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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当年度は、年度末にかけて、対ドル・対ユーロで過度な円高の是正が進み、米国でも株価上昇が続くなど、日本企業の経営環境に明るさが見え始めたものの、エレクトロニクス業界は、国内を中心とする薄型テレビの需要低迷などで厳しい状況が続きました。

このような状況のなか、当年度の連結売上高は73,030億円(対前年度比7%減)となりました。営業利益は1,609億円(対前年度比268%増)と改善いたしましたが、営業外費用として、ソーラー、民生用リチウムイオン電池、および携帯電話事業などに関するのれん・無形資産の減損損失や建物等に関連する損失を含む事業構造改革費用5,088億円を計上したことなどにより、税引前利益は3,984億円の損失(前年度は8,128億円の損失)となりました。また、第2四半期連結会計期間において、国内を中心とする急激な販売下落や厳しい経営環境を踏まえ、米国で一般に公正妥当と認められた会計原則に基づき、法人税等として、連結決算におけるパナソニック㈱およびパナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱の繰延税金資産に対して評価引当金4,125億円を計上しました。これらの結果、当社株主に帰属する当期純利益につきましては、7,543億円の損失(前年度は7,722億円の損失)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

 

a  AVCネットワークス

 AVCネットワークスの売上高は、13,739億円(対前年度比20%減)となりました。航空機内AVシステムなどのビジネスソリューション事業が堅調でしたが、テレビなどのAVネットワーク事業や、パネルなどのディスプレイデバイス事業の売上が減少し、全体では大幅な減収となりました。

営業利益は、固定費削減や構造改革効果等により前年から大きく改善し、199億円(前年度は678億円の損失)となりました。

 

b  アプライアンス

 アプライアンスの売上高は、15,544億円(対前年度比1%増)となりました。世界的に需要が伸び悩み、特に主力のエアコンなどの売上が中国市場を中心に苦戦しましたが、冷蔵庫や炊飯器の売上が伸長し、全体では増収となりました。

営業利益は、エアコンの販売減による収益悪化等により前年を下回り、665億円(対前年度比18%減)となりました。

 

c  システムコミュニケーションズ

   システムコミュニケーションズの売上高は、7,409億円(対前年度比12%減)となりました。監視・防犯カメラなどのセキュリティ事業が好調ながら、携帯電話やオフィス機器などの売上減から、全体では減収となりました。

    営業利益は、売上の減少などにより、124億円(対前年度比29%減)と前年から悪化しました。

 

d  エコソリューションズ

 エコソリューションズの売上高は、15,479億円(対前年度比1%増)となりました。欧州市場で伸び悩みましたが、節電需要を背景にLED照明やエネルギーマネジメントシステム商品が伸び、全体では増収となりました。

営業利益は、価格下落の影響はあったものの、材料合理化等により前年並みの591億円となりました。

 

e  オートモーティブシステムズ

    オートモーティブシステムズの売上高は、7,829億円(対前年度比20%増)となりました。中国では市場の減速による影響などから売上が減少しましたが、北米や南アジアを中心に市況が回復し、国内でもエコカー補助金による車両販売台数の増加などにより、全体では増収となりました。

    営業利益は、売上の増加などにより前年から大きく改善し、166億円(対前年度比236%増)となりました。 

 

f  デバイス

    デバイスの売上高は、13,614億円(対前年度比3%減)となりました。スマートフォンやタブレット向けに需要が拡大したものの、ノートパソコンやデジタル家電向けが低迷し、全体では減収となりました。

    営業利益は、固定費削減等により前年から大きく改善し、192億円(前年度は166億円の損失)となりました。

 

g エナジー

   エナジーの売上高は、5,923億円(対前年度比4%減)となりました。ノートパソコン需要の低迷からリチウムイオン電池の売上が減少したほか、太陽光発電システムも欧州市場縮小の影響を受け、全体でも減収となりました。

    営業利益は、固定費削減や材料合理化等により前年から大きく改善し、83億円(前年度は209億円の損失)となりました。

 

h  その他

 その他の売上高は、14,428億円(対前年度比23%減)となりました。前年度に実施した三洋電機関連の事業譲渡の影響などにより、減収となりました。

営業利益は、構造改革効果等により前年から改善し、250億円(対前年度比6%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

 当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは3,388億円(対前年度差3,368億円増)となりました。前年度差の主な要因は、営業利益の増加や売上債権の減少です。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

  当年度の投資活動により増加したキャッシュ・フローは164億円(前年度は3,419億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、保有株式や有形固定資産の売却による収入の増加に加え、有形固定資産の購入に伴う支出の減少です。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

 当年度の財務活動に使用したキャッシュ・フローは4,911億円(対前年度差4,380億円増)となりました。前年度差の主な要因は、前年度大幅に増加した短期社債の発行残高が当年度に減少したことです。 

 

 これらに為替変動の影響を加味した結果、当年度末の現金及び現金同等物の残高は4,963億円(対前年度末差781億円減)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。

 なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産状況は販売状況に概ね類似しています。

 

3【対処すべき課題】

(1) 対処すべき課題

 平成25年度の世界経済は、欧州の低迷や一部新興国の伸び悩みなどが見込まれる一方、日本でいわゆる「アベノミクス効果」や消費税増税前の駆け込み需要が予測されること、米国経済が概ね堅調に推移すると想定されることなどから、全体としては緩やかな成長が見込まれます。
 こうしたなか、当社は、平成25年度から平成27年度までの3カ年の中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートいたしました。CV2015では、一刻も早く赤字事業を無くすとともに、しっかりと将来を見据えて当社が力強く進んでいける道筋をつける、この2点に、不退転の決意で取り組んでまいります。
 平成25年4月には、個々の事業の強さを取り戻すため、9つあったドメインを発展的に解消し、その傘下にあった88のビジネスユニットを括り直して49の事業部とし、これを「経営の基軸」と位置づけました。事業部は、グローバルな開発・製造・販売の責任を負うとともに、事業経営を通じて資金・利益を継続的に増やす責任を負います。あわせて、新たに設置した4つのカンパニー「アプライアンス社」「エコソリューションズ社」「AVCネットワークス社」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」で、事業部単独では難しい、大きな事業展開や新規事業の創出、基幹デバイスの強化などに取り組み、事業部の進化を支えてまいります。
 この事業部制を核とした新たなグループ基本構造のもと、CV2015の重点施策として、以下の取り組みを進めてまいります。

