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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は,不安定な海外情勢に加え,平成23年3月11日に発生した東日本大震災の影響で,先行き不透明な状況になっています。

 当業界においては,地上デジタル放送への完全移行に向け,設備改修需要が増加したことに加え,平成22年10月に発表された家電エコポイント制度の変更による駆込み需要が後押しとなり,テレビ受信関連機器の需要が顕著に増加しました。

 このような状況のなか,当社は「地デジをすべての人に届けたい」をスローガンに,短納期体制の充実を図るとともに,スピーディーな活動を行う営業体制を構築し需要拡大への対応力強化に努めた結果,売上高は448億40百万円(前期比28.3%増)となりました。

 利益については,営業利益51億16百万円(前期比198.8%増),経常利益52億83百万円(前期比184.4%増),当期純利益30億17百万円(前期比210.3%増)となりました。

 セグメント別の売上高は次のとおりです。

① 機器販売 

 地デジ化にともない,UHFアンテナ,ブースター,分配器,地上デジタルチューナーなどの売上が大きく増加しました。さらに,テレビの売上増にともない,BS・CSアンテナやセパレーターなども大きく売上を伸ばしました。

 業務用機器としては,家電店・工事店向けのレベルチェッカーや光受信機が順調に推移しました。

 その結果,売上高は354億62百万円(前期比33.0%増)となりました。

② 工事

 地デジ改修物件の受注活動に努め,難視聴対策やビル・マンションの共同受信工事が増加した結果,売上高は91億2百万円(前期比14.3%増)となりました。

③ その他 

 海外への機器販売等により,売上高は2億74百万円(前期比13.4%減)となりました。

   

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は87億17百万円と前期末に比べ27億10百万円(45.1%増)の増加となりました。活動別の各キャッシュ・フローは次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は,44億54百万円(前年度は16億92百万円の増加)となりました。主な増加要因は,税引前当期純利益50億81百万円,減価償却費10億25百万円,仕入債務の増加額26億64百万円,減少要因は,売上債権の増加額14億3百万円,たな卸資産の増加額29億99百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は,13億36百万円(前年度は12億23百万円の減少)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出13億1百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は,4億6百万円(前年度は3億8百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額3億95百万円によるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機器販売

31,040

合計

31,040

(注)1.金額は,販売価格によっており,セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2.上記の金額には,消費税等は含まれていません。

3.工事に使用する製品を含んでいます。

4.改正後の「セグメント情報」の適用初年度であり,上記セグメントの区分による前事業年度の金額のデータを入手することが困難であるため,前年同期比は記載しておりません。

 

(2)外注実績

 当事業年度における外注実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機器販売

10,386

工事 

5,076

合計

15,463

(注)1.金額は,外注価格によっており,セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2.上記の金額には,消費税等は含まれていません。

3.改正後の「セグメント情報」の適用初年度であり,上記セグメントの区分による前事業年度の金額のデータを入手することが困難であるため,前年同期比は記載しておりません。

 

(3)製品仕入実績

 当事業年度における製品仕入実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機器販売

7,960

140.3

合計

7,960

140.3

(注)1.金額は,仕入価格によっており,セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2.上記の金額には,消費税等は含まれていません。

3.工事に使用する製品仕入を含んでいます。

4.主なものは,CATV用デジタルSTB,地上デジタルチューナーです。

 

(4)商品仕入実績

 当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機器販売

894

99.1

合計

894

99.1

(注)1.金額は,仕入価格によっており,セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2.上記の金額には,消費税等は含まれていません。

3.工事に使用する商品仕入を含んでいます。

4.主なものは,アンテナアクセサリー,接栓です。

 

(5)受注状況

 当事業年度における受注状況をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

 なお,当社の製品は,市場の需給状況などの動向を勘案して主に見込生産を行なっていますが,その他の区分に含まれる輸出用の製品については,受注生産を行なっています。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

工事

9,450

    —

1,503

    —

その他

 

469

    —

256

    —

合計

9,920

    —

1,760

    —

(注)1.金額は,販売価格によっています。

2.上記の金額には,消費税等は含まれていません。

3.改正後の「セグメント情報」の適用初年度であり,上記セグメントの区分による前事業年度の金額のデータを入手することが困難であるため,前年同期比は記載しておりません。

 

(6)販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

 なお,工事については,すべて受注に基づくものです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機器販売

 

35,462

133.0

工事 

9,102

114.3

その他 

 

