有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は、2兆3,257億円(前年度比1,617億円増、7.5%増)となりました。営業利益は、238億円(前年度比144億円増、152.0%増)、経常利益は、369億円(前年度比322億円増、693.8%増)、当期純損益は、600億円の損失(前年度比536億円減)となりました。

車両売上高は、主要通貨に対し円高基調が継続したものの出荷台数が増加したこと等により、1兆7,073億円(前年比1,337億円増、8.5%増)となりました。また、海外生産用部品売上高は、中国向けの出荷が堅調に推移したこと等により1,419億円(前年比174億円増、13.9%増)、部品売上高は2,172億円(前年比92億円減、4.0%減)となり、その他売上高は2,593億円(前年比199億円増、8.3%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

①日本

当セグメントにおきましては、売上高は1兆9,995億円(前年度比1,322億円増、7.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は326億円(前年度比18億円増、5.7%増)となりました。これは主に、海外向け車両出荷台数が増加したことにより売上高が増加したことや、東日本大震災による影響はあったものの収益改善施策の効果等によりセグメント利益が改善したことによるものです。

②北米

当セグメントにおきましては、売上高は6,310億円(前年度比590億円増、10.3%増)となり、セグメント損失(営業損失)は317億円(前年度比124億円減)となりました。これは主に、車両出荷台数の増加により売上高は増加したものの、円高の進行等により減益となったことによるものです。

③欧州

当セグメントにおきましては、売上高は4,382億円(前年度比505億円減、10.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は79億円(前年度比44億円増、125.4%増)となりました。これは主に、車両出荷台数の減少や円高の進行はあったものの、車種構成の改善や固定費の削減等によりセグメント利益が改善したことによるものです。

④その他の地域

当セグメントにおきましては、売上高は3,104億円(前年度比852億円増、37.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は128億円(前年度比74億円増、138.4%増)となりました。これは主に、車両出荷台数の増加によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ235億円減少(前年度比6.8%減)し、3,228億円となりました。これは、営業活動における153億円の資金増加に対して、投資活動での資金使用137億円及び財務活動での資金使用144億円によるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、資金は153億円増加(前年度は1,116億円増加)しました。これは、税金等調整前当期純利益161億円に対して減価償却費716億円があったこと、東日本大震災により国内工場の休止影響による減産で仕入債務が611億円減少したこと等によるものです。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は137億円(前年度は443億円)となりました。これは主に、製造設備投資等による有形固定資産の取得による支出322億円があった一方、有価証券の売却及び償還による収入200億円等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、資金は144億円減少(前年度は610億円増加)しました。これは主に、社債や長期借入金による調達を行う一方、有利子負債の返済や配当金の支払い等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
台数(台)
前期比(%)
 
乗 用 車
850,314
5.6
日本
トラック
16,678
△26.8
 
合計
866,992
4.7

(注) 生産実績には、フォード モーター カンパニーとの合弁会社である以下の製造会社(持分法適用関連会社)の生産
台数(マツダブランド車)は含まれておりません。

 
当連結会計年度(台)
前期比(%)
オートアライアンス
インターナショナル,Inc.
45,138
40.8
オートアライアンス
(タイランド)Co.,Ltd.
87,348
197.0

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
日本
965,203
7.9
北米
623,990
10.2
欧州
427,721
△10.9
その他の地域
308,775
38.1
合計
2,325,689
7.5

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、
記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 当社グループを取り巻く事業環境は、更なる円高の進行と定着、鋼材を中心とした原材料価格の高騰、新興国の拡大等による需要構造の変化及び環境対応への意識の高まりなど、極めて急速かつ急激な変化が継続しています。また、今年3月11日に発生した東日本大震災により、国内生産は回復基調にあるものの、電力供給状況や消費マインドの冷え込み等に伴う景気の下振れリスクなど、依然、不確実性も残っています。
 このような状況の中、当社グループは、10年先を見据えた長期戦略に基づく「マツダ アドバンスメント プラン」の主要施策である 1.ブランド価値 2.モノ造り革新 3.環境・安全技術 4.新興市場 5.フォードシナジー を更に進化、発展させた「中長期施策の枠組み」を強力に推進しています。

 

 中長期施策の枠組み及びその進捗状況は、以下のとおりです。

 

1. ブランド価値

 ブランドロイヤリティに焦点をあてた、ブランド価値向上プロジェクトをグローバルに推進しています。その結果、主要国でのブランド価値向上は着実に進捗しており、顧客ロイヤリティも向上しています。
 今後、「つながり革新」のグローバル展開によるブランド価値向上を継続し、実売価格改善を進めます。特に新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ テクノロジー)」搭載モデルの導入にあわせ、お客様満足・信頼を高めるための適正な価格設定、残存価値の向上など、売り方革新を実行します。

