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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は、2兆331億円(前年度比2,926億円減、12.6%減)となりました。営業損益は、387億円の損失(前年度比626億円減)、経常損益は、368億円の損失(前年度比737億円減)、当期純損益は、1,077億円の損失(前年度比477億円減)となりました。

車両売上高は、主要通貨が円高で推移したことに加え生産・販売台数が減少したこと等により、1兆5,108億円(前年度比1,965億円減、11.5%減)となりました。また、海外生産用部品売上高は、中国向けの出荷が減少したこと等により931億円(前年度比488億円減、34.4%減)、部品売上高は2,001億円(前年度比171億円減、7.9%減)となり、その他売上高は2,290億円(前年度比303億円減、11.7%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

①日本

当セグメントにおきましては、売上高は1兆7,450億円(前年度比2,545億円減、12.7%減)となり、セグメント損失(営業損失)は184億円(前年度比510億円減益)となりました。これは主に、輸出台数が減少したことに加え、為替の円高影響等によるものです。

②北米

当セグメントにおきましては、売上高は5,716億円(前年度比594億円減、9.4%減)となり、セグメント損失(営業損失)は403億円(前年度比85億円減益)となりました。これは主に、連結出荷台数の減少に加え、為替の円高影響等によるものです。

③欧州

当セグメントにおきましては、売上高は3,604億円(前年度比778億円減、17.7%減)となり、セグメント利益(営業利益)は56億円(前年度比23億円減益、28.8%減)となりました。これは主に、連結出荷台数の減少に加え、為替の円高影響等によるものです。

④その他の地域

当セグメントにおきましては、売上高は2,942億円(前年度比162億円減、5.2%減)となり、セグメント利益(営業利益)は101億円(前年度比27億円減益、21.4%減)となりました。これは主に、タイの洪水影響などにより連結出荷台数が減少したこと等によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,545億円増加(前年度比47.8%増)し、4,773億円となりました。これは、営業活動における91億円の資金減少、投資活動での資金使用703億円に対し、財務活動において新株式発行や劣後特約付ローンを含む長期借入金による調達等により2,365億円の資金増加となったことによるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、資金は91億円減少(前年度は153億円増加)しました。これは、税金等調整前当期純損失553億円に対して減価償却費688億円があったこと、たな卸資産の増加を中心とした運転資金の減少等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は703億円(前年度は137億円)となりました。これは主に、製造設備投資等による有形固定資産の取得による支出617億円に加え、無形固定資産の取得による支出82億円等があったことによるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、資金は2,365億円増加(前年度は144億円減少)しました。これは主に、新株式発行や劣後特約付ローンを含む長期借入金による調達を行ったことによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
台数(台)
前期比(%)
 
乗 用 車
831,025
△2.3
日本
トラック
15,549
△6.8
 
合計
846,574
△2.4

(注) 生産実績には、フォード モーター カンパニーとの合弁会社である以下の製造会社(持分法適用関連会社)の生産
台数(マツダブランド車)は含まれておりません。

 

 
当連結会計年度(台)
前期比(%)
オートアライアンス
インターナショナル,Inc.
39,546
△12.4
オートアライアンス
(タイランド)Co.,Ltd.
75,630
△13.4

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
日本
824,383
△14.6
北米
568,340
△8.9
欧州
347,299
△18.8
その他の地域
293,036
△5.1
合計
2,033,058
△12.6

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、平成22年4月に「中長期施策の枠組み」を発表し、以来「ブランド価値」、「モノ造り革新」、「環境・安全技術」、「新興市場」、「フォードシナジー」の各施策に、着実に取り組んでまいりました。
  一方で、急激な円高の進行、欧州金融危機等の不安定な経済環境、東日本大震災・タイ洪水等の大規模な災害の発生、新興国での自動車需要の拡大など、当社グループを取り巻く事業環境は変化しております。
  このような中で、今年2月、厳しい外部環境への対応と将来への成長を確実にするために、「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」を発表し、SKYACTIV(スカイアクティブ)を梃子とした構造改革を実施してまいります。

