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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における富士電機(注)を取り巻く市場環境は、国内においては、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動もみられましたが、企業収益が改善傾向となるなど総じて緩やかな回復基調で推移しました。海外においては、一部に弱さがみられたものの、米国をはじめとする主要先進国が回復基調にあること等を背景として、海外市場全体は緩やかに回復しつつ推移しました。

 このような環境のもと、当社は経営方針に掲げる「エネルギー関連事業の拡大」、「グローバル化」に重点的に取り組むとともに、当連結会計年度を前連結会計年度に掲げた「攻めの経営元年」から、さらに一歩踏み込み「攻めの経営拡大」の年と位置付け、産業インフラ、パワエレ機器を中心とした収益力の強化及び海外事業の強化を推し進めました。

 当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。

 売上高は、需要増に加え、為替換算差による増収効果もあり、前連結会計年度に比べ507億67百万円増加の8,106億78百万円となりました。部門別には、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」、「パワエレ機器」、「電子デバイス」、「その他」は前連結会計年度を上回りましたが、「食品流通」は前連結会計年度を下回りました。

 損益面では、営業損益は、売上高の増加に加え、コストダウン等の体質改善効果により、前連結会計年度に比べ61億80百万円増加の393億16百万円となりました。経常損益は、前連結会計年度に比べ64億8百万円増加し、431億39百万円となりました。また、当期純損益は関連会社の上場に伴う持分変動利益を計上したこともあり、前連結会計年度に比べ83億96百万円増加の279億78百万円となり、過去最高益となりました。

 

(注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。

<セグメント別状況>

■発電・社会インフラ部門

 売上高は前連結会計年度に比べ15%増加の1,752億13百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ6億7百万円増加の82億66百万円となりました。

 なお、当連結会計年度の受注高は2,140億円(富士電機㈱の発電・社会インフラ部門単独ベース)となっております。

 

 発電プラント分野の売上高は、水力発電設備の大口案件減少があったものの、太陽光発電システムの案件増加により、前連結会計年度を上回りました。社会システム分野の売上高は、電力系統等の電力流通分野及びスマートメータを中心に前連結会計年度を上回りました。社会情報分野の売上高は、中小口案件の取り込みを中心に増加し、前連結会計年度を上回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加により、前連結会計年度を上回りました。

 

■産業インフラ部門

 売上高は前連結会計年度に比べ4%増加の1,980億35百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ17億99百万円増加の114億23百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,258億円(富士電機㈱の産業インフラ部門単独ベース)となっております。

 

 変電分野の売上高は、国内大口案件の増加により、前連結会計年度を上回りました。産業プラント分野の売上高は、国内の更新需要が堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。産業計測機器分野の売上高は、前連結会計年度と同水準となりました。設備工事分野の売上高は、空調設備工事及び太陽光発電設備工事の案件増加により、前連結会計年度を上回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。

 

■パワエレ機器部門

 売上高は前連結会計年度に比べ5%増加の1,841億10百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ14億91百万円増加の68億22百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,492億円(富士電機㈱のパワエレ機器部門及び富士電機機器制御㈱単独ベースの合計)となっております。

 

 ドライブ分野は、主力のインバータ・サーボの需要増により、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を上回りました。パワーサプライ分野は、海外向け電源設備の需要増に加え、国内メガソーラー向けパワーコンディショナの需要が堅調に推移したことにより、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を上回りました。器具分野は、工作機械や太陽光発電関連の需要が堅調に推移したことにより、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を上回りました。

 

■電子デバイス部門

 売上高は前連結会計年度に比べ11%増加の1,371億89百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ15億99百万円増加の80億71百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,075億円(富士電機㈱の電子デバイス部門及び富士電機マレーシア社単独ベースの合計)となっております。

 

 半導体分野は、自動車分野で消費税率引上げに伴う需要の減少があったものの、産業分野においてインバータ・サーボ、産業機械等の需要が堅調に推移したこと、また、情報電源分野においても情報通信機器向けの需要が回復したことにより、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。ディスク媒体分野は、売上高は前連結会計年度を上回りましたが、営業損益は、価格、機種構成差による減益影響等により、前連結会計年度と同水準となりました。

 

■食品流通部門

 売上高は前連結会計年度に比べ1%減少の1,191億13百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ4億80百万円増加の85億27百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,108億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。

 

