有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は,厳しい雇用環境が続くなか,定額給付金,エコカー減税,家電エコポイント制度などの政策効果から,個人消費が底堅く推移し,緩やかな回復基調に転じています。

 当業界においては,平成23年7月の地上デジタル放送への完全移行に向け,デジサポ(テレビ受信者支援センター)による受信相談・現地調査など政府の総合対策が施行され,受信関連機器の需要が増加し始めました。

  このような状況のなか,当社では「地デジをすべての人に届けたい」をスローガンに,急激な需要増加にお応えするサポート体制を整備し,市場対応力強化に努めた結果,大幅に売上が伸び,売上高は349億36百万円(前期比15.9%増)となりました。
 部門別の業績は次のとおりです。

  アンテナ部門においては,壁面に取付ける新しいデザインの「スカイウォーリー」投入などが奏効し,地上デジタル放送用UHFアンテナの売上が大幅に増加した結果,売上高は40億63百万円(前期比21.8%増)となりました。

 電子機器部門においては,地上デジタル放送普及による需要増加に加え,家電エコポイント制度実施にともなう地デジテレビの好調な販売により,主力製品であるブースターや分配器,さらにはBS・CSアンテナ等が順調に推移しました。また,1波・3波対応の2機種をラインアップした地デジチューナー等の販売に注力した結果,売上高は229億14百万円(前期比13.3%増)となりました。

 電気通信工事部門においては,山間地域の難視聴対策施設改修工事や,調査業務のほか,CATV大型工事などが増加し,売上高は79億59百万円(前期比20.8%増)となりました。

 利益においては,売上が順調に増加したことが主な要因となり,営業利益17億12百万円(前期比166.3%増),経常利益18億57百万円(前期比163.4%増),当期純利益は9億72百万円(前期比376.6%増)となりました。

   

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は60億7百万円と前事業年度末に比べ1億60百万円(前期比2.7%増)の増加となりました。活動別の各キャッシュ・フローは次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は,16億92百万円(前年は35億93百万円の増加)となりました。主な増加要因は,税引前当期純利益16億55百万円,減価償却費8億95百万円,仕入債務の増加額12億76百万円,減少要因は,売上債権の増加額26億1百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は,12億23百万円(前年は13億67百万円の減少)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出12億23百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は,3億8百万円(前年は3億3百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額3億1百万円によるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度における生産実績を品目別に示すと,次のとおりです。

品目

生産高(百万円)

前年同期比(%)

アンテナ

3,704

127.4

電子機器

18,117

135.9

合計

21,821

134.4

(注)1.金額は販売価格によっており,消費税等は含まれていません。

2.電気通信工事に使用する製品を含んでいます。

 

(2)外注実績

 当事業年度における外注実績を品目別に示すと,次のとおりです。

品目

外注高(百万円)

前年同期比(%)

製品

アンテナ

851

130.5

電子機器

5,544

140.3

電気通信工事

4,407

131.1

合計

10,804

135.6

(注) 金額は外注価格によっており,消費税等は含まれていません。

 

(3)製品仕入実績

 当事業年度における製品仕入実績を品目別に示すと,次のとおりです。

品目

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

アンテナ

602

162.4

電子機器

4,860

104.6

合計

5,463

108.8

(注)1.金額は仕入価格によっており,消費税等は含まれていません。

2.電気通信工事に使用する製品を含んでいます。

3.主なものは,CATVデジタルSTB(セット トップ ボックス),地上デジタルチューナーです。

 

(4)商品仕入実績

 当事業年度における商品仕入実績を品目別に示すと,次のとおりです。

品目

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

アンテナ

159

226.3

電子機器

742

144.5

合計

901

154.4

(注)1.金額は仕入価格によっており,消費税等は含まれていません。

2.電気通信工事に使用する商品を含んでいます。

3.主なものは,アンテナアクセサリー,接栓です。

 

(5)受注状況

 当事業年度における受注状況を示すと,次のとおりです。

 なお,当社の製品は,市場の需給状況などの動向を勘案して主に見込生産を行なっていますが,輸出用の製品については受注生産を行なっています。電気通信工事については,すべて受注に基づくものです。

