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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における富士電機(注)を取り巻く市場環境は、国内においては、政府による財政政策及び日銀による金融政策の効果もあって緩やかな回復となり、特に再生可能エネルギー、省エネ関連分野が堅調に推移しました。海外においては、米国、欧州の主要先進国が緩やかな回復基調となったこと等を背景として、海外市場全体は弱い動きながらも回復しつつあり、特にパワエレ機器及び半導体分野は堅調に推移しました。

 このような環境のもと、当社は経営方針に掲げる「エネルギー関連事業の拡大」、「グローバル化」に重点的に取組むとともに、当期を「攻めの経営元年」と位置付け、将来の事業拡大に向けた成長基盤を確立し、収益力の更なる強化を図るべく、利益重視の経営を推し進めました。

 当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。

 売上高は、7,599億11百万円となり、前連結会計年度に比べ141億30百万円増加しました。部門別には「パワエレ機器」、「電子デバイス」及び「食品流通」は前連結会計年度を上回りましたが、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」、「その他」は前連結会計年度を下回りました。

 損益面では、営業損益は、徹底したコストダウン、経費圧縮等の体質改善効果により、前連結会計年度に比べ111億44百万円増加の331億36百万円となりました。経常損益は、前連結会計年度に比べ110億17百万円増加し、367億31百万円となりました。当期純損益は、前連結会計年度に繰延税金資産の計上があった影響等により、前連結会計年度に比べ67億86百万円減少し、195億82百万円となりました。

 

(注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。

<セグメント別状況>

■発電・社会インフラ部門

 売上高は前連結会計年度に比べ2%減少の1,536億53百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ2億83百万円減少の81億38百万円となりました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,313億円(富士電機㈱の発電・社会インフラ部門単独ベース)となっております。

 

 発電プラント分野の売上高は、水力発電設備及び太陽光発電システムの案件増加があったものの、前連結会計年度に火力発電設備の大口案件の計上があった影響により、前連結会計年度を下回りました。社会システム分野の売上高は、スマートメータへの切り替えを前に電力量計の需要が減少し、前連結会計年度を下回りました。社会情報分野の売上高は、大口案件の増加に加え、Windows−XPTMのサポート終了に伴う需要の増加により、前連結会計年度を上回りました。部門全体の営業損益は、原価低減を推し進めたものの、売上高の減少により、前連結会計年度を下回りました。

 

■産業インフラ部門

 売上高は前連結会計年度に比べ5%減少の1,886億48百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ18億17百万円減少の92億9百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,222億円(富士電機㈱の産業インフラ部門単独ベース)となっております。

 

 変電分野の売上高は、前連結会計年度に海外大口案件の計上があった影響により、前連結会計年度を下回りました。機電システム分野の売上高は、国内製造業向け省エネ関連設備の案件増加により、前連結会計年度を上回りました。計測制御システム分野の売上高は、放射線計測機器の需要減により、前連結会計年度を下回りました。設備工事分野の売上高は前連結会計年度と同水準となりました。部門全体の営業損益は、原価低減を推し進めたものの、売上高の減少により、前連結会計年度を下回りました。

 

■パワエレ機器部門

 売上高は前連結会計年度に比べ12%増加の1,655億23百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ41億99百万円増加の54億35百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,333億円(富士電機㈱のパワエレ機器部門及び富士電機機器制御㈱単独ベースの合計)となっております。

 

 ドライブ分野の売上高は、国内外でのインバータ・サーボの需要増に加え、鉄道車両用電機品の海外大口案件が寄与したことにより、前連結会計年度を上回りました。営業損益は、増収効果及び前連結会計年度に実行した構造改革の効果により、前連結会計年度を上回りました。パワーサプライ分野は、メガソーラー向けパワーコンディショナ及びデータセンタ向け電源設備等の需要が増加し、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を上回りました。器具分野は、再生可能エネルギー分野での需要拡大及び国内工作機械・半導体分野の需要回復により、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を上回りました。

 

■電子デバイス部門

 売上高は前連結会計年度に比べ9%増加の1,238億51百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ77億18百万円増加の63億2百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,045億円(富士電機㈱の電子デバイス部門及び富士電機マレーシア社単独ベースの合計)となっております。

