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第2 【事業の状況】

(注)  当社グループは、主にプリント配線板及びこれに付随する電子部品等の製造販売をしており、国内においては、当社、三和電子㈱、㈱京写プロセス・ラボ・ミクロンが、海外においては、中国をKyosha Hong Kong Company Limited、Guangzhou Kyosha Circuit Technology Co.,Ltd.、Kyosha North America,Inc.、 Kyosha(Thailand)Co.,Ltd.が、インドネシアをPT. Kyosha Indonesiaが、それぞれ担当しております。各社はそれぞれ独立した経営単位であり、取り扱う製品について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
 したがって、当社グループは、生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「中国」、及び「インドネシア」の3つを報告セグメントとしております。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当社が属するプリント配線板業界の当連結会計年度の状況は、自動車関連分野の需要が国内外ともに堅調に推移した他は、スマートフォンやタブレット型携帯端末の分野で成長が見られたものの薄型テレビをはじめとした映像関連分野を中心に需要の低迷が続き、特に期後半からは日中関係の不安定化や欧州の金融不安を背景に中国やアジアにおいても輸出の伸びが鈍化したことで総じて厳しい状況で推移しました。

 このような状況の中で当社グループの当連結会計年度の業績は、主力のプリント配線板事業で自動車関連分野や事務機分野が堅調に推移したものの、映像関連分野やアミューズメント分野の需要低迷や実装事業の不振により売上高は前年同期を下回り14,981百万円(前年同期比7.3%減1,175百万円の減収)となりました。製品別では、片面プリント配線板は国内外ともに自動車関連分野が堅調に推移したものの海外は映像関連、国内は家電製品の低迷により前年同期を下回り7,782百万円(前年同期比9.7%減833百万円の減収)となりました。両面プリント配線板は国内外ともに自動車関連が好調に推移し、国内ではLED照明等の家電製品が、海外では事務機分野が堅調だったことで前年同期を上回り5,278百万円(前年同期比1.2%増62百万円の増収)となりました。その他の売上高は、実装関連分野でスマートフォンやタブレット型携帯端末向けの搬送用治具が好調に推移しましたが、実装事業の低迷により前年同期を下回り1,920百万円(前年同期比17.4%減403百万円の減収)となりました。

利益面については、国内は実装事業の低迷の影響に加え、プリント配線板事業でも第4四半期以降、自動車関連分野の需要にブレーキが掛り、また海外では中国で製造設備の自動化の推進や調達コスト削減により原価低減が進んだもののインドネシアで主力の映像関連向けの需要が低迷した影響が大きく、営業利益は前年同期を下回り553百万円(前年同期比22.7%減162百万円の減益)となりました。

経常利益についても同様の結果、前年同期を下回り660百万円(前年同期比17.0%減135百万円の減益)となりました。当期純利益は、当社が保有する投資有価証券の減損処理48百万円と実装子会社で固定資産減損損失75百万円を特別損失に計上し、また、同実装子会社の繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討し、回収が見込めない繰延税金資産を取り崩した結果、前年同期を下回り316百万円(前年同期比48.5%減297百万円の減益)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①日本

日本では、両面プリント配線板と搬送用治具の売上は好調に推移しましたが、片面プリント配線板及び実装事業が低迷した結果、売上高は6,839百万円(セグメント間の内部取引高を含む、前年同期比7.6%減561百万円の減収)、セグメント利益(営業利益)は、23百万円(前年同期比85.1%減133百万円の減益)となりました。

 

②中国

中国では、片面プリント配線板の販売が好調に推移しましたが、両面プリント配線板が低迷した結果、売上高は6,814百万円(セグメント間の内部取引高を含む、前年同期比2.8%減196百万円の減収)、セグメント利益(営業利益)は、原価の低減等により583百万円(前年同期比19.3%増94百万円の増益)となりました。

 

