有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、百年に一度と言われた前期後半の金融市場の混乱が世界各国の経済に重大な影響を及ぼしたことを受け、本格的な景気の回復は遅れが続きました。各国の景気対策や中国をはじめとしたアジア諸国の成長に支えられ、一部には緩やかな回復基調も見られましたが、設備投資については依然厳しい状況で推移しました。
 このような状況の中で、当社グループは、企業活動が低迷する半導体、自動車部品の業界から内需関連業界への営業に切り替え、国内での設備投資意欲が旺盛な食品業界、省エネ産業等に重点を置き営業を展開してまいりました。
 バーコード関連事業においては、安全安心の市場要求は高く、トレーサビリティの用途は増えており、このような業界に営業を集中させ効率性を高めるとともに、設備投資に前向きな省エネ産業等に営業先をシフトするなどして新規客先の開拓に努めてまいりました。2次元コードリーダ(イメージャー)は、組込み受注や新商品が寄与し大幅に売上を伸ばしました。しかし1次元のバーコードリーダは価格の下落が引き続き、大幅な減額となりました。また前期にありましたプリンタの大口受注も減り通常の推移に戻りました。その結果、バーコード関連事業の売上高は前期比1.9%減の32億95百万円となりました。
 X線事業においては、前期に引き続き半導体、電子部品、自動車業界などで、設備投資を見送る傾向が続きました。その中でも比較的設備投資に積極的なLEDメーカー、リチウムイオン電池、新素材業界や、重要保安部品の半導体、高密度実装基板等に営業を展開してまいりましたが、前期売上高を上回ることができませんでした。その結果、X線事業の売上高は前期比13.5%減の5億57百万円となりました。
 半導体関連事業においては、半導体業界の冷え込みの影響を引き続き受け、売上高は前期比19.2%減の2億37百万円となりました。なお、当連結会計年度よりセグメント区分の「その他の事業」を「半導体関連事業」へ名称変更しております。
 以上の結果、全体の当連結会計年度の売上高は前期比4.8%減の40億90百万円となりました。
 利益面では、売上高の減少に伴う利益の減少を補うべく、前期より一層のコストダウン、諸経費の節減と財務体質の改善に取り組みました。これにより、売上総利益率は3.2ポイント改善、人件費の削減をはじめとした経費の節減等により販売費及び一般管理費は3億97百万円減少、たな卸資産は2億98百万円減少、借入金も3億75百万円減少し、スリム化と財務体質の強化を果たすことができました。また、当社は当連結会計年度において適格退職年金制度から確定拠出年金制度へ移行し、損益に与える不安定なリスクを排除いたしました。その際の退職給付債務の清算金額と退職給付引当金との差額を特別利益に計上いたしました。海外子会社のTohken Europe B.V.につきましては、ヨーロッパの設備投資抑制を受け厳しい状況が引き続き、回復の見通しが不確定のため整理を行い特別損失を計上いたしました。その結果、営業利益は55百万円(前期は営業損失4億3百万円)と黒字転換、経常損失は23百万円(前期は経常損失4億67百万円)、当期純損失は34百万円(前期は当期純損失6億25百万円)と大幅に改善いたしました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は6億66百万円であり、前期比では93百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の減少及び仕入債務の増加等により、66百万円の資金の増加となり、前期比では売上債権の増加等により、97百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の減少等により、45百万円の資金の増加となり、前期比でも、同様の理由により、1億円の収入の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済等により、18百万円の資金の減少となり、前期比でも、同様の理由により56百万円の支出の増加となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
バーコード関連事業
1,229,828
+10.7
X線事業
173,213
+5.8
合計
1,403,041
+10.1

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2 金額は、販売価格によっております。

   3 金額には、消費税等は含まれておりません。

   4 半導体関連事業については、生産活動を行っていないため生産実績を記載しておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
バーコード関連事業
1,261,376
△18.8
X線事業
227,151
△26.5
半導体関連事業
202,358
△18.9
合計
1,690,886
△19.9

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

   2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社グループ製品の大部分は見込生産であるため、記載を省略しております。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
バーコード関連事業
3,295,885
△1.9
X線事業
557,890
△13.5
半導体関連事業
237,120
△19.2
合計
4,090,896
△4.8

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2 金額には、消費税等は含まれておりません。

   3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
富士通フロンテック㈱
542,991
13.3

(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの課題は、経営改革を実行し、営業体制を再構築することにより、業績の回復、収益力の向上を図り、早期に復配することと認識しております。そのため、不採算部署や事務所の縮小、人件費削減等を前期同様に実施していくことで、経費の削減に取り組んでまいります。また、管理体制を変更することによる売上債権の早期回収を図ってまいります。さらに、在庫の圧縮、海外委託によって低価格製品の開発を実現することで利益率の向上を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業内容等について

①事業内容について

当社グループは、「バーコード関連事業」としてバーコードリーダ、2次元コードリーダ(イメージャー)の開発・製造・仕入・販売、「X線事業」として産業用X線検査装置、X線顕微検査装置等の開発・製造・販売、及び「半導体関連事業」として半導体製造用機器、精密測定機器及びミリ波半導体等の仕入・販売を行っております。平成22年4月期における売上実績は次のとおりであり、バーコード関連事業の売上構成比率が80.6%と高くなっております。