 自販機分野の売上高は、中国を中心とした海外市場での拡大があったものの、国内における天候不順や消費税率引上げに伴う自販機需要の減少、コンビニエンスストア向けコーヒーマシンの需要一巡により、前連結会計年度を下回りました。店舗流通分野の売上高は、コンビニエンスストア向け冷凍・冷蔵設備や流通分野向け要冷設備、植物工場向け設備・システムの増加があったものの、自動釣銭機の顧客需要減により、前連結会計年度を下回りました。部門全体の営業損益は、売上高の減少があったものの、原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。

 

■その他部門

 売上高は前連結会計年度に比べ2%増加の612億3百万円となり、営業損益は前連結会計年度と同水準の18億82百万円となりました。

 

(注) 当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」、「パワエレ機器」及び「電子デバイス」の各報告セグメントにおいて、集約する事業セグメントを変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は287億8百万円の資金の増加(前連結会計年度は440億2百万円の増加)となり、前連結会計年度に対し152億94百万円の悪化となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は、514億59百万円(前連結会計年度は536億51百万円の増加)となりました。これは、たな卸資産及び売上債権が増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上並びに前受金が増加したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、21億92百万円の悪化となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、227億50百万円(前連結会計年度は96億49百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得並びに投資有価証券の取得を主因とするものであります。
 前連結会計年度に対しては、131億1百万円の悪化となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、338億28百万円(前連結会計年度は505億69百万円の減少)となりました。これは主として、長期借入金の減少によるものであります。

 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ15億17百万円(4.5%)減少し、318億95百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。

(2)受注状況

 富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注状況については、「1.業績等の概要」におけるセグメント別状況に関連付けて示しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

発電・社会インフラ

175,213

115.0

産業インフラ

198,035

104.5

パワエレ機器

184,110

105.4

電子デバイス

137,189

111.5

食品流通

119,113

99.2

その他

61,203

102.0

消去

△64,189

合計

810,678

106.7

(注)1.上記の金額には消費税等を含んでおりません。

2.当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」、「パワエレ機器」及び「電子デバイス」の各報告セグメントにおいて、集約する事業セグメントを変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 

3【対処すべき課題】

(1)対処すべき課題

 当社は、経営方針に掲げる「エネルギー関連事業の拡大」、「グローバル化」を推し進めており、「2015年度 中期経営計画」の完遂、2016年度以降の成長に向け、以下の施策に取り組みます。

 

●成長戦略の推進
 当社を取り巻く事業環境は、国内においては、高効率火力・再生可能エネルギー等の発電インフラ投資、及び更新需要を中心とした設備投資が拡大するものと見込まれます。また、海外においては、インフラ投資、エネルギー需要増加に伴う電力投資、及び省エネ・効率化投資が拡大するものと期待されます。
 このような事業環境下において、需要の伸長が期待できる発電プラント事業、産業インフラ事業、パワエレ機器事業の拡大に引き続き取り組みます。
 海外事業の拡大に向けては、国内マザー拠点を再整備するとともに、海外におけるものづくりを強化し地産地消を推進します。また、M&Aにより、現地に根差した人材、商流を獲得するとともに、当社のDNAである技術力、ものつくり力、営業力を加え、現地完結型の自立した海外事業会社を作り上げていきます。

 

●収益力のさらなる強化
 事業活動に伴うあらゆるコストをゼロベースで見直すとともに、ムダ・ロスコスト等の発生を未然に防止する業務品質の向上を徹底して行う「Pro-7活動」を全社運動として引き続き取り組みます。

 

〈事業セグメント別重点施策〉

●発電・社会インフラ
 高効率な火力発電設備及び地熱発電設備の受注拡大に取り組むとともに、太陽光発電システム、燃料電池など新エネルギー分野の拡大に取り組みます。また、国内スマートメータの収益拡大を図るとともに、系統・配電システムやエネルギーマネジメントシステムをはじめとする電力流通事業の拡大を加速します。

 

●産業インフラ
 国内は、今後も投資が期待される分野において省エネ、更新需要の確実な取り込みを図ります。また、引き続き大きな伸長が期待されるアジアを中心に現地生産体制、エンジニアリング体制の強化を推し進めて競争力を強化し、海外事業の拡大を図ります。

 

●パワエレ機器
 次世代パワー半導体適用製品など新製品の早期市場投入を図るとともに、国内マザー拠点の再整備、海外での地産地消体制の拡大により、競争力の強化を図ります。また、当期買収したシンガポールの低圧配電盤メーカー(富士SMBE社)も活用し、アジアを中心に販路の拡大とエンジニアリング力の強化を推し進めます。

