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セクション一覧

第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(自平成16年3月21日至平成17年3月20日)におけるわが国経済は、年初は企業収益の改善による設備投資の持ち直しが見られたほか、欧米や中国向け輸出を中心とする海外需要やデジタル家電の伸長で景気の回復が持続してきました。しかし、年央に入ると米中両国が金融の引き締めに転じたことで欧米や中国向け輸出の勢いが鈍化し、デジタル家電の需要が低下したことから電子部品・デバイス分野の在庫調整が必要となってくるなど景気の踊り場的な状況が現れてきました。もっとも、中国経済が依然高い成長を持続していること、電子デバイス分野の在庫調整は限定的であること、企業収益の改善から設備投資意欲が衰えていないことなどから中期的な回復トレンドの中での一時的な調整局面と見られています。

このような情勢の中、当社グループの所属する日本フルードパワー工業会による統計では平成16年度の油圧機器出荷見込額は2,809億円(前年対比13.2%増)、空気圧機器出荷見込額は3,045億円(前年対比14.3%増)となりました。

当社グループの油空圧機器部門においては、仕入素材価格の高騰や激しい販売価格競争の環境の中にありましたが、企業収益の改善による一般産業機械への設備投資が増加したことや、中国向け輸出設備や半導体産業、自動車産業の設備投資需要が旺盛であったことから当社グループの油空圧機器製品の受注も好調に推移し、前年を上回る業績を上げることができました。

また、機械・装置部門でも当部門の主要顧客であります自動車産業の設備投資が国内外で拡大したこと、また半導体産業の設備投資も旺盛であったことから同様に前年を上回る業績を上げることができました。

当社グループは、今年度、高精度の位置決めと速度制御が可能な高把持力の電動グリッパを開発し発売いたしました。油空圧技術に電気、電子の技術を融合化した製品はこの他にもあつかんサーボ、電動ダイヤフラムポンプ、デジタルフロースイッチなどがあり、環境負荷を低減した省エネタイプで経済性に優れた高精度製品の開発を進めてまいりました。また、次世代駆動源であるアクアドライブシステムに最適なアクチュエータの開発を行うなど、油圧、空気圧から電動、水圧に至る幅広い製品開発に取り組む「モーションコントロール」の専門メーカーとして顧客の様々なニーズにお応えしてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、210億9千3百万円(前連結会計年度比12.9%増)、営業利益は15億5千7百万円(同100.2%増)、経常利益は15億2千3百万円(同105.0%増)となり、当期純利益は7億9千2百万円(同105.6%増)となりました。

 

事業の種類別セグメントの状況は次の通りであります。

油空圧機器事業

当業界は、国内の民間設備投資が増加したことや中国向けを中心としたアジア各国への輸出が堅調であったこと、半導体や自動車、製鉄関連などの設備増強により工作機械及び一般産業機械の需要が旺盛であったことから油空圧機器出荷額は大きな伸びを示しました。しかしながら一方で、鉄鋼材料価格の数次に及ぶ改定により仕入価格が高騰し、素材インフレの様相さえ呈するようになってきました。

このような状況の中、当事業部門では工作機械、一般産業機械用油空圧シリンダのほか、製鉄機械、環境プレス、自動車関連設備向けの特殊油圧シリンダやアルミダイキャストマシン用アキュムレータなどの受注が好調に推移いたしました。さらに、エレベータ用油圧機器では、競合他社の破綻の影響により顧客から緊急納期対応の要請を受け大幅に受注が増加しました。また、顧客ニーズにマッチした商品として電動グリッパを開発し発売するなど新商品の提供を積極的に行ってまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は、149億円(前連結会計年度比8.4%増)、営業利益13億円(同51.0%増)となりました。

 

機械・装置事業

当業界の中の半導体業界は、デジタル家電や携帯電話などの需要が旺盛であったことから半導体製造装置の設備投資は増加してきました。しかしながら年半ばになるとこれらの需要が減少し、電子部品・デバイス分野の在庫が増加し始めたことから、後半は一時的な在庫調整期間に入りました。一方、自動車業界は、北米やアジア地域などで世界的な設備投資の展開が活発に行われてきました。

