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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における内外経済は、世界同時不況の最悪期から脱し、緩やかな回復傾向を示しつつあるものの、全般的には予断を許さない厳しい状況で推移しました。

この環境下、当連結会計年度の売上高は、4,279億円(前期比17.4%減)となりました。
 損益につきましては、営業損失は293億円(前期 営業利益40億円)、経常損失は250億円(前期 経常損失14億円)、当期純損失は209億円(前期 当期純損失231億円)となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。

 (エレクトロニクス機器事業)

エレクトロニクス機器事業の売上高は、3,812億円(前期比17.5%減)となりました。
 デジタルカメラは、動画と動画を合成して楽しめるなど更に進化した「ダイナミックフォト」機能搭載の「EXILIM ZOOM EX−Z2000」を始めとして計14機種を投入、国内は好調に推移しました。一方、海外は上期に苦戦を強いられましたが、下期以降、欧州、中国を中心に大幅な改善が進みました。電子辞書は、画面をカラー化し主要製品を一新した「EX−word」シリーズの販売が堅調に推移し、業界シェアNO.1を維持しました。時計は、非電波時計が上期に厳しい市場環境の影響を受けましたが、電波時計は、「G−SHOCK」、「OCEANUS」、「EDIFICE」など当社を代表する高付加価値ブランドの製品を中心に好調に推移しました。携帯電話は、au向けに「高速連写」や「ダイナミックフォト」など当社独自の多彩なデジタルカメラ機能を備えた「EXILIMケータイ CA003」や米国ベライゾンワイヤレス向けに防水・耐衝撃タフネスケータイ「G’zOne ROCK」など計7機種を投入しました。国内市場においては、第2四半期末の想定外のシェア低下を挽回し切れず苦戦を強いられ、また、海外市場においては、ベライゾンワイヤレス向け新製品の一部投入がずれ込んだ影響もあり、大幅な減収となりました。損益につきましては、199億円の営業損失(前期 営業利益156億円)となりました。これは主に携帯電話の大幅な減収によるものです。一方、時計や電子辞書は高収益性を維持し、また、デジタルカメラは下期以降着実に収益性を改善しました。

 

 (デバイスその他事業)

デバイスその他事業の売上高は、663億円(前期比17.5%減)となりました。主にTFT液晶がデジタルカメラや携帯電話の需要低迷と価格下落の影響により、減収となりました。損益につきましては、48億円の営業損失(前期 営業損失58億円)となりました。

 

また、所在地別セグメントの業績は次のとおりであります。

予断を許さない厳しい経済環境が続く中、日本は、携帯電話の大幅減収による影響から、売上高は3,875億円(前期比19.7%減)、営業損失は329億円(前期 営業利益28億円)となりました。米州は、エレクトロニクス機器の需要減により、売上高は354億円(前期比15.1%減)と減収となりましたが、経費削減等により、営業利益は21億円(前期 営業損失7億円)となりました。欧州は、不況による全般的な需要低迷を受け、売上高は593億円(前期比12.7%減)、営業損失は10億円(前期 営業損失16億円)となりました。アジアは、売上高は1,131億円(前期比11.3%減)、営業利益は23億円(前期 23億円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比95億円増加の1,137億円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比176億円減少の58億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純損失295億円(前期 税金等調整前当期純損失290億円)、減価償却費290億円(前期302億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の増加額138億円(前期は減少額66億円)、その他の流動資産の減少額48億円(前期は増加額29億円)、その他の流動負債の増加額79億円(前期は減少額9億円)などであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、前期447億円の支出に対し149億円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出60億円(前期123億円)、無形固定資産の取得による支出191億円(前期187億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入96億円(前期は純支出214億円)などであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、少数株主からの払込み215億円などがあったものの、597億円の社債発行を行った前期と比べて206億円減少の181億円の収入となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
エレクトロニクス機器事業
364,507
△19.7
デバイスその他事業
37,445
△17.6
合計
401,952
△19.5

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
エレクトロニクス機器事業
380,590
△17.6
デバイスその他事業
47,335
△15.7
合計
427,925
△17.4

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
KDDI(株)
63,735
12.3
56,862
13.3