 

●電子デバイス
 半導体分野において、次世代パワー半導体を含む新製品の開発を加速し、早期の市場投入により売上拡大を図るとともに、グローバルでの最適な生産体制の構築に向けて、前期に引き続き海外生産の拡大を推し進めます。

 

●食品流通
 中国・アジア市場への自販機ビジネスの拡大を図るとともに、自販機の更なる原価低減を推進し、価格競争力を強化します。また、コンビニエンスストア向けを中心とした店舗設備の受注拡大、新商材の開発に取り組むとともに、流通分野において冷熱技術とソリューションを融合させた新規事業の拡大に取り組みます。

 

(2)会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

富士電機は、基本理念を次のとおり定めております。

富士電機は、地球社会の良き企業市民として、地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします

●豊かさへの貢献 ●創造への挑戦 ●自然との調和

  この基本理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、富士電機は、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
 これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
 富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
 また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
 当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
 しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
 現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
 しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。

② 基本方針を実現するための当社の取り組み

1)企業価値向上の取り組み

 富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。

その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。

2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み

 当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
 具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
 また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。

③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由

 当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
 また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。

 

 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 富士電機は、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、富士電機の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)事業環境の変動等に係るもの

①円安を背景とした原材料・部品価格の上昇に加え、新興国の急激な需要増等の情勢変化によっては素材・原材料の需給逼迫が見込まれます。富士電機では、原材料価格高騰リスクに対して商品スワップ取引を行う等、リスクの軽減に努めておりますが、これらの価格が大幅に上昇した場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②富士電機は、海外市場への積極的な展開を図っており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けの販売拡大に注力しています。また、民間設備投資や公共投資をはじめとする国内景気の動向とも深い関わりがあります。このため、海外及び国内の市場動向による業績影響の極小化に向けて、コストダウンや総経費の圧縮に努めておりますが、中国における景況の悪化あるいは経済政策の変更が発生した場合や、市場における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③富士電機では、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、完全に為替リスクを回避するものではありません。そのため、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④富士電機の当連結会計年度末での金融債務残高は1,912億25百万円となっています。今後、金利が想定以上に上昇した場合には、金利負担の増大を招くことにより、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤金融市場の動向や富士電機の財務指標の悪化が、一部借入金の財務制限条項への抵触による期限前弁済等、富士電機の資金調達や支払金利に対して影響を与え、これらを通して、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の品質に係るもの

 富士電機では、生産・販売する製品について品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。また、製造物賠償責任については必要な保険を付保しております。しかしながら、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、その場合には、富士電機の業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)投資に係るもの

 富士電機は、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。特に、多額の資金を必要とするディスク媒体分野、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)技術開発に係るもの

 富士電機では、市場ニーズに応じた技術開発に全力で取り組んでおりますが、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)海外活動に係るもの

 富士電機は、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開していますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

・不利な政治的要因の発生

・社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱

(6)知的財産権に係るもの

 富士電機では、富士電機の知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めております。しかしながら、技術革新のスピードが加速していること、また、富士電機の事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生する可能性があり、そうした場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)アライアンスに係るもの

 富士電機は、各事業分野における競争力の強化に向け、合弁、提携等により第三者との協業に積極的に取り組んでいきます。これらの施策においては、当該第三者との協力関係が必要不可欠でありますが、制度、文化面などの相違から事業戦略、技術、製品及び人事等の統合が円滑に行われず、十分な成果が得られない場合は、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)人材に係るもの

 富士電機の事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材を確保・育成することは成長に不可欠でありますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)個人情報の漏洩に係るもの

 富士電機は事業活動に関連して、お客様関係、調達先関係、従業員関係など多数の個人情報を扱っており、これらの個人情報の取得、利用、保管等につきましては、関連する各種社内規程の整備やその徹底を通じて万全を期しております。しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出する可能性が皆無ではなく、その場合には、富士電機の社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)大規模な災害や事故等に係るもの

 富士電機は、世界各地に事業拠点を展開しています。これらの事業所地区において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、富士電機の業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)土壌汚染に係るもの

 富士電機の所有する土地は、環境国際規格に基づいて汚染の予防、測定、監視に努めており、また、土地の売却を計画する際には、売却予定地の土壌調査を実施するなど、関連法規、条例に準拠した適切な手続きで進めております。これらの測定又は調査結果によっては、土壌浄化のための対策費用が発生することがあり、その場合、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)退職給付債務に係るもの