 

 半導体分野は、自動車分野の需要が前連結会計年度に引き続き堅調に推移したことに加え、産業分野におけるインバータ・サーボ、産業機械等の需要回復により、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業損益は、増収効果に加え、パワー半導体において前連結会計年度に実行した構造改革の効果により、前連結会計年度を上回り、大幅な損益好転となりました。ディスク媒体分野は、顧客需要減により、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を下回りました。

 

■食品流通部門

 売上高は前連結会計年度に比べ7%増加の1,200億56百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ16億24百万円増加の80億47百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,162億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。

 

 自販機分野の売上高は、省エネ型環境対応自販機への置換需要及びコンビニエンスストア向けコーヒーマシンの需要が堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。営業損益は、増収効果及び原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。店舗流通分野は、コンビニエンスストア向けを中心とした新規・改装案件の増加により、売上高は前連結会計年度を上回りましたが、営業損益は、新規事業拡大に向けた先行投資費用が増加した影響等により、前連結会計年度を下回りました。

 

■その他部門

 売上高は前連結会計年度に比べ1%減少の599億98百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ2億85百万円増加の19億12百万円となりました。

 

(注) 当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」及び「パワエレ機器」の各報告セグメント、並びに「その他」において、集約する事業セグメントを変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は440億2百万円の資金の増加(前連結会計年度は310億55百万円の増加)となり、前連結会計年度に対し129億47百万円の好転となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は、536億51百万円(前連結会計年度は553億42百万円の増加)となりました。これは、たな卸資産が増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上並びに仕入債務が増加したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、16億91百万円の悪化となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、96億49百万円(前連結会計年度は242億86百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得を主因とするものであります。
 前連結会計年度に対しては、146億37百万円の好転となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、505億69百万円(前連結会計年度は568億27百万円の減少)となりました。これは主として、コマーシャル・ペーパーの減少によるものであります。

 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ62億76百万円(15.8%)減少し、334億12百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。

(2)受注状況

 富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注状況については、「1.業績等の概要」におけるセグメント別状況に関連付けて示しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

発電・社会インフラ

153,653

97.9

産業インフラ

188,648

94.9

パワエレ機器

165,523

111.6

電子デバイス

123,851

109.0

食品流通

120,056

107.1

その他

59,998

99.0

消去

△51,820

合計

759,911

101.9

(注)1.上記の金額には消費税等を含んでおりません。

2.当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」及び「パワエレ機器」の各報告セグメント、並びに「その他」において、集約する事業セグメントを変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 

3【対処すべき課題】

(1)対処すべき課題

 当社は、2013年7月に、2013年度を初年度とする「2015年度 中期経営計画」を策定し、「収益力の強化」及び「成長基盤の確立」を基本方針に掲げ、経営方針に掲げる「エネルギー関連事業の拡大」、「グローバル化」を推し進めています。
 

●収益力の強化
 事業活動に伴うあらゆるコストをゼロベースで見直すとともに、ムダ・ロスコスト等の発生を未然に防止する業務品質の向上を徹底して行う「Pro-7活動」を全社運動として引き続き推進します。
 

●成長基盤の確立
 当社を取り巻く事業環境は、国内においては、エネルギー投資(再生可能エネルギー・高効率火力)、老朽設備の更新投資、及び、省エネ化に向けた投資が拡大するものと見込まれます。また、海外においては、インフラ投資、エネルギー需要増加に伴う電力投資、及び、日系企業の進出加速に伴う設備投資が拡大するものと期待されます。
 当社は、このような事業環境下にある国内及びアジア・中国において事業の拡大に取り組みます。また、事業セグメント別には、需要の伸張が期待できる製品・システムを有する産業インフラ・パワエレ機器・パワー半導体事業の拡大に引き続き取り組みます。

 

〈2014年度の取り組み〉

 2014年度は「攻めの経営元年」とした2013年度からさらに一歩踏み込んで「攻めの経営拡大」の年と位置付け、当連結会計年度に引き続き利益重視の経営を推進し、産業インフラ・パワエレ機器を中心に収益力の強化を図るとともに、海外事業の強化に重点的に取り組み、将来の事業拡大につなげていきます。

