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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新興国市場の需要拡大による輸出関連企業の復調や個人消費の増加により、緩やかな回復の兆しが見られました。しかしながら、期中における急激な円高の進行、デフレの影響、雇用情勢の回復の遅れ等、依然として先行不透明な状況の中、推移してまいりました。
 当社グループの主要ユーザーであります医薬業界は、日米共に医療費抑制策の影響を受けて、熾烈な競争が続いております。その中にあって、ジェネリック医薬品を主力とするメーカーにおきましては、設備意欲は強いものがあります。

 こうした情勢のもと、当社グループは新製品の拡販をはじめ、既存とは異なった市場の開拓を目指し、フロイント・ターボ株式会社(旧ターボ工業株式会社)をM&Aにより取得し、また当社グループの欧州拠点であるFREUND PHARMATEC Ltd.も事業を開始しております。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高132億57百万円(前連結会計年度比2.4%増)、営業利益6億80百万円(同29.9%減)、経常利益6億98百万円(同26.6%減)となりました。当期純利益は、特別利益にフロイント・ターボ株式会社(旧ターボ工業株式会社)の株式取得(子会社化)による負ののれん発生益3億3百万円を計上しましたが、特別損失に厚生年金基金脱退拠出金2億73百万円、本社及び大阪事業所、名古屋営業所の移転費用として事務所移転費用59百万円を計上したことにより、5億16百万円(同8.3%減)となりました。

〔事業の種類別セグメント〕
・機械部門
 造粒・コーティング装置を主力とする機械部門においては、米国子会社VECTOR CORPORATIONは、国内の景気回復の遅れに影響を受けながらも、国内外への積極的な営業展開を図り現地通貨では過去最高の売上高となりました。また、期中子会社化したフロイント・ターボ株式会社は、売上高・営業利益ともに順調に推移いたしました。当社においては、期中より受注に回復の基調がみられたものの、前年度にみられた高利益率の海外大型案件が減少したこと等により、売上高、営業利益とも減少となりました。

 この結果売上高は81億64百万円(同2.7%増)、営業利益は6億19百万円(同26.0%減)となりました。

・化成品部門
  化成品部門においては、医薬品の経口剤に使用される医薬品添加剤は、一部高利益率製品の生産調整が継続したことにより、売上高、営業利益ともに減少となりました。一方、食品品質保持剤は菓子、食品業界への供給量が増加し、また、栄養補助食品は受託製品が好調なこともあり、売上高、営業利益ともに前年を上回りました。

 この結果、売上高は51億63百万円(同3.4%増)、営業利益3億88百万円(同20.7%減)となりました。

〔所在地別セグメント〕 

・日本
 日本においては、食品品質保持剤及び栄養補助食品は好調に推移し、また、フロイント・ターボ株式会社も順調な動きでしたが、当社機械部門の落込みや、機能性添加剤の生産調整継続により、売上高は前年を上回るものの、営業利益は減少となりました。

 この結果、売上高は106億30百万円(同4.5%増)、営業利益は9億36百万円(同21.2%減)となりました。

・米国
 米国においては、国内外への積極的な営業展開を図り、現地通貨では増収となりましたが、急激な円高の影響を受け円換算後は、売上高・営業利益とも減少となりました。
 この結果、売上高は27億56百万円(同3.1%減)、営業利益は1億13百万円(同5.3%減)となりました。 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ9億15百万円減少(前年同期は62百万円の増加)し、当連結会計年度末には21億32百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、65百万円(前年同期比85.7%減)となりました。負ののれん発生益3億3百万円といった減少要因があったものの、仕入債務の増加1億1百万円といった増加要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は、6億23百万円(前年同期は1億98百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億66百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2億12百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は、1億96百万円(前年同期は1億54百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額1億29百万円によるものであります。 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年3月1日

至 平成23年2月28日)

前年同期比(%)

機械部門(千円)

