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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当年度は、東日本大震災の影響による電力供給懸念、タイ洪水によるサプライチェーンの寸断、欧州金融危機に端を発した世界経済の混乱、過去にない水準の円高の進行など、国内外で経営環境の悪化要因が重なって発生し、非常に厳しい状況となりました。

このような状況のなか、当年度の連結売上高は78,46216百万円(対前年度比10%減)と、デジタル商品を中心とした売上減に加え、東日本大震災やタイで発生した洪水等による影響もあり、減収となりました。

  利益につきましては、材料の合理化や固定費削減を推進しましたが、売上減の影響に加え、価格低下や円高の影響などにより、営業利益は43725百万円(対前年度比86減)と減益となりました。また、税引前利益は、営業外費用として早期退職一時金やのれん・固定資産の減損損失などの事業構造改革費用を計上したことなどにより、8,12844百万円の損失(前年度は1,7887百万円の利益)となりました。また、当社株主に帰属する当期純利益は、法人税等において法人税率の変更に伴う影響額を計上したことなどにより7,72172百万円の損失(前年度は74017百万円の利益)となりました。 

 

セグメントの業績は次のとおりです。

 

平成24年1月1日にグループ体制の再編を実施したことに伴い、従来の6セグメントから8セグメントへ変更しています。また、前年度のセグメント情報については、当年度の形態に合わせて組み替えして表示しています。 

 

a  AVCネットワークス

 AVCネットワークスの売上高は、17,13475百万円(対前年度比21%減)となりました。ノートパソコンなどの売上が前年度を上回りましたが、薄型テレビやデジタルカメラなどの売上が減少し、減収となりました。

 利益は、売上の減少や価格低下の影響が大きく67853百万円の損失(前年度は27342百万円の利益)となりました。

 

b  アプライアンス

 アプライアンスの売上高は、15,34183百万円(対前年度比3%増)となりました。洗濯機や電子レンジなどの売上が堅調に推移した結果、増収となりました。

 利益は、原材料高騰の影響等により前年をわずかに下回り、8147千万円(対前年度比3%減)となりました。

 

c  システムコミュニケーションズ

   システムコミュニケーションズの売上高は、8,4086千万円(対前年度比10%減)となりました。小型複合機やハンディターミナル(業務用端末)、携帯電話などの売上が減少し、減収となりました。

     利益は、売上の減少や価格低下の影響が大きく17341百万円(対前年度比64%減)となり、前年から悪化しました。

 

d  エコソリューションズ

 エコソリューションズの売上高は、15,25813百万円と前年度と同水準になりました。ライティング事業の売上が減少しましたが、エナジーシステム事業やハウジングシステム事業、環境システム事業が前年度と同水準の売上を確保し、全体でも前年度並みとなりました。

 利益は、固定費の削減などにより前年をわずかに上回り、58859百万円(対前年度比2%増)となりました。

 

e  オートモーティブシステムズ

    オートモーティブシステムズの売上高は、6,53247百万円(対前年度比7%増)となりました。ハイブリッドカー用バッテリーをはじめ、環境対応車向けデバイスの売上が好調に推移し、増収となりました。

    利益は、合理化未達等により4941百万円(対前年度比78%減)と前年から大きく悪化しました。

 

f  デバイス

    デバイスの売上高は、14,0457千万円(対前年度比16%減)となりました。一般電子部品や半導体の売上が減少し、減収となりました。

    利益は、売上の減少や価格低下の影響が大きく、16599百万円の損失(前年度は6994千万円の利益)となりました。

 

g エナジー

   エナジーの売上高は、6,14885百万円(対前年度比3%減)となりました。太陽光発電システム事業が国内を中心に引き続き堅調に推移しましたが、リチウムイオン電池事業の売上が減少し、減収となりました。

    利益は、価格低下の影響が大きく2088千万円の損失(前年度は15232百万円の損失)と前年から悪化しました。

 

h  その他

 その他の売上高は、18,80861百万円(対前年度比18%減)となりました。三洋電機により前年度に実施された半導体事業譲渡の影響などを受け、減収となりました。

 利益は、売上減などの影響により、23576百万円(対前年度比61%減)と前年から悪化しました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 当年度の営業活動により減少したキャッシュ・フローは36891百万円(前年度は4,69195百万円の増加)となりました。前年度差の主な要因は、非支配持分帰属利益控除前当期純損失(前年度は利益)の計上や買入債務の減少によるものです。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

  当年度の投資活動に使用したキャッシュ・フローは3,0302百万円(対前年度差1,00057百万円増)となりました。前年度差の主な要因は、有形固定資産の売却に伴う収入が減少したことによるものです。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 当年度の財務活動に使用したキャッシュ・フローは53094百万円(対前年度差3,01533百万円減)となりました。前年度差の主な要因は、前年度に、無担保普通社債の発行などにより社債及び借入金残高が増加した一方で、パナソニック電工㈱及び三洋電機㈱株式に対する公開買付けの実施に伴う支出があったことによるものです。 

 

 これらの結果に加え、為替変動による減少額7428百万円により、当年度末の現金及び現金同等物の残高は5,74411百万円(対前年度末差4,00415百万円減)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。

 なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産状況は販売状況に概ね類似しています。

 

