化する処理技術

昭和61年4月10日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新

昭和54年1月

シェル・リサーチ・リミテッド(イギリス)

硫黄回収装置から出されるガスより酸性ガスを除去する方法(SCOT法)に関する技術

昭和59年8月31日以降は当事者の一方が3カ月前に通知することにより終結

昭和58年6月

ルルギガスーウント ミネラレール テクニック ゲー・エム・ベー・ハー

(ドイツ)

硫黄回収技術

平成13年12月31日以降は当事者の一方が1年前に解約通知しなければ1年毎に更新

平成4年1月

スルザー・ブラザース・リミテッド(スイス)およびスルザー・ブラザース・ケムテック・ピィーティーイー・リミテッド

(シンガポール)

塔内充填物および付帯機器類に関する技術

平成9年4月23日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新

平成4年4月

アスペン・テクノロジー・インク(アメリカ)

プロセス、機器設計、コスト推算およびプロセスデータベースソフト等の高度制御用ソフトウェア

平成27年3月31日まで

平成21年9月

ユー・オー・ピー

(アメリカ)

既設リファイナリーの収益性改善のためのコンサルティング手法

平成15年8月31日以降は、当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新

平成10年9月

マモー・トランスポート・ビー・ヴィ(オランダ)および日本通運株式会社

超重量物の据付に用いる油圧ジャッキ式門型クレーンの国内使用に関する協力

平成15年9月1日以降は当事者の一方が3カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新

平成12年9月

(2)当社が技術援助等を与えている契約

契約先

内容

契約期間

契約年月

ユー・オー・ピー

(アメリカ)

初期投資の大幅軽減と短納期を実現する新しい製油所設計技術

平成12年7月22日以降は1年毎に更新

平成9年7月

ユー・オー・ピー

(アメリカ)

天然ガスコンデンセート中の水銀とヒ素を除去する技術

平成15年1月14日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新

平成10年1月

(3)その他当社が締結している重要な契約

契約先

内容

契約期間

契約年月

アジャンス・ナショナル・プーラ・ゲション・デュ・ディシュ・ラディオアクティス(フランス)

放射性廃棄物処分技術に関する技術情報の交換および同分野におけるテクニカルサービス等の提供のための協力

平成15年9月14日以降は当事者の一方が6カ月前に解約通知しなければ1年毎に更新

平成10年9月

インベンシスシステムスエンジニアリング株式会社

高度制御用ソフトウェアパッケージ、オンライン最適用ソフトウェアパッケージの販売、導入に関する営業活動およびプロジェクト遂行のための協力

平成14年2月1日まで。ただし、当事者の一方より契約満了日の30日前までに解約通知しなければ1年毎に更新

平成13年2月

(4)関係会社が締結している重要な契約

日揮プラントソリューション㈱(当社の連結子会社)と日揮プランテック㈱(当社の連結子会社)との合併

  当社の連結子会社である日揮プラントソリューション㈱と日揮プランテック㈱は、下記2点を目的として平成25年4月1日開催の取締役会において、両社の合併を決議しました。また、同日に両社は合併契約を締結し、平成25年4月8日に開催された合併承認株主総会にてそれぞれ承認されました。

 ・総合的な事業展開の推進

 ・技術力・コスト競争力の強化

 なお、合併の概要は次のとおりであります。

① 合併の方法

  日揮プラントソリューション㈱を吸収合併存続会社、日揮プランテック㈱を吸収合併消滅会社とし、日揮プランテック㈱は解散する。なお、合併後の当該子会社商号は日揮プラントイノベーション㈱となる予定であ

 る。

 

② 合併に際して発行する株式および割当

  日揮プラントソリューション㈱は、合併に際して普通株式1,500株を発行し、合併期日直前における日揮プランテック㈱の株主名簿に記載された株主に対して、日揮プランテック㈱の株式180株につき、日揮プラントソリュー

 ション㈱の株式1株を割り当てる。

 