7,712,741

1.1

化成品部門(千円)

3,253,421

0.3

合計(千円)

10,966,162

0.8

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年3月1日

至 平成23年2月28日)

前年同期比(%)

化成品部門(千円)

2,359,718

6.2

合計(千円)

2,359,718

6.2

 (注)1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当連結会計年度における受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

機械部門

9,924,289

38.0

5,197,981

67.8

化成品部門

1,081,389

25.7

84,889

△39.3

合計

11,005,679

36.7

5,282,870

63.1

 (注)1.化成品部門のうち医薬品添加剤と、一部の食品品質保持剤及び栄養補助食品は、販売計画に基づいた見込生産によっておりますので記載を省略しております。

2.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年3月1日

至 平成23年2月28日)

前年同期比(%)

機械部門(千円)

8,094,540

1.8

化成品部門(千円)

5,163,363

3.4

合計(千円)

13,257,904

2.4

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

  当社の対処すべき課題として、当社の主要ユーザーであります医薬業界は、国内における薬価基準の引下げや医療費抑制策の進展、欧米製薬企業や専業大手の攻勢激化、国際的な新薬開発競争の激化などに直面しております。そのような環境下にあって、より国際的競争力を高めるため、造粒・コーティング技術を軸とした研究開発・新製品・商品の開発が急務となっております。また、新たな市場の開拓として、本邦及び北米が主でありました販売先を欧州、アジア、BRIC's諸国等の新興国市場へも販路を拡大し、グローバルな市場での認知度の向上、販売シェアの拡大が必要となっております。

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業は、下記に記載する様々なリスクに晒されており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能なかぎり発生の防止に努め、また、発生した場合は迅速・的確に対処する方針です。ただし、全てのリスクを網羅している訳ではありません。

 なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものです。

(1)業界動向に関わるリスク

 当連結会計年度における売上高のうち、製薬業界向け取引高が過半を占めております。製薬業界は国内・海外とも再編成時代を迎えており、また、医療費抑制に向けた各国の政策等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)価格競争に関わるリスク

 機械事業については、競合企業の低価格攻勢やエンジニアリング会社の参入、中国・東南アジア製の安価な製品との競合などにより、厳しい価格競争に晒されるリスクが増大しています。当社グループは利益率の低下に対処すべく、原価低減などに取り組んでおりますが、予想外の価格競争になった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)取引先との関係等に関わるリスク

 国内の機械事業については、その製造部門を特定の業務提携先に大きく依存しており、化成品事業のうち医薬品添加剤についても主要な取引先への販売比率が高まっております。業務提携先の生産能力や技術力、経営状態や主要販売先の需要動向の著しい変化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)戦略的パートナーとの提携関係に関わるリスク

 当社グループは、新技術・新製品の開発、並びに既存製品の改善・改良などに関して数多くの戦略的提携関係を構築しておりますが、これらパートナーの戦略上の目標変更や財務上その他の事業上の問題の発生などにより、提携関係を維持することが出来なくなる可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)知的財産権に関わるリスク

 研究開発型企業を標榜する当社グループは、特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも常に注意を払っておりますが、万一、侵害を受けた場合は、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合、係争に発展し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)製造物責任に関わるリスク

 当社グループが提供する製品およびサービスには高い信頼性が求められておりますが、欠陥が生じるリスクがあります。製造物にかかる賠償責任については製造物賠償責任保険に加入しておりますが、保険でカバーされないリスクや社会的評価の低下により、当社グループへの信頼が損なわれ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)公的規制等に関わるリスク

 当社グループが事業展開している世界各地において、事業に関わる許認可、輸出入に関する制限や規制など様々な公的規制を受けております。また、通商、公正取引、特許、消費者保護、租税、為替管理、環境関連などの法規制の適用も受けており、これらは随時見直されております。各種規制の動向には十分注視しておりますが、遵守出来なかった場合、当社グループの活動が制限を受けたり、制裁金などが課される可能性があるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)人材の確保に関わるリスク

