有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、前半は中国をはじめとするアジア経済の高成長、国内民間設備投資の伸長に支えられ堅調に推移しましたが、後半においては、原油価格、素材価格の更なる高騰、建築基準法の改正、米国のサブプライム住宅ローン問題の影響、また、足もとでは電子部品の市況や世界半導体出荷に弱さがみられるなど、先行きは不透明感が強まっております。
 このようななか、当社グループは中期経営計画の中間年度として、成長機会を確実に捉え収益体質の強化を図り、最終年度の目標達成への礎を築くため、成長分野への経営資源の集中を積極的に推し進めるとともに、グループをあげた業務革新活動等により、コスト競争力の強化に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
 売上高は、前連結会計年度に対して上回りました。部門別には、電機システム部門では、好調な事業環境を確実に捉えるべく、注力業種への取り組み強化を図った結果、前連結会計年度を上回りました。機器・制御部門では、駆動制御分野において堅調に推移しましたが、器具分野において国内市場の低迷の影響を受け、前連結会計年度を下回りました。電子デバイス部門では、積極的な設備投資を行った結果、半導体分野では産業向けを中心に伸長しましたが、ディスク媒体分野では当初の想定を大幅に下回ったため、前連結会計年度に対して微増に留まりました。リテイルシステム部門では、たばこ自販機の成人識別改作作業の需要の取り込みや通貨機器の拡大により、前連結会計年度を上回りました。
 なお、下半期においては、国内市場の悪化並びに米国経済の減速影響、円高影響、電子部品等の景気の弱さの影響を受け、器具分野、駆動制御分野、半導体分野を中心に減速しました。
 利益面では、積極的な設備投資を行っているディスク媒体分野において、上半期の主要顧客の販売減や業界再編の影響を受け、減価償却費等の固定費の増加を補うだけの物量の確保ができず、前連結会計年度を大幅に下回りました。この結果、営業利益、経常利益、当期純利益は前連結会計年度を下回りました。
 なお、ディスク媒体分野は、下半期において設備の増産対応及び垂直磁気記録方式への切り替えの前倒しを行い、更にスペックイン活動の加速により、生産数量、出荷数量とも回復しました。
 当連結会計年度の営業成績は次のとおりであります。
  連結売上高        9,221億円(前期比 1.6%増)
 連結営業利益          358億円(前期比22.3%減)
 連結経常利益           358億円(前期比26.6%減)
 連結当期純利益          167億円(前期比27.4%減)
   (注)当連結会計年度における連結子会社の異動については、新規連結会社数が3社、
除外会社数が2社であり、平成20年3月31日現在の連結子会社数は68社であります。
<セグメント別状況>
  〔事業の種類別セグメントの状況〕
■電機システム部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比2.0%増の4,098億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ9.0%増の132億53百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は2,670億円(富士電機システムズ㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
  当部門では、年間を通じて、民需分野の強化に向けた事業構造改革及び経営体質強化に努めました。その結果、好調な事業環境を確実に捉え、売上高の増加及び営業利益の拡大を達成することができました。
(分野別の状況)
 制御システム分野では、売上高は情報システムの大口案件等により前連結会計年度を上回りましたが、営業利益は太陽電池事業の投資の増加等の影響により前連結会計年度を下回りました。
 環境システム分野では、国内の官公需市場の縮小を背景とした水処理システムの案件減少により、売上高、営業利益とも前連結会計年度を下回りました。
 電機プラント分野では、鉄鋼業界をはじめとした民需分野の大口案件の増加により、売上高、営業利益ともに前連結会計年度を大幅に上回りました。
 なお、受注については、鉄鋼、化学、電機・電子などの注力業種向け案件を中心に好調に推移しました。
 発電プラント分野では、売上高は火力発電設備の大口案件の減少により前連結会計年度を大幅に下回りましたが、営業利益は採算性の向上により前連結会計年度を上回りました。
 なお、受注については、アジアをはじめとした電力需要の高まりを受け、地熱発電設備などで堅調に推移しました。
 工事部門では、売上高は大口案件の減少により前連結会計年度を下回りましたが、営業利益は中小口案件の利益率増加により前連結会計年度を上回りました。
■機器・制御部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比1.1%減の1,917億円となり、営業利益は前連結会計年度比7.6%減の107億12百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,056億円(富士電機機器制御㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 国内市場では、民間設備投資の増勢基調が減速するなか、好調業種への拡販活動の強化を図りました。海外市場では、高成長を続ける中国での生産・販売拠点強化、北米での販売体制拡充に努めるとともに、グローバル対応商品の拡販に取り組みました。また、利益面では更なる経営体質強化を図るべく、機種統廃合をはじめとした、トータルコストダウンを推進しました。
(分野別の状況)
 器具分野では、売上高は、工作機械分野などの好調業種への拡販活動の強化や、人員の営業部門へのシフトなど営業活動の強化に注力しましたが、搬送機械分野などの市況低迷の影響により、前連結会計年度を下回りました。営業利益は、機種統廃合などのトータルコストダウンを推進しましたが、売上高の減少影響、固定費の増加や素材価格高騰により、前連結会計年度を下回りました。