3【対処すべき課題】

(1) 対処すべき課題

 平成24年度の世界経済は依然としていくつかの下方リスクを有するものの、基調としては緩やかな成長へと向かう見通しです。新興国は伸びがやや鈍化しつつも成長が続き、先進国も米国の堅調な消費などを背景に欧州の一部を除いておおむね成長が続く、と見込まれています。
 こうしたなか、当社は、大規模な構造改革とグループ再編を行った後の初年度として、平成24年度は確実に成果を出す年と位置付けています。平成23年度の業績を鑑みれば、GT12の数値目標の達成はあきらめざるを得ませんが、「環境革新企業」となるための基盤は構築することができました。新事業体制の真価を発揮し、V字回復を目指してまいります。
 平成24年度目標(売上高8兆1,000億円、営業利益2,600億円、当期純利益500億円)達成に向け、「収益にこだわる」「商品を鍛える」「自ら変わる・変える」の3項目をグループ共通の基本指針として、以下の具体施策に取り組んでまいります。
①「収益にこだわる」:

    テレビ・半導体関連の課題事業の損失が、数多くの高収益事業の利益を相殺している現在の構造を変革するため、以下の取り組みを進めます。
・課題事業の再建

     特にテレビ事業については、構造改革効果による固定費の大幅圧縮に加え、セット事業での不採算モデルの絞り込みとさらなるコストダウン、パネル事業でのより付加価値を確保できる非テレビ分野への用途展開などを進め、約1,300億円の大幅な収益改善を図ります。

  ・成長事業での増益追求

    ソーラーやリチウムイオン電池などのエナジー関連や、アプライアンスなどの成長事業は、増販による増益を追求します。具体的には、「HIT太陽電池」の強みを生かしたソーラー関連システムの拡大、車載用リチウムイオン電池の生産能力の最大化・品質ロスの削減、アプライアンス事業のグローバル成長の加速など、それぞれの強みを生かし、収益につなげてまいります。

  ・強いソリューション事業の創出

    デバイスやシステムの事業では法人や自治体などの個々のお客様に対して最適な価値提案を継続的に行うソリューション型ビジネスモデルの構築を図ります。規模は小さくても収益力のある事業を目指します。

  ・まるごとソリューションによる新たな収益モデルの構築

    「強い商品」を「そろえる・つなげる」、さらに「メンテナンス・サービス」を合わせた「まるごとソリューション」により、単品売り切りではない新たな収益モデルを構築してまいります。現在、具体的な事業を100モデルつくりだす取り組みを進めており、平成24年度は事業化が進んでいるモデルで合計1,700億円以上の売上を目指すとともに、さらなるモデルの確立を進めてまいります。

 ・経営体質の強化

      グローバル最適調達などによるコスト合理化、構造改革効果の刈り取りや全社的な緊急経営対策による固定費の圧縮など、グループ全体でコスト削減を徹底し、収益体質を再構築します。  

②「商品を鍛える」:
 コンシューマー分野では現地密着の商品開発と先進技術の融合によって、デバイス分野では技術・マーケティング一体でお客様の商品企画に深く関与していく活動によって、商品力を高めていきます。また、機器同士の連携や商品群での訴求を、個々の商品力向上にも積極的に活かしてまいります。
 

③「自ら変わる・変える」:
 事業再編の効果を最大限に発揮するために、社員一人ひとりの自己革新を促してまいります。例えば、グローバルに成長力を発揮するために、現在進めているインド、ブラジルの全社プロジェクトや現地ならではの新規事業創出において、海外各地域の最前線が主導的な役割を果たす姿となるようにしてまいります。また本社も「小さな本社」「戦略・投資型本社」を目指して、本社職能の再編・シンプル化と、グループ経営の仕組みの再構築を進めます。
 

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

 当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後さらに地球環境問題の解決に貢献する世界の優良企業への成長を目指して、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
 当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。

②基本方針の実現のための具体的な取り組み

(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み

 当社は、世界の共通課題である地球環境問題の解決に、くらしを起点とした取り組みで先頭に立って貢献できる企業を目指し、平成30年の創業100周年に向けたビジョンとして「エレクトロニクスNo.1の『環境革新企業』」を打ち出しました。その最初のステップと位置づけた平成22年度からの3カ年の中期経営計画「Green Transformation 2012(GT12)」では、環境貢献と事業成長の一体化を図り、「成長へのパラダイム転換」と「環境革新企業の基盤づくり」を推進しております。「成長へのパラダイム転換」については、①既存事業偏重からエナジーなど新領域へ②日本中心から徹底したグローバル志向へ③単品志向からソリューション・システム志向へ−の3つの転換をテーマに、非連続な施策にも思い切って取り組み、GT12の3年間で「成長力溢れるパナソニックグループ」の実現を目指してまいります。平成23年4月に完了したパナソニック電工㈱と三洋電機㈱の完全子会社化と、それに続くグループを挙げた事業再編で実現した新体制のもとで、これらの取り組みを加速してまいります。

(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み

 当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成23年は4月28日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成24年5月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
 大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
 大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
 対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
 上記の対応措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
 具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
 対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
 当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
 ESVプランの詳細については、平成24年5月11日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)−ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要−」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ

(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn120511-3/jn120511-3.pdf)

をご参照ください。

③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由

 当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
 したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものと考えております。

 

(参考)

株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要

 

1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件

取締役会で定め公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てます。なお、株主割当てにより募集新株予約権を発行する方法による場合と、新株予約権無償割当ての方法による場合とがあります。

 

2.新株予約権の目的である株式の種類及び数

新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。

 

3.発行する新株予約権の総数

新株予約権の発行総数は、50億個を上限として、取締役会が定める数とします。取締役会は、発行する新株予約権の総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の発行を行うことがあります。

 

4.募集新株予約権を発行する方法による場合の募集新株予約権の払込金額

金銭の払込みを要しません。

 

5.新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とします。

 

6.新株予約権の譲渡制限

譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとします。

 

7.新株予約権の行使条件

大規模買付者を含む特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。

 

