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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における富士電機(注)を取り巻く市場環境は、海外においては、米国、欧州の主要先進国は回復基調であったものの、中国をはじめとしてアジアでは減速感を強めつつ推移しました。国内においては、海外市場の先行き不透明感が強まるなか、当連結会計年度後半にかけて一部に弱さがみられたものの、総じて緩やかな回復基調が続きました。

 このような環境のもと、当社は「2015年度中期経営計画の完遂」と「次期中期経営計画に向けた成長戦略の推進」を当連結会計年度の基本方針に掲げ、発電プラント事業、産業インフラ事業、パワエレ機器事業の拡大及び海外事業の拡大に取り組むとともに、収益力のさらなる強化を推し進めました。

 当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。

 売上高は、前連結会計年度に比べ、28億72百万円増加の8,135億50百万円となりました。部門別には「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」、「パワエレ機器」、「その他」は前期を上回りましたが、「電子デバイス」、「食品流通」は前連結会計年度を下回りました。

 損益面では、営業損益は、主にコストダウン等の体質改善効果により、前連結会計年度に比べ56億90百万円増加の450億6百万円となりました。経常損益は、前連結会計年度に比べ24億75百万円増加し、456億14百万円となりました。また、親会社株主に帰属する純損益は連結会計年度に比べ26億66百万円増加の306億44百万円となり、過去最高益となりました。

 なお、2015年度中期経営計画として掲げた売上高8,500億円、営業利益450億円の目標に対しましては、売上高は想定を超える市場環境の悪化により、計画を下回りましたが、営業利益は計画を達成しました。

 

(注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。

<セグメント別状況>

■発電・社会インフラ部門

 売上高は前連結会計年度に比べ4%増加の1,754億88百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ19億50百万円増加の97億36百万円となりました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,298億円(富士電機㈱の発電・社会インフラ部門単独ベース)となっております。

 

 発電プラント分野の売上高は、太陽光発電システムの案件減少があったものの、火力・地熱・水力発電設備の案件増加により、前連結会計年度を上回りました。社会システム分野の売上高は、スマートメータを中心に増加し、前連結会計年度を上回りました。社会情報分野の売上高は、前連結会計年度と同水準となりました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。

 

■産業インフラ部門

 売上高は前連結会計年度に比べ6%増加の2,019億59百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ18億24百万円増加の129億66百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,513億円(富士電機㈱の産業インフラ部門単独ベース)となっております。

 

 変電分野の売上高は、海外大口案件が寄与したことにより、前連結会計年度を上回りました。産業プラント分野の売上高は、国内の省エネ、更新需要が堅調に推移したこと、及びデータセンター向けの案件増加により、前連結会計年度を上回りました。産業計測機器分野の売上高は、中国市場の減速による需要の減少があったものの、国内の需要が堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。設備工事分野の売上高は、電気設備工事及び空調設備工事の増加により、前連結会計年度を上回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。

 

■パワエレ機器部門

 売上高は前連結会計年度に比べ1%増加の2,029億72百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ1億74百万円増加の77億55百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,540億円(富士電機㈱のパワエレ機器部門及び富士電機機器制御㈱単独ベースの合計)となっております。

 

 ドライブ分野の売上高は、中国市場の減速による需要の減少により、前連結会計年度を下回りました。営業損益は、売上高の減少があったものの、原価低減の推進により、前連結会計年度と同水準となりました。パワーサプライ分野の売上高は、国内電源設備の増加及び富士SMBEの新規連結影響により、前連結会計年度を上回りました。営業損益は売上高の増加により、前連結会計年度を上回りました。器具分野の売上高は、国内機械セットメーカー及び海外の需要減少により、前連結会計年度を下回りました。営業損益は、売上高の減少があったものの、原価低減の推進により、前連結会計年度を上回りました。

 

■電子デバイス部門

 売上高は前連結会計年度に比べ13%減少の1,198億46百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ17億92百万円増加の98億63百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は960億円(富士電機㈱の電子デバイス部門及び富士電機マレーシア社単独ベースの合計)となっております。

 

 半導体分野は、産業分野及び情報電源分野において中国市場の減速による需要の減少があったことに加え、産業分野で工作機械を中心とした国内主要顧客の需要の減少があったこと、また自動車分野で当社製品を搭載した一部モデルの販売が減少したことにより、売上高、営業損益ともに前連結会計年度を下回りました。ディスク媒体分野の売上高は、機種構成差により前連結会計年度を下回りました。営業損益は、売上高の減少を固定費削減により打ち返し、前連結会計年度を上回りました。