バーコード関連事業における製品・商品については、主に製造業において使用されております。したがって、当社グループの経営成績は製造業の設備投資動向に影響を受ける可能性があります。

事業の種類別セグメントの名称
売上高(千円)
構成比(%)
バーコード関連事業
3,295,885
80.6
X線事業
557,890
13.6
半導体関連事業
237,120
5.8
合計
4,090,896
100.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②技術導入契約及び販売提携契約について

当社グループにおいて、売上構成比率が高いバーコード関連事業においては、技術導入契約を米国企業と締結しており、それぞれ契約に基づくロイヤリティを支払っております。契約更新時の取引条件の変更等により、あるいは契約の更新がなされなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、技術導入契約及び販売提携契約の内容については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。

 

③競合等について

当社グループが主に事業展開をしているバーコード関連事業におけるバーコードリーダについては、世界的に競合メーカーが存在しております。その中で、当社グループは積極的に特許権の取得・出願をしておりますが、必ずしも競合会社をこれによって排除できるものではありません。したがって、当社グループは競合会社の影響を受ける可能性があります。
 当社グループとしては、競合に対応するため、毎期多額の研究開発費を投入しており、平成22年4月期は2億67百万円(バーコード関連事業においては、1億72百万円)を投入いたしました。今後についても、新製品開発及び新技術開発といった研究開発活動に積極的に経営資源を投入していく方針であります。しかしながら、競合他社による革新的技術導入や競合の激化による販売価格の下落によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループにおいては、前述②に記載のとおり、海外からの一部技術導入を図り、2次元コードリーダ(イメージャー)の開発・製造・販売を平成10年2月から開始しております。2次元コードリーダ(イメージャー)を使用して読み取る2次元コードについては、バーコードに比べ、多くの情報量を小スペースに印字でき、また、一部が汚れたり破損しても読み取れる等の利点があるため、当社グループとしては積極的に2次元コードリーダ(イメージャー)の開発・製造・販売に取り組んでおります。しかしながら、今後の2次元コードの普及状況によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④新製品開発について

当社グループが主に事業展開をしているバーコード関連事業の属する自動認識分野においては、技術的な進歩や顧客のニーズの多様化が激しく、当社グループが新技術を正確に予測し、新製品の提供を常に的確にできる保証はありません。技術変化の波に乗り遅れた場合や、顧客のニーズに対応した製品開発ができない場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 業績の季節変動について

当社グループの業績は例年、第2四半期と第4四半期に売上が増加する傾向となっております。

主な要因としては、顧客である大企業の設備投資が上期・下期のそれぞれの後半に集中する傾向にあること、また当社グループの販売政策等が考えられます。

これらの要因を受け、当社グループの業績は、売上高等の変動項目と販売費及び一般管理費等の固定項目の影響から、第2四半期及び第4四半期偏重となっております。

なお、平成22年4月期の四半期ごとの売上高を示すと、次のとおりであります。

 

 
売上高(千円)
構成比(%)
第1四半期
825,513
20.2
第2四半期
1,128,612
27.6
第3四半期
720,655
17.6
第4四半期
1,416,114
34.6
合計
4,090,896
100.0

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 売上計上基準から生じる業績の変動について

当社グループの売上計上基準は、一部について検収基準を採用しており、メーカーからの納品の遅れ、あるいは顧客の受け入れ検査の遅れ等によっては、契約上予定されていた期間内に検収を受けることができない場合があります。特に、決算月に大きな案件が計画どおりに検収を受けることができなくなるような事態が発生した場合には、売上高及びそれに対応する売上原価の計上時期が翌連結会計年度となることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入契約

会社名
相手方の名称
国名
契約内容
契約期間
株式会社
東研
(当社)
Honeywell
米国
当社の手動式2次元コードリーダ(イメージャー)内に入れられたHoneywell社のソフトウエアの全部又は一部又は派生仕様の全世界における非独占使用権を有する。
平成9年6月30日から1年間
以降は毎年自動更新

(注) 上記の契約においては、ロイヤリティを支払っております。

 

(2) 販売提携契約

会社名
相手方の名称
国名
販売提携の内容
契約期間
株式会社
東研
(当社)
SICK.AG
ドイツ
当社は相手先の特定製品の医療分析器用途を除く日本における非独占販売権及び同製品の日本の医療分析器用途市場及びアジア市場における非独占販売権を有する。
相手先は当社の2次元コードリーダ(イメージャー)の特定製品のヨーロッパ、アメリカ、カナダにおける非独占販売権を有する。
平成11年7月1日から平成13年12月31日
以降は毎年自動更新