品目

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

製品

アンテナ

29

(29)

99.2

(99.2)

4

(4)

88.8

(88.8)

電子機器

249

(249)

58.1

(58.1)

57

(57)

59.6

(59.6)

電気通信工事

8,202

129.5

1,155

126.7

合計

8,480

(278)

124.8

(60.7)

1,217

(61)

120.1

(61.0)

(注)1.金額は販売価格によっており,消費税等は含まれていません。

2.( )は輸出の受注高および受注残高を内数で表示しています。

 

(6)販売実績

 当事業年度における販売実績を品目別に示すと,次のとおりです。

品目

販売高(百万円)

前年同期比(%)

アンテナ

製品

3,864

119.3

商品

199

206.5

小計

4,063

121.8

電子機器

製品

21,987

113.3

商品

927

112.7

小計

22,914

113.3

電気通信工事

7,959

120.8

合計

34,936

115.9

(注)1.金額には,消費税等は含まれていません。

2.電気通信工事には,電気通信工事に使用する製品・商品を含んでいます。

3.最近2事業年度における輸出販売高および総販売実績に対する輸出割合は,次のとおりです。

品目

前事業年度

当事業年度

輸出高(百万円)

割合(%)

輸出高(百万円)

割合(%)

アンテナ

24

0.0

29

0.0

電子機器

484

1.6

287

0.8

合計

508

1.6

317

0.9

4.輸出先および輸出販売高に対する割合は,次のとおりです。

輸出先

前事業年度(%)

当事業年度(%)

南アメリカ

3.2

アジア

100.0

96.7

合計

100.0

100.0

5.総販売実績に対し,10%以上に該当する販売先はありません。

 

3【対処すべき課題】

 地上テレビ放送のデジタル化が進むなか,当社は,業務改革を行い,業績の向上を図るとともに,CSR(企業の社会的責任)経営を推進し,コンプライアンスおよびリスク管理を徹底して,企業価値の最大化を目指していきます。
 詳細につきましては,「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)経営戦略の現状と見通し」を参照ください。

 

4【事業等のリスク】

 当社の事業の状況,経理の状況等に関する事項のうち,投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には,以下のようなものがあります。当社は,これらのリスク発生の可能性を認識した上で,発生の回避および発生した場合は,最小限に抑えるべく対応に努めます。なお,文中の将来に関する事項は,当事業年度末現在において当社が判断したものです。また,事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

[経済情勢について]

 当社は,特定の商品や販売ルートに偏りがなく,販売先が全国にわたり分散しているため,経済情勢に左右されにくい体質ですが,工事部門につきましては,公共事業の縮小が影響をおよぼす可能性があります。

 

[製造物責任について]

 当社は,CATV機器やITS機器および衛星アンテナなどの主要品目に対して,ISO9001の認証を受け,その他の機器においても当該認証と同等のシステムで,顧客に信頼される品質管理に努めていますが,当社製品が予期せぬ不具合をおこし,最終消費者に対する賠償や回収,製造物賠償責任保険の適用を超える賠償等が発生した場合,当社および当社製品への信頼性を損なうものであり,当社の業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

[商品市況変動について]

 当社製品に使用している原材料は市況の影響を受け,価格が上昇することも想定されますが,昨今の価格競争の激化により,製品価格への転嫁が困難な場合があり,製造コストの上昇分が吸収できずに,収益に影響をおよぼす可能性があります。

 

[海外生産について]

 中国,タイ,台湾などの海外生産比率の増大にともない,その国情の変化および社会的事件の発生等により,業績に影響をおよぼす可能性があります。また,長期的な為替変動が業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

[環境問題について]

 環境保全活動の一環として,グリーン調達事務局を設置し,EUのRoHS指令,WEEE指令に対応した特定有害物質の使用削減をすすめていますが,今後,新たに制定される法令等によって多額の対策費用が発生する可能性があります。

 

[法的規制について]