 駆動制御分野では、インバータ、サーボシステムで新商品の拡販に注力しました。国内市場においては、半導体関連やクレーンなど好調業種への拡販に注力し、売上高が伸長しました。海外市場では、中国向けをはじめ、欧州、北米などの地域で売上高を大幅に拡大しました。これらの結果、当分野の売上高は前連結会計年度を上回りましたが、下半期においては国内市場の悪化により伸び悩み当初の想定を下回りました。営業利益は、固定費の増加や素材価格高騰の悪化要因を売上高の増加でカバーし、前連結会計年度を上回りました。
■電子デバイス部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比1.3%増の1,848億円となり、営業利益は前連結会計年度比57.5%減の81億62百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,556億円(富士電機デバイステクノロジー㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 当部門の事業特性は、市場環境の変化が激しいことに加え、技術革新のスピードも速く進むことにあります。
 当連結会計年度は、積極的な設備投資による生産能力の増強を進め、半導体分野ではフィリピン工場の拡大とマレーシアでの半導体製造会社の新設を行いました。ディスク媒体分野では垂直磁気記録方式に対応した設備への切り替えを前倒しで完了し、来期に向けた大幅な回復の基礎固めを行いました。更に、継続的な原価率の低減に取り組みました。また、マーケットと顧客視点に基づく研究開発体制の見直しを実施しました。
(分野別の状況)
 半導体分野では、情報電源向けがプラズマテレビ市場の伸び悩みにより売上が減少しましたが、主力の産業用IGBTモジュールは旺盛な需要増に対応した積極的な増産投資の実施により売上が拡大しました。自動車電装向けでは新製品の投入により売上が増加しました。これらの結果、売上高、営業利益ともに前連結会計年度を上回りました。なお、下半期においては、景気の減速影響により、国内、海外ともに顧客の在庫調整の影響を受けました。
 ディスク媒体分野では、上半期に主要顧客の販売減や業界再編の影響を受けましたが、下半期においては、設備の増産対応および垂直磁気記録方式への切り替えの前倒しを行い、更にスペックイン活動の加速により、生産数量、出荷数量とも回復しました。垂直磁気記録媒体では世界最高容量となる2.5インチガラス媒体(160GB/枚)、3.5インチアルミ媒体(334GB/枚)を本格量産しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度並みとなりましたが、営業利益は減価償却費等の固定費の増加を補うだけの物量が確保できず前連結会計年度を大幅に下回りました。
 画像デバイス分野では、売上高は価格下落が進行した影響により前連結会計年度を下回りましたが、営業利益は生産合理化を進め前連結会計年度を上回りました。 
■リテイルシステム部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比4.0%増の1,587億円となり、営業利益は前連結会計年度比12.4%増の28億17百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,575億円(富士電機リテイルシステムズ㈱単独ベース)となっております。
(当部門の運営方針)
 当部門では、「収益体質の強化」と「伸長分野の事業領域の拡大」を目標に掲げ、自販機の収益力向上を主体に構造改革に取り組むとともに、コールドチェーン機器、非接触ICカードを主体とする通貨機器の拡大に取り組みました。
(分野別の状況)
  自販機・フード機器・通貨機器分野では、飲料自販機は、大口顧客の投資抑制により業界需要が低迷した影響により減少しましたが、たばこ自販機での成人識別装置搭載機や成人識別改作作業が順調に推移し、自販機分野の売上高は前連結会計年度を上回りました。通貨機器は、自動釣銭機やコピー機用課金装置の大口商談、電子マネー関連機器での新機種の拡販などにより、売上が大きく伸長しました。これらの結果、当分野の売上高は前連結会計年度を上回り、営業利益は鋼材価格等の高騰影響を、固定費削減を主体とする構造改革、コストダウンにより吸収し、前連結会計年度を上回りました。
 コールドチェーン機器分野では、建築基準法の改正、個人消費の低迷等により食品流通業の設備投資が大幅に減少するなか、改装物件や特殊ロケーション案件を中心に積極的な受注活動を展開した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、営業体制強化に伴う経費の増加、素材価格の高騰影響などにより前連結会計年度を下回りました。
■その他部門
 当連結会計年度の部門全体の売上高は、前連結会計年度比0.3%減の652億円となり、営業利益は前連結会計年度比18.1%増の24億85百万円となりました。
〔所在地別セグメントの状況〕
■日本
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.9%増の9,248億円、営業利益は前連結会計年度比17.4%減の341億82百万円となりました。
■北米
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比14.2%増の85億円、営業利益は前連結会計年度比65.3%減の1億28百万円となりました。
■ヨーロッパ
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比11.0%増の158億円、営業利益は前連結会計年度比37.7%減の2億54百万円となりました。
■アジア(除く中国)
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.0%増の419億円、営業利益は前連結会計年度比21億53百万円減の△1億36百万円となりました。
■中国