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当社は、厳しい経済環境下においても継続的に企業価値を向上させてゆくため、各事業分野においてグローバルなコスト競争力を強化し高収益を確保できる強靭な収益基盤を構築するとともに、財務体質の強化を図り、企業の社会的責任(CSR)をこれまで以上に果たすことが重要な課題と考えております。その実現に向け全社をあげて以下施策を推進しております。

 

(1) 新ジャンルの確立

当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)は、刻々と変化する市場のニーズを的確に捉える商品企画力及び独自技術の融合により、高収益を実現できる新ジャンルの確立を各事業分野において進めます。

 

(2) 新しい戦略事業の創出

当グループは、これまで独創的な発想と先進的な技術を駆使し様々な新しい製品を世の中に提供してきました。今後も着実に成長してゆくためには、現有事業に加え、当グループの技術を基軸とした他社には真似できない新しい事業領域での価値創造が不可欠と考えております。そのためこれまで以上に経営リソースを新規事業領域に集中させ、安定した高収益構造が実現できる事業の早期立ち上げを目指します。

 

(3) 財務体質の強化

当グループは、成長を支える財務基盤の強化に向けて自己資本比率及びD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)の改善を推進しております。また、金融情勢等の先行き不透明感も残る中、将来の事業拡大に必要とされる成長資金及び今後の有利子負債返済に対する財務流動性の確保も重要な財務課題と認識しており、外部環境の変化を注視しつつ柔軟な対応を図ります。

今後も引き続き効率的キャッシュ・フローの徹底を図り、フリー・キャッシュ・フローの創造に努め、安定的且つ強靭な財務体質の構築に取り組みます。

 

(4) CSR経営

企業の持続的成長は、地球環境の維持及び社会の発展があって初めて成り立つことから、当社はCSR経営に積極的に取り組んでおります。

従業員の行動指針を明文化した「カシオ創造憲章」のもと、社員、役員の一人ひとりが法規則の遵守、社会秩序の維持、社会への貢献などを理解、実践するよう徹底し、コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの向上に努めます。

 

以上の4施策を完遂することにより、付加価値の高い独自製品やサービスを提供し、創造性溢れる社会づくりに貢献するとともに企業価値の拡大に努めます。

 

また、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。

現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)の経営成績、財政状況、株価等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 日本経済及び世界経済の状況

当グループの製品は、日本及び世界各国において販売されており、その需要は各国経済状況の影響を受けております。とりわけ当グループ製品の大部分が個人消費者を対象としているため、各国の個人消費の動向は当グループ事業に大きく影響しております。

 

(2) 価格変動

当グループの関連業界においては、数多くの企業が国内外の市場シェアをめぐり激しい競争を続けております。短期間における急激な価格変動は当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新製品

当グループが新たな人気製品を速やかに且つ定期的に発売できなかった場合、あるいは競合他社が当グループの新製品と同様の製品を発売し、特にそれが当グループの新製品発売と同時期であった場合は、市場における唯一の先行者、もしくは先行集団の一員として当グループが享受出来たはずの優位性を減少させる可能性があります。

 

(4) 大口顧客との取引

当グループの大口顧客の戦略変更、製品仕様の変更もしくは、注文の解約やスケジュール変更は当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) アウトソーシング

当グループは生産効率と営業利益率の改善を目的に、製造・組立工程の相当部分を外部サプライヤーに委託しているため、確実な品質管理が難しくなる可能性があります。また、当該委託先による関係法令違反や第三者の知的所有権侵害等の問題により、当グループの連結業績及び製品声価に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(6) 技術開発と技術の変化

当グループの事業分野におけるテクノロジーの急激な変化、市場ニーズの激変等から当グループ製品が予想より早く陳腐化し売上が急速に落ち込む可能性があります。

 

(7) 国際活動及び海外進出に関するリスク

当グループの生産・製品販売の大部分は日本国外で行われております。従って、当グループの財務状況、業績、将来の見通し等はかなりの程度、海外の政治経済情勢並びに法整備に影響されます。特に予期しない規制の変更、法令の適用は予測が難しく、当グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(8) 知的財産

当グループは基本的に自社開発技術を使用しており、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図っていますが、以下のようなリスクが当グループに該当することもあります。