8.新株予約権の行使期間等

新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとします。なお、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがあります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループでは、グループ全体において年1回リスクアセスメントを実施し、リスクを一元的・網羅的に洗い出し、評価・優先順位付けすることを通じて、本社、事業ドメイン会社、グループ関係会社等のそれぞれにおいて、リスクを特定し、リスクの重要性に応じて対策を立案・実行し、対策の進捗状況をモニタリングし継続的に改善する活動を展開しています。
 これらのリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しています。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績および財政状態は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。
 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成24年6月28日)現在において判断したものです。

  

(1)経済環境に関するリスク

経済状況の変動

 当社グループの製品・サービスに対する需要は、それらの販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退、およびこれに伴う需要の減少により、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。平成24年度につきましても、円高やグローバルな競争激化に加え、欧州債務危機による世界の景気減速懸念など、厳しい経営環境が続くものと思われます。このような状況に対処するため、当社グループの想定を上回る事業構造改革の実施が必要となり、それによる費用の増大等の可能性があります。また、世界の市況悪化が想定以上に進展する場合などには、当社グループを取り巻く経営環境は、現在の予想よりもさらに厳しくなる可能性もあり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態がさらなる悪影響を受ける可能性があります。

 

為替相場の変動

 外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコストおよび価格は為替相場の変動により影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、為替相場の変動による影響を受けます。一般的に、現地通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼします。平成23年度も、各国の現地通貨に対して円高が進行し、当社グループの業績は大きな悪影響を受けました。今後、円高が継続し、またはさらなる円高が進行した場合、当社グループの事業、業績および財政状態はさらなる悪影響を受ける可能性があります。

 

金利の変動

 金利の変動により営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産および負債の価値が影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

資金調達環境の変化
 当社グループは、事業資金を金融機関からの借入および社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。当社グループは、金融市場が不安定となり、または悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

株価の下落

 当社グループは、投資有価証券の一部として日本企業等の株式を保有していますが、株価の下落により保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。また、こうした株価下落が、有価証券未実現損益を悪化させることにより、当社株主資本の減少を引き起こす可能性があります。

 

(2)当社グループの事業活動に関するリスク

競合他社との競争

 当社グループは、広範多岐にわたる製品・サービスの開発・生産・販売を行っており、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業と競合しています。当社グループは、戦略事業への投資を推進していますが、特定の事業に対する投資を、競合他社と同程度に、またはタイムリーに、場合によっては全く実施できない可能性もあります。また、競合他社がそれぞれの競合事業において当社グループよりも大きな財務力、技術力およびマーケティング資源を有している可能性があります。

 

製品価格の下落

 当社グループは、国内外の市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格を設定することが困難な場合があります。当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、これらの企業努力を上回る価格下落圧力は、当社グループの利益の維持・確保に深刻な影響を与えるものであり、この影響は特に製品の需要が低迷した場合に顕著となります。新興国市場・低価格品への需要シフトや環境・エネルギー関連市場の拡大等の市場構造変化が加速して進行するなか、デジタル家電機器をはじめとする当社グループの事業分野で製品価格が下落する可能性があります。

 

国際的な事業活動における障害

 当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつとしていますが、海外では為替リスクに加え、政情不安(戦争・内乱・紛争・テロを含む)、経済動向の不確実性、宗教および文化の相違、現地における労使関係等のリスクに直面する可能性があります。また、売掛金の回収や、取引相手との関係構築・拡大などの点で、海外での商慣習に関する障害に直面する可能性があります。さらに、投資規制、収益の本国送金に関する規制、現地産業の国有化、輸出入規制や外国為替規制の変更、税制または税率の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは輸送費用により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性があります。  

 

技術革新における競争

 当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては、BtoC(一般消費者向け)分野およびBtoB(企業向け)分野のいずれにおいても技術革新が重要な競争要因になっており、当社グループが将来の市場ニーズに応えるための新技術を正しく予想し開発できない場合には、新しい市場での競争力を失う可能性があります。

 

規格・標準化競争

 当社グループは、次世代の家庭用および携帯用ネットワーク機器、データ蓄積媒体およびソフトウェア・システムといった製品の規格・標準化に関する技術および製品の開発を強化するため、他社と業務提携等を行ってきました。しかし、提携先以外の競合他社が提案した規格が業界標準となる場合があり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

有能な人材確保における競争

 当社グループの将来の成功は、研究・開発・技術、マネジメント分野などでの優秀な人材の確保に大きく依存しています。しかし、各分野での有能な人材は限られているため、人材確保における競争は高まっています。こうした状況下、在籍している従業員の流出の防止や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

他社との提携・M&Aの成否

 当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立、他社への戦略投資を通じた事業展開などを行っており、他社とのパートナーシップ戦略の重要性は増加傾向にあります。新しい製品やサービスを提供するために、このようなパートナーシップは不可欠な場合がありますが、パートナーとのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待したパートナーシップによる効果が得られない可能性があります。また、当社グループは合弁相手先を支配することはできないため、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があります。加えて、これらの合弁相手先が事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。当社は、平成23年4月1日にパナソニック電工㈱および三洋電機㈱をそれぞれ株式交換により完全子会社化し、平成24年1月1日には、事業体制を再編しましたが、意思決定の迅速化やグループ・シナジーの最大化といった期待した成果が十分に得られない可能性があります。

 

原材料等の供給不足・供給価格の高騰

 当社グループの製造事業にとって、十分な品質の原材料、部品、機器、サービス等をタイムリーに必要なだけ入手することが不可欠であり、当社グループは、信頼のおける供給業者を選定しています。しかし、自然災害や供給業者の倒産などにより、供給が不足または中断した場合や業界内で需要が増加した場合には、供給業者の代替や追加、他の部品への変更が困難な場合があります。それにより当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループと供給業者は、契約によりその供給価格を決定していますが、需給環境の変化・投資資金の流入などにより鉄鋼・樹脂・非鉄金属などの原材料および部品価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