③ 合併比率の算定根拠

  両社の1株当たり純資産の額を基礎に合併比率を算定し、その算定結果を参考として、合併当事者間において協議の上、上記比率を決定した。

 

④ 合併の期日

  平成25年7月1日

 

⑤ 財産の引継

  日揮プラントソリューション㈱は、平成24年3月31日現在の日揮プランテック㈱の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに合併期日までの資産および負債の変動を反映させた一切の資産および負債その他の権利義務を合併期日において引き継ぐ。

 

⑥ 吸収合併存続会社となる会社の資本金・事業の内容(当該吸収合併後)

  資本金:830百万円

  事業の内容:総合エンジニアリング事業

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度は、引き続き中期経営計画「NEW HORIZON 2015」に沿って“テクノロジービジネスクリエーター"を目指し、技術を基にビジネス開発を推進してきました。重点戦略を①開発技術の早期商業化とライセンスビジネスの拡大、②成長分野における新規ビジネスの創出と推進、③オープンイノベーションの活用による社外との連携強化とし、資源、社会インフラ・ライフサイエンス、環境・新エネルギーの各分野に注力してきました。なお、当連結会計

年度の研究開発費の総額は、45億27百万円(消費税等は含まない)です。

 

① 総合エンジニアリング事業 

コアビジネスである設計・調達・建設(EPC)ビジネス分野においては、既存のハイドロカーボン分野、ノンハイドロカーボン分野に加えて、EPCビジネスの領域拡大を目指し、洋上LNG(フローティングLNG)分野、インフラ分野に継続して取り組んできました。また、今後増加が見込まれるモジュール工法を採用したプロジェクトへの対応も進めて

います。

 

石油資源・精製分野

埋蔵量が豊富なオイルサンド油等の超重質原油や重質原油は、軽質原油の代替として、年々生産量が増加しています。井戸元からの原油の輸送や消費地での精製を容易にするために、重質原油の新しいアップグレーディング技術として超臨界水を利用した改質技術(SCWC)の開発を国内外の研究機関と共同で継続して取り組んでいます。昨年度から独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の補助事業として、商業プラントの設計に必要なスケールアップ手法の確立等を目指したミゼット装置(5BPSD)による開発を行っており、当連結会計年度においては、装置の建設を終

え、試験運転を行いました。

 

天然ガス分野

中長期にはエネルギー供給は逼迫すると予想されており、これまでコスト面で開発が難しいとされてきた海洋ガス田、シェールガス、中小ガス田や高濃度二酸化炭素(CO2)含有ガス田が注目されています。天然ガスに含まれるCO2を効率的(低コスト、省エネルギー)に分離・回収するHiPACT技術については、世界各地の天然ガス生産設備や化学品合成事業向けに商業化を進めています。また、海洋ガス田向けの洋上LNG生産設備や、中小ガス田向けの陸上小型LNG生産設備やの開発については、継続して取り組むとともに、同プラントのEPCと連携したO&M(Operation and Maintenance)の手法では基本スキームの開発を終え、O&Mサービスの販売活動に着手しています。LNG生産設備の開発では、安定したLNG生産量を保つための冷却装置最適配置方法を確立しつつあり、特に空気冷却装置については操業場所の気象条件も考慮した最適配置方法の実用化を進めています。さらに、同設備に対しては、最新のHSE(Health,

Safety, Environment)評価手法の採用等により、経済性と安全性の両立を継続して図っています。

天然ガスやシェールガスは液体燃料製造や高付加価値の化学品製造の原料としても期待されています。天然ガス原料出発のメタノールやジメチルエーテルと未有効利用オレフィン類の混合原料または天然ガスのみを原料とするプロピレン製造プロセスは化学会社との共同による実証試験で目標性能を確認し、現在産ガス国や化学会社等に対して営

業活動中です。

 

