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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、国内の公共事業投資縮小、素材価格の高騰、IT関連分野の生産財の在庫調整といったマイナス要因がありましたが、中国をはじめとするアジア経済の高成長、国内民間設備投資の伸長に支えられ総じて堅調に推移しました。
 このようななか、当社グループは成長分野への経営資源の重点配分を積極的に推し進めるとともに、グループをあげた業務革新活動等により、コスト競争力の強化に取り組みました。その結果、当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
 売上高は、大口の発電プラント案件を計上した電機システム部門、民間設備投資の旺盛な需要を背景として国内・海外ともに伸長した機器・制御部門、半導体、ディスク媒体が伸長した電子デバイス部門で前連結会計年度を上回りました。一方、リテイルシステム部門は、自販機および通貨機器が減少し前連結会計年度を下回りました。
 利益面では、素材価格高騰の影響があったものの、積極的な受注拡大施策による売上高の増加や業務革新活動によるコスト削減、ならびに事業構造の変化に対応した人材の戦略的再配置などにより、営業利益、経常利益、当期純利益は前連結会計年度に比べ大幅な改善を図ることができ、いずれも過去最高益を更新することができました。この結果、売上高営業利益率は5.1%となり、期初に掲げた「 5 %以上」の目標を達成することができました。
部門別には、「電機システム」、「機器・制御」、「電子デバイス」の各部門で増益となりましたが、リテイルシステム部門は、売上高の減少により減益となりました。
 当連結会計年度の営業成績は次のとおりであります。
  連結売上高         9,080億円(前期比 1.2%増)
 連結営業利益         462億円(前期比12.7%増)
 連結経常利益            487億円(前期比16.6%増)
 連結当期純利益           231億円(前期比24.4%増)
   (注)当連結会計年度における連結子会社の異動については、新規連結会社数が3社、
除外会社数が3社であり、平成19年3月31日現在の連結子会社数は67社であります。
<セグメント別状況>
  〔事業の種類別セグメントの状況〕
■電機システム部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比0.9%増の4,018億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ73.1%増の121億61百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は2,636億円(富士電機システムズ㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 当部門では、国内外の好調な事業環境を背景に、民需分野や海外事業の拡大に注力するとともに、事業構造の改革による経営体質の一層の強化に取り組みました。
具体的には、国内の公共事業投資縮小などの事業環境の変化を踏まえ、民需分野に事業の軸足を移すべく、人材シフトや営業体制の見直しなどの構造改革を進めました。また、「研究開発型企業」への変革を志向し、強いコンポーネントづくりのための体制整備を行ったほか、フィルム型アモルファス太陽電池の量産工場を熊本県に建設し生産を開始しました。
(分野別の状況)
 e−ソリューション分野では、売上高は、電力会社向け放射線管理システムや系統配電システムなどで実績を挙げたことにより、前連結会計年度を上回りました。営業利益は、情報システムにおいて採算性重視の取り組みにより改善しました。
 環境システム分野では、国内の官公需市場の縮小を背景とした水処理システムの案件減少により、売上高、営業利益とも前連結会計年度を下回りました。
 産業プラント分野では、売上高は、国内の堅調な民間設備投資需要を追い風として、鉄鋼・化学をはじめとした一般民需産業向けの電気設備の増加により、伸長しました。営業利益についても、コストダウンなどの取り組みにより好転しました。
 発電プラント分野では、アジアをはじめとした海外の旺盛なエネルギー需要を受け、海外向け地熱発電設備で実績をあげたほか、国内のIPP(独立系発電事業者)向け火力発電設備の大口案件を計上しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度を大幅に上回り、営業利益も好転しました。
 工事部門では、発電事業向けおよび一般民需向け工事の大口案件で実績をあげた結果、売上高、営業利益とも前連結会計年度を上回りました。
■機器・制御部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比6.2%増の1,939億円となり、営業利益は前連結会計年度比46.7%増の115億93百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,037億円(富士電機機器制御㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 国内市場では、旺盛な民間設備投資需要を背景とした好況業種への拡販活動の強化ならびに省エネルギー・環境分野への展開拡大を図りました。海外市場では、中国、アジアでの販売・生産体制強化に努めるとともに、グローバル対応商品の拡販に取り組みました。また、利益体質の強化を図るべく、ムダ取り活動や機種統廃合などによるトータルコストダウンを推進しました。
(分野別の状況)
 器具分野では、国内市場において、工作機械分野などの好調な主要顧客層への拡販に注力し、電磁開閉器や低圧遮断器などの主要製品、電力監視機器などの売上高が伸長しました。海外市場でも、海外規格対応品の拡販を進め、中国やアジアで売上高が大きく伸長しました。これらの結果、当分野の売上高は前連結会計年度を上回り、営業利益も素材価格高騰による悪化影響を売上高の増加やトータルコストダウンによりカバーし、前連結会計年度を上回りました。