 

〈事業セグメント別重点施策〉

●発電・社会インフラ
 高効率な火力発電設備及び地熱発電設備の受注拡大に取り組むとともに、国内では引き続き需要が見込まれる太陽光発電システムを主体とした新エネルギー分野の拡大に取り組みます。また、スマートメータのものつくり体制強化を図るとともに、スマートコミュニティ事業の拡大を加速させます。
 

●産業インフラ
 国内は、投資が期待される分野において省エネ・更新需要の確実な取り込みを図ります。海外では、富士タスコ社及びタイ新工場における生産体制の拡大、アジアにおける現地エンジニアリング体制の強化により競争力を強化し、アジア事業の拡大を図ります。

 

●パワエレ機器
 インバータ、無停電電源装置、パワーコンディショナなどの主力商品においてグローバル商材の開発、市場投入を推し進めるとともに、タイ新工場の生産規模を拡大して競争力を強化し、アジアを中心に海外事業の拡大を図ります。また、上海電気集団との合弁会社を通じた中国ビジネス拡大に取り組みます。
 

●電子デバイス
 半導体分野において製品開発を加速し、新製品投入により売上拡大を図るとともに、生産機種移管による海外生産の拡大など原価低減の取り組みを推進します。また、将来の事業拡大に向けた次世代パワー半導体の開発を加速していきます。
 

●食品流通
 中国・アジア市場への自販機ビジネスの拡大を図ります。また、コンビニエンスストア向けを中心とした店舗設備の受注拡大を図るとともに、流通分野において冷熱技術とソリューションを融合させた新規事業の拡大に取り組みます。

 

 

(2)会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

富士電機は、基本理念を次のとおり定めております。

富士電機は、地球社会の良き企業市民として、地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします

●豊かさへの貢献 ●創造への挑戦 ●自然との調和

  この基本理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、富士電機は、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
 これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
 富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
 また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
 当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
 しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
 現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
 しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。

② 基本方針を実現するための当社の取り組み

1)企業価値向上の取り組み

 富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。

その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。

2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み

 当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
 具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
 また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。

③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由

 当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
 また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。

 

 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 富士電機は、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、富士電機の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)事業環境の変動等に係るもの

①円安を背景とした原材料・部品価格の上昇に加え、新興国の急激な需要増等の情勢変化によっては素材・原材料の需給逼迫が見込まれます。富士電機では、原材料価格高騰リスクに対して商品スワップ取引を行う等、リスクの軽減に努めておりますが、これらの価格が大幅に上昇した場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②富士電機は、海外市場への積極的な展開を図っており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けの販売拡大に注力しています。また、民間設備投資や公共投資をはじめとする国内景気の動向とも深い関わりがあります。このため、海外及び国内の市場動向による業績影響の極小化に向けて、コストダウンや総経費の圧縮に努めておりますが、中国における景況の悪化あるいは経済政策の変更が発生した場合や、市場における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③富士電機では、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、完全に為替リスクを回避するものではありません。そのため、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④富士電機の当連結会計年度末での金融債務残高は1,995億5百万円となっています。今後、金利が想定以上に上昇した場合には、金利負担の増大を招くことにより、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤金融市場の動向や富士電機の財務指標の悪化が、一部借入金の財務制限条項への抵触による期限前弁済等、富士電機の資金調達や支払金利に対して影響を与え、これらを通して、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の品質に係るもの

 富士電機では、生産・販売する製品について品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。また、製造物賠償責任については必要な保険を付保しております。しかしながら、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、その場合には、富士電機の業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)投資に係るもの

 富士電機は、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。特に、多額の資金を必要とするディスク媒体分野、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)技術開発に係るもの

 富士電機では、市場ニーズに応じた技術開発に全力で取り組んでおりますが、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)海外活動に係るもの

 富士電機は、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開していますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

・不利な政治的要因の発生

・社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱

(6)知的財産権に係るもの

 富士電機では、富士電機の知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めております。しかしながら、技術革新のスピードが加速していること、また、富士電機の事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生する可能性があり、そうした場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)アライアンスに係るもの