274

86.5

合計

44,840

128.3

(注)1.上記の金額には,消費税等は含まれていません。

2.工事には,工事に使用する製品・商品を含んでいます。

 

3【対処すべき課題】

 地上テレビ放送のデジタル化が進むなか,当社は,業務改革を行い,業績の向上を図るとともに,CSR(企業の社会的責任)経営を推進し,コンプライアンスおよびリスク管理を徹底して,企業価値の最大化を目指していきます。
 詳細につきましては,「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)経営戦略の現状と見通し」を参照ください。

 

4【事業等のリスク】

 当社の事業の状況,経理の状況等に関する事項のうち,投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には,以下のようなものがあります。当社は,これらのリスク発生の可能性を認識した上で,発生の回避および発生した場合は,最小限に抑えるべく対応に努めます。なお,文中の将来に関する事項は,当事業年度末現在において当社が判断したものです。また,事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

[経済情勢について]

 当社は,特定の商品や販売ルートに偏りがなく,販売先が全国にわたり分散しているため,経済情勢に左右されにくい体質ですが,工事部門につきましては,公共事業の縮小が影響をおよぼす可能性があります。
 公共事業とは,地方公共団体や電力会社向けのテレビ電波障害対策工事,山間地域や離島向け等の難視聴対策施設改修工事などに関連する工事のことを示しています。

 

[製造物責任について]

 当社は,CATV機器やITS機器および衛星アンテナなどの主要品目に対して,ISO9001の認証を受け,その他の機器においても当該認証と同等のシステムで,顧客に信頼される品質管理に努めていますが,当社製品が予期せぬ不具合をおこし,最終消費者に対する賠償や回収,製造物賠償責任保険の適用を超える賠償等が発生した場合,当社および当社製品への信頼性を損なうものであり,当社の業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

[商品市況変動について]

 当社製品に使用している原材料は市況の影響を受け,価格が上昇することも想定されますが,昨今の価格競争の激化により,製品価格への転嫁が困難な場合があり,製造コストの上昇分が吸収できずに,収益に影響をおよぼす可能性があります。

 

[海外生産について]

 中国,タイ,台湾などの海外生産比率の増大にともない,その国情の変化および社会的事件の発生等により,業績に影響をおよぼす可能性があります。また,長期的な為替変動が業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

[環境問題について]

 環境保全活動の一環として,グリーン調達事務局を設置し,EUのRoHS指令,WEEE指令に対応した特定有害物質の使用削減をすすめていますが,今後,新たに制定される法令等によって多額の対策費用が発生する可能性があります。

 

[法的規制について]

 当社は,事業を展開する上で,電波法,建設業法等を中心に,事業の許認可,公正取引,特許,消費者保護,租税等の様々な法的規制を受けています。万一,規制を遵守できなかった場合,当社の活動が制限されたり,規制遵守のための費用が発生し,当社の業績に影響をおよぼす可能性があります。

 

[個人情報の取扱について]

 当社は,個人情報保護の重要性を充分に認識しており,個人情報保護法の制定にともない,個人情報保護方針・規程・要綱の策定および従業員教育を含めた社内体制の強化を推し進めています。しかしながら,個人情報の流出により問題が発生した場合には,社会的信用の失墜および損害賠償責任等により,業績等に影響をおよぼす可能性があります。

 

[災害リスクについて]

 地震,火災,水害等の災害を想定して,災害発生時の訓練を定期的に行い,保険に加入するなど,損害を最小限に抑える体制を整えています。特に本社,高蔵寺ニュータウン工場は,震災および水害の影響が少ない地域を選定し,耐震性に優れた建物の構造で建設していますが,大地震発生による損害を充分にカバーできる保証はありません。その他の大きな災害についても完全に損害を排除できる保証はありません。

 平成23年3月11日に発生しました東日本大震災では,当社の業績には大きな影響はありませんでしたが,多くの企業が被災されました。そのため,今後において当社が製造する製品に必要となる部品等が入手しにくい状況になった場合には,当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

[資産の時価下落について]

 当社の資産保有方針では,時価変動リスクが高い資産を必要以上に保有することはありませんが,事業活動において必要性があると判断して取得した固定資産や有価証券等には,時価変動の影響を受けるものがあります。これらの資産については,可能な限りリスク回避できるよう,時価変動を注視していますが,経済情勢等によっては,資産価額が一定水準以上に下落することも考えられます。この場合,会計基準に従い保有資産に対して,減損損失や評価損等の損失が発生する可能性があります。