 

  「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」の主要施策は、以下のとおりです。

 

(1) SKYACTIVによるビジネス革新

当社は、平成27年までにグローバルで販売するマツダ車の平均燃費を平成20年比で30%向上させる目標を掲げており、その達成に向け研究開発に取り組んでおります。自動車の基本性能である「ベース技術」を徹底的に向上させた新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ テクノロジー)」(以下、「SKYACTIV技術」という。)を搭載した商品を順次導入するとともに、この「ベース技術」の上に段階的に電気デバイス技術を組み合わせていく「ビルディングブロック戦略」を推進しております。
  SKYACTIVは市場への導入以来、各方面から大きな反響と主要市場での高い評価を獲得しており、ブランド価値も向上しております。SKYACTIVによる「売り方革新」では、この高いブランド価値を活かした正価販売の実現を目指してまいります。
  平成25年3月期での全車種に占めるSKYACTIV搭載車比率は20%を計画しておりますが、今後5年間で、SKYACTIV技術を全面的に搭載した「マツダ CX-5」を含め8車種の投入を予定しており、平成28年3月期までに搭載車比率を80%まで引き上げていくことを計画しております。また、平成25年3月期には実用走行時の燃費を大幅に改善できる減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を搭載した新型車の投入、加えて、平成26年3月期にはSKYACTIV搭載のハイブリッド車を導入する予定です。
  SKYACTIVは、商品力・ブランド・デザインと、円高環境でも対応できるコスト構造を両立させ、技術面の変革だけではなく、マツダのビジネスそのものの構造改革を牽引してまいります。

 

(2) 「モノ造り革新」による更なるコスト改善の加速

従来から取り組んできました「一括企画・コモンアーキテクチャー構想」や「フレキシブル生産体制」による成果として、車両の性能アップとコスト改善の両立は当初の目標を達成する見込みです。また、当社グループは「モノ造り革新」によるコスト改善を着実に実施することで、これまで大幅なコスト改善を達成してまいりましたが、円高をはじめとする厳しい環境下でも利益を創出できるコスト構造の構築に向け、追加施策を強力に推進してまいります。
  新たな追加施策として、変動費の改善では「モノ造り革新」をより強化し、車両のコスト改善目標を従来の20%から30%へ引き上げることで、更なるコスト改善を図ってまいります。また、国内工場における海外調達及び外貨建決済を現状の20%から平成26年に30%以上に拡大することに加え、海外生産拠点における徹底的な現地調達率アップにも取り組んでまいります。その他固定費の改善としては、本社間接部門における10%の効率化、間接社員の海外及び第一線へのシフトによる海外販売力と現場力の向上に取り組むとともに、転進支援の推進や平成25年3月期からの採用抑制などにより固定費の改善を図ってまいります。さらに、海外の販売ネットワークにつきましても、徹底的な効率化を図ってまいります。

 

 

(3) 新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築

従来より新興国での販売台数の拡大を目指し、販売強化と生産拠点の拡充に取り組み、成果をあげてまいりました。今後、更なる施策を通じて、新興国事業を強化してまいります。
  中国においては、生産から販売までの一貫した体制の確立とビジネス強化を目指し、現地合弁会社の持分見直しを進めております。また、南京工場の生産能力増強にあわせ、40万台販売体制に向けて内陸部や湾岸部空白地域の販売拠点を増やしてまいります。また、SKYACTIVの現地生産を開始するとともに、商品ラインアップを6車種から10車種に拡充させてまいります。ロシアでは、現地生産体制の確立に向け、ソラーズ社と生産合弁会社を設立する合弁契約を今年4月27日に締結しました。アセアンにおいては、タイ工場の能力拡大のための追加投資を決定し、アセアン全体で現地生産車種を3車種から6車種に拡充するとともに、販売店舗数の拡大を図ってまいります。中南米では、平成26年3月期稼働予定のメキシコ新工場の建設を進めております。また、メキシコ新工場で生産した車両を、FTAなどを活用し、中南米へ販売する取り組みを強化してまいります。さらに、ブラジルへの参入検討を進めております。
  為替抵抗力の高い生産体制の構築を加速するため、メキシコ、中国、アセアン、ロシアでの現地生産を拡大し、海外生産比率を平成28年3月期に50%に引き上げることを計画しております。国内工場の4ライン体制は維持し、「モノ造り革新」の加速により、円高環境下でも国内生産で利益の出る工場を目指してまいります。