①赤字事業の止血:

テレビ、半導体、携帯電話、回路基板、光事業(ドライブ・ピックアップ)等の各事業について、抜本的な事業構造の転換等を図り、平成27年度に赤字事業ゼロを目指してまいります。

②脱・自前主義による成長・効率化:

 当社の強みを最大限に活かせる外部パートナーと手を組むことで、自前では難しい非連続な事業成長や業務効率の最大化を図ってまいります。その具体事案として、パナソニック ヘルスケア㈱への外部資本導入や、パナソニック ロジスティクス㈱株式の日本通運㈱への一部譲渡を推進しております。

③財務体質改善:

 事業で利益を生み出すことを基本にしながら、設備投資の絞込みに加え、全社プロジェクトで在庫削減をはじめとする運転資金圧縮や資産売却などに徹底して取り組み、フリーキャッシュ・フローを創出してまいります。

④お客様価値からの逆算による成長戦略: 

 お客様が生活する住宅、非住宅、モビリティ、パーソナルの4つの空間で、お客様一人ひとりにとってのより良いくらし、より良い世界〜「A Better Life A Better World」を追求していきます。そのために、各空間に対応した4戦略領域「住空間ネットワーク」「エコ&スマートビジネスソリューション」「モビリティシステム+サービス」「コネクテッド・パーソナル」を強化します。単品売り切りの事業モデルやデジタルコンシューマー商品への依存から脱し、様々な法人等のパートナーとともに実現する「空間ソリューション」へのシフト、お客様とつながり続ける事業へのシフトを加速してまいります。


 これら重点施策を進める上でカギを握るのは、既存の組織・地域や企業の枠組みを超え、異なる強みを掛け合わせるCross-Value Innovationです。これによって、事業部制を補完してまいります。中期経営計画の初年度にあたる平成25年度は、事業部による自主責任経営とカンパニーの大きな事業戦略、そしてCross-Value Innovationによって力強く復活してまいります。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

 当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていく中で、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
 当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。

②基本方針の実現のための具体的な取り組み

(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み

  従来からの、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーと共に、お客様の「いいくらし」を追求し拡げていく、こうした姿の実現を目指して、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」に取り組んでいます。CV2015では、一刻も早く赤字事業を無くし、同時にしっかり将来を見据えて当社が力強く進んでいける道筋をつけてまいります。具体的には「赤字事業の止血」「脱・自前主義による成長・効率化」「財務体質改善」「お客様価値からの逆算による成長戦略」を重点施策として位置づけ、お客様とより深くつながり、より大きな価値が提供できる姿を目指します。
 平成24年10月には、本社機能の抜本的な改革を実施し、絞り込んだ人員によるコーポレート戦略本社を発足、つづいて平成25年4月には、事業部制を新たに導入いたしました。こうした新たなグループ体制のもとで、スピードを上げてCV2015を推進してまいります。

(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み

 当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成24年は5月11日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成25年5月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
 大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
 大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
 対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
 上記の対応措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
 具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
 対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
 当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
 ESVプランの詳細については、平成25年5月10日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)−ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要−」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ
(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2013/05/jn130510-1/jn130510-1.pdf)
をご参照ください。

③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由

 当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
 したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものと考えております。 

 

(参考)

株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要

  

1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件

取締役会で定め公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てます。なお、株主割当てにより募集新株予約権を発行する方法による場合と、新株予約権無償割当ての方法による場合とがあります。

 

2.新株予約権の目的である株式の種類及び数

新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。

 

3.発行する新株予約権の総数

新株予約権の発行総数は、50億個を上限として、取締役会が定める数とします。取締役会は、発行する新株予約権の総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の発行を行うことがあります。

 

4.募集新株予約権を発行する方法による場合の募集新株予約権の払込金額

金銭の払込みを要しません。

 

5.新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とします。

 

6.新株予約権の譲渡制限

譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとします。

 

7.新株予約権の行使条件

大規模買付者を含む特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。

 

8.新株予約権の行使期間等

新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとします。なお、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがあります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループでは、グループ全体において年1回リスクアセスメントを実施し、リスクを一元的・網羅的に洗い出し、評価・優先順位付けすることを通じて、コーポレート戦略本社、プロフェッショナル ビジネス サポート部門、カンパニー、事業部、グループ関係会社等のそれぞれにおいて、リスクを特定し、リスクの重要性に応じて対策を立案・実行し、対策の進捗状況をモニタリングし継続的に改善する活動を展開しています。
 これらのリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しています。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績および財政状態は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。
 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成25年6月27日)現在において判断したものです。

  

(1)経済環境に関するリスク

経済状況の変動

 当社グループの製品・サービスに対する需要は、それらの販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退およびこれに伴う需要の減少により、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。平成25年度につきましては、米国経済が概ね堅調に推移すると想定されるものの、グローバルな競争激化に加え、欧州経済の低迷や一部新興国の伸び悩みが見込まれる等、経営環境は依然として不透明な状況が続くものと思われます。このような状況に対処するため、当社グループの想定を上回る事業構造改革の実施が必要となった場合、それによる費用の増大等の可能性があります。また、世界景気が想定よりも悪化する場合などには、当社グループを取り巻く経営環境が、現在の予想よりもさらに厳しくなる可能性もあり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態がさらなる悪影響を受ける可能性があります。

 