 

2. モノ造り革新

 「一括企画・コモンアーキテクチャー構想」や「フレキシブル生産体制」による成果として、開発効率は30%以上改善、新世代車両のコスト改善は20%レベルの改善、生産設備投資領域では20〜60%の効率化により、新世代車両での性能アップとコスト改善両立の目標達成に実現の目処が立ちました。
 今後、円高定着及び原材料価格の高騰に対応すべく、更なるコスト改善と為替リスク対応を実施してまいります。国内生産車の更なるコスト低減、海外調達率の拡大、新興国などでの海外生産拡大などにより、コスト改善及び為替リスクの低減に努めます。

 

3. 環境・安全技術

 環境安全技術戦略「ビルディングブロック戦略」は着実に前進しており、平成27年までにグローバルでの30%の平均燃費改善目標(平成20年比)は予定どおり進捗しています。電気デバイスのアシスト無しで燃費30km/L(10・15モード)を達成した平成23年6月発売の国内向け新型「マツダ デミオ」を手始めに、順次、新世代商品群を導入いたします。平成23年度後半に、主要市場に「SKYACTIV−G」、「SKYACTIV−DRIVE」搭載の新型「Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)」を導入し、平成24年には、グローバルに「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面的に採用した新型「CX−5」を導入、そして平成24年以降、グローバルに「SKYACTIV−D」を導入いたします。また、減速エネルギー回生システムの導入、電気自動車のリース販売、ハイブリッド車への対応も予定どおり進捗しています。

 

4. 新興市場

 海外生産拠点の拡充、販売強化も順調に推移しています。主要市場に成長した中国では、「Mazda3」の生産を重慶から南京に統合することで、「Mazda3」の生産能力を増強しました。アセアンにおいては、フォード モーター カンパニーとの合弁事業であるオートアライアンス(タイランド)Co.,Ltd.(以下、AAT)の新乗用車工場で、「Mazda2(日本名:マツダ デミオ)」セダン、「Mazda3」の現地組立を開始し、マレーシアでも「Mazda3」の現地組立を開始しました。
 今後も、新興国での成長戦略を加速してまいります。アセアンにおいては、AATを主軸にした域内での現地生産及び輸出の加速、マレーシアやベトナム等成長市場での販売網の拡大、販売好調なインドネシアで商品ラインナップを拡充するなど、積極的なビジネス展開を推進します。さらに、中国、アセアンに次ぐ新興国ビジネス戦略の第3の柱として、中南米ビジネスを強化いたします。メキシコで車両組立及びエンジン組立工場を建設し、中南米向けを中心とした小型車の生産体制を確立し、中南米での販売拡大を図ります。

 

5. フォードシナジー

 フォード モーター カンパニー(以下、フォード)と共同開発中のピックアップトラック「BT−50」を、平成24年3月期に販売開始します。引き続きフォードとの戦略的提携関係は維持し、合弁事業、既存プロジェクト、技術情報の交換など、双方がメリットを得られる分野で協力していきます。

 

中長期施策の枠組み及びその進捗状況を踏まえ、平成22年4月に公表の「平成28年3月期 経営指標の見通し」に変更はありません。 

 

平成28年3月期 経営指標の見通し 

 ・グローバル販売台数       170万台

 ・連結営業利益          1,700億円

 ・ROS(連結売上高営業利益率) 5%以上

 

 なお、文中における将来に関する事項及び経営指標等につきましては、有価証券報告書提出日(平成23年6月27日)現在において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

なお、以下に記載する事項は、有価証券報告書提出日(平成23年6月27日)現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

(1) 当社グループの事業を取り巻く経済情勢

当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む全世界に製品を販売しております。従いまして、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けております。そのため、特に主要市場における景気動向や需要変動には正確な予測に努めていますが、急激な景気後退や需要縮小の場合、その影響等を正確に見通すことは困難なため、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国の税制や会計基準の予期せぬ変更や新たな適用が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レート、特に米ドルとユーロの円との為替レート

当社グループは、日本から全世界に製品を輸出しているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。特に米ドルとユーロの円高は、利益率と価格競争力を低下させる可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために一部取引において為替予約等を行っておりますが、為替レートが円安方向に変動することにより機会損失が発生する可能性があります。

 

(3) 他社との提携、合弁の成否

当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を行っております。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、期待される結果が出ず、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境等に関する法的規制