顧客の資金状況・財政状態

 当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の売掛債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3)将来の見通し等の未達リスク

 当社グループは、平成22年度から平成24年度までの3カ年中期経営計画「Green Transformation 2012(GT12)」(平成22年5月7日発表)を推進しています。GT12は、売上高10兆円、営業利益率5%以上、ROE10%、CO削減貢献量5,000万トン(平成17年度を基準に平成24年度まで改善策をとらなかったと仮定した場合の試算値に対する削減量)を経営目標に取り組んでいましたが、円高の進行およびGT12策定以降に取り組んできた「Transformationプロジェクト」での検討を踏まえ、売上高の実行目標を9.4兆円としました(平成23年4月28日発表)。これらの計画は、当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、事業環境の悪化や、これに対応するための追加的な事業再編、固定資産の減損および雇用構造改革を中心とした事業構造改革費用の発生などの要因により、発表した目標の達成は極めて困難な状況にあり、期待される成果の実現に至らない可能性があります。

 

(4)法的規制・訴訟に関するリスク

製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生

 製品の欠陥による品質問題(不安全事故等)が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは生産物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道により、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

知的財産権に関連した損害

 当社グループは、自らが出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部またはすべてが保護されない場合があります。また、第三者が保有している知的財産権については、その技術を利用したい場合でも利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現状、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、将来使用できなくなったり、ライセンス条件が不利に変更されたりする可能性があります。加えて、当社グループが知的財産権に関し訴訟等を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性があります。かかる訴訟等には、多額の費用と経営資源が費やされる可能性があり、また当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが重要な技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。

 

会計制度・税制の変更等

 当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

環境に関する規制や問題の発生

 当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物、製品リサイクル、および土壌・地下水汚染などに関するさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。将来、環境に関する規制がより厳しくなり、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社が任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令違反による賠償やかかる取り組みへの支出により当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 

 

個人情報等の営業秘密の漏洩

 当社グループは、事業の過程で、顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また、他社等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤ってまたは避けられない理由で外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、それに起因して被害を受けた方に対して損害賠償責任を負ったり、当社グループの事業やイメージが悪影響を受けたりする可能性があります。また、顧客情報以外の営業秘密(当社グループの技術情報等)が第三者等の行為により不正に、または過失により流出する危険性もあり、その結果、当社の事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

その他の法的規制等による不利益および法的責任

 当社グループは、日本および諸外国・地域の規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、金融取引、内部統制、および事業者への課税に関する法規制に加え、事業および投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業および電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制、および輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなったりすることにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業は制限を受けることになります。また、これらの法規制等を順守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分または損害賠償訴訟の対象となり、また当社グループの社会的評価が悪影響を受ける可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

災害等による影響

 当社グループの本社および製造、販売、研究開発等の主要な拠点は日本にあるほか、調達、製造、物流、販売、研究開発拠点等は世界中に展開しています。地震、津波、火災、洪水等の災害(気候変動によって発生するものも含む)や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が起こった場合やそれにより情報システムおよび通信ネットワークの停止または誤動作などが発生した場合に、当社グループの拠点の設備等が大きな損害を被り、その一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延する可能性および損害を被った設備等の修復費用が発生する可能性があります。また、強力な新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの生産活動および販売活動等に大きな支障をきたす可能性があります。加えて、これらの災害等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。また、福島第一原子力発電所の事故や原子力発電所の稼働停止等に起因する電力供給不足に伴い、電力の使用制限や計画停電が発動された場合、当社グループの国内の一部の生産拠点において操業度が低下または生産が停止する可能性があり、これにより当社グループの生産活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。

 

(6)その他のリスク

年金債務

 当社および一部の子会社は、一定の受給資格を満たす日本国内の従業員について外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職年金給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、年金数理上の損失が増加し、将来、年金制度の期間退職給付費用が増加する可能性があります。 

 

長期性資産の減損

 当社グループは、有形固定資産、のれんなど多くの長期性資産を保有しています。当社グループは、長期性資産の連結貸借対照表計上額について、当該資産の公正価値が、資産の残存価額を上回っているかどうかを定期的に検討しています。当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は減損を認識しなければならない可能性があります。

 

繰延税金資産および法人税等の不確実性の認識

 当社グループは、将来の課税所得の予測等に基づく繰延税金資産および不確実な税務ポジションの評価に基づく認識済の税務ベネフィットの一部または全部が実現しない可能性がより確からしいかを検討し、繰延税金資産の回収可能性および法人税等の不確実性を評価しています。今後、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、一時差異および繰越欠損金が将来減算される期間における課税所得により回収できない、あるいは認識済の税務ベネフィットが実現されないと判断された場合には、繰延税金資産に対し評価引当金を認識することおよび未認識税務ベネフィットに対する債務を認識することにより、法人税等が増加する可能性があります。

 

持分法適用関連会社の業績・財政状態

 当社は、複数の持分法適用関連会社の株式を保有しています。各関連会社は各々の事業および財務に関する方針のもとで経営を行っており、当社はその方針に一定の影響を及ぼすことはできますが、通常、方針そのものの決定は行いません。当社の関連会社には、損失を計上している会社もあり、こうした関連会社の業績・財政状態により当社グループの業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入契約

相手先

国名

契約の内容

契約期間

MPEG LA LLC. 

アメリカ

MPEG−2に関する特許実施の許諾

自 平成23年1月

至 特許満了日

QUALCOMM INC. 

 アメリカ

3G携帯電話及び基地局に関する特許実施の許諾

自 平成13年3月

至 特許満了日

 

(2)技術援助契約

相手先

国名

契約の内容

契約期間

MPEG LA LLC. 