為替相場の変動

 外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコストおよび価格は為替相場の変動により影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、為替相場の変動による影響を受けます。一般的に、現地通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼします。平成24年度は、各国の現地通貨に対する過度な円高進行に歯止めがかかり、当社グループの業績への影響は限定的でしたが、今後、再び円高が進行した場合、当社グループの事業、業績および財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

 

金利の変動

 金利の変動により営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産および負債の価値が影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

資金調達環境の変化
 当社グループは、事業資金を金融機関からの借入および社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。当社グループは、金融市場が不安定となり、または悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の更なる引下げ等の事態が生じた場合、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

株価の下落

 当社グループは、投資有価証券の一部として日本企業等の株式を保有していますが、株価の下落により保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。また、こうした株価下落が、有価証券未実現損益を悪化させることにより、当社株主資本の減少を引き起こす可能性があります。

 

(2)当社グループの事業活動に関するリスク

競合他社との競争

 当社グループは、広範多岐にわたる製品・サービスの開発・生産・販売を行っており、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業と競合しています。当社グループは、戦略事業への投資を推進していますが、特定の事業に対する投資を、競合他社と同程度に、またはタイムリーに、場合によっては全く実施できない可能性もあります。また、競合他社がそれぞれの競合事業において当社グループよりも大きな財務力、技術力およびマーケティング資源を有している可能性があります。

 

製品価格の下落

 当社グループは、国内外の市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格を設定することが困難な場合があります。当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、これらの企業努力を上回る価格下落圧力は、当社グループの利益の維持・確保に深刻な影響を与えるものであり、この影響は特に製品の需要が低迷した場合に顕著となります。新興国市場・低価格品への需要シフトや、多機能なスマートフォンの普及等の市場構造変化が進むなか、デジタル家電機器をはじめとする当社グループの事業分野で製品価格が下落する可能性があります。

 

国際的な事業活動における障害

 当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつとしていますが、海外では為替リスクに加え、政情不安(戦争・内乱・紛争・暴動・テロを含む)、経済動向の不確実性、宗教および文化の相違、現地における労使関係等のリスクに直面する可能性があります。また、売掛金の回収や、取引相手との関係構築・拡大などの点で、海外での商慣習に関する障害に直面する可能性があります。さらに、投資規制、収益の本国送金に関する規制、現地産業の国有化、輸出入規制や外国為替規制の変更、税制または税率の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは輸送費用により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性があります。  

 

技術革新における競争

 当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては、BtoC(一般消費者向け)分野およびBtoB(企業向け)分野のいずれにおいても技術革新が重要な競争要因になっており、当社グループが将来の市場ニーズに応えるための新技術を正しく予想し開発できない場合には、新しい市場での競争力を失う可能性があります。

 

規格・標準化競争

 当社グループは、次世代の家庭用および携帯用ネットワーク機器、データ蓄積媒体およびソフトウェア・システムといった製品の規格・標準化に関する技術および製品の開発を強化するため、他社と業務提携等を行ってきました。しかし、提携先以外の競合他社が提案した規格が業界標準となる場合があり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

有能な人材確保における競争

 当社グループの将来の成功は、研究・開発・技術、マネジメント分野などでの優秀な人材の確保に大きく依存しています。しかし、各分野での有能な人材は限られているため、人材確保における競争は高まっています。こうした状況下、在籍している従業員の流出の防止や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

他社との提携・M&Aの成否

 当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立、他社への戦略投資を通じた事業展開などを行っており、他社とのパートナーシップ戦略の重要性は増加傾向にあります。新しい製品やサービスを提供するために、このようなパートナーシップは不可欠な場合がありますが、パートナーとのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待したパートナーシップによる効果が得られない可能性があります。また、当社グループは合弁相手先を支配することはできないため、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があります。加えて、これらの合弁相手先が事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。当社は、平成23年4月1日にパナソニック電工㈱および三洋電機㈱をそれぞれ株式交換により完全子会社化し、平成24年1月1日および平成25年4月1日には、事業体制を再編しましたが、意思決定の迅速化やグループ・シナジーの最大化といった期待した成果が十分に得られない可能性があります。

 

原材料等の供給不足・供給価格の高騰

 当社グループの製造事業にとって、十分な品質の原材料、部品、機器、サービス等をタイムリーに必要なだけ入手することが不可欠であり、当社グループは、信頼のおける供給業者を選定しています。しかし、自然災害や供給業者の倒産などにより、供給が不足または中断した場合や業界内で需要が増加した場合には、供給業者の代替や追加、他の部品への変更が困難な場合があります。それにより当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループと供給業者は、契約によりその供給価格を決定していますが、需給環境の変化・投資資金の流入などにより鉄鋼・樹脂・非鉄金属などの原材料および部品価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

顧客の資金状況・財政状態

 当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の売掛債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3)将来の見通し等の未達リスク

 当社グループは、平成25年度から平成27年度までの中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」(平成25年3月28日発表)を設定し、その実現に向けた具体施策を推進しています。これらの計画は、当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、事業環境の悪化や、これに対応するための追加的な事業再編、固定資産の減損および雇用構造改革を中心とした事業構造改革費用の発生などの要因により、期待される成果の実現に至らない可能性があります。

 

(4)法的規制・訴訟に関するリスク

製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生

 製品の欠陥による品質問題(不安全事故等)が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは生産物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道により、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

知的財産権に関連した損害

 当社グループは、自らが出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部またはすべてが保護されない場合があります。また、第三者が保有している知的財産権については、その技術を利用したい場合でも利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現状、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、将来使用できなくなったり、ライセンス条件が不利に変更されたりする可能性があります。加えて、当社グループが知的財産権に関し訴訟等を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性があります。かかる訴訟等には、多額の費用と経営資源が費やされる可能性があり、また当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが重要な技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。

 