 駆動制御分野では、インバータ、サーボシステムで新商品を市場投入しました。国内市場においては、自動車関連、クレーン、ポンプなどの機械メーカー向けにインバータなどが好調で、売上高が伸長しました。海外市場でも中国向けなどを中心に主要製品が好調に推移し大幅に伸長しました。これらの結果、当分野の売上高、営業利益はともに大きく前連結会計年度を上回りました。
■電子デバイス部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比5.2%増の1,823億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ5.6%増の192億22百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,518億円(富士電機デバイステクノロジー㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 当部門の事業特性は、技術革新のスピードが速く、市場環境も著しく変化します。当期は、中期経営計画の「高成長・高収益体質の確立」を目指し、ワールドワイドな事業展開と顧客密着型の営業展開によって売上拡大を図りました。また、IGBTモジュールやディスク媒体の生産能力増強を積極的に進めるとともに、技術開発の推進と継続的な製造原価率の低減に取り組みました。
(分野別の状況)
 半導体分野では、産業分野向けは、主力のIGBTモジュールの需要大幅増大に対応し増産投資を積極的に行い、売上を伸ばしました。情報機器用電源向けでは、主力のプラズマテレビ用ドライバICや電源用マルチチップパワーデバイスを中心に伸長しました。また、生産面では、ディスクリート製品と電源用マルチチップパワーデバイスの組立能力を増強しました。自動車電装向けは、MOSFET、IGBTモジュールを中心に伸長しました。これらの結果、売上高、営業利益ともに前連結会計年度を上回りました。
 ディスク媒体分野では、HDD(磁気記録装置)市場が大きく伸長するなか、アルミ媒体、ガラス媒体ともに生産能力を拡大し、加えて垂直磁気記録方式に対応した設備への切り替えを進めました。また、2.5インチガラス媒体では1枚当たり80ギガバイトの垂直磁気記録媒体の量産を昨年6月に開始しました。これらの結果、売上高、営業利益ともに前連結会計年度を上回りました。
 画像デバイス分野では、大口顧客向けの売上増により堅調に推移しました。富士電機(深圳)社に集約した生産設備が昨年9月から全面稼動し、効率的でコスト競争力の高い生産体制が整いました。これらの結果、売上高は前連結会計年度の海外子会社の決算期変更の影響により前連結会計年度を下回りましたが、営業利益は前連結会計年度を上回りました。
■リテイルシステム部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比5.9%減の1,525億円となり、営業利益は前連結会計年度比57.3%減の25億7百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,513億円(富士電機リテイルシステムズ㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 当部門では、急速に普及が進む電子マネー関連機器の拡充と流通市場向けの自動釣銭機の新型機の開発に積極的に取り組みました。コールドチェーン機器分野においては、積極的な営業活動と事業領域の拡大により売上の増大とともに採算性の向上に取り組みました。また、市場展開済みのたばこ自販機成人識別改造作業の需要取り込みに注力しました。
(分野別の状況)
 自販機・フード機器・通貨機器分野では、主力の飲料自販機は、天候不順影響などにより低調に推移し、たばこ自販機においても、成人対応識別装置搭載機の出荷を開始しましたが、顧客購入台数の減少により伸び悩みました。通貨機器は、非接触ICカードが本格化しましたが、新紙幣発行に伴う需要の終息、レジャー機器需要の落ち込みにより減少しました。これらの結果、当分野の売上高、営業利益は前連結会計年度を大きく下回りました。
 コールドチェーン機器分野では、提案営業による積極的な受注活動、事業領域の拡大、商社および異業種企業とのコラボレーションにより伸長しました。建装関連は、ユニット工法店舗のバリエーション拡大を行い、大手コンビニエンスチェーンからの新規受注獲得などにより大きく増加しました。これらの結果、当分野の売上高、営業利益は前連結会計年度を大きく上回りました。
■その他部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、プリント基板の製造販売会社が連結子会社となった影響等により前連結会計年度比25.5%増の655億円、営業利益は前連結会計年度比1.5%減の21億5百万円となりました。
〔所在地別セグメントの状況〕
■日本
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.2%増の8,985億円、営業利益は前連結会計年度比14.6%増の413億76百万円となりました。
■北米
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比22.6%減の74億円、営業利益は前連結会計年度比54.4%増の3億69百万円となりました。
■ヨーロッパ
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比3.0%減の143億円、営業利益は前連結会計年度比57.5%増の4億8百万円となりました。
■アジア(除く中国)
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比17.1%増の411億円、営業利益は前連結会計年度比7.3%減の20億17百万円となりました。
■中国