 

■食品流通部門

 売上高は前連結会計年度に比べ3%減少の1,149億87百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ億2百万円減少の78億25百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は1,051億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。

 

 自販機分野は、中国市場での拡大による増加があったものの、国内飲料メーカーの投資抑制に伴う需要の減少等により、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を下回りました。店舗流通分野は、コンビニエンスストア向け冷凍・冷蔵設備の増加により、売上高・営業損益ともに前連結会計年度を上回りました。

 

■その他部門

 売上高は前連結会計年度に比べ2%増加の625億86百万円となり、営業損益は前連結会計年度に比べ億53百万円増加の23億35百万円となりました。

 

(注) 当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」及び「パワエレ機器」の各報告セグメントにおいて、集約する事業を変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は290億40百万円の資金の増加(前連結会計年度は287億8百万円の増加)となり、前連結会計年度に対し3億32百万円の好転となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は、484億50百万円(前連結会計年度は514億59百万円の増加)となりました。これは、売上債権及びたな卸資産が増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上並びに仕入債務が増加したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、30億9百万円の悪化となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、194億10百万円(前連結会計年度は227億50百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得を主因とするものであります。
 前連結会計年度に対しては、33億40百万円の好転となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、315億66百万円(前連結会計年度は338億28百万円の減少)となりました。これは主として、リース債務の返済並びに短期借入金の減少によるものであります。

 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ10億57百万円(3.3%)減少し、308億38百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。

(2)受注状況

 富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注状況については、「1.業績等の概要」におけるセグメント別状況に関連付けて示しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

発電・社会インフラ

175,488

103.7

産業インフラ

201,959

105.5

パワエレ機器

202,972

101.0

電子デバイス

119,846

87.4

食品流通

114,987

96.5

その他

62,586

102.3

消去

△64,289

合計

813,550

100.4

(注)1.上記の金額には消費税等を含んでおりません。

2.当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」及び「パワエレ機器」の各報告セグメントにおいて、集約する事業を変更しており、各セグメントの前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えたうえで算出しております。

 

3【対処すべき課題】

(1)対処すべき課題

 当社は、2016年4月に、2018年度中期経営計画「Renovation 2018」を策定し、「富士電機の更なる変革」を基本方針に掲げ、「成長戦略の推進」及び「収益力の強化」に取り組みます

 

●成長戦略の推進
 当社を取り巻く事業環境は、国内においては、電力自由化を背景とした高効率発電・再生可能エネルギー投資の拡大、東京オリンピックの開催・設備老朽化に伴う社会・産業インフラの再整備、及びIoTを活用した安全・安心、省エネ化に向けたサービスの拡大が見込まれます。また、海外においては、新興国のエネルギー需要の増加を背景とした社会インフラ投資が拡大するとともに、産業の高度化・テクノロジーの進展に伴う生産設備の自動化・高効率化に向けた投資が拡大するものと期待されます。
 当社は、このような事業環境下において、お客様に選ばれる高付加価値商材を創出することにより事業拡大に取り組むとともに、更なるM&Aの推進により海外事業の拡大に取り組みます。事業セグメント別には、社会システム・産業インフラ・パワエレ機器事業を徹底的に強化します。

 

●収益力の強化
 当社は、事業活動に伴うあらゆるコストをゼロベースで見直すとともに、ムダ・ロスコスト等の発生を未然に防止する業務品質の向上を徹底して行う「Pro-7活動」を全社運動として取り組んできました。今後、このPro-7活動を再活性化させることにより、収益力の強化に取り組みます。

 

〈事業セグメント別重点施策〉

●発電・社会インフラ
 火力・地熱発電設備の受注、サービス事業の拡大を推進するとともに、燃料電池を含む新エネルギー分野での事業強化に取り組みます。また、国内スマートメータのシェア確保並びに生産増への対応を図るとともに、新電力向け需給管理クラウドシステムの拡販に取り組みます。

 

●産業インフラ
 診断から保守、更新までの一体型サービスビジネスを推進し、省エネ、更新需要の確実な取り込みを図ります。また、データセンターや物流、植物工場などのソリューション事業を強化します。アジアを中心にM&Aや協業により獲得した人材・技術・エンジニアリングを融合し、現地ビジネスの拡大を図ります。