会計制度・税制の変更等

 当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

環境に関する規制や問題の発生

 当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物、製品リサイクルおよび土壌・地下水汚染などに関するさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。将来、環境に関する規制がより厳しくなり、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社が任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令違反による賠償やかかる取り組みへの支出により当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 

 

個人情報等の営業秘密の漏洩

 当社グループは、事業の過程で、顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また、他社等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤ってまたは避けられない理由で外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、それに起因して被害を受けた方に対して損害賠償責任を負ったり、当社グループの事業やイメージが悪影響を受けたりする可能性があります。また、顧客情報以外の営業秘密(当社グループの技術情報等)が第三者等の行為により不正に、または過失により流出する危険性もあり、その結果、当社の事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

その他の法的規制等による不利益および法的責任

 当社グループは、日本および諸外国・地域の規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、金融取引、内部統制および事業者への課税に関する法規制に加え、事業および投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業および電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制、および輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなったりすることにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業は制限を受けることになります。また、これらの法規制等を順守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分または損害賠償訴訟の対象となり、また当社グループの社会的評価が悪影響を受ける可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

  当社グループは、製造、販売、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しています。地震、津波、火災、洪水等の災害(気候変動によって発生するものも含む)や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が起こった場合やそれにより情報システムおよび通信ネットワークの停止または誤動作などが発生した場合に、当社グループの拠点の設備等が大きな損害を被り、その一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延する可能性および損害を被った設備等の修復費用が発生する可能性があります。また、強力な新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの生産活動および販売活動等に大きな支障をきたす可能性があります。加えて、これらの災害等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。また、福島第一原子力発電所の事故やその他の原子力発電所の稼働停止等に起因する電力供給不足に伴い、電力の使用制限や計画停電が発動された場合、当社グループの国内の一部の生産拠点において操業度が低下または生産が停止する可能性があり、さらに、電力料金の上昇により、電力調達コストが増加する可能性があります。これらにより当社グループの生産活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。

 

(6)その他のリスク

年金債務

 当社および一部の子会社は、一定の受給資格を満たす日本国内の従業員について外部積立による退職年金制度を設けています。今後、金利の低下により退職給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、年金数理上の損失が増加し、将来、年金制度の期間退職給付費用が増加する可能性があります。 

 

長期性資産の減損

 当社グループは、有形固定資産、のれんなど多くの長期性資産を保有しています。当社グループは、長期性資産の連結貸借対照表計上額について、当該資産の公正価値が、資産の帳簿価額を上回っているかどうかを定期的に検討しています。当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は減損を認識しなければならない可能性があります。

 

繰延税金資産および法人税等の不確実性の認識

 当社グループは、将来の課税所得の予測等に基づく繰延税金資産および不確実な税務ポジションの評価に基づく認識済の税務ベネフィットの一部または全部が実現しない可能性がより確からしいかを検討し、繰延税金資産の回収可能性および法人税等の不確実性を評価しています。今後、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、一時差異および繰越欠損金が将来減算される期間における課税所得により回収できない、あるいは認識済の税務ベネフィットが実現されないと判断された場合には、繰延税金資産に対し評価引当金を認識することおよび未認識税務ベネフィットに対する債務を認識することにより、法人税等が増加する可能性があります。

 

持分法適用関連会社の業績・財政状態

 当社は、複数の持分法適用関連会社の株式を保有しています。各関連会社は各々の事業および財務に関する方針のもとで経営を行っており、当社はその方針に一定の影響を及ぼすことはできますが、通常、方針そのものの決定は行いません。当社の関連会社には、損失を計上している会社もあり、こうした関連会社の業績・財政状態により当社グループの業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入契約

相手先

国名

契約の内容

契約期間

MPEG LA LLC. 

アメリカ

MPEG−2に関する特許実施の許諾

自 平成23年1月

至 特許満了日

QUALCOMM INC. 

 アメリカ

3G携帯電話及び基地局に関する特許実施の許諾

自 平成13年3月

至 特許満了日

 

(2)技術援助契約

相手先

国名

契約の内容

契約期間

MPEG LA LLC. 

アメリカ

MPEG−2に関する特許実施の許諾

自 平成9年7月

至 特許満了日

MPEG−4Visualに関する特許実施の許諾 

自 平成12年1月

至 特許満了日

 

(3)クロスライセンス契約

相手先

国名

契約の内容

契約期間

Texas Instruments Inc. 

アメリカ

半導体・その他製品に関する特許実施の相互許諾

自 平成18年4月  

至 平成28年3月 

Eastman Kodak Company 

アメリカ    

デジタルカメラ等に関する特許実施の相互許諾

自 平成19年12月

至 平成29年12月

Koninklijke Philips Electronics N.V. 

オランダ 

携帯電話・AV製品に関する特許実施の相互許諾

自 平成19年3月 

至 特許満了日 

SAMSUNG Electronics Co., Ltd. 

韓国 

半導体特許に関する特許実施の相互許諾

自 平成20年1月

至 特許満了日

パイオニア㈱

日本

主要AV製品に関する特許実施の相互許諾

自 平成18年4月 

至 平成30年3月 

 

 (4) システムコミュニケーションズ社の組織再編

当社は、平成24年10月31日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック システムソリューションズ ジャパン㈱(以下、「PSSJ」)を存続会社とし、同じく100%出資の連結子会社であるパナソニック システムネットワークス㈱(以下、「PSN」)及びPSNの100%出資の子会社であるパナソニックSSインフラシステム㈱(以下、「PSSIS」)の2社をそれぞれ消滅会社とする吸収合併(以下、「PSSJ合併」)を行うことを決定しました。

併せて、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱(以下、「PMC」)の携帯電話端末事業をPMCが新設分割(以下、「PMC新設分割」)により設立する新携帯端末事業会社に承継させ、また、PMCの携帯電話基地局事業を吸収分割(以下、「PMC吸収分割」)により、PSSJ合併実施後の新統合会社へ承継させ、その後、当社を存続会社として、PMC(資産の保有・管理機能)を吸収合併(以下、「PMC合併」)することを決定しました。