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比5.7%増の459億円、営業利益は前連結会計年度比54.8%増の26億86百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は216億76百万円の減少(前連結会計年度は536億3百万円の増加)となり、前連結会計年度に対し752億79百万円の悪化となりました。主要因は、期末日休日影響や成長分野への積極的な投資を推し進めたことによるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は、127億64百万円(前連結会計年度602億円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上などが主な要因であります。
 前連結会計年度に対しては、474億36百万円の悪化となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、344億40百万円(同65億97百万円の減少)となりました。これは、電子デバイス部門を中心とする重点的な設備投資を実施したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、278億43百万円の悪化となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において財務活動による資金の増加は、187億55百万円(同494億70百万円の減少)となりました。これは主として、社債の増加によるものであります。
 これらの結果、当連結会計年度における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ22億78百万円(10.6%)減少し、当連結会計年度末には191億35百万円となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
 当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、事業の種類別セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。
(2)受注状況
 当社グループの生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注状況については、「1.業績等の概要」における事業の種類別セグメントの状況に関連付けて示しております。
(3)販売実績
 当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
電機システム
401,855
101
機器・制御
193,909
106
電子デバイス
182,399
105
リテイルシステム
152,571
94
その他
65,505
125
消去
△88,182
合計
908,059
101
(注)上記の金額には消費税等を含んでおりません。
3【対処すべき課題】
 今後の見通しにつきましては、国内経済は、引き続き民間設備投資は増加するものと見込まれ、米国経済の減速、円の対ドル相場の上昇、原材料価格の高騰などが懸念されるものの、内外需要の増加を背景として緩やかな成長が続くものと見られます。
 世界経済につきましても、中国をはじめとするアジアにおいて社会資本整備に向けた投資が底堅く増加するなど、全般的に着実な回復が続くものと見込まれます。
このような事業環境のもと、富士電機グループの平成19年度の課題は中期経営計画の中間年度として、成長機会を確実に捉え収益体質の強化を図り、最終年度の目標達成への礎を築くことであり、次の重点施策に取り組んでまいります。
 
平成20年度目標
平成18年度実績
売上高
1兆円以上
9,080億円
売上高営業利益率
7%以上 
5.1%
D/Eレシオ※
1.0倍以下 
1.1倍
※D/Eレシオ:自己資本に対する金融債務残高の倍率を求めたもので、自己資本が金融債務残高より多い水準である(D/Eレシオが1倍以下である)ことが望ましいとされています。
 ・市場動向に機動的に対応し、グループの牽引力となる事業に対し、積極的に経営資源を集中させ徹底強化を図るとともに、今後拡大が見込まれるアジア、中国市場をはじめとして海外事業の積極的展開を図ります。
 ・これまで推進してきた「ムダ取り活動」を営業・管理部門を含めた全部門に拡大展開し、モノと情報の「見える化」、「流れ化」を基本とした、グループ革新活動(プロフィット7活動)により、コスト競争力の一層の強化を図ります。
 ・コンプライアンスの徹底、企業リスクへの対応強化を進めるとともに、金融商品取引法に基づく、適正かつ信頼性の高い内部統制の構築をはじめ、当社グループを取り巻く社会的要請に誠実に応えてまいります。
以上の取り組みにより、グループ企業価値の最大化を図るとともに、事業活動を通じ社会の発展に貢献してまいる所存であります。
 
4【事業等のリスク】
 当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)事業環境の変動等に係るもの
①中国を中心としたBRICs経済の拡大に伴う旺盛な素材・原材料需要による需給逼迫や中近東の不安定な情勢の長期継続等により、国際商品市況が高騰し、原材料・部品の価格が上昇してきております。これらの価格が一段と上昇した場合には、対応が追いつかず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループの売上は、公共投資や民間設備投資をはじめとする国内景気の動向と関連しています。特に電子デバイス部門はエレクトロニクス業界における市場動向と深い関わりがあり、このため、同業界における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③当社グループは、海外市場にも積極的に展開しており、特に中国市場向けには開閉器具、駆動制御装置、半導体等の販売拡大に注力しています。このため、中国における景況の悪化あるいは経済政策の変更が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④当社グループでは、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、完全に為替リスクを回避するものではありません。そのため、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤当社グループの当期末での金融債務残高は2,999億円となっています。今後、金利が想定以上に上昇した場合には、金利負担の増大を招くことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品の品質に係るもの