 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比3.7%減の442億円、営業利益は前連結会計年度比1.0%減の26億59百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は498億90百万円の資金の減少(前連結会計年度は216億76百万円の減少)となり、前連結会計年度に対し282億14百万円の悪化となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の減少は、131億95百万円(前連結会計年度127億64百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益を計上した一方で、売上債権や棚卸資産などが増加したことが主な要因であります。
 前連結会計年度に対しては、259億59百万円の悪化となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、366億94百万円(同344億40百万円の減少)となりました。これは、電子デバイス部門を中心とする積極的な設備投資を実施したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、22億54百万円の悪化となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において財務活動による資金の増加は、542億12百万円(同187億55百万円の増加)となりました。これは主として、社債及びコマーシャルペーパーの増加によるものであります。
 これらの結果、当連結会計年度における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ29億57百万円(15.5%)増加し、当連結会計年度末には220億92百万円となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
 当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、事業の種類別セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。
(2)受注状況
 当社グループの生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注状況については、「1.業績等の概要」における事業の種類別セグメントの状況に関連付けて示しております。
(3)販売実績
 当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
電機システム
409,881
102 
機器・制御
191,740
99 
電子デバイス
184,805
101 
リテイルシステム
158,714
104 
その他
65,276
100
消去
△88,245
合計
922,172
102 
(注)上記の金額には消費税等を含んでおりません。
 
3【対処すべき課題】
(1) 対処すべき課題
 当社グループの課題は平成20年3月期の業績悪化を真摯に反省し、現中期経営計画の最終年度の平成21年3月期、及びその先の将来において、グループの持続的発展を実現し得る体制を構築することにあります。この具体的取り組みとして、平成21年3月期は新たな成長に向け次の経営改革に取り組んでまいります。
 1)グループ経営機構の改革
当社グループは、平成15年に「事業分野毎の自己責任経営」、「事業特性や環境変化に則した機動的・スピーディーな事業運営」を目的として、純粋持株会社制に移行し、経営と事業執行を分離したグループ経営体制を構築しました。この改革により、事業会社の自律的な取り組みによる収益力の回復が図れましたが、その一方で「ステークホルダーの皆様と事業執行との距離の広がりによるコミュニケーション・ギャップ」、「グループ全体の視点に立った事業開発・再編の遅れ」、「複数の事業会社を跨がる施策スピードの低下」といったデメリットも顕在化してきました。
以上を踏まえ、次のとおり、富士電機グループとしての求心力の回復を図り、バランスのとれた経営体制を目指してまいります。
①事業セグメント責任者の持株会社取締役の兼任化 
②持株会社の機能強化 
 グループの求心力の強化に向け、次のとおり持株会社の機能強化を図ります。
 ・グループ事業戦略の強化
 ・グループ技術開発の強化
 ・グループ市場戦略の強化
2)グループ事業運営の改革 
事業運営組織の再編により、グループが保有する事業と技術のシナジーを最大限に引き出し、グループの成長を再加速させる新たな牽引事業の拡大・強化を図ります。
また、外部パートナーとの協業の積極展開により、事業ポートフォリオの強化を図ります。
 ① 新たな牽引事業の強化・拡大
「富士電機システムズ㈱」と「富士電機機器制御㈱」の駆動制御分野(システム機器事業部門及び電源営業部門)を統合し、「環境」と「安全」をキーワードとした「ドライブ事業」・「オートメーション事業」を牽引事業として徹底強化を図ります。なお、統合後の電機システム部門の事業区分は次頁〔電機システム部門の新旧対比〕をご参照ください。
② ベストパートナーとの協業による事業ポートフォリオの強化 
 ・水環境事業の合弁
わが国の水処理分野における「電機」(富士電機グループ)、「機械」(日本ガイシグループ)のナンバーワン企業 同士による機電一体の合弁会社「メタウォーター㈱」を本年4月に発足。
 ・受配電・制御機器事業の合弁
世界トップメーカーの仏・シュナイダー社との水平統合によるグローバル展開の拡大等に向け、本年3月に合弁会社設立に関し基本合意いたしました。今後、合弁会社設立の最終合意に向け、協議を進めてまいります(合弁会社の設立時期は、当初の予定の本年7月1日以降になる見込みです)。
・「オートメーション事業」の体制強化と、富士通㈱との新たな協業関係の構築 
情報制御事業に関する富士通㈱との合弁会社「㈱エフ・エフ・シー」のノウハウと人材の再配置に向け、本年6月1日付で当社グループが所有する同社株式のすべてを富士通㈱に譲渡するとともに、同社で富士電機グループ向け事業に従事している人材を承継いたしました。
当社グループは、これらの人材を、牽引事業として注力する「オートメーション事業」のコア人材として有効活用を図ります。また、「グリーンIT」をはじめ、両社の事業領域全般にわたり新たな協業を推進いたします。 