 富士電機は、従業員の退職給付について、退職一時金制度及び企業年金制度を設け、数理計算上合理的と認められている前提に基づいて計算される退職給付費用及び債務を計上しております。また、当社及び一部の国内連結子会社においては、退職給付信託として上場有価証券を信託しております。そのため、退職給付債務等の計算の前提条件として採用した割引率、年金資産の期待運用収益率と実際の結果とに差異が生じた場合、及び、信託した上場有価証券の株価が変動した場合などに、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(13)コンプライアンスに係るもの

 富士電機は、さまざまな事業分野で、また世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。富士電機は、適切な内部統制システムを整備して、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、富士電機の社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)訴訟その他の法的手続に係るもの

 富士電機は、事業を遂行するうえで、訴訟その他の法的手続を受ける可能性があり、予期せぬ多額の賠償を命じられる可能性は皆無ではなく、それらの決定の内容によっては、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(1)当社と富士電機千葉テック㈱との合併契約

当社は、平成26年7月30日開催の取締役会において、当社の100%子会社である富士電機千葉テック㈱の権利義務の全てを合併により承継する決議を行い、同日に、同社と合併契約を締結しました。

合併の概要は以下のとおりです。

1)合併の目的

変電事業のサービス分野における連結子会社である富士電機千葉テック㈱を当社に合併することにより、変電事業の主力工場である千葉工場との一体運営を強化し、豊富な納入実績をベースとして更新ビジネスを拡大するとともに、グローバル展開の加速を図ってまいります。

 

2)合併の方法

当社を存続会社、富士電機千葉テック㈱を消滅会社とする吸収合併。

 

3)合併に際して発行する株式及び割当

存続会社である当社は、消滅会社である富士電機千葉テック㈱の発行済株式全部を所有しているため、合併に際しては株式の発行及び金銭等の交付は行っておりません。

 

4)合併の期日

平成26年10月1日

 

5)合併後の存続会社の資本金・事業の内容等

 

(1)商号

富士電機㈱

(2)事業内容

エネルギー、産業、輸送その他社会インフラに関する各種機器、システム及び半導体デバイス、感光体、自動販売機の開発、製造、販売、サービス並びにこれらに関するソリューションの提供

(3)本店所在地

川崎市川崎区田辺新田1番1号

(4)代表者の役職・氏名

代表取締役社長 北澤 通宏

(5)資本金

本合併により資本金は増加いたしません。

 

 

(2)当社と大崎電気工業㈱及びOSAKI United International Pte. Ltd.との株式譲渡契約

 

契約会社名

相手方

契約締結日

契約内容

富士電機㈱

(当社)

大崎電気工業㈱

(日本)

 

OSAKI United International Pte. Ltd.(シンガポール)

平成26年11月27日

大崎電気工業㈱の100%子会社であるOSAKI United International Pte. Ltd.から、同社の100%子会社であるSMB Electric Pte. Ltd.(シンガポール)の全発行済株式を取得する旨の契約。取得株式数64,472,615株、取得価格9,888百万円。

 

 

6【研究開発活動】

富士電機の研究開発では、最先端のエネルギー技術の追求により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する製品群を創出しています。また、研究開発の実行において全社のシナジーを発揮するとともにグローバル化と、大学や研究機関、他の企業とのオープンイノベーションを推進しています。

当連結会計年度における富士電機全体の研究開発費は350億23百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は10,838件です。

 

■発電・社会インフラ部門

地熱発電の軸流排気タービン用スプレーイング式復水器を他社に先駆けて開発し、フィリピンマイバララ地熱発電所(発電出力20MW)に納入しました。タービン排気を直接受け入れるので蒸気流れの損失が小さく、コンパクトサイズです。軸流排気を採用することによりタービンと復水器を一列に並べて平屋に納められます。建屋が低くなるので景観面においても日本の国立公園や国定公園内での地熱発電所の建設に適しています。

北九州スマートコミュニティ社会実証において当連結会計年度が実証最終年度に当たります。前連結会計年度に引き続き、対象となるすべての一般家庭が参加するダイナミックプライシング実証による電力需要のピークカット・ピークシフトを促す効果の検証を行いました。さらに、CEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)からの節電要請に対して一般家庭自身で参加・不参加を決め、参加に応じてプリペイドカードに交換できるエコポイント付与によって需要を調整する「参加要請型インセンティブ・プログラム」及び太陽光発電の発電量が多く余剰電力が発生する軽負荷日において需要を喚起する「秋季CBP(クリティカル・ボトム・プライシング)」を行い実証を完了しました。