 富士電機は、各事業分野における競争力の強化に向け、合弁、提携等により第三者との協業に積極的に取り組んでいきます。これらの施策においては、当該第三者との協力関係が必要不可欠でありますが、制度、文化面などの相違から事業戦略、技術、製品及び人事等の統合が円滑に行われず、十分な成果が得られない場合は、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)人材に係るもの

 富士電機の事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材を確保・育成することは成長に不可欠でありますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)個人情報の漏洩に係るもの

 富士電機は事業活動に関連して、お客様関係、調達先関係、従業員関係など多数の個人情報を扱っており、これらの個人情報の取得、利用、保管等につきましては、関連する各種社内規程の整備やその徹底を通じて万全を期しております。しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出する可能性が皆無ではなく、その場合には、富士電機の社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)大規模な災害や事故等に係るもの

 富士電機は、世界各地に事業拠点を展開しています。これらの事業所地区において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、富士電機の業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)土壌汚染に係るもの

 富士電機の所有する土地は、環境国際規格に基づいて汚染の予防、測定、監視に努めており、また、土地の売却を計画する際には、売却予定地の土壌調査を実施するなど、関連法規、条例に準拠した適切な手続きで進めております。これらの測定又は調査結果によっては、土壌浄化のための対策費用が発生することがあり、その場合、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)退職給付債務に係るもの

 富士電機は、従業員の退職給付について、退職一時金制度及び企業年金制度を設け、数理計算上合理的と認められている前提に基づいて計算される退職給付費用及び債務を計上しております。また、当社及び一部の国内連結子会社においては、退職給付信託として上場有価証券を信託しております。そのため、退職給付債務等の計算の前提条件として採用した割引率、年金資産の期待運用収益率と実際の結果とに差異が生じた場合、及び、信託した上場有価証券の株価が変動した場合などに、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(13)コンプライアンスに係るもの

 富士電機は、さまざまな事業分野で、また世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。富士電機は、適切な内部統制システムを整備して、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、富士電機の社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)訴訟その他の法的手続に係るもの

 富士電機は、事業を遂行するうえで、訴訟その他の法的手続を受ける可能性があり、予期せぬ多額の賠償を命じられる可能性は皆無ではなく、それらの決定の内容によっては、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

 

6【研究開発活動】

富士電機の研究開発では、最先端のエネルギー技術の追求により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する製品群を創出しています。また、研究開発の実行において全社のシナジーを発揮するとともにグローバル化を推進し、大学や研究機関、他の企業とのオープンイノベーションを強化しています。

当連結会計年度における富士電機全体の研究開発費は320億29百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は10,426件です。

 

■発電・社会インフラ部門

太陽光発電システム分野では、DC1,000V/660kW屋内型PCS(パワーコンディショナ)を開発し、製品メニューを拡大しました。このPCSは塩害地域で使用することが可能で、メガソーラの設置箇所が海岸部埋立地等に多い日本の事情に対応しています。

北九州スマートコミュニティー社会実証では、経済産業省が進める日本版ADR(Automated Demand Response、自動電力需要応答)の標準仕様について実証を行いました。EMS新宿実証センターからデマンドレスポンス指令を受けた地域エネルギーマネジメンシステム(CEMS)が、自動的に需要家へ展開し需要調整を行いました。

けいはんな実証事業では、夏季ピークカット実証において、蓄電池の充放電制御、空調機器などの負荷制御、熱源機器の運転切替え、テナントに対するデマンドレスポンスなどにより、ピークカット・ピークシフトの目標を達成しました。冬季では、熱源機器の負荷に応じた運転切替えを最適化し、更なるCO削減を実現しました。ホテル客室に対するデマンドレスポンスも検証を継続しています。

スマートメータを初めて導入する東京電力㈱向けに、60A、30A計器を開発し、2014年度導入分として落札することができました。電力各社によるスマートメータの導入に向け、ラインアップを拡充するための開発と、量産準備を進めています。また、スマートメータ「Azos GFI」を開発し、発売しました。このスマートメータの型式承認を日本電気計器検定所から取得しており、高圧一括受電を行うマンションやオフィスビルを中心に多方面から引き合いをいただいております。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は45億11百万円です。