 3)グループ人事・組織の改革
純粋持株会社制移行に伴う事業部門の分社化に伴い、会社間の人材交流に壁が生じやすかった面を踏まえ、人事・組織の壁を打破するとともに、改革を加速させるためのグループ人材の戦略的再配置を行います。
 ① 人事・組織の壁の打破
 幹部を中心に事業会社をまたぐ積極的な人事ローテーションを行うとともに、組織を大幅に見直します。
② 多様な人材の育成・活用 
 グループ横断的なキャリアパス制度を導入し、将来を担う人材に幅広いキャリア経験の機会を提供します。
 
〔電機システム部門の新旧対比〕
高品質画像
 
 (2) 会社の支配に関する基本方針 
  ① 基本方針の内容
 当社グループは、「富士電機グループ経営理念」において、基本理念として「地球社会の良き企業市民として、地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命——『豊かさへの貢献』、『創造への挑戦』、『自然との調和』——を果たす」ことを掲げるとともに、経営方針として、「①独創的な技術と心のこもったサービスで、顧客の期待に応え、最大の満足を提供する ②企業の拡大発展を図り、適正な利益を確保し、その成果を株主、社員並びに社会と分かちあう ③社員一人ひとりを尊重し、個性を最大限に伸ばす」ことを定めております。
 その経営理念を実践する過程で、当社グループは、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
 これらは、当社グループの有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、当社グループの企業価値の創造を支える源泉であります。
 当社グループは、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、当社グループの企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
 また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、当社グループに対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
 当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
 しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような当社グループの企業価値・株主の皆様の共同利益に資さない当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
 現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
 しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、当社グループの企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に、適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。 
 ② 基本方針を実現するための当社の取り組み
  1)「2006〜2008年度 中期経営計画」による企業価値向上の取り組み
   当社グループは、「2006〜2008年度 中期経営計画」において、環境の変化に適合し、事業活動を通じて社会への貢献を行い、社会からの信頼を高め、経済価値のみならず、「社会的存在価値の高い企業グループ」を目指しております。
  その実現に向け「一層の事業の選択と集中と得意分野への積極投資」並びに「純粋持株会社制の特徴を活かした機動性ある経営のさらなる追求」により、経営資源の有効活用を図り、収益性と成長性のバランスの良い事業ミックスを構築し「業界最強の専業」の有機的集合体を目指してまいります。
 2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み
 当社は、上記①の基本方針に基づき、当社グループの企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
 具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
 また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。
  ③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由
 当社取締役会は、平成19年4月26日開催の取締役会において、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが当社グループの企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
 なお、当該決議は、取締役及び監査役(社外役員を含む)が全員出席し、全会一致にてなされました。また、同日開催された監査役会においても、上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、監査役全員が同意しております。 
 
 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断
    した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、
    当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。 
4【事業等のリスク】
 当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)事業環境の変動等に係るもの