 

PSSJ合併

①合併の目的

開発・製造会社と販売・ソリューション会社に分かれているシステムソリューション事業を一体化することにより、市場と顧客に密着した経営を徹底し、併せてシステムソリューション推進機能を一元化することで、ソリューション事業の拡大を図ります。

②合併の方法

PSSJを存続会社、PSNとPSSISを消滅会社とする吸収合併方式で、PSNとPSSISは解散により消滅します。なお、これに伴う株式その他の金銭等の割当てはありません。

③合併期日(効力発生日)

 平成25年3月1日

 ④引継資産・負債の額

  PSN   資産合計 132,891百万円、負債合計 57,782百万円

 PSSIS 資産合計  19,327百万円、負債合計 13,803百万円

 ⑤吸収合併存続会社(PSSJ)の概要

 資本金  350百万円

 事業内容 システム機器・AV機器の販売、ソフトウェア等の企画・開発・作成、各種工事の設計・施工・

      監理・請負、修理・保守・運用サポートの提供、情報提供サービス等の販売

 所在地  東京都中央区

  

 なお、上記に従い、平成25年3月1日付で、PSSJはPSN及びPSSISを吸収合併しました。

 

PMC新設分割

①新設分割の目的

PMCの携帯電話端末事業について、事業に集中し、変化に迅速に対応できる専門体制を構築します。これにより経営体質を強化し、当該市場で事業の維持・拡大を目指します。

②分割の方法

PMCは、商号を変更の上、新設分割により新規に設立されるパナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱に、携帯電話端末事業を承継させます。 

③分割期日(効力発生日)

平成25年4月1日

 

なお、上記に従い、平成25年4月1日付で、パナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱は、PMCより携帯電話端末事業を承継し、設立されました。

 

PMC吸収分割

①吸収分割の目的

 PMCの携帯電話基地局事業について、無線関連のシステム系事業をもつPSSJ合併実施後の新統合会社へ移管することにより、開発力向上と経営体質強化を図ります。

 ②分割の方法

 PMCの携帯電話基地局事業を吸収分割により、PSSJ合併実施後の新統合会社に承継させます。 

 ③分割期日(効力発生日)

 平成25年4月1日

 

なお、上記に従い、平成25年4月1日付で、PSSJ合併実施後の新統合会社は、PMCより携帯電話基地局事業を承継しました。

 

PMC合併

 ①合併の目的

 PMC新設分割及びPMC吸収分割実施後、資産の保有・管理機能のみを有することになるPMCを当社に吸収合併することにより、資産の有効活用を図ります。

 ②合併の方法

 当社を存続会社、PMCを消滅会社とする吸収合併方式で、PMCは解散により消滅いたします。なお、これに伴う株式その他の金銭等の割当てはありません。

 ③合併期日(効力発生日)

 平成25年4月1日

 ④引継資産・負債の額

資産合計 140,277百万円、負債合計 13,433百万円

 ⑤吸収合併存続会社(当社)の概要

 資本金  258,740百万円

 事業内容 電気、電子機器等の製造、販売

 所在地  大阪府門真市

 

 なお、上記に従い、平成25年4月1日付で、当社はPMCを吸収合併しました。

 

 新会社の概要 

 ①新統合会社の概要

 名称   パナソニック システムネットワークス㈱(存続会社PSSJの商号を変更)

 事業内容 監視・防犯カメラ、決済・認証端末、PBX、IP関連機器、ビジネスホン、ドキュメント関連

      機器、携帯電話基地局等の商品の開発、製造、販売 

 資本金  350百万円

 ②新携帯端末事業会社の概要 

 名称   パナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱

 事業内容 携帯電話端末の開発、製造、販売

 資本金  5,700百万円

 

(5) 三洋電機㈱のデジタルイメージング事業譲渡

当社は、平成24年12月21日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社である三洋電機㈱が保有する、デジタルカメラ及びデジタルムービーカメラ事業を行っている三洋DIソリューションズ㈱(以下、「SDI」)の全株式について、平成25年3月31日付でアドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合がサービスを提供するファンドが出資する特別目的会社㈱AP26に譲渡することを決定し、平成24年12月21日付で㈱AP26と合意しました。

 

なお、上記に従い、平成25年3月31日付で、三洋電機㈱はSDIの全株式を㈱AP26に譲渡しました。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、社会とビジネスを「エコ&スマート」に変えるソリューション・システムから、循環型エネルギー社会に向けた材料・デバイス・プロセスまで、未来も見据えた技術開発に注力しました。

 この結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、5,022億円となりました。各セグメントの主要な成果は、次のとおりです。

(1) AVCネットワークス

 主に当社の研究開発部門を中心として、民生用AVC機器や業務用AVC機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・3原色オール印刷方式で56型有機ELパネルを開発しました。3原色の有機EL材料を画素別に印刷で塗り分けるプロセスを開発したことで、異なる画面サイズでも印刷ヘッドが共用でき、真空環境や高温プロセスも不要になり、パネルの大型化を容易にしました。また、「3原色塗り分け」と「カラーフィルター」の組み合わせにより色純度を高めた色再現や、電極を透明にして効率よく光を取り出すことで広い視野角を確保しました。この結果、次世代ディスプレイとして、画面サイズ56型、解像度3840×2160(829万画素)を具現化し、家庭向けのみならず、医療用や放送局用モニター、航空機搭載用途など、幅広い分野で新たな展開が可能になりました。