 当社グループでは、生産・販売する製品について品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。また、製造物賠償責任については必要な保険を付保しております。しかしながら、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、その場合には、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術開発に係るもの
 当社グループでは、市場ニーズに応じた技術開発に全力で取り組んでおりますが、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外活動に係るもの
 当社グループは、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開していますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
・不利な政治的要因の発生
・社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱
(5)知的財産権に係るもの
 当社グループでは、当社グループの知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めております。しかしながら、技術革新のスピードが加速していること、また、当社グループの事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生する可能性があり、そうした場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材に係るもの
 当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材を確保・育成することはグループの成長に不可欠でありますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合には、今後のグループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)個人情報の漏洩に係るもの
 当社グループは事業活動に関連して、お客様関係、調達先関係、従業員関係など多数の個人情報を扱っており、これらの個人情報の取得、利用、保管等につきましては、関連する各種社内規程の整備やその徹底を通じて万全を期しております。しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出する可能性が皆無ではなく、その場合には、当社グループの社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)大規模な災害や事故等に係るもの
 当社グループは、世界各地に事業拠点を展開しています。これらの事業所地区において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(9)土壌汚染に係るもの
 当社グループの所有する土地は、環境国際規格に基づいて汚染の予防、測定、監視に努めており、また、土地の売却を計画する際には、売却予定地の土壌調査を実施するなど、関連法規、条例に準拠した適切な手続きで進めております。これらの測定又は調査結果によっては、土壌浄化のための対策費用が発生することがあり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)退職給付債務に係るもの
 当社グループは、従業員の退職給付について、退職一時金制度及び企業年金制度を設け、数理計算上合理的と認められている前提に基づいて計算される退職給付費用及び債務を計上しております。また、当社及び一部の国内連結子会社においては、退職給付信託として上場有価証券を信託しております。そのため、退職給付債務等の計算の前提条件として採用した割引率、年金資産の期待運用収益率と実際の結果とに差異が生じた場合、及び、信託した上場有価証券の株価が変動した場合などに、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)コンプライアンスに係るもの
 当社グループは、さまざまな事業分野で、また世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社グループは、適切な内部統制システムを整備して、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、当社グループの社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟その他の法的手続に係るもの
 当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟その他の法的手続を受ける可能性があり、予期せぬ多額の賠償を命じられる可能性は皆無ではなく、それらの決定の内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、平成19年2月9日、富士電機ホールディングス株式会社および富士電機システムズ株式会社は、ガス絶縁開閉装置(GIS)に関し欧州市場での競争制限行為があったとして、欧州委員会より240万ユーロの制裁金の決定通知書(平成19年1月24日付け)を受領いたしました。これに加えて、持分法適用会社(出資比率30%)である㈱日本AEパワーシステムズ、㈱日立製作所と連帯して135万ユーロの制裁金支払を求められております。その内容を検討した結果、当社の事実認識と異なる点があるため、平成19年4月19日に欧州第一審裁判所へ提訴いたしました。今後は裁判にて、当社の考えを主張して参ります。
5【経営上の重要な契約等】
 (1)業務提携契約 
契約会社名
相手方の名称
契約内容