・競合他社による同様の技術の独自開発

・当グループが出願中の特許申請の不承認

・当グループの知的財産の悪用・侵害を防ぐための手段が有効に機能しない場合

・知的財産に関する法規制が当グループの知的財産を保護するのに不充分である場合

・当グループの将来の製品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる場合

 

(9) 製品の欠陥・訴訟問題

消費者製品の製造販売会社として、当グループは、厳正なる製品の品質管理を行っております。当グループは、創業以来重大なクレームや悪評を受けたことはありませんが、将来において当グループ製品の製造物責任や安全性などを問うクレームが発生しないという保証はありません。

 

(10) 情報管理に関するリスク

当グループは、事業の推進・展開に関連して多くの個人情報や機密情報を保有しております。これらの情報については社内規程の制定、従業員の教育等により情報管理の強化を図っておりますが、情報が漏洩する可能性は皆無ではなく、漏洩した場合当グループの事業、財務状況、業績が悪影響を蒙る可能性があります。

 

(11) 提携・合弁・戦略的出資

当グループは、事業の推進・展開を図るため、あるいは経営の効率化を目指すために、国内を含むいくつかの国において提携・合弁・戦略的出資を行っておりますが、相手先の経営環境、経営方針や事業環境の変化等により当グループの事業、財務状況、業績が悪影響を蒙る可能性があります。

 

(12) 外国為替リスク及び金利リスク

当グループは世界各地にて事業展開しており、結果として為替レートの変動による影響を受けております。当グループの利益は、円と対象通貨との為替レートが変動した場合に不利益を受ける可能性があります。また、当グループは金利変動リスクにも晒されており、このリスクは全体的な営業費用、調達コスト、金融資産・負債の価値(特に長期債務)に影響を与える可能性があります。

 

(13) その他リスク

上記以外に以下の要因によっても将来的に当グループの事業並びに業績が影響される可能性があります。

・IT業界の景気循環性

・機器、原材料、利用設備、電力等を必要な時に妥当なコストで入手できるかどうか

・当グループが保有する有価証券の価値下落

・退職給付会計に係る法令の改定、制度改訂、運用環境の激変

・火災や地震などの災害や業務上の事故などの発生

・戦争、テロ、感染症等の要因による社会的混乱

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入契約

契約会社名
相手方の名称
国名
契約品目
契約内容
契約期間
カシオ計算機(株)
(当社)
QUALCOMM Inc.
米国
携帯電話端末
特許実施権の
許諾
平成10年3月24日から
対象特許の満了日まで

(2) 携帯電話端末事業の事業統合

当社は、日本電気株式会社及び株式会社日立製作所と各社の携帯電話端末事業を統合し、合弁事業として運営していくことに合意し、当社の連結子会社である株式会社カシオ日立モバイルコニュニケーションズは平成22年3月24日付にて、NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社と合弁契約書を締結いたしました。また、平成22年4月20日付にて、合併の効力発生日を平成22年6月1日に変更する変更覚書を締結いたしました。

なお、詳細は「第5 経理の状況」の「1 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」及び「2 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

(3) 株式譲渡契約及び吸収分割契約

当社は、平成21年11月6日開催の取締役会において、会社分割により中小型ディスプレイ事業を分社化したうえで、当該新会社株式の一部を凸版印刷株式会社(以下凸版印刷)に譲渡することについて決議し、同日付で、凸版印刷との間で株式譲渡契約書を締結いたしました。

また、平成22年2月17日付で、当社が新設した新会社である株式会社オルタステクノロジーとの吸収分割契約を締結いたしました。

なお、詳細は「第5 経理の状況」の「1 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」及び「2 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

 

6 【研究開発活動】

当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。

研究開発体制は、新規事業及び長期的視野に立脚した基礎研究・要素技術開発を担当する当社開発部門、既存事業に直結した製品化開発を担当する当社各事業部の開発部及び関係会社の開発部門から構成されております。当連結会計年度における研究開発活動の状況の変更の内容は、次のとおりであります。
◎ 開発体制の変更

新規事業開発体制強化のため、新規事業開発センターを設置しました。

なお、当連結会計年度における研究開発費は13,693百万円であり、事業の種類別セグメントの主な成果は次のとおりであります。

 

