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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は、2兆1,639億円(前年度比3,720億円減、14.7%減)となりました。営業損益は、95億円の利益(前年度比378億円増)、経常損益は、46億円の利益(前年度比233億円増)、当期純損益は、65億円の損失(前年度比650億円増)となりました。 

また、事業の種類別セグメント情報の記載を省略しておりますので、製品別の販売実績を記載すると次のとおりです。

車両売上高は、出荷台数の減少に加えて主要通貨に対し円高が進行したこと等により、1兆5,736億円(前年度比3,086億円減、16.4%減)となりました。また、海外生産用部品は、中国向けの出荷が増加したこと等により、1,245億円(前年度比354億円増、39.7%増)、部品売上高は2,264億円(前年度比464億円減、17.0%減)となり、その他の売上高は2,395億円(前年度比524億円減、17.9%減)となりました。

 

所在地別セグメントの業績は次のとおりです。

①日本

売上高は1兆8,672億円(前年度比1,781億円減、8.7%減)となり、営業損益は308億円の利益(前年度比1,258億円増)となりました。これは主に、車両出荷台数の減少等により売上高が減少したものの、固定費等のコスト改善により営業損益が改善したことによるものです。

②北米

売上高は5,721億円(前年度比1,127億円減、16.5%減)となり、営業損益は193億円の損失(前年度比448億円減)となりました。これは主に、車両出荷台数の減少や為替の円高進行によるものです。

③欧州

売上高は4,887億円(前年度比1,638億円減、25.1%減)となり、営業利益は35億円(前年度比51億円減、59.2%減)となりました。これは主に、車両出荷台数の減少や為替の円高進行によるものです。

④その他の地域

売上高は2,252億円(前年度比58億円減、2.5%減)となり、営業利益は54億円(前年度比43億円減、44.6%減)となりました。これは主に、為替の円高進行によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,256億円増加(前年度比56.9%増)し、3,463億円となりました。これは、営業活動における1,116億円の資金増加に対して、投資活動において443億円の資金使用があり、財務活動においては長期借入による調達に加え、新株式発行及び自己株式の処分等があり、610億円の増加となったことよるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、資金は1,116億円増加(前年度は674億円減少)しました。これは、税金等調整前当期純損失73億円に対して減価償却費764億円、国内工場の稼働率回復に伴う運転資金の改善等があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は443億円(前年度は618億円)となりました。これは主に、製造設備投資による有形固定資産の取得207億円、有価証券の取得による支出200億円等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、資金は610億円増加(前年度は1,370億円増加)しました。これは主に、長期借入による調達、新株式発行及び自己株式の処分等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。

 

区分
台数(台)
前期比(%)
乗用車
805,117
△6.9
トラック
22,793
△34.4
車両計
827,910
△8.0

(注) 生産実績には、フォードモーターカンパニーとの合弁会社である以下の製造会社(持分法適用関連会社)の生産台数(マツダブランド車)は含まれておりません。

 
当連結会計年度(台)
前期比(%)
オートアライアンスインターナショナル,Inc.
32,065
△57.2
オートアライアンス(タイランド)Co.,Ltd.
29,408
△39.0

 

(2) 受注状況

当企業集団は、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。

 

区分
台数(台)
金額(百万円)
前期比(%)
車両
963,328
1,573,591
△16.4
海外生産用部品
124,510
39.7
部品
226,374
△17.0
その他
239,474
△17.9
2,163,949
△14.7

(注) 1 主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当企業集団を取り巻く事業環境の急速な変化に対応し、短期的にはコスト革新活動を加速させ、スリムで筋肉質な経営体質へ転換するための取り組みと環境・安全技術への投資を強化します。
 また、中長期的には、以下の中長期施策を継続、発展させていきます。当社は平成19年3月に、10年先を見据えた長期戦略に基づく中期計画「マツダ アドバンスメント プラン」を発表しました。前期後半からの世界的かつ深刻な景気後退、円高の進行などの急激な経済環境変化や、また、新興市場の台頭、環境への対応など市場構造の変化に対応するため、この長期戦略を踏まえつつ、新たな経営施策の検討を総合的に進めてまいりました。

先行き不透明な経済環境下ではありますが、この度、「マツダ アドバンスメント プラン」にて継続して取り組んでいる 1.ブランド価値 2.モノ造り革新 3.環境・安全技術 4.新興市場 5.フォードシナジー の各主要施策を、さらに進化、発展させた「中長期施策の枠組み」を策定しました。
 また、これら施策が進捗し、次世代商品群がすべて出揃う平成28年3月期の経営指標の見通しを設定しております。