 

●パワエレ機器
 自動化ニーズを捉えたモーションコントロール・FA分野のシステム事業の拡大を図るとともに、次世代パワー半導体適用製品を含む新製品の早期投入による売上拡大を図ります。また海外での地産地消をさらに拡大するとともに、部品の標準化や内製化を推進し、競争力の強化を図ります。

 

●電子デバイス
 半導体分野において、海外生産の拡大を推し進めるとともに、グローバルで更なる原価低減を推進し、競争力の強化を図ります。また産業分野において売上拡大を図るとともに、強いパワエレ機器の創出に向けたSiCパワー半導体や車載分野における新製品開発を加速します。

 

●食品流通
 自販機分野では中国・アジアを含む海外市場への自販機ビジネス拡大を図るとともに、高付加価値製品の開発、更なる原価低減により、競争力の強化を図ります。また、店舗流通分野では、コンビニエンスストアを中心とした店舗設備の受注拡大、新商材の開発に取り組みます。

 

(2)会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

富士電機は、基本理念を次のとおり定めております。

富士電機は、地球社会の良き企業市民として、地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします

●豊かさへの貢献 ●創造への挑戦 ●自然との調和

  この基本理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、富士電機は、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
 これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
 富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
 また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
 当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
 しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
 現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
 しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。

② 基本方針を実現するための当社の取り組み

1)企業価値向上の取り組み

 富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。

その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。

2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み

 当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
 具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
 また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。

③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由

 当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
 また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。

 

 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 富士電機は、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、富士電機の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)事業環境の変動等に係るもの

①円安を背景とした原材料・部品価格の上昇に加え、新興国の急激な需要増等の情勢変化によっては素材・原材料の需給逼迫が見込まれます。富士電機では、原材料価格高騰リスクに対して商品スワップ取引を行う等、リスクの軽減に努めておりますが、これらの価格が大幅に上昇した場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②富士電機は、海外市場への積極的な展開を図っており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けの販売拡大に注力しています。また、民間設備投資や公共投資をはじめとする国内景気の動向とも深い関わりがあります。このため、海外及び国内の市場動向による業績影響の極小化に向けて、コストダウンや総経費の圧縮に努めておりますが、中国における景況の悪化あるいは経済政策の変更が発生した場合や、市場における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③富士電機では、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、完全に為替リスクを回避するものではありません。そのため、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④富士電機の当連結会計年度末での金融債務残高は1,847億44百万円となっています。今後、金利が想定以上に上昇した場合には、金利負担の増大を招くことにより、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤金融市場の動向や富士電機の財務指標の悪化が、一部借入金の財務制限条項への抵触による期限前弁済等、富士電機の資金調達や支払金利に対して影響を与え、これらを通して、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の品質に係るもの

 富士電機では、生産・販売する製品について品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めております。また、製造物賠償責任については必要な保険を付保しております。しかしながら、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、その場合には、富士電機の業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)投資に係るもの

 富士電機は、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。特に、多額の資金を必要とするディスク媒体分野、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)技術開発に係るもの

 富士電機では、市場ニーズに応じた技術開発に全力で取り組んでおりますが、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)海外活動に係るもの

 富士電機は、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開していますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

・不利な政治的要因の発生

・社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱

(6)知的財産権に係るもの

 富士電機では、富士電機の知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めております。しかしながら、技術革新のスピードが加速していること、また、富士電機の事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生する可能性があり、そうした場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)アライアンスに係るもの

 富士電機は、各事業分野における競争力の強化に向け、合弁、提携等により第三者との協業に積極的に取り組んでいきます。これらの施策においては、当該第三者との協力関係が必要不可欠でありますが、制度、文化面などの相違から事業戦略、技術、製品及び人事等の統合が円滑に行われず、十分な成果が得られない場合は、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)人材に係るもの

 富士電機の事業活動は人材に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人材を確保・育成することは成長に不可欠でありますが、そうした必要な人材を確保・育成できない場合には、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)個人情報の漏洩に係るもの

 富士電機は事業活動に関連して、お客様関係、調達先関係、従業員関係など多数の個人情報を扱っており、これらの個人情報の取得、利用、保管等につきましては、関連する各種社内規程の整備やその徹底を通じて万全を期しております。しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出する可能性が皆無ではなく、その場合には、富士電機の社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)大規模な災害や事故等に係るもの

