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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、原油価格の高騰により、素材価格の上昇など懸念材料もありましたが、順調な企業業績に伴う設備投資の増加や、円安基調を背景とした輸出の拡大などにより、国内景気は引き続き緩やかな回復基調を維持いたしました。
 このような環境のなか、当社グループは、自社開発製品のシリーズ化と、国内で設備投資が旺盛な業界に重点を置き営業展開を行ってまいりました。
 バーコード関連事業は、上期は設備投資増加に伴い売上高は順調に推移しておりましたが、下期は半導体、電子部品、家電業界などの情報化投資の減少の影響を受け失速いたしました。依然として価格競争は激しく、前期まであったプリンタの大口案件が減少し、見込んでいたイメージャーの大口案件が翌期にずれ込み、また、米国の子会社は未だ立ち上げ期を脱することができず、という悪材料が重なりました。その結果、バーコード関連事業の売上高は前期比1.5%減の42億2百万円となりました。
 X線事業は、携帯電話などに使われるリチウムイオン電池の検査機の売上高は順調に推移いたしました。しかしその反面、同検査機は海外での設置・立ち上げであるため、営業担当者が長期に亘って海外の現場に拘束され、X線顕微鏡等の高額製品の営業活動に対する戦力の低下を招きました。半導体、電子部品業界におけるCT検査機能付きのX線顕微鏡等の引き合いは多くありましたが、当連結会計年度の売上に結びつけることはできませんでした。その結果、X線事業の売上高は前期比2.4%減の10億52百万円となりました。
 以上の結果、全体の当連結会計年度の連結売上高は、前期比1.6%減の52億54百万円となりました。
 利益面につきましては、売上総利益率の向上と経費の増加抑制に努めましたが、売上高の落ち込み、売掛債権の見直しに加え、新たに連結対象となる子会社が立ち上げ期にあり赤字であったことなどにより、経常損失26百万円(前期は経常利益71百万円)となりました。また、役員退職慰労金規程廃止による役員退職慰労引当金取崩益を特別利益に、過剰製品在庫の廃棄損を特別損失に計上し、繰延税金資産の見直しを行った結果、当期純損失80百万円(前期は当期純利益13百万円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は5億34百万円であり、前期比では2億12百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加等により、2億26百万円の資金の減少となり、前期比でも、1億20百万円の支出の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出等により、1億71百万円の資金の減少となり、前期比でも、投資有価証券の売却による収入の減少等により、1億60百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入れによる収入の増加により、1億38百万円の資金の増加となりましたが、前期比では、株式の発行による収入が減少したこと等により、1億26百万円の収入の減少となりました。

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
バーコード関連事業
1,538,661
+10.2
X線事業
717,925
+42.6
合計
2,256,587
+18.8

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2 金額は、販売価格によっております。

   3 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
バーコード関連事業
2,006,377
+0.4
X線事業
431,610
+0.4
合計
2,437,988
+0.4

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

   2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社グループ製品の大部分は見込生産であるため、記載を省略しております。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
バーコード関連事業
4,202,360
△1.5
X線事業
1,052,036
△2.4
合計
5,254,396
△1.6

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

   3 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、自社製品売上比率の向上と大量販売を実現するために営業力、技術開発力を一層強化し、収益の安定、収益力の向上を目指します。具体的には、営業管理力の増強と開発力の補強のため、営業及び技術部門に増員いたします。海外においては、現地法人を中心とした代理店網の構築を進め、代理店数を増やすとともに、現地でのメンテナンスもできるよう教育を行い、また、海外にターゲットを絞った製品を投入することにより、アジア諸国、米国、ヨーロッパ、中国などの国際市場への進出をさらに強化いたします。
 バーコード関連事業においては、自動車部品を含めた自動車業界、デジタル家電の好調に支えられた電子部品及び半導体業界、トレーサビリティの必要性が高まる薬品業界を最重点業界とし、引き続き、製造及び物流の現場と密着した営業活動を行ってまいります。また、機械装置等に部品として組み込み使用する小型の2次元コードリーダや、新型の2次元ポータブルリーダ(イメージャー)のシリーズを充実し、SI業界を中心に販売して、売上増大を図る計画であります。さらに、レーザー読み取りの固定式バーコードリーダも新タイプを2機種発売し、既存製品とのリプレースを行ってまいります。
 X線事業においては、高解像度低価格X線顕微鏡の開発を強化し、X線顕微鏡のシリーズ化を図ってまいります。また、X線ナノCT検査装置の販売強化を行うとともに、CT製品のシリーズ化を図ってまいります。また、X線顕微鏡においても、海外販売を強化すべく台湾、中国市場に代理店を設置して売上増を図ります。さらに、X線の線源の販売も強化いたします。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 当社グループの事業内容等について

①事業内容について

当社グループは、「バーコード関連事業」及び「X線事業」の製造・仕入・販売を行っております。平成19年4月期における売上実績は次のとおりであり、バーコード関連事業の売上構成比率が80.0%と高くなっております。

バーコード関連事業における製品・商品については、主に製造業において使用されております。したがって、当社グループの経営成績は製造業の設備投資動向に影響を受ける可能性があります。