さらに、欧米事業における利益構造改革にも着手してまいります。北米事業の再構築として、米国工場で生産している「Mazda6(日本名:マツダ アテンザ)」の次期モデルを日本へ生産移管することで、北米事業の収益改善を図ってまいります。また、将来的には、メキシコ新工場を有効活用し、北米向け「Mazda2(日本名:マツダ デミオ)」、「Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)」を生産し、NAFTAを活用して北米へ出荷することも検討しております。欧州事業においては、SKYACTIV商品、特に新世代スーパークリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D(スカイアクティブ ディー)」の導入により台数・構成の改善を図るとともに、販売ネットワークの徹底的な効率化、ロシアにおけるKD生産・出荷に伴う台数拡大などの施策に取り組んでまいります。

 

(4) グローバルアライアンスの推進

当社グループは、現在、多様な提携先と個別事業を推進しております。今後も、マツダブランドを強化するため、事業、技術提携を強力に推進してまいります。商品、技術、地域ごとに最適な補完を行う提携戦略を積極的に推進するとともに、SKYACTIVパワートレインを含めた他社への商品、技術の供与も行ってまいります。

 

今年2月に発表しました「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」により、平成28年3月期での経営指標を以下のように見直しております。

 

  平成28年3月期  経営指標の見通し

・グローバル販売台数
170万台
・連結営業利益
1,500億円
・ROS(連結売上高営業利益率)
6%以上

 

なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。なお、文中における将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業を取り巻く経済情勢

当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む世界各地域に製品を販売しており、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けております。従いまして、財政危機の深刻化が懸念される欧州及び中国に代表される新興市場を含む当社グループの主要市場において、景気の減速または後退、需要構造の変化、需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レート、特に米ドルとユーロの円との為替レート

当社グループは、日本から世界各地域に製品を輸出しているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。特に米ドルとユーロに対する円高は、利益率と価格競争力を低下させる可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等を円換算しているため、為替レート変動により、為替換算調整勘定を通じて自己資本に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために一部取引において為替予約等を行っておりますが、為替レートが円安方向に変動することにより機会損失が発生する可能性があります。

 

(3) 他社との提携、合弁の成否

当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を実施、もしくは検討を行っております。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、あるいは、提携や合弁の変更または解消等により、期待される結果を生まなかった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図しない提携や合弁の変更または解消が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境等に関する法的規制

当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制などの環境規制のほか、労働規制など、様々な法的規制を受けております。今後、法的規制の強化によるコストの増加などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 市場競争力

当社グループが製品を販売している世界各地域の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しております。ブランド価値の維持発展を含む市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めております。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客様の価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品の調達

当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しております。従って、これらの供給元企業が災害等により被災した場合等の供給能力の制約や物流機能の低下、また需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などによりその影響を吸収できない場合や、調達した原材料または部品の品質が不十分であった場合には、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 国際的な事業活動に伴うリスク

当社グループは、日本を始め世界各地域に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っております。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済要因

・法律または規則の変更による障害

・関税などの輸出入規制、不利な税制及びその他の規制

・人材の採用と確保の難しさ

・未整備のインフラ

・ストライキ等の労働争議

・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱

 

(8) 知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当社グループの知的財産権を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の品質