 富士電機は、世界各地に事業拠点を展開しています。これらの事業所地区において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、富士電機の業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)土壌汚染に係るもの

 富士電機の所有する土地は、環境国際規格に基づいて汚染の予防、測定、監視に努めており、また、土地の売却を計画する際には、売却予定地の土壌調査を実施するなど、関連法規、条例に準拠した適切な手続きで進めております。これらの測定又は調査結果によっては、土壌浄化のための対策費用が発生することがあり、その場合、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)退職給付債務に係るもの

 富士電機は、従業員の退職給付について、退職一時金制度及び企業年金制度を設け、数理計算上合理的と認められている前提に基づいて計算される退職給付費用及び債務を計上しております。また、当社及び一部の国内連結子会社においては、退職給付信託として上場有価証券を信託しております。そのため、退職給付債務等の計算の前提条件として採用した割引率、年金資産の期待運用収益率と実際の結果とに差異が生じた場合、及び、信託した上場有価証券の株価が変動した場合などに、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(13)コンプライアンスに係るもの

 富士電機は、さまざまな事業分野で、また世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。富士電機は、適切な内部統制システムを整備して、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、富士電機の社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)訴訟その他の法的手続に係るもの

 富士電機は、事業を遂行するうえで、訴訟その他の法的手続を受ける可能性があり、予期せぬ多額の賠償を命じられる可能性は皆無ではなく、それらの決定の内容によっては、富士電機の業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

6【研究開発活動】

富士電機の研究開発では、最先端のエネルギー技術の追求により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する製品群を創出しています。また、研究開発の実行において全社のシナジーを発揮するとともにグローバル化と、大学や研究機関、他の企業とのオープンイノベーションを推進しています。

当連結会計年度における富士電機全体の研究開発費は359億49百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

また、当連結会計年度末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は11,026件です。

 

■発電・社会インフラ部門

発電部門では、細管に海水を流して蒸気タービンの排気を冷却する復水器の破損による海水リークを数分以内にオンライン診断して被害を最小限に抑える機能、並びに細管群からリーク管の発見を可能にした「細管リークバスター」を開発しました。検出方法を使い分けて数万本の細管群から数時間以内でリーク箇所を発見できます。

太陽光発電部門では、PCSの単独運転検出方式としてステップ注入付周波数フィードバック方式を採用したPCSを開発し製品化しました。系統電圧の細かな変動を起こさずに、単独運転検出が可能です。

電力流通部門では、㈱NTTデータ、㈱協和エクシオと「新電力事業者向け需給管理・CISサービス」提供に関する協業で基本合意しました。本サービスは、電力小売り全面自由化に伴い新規参入する新電力事業者向けに新電力事業で必要となる業務メニューをクラウドサービスで提供するものです。2016年4月からの提供に向け、電力市場取引支援技術及び発電計画・連系線利用計画の最適自動作成機能を開発しました。

配電分野では、単柱式の電柱に設置する小型軽量の6.6kV配電系統用無効電力補償装置(300kVA)に搭載するSiC(炭化ケイ素)モジュールの試作・評価を完了しました。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は56億93百万円です。

 

■産業インフラ部門

コントローラ「XCS−3000R」及びそのエンジニアリングツール「MICREX−VieW/R」を開発し、中小規模監視制御システム「MICREX−VieW XX」のマイグレーションシステムに追加し、発売しました。従来のMICREXシリーズとの継承性を強化したのでシステム更新時に、既存のハードウェアやソフトウェア資産を有効に活用しながら、高性能な最新システムに切り替えることができます。

低圧ドライブ制御盤「FRENIC−VG盤」を開発し発売しました。システムとしてIEC(国際電気標準会議)規格並びにCEマーキング(EC指令告書)に準拠しており、初号機を欧州向けに出荷しました。

鉄心にアモルファス磁性材を採用して低負荷時のエネルギー効率を大きく改善したモールド変圧器「アモルファスモルトラ」を開発し、発売しました。この機器は、トップランナー方式の第二次判断基準が適用され、年間電力料金の削減に大きく寄与します。また、IECの規格に準拠した24kVスイッチギヤを開発し発売しました。内部事故が外部へ影響しない構造に加え、扉を閉じたまま遮断器を運転位置と断路位置に移動することが可能な構造と金属シャッタによる充電部の露出を防止し安全性を高めています。