ケミカル・非鉄金属分野

石油化学向けに開発した高性能向流多段液々抽出装置WINTRAY®については、種々のケミカル分野や非鉄分野でコスト削減と省エネルギー化に貢献することが認められており、適応分野の更なる拡大を目指して改良・開発を継続して

います。

 

一般産業分野

低炭素社会に向けたスマートコミュニティで必要となるエネルギーマネジメントシステムの開発と実証試験に向けた開発を進めており、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の次世代エネルギー・社会システム実証事業に参加し、商業施設を対象としたフィールドテストを実施しています。また、インド等海外向けのスマートコミュニティの

計画立案にも取り組んでいます。

ライフサイエンス分野は、製薬プロセスに留まらず一般科学分野にも適用可能な酵素固定化技術および動物細胞培養に有効なマイクロバブル発生技術の適用範囲拡大を目指して開発を継続しています。酵素固定化は担体を製造する関係会社と連携して、化学会社や製薬会社に固定化技術を供与し、商業化を目指す活動を継続しています。また、新たに包材メーカーとの協業により無菌フェルールバックの開発、製造、販売を開始しました。さらに、病院建設では、病院に関わる業務全体を包含した経営支援システムを開発し、病院総合運営パートナー事業にも踏み込んだ展開

を進めています。

 

新規事業創出分野

スペインで参入した太陽熱発電事業を通して、太陽熱発電の事業ノウハウと技術知見を深め、新規事業を推進中です。また、新たな太陽熱発電技術や太陽熱を利用した海水淡水化技術を異業種の企業、大学と連携して開発しています。中東地域での高効率な太陽光発電技術の実証と商業化を目指して、製造会社や大学と連携してその可能性を検討

しています。

低品位炭を原料とする石油代替燃料(JGC Coal Fuel: JCF®)については、インドネシアで年産1万トン規模の実証プラントの運転を行っています。このプロセスは低品位炭を高圧熱水により改質させた後、水と混合してスラリー燃料

に加工する当社の独自技術で、インドネシアのエネルギー自給に貢献します。

非食物系バイオマスを原料にしたエタノール製造については、次世代技術として酵素法の開発を継続しています。

 

 なお、当事業での研究開発費は16億62百万円(消費税等は含まない)です。

 

② 触媒・ファイン事業 

石油精製分野

近年の石油精製が直面する主な課題は、原油の重質化、重油需要の減少、そして石化原料需要の増加への対応であり、これら課題に触媒面から対応すべく流動接触分解用触媒(FCC)として、重質油の白油化、プロピレン増産用向けに一層高活性な触媒開発を推進しています。また、これらの触媒機能を促進するアディティブ触媒の高活性化を進

め、近く商業装置へ納入します。

地球環境保護のために、既に先進国では軽油に厳しい硫黄濃度規制(サルファーフリー化)が実施されていますが、この動きは新興国へも拡大しており、世界的に水素化処理触媒の需要は伸びると予想されています。このような状況下において、これまでにない高活性な軽油サルファーフリー用脱硫触媒を開発し、近く商業装置へ納入します。

また、新たな直脱用脱メタル触媒の開発に続き、高性能直脱用脱硫触媒の開発を行いました。

 

石油化学分野

 米国発のシェール革命によりケミカルプロセスの再構築が進められる中、国内の石油化学メーカーはますますグローバル化を推し進めています。これを受けてグローバル化を喫緊の課題として取り組み、海外向けケミカル触媒の売上は堅調な伸びをみせています。また、触媒の開発では、高機能樹脂用途向けのニッケル触媒やグリーンサステイナ

ブルケミカル向け各種ゼオライト触媒性能の向上のため調製技術の開発を進めています。

 

環境保全分野

脱硝触媒では、ガス焚き発電所の低負荷時に発生する高NO2(二酸化窒素)含有NOx(窒素酸化物)排ガスを処理できる新型の触媒を国内企業と共同で開発し、商業化を推進しています。また、ガス焚き発電所の総発電効率を上げるため、ハニカム触媒の壁厚の薄肉化や高開口率化を試み、圧力損失の低い触媒を商業化しました。石炭焚き発電では、CO2削減のために木屑等のバイオマス燃料を混焼する傾向がありますが、燃料中の触媒劣化成分が石炭専焼よりも