 

■産業インフラ部門

 AIR環境分野では、データセンター事業者、電子精密、食品薬品分野等、年間を通じて清浄な空気と冷房空調が必要な施設用に、間接外気冷房とヒートポンプを併用制御して大幅な省エネ化を図る空調機「F−COOLNEO」を開発し、発売しました。

 受変電設備分野では、モールド変圧器「トップランナーモルトラ2014」を開発し、発売しました。「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)に基づいて経済産業省が定めたトップランナー方式によるモールド変圧器のエネルギー消費効率の新基準に適合しています。

 ガス機器分野では、一般住宅の台所で、ガス漏れや不完全燃焼、火災の煙を検知する、薄型化と低消費電力化とを実現した、住宅用火災(煙式)・ガス・CO警報器「KN−95」を開発し、発売しました。本警報器は、ガス消費者の安全確保に役立つとともに、ガス事業者の安全・安心な社会の実現に向けた取組みに貢献いたします。

 工場の生産ラインや発電プラントなどに適用できる「MICREX−VieW XX(ダブルエックス)」を開発し、発売しました(平成25年11月受注開始、平成26年6月出荷開始予定)。プロセスオートメーション(温度・圧力・流量などの自動制御)、ファクトリーオートメーション(加工や組み立てにおける自動制御)の双方に対応し、お客さまの生産プロセスにおける各工程の状態の監視と制御を行い、プラントの安定稼働・安全運転や効率稼働に貢献いたします。

 放射線機器分野では、高機能積算線量計「DOSEe nano」を東京電力(株)と共同開発し、発売しました。本線量計は積算放射線量を1nSv(ナノシーベルト、ナノ:10−9)から表示します。1μSv(マイクロシーベルト、マイクロ:10−6)からの表示であった従来製品に比べ高感度化しました。従来、把握できなかった日常生活における微量の被ばく線量を把握・管理できるように分単位の計測・記録ができます。

 当連結会計年度における当部門の研究開発費は59億28百万円です。

 

■パワエレ機器部門

パワーサプライ分野では、IT機器や工場の生産ラインにおける停電時のバックアップ電源としてUPSの需要が増加するアジアを始めとする海外市場向けに三相4線式の大容量UPS「7000HX−T4」を開発し、初号機を納品しました。設備容量は500kVAを基準とし、並列冗長システム、待機冗長システム等の高信頼性UPSシステムの構築が可能となります。当社独自のパワー半導体であるRB−IGBTを用いた新3レベル変換回路により高い装置効率(96.5%)を実現し、電力損失の低減と省エネ化を推進します。さらに、従来機種と比べ、設置面積が30%以上小さくなり、省スペースを実現します。

 ドライブ分野では各種一般産業機械のモータ可変速用途向けに、当社シリーズでは最小で、かつ簡単操作で好評を得ている低圧コンパクトインバータ「FRENIC−Mini」の出力容量を従来の0.1kWから3.7kWまでの範囲を上限15kWまでとし、ラインアップを拡充しました。同じ操作で適用できるモータ容量が大きくなり、用途を広げることができます。また、ユーザが独自に機能追加できるカスタマイズ機能を標準搭載して好評を得ている低圧スタンダードインバータ「FRENIC−Ace」の出力容量を従来の18.5kW〜75kWの範囲から5.5kW〜220kWの範囲にラインアップを拡充しました。空調用途向けに冷却塔ファン、冷却水ポンプなどの運転をきめ細かく制御する機能を搭載し、主にアジア市場で好評を得ている「FRENIC−HVAC」の入力電圧を400Vだけでなく200Vも追加拡充しました。このことにより、日本市場において、防塵、防水構造により省スペース化に貢献します。

 回転機分野では、平成27年4月から始まる「トップランナー規制」に対応した「低圧三相プレミアム効率モータ」を開発し、発売しました。銅損・鉄損・風損・軸受け損の低減などを図り、JIS C4034−30:2011規定のIE3相当の効率値を達成し、省エネを図ることができます。また、従来製品と同じ取合い寸法なので容易に置換えができます。