 

[システム障害について]

 当社は,コンピューターウィルス等によるシステム障害を防止するため,ウィルスチェックプログラムによる検知を徹底するなど,万全な対策を実施していますが,万一,ウィルス侵入等によるシステム障害が発生した場合には,業務運営に支障が生じ,対策費用が発生する可能性があります。

 

[特需後に想定される業績変動について]

 平成23年7月の地上デジタル放送への完全移行に向けて,官民一体となった総合対策が本格化しているなか,当社は地上デジタル放送関連機器の需要増加やデジタル化に向けた共同受信施設等の工事受注体制を整備し,収益の拡大に取組んでいます。また,平成21年5月に導入されたエコポイント制度による需要刺激効果も加わり,当社の売上および利益は従前に比して大幅に増加しています。当社は,これを特需と認識しており,その効果が一巡した後は,反動が生じると想定しています。当社は,特需以後を見据えて,新技術・新分野の研究開発および新市場の開拓を強化し,積極的な事業展開を図ってまいりますが,特需の収束により,当社の業績等に影響をおよぼす可能性があります。 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 研究開発につきましては,平成23年7月に迫ったアナログ放送終了に対応した地デジ受信機器や地デジ改修工事,CATV機器などの新製品開発に取組むとともに,将来の経営基盤となる基礎研究に積極的に力を入れてきました。

当事業年度における研究開発費は,総額17億7百万円を投入しています。平成23年3月31日現在で研究開発人員は133名,保有する特許・実用新案・意匠・商標登録は国内外合わせて1,656件です。

 

機器販売

①アンテナ部門

 住宅の美観を損なわないデザイン性の高いフォルムで好評をいただいている壁面取付用UHFアンテナ「SKY WALLIE」(スカイウォーリー)に,アンテナ素子が24素子相当のハイスペックモデルをラインナップしました。外壁の色に合わせやすいウォームホワイト・ベージュの2色に加えて,ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社様とのライセンス契約による,愛らしいディズニーキャラクターをデザインした2機種を用意し,多彩なバリエーションを取り揃えました。

また,ディズニーキャラクターシリーズのブースター内蔵UHF卓上アンテナを発売しました。ディズニーキャラクターを活かしたデザインで,エレガントで愛らしいピンクモデルと,シックでクールなブラックモデルの2種類を用意し,部屋の雰囲気に合わせた選択が可能です。

当社は,今後も地上デジタル放送に最適なUHFアンテナのラインナップにより,総務省の推進する地上デジタル放送の普及に貢献していきます。

 

②電子機器部門

(デジタル放送関連)

 当社は,株式会社BCNが主催するBCN AWARD2011のデジタルチューナー部門において,地上・BS・110℃Sデジタルチューナー,地上デジタルチューナーなどの販売台数シェアが29.2%で第1位となり,2年連続で最優秀賞を受賞しました。

 平成22年度に発売したデジタルチューナーは,低消費電力,環境に配慮した設計で,簡易EPG(電子番組表)や画面拡大機能を搭載しながらも,必要最小限の装備と機能に絞込むことで,優れたコストパフォーマンスを実現しています。

 アナログカーテレビでワンセグを視聴できる,アナログカーテレビ用ワンセグセットを発売しました。ワンセグを受信し,VHFのアナログ信号に変換して既設のアンテナに再送信するので,車のコンソールパネルを外すなど複雑な作業が不要で,簡単に設置できます。

 また,当社従来製品にBS・110℃Sデジタル放送の信号レベル測定機能を加え,本器だけで地上デジタルアンテナと,BS・110℃Sアンテナの設置工事ができ,より使いやすくしたハンディータイプのデジタルレベルチェッカーを発売しました。

 当社は,『地デジをすべての人に届けたい』のコーポレートスローガンのもと,使いやすい製品を市場投入し,デジタル放送移行をサポートしていきます。

 

(CATV機器関連)

 地上デジタル放送完全移行が平成23年7月に迫り,地デジ改修工事が急ピッチで進められている現在,学校・病院・ホテル・企業などの館内自主放送でも地デジ化が求められています。

 当社は,ホテル・病院・学校などの施設向けに,従来のアナログテレビで地上デジタル放送を視聴できる,デジアナ変換器を発売しました。本器は1台で4チャンネルの地上デジタル放送と,2系統の外部入力信号をアナログ信号に変換できるため,最大6チャンネルの放送を伝送できます。