このような状況の中、当事業部門の半導体装置グループでは顧客ニーズに対応した製品開発と万全な生産体制を取ることにより次世代機種の量産出荷も始まりました。また、システム装置グループでは自動車業界の活発な設備投資により売上、受注ともに好調に推移したことから本社工場の近隣に倉庫兼工場を借り上げ、システム装置の増産体制に対応いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は、61億9千3百万円(前連結会計年度比25.4%増)、営業利益9億5千2百万円(同62.6%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金の増加8億5千3百万円、投資活動による資金の増加1億9千1百万円及び財務活動による資金の減少3億1千1百万円等により、当連結会計年度末には42億9百万円(前連結会計年度比7億1千5百万円増加)となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、「(1) 業績」で記載した要因等により税金等調整前当期純利益が14億5千5百万円(前連結会計年度は7億8千6百万円)と増加する一方で、たな卸資産の増額により6億6百万円(同2億6千3百万円の資金増加)、法人税等の支払により4億3千6百万円(同3千1百万円の資金減少)の資金が減少したことから、8億5千3百万円の資金増加(同16億7千7百万円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1億9千1百万円の増加(前連結会計年度は8億2千万円の資金減少)となりました。

これは主として、当連結会計年度においては投資有価証券の売却により4億8千8百万円(同1億2千9百万円の資金増加)、預金の払出による収入2億6百万円(同1億3百万円の資金増加)の資金増加がある一方、投資有価証券の取得による支出が前連結会計年度比で5億7百万円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3億1千1百万円の資金減少(前連結会計年度は10億3千万円の資金減少)となりました。

これは主として、当連結会計年度においては長期借入れによる収入2億2千1百万円の資金増加、一方で長期借入金の返済による支出4億7千6百万円の資金減少(同9億9千6百万円の資金減少)によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメント毎に示すと、次の通りであります。

事業の種類別セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

油空圧機器部門

15,091,961

110.6

機械・装置部門

6,768,504

144.3

合計

21,860,465

119.2

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメント毎に示すと、次の通りであります。

事業の種類別セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

油空圧機器部門

14,036,721

111.1

機械・装置部門

7,046,777

147.8

合計

21,083,498

121.2

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメント毎に示すと、次の通りであります。

事業の種類別セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

油空圧機器部門

14,900,349

108.4

機械・装置部門

6,193,140

125.4

合計

21,093,490

112.9

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

 

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 

東京エレクトロンAT㈱

1,660

8.8

2,209

10.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

米中の金融引き締めの影響から世界経済の成長はスローダウンに向かい、わが国経済も外需を中心に鈍化することから国内景気の減速傾向が出てくるものと思われます。日本フルードパワー工業会による平成17年度の油圧機器の出荷額見通しは、対前年比1.4%増、空気圧機器では0.8%増とそれぞれほぼ横ばいの予測をしています。また、昨年来の素材価格の高騰による材料調達コストの上昇は製造業の収益を一段と圧迫することになるものと思われます。

このような環境下、昨年、再構築しました新原価計算制度の運用を軌道に乗せ、製品の原価管理と利益管理の精度を高めることにより適正な利益の確保を図ってまいります。また、高騰する素材価格に対処するため海外調達など調達先の多様化に取り組む一方、デフレ価格に陥っていた製品価格を適正な価格水準に値戻ししていただくようきめ細かい技術サービスを充実させた販売活動を行ってまいります。

昨年発売しました電動グリッパに続き、電動の新商品を引き続き発売してまいります。また、資本、業務提携先であるパーカー・ハネフィン社製の油空圧製品の品揃えをさらに進め、今後とも顧客の幅広いニーズに応えてまいる所存であります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

 なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)事業環境の変化について

 当社グループの油空圧機器事業は、自動車関連設備・一般産業機械・工作機械・製鉄機械等の各需要分野にわたって事業を展開しております。このため、当社グループの経営成績・財政状態は、これらの業界の需要の変動に影響を受ける可能性があります。これらの業界の需要の低迷は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの機械・装置事業は、自動車業界及び半導体業界の需要の変動に影響を受ける可能性があります。これらの業界の需要の低迷は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替相場の変動について

 為替相場の変動は、当社グループの外貨建て取引から発生する資産及び負債の日本円換算価格に影響を与える可能性があります。また、外貨建てで取引されている製品や原材料の価格にも影響を与える可能性があります。これらは、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料・部品等の調達について

 当社グループが調達する原材料のうち、主要な材料である鉄鋼材料の価格が高騰し、材料調達コストの上昇が今後も継続し長期化すれば、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)海外市場での活動について

 当社グループは、米州、アジアを中心として世界各国で生産販売活動を行っておりますが、これらの地域における予期できない法律・諸規則の決定・変更、政府による政策発動、テロ・戦争等による社会的混乱は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製造物責任について

 当社グループは、厳しい社内品質管理基準に基づき製品の品質と信頼性の維持向上に努めておりますが、万が一予期せぬ不具合等が発生した場合、製造物責任に関する対処あるいはその他の義務に直面する可能性があります。これらのコストが保険によってカバーされない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 





出典: 株式会社TAIYO、2005-03-20 期 有価証券報告書