 

中長期施策の枠組み及びその進捗状況

 

1. ブランド価値
 ブランド価値の向上施策は着実な成果を上げており、主要市場においてマツダ車の残存価値は向上しています。今後も引き続き、ネットワーク強化、ブランドコミュニケーション戦略の施策を実行し、ブランド強化を推進していきます。

 

2. モノ造り革新
 モノ造り革新活動は確実に進展しています。コモンアーキテクチャー構想と一括企画の実行によって、開発効率の大幅な向上を目指します。また、次世代商品においては、現行車両と比較し、20%のコスト改善を計画しております。加えて、フレキシブル生産体制の構築により、将来の設備投資を大幅に抑制する見通しです。

 

3. 環境・安全技術
 すべてのお客様に「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を提供するため、平成27年までにグローバルで販売するマツダ車の平均燃費を平成20年比で30%向上させることを目指しています。「マツダ スカイ コンセプト」* に基づく次世代のエンジンやトランスミッションなどパワートレインの開発、車両の軽量化などクルマの基本性能の徹底的な向上と、アイドリングストップ、減速エネルギー回生、ハイブリッドシステムと段階的に電気デバイスを組み合わせていくビルディングブロック戦略により環境・安全技術を進化させていきます。トヨタ自動車株式会社とプリウスのハイブリッド技術のライセンス供与についての合意を行うなど、これらの商品開発は計画どおりに進捗しております。

 

4. 新興市場
 海外生産拠点の拡充、販売体制の強化も順調に推移しています。アセアン地域では、平成21年10月に、フォード モーター カンパニーとの合弁事業であるオートアライアンス(タイランド)の新乗用車工場で、アジア大洋州地域に向けた「マツダ2(日本名デミオ)」の生産を開始しました。また、中国市場での生産・販売も今後さらに拡大していく予定です。

 

5. フォードシナジー
 当社筆頭株主であるフォード モーター カンパニーとの提携関係について、引き続き緊密な戦略的関係を維持します。開発、生産及び合弁事業などにおいて、相互のシナジー最大化を追求していきます。

 

 

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* 平成23年以降導入予定のエンジン、トランスミッションのコンセプト名です。

 

これら中長期施策の進捗状況と現在の需要予測・為替・マーケットシェアなどの事業環境をベースに、今後、中長期施策を計画どおり実現するとの前提において、平成28年3月期での経営指標は、以下のとおりです。

 

  平成28年3月期 経営指標の見通し
    ・グローバル販売台数       170万台
    ・連結営業利益          1,700億円
    ・ROS(連結売上高営業利益率) 5%以上

 

なお、未参入新興市場戦略や電気自動車への対応などの新規戦略は現在検討中であり、上記経営指標には、その影響額を含んでおりません。今後、新規戦略が具体化した時点で、その影響を反映していく予定です。

 

4 【事業等のリスク】

当企業集団の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

なお、以下に記載する事項は、有価証券報告書提出日(平成22年6月25日)現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当企業集団の全てのリスクではありません。

 

(1) 当企業集団の事業を取り巻く経済情勢

当企業集団は、日本を始め北米、欧州、アジアを含む全世界に製品を販売しております。従いまして、それぞれの市場における景気後退及び需要縮小は、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国政府によるスクラップインセンティブ*などの需要喚起策により一部主要市場では需要の改善傾向が見られます。しかし、需要喚起策の終了後の影響を見通すことは困難であり、需要動向が急激に変動した場合、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

*スクラップインセンティブ:旧車から新車に代替する際に補助金を支給する制度

 

(2) 為替レート、特に米ドルとユーロの円との為替レート

当企業集団は、日本から全世界に製品を輸出しているため、為替レートの変動は当企業集団の経営成績と財政状態に影響を与えます。特に米ドルとユーロの円高は、利益率と価格競争力を低下させる可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために一部取引において為替予約等を行っておりますが、為替レートが円安方向に変動することにより機会損失が発生する可能性があります。

 

(3) 他社との提携、合弁の成否

当企業集団は、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を行っております。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、期待される結果が出ず、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境等に関する法的規制

当企業集団は、事業展開する各国において、燃費及び排ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制など、様々な法的規制を受けております。今後、法的規制の強化によりコストが増加し、当企業集団の経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 市場競争力

当企業集団が製品を販売している全世界の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しております。市場での競争力の維持強化は当企業集団の成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めております。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客様の価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品の調達

当企業集団は、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しております。需給の逼迫や供給能力の制約、契約条件の変更または破棄等により、当企業集団の生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは需給の逼迫などにより、当企業集団が調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などにより吸収できない場合、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 国際的な事業活動に伴うリスク