アメリカ

MPEG−2に関する特許実施の許諾

自 平成9年7月

至 特許満了日

MPEG−4Visualに関する特許実施の許諾 

自 平成12年1月

至 特許満了日

 

(3)クロスライセンス契約

相手先

国名

契約の内容

契約期間

Texas Instruments Inc. 

アメリカ

半導体・その他製品に関する特許実施の相互許諾

自 平成18年4月  

至 平成28年3月 

Eastman Kodak Company 

アメリカ    

デジタルカメラ等に関する特許実施の相互許諾

自 平成19年12月

至 平成29年12月

Koninklijke Philips Electronics N.V. 

オランダ 

携帯電話・AV製品に関する特許実施の相互許諾

自 平成19年3月 

至 特許満了日 

Telefonaktiebolaget LM Ericsson 

スウェーデン

3G規格特許に関する特許実施の相互許諾

自 平成21年1月

至 平成24年12月 

SAMSUNG Electronics Co., Ltd. 

韓国 

半導体特許に関する特許実施の相互許諾

自 平成20年1月

至 特許満了日

パイオニア㈱

日本

主要AV製品に関する特許実施の相互許諾

自 平成18年4月 

至 平成30年3月 

 

 (4)パナソニック電工㈱との吸収合併契約

 当社は、平成23年8月31日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック電工㈱(以下、「電工」)を吸収合併することを決定し、同日付で吸収合併契約を締結しました。吸収合併の概要は以下のとおりです。

①合併の目的

 パナソニックグループの重点事業である「まるごと事業」の更なる強化を図るため、販売プラットフォームを当社に一本化することにより、販売基盤及び営業力の強化を目指します。また、照明、電器、デバイス事業を統合することにより、一元的、効率的な経営管理を行い、グループのシナジー最大化を図ります。

②合併の方法

 当社を存続会社、電工を消滅会社とする吸収合併です。なお、これに伴う株式その他の金銭等の割当てはありません。

③合併期日(効力発生日) 

 平成24年1月1日

④引継資産、負債の額

 資産合計 923,371百万円、負債合計 309,141百万円 

⑤吸収合併存続会社(当社)の概要

 資本金  258,740百万円

 事業内容 電気、電子機器等の製造、販売

 所在地  大阪府門真市

 

 なお、上記の契約に基づき、平成24年1月1日付で、当社は電工を吸収合併しました。

 

(5)パナソニック エレクトロニックデバイス㈱及びその子会社1社との吸収合併契約

 当社は、平成23年8月31日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック エレクトロニックデバイス㈱(以下、「PED」)及びPED100%出資の連結子会社であるパナソニック エレクトロニックデバイス ジャパン㈱(以下、「PEDJ」)の両社を吸収合併することを決定し、同日付で吸収合併契約をそれぞれ締結しました。吸収合併の概要は以下のとおりです。

①合併の目的

 当社の主たるデバイス事業を同一法人内に集約することで、経営意思決定の迅速化や一体感の醸成を加速し、グループのシナジー最大化を図ります。

②合併の方法

 当社を存続会社、PEDとPEDJを消滅会社とする吸収合併です。なお、これに伴う株式その他の金銭等の割当てはありません。

③合併期日(効力発生日) 

 平成24年4月1日

④引継資産、負債の額

 PED  資産合計 188,020百万円、負債合計 128,068百万円

 PEDJ 資産合計  94,486百万円、負債合計  68,871百万円

⑤吸収合併存続会社(当社)の概要

 上記(4)⑤に記載のとおりです。 

 

 なお、上記の契約に基づき、平成24年4月1日付で、当社はPED及びPEDJを吸収合併しました。 

   

6【研究開発活動】

 当社グループは、「環境革新企業」の実現に向けて、材料・プロセス、デバイスから、デジタルネットワーク・ソフトウェアまで、幅広い技術の強化を図っています。当連結会計年度は、新たな成長事業領域である、創エネ・蓄エネ・省エネ・エネマネの環境・エナジー関連技術に加え、機器連携などソリューション・システム技術の開発強化に注力いたしました。

 この結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、5,20217百万円となりました。各セグメントの主要な成果は、次のとおりです。

(1) AVCネットワークス

 主に当社の研究開発部門を中心として、民生用AVC機器や業務用AVC機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・「スマートディーガ」と「ビエラ」などとの無線連携技術を開発しました。無線ブロードバンドルーターのない家庭でも、新たに開発した「シンプルWi−Fi」技術を搭載したブルーレイディスクレコーダー「スマートディーガ」により、家庭内に無線ネットワークを構築することが可能になりました。この結果、簡単な設定をするだけで、録画しておいたドラマ、放送中のスポーツ中継や撮影した動画や写真を、無線で操作・伝送することができ、離れた部屋の「ビエラ」、「お風呂テレビ」や「キッチンテレビ」などでの視聴が可能になりました。

・4K2K表示ディスプレイとしては、世界最小の20型で、1インチあたり216画素(216ppi)と世界最高の精細度を有するとともに、厚さ3.5mmの世界最薄を実現する、「20型4K2K(3840×2160; 829万画素)IPSα液晶パネル」を開発し、「2012 International CES」(平成24年1月 ラスベガスにて開催)に参考出展しました。IPSαパネルの透過率を従来構造比約2倍に高める 「超高開口率画素構造」 と、TFT基板に平行な面で回転する液晶分子の配向性能を更に高めた「新液晶配向プロセス技術」を搭載することで、微細な線や文字情報をより鮮明に表示し、微妙な質感や背景の奥行き感までをも実物に忠実に映し出す超高精細映像が、より広い角度から楽しむことができるようになりました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、1,21088百万円です。