③インドネシア

インドネシアでは、片面プリント配線板の低迷が続き、売上高は2,191百万円(セグメント間の内部取引高を含む、前年同期比15.9%減415百万円の減収)となり、セグメント損失(営業損失)は、52百万円(前年同期比120百万円の減益)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度より521百万円減少し、2,590百万円となりました。各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加額は、1,302百万円(前年同期は547百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益549百万円、減価償却費440百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少額は、622百万円(前年同期は245百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出599百万円、定期預金の預入による支出157百万円、定期預金の払戻による収入153百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少額は、1,388百万円(前年同期は197百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の純減少803百万円、長期借入金の返済による支出742百万円、長期借入れによる収入249百万円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
日 本
5,676,167
+ 1.7
中 国
5,412,301
△ 4.7
インドネシア
1,884,794
△ 11.7
合計
12,973,263
△ 3.1

(注) 1 上記金額は、販売価格で表示しております。

2 上記金額は、セグメント間の内部取引高を含んでおります。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
日 本
6,711,385
△ 10.2
369,687
△ 25.7
中 国
6,823,989
△ 2.4
651,850
+ 1.4
インドネシア
2,192,606
△ 16.0
188,678
+ 0.8
合計
15,727,982
△ 7.9
1,210,216
△ 8.8

(注) 1 上記金額は、販売価格で表示しております。

2 上記金額は、セグメント間の内部取引高を含んでおります。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
日 本
6,839,187
△ 7.6
中 国
6,814,982
△ 2.8
インドネシア
2,191,181
△ 15.9
合計
15,845,351
△ 6.9

(注) 1 上記金額は、セグメント間の内部取引高を含んでおります。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

「当社グループはグローバル市場において顧客満足を第一とし、『地に足のついた経営』を進め持続した成長を目指す」ことを基本とし、そのために以下を経営基本方針といたしております。
①すべての事業活動において「安全の確保、法令の遵守、環境保全」を最優先する。
②顧客のニーズに応え、新技術、新工法の開発と品質向上にたゆまぬ努力を傾注する。
③選択と集中を進め、自社の強みを活かした分野に経営資源を集中する。

当社グループでは2011年3月期から2015年3月期までの中期経営計画を策定していましたが、事業環境の急激な変化によって計画の進捗と最終目標に乖離が生じており、この環境変化に対応するため計画を見直しするとともに最終年度を1年延長し、2016年3月期に売上高200億円、営業利益率6.0%、ROA(総資産利益率)6.0%を目標としております。計画の骨子に変更はありませんが、2014年3月期からの3年間は飛躍の準備期間と位置づけ、その目標を達成するための戦略として以下の5つを掲げ、事業基盤の強化を図ります。

①環境対応戦略
 現在の市場環境は、省エネ家電(LED照明、エアコン等)の普及、低炭素社会に向けたエコカー(ハイブリッドカー・電気自動車・燃料電池車)が増加するなど、環境対応分野の成長が著しい状態にあります。当社グループは、総合的な環境対応技術(熱レス、粉レス、スペースレス)の研究開発と製品提供が可能な体制にあり、その強みを活かし、環境対応の成長分野において技術優位性を確立し、他社との差別化を推進することで省エネ家電やエコカーなどの環境関連製品への拡販を図ります。
②ボリュームゾーン戦略
 現在の市場環境は、製品の低価格化が進み、成長し最多購買の見込まれる商品(ボリュームゾーン)の市場が先進国から新興国へと拡大し、生産量の大幅な増加とそれに伴う片面板需要の拡大が見込まれる状態にあります。当社グループは、片面板世界トップシェアである強みを活かし、生産技術による超品質、環境技術による差別化や販売網の拡大により片面板市場における圧倒的トップシェアの獲得を目指してまいります。
③グローバル戦略
 現在の市場環境は、当社グループの顧客であるセットメーカーの開発拠点が中国をはじめとするアジア各地に移管している状態にあり、顧客の海外シフトが加速しております。当社グループでは、既存の拠点を活かし、海外展開が進んでいない両面板事業及び実装関連事業を海外グループ会社へ水平展開することにより海外での生産の拡大を目指してまいります。
④収益力強化戦略
 現在の市場環境は、技術革新による販売価格の下落のスピードが速く、従来の生産体制のままでは、利益の確保が難しい状態にあります。当社グループでは、内製化率の向上、新工法の開発をはじめとする独自技術開発の推進、省人化生産ラインの導入及び購買体制の革新を進め、技術革新及びコスト対応力の強化による収益力の向上を図ってまいります。
⑤新規事業戦略
 当社グループは、プリント配線板のトップメーカーとして、プリント基板事業を中心に、近年実装関連事業にも力を入れてまいりました。今後、第3の柱となる事業化のため自社の強みと市場のチャンスを背景に新市場開拓、新商品開発の検討を進め新事業の確立を目指してまいります。