雪氷利用型間接外気空調ユニットを採用した寒冷地向け超高効率データセンターを開発し納入しました。汎用空調機に比べ空調消費電力を60%低減できます。

船舶エンジン用排ガス浄化装置を開発し、国内で初めてバルク船に搭載し、実運用稼働試験を開始しました。

大気中のPM2.5(2.5マイクロメートル以下の粒子状物質)の主要成分であるブラックカーボン、硝酸塩、硫酸塩をリアルタイムで連続自動測定するエアロゾル複合分析計を製品化し発売しました。従来はサンプリングから手分析が終了するまで数時間を必要としていましたが、本分析計は15分周期で自動的に連続測定ができます。PM2.5の発生源や発生要因の解明によって、特に中国における大気環境の改善に効率的に貢献することが期待されています。

排熱回収型の蒸気発生ヒートポンプを開発し、2015年12月から受注を開始しました。工場等で未利用であった60から80℃の低温排熱から利用価値の高い蒸気を高効率で再生します。

独自のアルゴリズムにより冷凍機の稼働を最適化する冷凍冷蔵倉庫向け省エネルギーシステムを開発し発売しました。このシステムにより、年間の電力消費量を12%以上削減できます。

遠隔地の支援者側拠点(本部)にいる熟練技術者がインターネットを介してウェアラブル端末を着用した現場の作業者に対しリアルタイムに画像と音声による指示や支援を行える「ウェアラブル型遠隔作業支援パッケージ」を開発し発売しました。遠隔支援はもとより点検作業手順の指示や作業実績が一元管理でき、作業の品質向上や効率化並びに技術伝承が行えます。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は63億83百万円です。

 

■パワエレ機器部門

欧州では、既存の建物にエレベータを導入する事例が多く、限られたスペースにインバータを設置する必要があります。そこで、今回のモデルチェンジにより“取り付け方向のフレキシブル化”と“スリム化”を実現した、欧州市場向けエレベータ用インバータ「FRENIC−Lift」を開発し発売しました。高度化した安全規格に準拠しながら、ドア開閉時の低騒音化を図りました。また、アジア市場向けに空調用途のインバータ「FRENICeHVACシリーズ」を開発し発売しました。従来機の省エネ機能や専用機能に加え、簡易PLC機能であるカスタマイズロジックを14ステップから200ステップに拡張しました。また、水洗いや蒸気減菌するような食品設備、切削粉やオイルミストのある各種加工設備で使用できる防水防塵タイプのインバータを開発しており、システムコントロールフェア2015に参考出品しました。盤外設置を想定し耐環境性を高めた外部冷却ファンレスで、SiCデバイスの特長である低損失を生かした全閉自冷構造としています。さらに、カスタマイズロジックを搭載しコントローラなどの外部機器なしで簡単なシーケンスが構築できます。

回転機部門では、2015年4月から始まった“トップランナー基準”に対応した「プレミアム効率ギヤードモータ」を開発し発売しました。プレミアム効率(IE3)を達成し、搬送機器等の省エネに貢献します。また、CEマーキングに標準対応しています。中国市場向けにインバータ駆動専用モータ「New MVTシリーズ」を開発し発売しました。特に、印刷機械、伸線機械、押出機械の用途に適しています。また、車載部品用試験機に用いられる超高速回転機を開発し、納入しました。インバータで駆動することによりエンジン・ミッション・車体全体の駆動性能に合わせた特性を発揮します。自動車部品の性能向上に合わせ、系列を充実していきます。

鉄道車両分野では、東海道新幹線向けにSiCパワー半導体モジュールを採用した主変換装置(コンバータインバータ)を東海旅客鉄道㈱と共同開発しました。N700系車両に搭載して走行試験による評価を行いました。高速鉄道へSiCパワー半導体モジュールを適用した走行試験は世界初になります。

パワーサプライ分野では、アジア市場での社会インフラ・中規模データセンター向けに三相4線式無停電電源装置「UPS7700F シリーズ」を開発し発売しました。100kVA自立ユニットを組合せて単機容量300kVA出力までに対応し、さらに6台並列冗長した高信頼性システム構築が可能です。