 当社は,事業を展開する上で,電波法,建設業法等を中心に,事業の許認可,公正取引,特許,消費者保護,租税等の様々な法的規制を受けています。万一,規制を遵守できなかった場合,当社の活動が制限されたり,規制遵守のための費用が発生し,当社の業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

[個人情報の取扱について]

 当社は,個人情報保護の重要性を充分に認識しており,個人情報保護法の制定にともない,個人情報保護方針・規程・要綱の策定および従業員教育を含めた社内体制の強化を推し進めています。しかしながら,個人情報の流出により問題が発生した場合には,社会的信用の失墜および損害賠償責任等により,業績等に影響をおよぼす可能性があります。

 

[災害リスクについて]

 地震,火災,水害等の災害を想定して,災害発生時の訓練を定期的に行い,保険に加入するなど,損害を最小限に抑える体制を整えています。特に本社,本社工場,高蔵寺ニュータウン工場は,震災および水害の影響が少ない地域を選定し,耐震性に優れた建物の構造で建設していますが,大地震発生による損害を充分にカバーできる保証はありません。その他の大きな災害についても完全に損害を排除できる保証はありません。

 

[資産の時価下落について]

 当社の資産保有方針では,時価変動リスクが高い資産を必要以上に保有することはありませんが,事業活動において必要性があると判断して取得した固定資産や有価証券等には,時価変動の影響を受けるものがあります。これらの資産については,可能な限りリスク回避できるよう,時価変動を注視していますが,経済情勢等によっては,資産価額が一定水準以上に下落することも考えられます。この場合,会計基準に従い保有資産に対して,減損損失や評価損等の損失が発生する可能性があります。

 

[システム障害について]

 当社は,コンピューターウィルス等によるシステム障害を防止するため,ウィルスチェックプログラムによる検知を徹底するなど,万全な対策を実施していますが,万一,ウィルス侵入等によるシステム障害が発生した場合には,業務運営に支障が生じ,対策費用が発生する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 研究開発につきましては,地上デジタル放送の本格化にともない,CATV機器のデジタル・光化への進展に即応した新製品の開発に取組むとともに,将来の経営基盤となる基礎研究に積極的に力を入れてきました。

当事業年度における研究開発費は,総額16億5百万円を投入しています。平成22年3月31日現在で研究開発人員は131名,保有する特許・実用新案・意匠・商標登録は国内外合わせて1,573件です。

 

①アンテナ部門

 美しいラウンドフォルムで,14素子相当のアンテナ利得を実現した壁面取付用のUHFアンテナ「SKY WALLIE」(スカイウォーリー)を発売しました。2色(ウォームホワイト,ベージュ)のラインナップを投入し,様々な外壁の色に合わせやすくしています。

また,業界最高クラスの利得を実現した地デジ専用の共同受信用超高性能UHFアンテナ,および,耐久度の高いオールステンレス製にしたUHFアンテナを発売しました。

当社は,今後もデジタル放送に最適なUHFアンテナのラインナップを増やし,総務省の推進する地上デジタル放送の普及に貢献していきます。

 

②電子機器部門

(デジタル放送関連)

 当社は,株式会社BCNが主催するBCN AWARD2010のデジタルチューナー部門において,地上デジタルチューナー(DT620)と地上・BS・110℃Sデジタルチューナー(DT35)を合わせたシェアが27.1%で第1位となり,最優秀賞を受賞しました。当製品は,作動時の消費電力を60%低減(当社従来製品比)したエコなデジタルチューナーで,簡易EPG(電子番組表)や画面拡大機能を搭載しながらも,コストパフォーマンスを向上させました。

 また,業界で初めて,測定現場でデジタル放送波の映像・音声が確認できるデジタルレベルチェッカー(信号レベル測定器)を発売しました。当社だけの受信確認マークや,BER・MER値の測定に加え,受信状態を映像と音声で確認できるので,アンテナ調整がより確実に行えます。急ピッチで進められている地上デジタル放送受信の改修工事の必需品となるレベルチェッカーの需要拡大に対応していきます。