 器具分野では、受配電回路の保護・計測に最適で、過電流保護から電力品質監視まで、必要な機能に合わせて機種選択が可能な電子式オートブレーカ「BXシリーズ」及び、配電盤設計の標準化、コンパクト化、簡単に取付けができるなどの特長を持った低圧気中遮断器「DWシリーズ」を開発し、発売しました。また、従来機種と比べ40%小形化した多回路用電力監視装置「F−MPC04P」のモデルチェンジ品を開発し、発売しました。

 高圧受配電向けでは、前面パネルの取付け穴を統一し、盤加工の省力化や取り付け作業の容易化を実現し、絶縁性能の向上、RoHS指令への対応に加え、グリスアップ期間の延長などライフサイクルコストも低減した「マルチVCB(固定形)」のモデルチェンジ品を開発し、発売しました。また、小形化と取扱い性の向上並びにRoHS指令に対応した「高圧交流負荷開閉器(LBS)」のモデルチェンジ品を開発し、発売しました。

 太陽光発電設備向けでは、保持電流を低く抑え低消費電力を実現した電磁接触器「SC−N14、16形」及び、太陽電池パネルをストリング(10〜20枚の太陽電池パネルからなる発電のまとまり)単位で12回路まで計測できる監視ユニット「F−MPC PVシリーズ」を開発し、発売しました。「G−TWINシリーズ」の直流回路用ブレーカでは、DC600Vの125AF、250AF品を従来の4極から3極にすることで設置面積を25%削減しました。また、設備の絶縁劣化を常時監視し地絡事故を防ぐ監視ユニット「ビジローム(Vigilohm)シリーズ」では5MWレベルの大規模システム用と750kWまでの中規模システム用の2種類を開発し、発売しました。

 中国アジア市場向けでは、「経済形押しボタン付電磁接触器(6〜32A)」及び電磁開閉器「FJシリーズ」に40〜95A品を開発し、発売しました。また、幅広い時限仕様(0.5秒〜12時間)を持つ経済形スーパータイマ「ST7−C形」を開発し、発売しました。

 当連結会計年度における当部門の研究開発費は75億25百万円です。

 

■電子デバイス部門

 パワー半導体分野では、モジュール製品として、産業用途向けに、小容量用途のパワー集積モジュールSmall−PIM(600V/10、15、20、30、50A及び1,200V/10、15、25、35A)を開発し、発売しました。最新の第6世代IGBT(Vシリーズ)を適用し、外部接続用端子には、はんだ付け用の端子と圧入実装が可能なプレスフィット端子の2種類を選択することができます。はんだ付け用の端子では優れたはんだ濡れ性を確保しました。また近年需要が増えてきているプレスフィット端子はプリント板への実装や置換えが容易になり実装コストが削減できます。

 また、溶接機などにおけるスイッチングの高速化の要求に対して、スイッチング周波数50kHzまでの高速動作が可能な高速IGBTモジュール(素子定格1,200V/150A及び300A、2in1)を開発し、発売しました。エネルギー・環境分野では、2in1大容量IGBTモジュール1,700V/650A及び1,000Aの新系列製品を量産開始しました。本製品は特に1MW以上の風力システムにおける低周波出力に対応するため、発電ダイオードへの厳しい負荷動作に適したIGBT/FWDチップを最適設計することにより、安定した電力変換性能と長期信頼性確保を両立させています。フェーズチェンジタイプのサーマルコンパウンド(塗布処理後ゴム状が一定温度以上でグリース状に変化)を塗布した1,200V/1,400A及び1,700V/1,400A 2in1のIGBTモジュールを開発し、発売しました。IGBTモジュールを実装するときに、サーマルコンパウンドが薄くかつ均一に拡がるように塗布パターンを最適化してあるため、ユーザは実装工程の簡素化と優れた放熱特性を同時に得ることができます。更に、IPM(インテリジェントパワーモジュール)に最新の第6世代IGBTを適用して600V/100、150、200A、1,200V/50、75、100A製品系列を開発し、ラインアップを拡充しました。なお、高放熱DCBを採用したので、従来に比べパワー密度が30%向上しました。