・20型4K IPSα液晶パネルと高精度デジタルペンを搭載した「4K Tablet」を開発しました。表示部にはHDテレビの縦横2倍以上の4K高精細(3840×2560)、「15:10」のアスペクト比、176°以上の広い視野角を有する新開発の液晶パネルを採用し、表示する解像度と同等の入力分解能を持つペン入力インターフェースを持ち、手書きと同じような感覚で画面上にデータを書き込むことが可能となりました。本体は重量2.4kg、高さ10.8mmとタブレットとして世界最薄、最軽量を実現しました。当社の最新デジタル技術を駆使して、紙やディスプレイを超えるリアルで直感的な操作環境を実現し、様々なビジネス用途で新しいユーザー価値を提供できるようになりました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、1,245円です。

 

(2) アプライアンス

 主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・スマートフォンで制御・管理するスマート家電シリーズを開発しました。機器の電源がOFFでも通信可能な非接触ICタグ用のLSIを開発したことで、スマートフォンのタッチで通信する活用範囲を家電に拡大しました。例えば、冷蔵庫にある食材からレシピを検索し、オーブンレンジに最適な調理方法を設定することや、洗濯機に新しい洗剤に対応した洗濯コースを追加できるほか、エラー発生時に対応方法を確認することもできるようになりました。この結果、生活スタイルや流行の変化に伴い、個々のお客様の好みに応じて新しい機能を追加するなど、購入したあとも家電を進化させ続けることが可能になりました。

・送風の向きを変えるルーバーなどの可動機構を必要とすることなく気流制御を行うことができる当社独自構造の「流体素子技術」を開発しました。ポール状の本体に独自のループ構造を設けることで吹出口で気流を変化させ、前面にあるスリット状の吹出口から左右に方向を変えながら風が吹き出すことができ、風当たりの心地いいやさしい風を実現しました。送付する風をポール状の本体下部から吸気することにより、外観がスリムでコンパクトなデザインが可能となりました。設置スペースも、今まで扇風機が置けなかったお部屋でも使用できる省スペースを実現しました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、669億円です。

  

(3) システムコミュニケーションズ

 主にパナソニック システムネットワークス㈱とパナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱を中心としてシステムネットワークモバイル通信に関する電気・通信・電子機械器具の研究開発を行っています。主な成果としては、

・ネットワークカメラでのフルHDの高画質動画配信技術を開発しました。当社独自のプラットフォームUniPhierシステムLSIを搭載し、H.264ハイプロファイル方式の高圧縮技術により、H.264動画配信では、1920×1080 / 30fpsと640×360 / 30 fpsの2ストリーム同時配信を実現しました。さらに配信データ量はH.264高圧縮技術で当社従来比で最大約30%低減しました。また、VIQS(指定エリア画質可変)機能により最大約20%低減し、この2つの組み合わせにより、配信データ量は最大約50%低減を実現しました。また、全体のデータ量は変えずに、指定した領域だけを最大2カ所まで高解像度で配信することができる2エリアVIQS機能を搭載し、注視したい箇所の見やすさを向上しました。

・スマートフォンの大画面を実現する狭額縁構造と電池持ちを良くする省電力機能を開発しました。パネル表面にある強化ガラスの両サイドをメタルフレームで構成する新構造を採用し、額縁が狭くても従来の筐体剛性を維持するとともにディスプレイ自体も強化ガラスによりガードすることが可能となりました。さらに予め設定した電池残量になるとecoモードに自動的に切り替わり、電池の消費を抑え使用時間をアップさせるエコナビ機能や、ユーザーの使用実績から平均的な電池消費を計算して電池の持ち時間を予測する機能を搭載し、スマートフォンの利便性が向上しました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、594億円です。

 

(4) エコソリューションズ

 主に当社の研究開発部門とパナソニック エコシステムズ㈱を中心として、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・創エネ、畜エネ、省エネをコンセプトとしたスマートハウス向けの通信規約であるECHONET Liteを搭載し、対応機器を制御する「AiSEG」を中核機器とする「スマートHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」を開発しました。家中のエネルギーの可視化に加え、各種機器をコントロールできるようになりました。また今後、住宅設備として長期間の使用に応えられるよう、クラウド型サービスを通じたファームウェアの更新で対応していくことも可能です。連携する機器として、エアコン、IHクッキングヒーター、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式電気給湯機(エコキュート)をラインナップしました。将来的には、家の情報ネットワークインフラとして、HEMS機能以外の分野への展開も可能となりました。

・冷媒の急激な体積膨張により生じる高速ジェット流を利用して冷却性能を大幅に高める独自技術(Jet Explosion Stream Technology)を搭載したループヒートパイプ冷却システムを開発しました。これによりヒートパイプを搭載した既存の冷却システムの2.3倍に相当する発熱密度390W/cm²に対応する冷却性能を実現しました。この技術により受熱部の小型化が可能となるとともに、冷媒循環用の駆動部が不要なため、搭載機器の小型化・省エネルギー化が図れ、スーパーコンピュータの演算処理装置など、発熱密度の増加が予測される分野の冷却システムへの展開が可能となりました。 

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、477円です。

 

(5) オートモーティブシステムズ

 主に当社の研究開発部門を中心として、車載マルチメディア関連機器や環境対応車関連機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・電気自動車向け車載充電システムを自動車メーカーと共同開発しました。当社が生活家電で培ってきた高効率な電力変換技術、漏電検出技術などを応用し、家庭用電源からの充電機能(AC100〜240V、充電能力3.6kW)ならびに急速充電機能、DC/DCコンバータ(1.8kW)機能を内蔵したシステムとなっています。これらを一体型のシステムとして省線化・低ノイズを実現し、小型・軽量化をはかることで、車両の軽量化に貢献しました。また、車載充電システムとして欧州安全規格にも適合しました。

・欧州で開始した車載機とスマートフォンとの連携サービス「MirrorLink」を日本市場に導入するシステムを開発しました。自動車メーカーに納入しているディスプレイオーディオとスマートフォンとがBluetoothなどで繋がり、機器間連携サービスを利用することで、スマートフォン画面を車載ディスプレイにも複製表示し、車載機側からスマートフォンアプリの操作が可能となりました。例えばディスプレイオーディオに接続して、ナビゲーションや音楽プレーヤー、ソーシャルメディアなどスマートフォン内にある対応アプリケーションを車載機側から操作できるようになりました。また、簡単操作GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を搭載し、安全運転にも考慮しました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、534円です。