①中国を中心としたBRICs経済の拡大に伴う旺盛な素材・原材料需要による需給逼迫や中近東の不安定な情勢の長期継続等により、国際商品市況が高騰し、原材料・部品の価格が上昇してきております。これらの価格が一段と上昇した場合には、対応が追いつかず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループの売上は、民間設備投資や公共投資をはじめとする国内景気の動向と関連しています。特に電子デバイス部門はエレクトロニクス業界における市場動向と深い関わりがあり、このため、同業界における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 
③当社グループは、海外市場にも積極的に展開しており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けには駆動制御装置、半導体、ディスク媒体等の販売拡大に注力しています。このため、中国における景況の悪化あるいは経済政策の変更が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④当社グループでは、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、完全に為替リスクを回避するものではありません。そのため、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤当社グループの当連結会計年度末での金融債務残高は3,562億円となっています。今後、金利が想定以上に上昇した場合には、金利負担の増大を招くことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 
(2)製品の品質に係るもの
 当社グループでは、生産・販売する製品について品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。また、製造物賠償責任については必要な保険を付保しております。しかしながら、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、その場合には、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
    (3)投資に係るもの
 当社グループは、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。特に、多額の資金を必要とするディスク媒体分野、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)技術開発に係るもの
 当社グループでは、市場ニーズに応じた技術開発に全力で取り組んでおりますが、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外活動に係るもの
 当社グループは、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開していますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
・不利な政治的要因の発生
・社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱
(6)知的財産権に係るもの
 当社グループでは、当社グループの知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めております。しかしながら、技術革新のスピードが加速していること、また、当社グループの事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生する可能性があり、そうした場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
    (7)アライアンスに係るもの
 当社グループは、各事業分野における競争力の強化に向け、合弁、提携等により第三者との協業に積極的に取り組んでいきます。これらの施策においては、当該第三者との協力関係が必要不可欠でありますが、制度、文化面などの相違から事業戦略、技術、製品及び人事等の統合が円滑に行われず、十分な成果が得られない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)人材に係るもの
 当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材を確保・育成することはグループの成長に不可欠でありますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合には、今後のグループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)個人情報の漏洩に係るもの
 当社グループは事業活動に関連して、お客様関係、調達先関係、従業員関係など多数の個人情報を扱っており、これらの個人情報の取得、利用、保管等につきましては、関連する各種社内規程の整備やその徹底を通じて万全を期しております。しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出する可能性が皆無ではなく、その場合には、当社グループの社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)大規模な災害や事故等に係るもの
 当社グループは、世界各地に事業拠点を展開しています。これらの事業所地区において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(11)土壌汚染に係るもの
 当社グループの所有する土地は、環境国際規格に基づいて汚染の予防、測定、監視に努めており、また、土地の売却を計画する際には、売却予定地の土壌調査を実施するなど、関連法規、条例に準拠した適切な手続きで進めております。これらの測定又は調査結果によっては、土壌浄化のための対策費用が発生することがあり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)退職給付債務に係るもの