(エレクトロニクス機器事業)

当該事業に係る研究開発費は9,432百万円であり、主な成果は次のとおりであります。

◎ 先進のフルオート機能を搭載したデジタルカメラ

シャッターを押すだけで美しい写真を撮ることができる新開発のフルオート機能「プレミアムオート」と動画に動画を合成できる独自の機能ダイナミックフォトを搭載した、有効画素数1,410万画素のコンパクトデジタルカメラ「EXILIM ZOOM EX−Z2000」を開発しました。画像処理速度を従来比1.3倍に高めた「EXILIMエンジン5.0」により美しい画質を実現し、広角26ミリからの光学5倍ズームレンズと素早くピント合わせができる高速オートフォーカスを装備しました。

◎ 過酷な環境下にも耐えるタフネス仕様のデジタルカメラ

耐衝撃・防水・防塵・耐低温性能を備えたタフネス仕様でありながら、厚さ19.9mmの薄型フォルムを実現したデジタルカメラ「EXILIM G EX−G1」を開発しました。有効画素数1,210万画素で、衝撃を受け止めるステンレス製のアウターボディと衝撃を吸収するガラス繊維で強化されたポリカーボネイト製の防水インナーボディの二重構造を採用し、機能美あふれるデザインに仕上げました。

◎ 見やすさと長電池寿命を実現したカラー表示の電子辞書

光の透過率を高めてバックライトの消費電力を抑えた独自のBlanview液晶を搭載し、カラー表示で約150時間の電池寿命を実現した電子辞書を開発しました。白地の画面に文字をはっきりと表示し、図表などはカラーで表示します。カラー付箋、カラーノート、カラーマーカーなど、カラー画面を生かした学習支援機能に加え、直感的な操作ができるツインタッチパネル、本体の傾きを検知して切り替わるブックスタイル表示、ウインドウ表示で手軽に語義を確認できるミニ辞書機能などを装備しました。

◎ 耐遠心重力性能を備えたパイロット仕様の耐衝撃ウオッチ

航空機用機器の定常加速度試験規格(ISO2669)において、フライトデータレコーダーやコックピットボイスレコ−ダーなどに求められる最高等級(15Gまでの遠心重力)を大幅に超える耐遠心重力性能を装備した耐衝撃ウオッチ「G−SHOCK GW−3000」を開発しました。世界6局の標準電波受信機能やソーラー充電システムなどを備えたタフムーブメントを搭載し、激しい旋回中でも表示を瞬時に正しく認識できるよう、大型のインデックスや立体的な時字を採用しました。

◎ 12.2メガ高画素カメラを搭載した携帯電話

厚さ17.4mmのスタイリッシュなボディに、12.2メガ高画素カメラと3.3インチフルワイドVGA有機ELディスプレイを搭載した携帯電話「EXILIMケータイ CA003」を開発しました。決定的な瞬間を撮影できる20枚/秒の高速連写や、動く被写体を切り抜いて写真と合成できるダイナミックフォト、画質劣化の少ない超解像デジタルズーム、撮影シーンを自動判別して最適な撮影モードを選択するオートベストショット、簡単に綺麗な顔写真が撮影できる美撮り機能などを搭載しました。

◎ QWERTYキーボードを装備した防水・耐衝撃携帯電話

IPX7相当の耐水性能と、MIL−STD−810F(米国国防総省規格)準拠の耐衝撃・防塵・防振・耐湿・耐塩害・耐日射性能を備えた携帯電話「G’zOne Brigade」を米国ベライゾンワイヤレス向けに開発しました。横開きの折り畳み形状を採用し、開いたときはQWERTYキーボードと大画面液晶を使って両手でメールやコンテンツ閲覧が行え、畳んだときは通常の携帯電話のように片手で通話やPTT(プッシュ・ツー・トーク)を行えるツーウェイスタイルを実現しました。

◎ 操作性とセキュリティの向上を図った業務用PDA

使いやすさを追及したユニバーサルデザイン、高い視認性と低消費電力を両立したBlanview液晶を採用した業務用PDA「カシオペア DT−5300」を開発しました。WPA2対応の無線LANやBluetooth®に加えて、非接触ICカード読み取りに対応し、ICカード認証やデータの自動消去機能などセキュリティを向上させました。耐衝撃・防塵・防滴・耐寒性能を備え、液晶パネルとタッチパネルの間に透明な衝撃吸収材を封入することで、画面の強度を約10倍に高めました。