当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生した場合には、多額のコストの発生、ブランドイメージの低下、市場信頼性の失墜などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や事故に関するリスク

当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っております。しかしながら大規模な地震、台風、洪水等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 財務会計リスク

当社グループの資産及び負債は、経営状況等に対する財務会計上の評価により、影響を受ける可能性があります。当社グループは将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性の評価により繰延税金資産を計上しておりますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、貸借対照表に計上する繰延税金資産の額が減額され、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産について、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  これらを含む資産及び負債への財務会計上の評価や会計基準の変更及び新たな適用が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 資金調達環境の変化と金利の変動等

当社グループは、銀行からの借入に加え、株式及び社債の発行等により資金調達を行っております。しかしながら、今後、金融市場が混乱した場合、税制改正や政府系金融機関の制度変更等がなされた場合、もしくは当社グループの信用格付けが引き下げられた場合等においては、資金調達コストの増加や必要とする金額の資金調達が困難となること等により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれており、金利上昇により金融コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの財務内容の悪化が一部借入金等の財務制限条項に抵触し期限の利益を喪失することとなった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンプライアンス、レピュテーション

当社グループは、個人情報や機密情報の保護のための情報セキュリティの取り組みをはじめとして、法令等の遵守については未然防止の対策を講じています。さらに、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいます。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではありません。法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 将来の見通し等

当社グループは、歴史的な円高の定着やグローバルでの自動車需要の変化など大幅に悪化した事業環境に対し、従来から進めております「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」(①SKYACTIVによるビジネス革新、②「モノ造り革新」による更なるコスト改善の加速、③新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築、④グローバルアライアンスの推進、を主要施策とする)を実施しております。しかしながら、構造改革費用の発生や、計画どおりに進捗しない場合など、期待される効果が実現しないことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、昭和54年、フォード モーター カンパニーとの間にグローバルなパートナーシップを構築し、その後も、両社は提携関係を一層発展、強化させてきました。平成8年には、提携関係を一段と強化する旨合意し、同社は当社の発行済株式総数の33.4%を所有することとなりました。平成20年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の13.8%を所有することとなりました。その後、当社が、平成21年10月21日を払込期日とする一般募集による増資及び同年11月12日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の11.0%を所有することとなりました。また、平成22年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の3.5%を所有することとなりました。さらに、当社が、平成24年3月12日を払込期日とする一般募集による増資及び同年3月27日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の2.1%を所有することとなりましたが、同社は引き続き当社の大株主として、戦略的提携関係を継続することで合意しております。両社は、今後も主要な合弁事業や技術情報の交換など、双方がメリットを得られる分野で協力していきます。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「“Zoom−Zoom”(ズーム・ズーム:子供の時に感じた動くことへの感動)」に体現されるマツダのブランド価値を、さらに進化・向上して行く技術開発長期ビジョンとして平成19年に「サステイナブル“Zoom−Zoom”宣言」を策定しました。これは「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を、限られたマーケットや限られたお客様だけでなく、すべてのお客様に提供することを宣言したものです。

また、お客様のニーズに応えるための「多様化」と、効率化のための「共通化」という相反する課題を、単にベストバランスを探るのではなく、ブレークスルーによって高次元で両立させることを狙いとする「モノ造り革新」により、商品競争力の向上と開発・生産効率の向上の高い次元での両立に取り組んでいます。

セグメントごとの研究開発体制は、日本では「本社R&D部門」と「マツダR&Dセンター横浜」にて新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行っています。海外では、北米は米国の「マツダモーターオブアメリカ,Inc.」、欧州はドイツの「マツダモーターヨーロッパGmbH」、その他の地域は中国の「マツダ(中国)企業管理有限公司」の各R&D部門と連携し、さらには、フォード モーター カンパニーとの共同開発を継続的に実施し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発に取り組んでいます。