 

(2) アプライアンス

 主に当社の研究開発部門と三洋電機㈱を中心として白物家電や空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・省エネ性と快適性が向上したエアコンの「トップユニット」構造を開発しました。従来のルームエアコンの室内機上部にある未使用空間に着目し、側面に配置していた電装部をこの未使用空間に移動させた新開発の「トップユニット」構造により、室内機のサイズを大きく変えることなく、熱交換器の容積を拡大できました。この結果、吹き出し口の横幅を拡げることができ、従来気流が届きにくかった横方向への気流の風速が約2倍、気流到達距離が約1.7倍に向上しました。さらに、気流の制御や絞込み技術などにより、横方向へもなめらかに気流を届けることが可能になるとともに、省エネ性が向上しました。

・リサイクル素材を用いた再生樹脂を家電に適用する技術を開発し、再生樹脂を外観部品に使用可能とする「インビジブル化工法」や立体的な形状の部品にフィルム加飾成形ができる「3Dインモールド」工法技術により、美しく高品位なデザインへの利用が可能となりました。また、再生樹脂の高機能化(耐熱化、難燃化など)の工法や樹脂としての機能を回復させる工法も確立しました。断熱材や樹脂にリサイクル素材を使用し、環境に配慮した製品群を「資源循環商品」シリーズとして発売しました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、60412百万円です。

  

(3) システムコミュニケーションズ

 主にパナソニック システムネットワークス㈱とパナソニックモバイルコミュニケーションズ㈱を中心としてシステムネットワークモバイル通信に関する電気・通信・電子機械器具の研究開発を行っています。主な成果としては、

・高解像度で鮮明なフルHD映像の動画配信を可能とした、ネットワークカメラを開発しました。H.264ハイプロファイル方式の高圧縮技術により、異なる解像度のフル動画を2ストリーム同時に配信することが可能です。また、撮影画角内で指定した範囲を最大2カ所まで設定できる2エリアVIQS機能(指定エリア画質可変機能)を搭載しました。H.264高圧縮技術とVIQSの組合せにより、必要な部分のみ高画質なまま画像を確認することができ、全体の配信データ量を当社従来機種比で最大約50%低減しました。さらに、画面全体から任意の領域を切り出して配信するクロッピング機能も搭載しました。カメラ1台で全体画面と局所的に見たい画面を独立して配信することが可能となりました。

・業界初の個人データを保護するスマートフォン向け技術を開発しました。Androidから仮想的に分離した保護機能付フォルダを構成し、個人データを格納する仕組みを構築しました。これにより、Android上のメニュー操作やアプリケーションから個人データを格納したフォルダへのアクセスを許可・禁止制御することが可能となり、パスワードやICカード認証等の個人認証と組み合わせることにより、個人データを保護することが容易となりました。本開発により、スマートフォン紛失時やダウンロード・アプリケーションのユーザが意図しない動作時の流出リスクに対して、個人データを保護することが可能となりました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、7144千万円です。

 

  (注)Androidは、Google Inc.の商標または登録商標です。 

 

(4) エコソリューションズ

 主に当社の研究開発部門とパナソニック エコシステムズ㈱を中心として、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・業界最高水準の発電量の住宅用太陽光発電システムを開発しました。HIT太陽電池セル構造のさらなる最適化により、従来モジュールと同じ面積で、240Wの最大出力を実現し、限られた面積で高い発電量を得ることが可能となりました。周辺機器の集中型パワーコンディショナ2.7kWタイプはSiC(シリコンカーバイド)ダイオードを搭載したIPM(インテリジェントパワーモジュール)を新規開発し、直流/交流電力の変換効率95.5%(JISC8961に基づく効率測定方法による定格負荷効率)を実現しました。

・当社独自の「波長制御技術」と「サーカディアンリズム」を応用し、「快適」と「エコ」の両立、そして「知的生産性」の維持を目指した、LED照明によるオフィス市場への次世代省エネソリューションを開発しました。「サーカディアンリズム」と呼ばれる約24時間周期の生体リズムと光の関係を照明制御に応用し、LED照明の色温度や明るさなどを制御する独自のエコサーカディアン照明制御を開発し、実際のオフィスの稼動時間で比較した場合、従来照明比約10〜15%の省エネが可能となりました。

・「ナノイー」&「アシストイオン」で、浮遊カビ菌や浮遊菌の抑制スピードを向上する技術を開発しました。当社独自の水に包まれた微粒子イオン「ナノイー」に加え、浮遊カビ菌や浮遊菌などの空気の汚れを帯電させる「アシストイオン」を同時に発生します。これにより「ナノイー」が浮遊カビ菌・浮遊菌などに接触しやすくなり抑制スピードが向上しました。浮遊カビ菌を従来の約2倍、浮遊菌を約5倍のスピードで抑制できます。さらに「ひとセンサー」を新たに搭載することにより、人やペットの動きを検知してハウスダストの舞い上がりを予測します。室内へハウスダストが拡散する前に集じんを開始することにより従来品比約1.5倍のスピード集じんを実現しました。 

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、48039百万円です。

 

(5) オートモーティブシステムズ

 主に当社の研究開発部門を中心として、車載マルチメディア関連機器や環境対応車関連機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・高精度な自車位置測位を可能とするポータブルカーナビゲーション機能を開発しました。高架下や高層ビル街などGPS電波を受信しにくい場所でも、自車位置を高精度に表示する「Gジャイロ」を搭載しました。GPS受信時にはGPS測位とGジャイロとを組み合わせ0.2秒ごとの測位を行い、自車位置の動きをなめらかに表示します。さらに時刻情報のみを取得し、位置・軌道情報は前回受信データを利用する「クイックGPS」で測位する時間を短縮しました。再起動時などで自車位置を短時間で測位することが可能となりました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、43981百万円です。

