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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当社グループをとりまく経済環境は、年初からの世界同時株安とその後の円高進行による経済の先行き不安から企業の設備投資意欲が弱く、厳しいものとなりました。このような中、売上高の伸長を目指し様々な取り組みを進めてまいりました。製品開発におきましては、当社の独自技術で実現させた世界初の金属非接触の電圧計付検相器や世界最高水準の性能を備えたインピーダンスアナライザなど、お客様に新しい価値を提供する新製品を市場に投入し拡販に努めました。また、中東駐在員事務所を開設するなどグローバル販売網の拡大及び顧客密着営業の展開により、販売力強化を進めてまいりました。しかし、前期まで堅調に推移したスマートフォンに代表される電子部品・電子基板等の生産設備への投資が弱いことによる影響が大きく、売上高は前連結会計年度を下回って推移いたしました。

 また、利益面におきましては、今後の成長を担う開発人員の採用、開発環境の整備、海外における販路開拓などの投資を進めると同時に、生産性の向上、コスト削減など体質強化の取り組みを進めてまいりましたが、売上高を伸長させることができず前連結会計年度を下回る結果となりました。

 このような経営環境の中、当連結会計年度における業績は、売上高181億31百万円(前連結会計年度比6.7%減)、営業利益16億77百万円(同42.0%減)、経常利益16億82百万円(同42.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11億67百万円(同45.1%減)になりました。

 なお、当連結会計年度から、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 また、当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して2億79百万円減少し、39億99百万円になりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、23億33百万円の収入(前連結会計年度比8.9%減)になりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益16億68百万円及び減価償却費12億49百万円であります。主な減少要因は、法人税等の支払額5億55百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、18億27百万円の支出(同43.6%減)になりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、6億80百万円の支出(同42.8%増)になりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。

 よって、生産実績及び受注実績につきましては製品の分類別情報を、販売実績につきましては製品の分類別情報及び顧客の所在地別情報を記載しております。

 なお、製品の分類別情報につきましては、当連結会計年度から製品区分を一部変更しております。この変更に伴い、前年同期比につきましても変更後の区分に組み替えた数値を記載しております。

(1)生産実績

 

 

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

自動試験装置

(千円)

1,840,613

69.3

記録装置

(千円)

3,829,331

100.3

電子測定器

(千円)

7,445,135

94.6

現場測定器

(千円)

4,082,359

104.6

周辺装置他

(千円)

1,188,177

79.7

合計

(千円)

18,385,617

93.1

 (注)1.金額は売価換算価額で表示しております。

2.金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

自動試験装置

1,875,049

64.8

338,920

116.8

記録装置

3,743,425

101.5

135,283

80.7

電子測定器

7,219,723

93.9

360,072

89.4

現場測定器

4,056,555

107.3

171,804

137.1

周辺装置他

1,260,437

91.6

53,106

106.0

合計

18,155,191

93.4

1,059,188

102.3

 (注)金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 ① 製品の分類別状況

 

 

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

自動試験装置

(千円)

1,826,309

66.3

記録装置

(千円)

3,775,726

101.3

電子測定器

(千円)

7,262,244

94.1

現場測定器

(千円)

4,010,104

103.5

周辺装置他

(千円)

1,257,445

92.5

合計

(千円)

18,131,830

93.3

  (注)金額には消費税等は含まれておりません。

 

  ② 顧客の所在地別状況

 

 

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

国内

(千円)

10,159,289

96.7

海外

 アジア

(千円)

5,900,526

88.0

 アメリカ

(千円)

1,197,116

93.7

 ヨーロッパ

(千円)

559,206

96.4

 その他の地域

(千円)

315,691

86.0

 計

(千円)

7,972,540

89.3

合計

(千円)

18,131,830

93.3

 (注)1.金額には消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載を省略しております。

 

3【対処すべき課題】

 世界経済の不透明感が拭えず、経済環境は引き続き厳しい状況が続くと考えておりますが、自動車、エネルギー、電子デバイスといった成長市場では技術革新が進み、より精度の高い計測やデータ分析が不可欠となることが予想されます。こうした市場に向けて、独自のセンシング技術をより高めるとともに、培ってまいりました計測技術を組み合わせ、お客様の進化にタイムリーに対応できる計測器を開発してまいります。また、欧州への新規拠点開設を進めるなど、販路を構築しHIOKIブランドの浸透を図り顧客の拡大に努めてまいります。

 急激な社会の変化への対応と今後の成長のために体質改善に積極的に取り組み、永続企業を目指し継続的に成長発展できる体制を構築してまいります。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)設備投資動向に係るリスク

 当社グループは電気測定器の開発製造販売を行っております。製品のユーザーは主として製造メーカーであり、業種的には電機関係を中心として自動車、電子部品、環境・新エネルギー等多岐に渡っております。そのため、当社グループの売上高は、基本的には製造業の設備投資動向に影響を受けやすい傾向にあります。

 当社は研究開発型の企業であり、新分野に製品を投入し売上高の拡大を図ってまいりますが、基本的な部分で製造業の設備投資の影響を受けております。

 

(2)海外売上高に係るリスク

 従来、当社グループの海外売上高比率は低い水準にありましたが、輸出強化の方針のもと、米国、中国、シンガポール、韓国、インドに子会社を設立し、海外市場の開拓に注力してまいりました。その結果、海外売上高比率は徐々に上昇してきており、平成28年12月期は44.0%になりました。