当連結会計年度の新商品は、新型「マツダ デミオ」、新型「マツダ アクセラ」及び新型クロスオーバーSUV「マツダ CX-5」です。
  新型「デミオ」には、新開発の直噴1.3Lガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」搭載車を設定し、30.0km/L(10・15モード)、25.0km/L(JC08モード)の低燃費を実現しました。このエンジンは世界一(*1)の高圧縮比14.0により実現した効率の良さが特長で、「SKYACTIV技術」の商品化の第1弾です。また、ドライバーの運転操作と燃費の良い運転をサポートする新機能「インテリジェント・ドライブ・マスター(i-DM)」を搭載しました。
  新型「アクセラ」には、新開発の2.0L直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」に加え、すべりを感じないダイレクト感を実現した新型6速自動変速機「SKYACTIV-DRIVE」をマツダ車で初めて搭載し、爽快な走りを実現しています。また、燃費性能も大幅に高め2.0Lクラスガソリンエンジン車トップ(*2)の20.0km/L(10・15モード)を達成する機種をラインアップに加えました。
  新型「CX-5」では、初めて「SKYACTIV技術」をガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーのすべてに採用し、上質で気持ちのいい走りと、優れた燃費性能を両立させました。同車は、お客様に「魅せる歓び」「意のままに操る歓び」「使い切る歓び」「永くつきあう歓び」を感じていただくために、デザイン、ダイナミック性能、機能性、環境・安全性能すべてにこだわり開発しました。なかでも、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」搭載車は、高価なNOx後処理装置なしでポスト新長期規制に適合しながら、日本国内で販売されるすべてのSUVの中でトップ(*3)となる18.6km/L(JC08モード)の優れた燃費性能と、最大トルク420N・mによる4.0L V8ガソリンエンジン車並みの力強い走りを両立しています。また、新たに新世代軽量高剛性ボディ「SKYACTIVボディ」及び新世代高性能軽量シャシー「SKYACTIVシャシー」を全車に採用することで、走りの軽快感と安定感、上質な乗り心地を同時に実現し、衝突安全性能も飛躍的に向上させました。さらに、新デザインテーマ「魂動(KODO)」の第1弾として、エクステリアデザインでは、スポーティかつ堂々としたスタイルを追求し、インテリアデザインでは、ひと目で「運転してみたい」と感じる空間を創出しました。加えて、市街地や渋滞走行時における低速での前方衝突回避をサポートする先進安全技術「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」(*4)を新たに開発し、新型「CX-5」に搭載しました。

新世代商品に向けて、自動車の基本性能である「ベース技術」を優先的に改良した上で、電気デバイスを段階的に導入していく「ビルディングブロック戦略」を進めていますが、その中で乗用車用として世界で初めて蓄電器にキャパシターを採用した減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」を開発し、今年から市販車に搭載してまいります。キャパシターは、大量の電気を素早く充放電でき、繰り返し使用しても劣化が少ない特徴をもちます。「i-ELOOP」で減速時の車両の運動エネルギーを効率よく電力に変換し、エアコンやオーディオなど、クルマの電装品に使用することで、頻繁に加減速がある実用走行時で約10%の燃費改善効果が見込めます。

当連結会計年度の研究開発費の総額は917億円で、セグメントごとの研究開発費は、日本は902億円、北米は1億円、欧州は14億円であります。なお、当社のセグメントは、生産・販売の管理体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動の大部分を日本セグメントで行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、記載を省略しております。

 