多いため、この劣化を抑制する触媒の開発を進めています。

 中国では火力発電所の脱硝装置の設置がピークに達し、これを受けて同国触媒メーカーへ触媒原料を拡販すべく、

高品質かつ安価な触媒原料の開発・商品化を進めています。

 

クリーンエネルギー分野

 クリーン燃料用触媒の開発とクリーンエネルギー/再生可能エネルギー創出デバイス用材料の開発に取り組んでいます。バイオマス関連触媒、GTL(Gas to Liquids)触媒に関しては国内外の顧客と共同開発を進め、早期の商業化を図っています。燃料電池用材料は本格的な事業化に向け、量産体制の確立に取り組んでいます。リチウムイオン2次電池用正極材は、次世代向けに高エネルギー密度(高電圧・高容量)の正極材の開発に取り組んでいます。また、有機系太陽電池用電極材の次世代チタニアペーストの開発では国内外の顧客から高い評価を受け、事業化に向けた量産化技

術を継続して開発しています。

 

生活関連・化粧品分野

プラスチック眼鏡市場向けの高屈折率ゾルグレードは世界的に高シェアを維持しています。また、全屈折率眼鏡に対応できるオプト材料商品の品揃えを果たし、このオプト材料を用いてコーティング液(ラッカー材)を開発し、中

国、新興国へ販売を強化しています。

 化粧品は高級品とコモディティ化の二極化が進む市場環境に対応して、世界トップ化粧品メーカーの高い要求品質に対応した開発を進めています。また、新感触系材料と肌感触効果の両面を有する新たなコモディティ化材料も開発

し、販売促進活動を展開中です。

 

電子材料分野

シリカゾル事業拡大のため精密研磨砥粒用途の拡販を展開し、ハードディスク用のシェアアップとベアーシリコン研磨分野および新規用途への参入を図りました。ベアーシリコンの一次研磨分野として、顧客との共同開発による中純度シリカコロイドの生産も開始しています。また、アルミハードディスク用の一次研磨アルミナ代替分野の高研磨レートを有するナノ組織構造を制御したシリカコロイド系の開発に注力しています。さらに硝子ハードディスク次世

代用の高純度化シリカゾル商品の品揃えを充実させています。

IT関連市場は、スマートフォン携帯端末が市場を牽引し、この携帯端末に必須なタッチパネル付高品位液晶装置用部材の商品化に注力しています。これらの携帯端末機として帯電防止フィルム用の導電材および導電塗料と反射防止用LR(Low Reflection)塗料の商品化が進展しています。さらに、次世代携帯端末用の低反射防止フィルム用低反射材料は顧客と共同開発を進め、商品化を進めています。また、太陽電池用反射防止材の開発として、コストダウン品

種等の商品化にも注力し、大手ガラスメーカーでの採用が決定しました。

 液晶材料関連分野では、静電容量タッチパネルの導電硝子用としての高強度絶縁形成塗布液の台湾大手メーカーでの立ち上げに注力しています。今後大きな進展が予想される導電フィルムタイプのタッチパネル用としての低光活

性・高屈折率ゾルの開発にも注力しています。

 

ファインセラミックス分野

 ハイブリット車、電気自動車、太陽光発電、LED照明等の高電力用のパワーデバイスを支える放熱用基板としての

「高熱伝導率窒化珪素基盤」の性能アップの開発を行っています。

 また、非酸化物系セラミックスの材料開発ならびにシリーズ化、セラミック金属複合材(AMC)の開発にも注力しています。

 

 なお、当事業での研究開発費は27億45百万円(消費税等は含まない)です。

 