けいはんな実証事業も当連結会計年度が実証最終年度に当たります。BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)、FEMS(工場エネルギーマネジメントシステム)、REMS(店舗エネルギーマネジメントシステム)で共通する冷暖房などの熱源設備を最適運用するための要素技術を開発しています。さらに、BEMSやREMSを対象に商用施設やホテルなどにおいてイベントの有無や入場者数の推測値からエネルギー需要を予測する入場者対応予測アルゴリズムの要素技術開発と実証を行いました。

スマートメータ(通信機能付き電子式電力量計)の国内における本格導入に備え、各電力会社の仕様に対応した製品ラインアップの拡充を進めました。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は47億63百万円です。

 

■産業インフラ部門

受変電設備部門では、IEC(国際電気標準会議)の規格に準拠した7.2kVスイッチギヤを開発しました。内部事故が外部へ影響しない構造に加え、扉を閉じたまま遮断器が引き出せる機構と金属シャッタによる充電部の露出を防止し安全性を高めています。

データセンタを短納期で構築し、段階的な増設や緊急拡張といった要求に対応するため、必要な機能をコンテナに集約したコンテナ型データセンタ「F−eCoMo」を開発し、発売しました。また、熱交換器を介して外気の冷熱を取り込んでデータセンタを省エネルギー化する間接外気導入式の空調機「F−COOL NEO」が,優秀省エネルギー機器として日本機械工業連合会会長賞を受賞しました。従来一体化していた室内機と室外機を分離して設置自由度が高いタイプを開発し発売しました。

船舶向け排ガス浄化装置を開発し、発売しました。国際海事機関(IMO)では、大気汚染物質の一つであるイオウ酸化物(SOx)の排出量を抑制することを定めています。本製品は、高価な低イオウ成分燃料へ切り替えなくてもイオウ酸化物の排出が抑制でき、業界最小のコンパクト性を実現し、既存船への設置が容易です。

サービスビジネス分野では「統合クラウドサービス」を開発し、2015年度から順次提供を開始します。本サービスは、当社の強みであるセンシング技術、省エネ分析技術、需要予測技術、品質傾向解析技術、設備劣化診断技術等をベースとして、「エネルギー管理/省エネ制御支援」「設備稼働監視」「保全業務支援」機能を一体化し、クラウド環境で各種情報を総合的に管理して設備導入から運用・更新までのトータルライフサイクルを通じ、経営視点で全体最適を支援します。

プログラマブル表示器「モニタッチV9シリーズ」を開発し、発売しました。セキュリティが強固なVPN(仮想専用回線)機能を標準搭載し、クラウドサーバを活用した集中監視ができます。さらに、スマートフォンやタブレット端末から操作できるなど多彩な機能を満載しています。また、高機能タイプV9 Advancedをラインアップに加えました。静電容量方式のタッチパネルを採用し、スマートフォンのようなジェスチャ操作が行えます。無線LANを内蔵したタイプも用意し、タブレットからのリモート接続やケーブル不要のデータ転送などが行えます。

 

工場の生産ラインや発電プラントの状態監視・制御などに適用できる中小規模監視制御システム「MICREX−VieW XX(ダブルエックス)」を開発し、受注を進めてきましたが、7月に出荷を開始しました。プロセスオートメーション(温度や圧力、流量などの自動制御)、ファクトリーオートメーション(加工や組立てにおける自動制御)の双方に対応し、生産プロセスにおける各工程の状態監視と制御を行い、プラントの安定稼働や効率稼働、安全運転に貢献いたします。さらに、既設のMICREX−PⅢ/IX/AXのハードウェア及びソフトウェア資産を継承するMICREX−VieW XX マイグレーション版を開発し、発売しました。

自動車業界向け制御システム向けに電気設計用のCADソフトウェアUniDrafをパソコンローダとして使えるようにデータ互換性を実現した「MICREX−SX」を開発し、2015年4月に発売する予定です。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は61億97百万円です。

 