◎  世界初の水銀フリーを実現した高輝度プロジェクター

水銀フリーで高輝度を実現する新開発のレーザー&LEDハイブリッド光源を搭載した高輝度プロジェクター「グリーン スリム プロジェクター」を開発しました。青色レーザー光、青色レーザー光を蛍光体で変換した緑色光、高輝度赤色LED光の組み合わせにより、高圧水銀ランプを用いることなく2,000ルーメン以上の高輝度を実現しました。光源寿命も従来機比約10倍の約2万時間を実現し、厚さ43mm、重さ2.3kg、A4サイズの薄型・軽量ボディを採用しました。

 

 

(デバイスその他事業)

当該事業に係る研究開発費は1,093百万円であります。

 

上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究及び要素技術開発に係る研究開発費は3,168百万円であり、主な成果は次のとおりであります。

◎ 絵画調変換技術で写真をアートに変えるデジタルアートフレーム

画像認識技術と画像処理技術を駆使して、写真を芸術作品のような画像に変換する絵画調変換機能を搭載した新世代のデジタルイメージングプロダクト「デジタルアートフレーム」を開発しました。入力した写真を、水彩、色鉛筆、パステル、淡彩点描、エアブラシ、油絵、ゴシック油彩、野獣派油彩の8通りのタッチで変換し、表示できます。顔認識技術と組み合わせれば、顔を強調した表現もでき、動画合成機能のダイナミックフォトにより、動きのある絵画作品もつくれます。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)は、自己資本比率、D/Eレシオの改善を目指し、財務基盤の強化を推進しております。

当連結会計年度末の総資産は、前期比146億円減の4,299億円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金、未収入金の減少などにより、前期比27億円減の2,754億円となりました。固定資産は、建物及び構築物、工具、器具及び備品などの有形固定資産の減少、繰延税金資産の減少などにより、前期比119億円減の1,545億円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前期比14億円増の2,611億円となりました。流動負債は、仕入債務の減少などにより、前期比164億円減の1,531億円となりました。固定負債は、長期借入金の増加などにより、前期比179億円増の1,080億円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の減少、評価・換算差額等の減少、少数株主持分の増加などにより、前期比161億円減の1,688億円となりました。この結果、自己資本比率は、前期比3.9ポイント減の37.3%となり、D/Eレシオは0.65倍となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の増加などにより前期比176億円の減少となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得及び償還による純収入の増加などにより前期比297億円の支出減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、少数株主からの払込みによる収入などがあったものの、597億円の社債発行を行った前期と比べ、206億円の収入減少となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比95億円増加の1,137億円となりました。

 

(3) 資金需要

当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金と設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費、販売促進費等です。

 

(4) 資金調達

当連結会計年度における資金調達につきましては、主に当期中の借入金返済に充当するため、長期借入金として180億円の調達を実施いたしました。また、当グループでは、主要取引金融機関と特定融資枠契約を締結しており、当連結会計年度末現在、これらの契約の未実行残高は617億円であります。

 

(5) 経営成績

当連結会計年度における売上高は4,279億円(前期比17.4%減)、営業損失については293億円(前期 営業利益40億円)、売上高営業利益率は前期比7.6ポイント減の△6.8%となりました。また経常損失は250億円(前期 経常損失14億円)となり、売上高経常利益率は前期比5.6ポイント減の△5.9%となりました。なお、事業別の売上高及び営業利益の概況については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

特別損益においては、携帯電話部門の事業統合による子会社の合併に伴い発生する損失に備えるため、当該損失見込額を計上した事業構造改善引当金の繰入額である事業構造改善費用等の特別損失の計上影響もあり、税金等調整前当期純損失は295億円(前期 税金等調整前当期純損失290億円)、当期純損失は209億円(前期 当期純損失231億円)となり、売上高当期純利益率は前期比0.4ポイント減の△4.9%となり、1株当たり当期純損失は75円58銭となりました。

 





出典: カシオ計算機株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書