 

(6) デバイス

 主に当社の研究開発部門とパナソニック エレクトロニックデバイス㈱を中心として、電子部品や電子材料、半導体等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・当社独自の圧電MEMS音叉(おんさ)技術をさらに進化させ、スマートフォン、タブレットPCなどのユーザーインターフェイス用途をターゲットにした、業界最小最薄サイズの「民生用3軸角速度センサ」(当社従来品比 体積 約40%減)を開発しました。音叉型振動子(シリコン基板)上に、圧電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を高精度に成膜、センサの心臓部である素子を極めて薄い1枚のシリコン基板上に形成しました。これにより、これまでの3軸センサでは克服できなかった小形薄形を実現でき、スマートフォンなどセットのさらなる小型化・高機能化が可能となりました。

・業界最高速1.4GHz動作の高速デュアルコアCPUを搭載したスマートテレビ用UniPhier(ユニフィエ)システムLSIを開発しました。映像・音声コーデックに加え、スマートテレビに必須のフルHD対応の高性能3Dグラフィックス回路などを1チップに集積することにより、システム合理化に加え、グラフィックスと映像とが融合した多彩な表現を可能とし、かつ、システムの消費電力を当社従来比で約40%削減可能となりました。これにより、テレビ放送2番組とインターネット上のさまざまなアプリケーションを、同時に高画質で楽しむことができる高性能なスマートテレビをいち早く実現でき、低消費電力かつ省部品点数で実現できるようになりました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、93055百万円です。

 

(7) エナジー

 主に当社の研究開発部門と三洋電機㈱を中心として、二次電池やソーラー関連商品等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・太陽電池とリチウムイオン電池の住宅用創蓄連携システムを開発しました。太陽電池と4.65kWhのリチウムイオン蓄電池ユニットに加え、新開発の「パワーステーション」により、太陽光発電量と消費電力量のバランスを取りながら、蓄電池への最適充電制御を実現しました。この結果、日中は太陽光で発電した電力を使用できるうえに、余剰電力を蓄えた蓄電池により、天候の影響を抑えて日中の電力供給を安定化させるとともに、夜間での利用を可能にしました。さらに、平常時だけでなく、数日間にわたる停電時でも利用可能です。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、31533百万円です。

 

(8) その他

 主にパナソニック ヘルスケア㈱、パナソニック ファクトリーソリューションズ㈱、パナソニック溶接システム㈱とパナホーム㈱を中心として、ヘルスケア機器やFA等の産業機器や住宅事業等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・診療所・クリニックにおける診察業務の効率化の要望にお応えする、電子カルテシステムと医用画像保管システム(以下、PACS)を一体化したシステムを開発しました。従来の電子カルテに高精細ディスプレイ、PACSソフトを追加するだけで、簡単に電子カルテ、PACS一体型システムに変更が可能です。開発した一体化システムは、電子カルテとPACSが融合して設計されており、各種データ、操作性の統一、更に導入・設置、保守・サポートの一元化を目指し、診療所・クリニックに最適なシステムを実現しました。

・業界最高の挿入タクト0.14秒/点(最速値)でプリント基板に電子部品を自動挿入する高速ラジアル部品挿入機を開発しました。白物家電・AV機器・照明器具・電源ユニットなどのプリント基板の回路では、現在でも電解コンデンサーや抵抗など多くの挿入型電子部品(ラジアル部品)が使用されています。リード線Vカット方式を用いたラジアル部品の高速挿入と部品挿入位置のすべての穴(2穴または3穴)位置認識により最適な挿入位置を算出し、位置補正を行い、安定挿入を実現しました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、4538百万円です。

 

(9) 全社

 上記の各セグメントに配賦できない研究開発費は、5361百万円です。主な成果としては、

・世界初の傾斜積層構造を用いた熱発電チューブを開発しました。熱電変換材料の両端に温度差を与えると、高温部と低温部の間に電圧が生じることが知られていましたが、今回、熱の伝わりにくい熱電変換材料と熱の伝わりやすい金属を交互に傾斜して配置した新開発の管状構造により、熱の流れに垂直な方向に電気が流れる現象を独自に見出しました。この結果、長さ10cmのチューブで、従来の4倍の1.3Wの電力を取り出すことに成功し、地熱・温泉熱を利用した熱発電の実現に向け、大きく前進しました。 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の経営成績の分析

(1)売上高

 当年度の連結売上高は、デジタル商品を中心とした売上減に加え、東日本大震災やタイで発生した洪水等による影響もあり、前年度の8兆6,926億7千2百万円に対して10%減少し、7兆8,462億1千6百万円となりました。

 平成23年度のエレクトロニクス業界は、東日本大震災の影響による電力供給懸念、タイ洪水によるサプライチェーンの寸断、欧州金融危機に端を発した世界経済の混乱、過去にない水準の円高の進行など、国内外で経営環境の悪化要因が重なって発生し、非常に厳しい状況となりました。