また、北米市場におけるデータセンターや医療用設備向けに三相480V対応の無停電電源装置「UPS7000 HX−T3Uシリーズ」を開発し発売しました。米国の安全規格「UL規格」を取得するとともに、業界最高レベルの装置変換効率を達成しエネルギースタープログラムの認証を取得しました。国内市場での金融システム・工場生産ラインの更新需要に向けて無停電電源装置「UPS6000DXシリーズ」に150kVA、250kVAをラインアップに加えました。従来機と同一寸法にて、容量(有効電力)が10%増加し、最高レベルの出力電力密度となっています。さらに、データセンターのサーバー用バックアップ電源システム「F−DC POWER」を開発し発売しました。バッテリによるピークアシスト機能による入力電力のピークカットや省エネ、導入コストの削減に貢献します。

盤事業分野では,変電設備として、海外向けのIEC規格に準拠した7.2kVスイッチギヤを開発し納入を開始しました。

器具分野では、省エネ法改正に伴うトップランナーモータ(IE3)の特性に最適な、「G−TWINシリーズ」ブレーカにおいて100AFから250AFのブレーカ並びに、新型サーマルリレーを組み合わせた「小形電磁開閉器(SW−N03〜N5−1)」を開発し発売しました。

開閉時の動作音を大幅に低減した静音形電磁接触器「SLシリーズ」をアジア・中国市場向けに開発し発売しました。エレベータや病院設備等に最適です。制御機器のコマンドスイッチでは、「AY22・DY22シリーズ」をアジア・中国市場向けに開発し発売しました。

低圧受配電機器では、サーキットプロテクタ「CP30F」をフルモデルチェンジし発売しました。安全保護等級向上や配線作業合理化に貢献します。また、「漏電警報付き中性線欠相保護ブレーカ」を開発し発売しました。

高圧真空遮断器では、東南アジア市場向けに単体でIEC62271−100に準拠し、小型化した「12kV電機VCB」を開発し発売しました。既に発売している手動形に加え、モータ駆動により投入や引外しを遠隔操作させることができる「新形マルチVCB固定形(電動)」を開発し、ラインアップを充実しました。

次世代の中核機種となる制御コントローラ「F−MPC Web M/C」をモデルチェンジし発売しました。省エネ対策のサポート機能の充実やユーザインタフェースの簡易化などを図りました。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は92億47百万円です。

 

■電子デバイス部門

パワー半導体分野では、汎用インバータ・工作機械・新エネルギー等、幅広いアプリケーション向けに第7世代IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールを開発し、量産を開始しました。最新のIGBT及びFWD(Free Wheeling Diode)チップ技術と、高温動作環境下においても優れた動作寿命を持つ最新パッケージ技術を適用し、連続動作時の最大保証温度を従来の150℃から175℃にすることができました。その結果、搭載機器のサイズを維持しながら出力電流を最大35%増加させることができます。1,200V耐圧及び650V耐圧のモジュール製品を開発し、2016年3月に量産を開始しました。1,700V耐圧製品までをラインアップする予定で、搭載機器の小型化、トータルコスト削減、省エネに貢献します。また、工作機械向けに多軸サーボ向け小型IPM(600V/80A)を開発し、量産を開始しました。パッケージの小型化とパワーサイクル耐量の確保を両立し、サーボアンプの小型化に貢献します。

鉄道車両向けに定格電圧3,300V、定格電流1,200AのSiCパワー半導体モジュールを開発しています。本モジュールは東海旅客鉄道㈱と共同開発した東海道新幹線車両向けの主変換装置に搭載され試験走行を行いました。従来のSi(シリコン)パワー半導体モジュールに比べて発熱量が少なく主変換装置の冷却機構が簡素になるため主変換装置を含む駆動システムの小型軽量化と省エネが実現します。

また、宇宙線による誘起破壊に対する耐性を向上させた定格電圧1,200V、定格電流300Aの3レベル変換回路用IGBTモジュールを開発し発売しました。本モジュールは中間スイッチにRB−IGBT(逆阻止IGBT)を採用し、エネルギー変換効率の向上とUPSやPCSなどの装置の長期信頼性向上に貢献します。

また、一般産業機器向けに、SiCを搭載したパワー半導体ハイブリッドモジュールの製品系列を拡大し、1,200V/200A、300A 2in1モジュールを開発し、量産を開始しました。従来のデバイスに比べ大幅な損失低減や、高出力化が可能となり、様々な産業機器の省エネや小型化に貢献します。