■パワエレ機器部門

自社製オールSiCモジュールを搭載した屋内型1,000kWのメガソーラー用パワーコンディショナを開発し、初号機を納入しました。スイッチング損失と導通損失を大幅に低減し、業界最高の変換効率98.8%(従来機種:98.5%)を実現し、メガソーラーの発電量増加に貢献します。また、SiCモジュールの採用により小型になり、設置面積が従来機種に比べ20%縮小しています。

各種一般産業機械のモータ可変速用途向けに、当社シリーズでは最も小型で、かつ簡単操作で好評をいただいている低圧コンパクトインバータ「FRENIC−Mini」にEUのEMC指令(機器による電磁干渉の防止に係る指令)に対応したEMCフィルタ内蔵形を開発し、系列に追加しました。また、ベクトルインバータ技術を結集し開発したベクトル制御形インバータ「FRENIC−VG(スタックタイプ)」にSiCハイブリッドモジュールを採用し690V電源に対応の機種を系列に追加しました。SiCダイオードを使用するSiCハイブリッドモジュールを搭載した機種は、従来のものより発生損失を28%低減します。これにより、単機315kWスタックと同じ寸法のまま450kWに容量が拡大しました。

中国ファンポンプ市場向けに、価格競争力を大幅に強化した新機種として「FRENIC−VPシリーズ」を開発し発売しました。また、空調(HVAC)向けの「FRENIC−HVAC」において、北米の575V電源に対応した機種を系列に追加しました。

高性能スタンダード形インバータFRENIC−Aceシリーズに、放射ノイズを低減し、欧州EMC指令に対応したEMCフィルタ内蔵タイプを系列に追加しました。

金融システムや生産ライン、医療施設等のサーバ向けに200V系の大容量UPS「6000DX」を開発し発売しました。従来機種と同一サイズで出力電力を11%高め(設置面積当たりの出力電力で世界最高)、お客様の設備の省スペース化に貢献します。

PCサーバやPOSシステム、医療システム等の停電時のバックアップ電源としてミニUPS「UXシリーズ」を開発し発売しました。USBケーブルをつなぐだけで電源管理とOSをシャットダウンすることができ、専用のソフトウェアを導入する手間やコストが削減できます。

2015年4月から始まる“トップランナー基準”に対応した「プレミアム効率ギヤードモータ」を開発し発売しました。プレミアム効率(IE3)を達成し、搬送機器等の省エネに貢献します。また、EC指令(CEマーキング)に標準対応し、インバータ運転を強化し、より幅広い用途で使用できます。また、中国市場向けにインバータ駆動専用モータ「New MVT シリーズ」を開発し、発売しました。印刷機械、伸線機械、押出機械用途において価格競争力を強化するため仕様及び設計を見直しました。

電磁開閉器では、インバータ・サーボアンプ等、駆動装置の一次側開閉器として最適な「SKシリーズ」にAC操作の18A品と22A品を開発しラインアップに加えました。また、当社の主力機種である「新SCシリーズサーマルリレー」をフルモデルチェンジし、小型化と配線作業性を向上させました。制御機器のコマンドスイッチでは、独自のシンクロセーフコンタクトを搭載し安全性をより向上させた「φ30非常停止用押しボタンスイッチ」をφ22に次いで開発しラインアップに加えました。

低圧遮断器では「G−TWINシリーズ」に、太陽光発電設備に最適な無極性直流高電圧ブレーカ(400−800AF)やデータセンタ向けに業界最小サイズの2極プラグイン形ブレーカを開発しラインアップに加えました。

エネルギー監視システムでは、従来機種よりも40%小型化した多回路用電力監視装置「F−MPC04P」に単相2線用及び三相4線用を開発しラインアップに加えました。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は98億79百万円です。

■電子デバイス部門

パワー半導体分野では、中国市場の電源事情に対応し一般産業用途向けの整流ブリッジ回路を強化したパワー集積モジュール「VシリーズPIM」1,200V/25A、35A、50A、75Aを開発し発売しました。中国のモータードライブ用途への拡販を進めています。また、高速スイッチングの要求がある溶接機などの用途に高周波動作(スイッチング周波数:50kHzまで)する高速IGBTモジュールに1,200V/100Aと200Aを開発し系列に追加しました。さらにサーマルコンパウンドをモジュール裏面の放熱ベース面に予め塗布したプリペーストモジュールを開発し、Dualタイプの2in1とPrime PACKTMの系列に追加し発売しました。