当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制など、様々な法的規制を受けております。今後、法的規制の強化によりコストが増加し、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 市場競争力

当社グループが製品を販売している全世界の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しております。市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めております。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客様の価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品の調達

当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しております。従って、これらの供給元企業が災害等により被災した場合の供給能力の制約や物流機能の低下、また需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などによりその影響を吸収できない場合には、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 国際的な事業活動に伴うリスク

当社グループは、日本を始め全世界に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っております。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済要因

・法律または規則の変更による障害

・潜在的に不利な税影響

・人材の採用と確保の難しさ

・未整備のインフラ

・ストライキ等の労働争議

・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱

 

(8) 知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当社グループの知的財産を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の欠陥

当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生する可能性は皆無ではありません。そのような事態が発生した場合には、多額のコスト発生や市場信頼性の失墜など、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や事故に関するリスク

当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っております。しかしながら大規模な地震、台風等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、昭和54年、フォード モーター カンパニーとの間にグローバルなパートナーシップを構築し、その後も、両社は提携関係を一層発展、強化させてきました。平成8年には、提携関係を一段と強化する旨合意し、同社は当社の発行済株式総数の33.4%を所有することとなりました。平成20年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の13.8%を所有することとなりました。その後、当社が、平成21年10月21日を払込期日とする一般募集による増資及び同年11月12日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の11.0%を所有することとなりました。また、平成22年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の3.5%を所有することとなりましたが、同社は引き続き当社の大株主として、戦略的提携関係を継続することで合意しております。両社は、今後とも主要な合弁事業や技術情報の交換など、双方がメリットを得られる分野で協力していきます。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「“Zoom−Zoom”(ズーム・ズーム:子供の時に感じた動くことへの感動)」に体現されるマツダのブランド価値を、さらに進化・向上して行く技術開発長期ビジョンとして平成19年に「サステイナブル“Zoom−Zoom”宣言」を策定しました。これは「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を、限られたマーケットや限られたお客様だけでなく、すべてのお客様に提供することを宣言したものです。

また、お客様のニーズに応えるための「多様化」と、効率化のための「共通化」という相反する課題を、単にベストバランスを探るのではなく、ブレークスルーによって高次元で両立させることを狙いとする「モノ造り革新」により、商品競争力の向上と開発・生産効率の向上の高い次元での両立に取り組んでいます。

セグメントごとの研究開発体制は、日本では「本社R&D部門」と「マツダR&Dセンター横浜」にて新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行っています。海外では、北米は米国の「マツダモーターオブアメリカ,Inc.」、欧州はドイツの「マツダモーターヨーロッパGmbH」、その他の地域は中国の「マツダ(中国)企業管理有限公司」の各R&D部門と連携し、さらには、フォード モーター カンパニーとの共同開発を継続的に実施し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発に取り組んでいます。

当連結会計年度の新商品は、新型「マツダ プレマシー(海外名:Mazda5)」です。新型「プレマシー」は、「コンテンポラリー・スマート・チョイス 〜時代にあったスマートな選択〜」を開発コンセプトに世界の主要市場で販売されるマツダの代表的なミニバンです。スタイリッシュなデザイン、両側スライドドア、多彩なシートアレンジが可能なフレキシブルな室内、スムーズかつ上質で気持ちのいいスポーティな走行感覚、優れた燃費性能などを備えた、家族や環境に優しいクルマとして開発した新しいファミリーカーです。デザインは、自然界の水や風などの「流れ」の美しさに触発された「NAGARE(流れ)」造形を用いた、斬新で美しいデザインです。「NAGARE(流れ)」コンセプトはこれまでモーターショーなどのコンセプトカーに採用して好評を博してきましたが、この度、量産車として初めて本格採用しました。

新世代商品に向けては、技術面では、エンジンやトランスミッションなどのパワートレインの効率改善や車両の軽量化など、自動車の基本性能である「ベース技術」を優先的に改良した上で、アイドリングストップシステム、減速エネルギー回生システムやハイブリッドシステムなどの電気デバイスを段階的に導入していく「ビルディングブロック戦略」を進めています。この戦略の下、平成23年からベース技術を一新し飛躍的な環境性能の改善を実現する「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ テクノロジー:SKYACTIVエンジンやトランスミッションを始め、徹底した軽量化と高い安全性を考慮したボディ、シャシーなど新世代技術の総称)」を搭載した商品を順次市場投入していく予定です。第一弾として、レギュラーガソリンエンジンを燃料とする自動車用量産エンジンとしては世界初の高圧縮比(14.0)の実現により燃焼効率を大幅に高めた次世代直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」を「マツダ デミオ」に搭載し、国内で発売いたします。「SKYACTIV-G 1.3」を搭載した「デミオ」は、電気モーターによるアシストなしで燃費30km/L(10・15モード)を実現します。一方、電気自動車についても継続的な研究開発を進めており、「デミオ」をベースにした電気自動車を自社開発し、平成24年春より日本国内の地方自治体や法人顧客を中心にリース販売を行う予定です。