当企業集団は、日本を始め全世界に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っております。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済要因

・法律または規則の変更による障害

・潜在的に不利な税影響

・人材の採用と確保の難しさ

・未整備のインフラ

・ストライキ等の労働争議

・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱

 

(8) 知的財産権による保護

当企業集団は、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当企業集団として製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、特定の地域では当企業集団の知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当企業集団の知的財産を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の欠陥

当企業集団は、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生する可能性は皆無ではありません。そのような事態が発生した場合には、多額のコスト発生や市場信頼性の失墜など、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や事故に関するリスク

当企業集団は、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っております。しかしながら大規模な地震、台風等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当企業集団の経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、昭和54年、フォード モーター カンパニーとの間にグローバルなパートナーシップを構築し、その後も、両社は提携関係を一層発展、強化させてきました。平成8年には、提携関係を一段と強化する旨合意し、同社は当社の発行済株式総数の33.4%を所有することとなりました。平成20年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の13.8%を所有することとなりました。その後、当社が、平成21年10月21日を払込期日とする一般募集による増資及び同年11月12日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の11.0%を所有することとなりましたが、同社は引き続き当社の筆頭株主であり、当社は同社との合弁事業を継続するとともに、プラットフォームとパワートレインの共有化も継続するなど、両社の戦略的関係に変更はありません。

 

6 【研究開発活動】

当企業集団は、従来の「“Zoom−Zoom”(ズーム・ズーム)」に体現されるマツダのブランド価値を、さらに進化・向上して行く技術開発長期ビジョンとして「サステイナブル“Zoom−Zoom”宣言」を平成19年3月に策定しました。この宣言を通じて、地球環境と交通環境のサステイナブルな未来に向けた技術開発を推進することにより、お客様の心を魅了するデザイン、及び、運転する楽しさの継続的な強化とともに、環境安全性能の更なる向上に取り組んでいます。また「モノ造り革新」の推進により、多様化するお客様のニーズに対応してそれぞれの商品の競争力を向上させる柔軟性と開発・生産効率の向上の高い次元での両立に取り組んでいます。

研究開発体制として、国内では、新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行う「本社R&D部門」と「マツダR&Dセンター横浜」があります。海外では、米国の「マツダモーターオブアメリカ,Inc.」、ドイツの「マツダモーターヨーロッパGmbH」、及び中国の「マツダ(中国)企業管理有限公司」の各R&D部門との連携、さらには、フォードモーターカンパニーとの共同開発を実施し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発を行っています。

当連結会計年度における市場への新車導入として、スポーツコンパクト「アクセラ」があります。今回が2代目となる同車は、“再びカスタマーの期待を超える”を開発コンセプトとして、従来から評価の高いスポーティーな走りとスタイリングを継承し、さらに進化させています。加えて、質感が高く機能性に優れた室内空間、また、アイドリングストップ機構「i-stop(アイ・ストップ)」を採用するなどの先進の環境・安全性能も実現しています。

また、パワートレイン領域では、平成23年以降導入予定のマツダ車の環境性能とダイナミックパフォーマンスを飛躍的に向上させる次世代PT開発コンセプト「マツダ スカイ コンセプト」* 、次世代ガソリンエンジンコンセプト「マツダ スカイ ジー」* 、次世代ディーゼルエンジンコンセプト「マツダ スカイ ディー」* 、次世代オートマチックトランスミッションコンセプト「マツダ スカイ ドライブ」* を第41回東京モーターショーで世界初公開しました。次世代ガソリンエンジンコンセプト「マツダ スカイ ジー」* は、熱効率を改善して燃費性能と出力性能を大幅に高めた次世代の直噴ガソリンエンジンで、現行2.0Lエンジン比で燃費・出力(トルク)を約15%改善、アクセラクラスの車両に搭載した場合で、現行デミオ並みの低燃費を実現します。次世代ディーゼルエンジンコンセプト「マツダ スカイ ディー」* は、低燃費・高出力と低エミッションを両立させた次世代クリーンディーゼルエンジンで、現行2.2Lエンジン比で燃費を約20%改善、アテンザクラスの車両に搭載した場合で、現行デミオ並みの低燃費を実現します。次世代オートマチックトランスミッションコンセプト「マツダ スカイ ドライブ」* は、従来型に比べ、燃費性能とダイレクト感を大幅に向上させた高効率オートマチックトランスミッションです。