 ディスクリート製品として、現行のスーパージャンクションMOSFET「Super J−MOS」の超低オン抵抗、低スイッチング損失などの特性はそのままに、内蔵ダイオードの高速化を併せて実現したスーパージャンクションMOSFET 「Super J−MOS FREDシリーズ」を開発し、発売しました。本製品は、UPS、サーバ、通信電源、LED照明、PCS等の共振回路部、インバータ回路部に最適です。

 IC製品として、液晶テレビなどの民生機器や産業機器の電源用途向けに、第2世代電流共振ICを開発、発売しました。スタンバイ電力を従来比1/3となる80mWに削減し、業界初の2次側過負荷保護機能を内蔵しています。また、民生機器や産業機器の力率改善が必要な電源用途向けに第3世代臨界モードPFC−ICを開発し、発売しました。軽負荷時の効率を従来比7%向上しました。パワー半導体に周辺回路を内蔵した、ローサイドIPS(Intelligent Power Switch)を開発し、発売しました。本製品は、CPUの短絡や負荷断線が検出できるとともに、出力段パワーMOSFETのオン抵抗を低減することにより、従来と同じSOP−8パッケージを採用しながら定格出力電流を1Aから2Aに増やすことができました。更に、スイッチング特性を最適化したことで、ステッピングモータへの適用が可能になり、自動車電装システムの環境規制や低燃費化に貢献します。

 さらに車載用途向けに、1MPa対応の油圧検出用相対圧センサを量産開始しました。感度を従来の3.5倍にし、エンジンオイル耐性を付加した小型セルパッケージを適用することで、エンジン制御におけるオイル管理や吸排気カムの制御などが容易になり、低燃費化に貢献します。

 感光体分野では、新興国市場向け複写機用に、汎用型有機材料と当社独自の高機能型有機材料とを組合せ、製造コストを抑制しながら印刷可能数8万ページを確保した複写機用感光体を開発し、発売しました。また、毎分40枚の高速印刷が可能なA4モノクロ複合機に対応した高感度・高耐久型感光体を開発し、発売しました。

 ディスク媒体分野では、1枚当たりの記憶容量が1TBの3.5インチアルミディスク媒体において、層構成とプロセスの最適化による特性改善品の本格量産を開始しました。また、1枚当たりの記憶容量が500GBの2.5インチガラスディスク媒体において、新液体潤滑剤及び多層記録層の材料最適化を適用した特性改善品の本格量産を開始しました。さらに、640GBの次世代2.5インチガラスディスク媒体の製品開発を継続するとともに、熱アシスト記録技術を適用する予定の1TBの2.5インチガラスディスク媒体の開発を進めています。

 当連結会計年度における当部門の研究開発費は93億72百万円です。

 

■食品流通部門

 自販機分野では、2014年機の缶・ペットボトル自販機を開発し、発売しました。ヒートポンプによる高効率熱利用技術の高度化、及び蓄熱技術と断熱技術を適用した節電機能の高度化など、更なる省エネを実現しています。物品自販機では、国内外に対応する技術の開発を行っています。販売機構をお弁当などの多様な商品や変更に対応ができる構造としました。

 通貨機器分野では、グローバル展開を目指した新しい検銭・鑑別技術、セキュリティ技術、紙幣搬送技術の製品化に向けた開発を行っています。

 冷凍冷蔵ショーケース分野では、インバータ制御型ショーケースを開発し、発売しました。店舗の空調・照明などと連携した統合省エネルギーシステムの開発を重点的に推進し、実店舗での省エネ検証を行いました。

 流通システム分野では、低温流通における事業拡大に向け、冷凍冷蔵倉庫の温度モニタリングや省エネシステムを開発し、平成26年3月に顧客に納入し、導入していただきました。加えて、次世代保冷コンテナ「D−BOX」(保冷温度−5〜+5℃)とD−BOXの定温管理や個体識別管理、稼働率管理(稼働時間、空き時間、保守計画)、エネルギー管理を行う「ハイクオリティコールドチェーンシステム」を開発し、発売しました。

 当連結会計年度における当部門の研究開発費は46億86百万円です。

 

■その他部門

 当連結会計年度における当部門の研究開発費は5百万円です。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産額は8,107億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ452億11百万円増加しました。