契約締結日
富士電機ホールディングス㈱ (当社)、
富士電機システムズ㈱(連結子会社) 
   日本碍子㈱
上下水・再生水処理、海水淡水化等の水環境分野における販売・エンジニアリング等の事業の統合に向けての協議 
 自平成19年2月22日 
至平成20年3月31日
富士電機システムズ㈱
(連結子会社)
  月島機械㈱
水処理及び環境分野を中心とした研究開発、調達、製品供給等の協業の終了。協業の見直しにより業務提携契約を終了する。
平成19年2月22日
 
 
  (2)会社分割契約  
  富士電機システムズ㈱(連結子会社)及び富士電機水環境システムズ㈱は、平成19年2月9日に開催の両社取締役会において富士電機システムズ㈱の水環境事業を富士電機水環境システムズ㈱に会社分割により移管する決議を行い、同日、吸収分割に関する契約を締結しました。
 会社分割の概要は次のとおりであります。
①会社分割の目的
 水環境事業の市場環境の変化を踏まえた機動的な事業運営を図るため。
②会社分割の方法
 富士電機システムズ㈱を分割会社とし、富士電機水環境システムズ㈱を承継会社とする吸収分割
③分割期日
 平成19年4月1日
④分割に際して発行する株式及び割当
 富士電機水環境システムズ㈱は、本分割に際して普通株式99,400株を発行し、そのすべてを富士電機システムズ
 ㈱に割り当てる。
⑤割当株式数の算定根拠
 富士電機水環境システムズ㈱は、富士電機システムズ㈱の100%子会社であることから、割当株式数を決定し
 た。
⑥承継会社が承継する権利義務
 本件事業に関して分割会社が有する以下の各号の権利義務
 1.本件事業に関して有する機械装置、車両運搬具、工具器具、什器備品、ソフトウェア及び電話加入権及びこ
   れに類する固定資産。
 2.本件事業に関して有する商品、製品、仕掛品、材料及び貯蔵品等の一切の流動資産。
 3.本件事業に関する知的財産権またはノウハウについて有する使用権及び実施権。但し、本件事業以外の事業
   においても利用する予定のものは除く。
 4.本件事業に属する有価証券及び出資金等。
 5.売買契約、特約店契約、根抵当権設定契約・質権設定契約・保証契約・保証金差入契約・有価証券譲渡担保
   契約
   ・債権譲渡担保契約等の担保設定契約、預り金契約、製造委託契約、運送契約、寄託契約、業務委託契約、
    賃貸借契約、リース契約、使用許諾契約、合弁契約その他の本件事業に関する一切の契約上の地位及びこ
    れらの契約に基づき発生した貸付金、借入金等一切の金銭債権債務(但し、売掛金、未収入金、買掛金、
    未払金、賞与引当金以外の未払費用の金銭債権債務を除く)。
 6.本件事業に属する従業員(休職中の者、出向中の者を含む)にかかる雇用契約及びこれに関連する退職給付
   信託契約の該当部分。
⑦分割する資産、負債の状況(平成19年3月31日現在) 
資産 
金額(百万円)
負債 
金額(百万円) 
 流動資産
            8,948
 流動負債
            5,882
 固定資産
            2,313
 固定負債
            408
     合計
            11,261
     合計
             6,291
⑧富士電機水環境システムズ㈱の概要(平成19年4月1日現在)
 代 表 者  小牧 裕志
 住   所  東京都品川区大崎一丁目11番2号
 資 本 金  30億円
 事業内容   上水・下水処理及びごみ処理等の電機計装設備並びにオゾナイザ等の製造販売・設計・施工・メン
       テナンス
  業    績  平成19年3月期
        売上高    794百万円     資産合計     607百万円
        営業損失    12 〃      負債合計     517 〃
        当期純損失   8 〃      純資産合計    90 〃
 
6【研究開発活動】
 当社グループの研究開発は、グループのコア技術を強化し、差別化された新商品の市場投入を加速するための技術開発、基礎研究の充実とともに、現在の基幹事業を支えている重点機種に対して戦略的な投資を行いました。
 研究開発は、グループの研究開発会社である富士電機アドバンストテクノロジー(株)と各事業会社の工場を含む各事業部門で行っており、グループの企業価値最大化に貢献すべく、両者の連携を強化して取り組んでおります。
 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は325億54百万円であり、各セグメント別の研究の目的、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
 また、当連結会計年度末においてグループが保有する国内外の産業財産権の総数は8,276件であります。
■電機システム部門
 富士電機システムズ(株)が中心になって、産業、官公需、電力分野の各種プラント設備におけるパワーエレクトロニクス機器、変電機器、発電機器、計測機器などの機器開発から、これらのプラント運用技術を含む保護・監視・制御装置・システムまでの研究開発を行っており、近年はパワーエレクトロニクス、情報・計測、新エネルギー、水環境分野に注力しています。当連結会計年度の主な成果として、パワーエレクトロニクス分野では、汎用IGBT素子の直並列接続により高耐圧化と大電流化を実現した可変速駆動用の中容量インバータ(2,000kVA)の開発、デュアルコンバージョン方式の採用により安定した入出力特性と高効率を実現したミニUPS(無停電電源装置)「GX100/200シリーズ」のラインアップなどを完了しました。計測機器分野では、連続監視制御できるレーザ応用直接挿入形ガス分析計(塩化水素計、アンモニア計)、プラスチック射出成形機などの高精度温度制御用に複数の温調計を群制御する非干渉制御温調モジュール、MEMS(マイクロ加工技術)により流量発信器の小型化と高精度化を実現する差圧・圧力複合センサ「DPE」などを開発しました。また、フィルム型アモルファス太陽電池では、フィルム幅を1メートルに大型化して、生産技術およびセルの解析技術を確立し、量産を開始しました。
 当事業の研究開発費は98億86百万円であります。