  こうしたなか、当社グループは3カ年の中期経営計画「Green Transformation 2012(GT12)」の2年目としてさまざまな施策に取り組みました。特に、既存事業偏重からエナジーなどの新規事業分野へ、日本中心から徹底したグローバル志向へ、単品志向からソリューション・システム志向へ、の3つのパラダイム転換を進めることを大きなテーマとして事業構造の変革を図りました。
 現地ニーズを取り入れたエアコンや冷蔵庫の発売によるインドやブラジルでの増販、日本におけるグループの販売力をフルに活用した「HIT太陽電池」の増販など、一部の地域・事業で成果は上がりつつあります。
 しかし一方で、前述の経営環境悪化や価格競争の激化、地上デジタル放送移行後の需要減などの要因により、薄型テレビや半導体事業の業績は大きく悪化しました。今後の収益を圧迫する要因を思い切って排除するという経営判断のもと、これら課題事業を中心に、拠点集約を含む大規模な構造改革を行いました。
 平成24年1月には、予定どおりグループの事業再編を行いました。具体的には「AVCネットワークス」、「アプライアンス」、「システムコミュニケーションズ」、「エコソリューションズ」、「オートモーティブシステムズ」、「デバイス」、「エナジー」、「ヘルスケア」、「マニュファクチャリングソリューションズ」の9つのドメインと、「グローバルコンシューマー マーケティング部門」の1部門で構成される新事業体制をスタートいたしました。この再編により、グローバルにお客様と直結する体制の確立や、「まるごとソリューション」など横串の総合力を発揮する仕組みの導入、個別事業でのシナジー創出と重複事業の解消など、当社グループの力を最大限に発揮できる体制を整え、「環境革新企業」実現に向けた基盤を構築しました。

 

(2)売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、前年度の6兆3,891億8千万円に比べて減少し、5兆8,645億1千5百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆9,982億3千8百万円に比べて減少し、1兆9,379億7千6百万円となりました。これらは、売上の減少などによるものです。

 

(3)営業利益

 営業利益は、前年度の3,052億5千4百万円に比べて減少し、437億2千5百万円となりました。売上減の影響に加え、価格低下や円高の影響などにより、減益となりました。営業利益率も、前年度の3.5%から悪化し、0.6%となりました。

 

(4)営業外損益

 営業外収益につきましては、受取利息は、前年度の115億9千3百万円から増加し、133億8千8百万円となりました。受取配当金は、前年度の63億2千3百万円に比べて減少し、61億2千9百万円となりました。

 営業外費用につきましては、支払利息は、前年度の275億2千4百万円から増加し、284億4百万円となりました。また、のれんの減損損失1,639億2百万円、長期性資産の減損損失3,992億5千9百万円を含む事業構造改革費用7,671億1千2百万円や保有株式の評価減166億3千6百万円などを計上しました。

 上述の結果、営業外損益は、前年度の1,264億4千7百万円の損失に対し、8,565億6千9百万円の損失となりました。

 

(5)税引前利益(損失)

 税引前利益(損失)は、上述ののれん・長期性資産の減損損失などの事業構造改革費用を計上したことにより、前年度の1,788億7百万円の利益に対し、8,128億4千4百万円の損失となりました。

 

(6)法人税等

 法人税等は、前年度の1,030億1千万円に比べて減少し、97億6千7百万円となりました。

 

(7)持分法による投資利益

 持分法による投資利益は、前年度の98億円に対し、64億6千7百万円となりました。

 

(8)非支配持分帰属利益控除前当期純利益(損失)

 非支配持分帰属利益控除前当期純利益(損失)は、前年度の855億9千7百万円の利益から悪化し、8,161億4千4百万円の損失となりました。

 

(9)非支配持分帰属利益(損失)

 非支配持分帰属利益(損失)は前年度の115億8千万円の利益に対し、439億7千2百万円の損失となりました。

 

(10)当社株主に帰属する当期純利益(損失)

 上述の要因により、当社株主に帰属する当期純利益(損失)は、前年度の740億1千7百万円の利益から悪化し、7,721億7千2百万円の損失となりました。これにより、基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(損失)は、前年度の35円75銭の利益に対し、333円96銭の損失となりました。

 

 (11)セグメントの業績

 セグメントの業績(売上高・利益)については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」にて記載したとおりです。

 

財政状態及び流動性

(1)資産、負債及び資本

 当社グループの当年度末の連結総資産は、前年度末の7兆8,228億7千万円から1兆2,218億1千5百万円減少し、6兆6,010億5千5百万円となりました。これは、現金及び現金同等物が減少したことに加え、のれん・固定資産の減損損失等により、有形固定資産やその他の資産が減少したことなどによるものです。

 負債につきましては、買掛金の減少などにより前年度末に比べて2,530億4千6百万円減少し、4兆6,234億8千9百万円となりました。

 当社株主資本につきましては、前年度末の2兆5,589億9千2百万円から6,292億6百万円減少し、1兆9,297億8千6百万円となりました。これは、当社株主に帰属する当期純損失の計上などによるものです。なお、その他の包括利益(損失)累積額の悪化は、円高の影響などにより為替換算調整額が290億1千万円悪化したことや、年金債務調整額が712億8千8百万円悪化したことなどによるものです。また、非支配持分につきましては、パナソニック電工㈱および三洋電機㈱を完全子会社とする株式交換などにより、前年度末から3,395億6千3百万円減少し、477億8千万円となりました。

 

(2)配当方針

 当年度の中間配当金については、1株当たり5円を実施しました。また、当年度の期末配当金についても、1株当たり5円を実施することを取締役会で決議いたしました。これにより、中間配当金と合わせた当年度の年間配当金は、1株当たり10円となりました。

 

(3)設備投資額と減価償却費

 当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の4,037億7千8百万円から27%減少し、2,948億2千1百万円となりました。主要な設備投資は、太陽電池および二次電池の生産設備(兵庫県加西市ほか)や、台湾におけるスマートフォンなど高機能端末向け電子部品の生産設備です。

 なお、減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,842億4千4百万円から9%減少し、2,591億3千5百万円となりました。

 

(4)キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」にて記載したとおりです。

 なお、当年度末の現金及び現金同等物は、前年度末の9,748億2千6百万円に対して、4,004億1千5百万円減少し、5,744億1千1百万円となりました。

 





出典: パナソニック株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書