新世代商品の新しいデザインテーマとしての “魂動(KODO)−Soul of Motion” と、これを伸びやかなフォルムで純粋に表現した4ドア4シータースポーツクーペのデザインコンセプトカー「マツダ 靭(SHINARI)」を平成22年9月に発表しました。また、勢いよく駆ける楽しさを提供する次世代の都市型コンパクトクロスオーバーSUVコンセプトカー「マツダ 勢(MINAGI)」を平成23年3月のジュネーブモーターショーで世界初公開しています。「マツダ 勢(MINAGI)」は、走る歓びと優れた環境・安全性能の調和を実現する「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面的に採用しています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は910億円で、セグメントごとの研究開発費は、日本は903億円、北米は1億円、欧州は6億円であります。なお、当社のセグメントは、生産・販売の管理体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動の大部分を日本セグメントで行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては記載を省略しております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、海外では、アジアを中心とする新興国の経済成長に支えられ、緩やかな回復基調が続いているものの、政情不安や原油価格の上昇が懸念される等、不安定さが感じられます。一方、国内では、景気刺激策終了後の減産に歯止めがかかり、輸出や生産は緩やかに増加し、設備投資も持ち直しつつありましたが、為替の円高基調が継続するなど厳しい状況が続きました。

このような状況の中、当社グループは、コスト改善と効率化を強力に推進するとともに、新興国での販売拡大や車種構成の改善など、あらゆる収益改善施策に取り組んでまいりました。

当期の市場別販売台数は、国内では新型「マツダ プレマシー」の販売が堅調に推移したものの、補助金制度終了後の需要減や東日本大震災の影響により前期比6.8%減の206千台となりました。一方、海外では、北米は、当期導入した「Mazda2(日本名:マツダ デミオ)」の純増や「CX-7」、「CX-9」の好調な販売等により前期比11.7%増の342千台となりました。欧州は、ロシアでの販売は増加に転じましたが、総需要減少等の影響を受け前期比11.5%減の212千台となりました。中国は「Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)」、「Mazda6(日本名:マツダ アテンザ)」等の主力車種の好調により前期比20.2%増の236千台となりました。その他の市場では、タイをはじめとするアセアン諸国等で販売台数が増加したことにより前期比20.0%増の277千台となりました。これらを合計したグローバル販売台数は、前期比6.6%増の1,273千台となりました。

売上高は、主要通貨の円高基調が継続したものの販売台数の増加等により、前期比1,617億円増加の2兆3,257億円(前期比7.5%増)となりました。営業利益は、収益改善施策の効果により前期比144億円増加し、238億円(同152.0%増)となりました。また、経常利益は、前期比322億円増加の369億円(同693.8%増)となりました。当期純損益は、東日本大震災による災害損失や北米事業に対しての関係会社事業損失引当金の計上による特別損失の発生、さらに繰延税金資産の一部取崩しを行ったこと等により、600億円の赤字となりました。

 

(2) 財政状態

当期末の総資産は、借入金返済による現金及び預金の減少や繰延税金資産の一部取崩し等により、前期末から1,760億円減少し、1兆7,718億円となりました。また、有利子負債は、借入金の返済やリース債務の減少等により、前期末より291億円減少し、6,930億円となりました。負債合計は、東日本大震災による生産台数の減少に伴う仕入債務の減少等があり、前期末より967億円減少し、1兆3,412億円となりました。
 純資産は、当期純損失の計上などにより、前期末より793億円減少し、4,305億円となりました。なお、自己資本比率は、前期末より1.9ポイント減少し、24.2%となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

営業活動によるキャッシュ・フローは、東日本大震災により国内工場の休止影響等がありましたが153億円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出322億円等により、137億円の減少となりました。これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、16億円の増加となりました。また財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済等により、144億円の減少となりました。
 有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は、3,702億円となり、純有利子負債自己資本比率は、86%となりました。
 資金調達につきましては、当連結会計年度中に918億円の長期借入を実行し、平成23年1月に総額200億円の社債を発行いたしました。

 





出典: マツダ株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書