 当社グループは、新製品を開発し、或いは上市した製品を販売するために有能な人材を確保し、雇用を維持する必要があります。そのために、当社グループは技術系大卒者を中心に定期採用を実施し、採用後の社員教育研修制度などにより人材の確保、育成に努めております。万一、優秀な技術者や高い実績を挙げられる営業員を確保出来ない事態や、雇用の維持が出来なくなった場合、当社グループの事業目的の達成が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)為替変動に関わるリスク

 当社グループは、為替リスクを軽減し、または回避するために様々な対策を講じておりますが、事業の国際化にともない海外売上高は年々増加し、当連結会計年度における売上高は32億36百万円となり、連結売上高全体の24.4%を占めております。海外売上高の大半はドル・ユーロ建取引であり、各為替レートの変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)自然災害等に関わるリスク

 地震等の自然災害によって、当社グループの製造拠点および設備等が破壊的な損害を被る可能性があります。火災はもとより、地震により発生する損害に対しては地震保険を付保しているものの、その補償範囲は限定されており、操業の中断、生産および出荷が遅延し売上高は減少し、さらに、製造拠点等の修復に巨額の費用を要することにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社が締結している契約等は次のとおりであります。

(1)技術供与契約

 該当事項はありません。 

(2)技術導入契約

提携先

国名

提携内容

契約締結日・期間

武田薬品工業㈱

日本

乳糖・結晶セルロースの小粒径の球形顆粒応用特許の実施許諾契約

(特開平5−92918)

平成10年4月27日から

平成24年3月16日まで

 (注) 上記については、ロイヤリティーとして売上高の一定率を支払っております。

(3)販売の提携

提携先

契約年月日

提携内容

契約期間

㈱大川原製作所

昭和55年3月3日

昭和56年12月21日

(契約更改)

昭和60年7月29日

(契約更改)

当社機械装置及び関連機器の製造及び国内販売に関する事項(業務提携契約)

昭和55年3月3日から平成2年3月2日まで(自動更新中)

SEPPIC

(フランス)

平成16年12月14日

動物ワクチン用安定助剤「モンタナイド」及び注射用界面活性剤「モンタノックス」の日本国内独占販売に関する事項(輸入独占販売契約)

平成16年12月14日から

平成18年6月13日まで

 (自動更新中)

6【研究開発活動】

 当社グループは医薬品・食品業界のニーズを先取りした技術開発型企業として研究開発を進めています。とくに、造粒およびコーティング技術をキーテクノロジーとして、信頼性の高い製品を市場に提供できる独創的な機械装置(ハード)と機械装置に適合性のある機能性添加剤の開発(ソフト)を主軸とし、ハードとソフト両面から顧客満足度の高い取り組みを行っています。 

 当連結会計年度における各部門別の研究開発の取り組み状況及び成果はつぎのとおりであります。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3億55百万円であります。

 1.機械開発

① 高速攪拌造粒装置の開発

② 高活性物質を封じ込める造粒コーティング装置の開発

③ 全周通気式新型錠剤コーティング装置のシリーズ開発

④ 微粒子コーティング技術の開発

⑤ カートリッジフィルター洗浄装置の機能改良

 2.添加剤開発

① 直接打錠用マンニトール造粒物(医薬品添加剤)の開発

②  新規ノンパレル(製剤原料用球形粒子)の開発

③ キトサンを用いた大腸DDS(薬剤搬送系)製剤の開発

④ マンニトール球形粒子の小粒子径グレードの応用開発

 3.品質保持剤開発

①  アルコール蒸散剤の開発

②  アルコール製剤(除菌剤)の開発 

  また、研究開発の成果としまして当連結会計年度に登録になりました特許は国内7件、外国7件であり、特許出願数は国内10件、外国10件であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