(*1)1.3Lレギュラーガソリンを燃料とする量産乗用車。 平成23年5月現在 マツダ調べ。

(*2)ハイブリッド車を除くガソリンエンジン搭載車。 マツダ調べ。

(*3)日本国内で販売されるすべてのSUV(ハイブリッド車、軽自動車、輸入車を含む)。 平成24年1月現在 マツダ調べ。

(*4)ドライバーの安全運転を前提としたシステムであり、事故被害や運転負荷の軽減を目的としています。

このシステムは道路環境、天候状態、車両状態、走行状況などにより所期の性能が発揮できないことがあります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、海外では、米国経済は緩やかな回復基調にあるものの、欧州での信用不安やタイ洪水影響、中国経済の成長鈍化など不安定な要素を含み、全体として回復力の弱さが感じられました。一方、国内では、東日本大震災からの復興需要に伴い景気は持ち直しの傾向にありましたが、海外経済の不透明感、歴史的な円高基調の継続による輸出の減少などにより厳しい状況が続きました。

このような状況の中、当社グループは、「SKYACTIV技術」を搭載した車種を順次主要市場に導入しました。また、今年2月に発表しました「中長期施策の枠組み」を強化するSKYACTIVを梃子とした「構造改革プラン」の実行にあたり、公募増資と劣後特約付ローンによる成長資金の確保と財務基盤の強化を図りました。

当期の市場別販売台数は、国内では東日本大震災の影響があったものの、「マツダ デミオ」の販売が堅調に推移したことに加え、新型「マツダ CX-5」の導入などにより、前期並みの206千台となりました。一方、海外では、北米は「Mazda2」及び「Mazda3」の好調な販売に加え、新たに導入した「CX-5」の純増などにより、前期比8.5%増の372千台となりました。欧州は、ロシアでの販売は増加しておりますが、信用不安の拡大影響もあり前期比13.6%減の183千台となりました。中国は、主力車種の「Mazda3」が好調に推移しましたが、競争激化や小型車の需要減などの影響もあり前期比5.6%減の223千台となりました。その他の市場は、オーストラリアやアセアン地域で好調な販売を維持しましたが、タイの洪水影響による輸出減もあり前期比4.7%減の263千台となりました。これらを合計したグローバル販売台数は、前期比2.0%減の1,247千台となりました。

売上高は、主要通貨が円高で推移したことに加え生産・販売台数が減少したことなどにより、前期比2,926億円減少の2兆331億円(前期比12.6%減)となりました。営業損益は、台数・構成の悪化や円高影響などにより前期比626億円減少し387億円の損失となりました。また、経常損益は、前期比737億円減少し368億円の損失となりました。当期純損益は、減損損失や東日本大震災による災害損失、事業構造改善費用などの特別損失の計上、さらに繰延税金資産の取り崩しを行った影響もあり、前期比477億円減少し1,077億円の損失となりました。

 

(2) 財政状態

当期末の総資産は、増資等による現金及び預金や有価証券の増加などにより、前期末から1,442億円増加し、1兆9,159億円となりました。負債合計は、有利子負債が前期末から851億円増加したことなどにより、前期末より1,003億円増加し、1兆4,415億円となりました。有利子負債は7,781億円となりましたが、これには平成24年3月19日に調達した劣後特約付ローン700億円が含まれております。なお、本劣後ローンは、株式会社格付投資情報センターより50%の資本性が認められており、格付けの目的上、資本性の強化に貢献できるものです。
  純資産は、前期末より439億円増加し、4,744億円となりました。これは、新株式発行による資本金及び資本剰余金が増加した一方、当期純損失により利益剰余金が減少したことなどによるものです。
  自己資本比率は、前期末より0.3ポイント増加し、24.5%(本劣後特約付ローンの資本性を考慮した自己資本比率は26.3%)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

営業活動によるキャッシュ・フローは、91億円の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資699億円(無形固定資産に係るものを含む)などにより、703億円の減少となりました。これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、794億円の減少となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、新株式発行や長期借入金の増加等により、2,365億円の増加となりました。
  有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は、3,008億円となり、純有利子負債自己資本比率は、64.2%(劣後特約付ローンの資本性考慮後52.7%)となりました。
  資金調達につきましては、当連結会計年度中に2,276億円の長期借入を実行し、平成24年3月には新株式発行により1,447億円を調達しました。

 





出典: マツダ株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書