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、光学技術、X線技術、無線応用技術、画像処理技術を基幹技術とし、自動認識システム(ADC:オートマティックデータキャプチャ)の開発を軸に、新しい技術の創造と製品開発を進めております。また、操作性の向上や人と環境に優しい技術を追求し、製品のシリーズ化を進めております。
 当連結会計年度の研究開発体制として、バーコード関連機器製品とその要素技術の開発を行うADCシステム技術部ADC開発課、X線応用検査装置とその要素技術の開発を行うX線開発部があります。
 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、2億67百万円であります。
 事業の種類別セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(1) バーコード関連事業

バーコード関連事業では、製品や部品に直接刻印されたコード(ダイレクトパーツマーキング:DPM)読取り用に独自のカラー技術を搭載した手持ち式リーダーTHIR-6200DDMシリーズを、また、同光学技術を発展応用した手持ち式文字認識(OCR)リーダーTHIR-6000DM-OCRを製品化いたしました。印刷、製罐メーカー向けに好評をいただいているJAN簡易検証機を旧来の一次元方式から二次元(カメラ)方式にあらためJAN/QRチェッカーとして製品化いたしました。
 また、カメラエンジンシリーズを見直し、使用カメラの完全CMOS化を進めており手定置型リーダーTHIR-3171を製品化し、シリーズ化も進めてまいります。オートフォーカス200万画素カラーカメラエンジンにおいてはバーコード読取時の消費電力50%削減(当社従来比)を達成いたしました。
 さらにミリ波技術も応用して、人と環境に優しい技術への開発強化を進めてまいります。

バーコード関連事業に係る研究開発費は、1億72百万円であります。

 

(2) X線事業

X線事業では、X線検査装置の来るべき市況回復時の製品競争力を強化するために次の三つの開発成果を実現しました。
 第一に、低加速電圧X線顕微鏡の製品化技術の開発です。具体的な観測対象は燃料電池の反応水の挙動観察ですが、このために、従来のイメージインテンシファイヤーとCCDカメラに代え、蛍光板と高感度可視光カメラの組合せで低電圧X線顕微鏡用の検出系を開発しました。これにより、従来の最低加速電圧20kVを大きく下回る低電圧での観察が可能になり、特性X線によるX線顕微観察用途を拡大します。
 第二に、X線透過画像のステレオ観察技術の開発です。X線画像の立体観察方法はCT(Computed Tomography)が一般的ですが、この手法には数百枚以上の透過画像の撮影と三次元像への再構成処理が必要であり観察するまでに多くの時間を要します。ステレオ観察には撮像角度の異なる2枚の画像があれば良いので、短時間での観察が可能になります。今後、更に改良を進めてライブ観察化と量産機への適用を進めます。
 第三に、X線源の最重要部品の一つであるターゲット(X線を発生する部品)基材の仕様を全面的に見直し信頼性と性能を向上させました。これにより、輝度と画質を向上すると共に、異種金属ターゲット採用で特性X線活用への応用拡大を図ります。

X線事業に係る研究開発費は、94百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態

(資産)

流動資産は、前期比3.5%増の39億42百万円となりました。これは主として、たな卸資産は減少しましたが、受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。
 固定資産は、前期比3.9%減の13億93百万円となりました。これは主として、無形固定資産及び投資有価証券が減少したことによるものであります。
 この結果、資産合計は、前期比1.5%増の53億36百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前期比0.4%減の32億29百万円となりました。これは主として、短期借入金が減少したことによるものであります。
 固定負債は、前期比40.0%減の3億48百万円となりました。これは主として、長期借入金の減少によるものであります。
 この結果、負債合計は、前期比6.4%減の35億78百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前期比22.4%増の17億58百万円となりました。これは主として、増資による資本金等の増加によるものであります。

 

(2) 経営成績

①売上高

売上高は、前期比2億8百万円減(4.8%減少)の40億90百万円となりました。これをセグメント別にみますと、バーコード関連事業の売上高が前期比1.9%減の32億95百万円、X線事業の売上高が前期比13.5%減の5億57百万円、半導体関連事業の売上高が前期比19.2%減の2億37百万円となっております。詳細につきましては「1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。

②営業利益

売上原価は、売上高の減少及び売上原価率3.2ポイント改善により前期比2億69百万円減の26億28百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、給料諸手当の減少等経費の節減により前期比3億97百万円減の14億7百万円となりました。

その結果、営業利益は、55百万円(前期は営業損失4億3百万円)となりました。

③経常損失

営業外収益は、保険解約返戻金がなくなったこと等により、前期比7百万円減の6百万円となりました。

営業外費用は、新株発行に伴う支払手数料の増加等により前期比7百万円増の85百万円となりました。

その結果、経常損失は、23百万円(前期は経常損失4億67百万円)となりました。

④当期純損失

特別利益は、退職給付制度改定益の計上等により29百万円となりました。

特別損失は、子会社整理損の計上により20百万円となりました。

その結果、税金等調整前当期純損失は、14百万円(前期は税金等調整前当期純損失5億37百万円)となりました。

また、当期純損失は、法人税、住民税及び事業税の減少、法人税等調整額の減少等により34百万円(前期は当期純損失6億25百万円)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて93百万円増加し、前期比16.2%増の6億66百万円となりました。
 詳細につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 





出典: 株式会社 東研、2010-04-30 期 有価証券報告書