 

(CATV機器関連)

 平成21年9月現在,全世帯の45.4%,約24百万世帯が受信しているケーブルテレビは,アナログ放送が終了する平成23年7月までに,すべてのアナログホームターミナルをCATVデジタルSTB(セット トップ ボックス)に交換する必要があり,その対応が急務となっています。

 当社は,低価格・簡単操作・小型化をコンセプトとした,シンプルで使いやすいCATVデジタルSTBを発売しました。これは,低価格ながら画面拡大機能や簡易EPGを備え,2台目・3台目のテレビに最適なデジタル簡易STBです。

 また,地上デジタル放送をアナログ信号に変換するデジアナヘッドエンドや,BSデジタル放送をUHF帯域のアナログ信号に変換するBS用デジアナヘッドエンド,地上デジタル放送をVHF帯域にあるミッドバンドに変換する地上デジタルブロックコンバーター,レベル調整機能を充実させたCATVブースター,アナログ自主放送信号を地上デジタル放送と同じ信号形式に変換する館内OFDM自主放送システム用HDエンコーダーを発売しました。当社は,これらの製品を市場投入し,集合住宅やホテル・病院・学校などでの地デジ導入に積極的に貢献していきます。

 

(TV受信機器)

 当社は,押し込むだけで外れない,新しいアンテナ信号配線用ケーブル「オシテロックTV接続ケーブル」12機種を発売しました。このオシテロックTV接続ケーブルは,プラグ先端部分がロック機構(特許出願中)になっているので,プラグのリングをF型端子に押し込むだけで簡単にロックでき,プラグの抜けによってテレビが映らなくなることを防止できる,業界初のケーブルです。

 また,HDMIケーブル1本とアンテナ入力を接続できるTV接続ケーブル2本を一体とした業界初のHDMI・TV接続ケーブルや,パック商品化したUHF・BS・CSビデオ・TVブースターを市場投入しました。

 

(放送機器関連)

 放送関連機器分野では,同一周波数で再送信を行う中継局の送信・受信間の回り込み波を除去する,回り込みキャンセラーでは業界初の多チャンネル処理型を国際放送機器展2009で参考出品しました。

 また,総務省が創設した「ユビキタス特区」事業プロジェクトの一つである,日本空港ビルデング株式会社が行う「エリア限定型ワンセグおよびマルチメディア放送技術」の実証実験に参加しました。

  今回の実験は羽田空港と福岡空港で実施され,アンテナ技術,および,システムの設計と構築を中心に参画しました。この実験を通してノウハウを習得するとともに,エリア限定型ワンセグに関する研究開発に努めていきます。

 

(研究関連)

 地上デジタル放送によってできる空き周波数を利用したサービスに対する研究として,メディアフロー用のハイパワーレピーターや,ITSなどの自動車関連機器分野の研究を進めていきます。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社における財政状態,経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析は,以下のとおりです。

 なお,文中の将来に関する事項は,当事業年度末現在において当社が判断したものです。

(1)重要な会計方針および見積り

 当社の財務諸表は,わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この財務諸表の作成に当っては,一定の会計基準の範囲内で見積りが行なわれ,資産・負債や収益・費用の数値に反映されている部分があります。

 

(2)財政状態の分析

 当事業年度末の資産においては,総資産が前期末に比べ30億16百万円増加し,390億34百万円(前期末は360億17百万円)となりました。

 流動資産は,前期末に比べ26億85百万円増加し,230億41百万円(前期末は203億55百万円)となりました。これは主に売掛金が12億36百万円増加し,また完成工事未収入金が12億52百万円増加したことによるものです。

 固定資産は前期末に比べ3億30百万円増加し,159億92百万円(前期末は156億62百万円)となりました。これは主に有形固定資産の土地が2億53百万円増加,投資その他の資産の投資有価証券が5億27百万円増加,長期預金が3億円減少したことによるものです。

 流動負債は,前期末に比べ21億60百万円増加し,83億62百万円(前期末は62億2百万円)となりました。これは主に買掛金が5億58百万円増加,工事未払金が5億64百万円増加および未払法人税等が4億81百万円増加したことによるものです。