 

事業の種類別セグメントの名称
売上高(千円)
構成比(%)
バーコード関連事業
4,202,360
80.0
X線事業
1,052,036
20.0
合計
5,254,396
100.0

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②技術導入契約及び販売提携契約について

当社グループにおいて、売上構成比率が高いバーコード関連事業においては、技術導入契約を米国企業2社と締結しており、それぞれ契約に基づくロイヤリティを支払っております。契約更新時の取引条件の変更等により、あるいは契約の更新がなされなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、技術導入契約及び販売提携契約の内容については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照下さい。

 

③競合等について

当社グループが主に事業展開をしているバーコード関連事業におけるバーコードリーダについては、世界的に競合メーカーが存在しております。その中で、当社グループは積極的に特許権の取得・出願をしておりますが、必ずしも競合会社をこれによって排除できるものではありません。したがって、当社グループは競合会社の影響を受ける可能性があります。
 当社グループとしては、競合に対応するため、毎期多額の研究開発費を投入しており、平成19年4月期は4億34百万円(バーコード関連事業においては、2億82百万円)を投入いたしました。今後についても、新製品開発及び新技術開発といった研究開発活動に積極的に経営資源を投入していく方針であります。しかしながら、競合他社による革新的技術導入や競合の激化による販売価格の下落によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループにおいては、前述②に記載のとおり、海外からの一部技術導入を図り、2次元コードリーダ(イメージャー)の開発・製造・販売を平成10年2月から開始しております。2次元コードリーダ(イメージャー)を使用して読み取る2次元コードについては、バーコードに比べ、多くの情報量を小スペースに印字でき、また、一部が汚れたり破損しても読み取れる等の利点があるため、当社グループとしては積極的に2次元コードリーダ(イメージャー)の開発・製造・販売に取り組んでおります。しかしながら、今後の2次元コードの普及状況によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④新製品開発について

当社グループが主に事業展開をしているバーコード関連事業の属する自動認識分野においては、技術的な進歩や顧客のニーズの多様化が激しく、当社グループが新技術を正確に予測し、新製品の提供を常に的確にできる保証はありません。技術変化の波に乗り遅れた場合や、顧客のニーズに対応した製品開発ができない場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 業績の季節変動について

当社グループの業績は例年、第2四半期と第4四半期に売上が増加する傾向となっております。

主な要因としては、顧客である大企業の設備投資が上期・下期のそれぞれの後半に集中する傾向にあること、また当社グループの販売政策等が考えられます。

これらの要因を受け、当社グループの業績は、売上高等の変動項目と販売費及び一般管理費等の固定項目の影響から、第2四半期及び第4四半期偏重となっております。

なお、平成19年4月期の四半期ごとの売上高を示すと、次のとおりであります。

 

売上高(千円)
構成比(%)
第1四半期
973,813
18.5
第2四半期
1,662,222
31.6
第3四半期
970,493
18.5
第4四半期
1,647,866
31.4
合計
5,254,396
100.0

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入契約

 

会社名
相手方の名称
国名
契約内容
契約期間
株式会社
東研
(当社)
United Parcel
Service General
Services Co.
米国
当社は非独占でロイヤリティの発生する技術のライセンスを供与される。これによりその技術を使用した製品を販売したり、使用する権利を有する。
平成9年2月13日から10年間
以降は毎年自動更新
株式会社
東研
(当社)
OMNIPLANAR,Inc.
米国
当社の手動式2次元コードリーダ(イメージャー)内に入れられたOMNIPLANAR社のソフトウェアの全部又は一部又は派生仕様の全世界における非独占使用権を有する。
平成9年6月30日から1年間
以降は毎年自動更新

(注) 上記の契約においては、それぞれロイヤリティを支払っております。

 

(2) 販売提携契約

 

会社名
相手方の名称
国名
販売提携の内容
契約期間
株式会社
東研
(当社)
SICK.AG
ドイツ
当社は相手先の特定製品の医療分析器用途を除く日本における非独占販売権及び同製品の日本の医療分析器用途市場及びアジア市場における非独占販売権を有する。
相手先は当社の2次元コードリーダ(イメージャー)の特定製品のヨーロッパ、アメリカ、カナダにおける非独占販売権を有する。
平成11年7月1日から平成13年12月31日
以降は毎年自動更新
株式会社
東研
(当社)
Robotic Vision
Systems, Inc.
米国
当社は相手先の2次元コードリーダ(イメージャー)の特定製品の日本における独占販売権及び同製品のアジア特定諸国における非独占販売権を有する。
相手先は当社の2次元コードリーダ(イメージャー)の特定製品のアメリカ、カナダ、メキシコにおける独占販売権及び同製品の上記地域以外で独占販売権を持つ第三者がいる地域を除く全世界における非独占販売権を有する。
平成12年6月20日から3年間
以降は毎年自動更新