 (注)MirrorLinkはCar Connectivity Consortiumの商標です。

 

(6) デバイス

 主に当社の研究開発部門を中心として、電子部品や電子材料、半導体等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・両目の機能をもつイメージセンサを開発しました。無機材料の粗密でレンズ効果を実現する当社独自のデジタルマイクロレンズ技術と、蒲鉾状の凸レンズを組み合わせたデュアルオンチップレンズ構造により、左右方向から入射する光線を左右それぞれの電気信号に変換する左目/右目画素を列交互に配置することで、一つのイメージセンサで左目/右目画像を同時に得ることが可能となりました。一組のレンズシステムとイメージセンサで単眼3Dカメラを構成できるため、3Dカメラの部品点数を大幅に削減でき、小型化・軽量化を実現しました。さらに、左目/右目画像のずれを利用することで位置検知、モーションセンサとしても応用可能となりました。

・窒化ガリウム(GaN)パワートランジスタの量産化に向けて必要不可欠となる耐圧600Vで連続安定動作を実現しました。大面積のシリコン基板上へのGaN結晶成長を可能とする有機金属気相成長(MOCVD)技術と、高電圧印加後にオン抵抗(トランジスタが導通状態にした際のソース電極・ドレイン電極間抵抗)が増大する電流コラプスと呼ばれる現象を抑制するデバイス構造を開発しました。これによりソース・ドレイン間に電流が流れないノーマリーオフ動作とともに、スイッチング動作時のオン抵抗上昇を抑制することができました。これにより、各種電源等の機器への適用が進み、機器の省エネルギー化・小型化が可能となりました。

  なお、当セグメントに係る研究開発費は、787円です。

 

(7) エナジー

 主に当社の研究開発部門と三洋電機㈱を中心として、二次電池やソーラー関連商品等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・車載用ニッケル水素電池を活用した、アイドリングストップ車向けの「12Vエネルギー回生システム」を開発しました。開発したシステムは、減速時に発生するエネルギーを蓄電し再活用することで、車の電装品へのエネルギー供給能力の向上が可能となりました。加えて、駆動用のアシストモーターへの電力供給を実現することで、さらなる燃費向上へ貢献できます。また、ハイブリッド自動車(HEV)用電池で培った技術を基に、高温下での充電効率および耐久性を高めたセルを新たに開発し、エンジンルームへの設置が可能になるなど設置自由度の高いシステム設計を実現しました。

・HIT太陽電池で、実用サイズ(100cm²以上)の結晶シリコン系太陽電池の変換効率としては世界最高となる24.7%を、セル厚み98μmにて、研究レベルで達成しました。この変換効率はこれまで実用サイズ(100cm²以上)で報告されている単結晶シリコン太陽電池の最高値を0.5ポイント上回る値です。シリコンの単結晶基板上に、より高品質なアモルファスシリコン膜を基板表面へのダメージを抑制しながら形成する技術を確立しました。透明導電膜層の光吸収損失を低減するとともに、セル表面のグリッド電極の面積を減少させることで遮光損失も低減しました。この高効率化技術を今後、量産品へ適用することで、高効率化、低コスト化、省資源化が可能となりました。 

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、277円です。

 

(8) その他

 主にパナソニック ヘルスケア㈱、パナソニック ファクトリーソリューションズ㈱、パナソニック溶接システム㈱とパナホーム㈱を中心として、ヘルスケア機器やFA等の産業機器や住宅事業等の研究開発を行っています。主な成果としては、

・簡単な操作で、安価な消耗品以外に大掛かりな装置や特別な試薬を使うことなく、口腔内から採取した検体(唾液)に含まれる細菌総数を約1分という短時間で測定できる、独自の細菌検出技術を開発しました。センサーチップ上の電極に交流電圧を印加、誘電泳動力と呼ばれる電気力で液体中の細菌をトラップして、センサーチップの電気量の変化から液体中の細菌総数を定量検出し、低コストと高精度測定の両立が可能となりました。この技術により口腔内の衛生環境を定量的に評価する上で、持ち運びも可能な小型卓上サイズの測定機器が実現できました。

・亜鉛メッキ鋼板の溶接時に亜鉛の蒸気化により発生するスパッタおよび気孔を低減する新たな亜鉛メッキ溶接ソリューションを開発しました。MAG(Metal Active Gas)ガスによる溶接で効果を発揮するスパッタ低減波形制御技術と、COスによる溶接で高い効果を発揮する高精度送給制御術を独自開発し、これらを駆使することにより汎用性がある一般的な溶接ワイヤ(ソリッドワイヤ)を使用しても「スパッタ」・「気孔」の大幅な低減が実現できます。これにより自動車の足回り部品や建築部材において、防錆を目的として良く用いられる亜鉛メッキ鋼板溶接の生産性の向上・高品位溶接・生産コスト低減が可能となりました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は、394円です。

 

(9) 全社

 上記の各セグメントに配賦できない研究開発費は、45億円です。主な成果としては、

・窒化物半導体を電極にした人工光合成技術を開発しました。植物の光合成のように、COを吸収してエネルギーに換える技術を実現しました。水中でLED照明にも使われている窒化物半導体に太陽光を照射することで水素イオンと酸素を発生させ、さらに有機物を生成する電極に導電性が良い金属触媒を使用することで、水素イオンとCOからエネルギーの素となる「蟻酸(HCOOH)」を植物並みの変換効率で生成することに成功しました。この結果、地球温暖化の原因の一つとされるCOからエネルギーを生み出す人工光合成が可能になり、ゼロ・エミッションの実現に一歩前進しました。 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の経営成績の分析