さらに、小型インテリジェントパワーモジュール(Vシリーズ)を開発し、600V/50A、75A、100Aの系列化を行いました。各種工作機械の小型高性能化に貢献します。また、小・中容量のインバータ用途にスプリングコンタクト技術を適用したSemikron社と同一のパッケージを採用したMiniSKiP(1,200V/25A、35A、50A、75A、100Aのパワー集積モジュール)を開発し発売しました。

風力発電と電鉄車両向けに1,700V/450A 6in1及び1,700V/1,000A 1in1、2in1の高品質・高信頼性タイプのPrimePACKTMを開発し発売しました。性能と長期信頼性において厳しい要求のある用途にも安心して使用いただけます。

UPSやPCSなどで用いるAT−NPC3レベルモジュールに1,200V/400A 4in1タイプに続き1,200V/600A、900A製品を開発し発売しました。大容量UPSやPCSの更なるエネルギー変更効率向上に貢献します。また、昇圧チョッパー回路用にオールSiCモジュール1,200V/100Aを開発し量産を開始しました。前述のAT−NPC3レベルモジュールと併用した太陽光発電向けのパワーコンディショナでは、98.8%と最高レベルの変換効率を達成しています。

小型溶接機やミニUPS等向けに70kHz程度の高周波動作が可能な高速ディスクリートIGBTを開発し、1,200V/25A、40A品を発売しました。さらに、高周波スイッチング動作や高温動作に優れ、小型UPSや小型パワーコンディショナ、通信電源等の電力変換装置の高効率化や小型化に貢献する650V/10A〜50Aと1,200V/18A、36AのTO−247パッケージのSiCショットキーバリアダイオードを開発し発売しました。

また、民生用途向けに、補助電源や入力安定化電源がなくても安定動作する電流共振制御用ICに、スタンバイモード時に10W程度まで負荷をとることが可能な製品系列を追加し、発売しました。このICによって待機時でも液晶TVに搭載したネットワーク機器の動作が可能となり、IT化の推進に貢献します。さらに、低消費電力対応のカレントモードPWM制御ICに、スイッチング周波数を従来の65kHzから100kHzに高くした系列を追加し量産を開始しました。このICによって65W以下の電源のさらなる小型化ができます。

車載用途向けに、エンジン配管に直接取り付け可能なダイレクトマウントタイプで、従来に比べ精度が20%向上した圧力センサを系列に追加し量産を開始しました。燃費の改善や排出ガスのクリーン化に貢献します。本年から施行される欧州の排ガス規制EURO6をクリアするエンジンに搭載されます。さらに電子コントロールユニット(ECU)の基板に実装できる表面実装型大気圧センサを開発し発売しました。従来品に比べ、パッケージサイズを約20%に小型化、質量を30%に軽量化しました。高地を走行する時に吸気量の大気圧補正に用いられ、燃焼最適化、燃費の改善、排出ガスのクリーン化に貢献します。さらに、自動車運転手のブレーキ操作力を低減する倍力装置用の圧力センサを開発し発売しました。アイドリングストップ時に倍力装置の真空チャンバーの内圧を維持するシステムに用いられ、車両制御の安全性と燃費の改善に貢献します。

また、高出力モータの制御や機械式リレーに替わって使用される大電流IPS「F5072H」を開発し系列に加えました。トレンチMOSFETとICの微細化を進め、エネルギー耐量保証は従来製品と同等レベルに保ちながら同一パッケージでオン抵抗を37.5%低減しています。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は92億63百万円です。

 

 

 

 

■食品流通部門

自販機分野では、2015年機としてグローバル対応やDC駆動の販売機構を搭載した缶・ペットボトル自販機を開発し発売しました。販売機構をDC駆動することにより省エネを図りました。また、既存機種に簡単な改造でUPSを内蔵し、災害時には商品が搬出できるようにしました。物品自販機では、販売メカニズムを組み合わせることにより、多様な形状の商品を販売できるグローバル対応機の開発を完了し、昨年から実施しているフィールドテストでは高い評価をいただいております。7月にタイにおいて量産を開始し、中国・東南アジア各国への販売を開始いたしました。業界初となるノンヒータ自販機「ハイブリッドゼロ」を開発し量産を開始いたしました。この自販機では、従来培ってきた高効率ヒートポンプによる冷却・加熱運転技術と断熱技術を進化させ、飲料商品を加熱するためのヒータがなく、業界をリードする省エネを実現いたしました。