 流動資産は4,293億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億32百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が57億25百万円減少した一方で、たな卸資産が137億21百万円増加したことなどによるものであります。

 固定資産は3,812億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ405億48百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は1,864億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億45百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,947億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ352億3百万円増加しました。これは、主に投資有価証券が、その他有価証券の時価評価差額相当分の増加を主因として、294億3百万円増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は5,595億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ96億58百万円増加しました。

 流動負債は3,594億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ210億9百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ短期借入金が138億18百万円増加した一方で、コマーシャル・ペーパーが280億円、1年内償還予定の社債が100億円、それぞれ減少したことなどによるものであります。

 固定負債は2,000億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ306億67百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ長期借入金が230億31百万円減少したほか、前連結会計年度末に退職給付引当金が116億81百万円計上されていた一方で、当連結会計年度末において退職給付に係る負債が342億36百万円計上されるとともに、前連結会計年度末に比べ社債が200億円、繰延税金負債が102億85百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 なお、当連結会計年度末の金融債務残高は1,995億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ272億12百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は24.6%となり、前連結会計年度末に比べ5.0ポイント減少しました。

 当連結会計年度末の純資産合計は2,512億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ355億52百万円増加しました。これは、当連結会計年度末において退職給付に係る調整累計額が△106億14百万円計上されたものの、前連結会計年度末に比べその他有価証券評価差額金が243億85百万円、利益剰余金が150億11百万円、それぞれ増加したことを主因とするものであります。これらの結果、自己資本比率は28.0%となり、前連結会計年度末に比べ2.6ポイント増加しました。

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.9%増収の7,599億11百万円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ2.6%増収の5,822億23百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%減収の1,776億88百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

 売上原価は、前連結会計年度に比べ1.3%減少し5,798億56百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ2.5ポイント減少して76.3%となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ7.8%増加し1,469億18百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ1.0ポイント増加して19.3%となりました。

 営業利益は、徹底したコストダウン及び経費圧縮等の体質改善効果により331億36百万円となり、前連結会計年度に比べ111億44百万円の増加となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の37億21百万円の収益(純額)から、35億94百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ1億27百万円の収益(純額)の減少となりました。これは、支払利息が前連結会計年度に比べ8億74百万円減少したほか、為替差益が3億26百万円増加した一方で、受取配当金が前連結会計年度に比べ15億20百万円減少したことなどによるものであります。

 これらの結果、経常利益は367億31百万円となり、前連結会計年度に比べ110億17百万円の増加となりました。

 特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上し、9億13百万円となりました。なお、主に投資有価証券売却益の計上額が減少したことにより前連結会計年度に比べ1億32百万円減少しております。

 特別損失は、固定資産処分損、投資有価証券評価損、減損損失、和解金などを計上し、39億7百万円となりました。なお、主に減損損失の計上額が減少したことにより前連結会計年度に比べ62億34百万円の減少となりました。

 以上により、税金等調整前当期純利益は337億37百万円となり、前連結会計年度に比べ171億20百万円の増加となりました。当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用119億82百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、少数株主利益21億72百万円を控除した結果、195億82百万円となり、繰延税金資産の計上を主因とする税金費用の戻入114億26百万円を税金等調整前当期純利益に加算するなどした前連結会計年度に比べ67億86百万円の減少となりました。

(3)流動性及び資金の源泉に関する分析

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は334億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億76百万円(15.8%)減少しました。

 当連結会計年度の主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー536億51百万円であります。

 営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益337億37百万円、減価償却費308億49百万円、仕入債務の増加によるもの82億90百万円、たな卸資産の増加によるもの△99億64百万円、法人税等の支払額△74億3百万円、前受金の減少によるもの△64億45百万円などとなっております。

 なお、投資活動によるキャッシュ・フローは△96億49百万円となっており、その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出△138億23百万円、貸付けによる支出△69億39百万円、投資有価証券の取得による支出△36億66百万円、投資有価証券の売却による収入94億64百万円、貸付金の回収による収入69億86百万円などであります。

 以上によりフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は440億2百万円となりました。また、コマーシャル・ペーパーの減少などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは△505億69百万円となりました。





出典: 富士電機株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書