また、エアコンや洗濯機などの白物家電や小容量の産業用インバータ及びサーボ向けに、定格電圧600Vで10Aから30Aの第2世代小容量IPMを開発し発売しました。最新のIGBTチップ技術と動作保証温度を従来の125℃から150℃とするモジュール技術によって、搭載機器の出力電流を25%増加し、搭載機器の小型化、トータルコスト削減と省エネに貢献します。ディスクリート製品として、車載用途向けに、第4世代IPS技術を適用した50V/120mΩのハイサイドスイッチと、オペアンプをSOP−8パッケージに搭載したリニア制御用IPSを開発し、量産を開始しました。ソレノイドバルブなどの負荷に流れる電流をリニアに制御するシステムに適用でき、自動車の快適性や燃費向上に貢献します。また、前述のハイサイドスイッチをSOP−8パッケージに搭載した製品の量産を開始しました。ソレノイドバルブやモータ、リレー、ランプなどの駆動に使用することができ、車両の安全性と快適性に貢献します。さらに最大消費電流を3mAから200μAに低減したハイサイドスイッチを開発し、量産を開始しました。特にリレー駆動などのバッテリに直結されたシステムに適用されることにより自動車の燃費改善に貢献します。

民生用途のスイッチング電源向けに、電源起動回路用デバイスの耐圧を、従来の500Vから650Vに拡大した第6世代PWM電源制御ICの新製品を開発しました。このICにより、商用AC電圧が不安定な地域でも、安定で安全な電源が供給できます。また、新制御方式を採用して電源の部品サイズを変更することなく高いスイッチング周波数に対応したPWM電源制御ICを開発しました。民生・産業機器の高機能化に伴い高いピークパワーを必要とするモータなどの電源の小型化が可能になります。

また、サーバー・通信電源・UPS・PCS用途に適した第2世代のスーパージャンクションMOSFET(Super J MOS S2シリーズ)を開発し、量産を開始しました。第1世代品に対し25%の低オン抵抗化を達成、さらに低スイッチング損失特性を維持しながらスイッチング時のサージ電圧を大幅に低減しました。

また、UPSや小型溶接機などの小型化に対する要求に応えるため、当社従来品よりスイッチング損失を約40%低減し、高周波動作が可能な高速ディスクリートIGBT(High−Speed Wシリーズ)を開発し量産を開始しました。第1世代品と比べ低オン抵抗を25%低減し、さらに低スイッチング損失特性を維持しながらスイッチング時のサージ電圧を大幅に低減しました。

ディスク媒体分野では、1枚当たりの記憶容量が500GB/2.5インチガラスディスク媒体の性能改善品の量産を開始しました。また、市場ニーズに対応し、ハードディスクドライブのデータ転送速度の向上に対応した同一容量のアルミ及びガラスディスク媒体の開発を完了し、2015年第2四半期より量産を開始しました。さらに、薄型ハードディスクドライブに搭載される同一容量のガラスディスク媒体新製品の開発を完了しました。1枚当たりの記憶容量が1TBの3.5インチアルミディスク媒体についても、ハードディスクドライブの低コスト化に対応した新製品の量産を開始し、機種系列を拡大しています。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は90億76百万円です。

 

 

■食品流通部門

自販機分野では、さらなる省エネを図るためエジェクタを使ったCO冷媒システムを搭載した自販機を開発し発売しました。従来のCO冷媒自販機に比べ、年間消費電力量が約25%低減します。また、一杯ごとに豆を挽き、本格的な淹れたてを提供するオフィス向けの小型コーヒー専用機を開発し発売しました。また、屋外の設置が可能なデジタルサイネージ自販機を開発し発売いたしました。購買者のタッチ操作を検知するため汎用型光学式機構を採用しました。ディスプレー上にタッチセンサがないので映像がクリアになり販売促進に貢献します。2015年9月に上海で開催された上海国際智能産業展にはデジタルサイネージを3台連動させる自販機群を出展し大きな注目を集めました。

通貨機器分野では、紙幣鑑別装置と硬貨識別装置を中国市場向けに開発し発売しました。他の国向けにも順次開発し、グローバルに展開します。新しい検銭・鑑別技術、セキュリティ技術、搬送技術の製品化に向けた開発を行っています。