■機器・制御部門
 富士電機機器制御(株)が中心になって、FAシステムを構成するプログラマブルコントローラ、受配電機器などのコンポーネントおよびパワーエレクトロニクス機器などの研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、器具分野では、新JIS/IEC(日本・欧州)、GB(中国)、UL(米国)の規格認証を1台で取得したグローバルMCCB/ELCB(配線用遮断器/漏電遮断器)「G−Twinシリーズ」、従来品と互換でIEC規格の1相欠相時引き外しが可能なELCB、電気工事用の単相三線式中性線欠相保護機能付きELCBなどを、駆動制御分野では、グルーバル製品として必須なEMCフィルタおよび高調波抑制リアクトルを内蔵した高性能・多機能インバータ「FRENIC−MEGAシリーズ」、20ビットの高分解能エンコーダを備え1,500Hzの高速応答によって高精度位置決めが可能なグローバル対応サーボシステム「ALPHA5シリーズ」などを、コントローラ分野では、多軸機械に必要な高速同期モーション制御が可能なCPUモジュール「SPH300EX」、プラントの高信頼化要求に応える冗長化機能を付加したCPUモジュール「SPH2000」を開発しました。
 当事業の研究開発費は40億97百万円であります。
■電子デバイス部門
 富士電機デバイステクノロジー(株)が中心になって、半導体、磁気記録媒体、感光体などの電子デバイス関連の研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、半導体分野では、自社開発の鉛フリーはんだの適用により平成18年度に製品化した全てのパワーモジュール製品を完全鉛フリー化しました。また、自動車電装分野では、ハイブリッド車用に両面放熱構造に対応可能なUシリーズのIGBTとFWD(還流ダイオード)のメッキチップを量産化しました。大画面化と高精細化が進むフラットパネルテレビ向けには、プラズマテレビ用に256ビット出力アドレスドライバICを製品化しました。磁気記録媒体分野では、記録容量が当社従来品の2倍となる1枚160ギガバイト2.5インチガラス垂直磁気記録媒体を開発しました。感光体分野では、4サイクルおよびタンデムカラープリンタ用感光体を開発し、また、転写メモリ抑制材料などを開発しました。
 当事業の研究開発費は143億68百万円であります。
■リテイルシステム部門
 富士電機リテイルシステムズ(株)が中心になって、自動販売機、フード機器、カード・通貨機器、コールドチェーン機器システムなどの研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、自動販売機分野では、地球温暖化係数が微小で安全な二酸化炭素を冷媒に使用した缶自動販売機のシリーズ化、幅広い商品群を販売できる汎用食品自動販売機「FOOD−X」の開発、タバコ自動販売機の成人識別機能の本格稼動に備えた開発などを行いました。カード・通貨機器分野では、正確な現金管理を実現する小型・高性能の自動釣銭機「ECS07」、急速に普及しつつある非接触IC利用の電子マネーおよび小額クレジットカード用の決済端末機器などを、コールドチェーン分野では、商品の高鮮度管理と省エネルギーを可能とする電子膨張弁適用冷蔵ショーケース、店舗の環境改善と総合的な省エネルギーを図るものとして注目されているデシカント空調システムを開発しました。
  当事業の研究開発費は41億50百万円であります。
■その他部門
 当事業の研究開発費は52百万円であります。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)財政状態の分析
 当連結会計年度末の総資産額は1兆248億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ347億78百万円増加しました。
 流動資産は4,834億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ413億52百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売上債権が185億8百万円、棚卸資産が122億74百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
 固定資産は5,411億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ68億6百万円減少しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は1,782億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ195億91百万円増加しました。これは、電子デバイス部門を中心とした重点的な設備投資を主因とするものであります。また、投資その他の資産は3,629億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ263億97百万円減少しました。これは、投資有価証券の時価評価差額相当分が前連結会計年度末に比べ減少したことなどによるものであります。
 当連結会計年度末の負債合計は7,402億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ351億14百万円増加しました。
 流動負債は5,082億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ179億58百万円増加しました。これは、買入債務が前連結会計年度末に比べ162億79百万円増加したことなどによるものであります。
 固定負債は2,320億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ171億56百万円増加しました。これは、2016年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債300億円の発行により社債が増加した一方で、投資有価証券の時価評価差額相当分の減少を主因として繰延税金負債が前連結会計年度末に比べ76億51百万円減少したことなどによるものであります。