 当社グループは、従業員の退職給付について、退職一時金制度及び企業年金制度を設け、数理計算上合理的と認められている前提に基づいて計算される退職給付費用及び債務を計上しております。また、当社及び一部の国内連結子会社においては、退職給付信託として上場有価証券を信託しております。そのため、退職給付債務等の計算の前提条件として採用した割引率、年金資産の期待運用収益率と実際の結果とに差異が生じた場合、及び、信託した上場有価証券の株価が変動した場合などに、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)コンプライアンスに係るもの
 当社グループは、さまざまな事業分野で、また世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社グループは、適切な内部統制システムを整備して、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、当社グループの社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)訴訟その他の法的手続に係るもの
 当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟その他の法的手続を受ける可能性があり、予期せぬ多額の賠償を命じられる可能性は皆無ではなく、それらの決定の内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
  (1)合併契約  
 富士電機システムズ㈱の100%子会社である富士電機水環境システムズ㈱(連結子会社)は、平成19年11月9日に開催の同社取締役会において同社の権利義務の全てを日本碍子㈱の100%子会社である㈱NGK水環境システムズに合併により承継する決議を行い、平成19年11月26日、㈱NGK水環境システムズと合併契約を締結しました。
  なお、合併の概要につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
  (2)会社分割契約   
 富士電機システムズ㈱及び富士電機機器制御㈱(いずれも連結子会社)は、平成20年4月21日に開催の両社取締役会において富士電機機器制御㈱のシステム機器事業部門及び電源営業部門を富士電機システムズ㈱に会社分割により移管する決議を行い、平成20年4月24日に吸収分割に関する契約を締結しました。
 なお、会社分割の概要につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
 (3)その他の契約 
 1) 器具事業に関するアライアンスの実施及び合弁会社設立に関する覚書
契約会社名
相手方の名称
契約内容
契約締結日
富士電機ホールディングス㈱ (当社)、
富士電機機器制御㈱(連結子会社) 
Schneider Electric
Industries SAS
(フランス)
1. 器具事業における合弁会社(日本法人)
  設立
2. 合弁会社設立につき法的拘束力なし
 平成20年3月27日
 2) 協業の枠組みの見直しに関する覚書 
契約会社名
相手方の名称
契約内容
契約締結日
富士電機ホールディングス㈱ (当社)、
富士電機システムズ㈱(連結子会社) 
富士通㈱
制御システムにおける協業の枠組みの見直し
・富士電機システムズ㈱の保有する㈱エフ・エ
 フ・シー株式の富士通㈱への譲渡
・㈱エフ・エフ・シー及び㈱エフ・エフ・シー
 ・システムズの事業の一部の富士電機システ
 ムズ㈱への譲渡 
 平成20年3月27日 
 3) 株式譲渡契約及び事業譲受契約 
 富士電機システムズ㈱(連結子会社)は、当社、富士電機システムズ㈱及び富士通㈱の3者間で平成20年3月27日に締結した協業の枠組みの見直しに関する覚書に基づき、同年5月28日、富士通㈱と株式譲渡契約を、㈱エフ・エフ・シー及びその100%子会社である㈱エフ・エフ・シー・システムズ(いずれも連結子会社)と事業譲受契約を、それぞれ締結しました。
 なお、株式譲渡及び事業譲受の概要につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。 
6【研究開発活動】
 当社グループの研究開発は、グループのコア技術を強化し、差別化された新商品の市場投入を加速するための技術開発、基礎研究の充実とともに、現在の基幹事業を支えている重点機種に対して戦略的な投資を行いました。
 研究開発は、グループの研究開発会社である富士電機アドバンストテクノロジー(株)と各事業会社の工場を含む各事業部門で行っており、グループの企業価値最大化に貢献すべく、両者の連携を強化して取り組んでおります。
 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は312億60百万円であり、各セグメント別の研究の目的、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
 また、当連結会計年度末においてグループが保有する国内外の産業財産権の総数は8,891件であります。
■電機システム部門
 富士電機システムズ(株)が中心になって、産業、官公需、電力分野の各種プラント設備におけるパワーエレクトロニクス機器、変電機器、発電機器、計測機器などの機器開発から、これらのプラント運用技術を含む保護・監視・制御装置・システムまでの研究開発を行っており、近年はパワーエレクトロニクス、情報・計測・制御、新エネルギー分野に注力しています。当連結会計年度の主な成果として、パワーエレクトロニクス分野では、非絶縁で高効率な「UPS7000Dシリーズ」の並列対応機や効率99.7%の瞬低対策装置「UPS8000H」の製品化、1/8ブリックサイズで3.3V100W出力の小型・高電力密度のDC/DCコンバータの開発、海外向け製品として10kV高圧インバータやソーダ電解用中容量整流装置「S−Former Mini」などの製品化を行いました。計測機器分野では、小型化と大幅な安定性向上を実現した「A−Ⅲシリーズ」圧力・差圧発信器、半導体製造装置などに用いる複数の温調計を群制御する非干渉制御温調モジュール、低消費電力と世界最高の検出レベルを達成した煙道排ガスなどの連続計測監視用直挿・レーザ式ガス分析計の2成分計などを開発しました。火力発電分野では、タービン発電機用の全含浸発電機としては世界最大容量クラスとなる間接水素冷却発電機(出力372MVA)を開発しました。また、量産を開始したフィルム型アモルファス太陽電池では生産技術開発に取組み、生産性と品質の向上を図りました。