次期につきましては、上記戦略を推進する上で、
①次世代を担う人材育成と活用
②顧客目線による事業運営の徹底
③新商品(ECOMAP)の市場開拓とグローバル展開
④ITの活用による業務の革新
⑤BCPの早期構築
を重点課題といたしまして対処していく所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) グローバルな事業活動に係るもの

当社グループの特徴は、電子機器メーカーであるユーザーの需要動向に対応して、日本、中国、インドネシアにそれぞれ生産拠点を有し、ユーザー各社に対しグローバルな体制でタイムリーな製品提供が可能な点にあります。進出地が分散しているため、リスクも分散していると言えますが、反面、それぞれの国における政治情勢、税制等の政策の変化、通貨の変動、電力等インフラ、賃金の上昇、衛生及び治安情勢の変化等、海外での事業展開に伴うリスクにさらされる可能性があります。

 

(2) 主材料価格の変動に係るもの

当社グループの主力製品である片面・両面プリント配線板は、材料仕入先、製品販売先とも大手企業中心であり、厳しいコスト対応が要求されます。原油、ガラス、銅、パルプ等基礎素材価格の上昇は、当社グループが使う主材料価格に敏感に反映される一方、当社顧客である電子機器メーカーは、最終製品価格の低減に努めていることから、プリント配線板は安定価格を要求されており、主材料価格が急激に上昇した場合は上昇分を販売価格に即座に転嫁できない可能性があります。

 

(3) 為替レートの変動に係るもの

当社から海外グループ会社への販売及び、主材料仕入れの約半分は外貨建てで行っておりますが、今後グローバルに仕入・販売を拡充していく所存であり、当社は「デリバティブ取引のリスク管理規程」により極力為替予約等によるリスクヘッジを行ってまいりますが、想定外の為替変動により連結業績に影響を受ける可能性があります。

 

(4) 製品需要の中国を始めとしたアジア地域へのシフトに係るもの

当社グループの主力製品である片面・両面プリント配線板の需要は、中国を始めとしたアジア地域へのシフトが続いております。当社グループはこのような状況に対応するために、北米での生産を中止し、より競争力のある中国及びインドネシアへの生産移管を行いました。また、国内におきましては、大量生産品の需要は漸減しているとはいえ高密度品や試作、少ロット生産への要求はさらに強まってくると思われます。当社は培ってきたこれらに対応する技術・ノウハウを駆使し、国内における適正価格による受注の確保と生産の効率化を図る所存でありますが、予想以上に中国を始めとしたアジア地域へ需要のシフトが進行した場合、国内における受注に影響を受ける可能性があります。

 

(5) 新製品の立上げに係るもの

当社グループは、新製品として、電気自動車(大電流)、新エネルギー(太陽光)、LED光源といった環境配慮型商品へ供給される環境対応技術を活かしたプリント配線板製品群である「ECOMAP」の早期市場導入を図っておりますが、これら新製品の立上げ期においては、技術上及び販売上通常にないリスクを伴います。技術の開発及び製品・サービスへの適用が予定どおり進展しなかった場合は、連結業績に影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社が販売を支援又は受託している契約