 また、総合エンジニアリング事業および触媒・ファイン事業に加え、その他の事業において1億20百万円(消費税

等は含まない)の研究開発費を計上しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績

 日揮グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,246億37百万円(前期比12.1%増)、営業利益641億23百万円(前期比4.4%減)、経常利益724億89百万円(前期比0.1%減)、当期純利益461億79百万円(前期比18.1%増)となりました。

① 売上高

 売上高は工事進行基準案件での順調な進捗の結果、前連結会計年度に比べて676億70百万円増加し、6,246億37

百万円となりました。

② 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べて699億37百万円増加し、5,401億64百万円となりまし

た。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて6億63百万円増加し、203億49百万円となりました。

③ 営業利益

 営業利益は完成工事総利益の減少に伴い、前連結会計年度に比べて29億30百万円減少し、641億23百万円となり

ました。

④ 営業外損益

 営業外損益は、為替差益の計上等により、前連結会計年度の54億97百万円の利益(純額)から、83億66百万円

の利益(純額)と28億68百万円の増加となりました。

⑤ 税金等調整前当期純利益

 特別損益は、前連結会計年度の10億72百万円の損失(純額)から、101億76百万円の損失(純額)となりました。これは、当連結会計年度において、投資損失引当金繰入額および債務保証損失引当金繰入額が発生したことが主な原因であります。結果として当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ

て91億65百万円減益の623億12百万円となりました。

⑥ 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額

 法人税、住民税及び事業税は、税金の戻り等があったため、前連結会計年度に比べて50億28百万円減少し、203億76百万円となりました。加えて、法人税等調整額が△42億90百万円となり、税金費用負担額(純額)は160億86百万円となりました。

⑦ 少数株主損益

 少数株主損益は、前連結会計年度より4億32百万円減少の46百万円となりました。

⑧ 当期純利益

 結果として、当期純利益は前連結会計年度に比べて70億67百万円増益の461億79百万円となりました。

2.財政状態およびキャッシュ・フロー

 当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し

622億20百万円増加し、2,847億77百万円となりました。

 営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益を623億12百万円計上し、手持工事に係る客先からの順調な入金や法人税等の支払などにより、結果として850億10百万円の増加となりました。投資活動による資金は、新事業分野への投資などにより、283億70百万円の減少となりました。財務活動による資金は、新規の借入や配当金の支払などにより36億95百万円の減少となりました。なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりとなりまし

た。 

 

平成23年3月期

平成24年3月期

平成25年3月期

自己資本比率(%)

56.3

55.2

53.4 

時価ベースの自己資本比率(%)

104.9

123.1

95.5 

債務償還年数(年)

0.4

0.1

0.2 

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

86.2

145.3

338.6 

 (注) 自己資本比率          :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率    :株式時価総額/総資産

債務償還年数          :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

*各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算している。

*有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としている。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用

 している。また、利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。

 当連結会計年度の連結財政状態は、総資産が6,287億57百万円となり、前連結会計年度比で1,025億88百万円増加しました。純資産は3,360億83百万円となり前連結会計年度比450億41百万円の増加となりました。

 

 また、連結貸借対照表に係る指標は以下のとおりとなりました。

 

平成23年3月

平成24年3月

平成25年3月

流動比率

183%

183

175

固定比率

56%

52%

    50%

 (注) 流動比率:流動資産/流動負債

固定比率:固定資産/純資産合計

各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算している。

 

8【その他】

アルジェリア当社プラント建設現場におけるテロ事件に関する件

 平成25年1月にアルジェリアで発生した当社プラント建設現場におけるテロ事件を受け、当社のセキュリティ体制のさらなる強化・拡充を図るため、同年4月1日付でセキュリティ対策室を本部単位の組織に改め、平時の情報収集・分析の強化、各種予防策の拡充、有事における対応等、政府、省庁をはじめとする関係各位の協力のもと、従来にも増してその機能強化に努めております。





出典: 日揮株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書