通貨機器分野では、グローバル展開を目指し、新しい検銭・鑑別技術、セキュリティ技術、紙幣搬送技術の製品化に向けた開発を行っています。

冷凍冷蔵ショーケース分野では、冷凍食品売り場を拡大するニーズに合わせ、平型アイスケースを開発し、主要なコンビニエンスストアへ順次納入しています。

流通システム分野では冷凍冷蔵倉庫関連において、更なる省エネを推進した省エネ制御システムの開発・提案を進めています。また、蓄冷剤と真空断熱材を活用し、冷却後は電源なしで長時間保冷できる可搬式の次世代保冷コンテナ「D−BOX」に関して、チルドコンテナ(−5〜+5℃)に続き、フローズンコンテナ(−18〜−28℃)と定温コンテナ(+10〜+20℃)の開発を進めています。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は49億14百万円です。

 

■その他部門

当連結会計年度における当部門の研究開発費は4百万円です。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産額は9,045億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ937億48百万円増加しました。

 流動資産は4,629億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ336億31百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売上債権が151億50百万円、たな卸資産が161億71百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定資産は4,414億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ601億82百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は1,902億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億55百万円増加しました。また、投資その他の資産は2,512億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ564億26百万円増加しました。これは、主に投資有価証券が、その他有価証券の時価評価差額相当分の増加を主因として、465億26百万円増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は5,848億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ253億37百万円増加しました。

 流動負債は4,047億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ452億91百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べコマーシャル・ペーパーが190億円、1年内償還予定の社債が150億円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定負債は1,801億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ199億54百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ繰延税金負債が146億65百万円増加した一方で、社債が150億円、長期借入金が189億63百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。

 なお、当連結会計年度末の金融債務残高は1,912億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億80百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は21.1%となり、前連結会計年度末に比べ3.5ポイント減少しました。

 当連結会計年度末の純資産合計は3,196億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ684億11百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べその他有価証券評価差額金が247億60百万円、退職給付に係る調整累計額が242億80百万円、それぞれ増加したことを主因とするものであります。これらの結果、自己資本比率は32.1%となり、前連結会計年度末に比べ4.1ポイント増加しました。

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ6.7%増収の8,106億78百万円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ4.0%増収の6,057億63百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ15.3%増収の2,049億15百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

 売上原価は、前連結会計年度に比べ5.1%増加し6,093億76百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ1.1ポイント減少して75.2%となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ10.3%増加し1,619億85百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加して20.0%となりました。

 営業利益は、売上高の増加に加え、コストダウン等の体質改善効果により393億16百万円となり、前連結会計年度に比べ61億80百万円の増加となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の35億94百万円の収益(純額)から、38億22百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ2億28百万円の収益(純額)の増加となりました。これは、前連結会計年度に比べ持分法による投資利益が13億17百万円減少した一方で、受取配当金が10億89百万円、為替差益が18億94百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 これらの結果、経常利益は431億39百万円となり、前連結会計年度に比べ64億8百万円の増加となりました。

 特別利益は、固定資産売却益、投資有価証券売却益及び持分変動利益を計上し、77億3百万円となりました。なお、主に持分変動利益の計上により前連結会計年度に比べ67億90百万円増加しております。

 特別損失は、固定資産処分損、投資有価証券評価損、減損損失、和解金などを計上し、51億23百万円となりました。なお、主に減損損失の計上額が増加したことにより前連結会計年度に比べ12億16百万円の増加となりました。

 以上により、税金等調整前当期純利益は457億19百万円となり、前連結会計年度に比べ119億82百万円の増加となりました。当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用149億18百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、少数株主利益28億22百万円を控除した結果、279億78百万円となり、前連結会計年度に比べ83億96百万円の増加となりました。

(3)流動性及び資金の源泉に関する分析

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は318億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億17百万円(4.5%)減少しました。

 当連結会計年度の主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー514億59百万円であります。

 営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益457億19百万円、減価償却費336億15百万円、たな卸資産の増加によるもの△125億72百万円、売上債権の増加によるもの△86億46百万円、法人税等の支払額△73億52百万円などとなっております。

 なお、投資活動によるキャッシュ・フローは△227億50百万円となっており、その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出△152億48百万円、投資有価証券の取得による支出△102億53百万円、貸付けによる支出△65億30百万円、投資有価証券の売却による収入62億33百万円、貸付金の回収による収入55億78百万円などであります。

 以上によりフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は287億8百万円となりました。また、長期借入金の減少などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは△338億28百万円となりました。





出典: 富士電機株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書