 特にアジア地域の構成比率が高く、今後当該地域の経済動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外売上高の増加に伴い、大幅な為替変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料価格の動向に係るリスク

 当社グループの主要原材料は電気・電子部品及び金属、プラスチック等の材料部品であります。電子回路部品については半導体市場の動向によって需給が大きく変化し、そのスピードが早いのが特徴となっております。また、プラスチック材料部品、金属材料部品については原油価格及び為替変動の影響を受けております。

 当社グループはコストダウン努力及び製品の高付加価値化によりこれを吸収していく方針でありますが、今後におけるこれらの原材料の価格が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)設備投資計画に係るリスク

 従来当社グループの設備投資は技術開発及び生産の合理化等に関連した更新投資が中心でありましたが、より一層の研究・開発効率の向上と技術革新の推進を目指し、研究棟(平成27年3月竣工)を建設いたしました。

 当該設備投資は当社グループの事業拡大に寄与するものと認識しておりますが、従来の設備投資と比較すると多額なものであることから、場合によっては当該設備投資に係る減価償却費負担の増加等により当社グループの業績圧迫要因となる可能性があります。

 

(5)競合に係るリスク

 当社グループが生産販売する電気測定器は、細分類いたしますと17のカテゴリーに分けることができます。新製品の開発により各カテゴリーについてオンリーワン企業になることを目指しておりますが、各製品に対する需要が低迷した場合、競合企業と価格競争になるケースもあり、これが当社グループの収益性を圧迫する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成28年3月18日、会社法第370条(取締役会の決議に替わる書面決議)による決議によって、当社の連結子会社であるHIOKI INDIA PRIVATE LIMITEDの当社保有株式を、合弁相手先であるT.R. Khandelwal Enterprises Private Limitedに全て譲渡することを決議し、平成28年3月31日に株式譲渡契約を締結、同日付けで譲渡いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、当社(電気測定器事業)において行っております。

 将来を見据えた新規分野の研究開発や性能向上のための要素技術開発、日々変化する市場の要求に対する新製品開発において、常にバランスを見定めて開発力の強化を行っております。

 今後はさらなる開発力の強化に向けて、オープンイノベーションにより最先端の技術を積極的に取り入れるとともに、世界市場における顧客満足度の向上に向け、開発者の顧客密着活動(顧客訪問による市場調査)を海外にも積極的に展開してまいります。

 また、平成28年10月から開発体制を社内における製品分野別からマーケット分野別に刷新しており、この体制により更なる革新的な技術・商品を生み出してまいります。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は24億66百万円(売上高比13.6%)であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度から、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の当社グループをとりまく経済環境は、年初からの世界同時株安とその後の円高進行による経済の先行き不安から企業の設備投資意欲が弱く、厳しいものとなりました。このような中、売上高の伸長を目指し様々な取り組みを進めてまいりましたが、前期まで堅調に推移したスマートフォンに代表される電子部品・電子基板等の生産設備への投資が弱いことによる影響が大きく、売上高は前連結会計年度を下回って推移いたしました。

 また、利益面におきましては、今後の成長を担う開発人員の採用、開発環境の整備、海外における販路開拓などの投資を進めると同時に、生産性の向上、コスト削減など体質強化の取り組みを進めてまいりましたが、売上高を伸長させることができず前連結会計年度を下回る結果となりました。

 このような経営環境の中、当連結会計年度における業績は、売上高181億31百万円(前連結会計年度比6.7%減)、営業利益16億77百万円(同42.0%減)、経常利益16億82百万円(同42.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11億67百万円(同45.1%減)になりました。

 

(3)経営戦略の現状と見通し

 経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(4)財政状態及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、売上債権が減少いたしましたが、有形固定資産が増加したため、前連結会計年度末と比較して23百万円増加し、232億円になりました。

 負債は、退職給付に係る負債が増加いたしましたが、買掛金、未払法人税等及び未払消費税等が減少したため、前連結会計年度末と比較して2億90百万円減少し、21億65百万円になりました。

 純資産は、為替換算調整勘定が減少いたしましたが、利益剰余金が増加したため、前連結会計年度末と比較して3億13百万円増加し、210億35百万円になりました。

 なお、当社グループの資金状況は次のとおりであります。

 営業活動による収入23億33百万円、投資活動による支出18億27百万円、財務活動による支出6億80百万円により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ2億79百万円減少し、39億99百万円になりました。

 詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、長期的には産業の高度化及びグローバル化に、短期的には経済変動に対応し高付加価値企業を目指すために次の方針を掲げております。

 開発面では、顧客の要求を捉え、その要求にスピード感を持って対応できるよう開発効率を高める取り組みを継続し、市場に新製品を投入してまいります。また、要素技術を核とした独自の製品開発を進めるとともに、世界市場に目を向けた新製品開発に注力してまいります。

 生産面では、多品種少量及び変種変量生産に対応し、高品質、短納期、低コストを目指し、生産性の向上に努めます。

 販売面では、顧客密着の問題解決型営業を展開し、顧客の潜在的要望、将来ニーズの把握に努めます。また、グローバル化に対応し海外市場の開拓を積極的に進めます。

 





出典: 日置電機株式会社、2016-12-31 期 有価証券報告書