 

相手方の名称
国名
契約の内容
契約期間
新旭電子工業㈱
日本
プリント配線板等に関する販売業務委託契約
平成23年6月15日から
平成25年6月14日まで

(注) 上記については、売上高に対して所定の委託料の支払いを受けております。

 

6 【研究開発活動】

プリント配線板は、電子・電気機器の高機能化、小型軽量化やユーザーニーズの多様化に対応して、一層の高密度化、信頼性の向上と短納期化が要求されております。

当社は、技術部門及び工場の連携のもとに、細線化技術の開発と生産の効率化並びに、電気自動車(大電流)、新エネルギー(太陽光)、LED光源といった環境配慮型商品へ供給される環境対応技術を活かしたプリント配線板製品群である「ECOMAP」の研究開発を行っており、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は以下のとおりであります。

 
 
 
 
(単位:百万円)
 
報告セグメント
その他
合計
日本
中国
インドネシア
  研究開発費
53
53
53

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、現金及び預金の減少、受取手形及び売掛金の減少等を主因に1,041百万円減少し、7,008百万円(前連結会計年度末は8,049百万円)となりました。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、有形固定資産の増加等を主因に183百万円増加し、3,592百万円(前連結会計年度末は3,409百万円)となりました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、短期借入金の減少等を主因に987百万円減少し、5,150百万円(前連結会計年度末は6,138百万円)となりました。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、長期借入金の減少等を主因に450百万円減少し、1,523百万円(前連結会計年度末は1,973百万円)となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加等を主因に580百万円増加し、3,926百万円(前連結会計年度末は3,346百万円)となりました。

 

(2) 経営成績の分析

① 概要

当社が属するプリント配線板業界の当連結会計年度の状況は、自動車関連分野の需要が国内外ともに堅調に推移した他は、スマートフォンやタブレット型携帯端末の分野で成長が見られたものの薄型テレビをはじめとした映像関連分野を中心に需要の低迷が続き、特に期後半からは日中関係の不安定化や欧州の金融不安を背景に中国やアジアにおいても輸出の伸びが鈍化したことで総じて厳しい状況で推移しました。

このような状況の中で当社グループは、グローバル体制を活かした更なる受注の獲得と、生産体制の拡充や新製品の開発・品質向上に取組み、一層の経営基盤の強化に努めてまいりました。

② 売上高

当社グループが主力とする片面・両面プリント配線板につきましては、片面プリント配線板は国内外ともに自動車関連分野が堅調に推移したものの、海外は映像関連、国内は家電製品が低迷しました。両面プリント配線板につきましては、自動車関連分野が国内外ともに好調に推移し、国内ではLED照明等の家電製品が、海外では事務機分野が堅調に推移いたしました。その他の売上高は、実装関連分野でスマートフォンやタブレット型携帯端末向けの搬送用治具が好調に推移しましたが、実装事業については低迷いたしました。以上により当連結会計年度における売上高は、14,981百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。

③ 営業利益

当連結会計年度における営業利益は553百万円(前連結会計年度比22.7%減)となりました。前述の売上高減少に伴う売上総利益の減少によるものであります。

④ 経常利益

当連結会計年度における経常利益は660百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。助成金収入の発生等ありましたものの、主に上記営業利益の状況から減益となりました。

⑤ 当期純利益

税金等調整前当期純利益は549百万円(前連結会計年度比29.1%減)となり、税効果会計適用後の法人税負担額は196百万円となりました。その結果、少数株主損益調整前当期純利益は352百万円となり、当連結会計年度における当期純利益は316百万円(前連結会計年度比48.5%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2事業の状況、1業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。





出典: 株式会社京写、2013-03-31 期 有価証券報告書