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、光学技術、X線技術、無線応用技術、画像処理技術、さらに最先端のマイコン技術とソフトウエアを複合した製品を中心に研究開発を進めております。可視光を応用している製品がバーコード関連機器、X線を応用している製品がX線検査装置、また無線技術・画像処理技術を応用している製品が高速・高品位画像伝送装置であります。画像の高解像度化と処理速度の高速化を独自の技術でレベルアップするとともに、ユーザーニーズに合わせた製品をシリーズ化すべく開発を進めております。

研究開発の体制としては、バーコードリーダ・2次元コードリーダ(イメージャー)の研究開発を主とするIT機器開発とX線応用検査装置を研究開発するX線開発とがあります。製品の高精度化と開発のスピードアップを実現するため、開発の各段階でレビューを行い、工程の効率的推進と技術及び品質の向上を図っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4億34百万円であります。

事業の種類別セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(1) バーコード関連事業

バーコード関連事業では、当連結会計年度は当社グループの主力である2次元コードリーダ製品の小型・高速・高解像度化の一層の推進を行いました。まず第一弾として1チップLSIエンジンを新規開発し、これを採用して小型ハンドヘルドイメージャーTHIR-6000シリーズの新規導入や固定型イメージャーTHIR-31の改版を実現いたしました。更に今後はこれらのコアデバイスをベースとして世界最小あるいは最速読み取りデコードユニットの開発を進め、OEM供給まで視野にいれた応用製品の拡充を目指しております。具体的にはFA市場対応強化の一環としてDPM(ダイレクトパーツマーキング)やブルートゥース関連機器への展開と、新分野開拓の一環として医療機器業界において標準化が予定されている医薬品への表示情報(RSSコード)対応機器への応用などがこれにあたります。また物流分野への対応強化策として、オーバーヘッドスキャナの新規開発を進め、ベルトコンベアの高速化、あるいはシステムとしての省電力化や、メンテナンス容易性の実現を目指します。 さらに、次世代高速データ伝送システムとして注目されているミリ波の研究を他社に先駆けて積極的に進めております。

バーコード関連事業に係る研究開発費は、2億82百万円であります。

 

(2) X線事業

X線事業では、当連結会計年度は燃料電池や生きた細胞の検査が可能な0.045ミクロン分解能超低加速電圧X線顕微装置の開発を継続的に行っており、翌期中には完成予定であります。また、同装置に搭載する次世代電子源としてスーパーチップの開発を継続的に行っております。近年需要が高まっているCT装置については画質の改善・処理時間の短縮に取り組んでいます。分解能0.1、0.4、0.6ミクロンの線源を搭載した既開発製品においては、更なる信頼性向上・操作性向上を目指し改良研究を行っております。今後は透過・CT・加熱装置等のオプションを含めたX線顕微装置の製品力強化充実を継続して行ってまいります。

X線事業に係る研究開発費は、1億52百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 財政状態

(資産)

流動資産は、前期比2.4%減の50億79百万円となりました。これは主として、現金及び預金、受取手形及び売掛金が減少したことによるものであります。
 固定資産は、前期比2.0%増の17億81百万円となりました。これは主として、投資有価証券が増加したことによるものであります。
 この結果、資産合計は、前期比1.3%減の68億60百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前期比8.9%増の37億83百万円となりました。これは主として、短期借入金が増加したことによるものであります。
 固定負債は、前期比20.0%減の5億39百万円となりました。これは主として、役員退職慰労引当金の取崩しによるものであります。
 この結果、負債合計は、前期比4.2%増の43億23百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前期比9.5%減の25億37百万円となりました。これは主として、当期純損失を計上したこと及び自己株式の取得をしたことによるものであります。

 

(2) 経営成績

①売上高

売上高は、前期比87百万円減(1.6%減少)の52億54百万円となりました。これをセグメント別にみますと、バーコード関連事業の売上高が前期比1.5%減の42億2百万円、X線事業の売上高が前連結会計年度比2.4%減の10億52百万円となっております。

②営業利益

売上原価は、売上高の減少に伴い前期比1億13百万円減の33億70百万円となりました。売上高に占める割合は64.2%と1.0ポイントの減少となりました。

販売費及び一般管理費は、前期比1億33百万円増の18億83百万円となりました。主な要因は、給料諸手当、研究開発費の増加及び連結対象とした新設子会社の費用が増加したことによるものであります。

その結果、営業利益は、前期比で1億6百万円減(99.6%減少)の0百万円となりました。

③経常損失

営業外収益は、助成金収入の増加等により前期比15百万円増の39百万円となりました。

営業外費用は、たな卸資産除却損の増加等により前期比7百万円増の66百万円となりました。

その結果、経常損失は、26百万円(前期は経常利益71百万円)となりました。

④当期純損失

特別利益は、役員退職慰労引当金の取崩益等により82百万円となりました。

特別損失は、たな卸資産の除却損等により94百万円となりました。

その結果、税金等調整前当期純損失は、38百万円(前期は税金等調整前当期純利益77百万円)となりました。

また、当期純損失は、法人税、住民税及び事業税の減少及び法人税等調整額の増加により80百万円(前期は当期純利益13百万円)となりました。

 





出典: 株式会社 東研、2007-04-30 期 有価証券報告書