 当事業の研究開発費は106億22百万円であります。
■機器・制御部門
 富士電機機器制御(株)が中心になって、FAシステムを構成するプログラマブルコントローラ、受配電機器などのコンポーネントおよびパワーエレクトロニクス機器などの研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、器具分野では、1台で世界各国の規格に適合するグローバルツインブレーカ「G−Twin」の製品拡充、制御盤の小型化に寄与する新型短胴Φ16コマンドスイッチの開発、メカニカル表示機構付きΦ22非常停止コマンドスイッチの拡充などを行いました。駆動制御分野では、汎用インバータ「FRENIC−MEGA」に速度センサレスベクトル制御機能、速度センサ付きベクトル制御でのサーボロック機能搭載などの制御機能強化と容量拡大、サーボシステム「ALPHA5」のモータ容量の拡大などを行いました。コントローラ分野では、表示能力、ネットワーク接続性を格段に向上させた新型プログラマブル操作表示器「UG40シリーズ」、ボードタイプ汎用PLCの拡充、コントローラ、表示器、ネットワークを一体化し、モーションなどのアプリケーションソフトウェアをパッケージ化した「@E−Terminal」などを開発しました。
 当事業の研究開発費は42億82百万円であります。
■電子デバイス部門
 富士電機デバイステクノロジー(株)が中心になって、半導体、磁気記録媒体、感光体などの電子デバイス関連の研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、半導体分野では、産業・新エネルギー分野向けに、はんだレスで機器への組込みが可能なスプリングコンタクトモジュールを製品化しました。デジタル家電の電源向けには高効率、低ノイズな電源が容易に構成可能なパワーディスクリート「SuperLLD3」及び「SuperFAP−E3」を製品化しました。自動車電装向けにはCOC(Chip on Chip)技術を採用した小型大電流IPS(Intelligent Power Switch)「F5052H」を量産化しました。磁気記録媒体分野では、2.5インチガラス媒体(160GB/枚)と3.5インチアルミ媒体(334GB/枚)及びさらなる大容量化に対応したアルミ垂直磁気記録媒体用基板を開発、製品化しました。感光体分野では、耐環境性や耐久性の向上、トナー消費の低減を進め、さらに感光体そのものの解像度を評価する技術などを開発しました。
 当事業の研究開発費は125億76百万円であります。
■リテイルシステム部門
  富士電機リテイルシステムズ(株)が中心になって、自動販売機、フード機器、カード・通貨機器、コールドチェーン機器システムなどの研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、自動販売機分野では、環境に配慮し、業界最高レベルの省エネルギーを実現したノンフロンヒートポンプ自動販売機の製品化、スナックなどの保冷商品と飲料やサンドイッチなどの冷蔵商品を1台で扱える自動販売機「スーパーマルチミニ」の開発などを行いました。カード・通貨機器分野では、硬貨の計数機能を備えた釣り銭機や非接触ICカードへの応用を目指した様々なサービスに対応するためのダウンロードサービス機能を有する中継サーバーなどを開発しました。また、コールドチェーン分野では、より「省エネ・環境」「安全・安心」「演出」を追及した「ECOMAX Rシリーズ」などを開発しました。
 当事業の研究開発費は37億33百万円であります。
■その他部門
 当事業の研究開発費は45百万円であります。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)財政状態の分析
 当連結会計年度末の総資産額は1兆359億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ111億19百万円増加しました。
 流動資産は5,312億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ478億72百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売上債権が274億61百万円、棚卸資産が170億22百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
 固定資産は5,042億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ369億57百万円減少しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は1,940億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ158億4百万円増加しました。これは、電子デバイス部門を中心とした積極的な設備投資を主因とするものであります。また、投資その他の資産は3,101億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ527億62百万円減少しました。これは、投資有価証券の時価評価差額相当分が前連結会計年度末に比べ減少したことなどによるものであります。
 当連結会計年度末の負債合計は7,726億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ324億18百万円増加しました。
 流動負債は5,325億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ242億77百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べコマーシャルペーパーが375億円増加した一方で、買入債務が106億75百万円減少したことなどによるものであります。