 また,デジタルテレビで自主放送システムを視聴できるSD4ch.エンコーダー内蔵OFDM変調器およびHDエンコーダー内蔵OFDM変調器を発売しました。前者は1チャンネル(6MHz)の伝送帯域の中に最大4つの標準画質の送出を行え,後者はハイビジョン画質・標準画質のどちらか1つの送出を行うことができます。

 拡大するCATV事業者のFTTH化に対応するため,FTTH化への設備費を削減できる光受信機(V-ONU)を発売しました。従来の光受信機はアナログ,デジタル両用でしたが,デジタル放送専用にすることで,低い光入力レベルでの作動を実現し,従来機に比べて光分配可能数が約4倍(当社評価)に増えました。

 

(TV受信機器関連)

 当社は,子供からお年寄りに世界中で愛されている,ディズニーキャラクターのミッキーマウスの形をした,BS・110℃Sアンテナを発売しました。衛星からの電波を遮断しない電気的特性の良い素材で作られたBS・110℃Sアンテナで,ベランダや屋根から,ミッキーマウスの愛らしい顔のある光景は,街並みを明るく笑顔にしてくれます。

 また,業界最小クラスのコンパクトサイズと低消費電力を実現したUHFブースターの2機種とUHF・BS・CSブースター2機種を発売しました。市場で好評を得ている「異常お知らせ機能」を継承し,かつ「出力測定端子」「UHF給電スイッチ」も搭載し,さらに,デジタル受信で重要な性能である雑音指数を,業界トップクラスの1.45dB以下にしたことにより,信号増幅時に生じる信号の品質劣化を最低限に抑えることができ,より安定してデジタル放送が受信できます。

 当社は,レベル調整機能を搭載した地上デジタル放送受信用のミキサーを発売しました。混合するテレビ信号にレベル差がある場合,スイッチ式の入力レベル調整によりレベルを揃えて混合することができ,安定した受信システムを構築できます。

 当社は,今後も充実したTV受信機器の提供をすすめ,より良いTV受信環境作りに貢献していきます。

 

(研究関連)

 セキュリティー機器分野では,文部科学省「平成22年度 科学技術振興調整費(安全・安心な社会のための犯罪・テロ対策技術等を実用化するプログラム)」に採択された「ミリ波パッシブイメージング装置の開発と実用化」(東北大学様,中央電子株式会社様との共同開発)を,空港などで使われる新たな危険物検出装置として,製品化を目指しています。国土交通省が平成22年7月に成田国際空港で実施した,ボディスキャナー実証実験に,唯一の国産の対象機種として選定を受け,実験に参加しました。この実験の成果を基に,さらに実用化に向けた機器開発を進めていきます。

 また,その他の研究開発として,ITSなどの自動車関連機器分野の研究や,デジタル技術を応用した新製品や新分野への製品投入を目指すとともに,海外におけるTV受信環境の向上に貢献するため,国内での豊富な経験を活かした海外向けの製品開発に努めていきます。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社における財政状態,経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析は,以下のとおりです。

 なお,文中の将来に関する事項は,当事業年度末現在において当社が判断したものです。

(1)重要な会計方針および見積り

 当社の財務諸表は,わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この財務諸表の作成に当っては,一定の会計基準の範囲内で見積りが行なわれ,資産・負債や収益・費用の数値に反映されている部分があります。

 

(2)財政状態の分析

 当事業年度末の資産においては,総資産が前期末に比べ78億91百万円増加し,469億25百万円(前期末は390億34百万円)となりました。

 流動資産は,前期末に比べ75億99百万円増加し,306億40百万円(前期末は230億41百万円)となりました。これは主に現金及び預金が28億10百万円増加,商品及び製品が29億6百万円増加,完成工事未収入金が6億22百万円増加したことによるものです。

 固定資産は前期末に比べ2億91百万円増加し,162億84百万円(前期末は159億92百万円)となりました。これは主に有形固定資産の建物が2億10百万円増加,工具、器具及び備品が2億77百万円増加し,また長期預金が2億円減少したことによるものです。

 流動負債は,前期末に比べ52億12百万円増加し,135億75百万円(前期末は83億62百万円)となりました。これは主に買掛金が28億32百万円増加,未払金が11億84百万円増加および未払法人税等が11億62百万円増加したことによるものです。