 なお、当連結会計年度末の金融債務残高は2,999億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ248億62百万円増加しました。また、同残高の総資産に対する比率は29.3%となり、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇しました。
 当連結会計年度末の純資産合計は2,845億53百万円となりました。このうち、これまでの資本の部の合計に相当する金額は2,748億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億11百万円減少しました。これは、利益剰余金が167億円84百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が174億66百万円減少したことを主因とするものであります。これらの結果、自己資本比率は26.8%となり、前連結会計年度末に比べ1.0ポイント低下しました。
(2)経営成績の分析
 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.2%増収の9,080億円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ3.0%増収の7,138億14百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ4.9%減収の1,942億44百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。
 売上原価は、主に売上高の増加により、前連結会計年度に比べ1.0%増加し7,088億36百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、コストダウン効果の抽出等により、前連結会計年度に比べ0.1ポイント低下して78.1%となりました。
 販売費及び一般管理費は、製品修理費の減少等により、前連結会計年度に比べ0.8%低下し1,530億13百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.4ポイント低下して16.8%となりました。
 営業利益は、素材価格高騰の影響があったものの、積極的な受注拡大施策による売上高の増加や業務革新活動によるコスト削減、ならびに事業構造の変化に対応した人材の戦略的再配置などにより、前連結会計年度に比べ12.7%増益の462億8百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。
 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の8億18百万円の収益(純額)から、25億53百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ17億35百万円好転しました。これは、為替差益が前連結会計年度に比べ11億17百万円増加したこと、持分法による投資損益が前連結会計年度に比べ6億10百万円好転したことなどによるものであります。
 これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ16.6%増益の487億62百万円となりました。
 特別利益は、固定資産売却益、投資有価証券売却益、退職給付信託返還益及び退職給付制度移行差益を計上し、28億39百万円となりました。なお、退職給付信託返還益、退職給付制度移行差益を計上した一方で、固定資産売却益が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ15億41百万円減少しております。
 特別損失は、固定資産売廃却損、投資有価証券等評価減、特別退職金などを計上し、111億26百万円となりました。なお、固定資産売廃却損が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ9億22百万円減少しております。
 以上により、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ18.5%増益の404億74百万円となり、法人税等163億46百万円と少数株主利益9億84百万円を差し引いた結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ24.4%増益の231億42百万円となりました。
(3)流動性及び資金の源泉に関する分析
 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は191億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億78百万円(10.6%)減少しました。
 当連結会計年度の主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー127億64百万円であります。
 営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益404億74百万円、減価償却費175億44百万円、売上債権の増加によるもの△199億67百万円、法人税等の支払額△144億11百万円などとなっております。
 なお、投資活動によるキャッシュ・フローは△344億40百万円となっており、その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出△330億10百万円などであります。
 以上によりフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は△216億76百万円となり、この資金需要を賄うために、社債の発行を中心とする資金調達などを行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは187億55百万円となりました。




出典: 富士電機株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書