 固定負債は2,401億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ81億40百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ社債が300億円増加した一方で、投資有価証券の時価評価差額相当分の減少を主因として繰延税金負債が203億25百万円減少したことなどによるものであります。
 なお、当連結会計年度末の金融債務残高は3,562億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ563億18百万円増加しました。また、同残高の総資産に対する比率は34.4%となり、前連結会計年度末に比べ5.1ポイント上昇しました。
 当連結会計年度末の純資産合計は2,632億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ212億98百万円減少しました。これは、利益剰余金が115億19百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が305億30百万円減少したことを主因とするものであります。これらの結果、自己資本比率は24.6%となり、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント低下しました。
(2)経営成績の分析
 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%増収の9,221億円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ2.5%増収の7,314億63百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%減収の1,907億9百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。
 売上原価は、売上高の増加に加えて固定費の増加などにより、前連結会計年度に比べ3.1%増加し7,308億96百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ1.2ポイント上昇して79.3%となりました。
 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1.6%増加し1,553億91百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度と同じ16.8%となりました。
 営業利益は、グループをあげた業務革新活動等によるコスト競争力の強化の一方、積極的な設備投資を行っているディスク媒体分野において、主要顧客の販売減や業界再編の影響により物量が想定を大幅に下回ったため、前連結会計年度に比べ22.3%減益の358億83百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。
 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の25億53百万円の収益(純額)から、75百万円の費用(純額)となり、前連結会計年度に比べ26億28百万円悪化しました。これは、前連結会計年度において11億53百万円であった為替差益が当連結会計年度は差損に転じたこと及び支払利息が前連結会計年度に比べ14億7百万円増加したことなどによるものであります。
 これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ26.6%減益の358億8百万円となりました。
 特別利益は、固定資産売却益、投資有価証券売却益などを計上し、23億36百万円となりました。なお、投資有価証券売却益が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ5億3百万円減少しております。
 特別損失は、固定資産売廃却損、投資有価証券等評価減、特別退職金などを計上し、76億26百万円となりました。なお、前連結会計年度に特別製品修理費や特別棚卸資産償却費を計上していたことなどにより前連結会計年度に比べ35億円減少しております。
 以上により、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ24.6%減益の305億18百万円となり、税金費用132億6百万円と少数株主利益5億19百万円を差し引いた結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ27.4%減益の167億92百万円となりました。
(3)流動性及び資金の源泉に関する分析
 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は220億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億57百万円(15.5%)増加しました。
 当連結会計年度の主な資金の源泉は、財務活動によるキャッシュ・フロー542億12百万円であります。
 営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益305億18百万円、減価償却費215億28百万円、売上債権の増加によるもの△307億40百万円、棚卸資産の増加によるもの△163億81百万円、法人税等の支払額△147億20百万円などとなっております。
 なお、投資活動によるキャッシュ・フローは△366億94百万円となっており、その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出△351億29百万円などであります。
 以上によりフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は△498億90百万円となり、この資金需要を賄うために、コマーシャルペーパーや社債の発行を中心とする資金調達などを行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは542億12百万円となりました。




出典: 富士電機株式会社、2008-03-31 期 有価証券報告書