 固定負債は,前期末に比べ1億37百万円減少し,28億94百万円(前期末は30億32百万円)となりました。これは主に退職給付引当金が2億12百万円減少したことによるものです。

 純資産は,前期末に比べ28億15百万円増加し,304億55百万円(前期末は276億39百万円)となりました。これは主に利益剰余金が26億21百万円増加したことによるものです。

 なお,財務指標の面で見ますと,当社は平成13年3月期から現在に至るまで,無借金経営を継続しており,当期末の自己資本比率は,64.9%(前期比5.9ポイント減)となりました。

 

(3)経営成績の分析およびキャッシュ・フローの状況の分析

 経営成績の分析およびキャッシュ・フローの状況の分析につきましては,前述の「1 業績等の概要 (1)業績,(2)キャッシュ・フローの状況」を参照ください。 

 

(4)経営戦略の現状と見通し

① 経営戦略の現状

 テレビ文化の発展とともに成長してきた当社は,地上テレビ放送のデジタル化への完全移行に向け,アンテナ,ブースターなどテレビ受信機器の普及や,デジタル改修工事の推進に対し,大きな責務を担っています。

 また,今後,大きく変革して行く「放送と通信の融合時代」を,ビジネスチャンスの到来ととらえ,積極的にチャレンジします。

(地上デジタル放送関連機器の売上拡大について) 

 地上デジタル放送への完全移行も最終段階に入り,改修工事も大詰めを迎えてまいりました。

 このような状況において,当社は「地デジをすべての人に届けたい」をスローガンに,短納期体制の充実を図るとともに,スピーディーな活動を行う営業体制を構築し需要拡大への対応力を強化いたしました。

また,今後さらに大型・広域化が予想されるニーズに対応できるよう,製販物一体となった適切な供給連鎖管理体制を推進していきます。

(デジタル特需以後をにらんで)

 アナログ放送終了後のデジタル時代を当社の新ステージととらえ,長年培ってきた高周波技術・アンテナ技術・無線技術を応用し,様々な分野での研究開発を推進します。

  新分野の取組みとして,セキュリティー機器,放送中継機器,自動車関連機器で,積極的な事業展開を目指します。

 セキュリティー機器分野では,「ミリ波パッシブ撮像装置」の平成23年度の製品化,および,実用化を目指します。「ミリ波パッシブ撮像装置」が,文部科学省の「平成22年度科学技術振興調整費(安全・安心な社会のための犯罪・テロ対策技術等を実用化するプログラム)」に採択され,さらなる性能の向上とハンディタイプなどへの応用研究を進めていきます。

 また,一般家庭向けに宅内に侵入した窃盗犯やストーカーなどの有無を確認できる機器として「お留守番チェッカー」の製品化に取組んでいます。

 放送中継機器分野では,テレビ局が放送しているワンセグ放送とは別に,携帯などの移動端末向けの技術を活用して,狭いエリアに限定して独自の映像やデータを配信する「エリアワンセグ」の研究を,実証実験を行いながら進めています。

 自動車関連機器分野では,アナログ放送終了により利用されなくなる周波数帯域を再利用する交通インフラ通信などの研究を進めています。

 これらの新技術・新分野への研究開発を強化するとともに,他社との技術交流を促進し,戦略的業務提携をも視野に入れた積極的な事業展開を図っていきます。

 また,海外展開として,デジタル放送化が進む新興国をターゲットとした市場開拓を積極的に進めています。その一環として,平成22年10月,スリランカに合弁会社を創業しました。今後はスリランカを足がかりにして,アジア諸国等へテレビ受信システムの販売・設計・施工を含めたトータルソリューションビジネス市場への展開を図っていきます。

 なお,東日本大震災の影響により,生産用部品の不足が懸念されることから,設計変更や部品変更を行うとともに,新たな調達先の開拓を行うことにより製品の安定供給に努めていきます。 

 

② 次期の見通し

 次期の見通しにつきましては,平成23年7月の地上デジタル放送への完全移行に向け,当社は地上デジタル放送関連機器の需要増加や,デジタル化に向けた共同受信施設等の工事受注に対応するための体制を整え,収益拡大に取組みます。

 平成23年7月のアナログ放送終了後,特需の反動が生じると想定していますが,将来を見据えて,海外ビジネスを含め,新市場の開拓を図っていきます。

 





出典: マスプロ電工株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書