環境対応技術として、塗装領域では、塗料に含まれる揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)と塗装工程で消費されたエネルギーによるCO2排出量を世界最高水準にまで抑制する革新的な水性塗装技術「アクアテック塗装」の開発に成功し、宇品第一工場へ導入しました。これは、既に当社が全工場で導入済みの「スリー・ウェット・オン塗装」で実現している世界最高水準の低CO2排出量を維持したまま、VOCの排出量をさらに57%削減する世界で最も環境負荷の少ない水性塗装技術です。

また、電気自動車関連のインフラ整備やバッテリーの二次利用などの領域において、今後の研究開発活動の基盤を強化することを目的として、クリーンエネルギーを活用した低炭素交通社会システムの共同実証プロジェクト「つくば環境スタイル実証プロジェクト」に参画しました。具体的には、電気自動車のベース車両として「マツダデミオ」3台を提供するとともに、車両の仕様検討、評価などの協力を行なっていきます。

なお、当連結会計年度の研究開発費は852億円となりました。

 

 

 

 

 

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* 平成23年以降導入予定のエンジン、トランスミッションのコンセプト名です。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度の当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当企業集団」)を取り巻く事業環境は、米国の金融危機に端を発した景気後退の後、各国政府による景気対策の効果等により底打ちの様相を呈しております。しかし、自動車需要は、堅調な中国などの新興市場を除き、緩やかな回復基調にあるもののその勢いは弱く、為替も円高基調が継続するなど、依然として厳しい状況が続きました。
 このような状況の中、当企業集団は、収益改善施策を着実に実行してまいりました。第1四半期連結会計期間までに在庫水準の適正化を完了し、また、コスト改善活動を加速し、1千億円を超える固定費の削減を行うなど、スリムで筋肉質な経営体質へ転換するための取り組みを強化いたしました。その結果、現在の円高環境の下で国内工場稼働率80%でも利益を確保できるコスト構造への転換を実現いたしました。
 当期の市場別販売台数は、国内では、既存車種の販売台数が減少したものの、新型アクセラの市場導入により、前期比1.0%増の221千台となりました。一方、海外では、北米は、前期比11.7%減の307千台となりました。欧州は、主にロシアでの販売が減少したことにより、前期比25.7%減の239千台となりました。中国は、「マツダ6(日本名アテンザ)」等の牽引により、前期比45.8%増の196千台となりました。その他の市場では、前期比3.5%減の230千台となりました。これらを合計したグローバル販売台数は、前期比5.4%減の1,193千台となりました。
 売上高は、販売台数の減少及び主要通貨の円高影響等により、前期比3,720億円減少の2兆1,639億円(前期比14.7%減)となりました。営業損益は、販売台数の減少及び円高影響を上回るコスト改善により前期比378億円増加し、95億円の利益となりました。また、経常利益は46億円となり、当期純損益は65億円の損失となりました。なお、関係会社事業損失引当金と環境対策引当金の計上に伴う特別損失の発生等により、当期純損益での赤字は残るものの、第2四半期連結会計期間以降、全ての利益レベルでの黒字化を達成し、さらに黒字幅も拡大するなど、業績は着実に回復しております。

 

(2) 財政状態

当期末の総資産は、増資等の影響に伴う現金及び預金の増加により、前期末から1,468億円増加し、1兆9,478億円となりました。また、有利子負債は、運転資金の改善による借入金の減少等により、前期末より312億円減少しております。なお、負債合計は、生産台数の回復に伴う仕入債務の増加等があり、前期末より517億円増加し、1兆4,380億円となりました。
 純資産は、新株式発行により資本金及び資本剰余金が増加し、自己株式処分により自己株式の控除額が減少したことなどにより、前期末より951億円増加し、5,098億円となりました。なお、自己資本比率は、前期末より3.2ポイント増加し、26.1%となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

営業活動によるキャッシュ・フローは、国内工場の稼働率回復に伴う運転資金の改善等により1,116億円の増加となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資207億円等により、443億円の減少となりました。これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、674億円の増加となりました。「連結フリー・キャッシュ・フローの通期黒字化」という期初の見通しに対し、第2四半期連結会計期間以降黒字を継続し、通期でも黒字化を達成することができました。
 また財務活動によるキャッシュ・フローは、新株式発行や自己株式の処分等により、610億円の増加となりました。

有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は、3,758億円となり、純有利子負債自己資本比率は、74%となりました。

資金調達につきましては、平成21年10月に公募増資及び自己株式の処分を行い、同年11月に第三者割当増資を行うことにより総額933億円の資金調達を行いました。また、784億円の長期借入を実行いたしました。

 





出典: マツダ株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書