 平成24年度は、年度末にかけて、対ドル・対ユーロで過度な円高の是正が進み、米国でも株価上昇が続くなど、日本企業の経営環境に明るさが見え始めたものの、エレクトロニクス業界は、国内を中心とする薄型テレビの需要低迷などで厳しい状況が続きました。

 このような経営環境のもと、平成24年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画「Green Transformation 2012(略称GT12)」は残念ながら大幅未達に終わりました。

 リーマンショック以降の当社グループの業績低迷は、経営環境の厳しさもさることながら、当社の抱える構造的な問題も大きな要因であるとの認識に立ち、平成24年度は新経営体制のもと、危機意識の共有を図りながら「本社機能・意思決定の仕組み改革」「課題事業の方向付け」「ビジネスユニット基軸の経営の推進」等に取り組んでまいりました。全社の枠組みの再構築と事業の方向付けにより、よりお客様価値が生み出せる姿へとグループ全体を変え、復活へと向かう基盤は整いつつあります。

 しかしながら、こうした取り組みの多くは成果が見えるまでに一定の時間がかかることが否めず、足元の業績は極めて厳しい結果に終わりました。

 

(1)売上高

    当年度の連結売上高は、前年度の7兆8,462億円に対して7%減少し、7兆3,030億円となりました。

 

(2)売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、前年度の5兆8,645億円に比べて減少し、5兆4,199億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆9,380億円に比べて減少し、1兆7,222億円となりました。これらは、売上の減少などによるものです。

 

(3)営業利益

 営業利益は、前年度の437億円に比べて増加し、1,609億円となりました。売上が大きく減少する中、固定費の大幅な削減により、増益となりました。営業利益率も、前年度の0.6%から良化し、2.2%となりました。

 

(4)営業外損益

 営業外収益につきましては、受取利息は、前年度の134億円から減少し、93億円となりました。受取配当金は、前年度の61億円に比べて減少し、37億円となりました。

 営業外費用につきましては、支払利息は、前年度の284億円から減少し、256億円となりました。また、のれんの減損2,506億円、長期性資産の減損1,381億円を含む事業構造改革費用5,088億円などを計上しました。

 上述の結果、営業外損益は、前年度の8,565億円の損失に対し、5,593億円の損失となりました。

  

(5)税引前利益(損失) 

 税引前利益(損失)は、営業利益の改善はありましたが、上述ののれん・長期性資産の減損などの事業構造改革費用を計上したことにより、前年度の8,128億円の損失に対し、3,984億円の損失となりました。

 

(6)法人税等

 法人税等は、前年度の98億円に比べて増加し、3,847億円となりました。これは、第2四半期連結会計期間に、国内市場での急激な販売下落等を踏まえ、米国で一般に公正妥当と認められた会計原則に基づき、法人税等として、連結決算におけるパナソニック㈱およびパナソニック モバイルコミュニケーションズ㈱の繰延税金資産に対して評価引当金4,125億円を計上したことなどによるものです。

 

(7)持分法による投資利益

 持分法による投資利益は、前年度の65億円に対し、79億円となりました。

 

(8)非支配持分帰属利益控除前当期純利益(損失)

 非支配持分帰属利益控除前当期純利益(損失)は、前年度の8,161億円の損失に対し、7,752億円の損失となりました。

 

(9)非支配持分帰属利益(損失)

 非支配持分帰属利益(損失)は前年度の439億円の損失に対し、209億円の損失となりました。

 

(10)当社株主に帰属する当期純利益(損失)

 上述の要因により、当社株主に帰属する当期純利益(損失)は、前年度の7,722億円の損失に対し、7,543億円の損失となりました。これにより、基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(損失)は、前年度の333円96銭の損失に対し、326円28銭の損失となりました。

 

(11)セグメントの業績

 セグメントの業績(売上高・利益)については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」にて記載したとおりです。

 

財政状態及び流動性

(1)資産、負債及び資本

 当社グループの当年度末の連結総資産は、前年度末から1兆2,032億円減少し、5兆3,978億円となりました。これは、保有資産の売却に伴う投資及び貸付金や有形固定資産の減少に加え、のれん・無形固定資産の減損に伴う減少、繰延税金資産の取り崩しに伴うその他の資産やその他の流動資産の減少などによるものです。

 負債につきましては、第9回無担保普通社債の償還や短期社債発行残高の減少などにより前年度末に比べて5,300億円減少し、4兆935億円となりました。

 当社株主資本につきましては、前年度末から6,658億円減少し、1兆2,640億円となりました。これは、円安に伴うその他の包括利益(損失)累積額の良化はありましたが、当社株主に帰属する当期純損失の計上に伴うその他の剰余金の減少によるものです。また、非支配持分につきましては、前年度末から75億円減少し、403億円となりました。

 

(2)配当方針

 当年度の配当金については、前年度に続く大幅な当期純損失を計上したことに加え、今後も当社を取り巻くグローバルな経営環境は不透明な状況が続くことが見込まれるなか、財務体質の改善が最重要課題であることから、年間無配とすることを取締役会で決議いたしました。

 

(3)設備投資額と減価償却費

 当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,337億円から7%減少し、3,109億円となりました。主要な設備投資は、マレーシアにおける太陽電池の生産設備や中国における二次電池の生産設備、国内における有機ELパネルの関連設備です。

 減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,958億円から6%減少し、2,776億円となりました。

 なお、当社は平成24年度より、金型に対する投資を設備投資に含めるとともに、金型の償却費用を減価償却費に含めることとしました。これにより、設備投資額(有形固定資産のみ)及び減価償却費(有形固定資産のみ)の前年度数値を変更しています。

 

(4)キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」にて記載したとおりです。

 なお、当年度末の現金及び現金同等物は、前年度末の5,744億円に対して、781億円減少し、4,963億円となりました。

 





出典: パナソニック株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書