冷凍冷蔵ショーケース分野では、駅ナカなどの店舗向けに冷凍機内蔵型扉付き2温度ケース(バックドア付)を開発し発売しました。混雑時にもバックドアから商品が補充できるため、作業効率が格段に向上しました。さらに、2温度運転時のケース内の風路構造を見直し、バックドア付でも2温度化を実現したため、陳列商品のバラエティ性が向上し店舗の売上向上に貢献しています。さらなる省エネ化をめざし、エアカーテンの改良やインバータを搭載したドリンクケースを開発し、単位容積当たり50%以上の省エネ(当社比)を達成しました。

当連結会計年度における当部門の研究開発費は55億47百万円です。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産額は8,453億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ591億44百万円減少しました。

 流動資産は4,939億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ309億63百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売上債権が207億47百万円、たな卸資産が75億25百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定資産は3,513億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ901億24百万円減少しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は1,968億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億97百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,544億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ967億20百万円減少しました。これは、主に投資有価証券が、その他有価証券の時価評価差額相当分の減少を主因として、701億28百万円減少したことによるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は5,843億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億88百万円減少しました。

 流動負債は4,178億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ130億71百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ短期借入金が143億円減少した一方で、仕入債務が97億68百万円、1年内償還予定の社債が55億円、コマーシャル・ペーパーが30億円、前受金が19億44百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定負債は1,665億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ135億59百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ退職給付に係る負債が182億11百万円増加した一方で、繰延税金負債が317億79百万円減少したことなどによるものであります。

 なお、当連結会計年度末の金融債務残高は1,847億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ64億81百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は21.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増加しました。

 当連結会計年度末の純資産合計は2,609億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ586億55百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が225億68百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が392億74百万円、退職給付に係る調整累計額が349億86百万円、それぞれ減少したことを主因とするものであります。これらの結果、自己資本比率は27.3%となり、前連結会計年度末に比べ4.8ポイント減少しました。

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%増収の8,135億50百万円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ1.3%減収の5,977億57百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ5.3%増収の2,157億92百万円となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

 売上原価は、前連結会計年度に比べ1.0%減少し6,032億35百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ1.1ポイント減少して74.1%となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2.1%増加し1,653億8百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加して20.3%となりました。

 営業利益は、主にコストダウン等の体質改善効果により450億6百万円となり、前連結会計年度に比べ56億90百万円の増加となりました。なお、セグメント別の内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の38億22百万円の収益(純額)から、6億7百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ32億15百万円の収益(純額)の減少となりました。これは、受取配当金が前連結会計年度に比べ4億95百万円増加したほか、支払利息が4億15百万円減少した一方で、前連結会計年度において36億66百万円であった為替差益が当連結会計年度は8億60百万円の差損に転じたことなどによるものであります。

 これらの結果、経常利益は456億14百万円となり、前連結会計年度に比べ24億75百万円の増加となりました。

 特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上し、33億40百万円となりました。なお、前連結会計年度に持分変動利益を計上していたことなどにより前連結会計年度に比べ43億63百万円減少しております。

 特別損失は、固定資産処分損、投資有価証券評価損、減損損失、和解金、子会社整理損などを計上し、23億87百万円となりました。なお、主に減損損失の計上額が減少したことにより前連結会計年度に比べ27億36百万円の減少となりました。

 以上により、税金等調整前当期純利益は465億66百万円となり、前連結会計年度に比べ8億47百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用126億97百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、非支配株主に帰属する当期純利益32億24百万円を控除した結果、306億44百万円となり、前連結会計年度に比べ26億66百万円の増加となりました。

(3)流動性及び資金の源泉に関する分析

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は308億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億57百万円(3.3%)減少しました。

 当連結会計年度の主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー484億50百万円であります。

 営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益465億66百万円、減価償却費297億23百万円、仕入債務の増加によるもの125億13百万円、売上債権の増加によるもの△226億9百万円、法人税等の支払額△80億26百万円、たな卸資産の増加によるもの△78億11百万円、などとなっております。

 なお、投資活動によるキャッシュ・フローは△194億10百万円となっており、その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出△178億43百万円、貸付けによる支出△68億88百万円、投資有価証券の取得による支出△46億57百万円、貸付金の回収による収入62億42百万円、投資有価証券の売却による収入58億78百万円、などであります。

 以上によりフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は290億40百万円となりました。また、リース債務の返済並びに短期借入金の減少などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは△315億66百万円となりました。





出典: 富士電機株式会社、2016-03-31 期 有価証券報告書