 当社グループは健全な財政状態の維持と流動性確保および自己資本の充実を財務方針としております。

 当連結会計年度末(以下「当期末」という)における総資産は121億96百万円となり前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて1億46百万円増加いたしました。

 増減の主な内訳は以下のとおりであります。

①流動資産

 当期末の流動資産は82億61百万円となり前期末より2億21百万円減少いたしました。

 減少の主な要因は、現金及び預金の減少によるものであります。

②固定資産

 当期末の固定資産は39億35百万円となり前期末より3億68百万円増加いたしました。

 増加の主な要因は、FREUND PHARMATEC LTD.設立に伴う設備投資により有形固定資産が増加したためであります。

③流動負債

 当期末の流動負債は35億1百万円となり前期末より26百万円減少いたしました。

 減少の主な要因は、仕入債務の増加1億76百万円があったものの、前受金の減少1億42百万円があったためであります。

④固定負債

 当期末の固定負債は6億23百万円となり前期末より40百万円増加いたしました。

 増加の主な要因は、退職給付引当金の増加によるものであります。

 (2) キャッシュ・フローの状況の分析

   キャッシュ・フローの状況につきましては、「1〔業績等の概要〕」に記載しております。

 

(3) 経営成績

① 当連結会計年度(以下「当期」という)において、機械部門では、米国子会社VECTOR CORPORATIONは、国内の景気回復の遅れに影響を受けながらも、国内外への積極的な営業展開を図り現地通貨では過去最高の売上高となりました。また、期中子会社化したフロイント・ターボ株式会社は、売上高、営業利益ともに順調に推移いたしました。当社においては、期中より受注に回復の基調がみられたものの、前年度にみられた高利益率の海外大型案件が減少したこと等により、売上高、営業利益とも減少となりました。この結果、機械部門の売上高は81億64百万円(同2.7%増)、営業利益は6億19百万円(同26.0%減)となりました。

 化成品部門においては、医薬品の経口剤に使用される医薬品添加剤は、一部高利益率製品の生産調整が継続したことにより、売上高、営業利益ともに減少となりました。一方、食品品質保持剤は菓子、食品業界への供給量が増加し、また、栄養補助食品は受託製品が好調なこともあり、売上高、営業利益ともに前年度を上回りました。この結果、化成品部門の売上高は51億63百万円(同3.4%増)、営業利益3億88百万円(同20.7%減)となりました。

② 売上原価は93億18百万円となり前期より6億42百万円増加いたしました。売上高の増加が主な要因であります。

③ 売上総利益は39億39百万円となり前期より3億27百万円減少いたしました。

④ 販売費及び一般管理費は積極的な経費節減等により、前期より37百万円減少の32億59百万円となりました。

⑤ 営業利益は6億80百万円となり前期より2億90百万円減少しております。

 売上高は前期より増加しておりますが、高利益率案件の減少により原価率が上昇しております。

⑥ 営業外収益は58百万円となり前期より4百万円増加しております。

  助成金収入によるものであります。

 

⑦ 営業外費用は40百万円となり前期より32百万円減少しております。
  為替差損の減少によるものであります。

⑧ 経常利益は6億98百万円となり前期より2億53百万円減少しております。

 原価率上昇のため、売上原価が前期より増加したことによります。

⑨ 特別利益は、前期より3億6百万円増加し、3億12百万円となりました。
  負ののれん発生益計上によるものであります。

⑩ 特別損失は、前期より3億38百万円増加し、3億40百万円となりました。
 増加の主な要因は、事務所移転費用59百万円、厚生年金基金脱退拠出金2億73百万円を計上したことによります。

⑪ 当期純利益は5億16百万円となり前期より46百万円減少しております。

  税金等調整前当期純利益が2億85百万減少したものの、法人税、住民税及び事業税が3億29百万円減少したことによります。





出典: フロイント産業株式会社、2011-02-28 期 有価証券報告書