 固定負債は,前期末に比べ55百万円減少し,30億32百万円(前期末は30億88百万円)となりました。これは主に退職給付引当金が85百万円減少したことによるものです。

 純資産は,前期末に比べ9億11百万円増加し,276億39百万円(前期末は267億27百万円)となりました。これは主に利益剰余金が6億70百万円増加したことと,その他有価証券評価差額金が2億42百万円増加したことによるものです。 

 なお,財務指標の面で見ますと,当社は平成13年3月期から現在に至るまで,無借金経営を継続しており,当期末の自己資本比率は,70.8%(前期比3.3ポイント減)となりました。

 

(3)経営成績の分析およびキャッシュ・フローの状況の分析

 経営成績の分析およびキャッシュ・フローの状況の分析につきましては,前述の「1 業績等の概要 (1)業績,(2)キャッシュ・フローの状況」を参照ください。 

 

(4)経営戦略の現状と見通し

① 経営戦略の現状

 テレビ文化の発展とともに成長してきた当社は,地上テレビ放送のデジタル化への完全移行に向け,アンテナ,ブースターなどテレビ受信機器の普及や,デジタル改修工事の推進に対し,大きな責務を担っています。また,今後,大きく変革して行く「放送と通信の融合時代」を,ビジネスチャンスの到来ととらえ,積極的にチャレンジします。

(地上デジタル放送関連機器の売上拡大について) 

 遅れ気味であった地上デジタル放送の中継局整備や,地上デジタル放送が受信できないビル・マンション,電波障害対策といったテレビ共同受信施設のデジタル改修工事に対し,官民一体となった総合対策に拍車がかかってきました。

当社は,追い込みが本格化するデジタル改修工事に対して,お客様の必要な製品を迅速にお届けできるよう,高蔵寺ニュータウン工場における多能工ラインの全面見直しを行い,受注体制を整備しました。

また,今後さらに大型・広域化が予想される市場ニーズに対応できるよう,物流システムを一新し,リアルタイムの受発注の把握,在庫状況の把握など,製販物一体となった最適なSCM(供給連鎖管理)体制を推進していきます。

(デジタル特需以後をにらんで)

 アナログ放送終了後のデジタル時代を当社の新ステージととらえ,長年培ってきた高周波技術・アンテナ技術・無線技術を応用し,様々な分野での研究開発を推進します。

  新たな分野として,セキュリティー機器,放送中継機器,自動車関連機器等があり,積極的な事業展開を目指していきます。

 セキュリティー機器分野では,空港での異物検出装置として,文部科学省の「安全・安心科学技術プロジェクト」で採択された「ミリ波パッシブ撮像装置(東北大学様,中央電子株式会社様との共同開発)」の製品化や,民生機器への技術応用の研究に取組んでいます。

 放送中継機器分野では,放送電波を電波の届かない場所へ再送信するギャップフィラーシステムが,山間地域での対策工事実績で他社を大きくリードしており,今後は都市地下街での活用など,発展が期待できます。

 また,自動車関連機器分野では,アナログ放送終了により使用されなくなる周波数帯域を再利用する交通インフラ通信などの研究を進めています。

 これらの新技術・新分野への研究開発を強化するとともに,他社との技術交流を促進し,戦略的業務提携をも視野に入れた積極的な事業展開を図っていきます。

 またデジタル放送化が進む海外については,新興国をターゲットとした市場開拓を積極的に進めていきます。

 以上の取組みにより業績の向上を図るとともに,CSR(企業の社会的責任)経営を推進し,企業価値の最大化を目指していきます。

 

② 次期の見通し

 次期の見通しにつきましては,平成23年7月の地上デジタル放送への完全移行に向けての総合対策が本格化しているなか,当社は地上デジタル放送関連機器の需要増加や,デジタル化に向けた共同受信施設等の工事受注に対応するための体制を整え,収益拡大に取組みます。





出典: マスプロ電工株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書